JP4890395B2 - ブランク分離装置及びブランクの分離吸着移送方法 - Google Patents

ブランク分離装置及びブランクの分離吸着移送方法 Download PDF

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Description

本発明は、スタックの最上部に位置するブランクと、そのブランクの直下に位置するブランクとの間に間隙を形成するブランク分離装置及びブランクの分離吸着移送方法に関する。
トランスファプレスラインやタンデムプレスライン等のプレスラインは、大別すると一定の時間間隔で薄い鋼板(以下「ブランク」という)を隣接配置されたプレス装置に供給するディスタックフィーダと、供給されたブランクを所望の形に塑性加工するプレス装置と、加工が完了したブランクを搬送するパレタイザとで構成されている。
ディスタックフィーダは真空吸着ヘッド等を有する移送手段を備えており、その移送手段を用いて、ブランクが積層されてなるスタックから、最上部に位置するブランクを順に一枚ずつ分離し取り上げ、プレス装置に供給する。
また、ディスタックフィーダは、移送手段が一度に二枚のブランクをプレス装置に供給する、いわゆるダブルブランクを防止するためのブランク分離装置も併せて備えている。
現在普及しているブランク分離装置のブランク分離方法は、永久磁石や電磁石等の金属を磁化させる磁力発生手段を、スタック側面に当接させてブランク(通常、鉄板)を磁化させることにより、ブランク間に斥力を発生させ、ブランクとブランクとの間に間隙を形成するというものである(特許文献1参照)。
特開平11−334921公報
ところで、スタックからブランクが一定枚数、順次取り上げられて、プレス装置に吸着移送されると、移送手段の吸着パットの吸着が効かなくなる。
そのため、昇降リフトによりスタックをある一定の高さ押し上げて、吸着パットの吸着可能な範囲に位置決めする。
その後、ブランクが一定枚数、吸着移送されて、また移送手段の吸着パットが効かなくなる。
そのため、またスタックをある一定の高さ押し上げて、吸着パットが吸着可能な範囲に位置決めする。このような操作を繰り返すのである。
例えば、昇降リフトは、移送手段が厚さ1mmのブランクを10枚移送させた後に、スタックを20mm持ち上げるというような間歇的な動きを繰り返す。
このとき、スタックの側面から突出したブランクがたまたま存在する場合(ロットの違いによりこのようなブランクが現出する場合がある)、そのブランクにより磁力発生手段が無理やり押し上げられ、そのことによって磁力発生手段を支える基幹部が破損するという場合がある。
このことをより具体的に述べると、次の通りである。
昇降リフトに載置されるスタックは、通常、ほぼ同じ位置に整然と揃えられた状態にあるので、その側面は面一になっている。
しかし、何らかの原因で端部がスタックの側面から大きく突出した突ブランクを有するスタックが昇降リフトに希に載置される場合がある。
そのようなスタックが昇降リフトに載置されると、昇降リフトによりスタックが押し上げられる際、突ブランクが磁力発生手段の下面に当接し、そのまま磁力発生手段を強制的に押し上げてしまう。
磁力発生手段は水平に張り出された基幹部によって支えられているため、磁力発生手段が押し上げられると、基幹部に無理な力が加わり破損する場合がある。
基幹部が破損すると、ブランク分離装置が正常に働かなくなり、ダブルブランクが発生するため、プレスラインの稼働を停止せざる得なくなる。
本発明は、このような問題点を解決すべく開発されたものである。
すなわち、磁力発生手段がスタックの側面から突出した突ブランクに持ち上げられても、磁力発生手段を支持する基幹部が破損しないブランク分離装置、及びブランクの分離吸着移送方法を提供することを目的とする。
本発明者は、以上のような課題背景をもとに鋭意研究を重ねた結果、ブランク分離装置において、磁力発生手段の傾斜を検知する傾斜検知手段及び基幹部を移動させる移動手段を新たに設け、磁力発生手段を基幹部に対して上方に傾動可能にすることで上記の課題を解決できることを見出し、その知見に基づいて本発明を完成させたものである。
すなわち、本発明は、(1)、複数のブランクが積層されてなるスタックを昇降させる昇降リフトと、スタックの側面に当接して、最上部に位置するブランクとその直下に位置するブランクとの間に分離のための間隙を形成する磁力発生手段と、該磁力発生手段を上方に傾動可能に支持する基幹部と、前記磁力発生手段の傾斜状態を検知する傾斜検知手段と、前記磁力発生手段を前記スタックの側面に対して垂直な軸方向に退避移動させる移動手段と、を備えるブランク分離装置に存する。
また本発明は、(2)、前記傾斜検知手段が、前記磁力発生手段が水平状態から傾斜状態へと変化したこと、及び前記磁力発生手段が傾斜状態から水平状態へと変化したことを検知するものであるブランク分離装置に存する。
また本発明は、(3)、前記移動手段が、第1の移動手段と該第1の移動手段より後方に配置された第2の移動手段とからなるブランク分離装置に存する。
また本発明は、(4)、前記第1の移動手段が前記磁力発生手段を退避移動させるためのエアシリンダであるブランク分離装置に存する。
また本発明は、(5)、前記第2の移動手段が前記磁力発生手段をブランクの寸法に対応させるためのエアシリンダであるブランク分離装置に存する。
また本発明は、(6)、前記移動手段の駆動状態を制御する制御部を更に備え、該制御部は前記スタックから突出した突ブランクによって、前記磁力発生手段が水平状態から傾斜状態へと変化させられた場合には、磁力発生手段をスタックから退避させるように前記移動手段を駆動させ、前記磁力発生手段が傾斜状態から水平状態へと変化した場合には、磁力発生手段をスタックに当接させるように前記移動手段を駆動させるブランク分離装置に存する。
また本発明は、(7)、磁力発生手段は枢軸を支点として傾動する際に、スタックに邪魔されることを防止するために下方が傾斜状に切り欠かれているブランク分離装置に存する。
また本発明は、(8)、磁力発生手段を用いることにより、複数枚のブランクが積層されてなるスタックの最上部に位置するブランクと該ブランクの直下に位置するブランクとの間に間隙を形成し、スタックの最上部に位置するブランクの分離吸着移送方法であって、スタックに磁力発生手段を当接させて、最上部に位置するブランクと、その直下に位置するブランクとの間に間隙を形成する間隙形成工程、前記スタックの側面から突出する突ブランクが上昇することによって、水平状態の磁力発生手段が持ち上げられて傾斜状態へと変化する傾斜工程、傾斜状態の磁力発生手段を突ブランクの上から退避させて、水平状態へと戻す傾斜状態解消工程、水平状態に戻った磁力発生手段を、再度スタックに当接させて突ブランクを押し戻す押し戻し工程とを有するブランクの分離吸着移送方法に存する。
なお、「突ブランク」とは端部がスタックの側面から大きく突出した状態にあるブランクのことをいう。
なお、本発明の目的に添ったものであれば上記の発明を適宜組み合わせた構成も採用可能である。
本発明のブランク分離装置は、磁力発生手段が該磁力発生手段を支持する基幹部に対して、上方(仰角方向)に傾動可能に取り付けられており、且つ磁力発生手段が傾斜したことを検知する傾斜検知手段、及び傾斜検知手段が磁力発生手段の傾斜を検知した際に、磁力発生手段をスタックから離間させる方向に基幹部を平行移動させる移動手段を備えている。
従って、磁力発生手段が突ブランクに持ち上げられたとしても、磁力発生手段は基幹部に対して上方(仰角方向)に傾斜する傾斜状態を形成するので、本来基幹部に直接加わるはずの力を一時的に逃がすことができる。
また、移動手段亜を独立して2つ備えているので、それぞれの役割機能を分担している。
すなわち第1の移動手段41により磁力発生手段1を退避移動させる際の短い移動を正確に行うことができ、また第2の移動手段42により、ロット替えによるスタックWの寸法に対応するために敏速に大きな移動量を確保でき、結果的にプレス装置の生産効率を低下させない。
〔第一の実施形態〕
本発明の一実施形態を、図面を用いて説明する。
図1は、本実施形態のブランク分離装置全体を模式的(側面図)に示す説明図であり、(A)は複数枚のブランクwが積層されてなるスタックWを載置する前の状態、(B)はスタックWを載置した状態を示す。
図1に示されている本実施形態のブランク分離装置Aは、プレスラインの一構成要素であるプレス装置に、鋼板w(以下、「ブランク」という)を一定の時間間隔で供給するディスタックフィーダに備えられるものである。
ディスタックフィーダは、吸着パッド等を有する移送手段(例えばアームの先端に吸着パットを備える搬入用ロボット)を使って、スタックW(複数枚のブランクwが積層されてなるもの)の最上部に位置するブランクw1から順に一枚ずつプレス装置に供給する。
ブランク分離装置Aは、移送手段が同時に二枚のブランクwをプレス装置に移送する現象、いわゆるダブルブランクの発生を防止する装置であり、積層された状態にある二枚のブランクwの間に、積極的に間隙を形成することでブランク間を分離状態にし、ダブルブランクの発生を防止するものである。
本実施形態のブランク分離装置Aは、磁力発生手段1と、基幹部2と、傾斜検知手段3と、移動手段4と、昇降リフト5とを備える。
磁力発生手段1は、その周囲に磁界を形成するもので、磁界内のブランクwを磁化させて、ブランクw間に斥力を発生させる。
ブランクw間に斥力が発生すると、上側のブランクwは浮き上がり、ブランクwとブランクwとの間に間隙が形成される。
ブランクw間に間隙が形成されることにより、吸着チャックを有する移送手段により取り上げた際、ダブルブランクすることが極力防止される。
磁力発生手段1は直方体状の永久磁石11と、永久磁石11を支持固定するホルダー12とからなり、永久磁石11はホルダー12に形成された凹部に嵌め込まれて固定されている。
また、永久磁石11の下方前面の角は傾斜状に切り欠かれている。角11Aが傾斜状に切り欠かれることで、後述するように、磁力発生手段1は枢軸Pを支点としてスタックWに邪魔されることなく傾動可能(すなわち回動可能)になる。
そして、ブランクwを確実に磁化するために、磁力発生手段1(厳密には永久磁石11)はスタックWの側面に当接するように配設される。
すなわち、永久磁石11はスタックWとの当接面11Aを有している。
磁力発生手段1が発生させる磁力の大きさについて特に制限はないが、一般に、ダブルブランクを防止するために必要とされる間隙の大きさは例えば、5〜20mm程度であるとされていることから、通常のプレスラインで用いられるブランク(例えば、5〜20kg)をこのように浮き上がらせることができる磁力を有することが好ましい。
磁力発生手段1(詳しくはホルダー12)は基幹部2の先端部に枢軸Pを介して枢着されており、磁力発生手段1は基幹部2に対して上方に傾動、すなわち仰角方向に傾動可能である。
磁力発生手段1は枢軸Pを支点として傾動する際に、スタックWに邪魔されることを防止するために、前述したように下方が傾斜状に切り欠かれている。
具体的には、永久磁石11の枢軸Pの高さ位置より切り欠き部Tの上端が上になるようにすることが好ましい。
そのため、磁力発生手段1が傾動(すなわち枢軸Pを支点として回動)する際に、永久磁石11の切り欠き部Tが逃がし部として機能し、磁力発生手段1はスタックWに邪魔されることなく上方に傾動することができる。
なお昇降リフト5の上昇ピッチよりも切り欠き部Tの高さを小さくする。
傾斜検知手段3は磁力発生手段1の傾斜状態を検知するもので、磁力発生手段1が水平状態から、予め設定された角度以上に傾斜すると信号を発する。
本実施形態の傾斜検知手段3の場合、その設定角度は昇降リフト5の間欠的な上昇ピッチに対応させて決定する。
この設定角度以上に磁力発生手段1が傾斜した時点で傾斜検知手段3は信号を発する。
また、傾斜検知手段3は、磁力発生手段1が傾斜した状態から水平状態へと戻った際にも信号を発する。
本実施形態のブランク分離装置Aにおいては、傾斜検知手段3として高周波磁界を利用した渦電流式の変位センサや近接センサが用いられており、傾斜検知手段3は磁力発生手段1に生じる渦電流の大きさの変化を常時監視することによって、磁力発生手段1の傾斜度合いを判断している。
また、傾斜検知手段3は移動手段4の駆動状態を制御する図示しない制御部に電気的に接続されており、制御部は傾斜検知手段3からの信号を受けて、後述するように、移動手段4を駆動させるようにプログラミングされている。
移動手段4は基幹部2をスタックWの側面に対して垂直な方向に平行移動させるためのもので、第1の移動手段と該第1の移動手段より後方配置された第2の移動手段とからなる。
第1の移動手段41は、傾斜状態の磁力発生手段1を退避移動させて、水平状態に戻すために使われ、第2の移動手段42は磁力発生手段1をロット替えによるブランクwの長さに対応させるために使用され、それぞれその役割を分担している。
なお、プレス装置の生産効率を低下させないために、第1の移動手段41は磁力発生手段1を退避移動させる際の短い移動を正確に行うことが求められる。
そのため、第1の移動手段41には精密な駆動を行える短ストロークのエアシリンダが使用される。
また第2の移動手段42は、ロット替えによるスタックWの寸法に対応するために、敏速に大きな移動量を確保できるエアシリンダが使用される。
第1或いは第2の移動手段としては、エアシリンダの他、油圧シリンダも採用可能である。
移動手段4は前述した制御部に接続されており、移動手段4の動きは制御部によってコントロールされている。
ところで、ディスタックフィーダが備える移送手段は、ある一定の空間的領域(以下、「吸着保持可能領域」という)の内側に入っているブランクしか吸着保持により取り上げて移送することができない。
そのため、移送手段がブランクwの移送を繰り返して、吸着保持可能領域内にあるブランクが取り出されて無くなってしまうと、それ以上のブランクの移送が行えなくなる。
そのような事態を回避するために、昇降リフト5は吸着保持可能領域内に入っているブランクwが全て移送された時点で上昇し、吸着保持可能領域外にあったブランクwを、吸着保持可能領域内に位置決めする。
こうすることにより、常に、吸着保持可能領域内にブランクが入った状態が作り出される。
次に、本実施形態のブランク分離装置Aを用いたブランクの分離吸着移送方法について説明する。
この分離吸着移送方法は、間隙形成工程、傾斜工程、傾斜状態解消工程、及び押し戻し工程の四つの工程を備え、これらの工程がこの順序で繰り返し行われる。
図2は、間隙形成工程を説明する説明図、図3は、傾斜工程を説明する説明図、図4は、傾斜状態解消工程を説明する説明図、図5は、押し戻し工程を説明する説明図である。
(間隙形成工程S1)
図2に示すように、間隙形成工程S1はスタックWに磁力発生手段1を当接させて、スタックWの最上部に位置するブランクw1と、ブランクw1の直下に位置するブランクw2との間に間隙Lを形成する工程である。
そして間隙Lが形成された後、ブランクw1は、図示しない吸着チャックを備えた移送手段6によって取り上げられ図示しないプレス装置へと移送される。
間隙形成工程S1について、より詳しく述べると次の通りである。
先ず、下死点に位置する昇降リフト5に図示しない載置手段を使ってスタックWを載置する。
スタックWが昇降リフト5に載置されると、スタックWの側面が磁力発生手段1に当接し、ブランクw1の下面と、ブランクw2の上面とが同極に磁化される。
その結果、両ブランク間に斥力が発生し、その斥力によってブランクw1がブランクw2から浮き上がり、間隙Lが形成される(図2(A)参照)。
この場合、通常、2〜3枚のブランクw間に間隙Lが生じた状態となっている。
そして、移送手段6が下降して最上位のブランクw1に当接する(図2(B)参照)。
この状態で、ブランクw1から所定の枚数のブランクwが移送手段6の吸着保持可能領域内へ位置決めされたことになる。
所定の枚数のブランクwが保持可能領域内に入ると、移送手段6はブランクw1を吸着保持してディスタックフィーダに隣接配置される図示しないプレス装置に移す(図2(C)参照)。
ブランクw1の移送を完了させた移送手段6は、先程ブランクw1を保持した位置に再び戻り、ブランクw1の直下に位置していた、また次のブランクw2を保持し、同様に吸着移送する。
以下、移送手段6は、吸着保持可能領域内に入っているブランクwの移送を順次繰り返す。
ブランクwの移送が繰り返され、吸着保持可能領域内に入っている最後の(すなわち最下位の)ブランクwが移送手段6によって移送されると、昇降リフト5は保持領域の外にあるブランクwを保持領域内に位置決めするために、再び上昇する。
なお、磁力発生手段1は一定の上下長さを持つ当接面11Aを有しているため、昇降リフト5の上昇中もブランクw1及びブランクw2は磁力発生手段1に当接した状態にあり、間隙Lが形成された状態が維持される。
このように、移送手段6によるブランクwの移送と、昇降リフト5の間欠的上昇とが繰り返され、ブランクwが無くなった時点で、昇降リフト5が一旦、下降して、新たなロットのスタックWが載置される。
この新たなスタックWが載置された後の動作は、上述した通りである。
以上が間隙形成工程S1の内容である。
(傾斜工程S2)
全てのブランクwの端部の位置が揃ってスタックWの側面が面一となっている場合は、適正な間隙形成工程S1が行われ続けるが、突ブランクwdを有するスタックWが昇降リフトに載置された場合には、傾斜工程S2が行われる。
傾斜工程S2は突ブランクwdが上昇することによって、水平状態の磁力発生手段1が持ち上げられて傾斜状態へと変わる工程である。
傾斜工程S2について、より詳しく述べると次の通りである。
先ず、図3(A)に示すように、突ブランクwdを有するスタックWが昇降リフト5に載置されているとする。
そして昇降リフト5が上昇する際、突ブランクwdの端部が磁力発生手段1の底(傾斜面)に当接する(図3(B)参照)。
そして、突ブランクwdは磁力発生手段1の底(傾斜状の欠きナ部)に当接した状態で図3(C)に示すように、磁力発生手段1を持ち上げる。
そのため、磁力発生手段1は、枢軸Pを起点として仰角方向に傾斜する。
すなわち、磁力発生手段1は水平状態から傾斜状態となる。
磁力発生手段1が傾斜すると、磁力発生手段1の一部が、基幹部2の上側に取り付けられた傾斜検知手段3から離間するため、磁力発生手段1の傾斜角度に比例してその部分に発生する渦電流が減少していく。
磁力発生手段1の傾斜角度が大きくなっていき、傾斜角度がある角度に達すると、発生する渦電流の大きさは、傾斜検知手段3に予め設定されていた値を超える。
渦電流の大きさが設定されていた値を超えると、傾斜検知手段3は図示しない制御部に対して信号を送る。
以上が傾斜工程S2である。
傾斜工程S2が完了すると、次に傾斜状態解消工程S3が遂行される。
(傾斜状態解消工程S3)
傾斜状態解消工程S3は、傾斜状態にある磁力発生手段1を突ブランクwdの上から退避させて、水平状態へと戻す工程である。
傾斜状態解消工程S3について、より詳しく述べると次の通りである。
傾斜検知手段3からの信号を受けた制御部は、図4(A)に示す傾斜状態から、第1の移動手段41を駆動させて、磁力発生手段1がスタックWから離間する方向に基幹部2を後退させる。
また一方で制御部は移送手段6を制御し、保持したブランクをプレス装置に移送させた後、スタックWの上方で一時的に待機させる。
基幹部2が所定の距離、後退させられると、図4(B)に示すように、磁力発生手段1が突ブランクwdの上から脱するので、磁力発生手段1の傾斜状態は一旦解消され、水平状態へと戻る。
このとき、磁力発生手段1に発生する渦電流の大きさは、磁力発生手段1が水平状態から傾斜状態へと変化したときとは逆に減少し、渦電流が所定の値を下回ると、傾斜検知手段3は制御部に対して信号を再度送る。
以上が傾斜状態解消工程S3である。
傾斜状態解消工程S3が完了し、磁力発生手段1が傾斜状態から水平状態へと戻ると、次に押し戻し工程S4が遂行される。
(押し戻し工程S4)
押し戻し工程S4は、水平状態に戻った磁力発生手段1が、再度スタックWに当接し、突ブランクwdを押し戻す工程である。
押し戻し工程S4についてより詳しく述べると次の通りである。
制御部は傾斜検知手段3から二度目の信号を受信すると、第1の移動手段41の駆動を一旦停止させた後、直ちに第1の移動手段41をそれまでとは逆方向に駆動させる。
これにより、図5(A)に示す水平状態から、磁力発生手段1は前方に移動し突ブランクwdに当接する(図5(B)参照)。
そして、突ブランクwdを押し戻しながらスタックWに接近する。
磁力発生手段1の当接面11Aが再びスタックWの側面に当接することで突ブランクwdはスタックWに揃えられる。
すなわちスタックWの側面は面一となる。
ここで制御部は第1の移動手段41の駆動を停止させる。
以上が押し戻し工程S4である。
押し戻し工程S4が完了すると、再び間隙形成工程S1が開始され、以降、間隙形成工程S1から押し戻し工程S4までが繰り返し行われる。
なお、押し戻し工程S4が行われると、先述したように、突ブランクwdの端部はその他のブランクwの端部の位置と同じ位置に揃う(図5(C)参照)。
従って、一度傾斜状態解消工程S3及び押し戻し工程S4が行われると、そのスタックWを構成する全てのブランクwが移送されるまでの間は、磁力発生手段1は再度傾斜状態になることがない。
以上のように、本実施形態のブランク分離装置Aの場合、従来のブランク分離装置とは異なり、磁力発生手段1が基幹部2に枢着されており、基幹部2に対して傾動可能であるため、磁力発生手段1がスタックWから突出した突ブランクwdに持ち上げられても、磁力発生手段1が傾動することにより、基幹部2に加わるはずの力は逃がされ、基幹部2には一切無理な力が加わらない。
また、第1の移動手段41が磁力発生手段1の傾斜状態を解除し、磁力発生手段1を再度スタックWに当接させるまでの時間、すなわち傾斜状態解消工程S3が開始されて押し戻し工程S4が完了するまでに要する時間を、移送手段6がブランクw1を保持し、保持したブランクw1をプレス装置に移送し、ブランクw1を保持した位置に再び戻って来るまでの時間よりも短くすることで、傾斜状態解消工程S3及び押し戻し工程S4中に移送手段6の動きを停止させる必要が無くなるので、生産効率が低下しない。
以上、本発明を説明してきたが、本発明は実施の形態に限定されることなく種々の変形例が可能である。
例えば、本実施形態では磁力発生手段1を1つの場合で説明したが、通常、磁力発生手段1は、スタックWの側面に沿って複数個、配設される。
また本実施形態の磁力発生手段1では永久磁石を用いたが、電磁石等のように磁界を発生させるものであれば、その種類は限定されない。
また、移送手段として、吸着チャックを備えた例で説明したが、ブランクw1を保持して移送できるものであれば採用可能である。
図1は、本実施形態のブランク分離装置を示す説明図である。 図2は、間隙形成工程を説明する説明図である。 図3は、傾斜工程を説明する説明図である。 図4は、傾斜状態解消工程を説明する説明図である。 図5は、押し戻し工程を説明する説明図である。
符号の説明
1・・・磁力発生手段
11・・・永久磁石
11A・・・当接面
12・・・ホルダー
2・・・基幹部
3・・・傾斜検知手段
4・・・移動手段
41・・・第1の移動手段
42・・・第2の移動手段
5・・・昇降リフト
6・・・移送手段
A・・・ブランク分離装置
L・・・間隙
P・・・枢軸
T・・・切り欠き部
w・・・ブランク
w1・・・スタックの最上部に位置するブランク
w2・・・ブランクw1の直下に位置するブランク
wd・・・突ブランク
W・・・スタック

Claims (8)

  1. 複数のブランクが積層されてなるスタックを昇降させる昇降リフトと、
    スタックの側面に当接して、最上部に位置するブランクとその直下に位置するブランクとの間に分離のための間隙を形成する磁力発生手段と、
    該磁力発生手段を上方に傾動可能に支持する基幹部と、
    前記磁力発生手段の傾斜状態を検知する傾斜検知手段と、
    前記磁力発生手段を前記スタックの側面に対して垂直な軸方向に退避移動させる移動手段と、を備えることを特徴とするブランク分離装置。
  2. 前記傾斜検知手段が、前記磁力発生手段が水平状態から傾斜状態へと変化したこと、及び前記磁力発生手段が傾斜状態から水平状態へと変化したことを検知するものであることを特徴とする請求項1記載のブランク分離装置。
  3. 前記移動手段が、第1の移動手段と該第1の移動手段より後方に配置された第2の移動手段とからなることを特徴とする請求項1記載のブランク分離装置。
  4. 前記第1の移動手段が前記磁力発生手段を退避移動させるためのエアシリンダであることを特徴とする請求項3記載のブランク分離装置。
  5. 前記第2の移動手段が前記磁力発生手段をブランクの寸法に対応させるためのエアシリンダであることを特徴とする請求項3記載のブランク分離装置。
  6. 前記移動手段の駆動状態を制御する制御部を更に備え、
    該制御部は前記スタックから突出した突ブランクによって、前記磁力発生手段が水平状態から傾斜状態へと変化させられた場合には、磁力発生手段をスタックから退避させるように前記移動手段を駆動させ、
    前記磁力発生手段が傾斜状態から水平状態へと変化した場合には、磁力発生手段をスタックに当接させるように前記移動手段を駆動させることを特徴とする請求項1記載のブランク分離装置。
  7. 磁力発生手段は枢軸を支点として傾動する際に、スタックに邪魔されることを防止するために下方が傾斜状に切り欠かれていることを特徴とする請求項1記載のブランク分離装置。
  8. 磁力発生手段を用いることにより、複数枚のブランクが積層されてなるスタックの最上部に位置するブランクと該ブランクの直下に位置するブランクとの間に間隙を形成し、スタックの最上部に位置するブランクの分離吸着移送方法であって、
    スタックに磁力発生手段を当接させて、最上部に位置するブランクと、その直下に位置するブランクとの間に間隙を形成する間隙形成工程、
    前記スタックの側面から突出する突ブランクが上昇することによって、水平状態の磁力発生手段が持ち上げられて傾斜状態へと変化する傾斜工程、
    傾斜状態の磁力発生手段を突ブランクの上から退避させて、水平状態へと戻す傾斜状態解消工程、
    水平状態に戻った磁力発生手段を、再度スタックに当接させて突ブランクを押し戻す押し戻し工程とを有するブランクの分離吸着移送方法。
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