JP4890043B2 - 深層混合処理による汚染土壌の処理工法 - Google Patents

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この発明は、港湾や河川、湖沼などの水底を形成する底泥、或いは陸上の例えばゴミ焼却炉や化学工場の敷地、農地ないしその近辺の汚染土壌に含まれる、主にダイオキシン、PCB類、農薬等の汚染物質が比較的低濃度で広範囲に拡散している場合に、そうした底泥、或いは汚染土壌を回収して、汚染物質を含む泥水スラリーを、固化材および浄化剤等と混合して「地盤中への封じ込め用固化材スラリー」を製造し、深層混合処理装置を使用して陸上の地盤中、又は水底地盤中へ深く練り込んで、拡散を防止できるように不溶化し、封じ込め処理(無害化)する汚染土壌処理工法の技術分野に属する。
港湾、河川、湖沼などの水底を形成する底泥、或いは陸上の汚染土壌から溶出し拡散するダイオキシン類は、食物連鎖により、遂には人間社会、人体の衛生面へ悪影響を及ぼすところとなる。そこで人間がダイオキシン類を摂取する経路を遮断するか、或いは食物連鎖の前の段階で遮断することが必要である。その対策手段として、従来、主に水底に形成される底泥に関しては、次の3種が考えられ実行されてきた。
(i)汚染底泥を浚渫し、又は汚染土壌を掘削して除去する方法(例えば下記の特許文献1を参照)。
(ii)水底の汚染底泥の上に良質な砂をまく覆砂の方法(下記の特許文献2を参照)。
(iii)汚染底泥や汚染土壌を原位置で固化する方法(下記の特許文献3、4、5、6、7参照)。
上記(i)の汚染底泥を浚渫し、又は汚染土壌を掘削して除去する方法は、リスク低減効果の大きい方法である。しかし、底泥や地盤の汚染度に応じた最終処分ができるか、そして、最終処分の底泥量、土壌量をいかにして減らせるかに成否が左右される。
上記(ii)の覆砂の方法は、数多くの施工実績がある。しかし、底泥巻き上げ抑制効果が長期にわたり持続しているかの持続性について、モニタリングが必要である。モニタリングの結果、十分な効果が確認されない場合には、浚渫、掘削除去など他の対策工法を実施する必要がある。しかも汚染物質は残存したままなので、根本的な対策とはならないという問題点もある。
上記(iii)の汚染底泥や汚染土壌を原位置で固化する方法においても、汚染物質は環境中に残存しつづけるという問題がある。また、施工時の水の濁り発生や拡散の防止、品質管理の難しさを解決しなくてはならない。よって、モニタリングの結果、十分な効果を確認できない場合には、やはり浚渫、掘削除去などの他の対策工法を実施する必要がある。
要するに、既往技術は、いずれの対策工法にも一長一短の問題点がある。
その他の対策方法として、下記の特許文献8には、土壌等に含まれる有機ハロゲン化合物、特にダイオキシン類やPCB類、重金属等を分解、不溶化できる、土壌又は地下水などの浄化剤が開示されている。
また、特許文献9には、汚染物質を包含するヘドロを吸引し、その一方で、ヘドロの攪拌手段が位置する土壌中へ前記吸引ヘドロを排出し、攪拌手段により周囲の土壌へ練り込む底泥浄化工法が開示されている。しかし、この工法によって土壌中へ練り込む深さは5m程度の領域と記載されている(同公報の段落番号[0017]の2行目)。よって、拡散を防止できるように不溶化し、封じ込められるかの効果と信頼性に疑問、懸念がある。
特開2004−44268号公報 特開2004−92244号公報 特開2004−298659号公報 特開2004−308199号公報 特開2003−147355号公報 特許第3610458号公報 特開昭64−47414号公報 特開2005−21882号公報 特開2005−28232号公報
上述したように、水底を形成する底泥或いは陸上の汚染土壌から溶出して拡散し或いは巻き上げられる、主にダイオキシン、PCB類、農薬等の汚染物質が、食物連鎖により人間社会へ悪影響を及ぼすことを遮断する対策工法や浄化剤は各種提案され、或いは実施もされている。しかし、現在のところ、環境基準の数倍程度の比較的低濃度の汚染に適する対策工法は見当たらないのが実情である。
そこで本発明の目的は、産業上の利用に適する大規模な実施が可能で、特殊な処理機械を使用することなく、安全に汚染物質の溶出、拡散を防止できる内容で不溶化し、封じ込めを行う汚染土壌処理工法を提供することである。
本発明の次の目的は、深層混合処理工法と、適切な土壌浄化剤とを使用して、長期間にわたる浄化・分解の処理も兼ねて実施できる、汚染土壌の不溶化、封じ込めの処理工法を提供することである。
上述の課題を解決するための手段として、請求項1に記載した発明に係る深層混合処理による汚染土壌の処理工法は、
水底2の汚染物質を含む底泥3を回収し、土粒子の粒径に即して礫・砂などの粗粒分を除いた汚染物質を含む粘土・シルト・水等からなる泥水スラリーを、セメント等の固化材と浄化剤および添加剤と混合して地盤中への封じ込め用固化材スラリーを製造し、これを深層混合処理装置5を使用する攪拌混合処理により地中へ埋め込工法であって
前記地盤中への封じ込め用固化材スラリーは、水底表面2又は地盤表面から下方一定の深さTに形成する閉じ蓋の下底位置より以下で地盤改良の予定深度16までの範囲Sに、深層混合処理装置5の攪拌混合軸15による撹拌混合処理で地中へ埋め込み地盤改良体12を造成すること、
及び、水底表面又は地盤表面から前記地盤改良体12の上端までの範囲Tには、セメント等の固化材を用いた通常配合の固化材スラリーを前記深層混合処理装置5の攪拌混合軸15により攪拌混合処理して閉じ蓋を造成することを特徴とする。
請求項2に記載した発明に係る深層混合処理による汚染土壌の処理工法は、
水底2の汚染物質を含む底泥を浚渫により回収し、土粒子の粒径に即して礫・砂などの粗粒分を除いた汚染物質を含む粘土・シルト・水等からなる泥水スラリーを、セメント等の固化材と浄化剤および添加剤と混合して地盤中への封じ込め用固化材スラリーを製造し、これを深層混合処理装置5を使用する攪拌混合処理により地中へ埋め込む工法であって
前記深層混合処理装置5における攪拌混合軸15の貫入工程は、水底表面又は地盤表面から地盤改良の予定深度16まで行い、
続く攪拌混合軸15の引き上げ工程は、前記地盤中への封じ込め用固化材スラリーを前記攪拌混合軸15の上部付近から吐出させる攪拌混合処理を、地盤改良の前記最下部16から上方へ水底表面又は地盤表面の下方一定の深さに形成する閉じ蓋の下底位置Tまで行って地盤改良体12を造成し、
前記攪拌混合軸15を水底表面又は地盤表面の下方一定深さの閉じ蓋下底位置Tまで引き上げた段階で、前記地盤中への封じ込め用固化材スラリーの吐出を止め、その後攪拌混合軸15を水底表面又は地盤表面まで引き上げることを特徴とする。
請求項3に記載した発明に係る深層混合処理による汚染土壌の処理工法は、
陸上の汚染物質を含む土壌を回収し、土粒子の粒径に即して礫・砂などの粗粒分を除き脱気水で処理した汚染物質を含む粘土・シルト・水等からなる泥水スラリーを、セメント等の固化材と浄化剤および添加剤と混合して地盤中への封じ込め用固化材スラリーを製造し、これを深層混合処理装置5を使用して地中へ攪拌混合処理により埋め込工法であって
前記地盤中への封じ込め用固化材スラリーは、水底表面又は地盤表面から下方一定の深さに形成する閉じ蓋の下底位置Tより以下で地盤改良の予定深度16までの範囲Sに、深層混合処理装置5の攪拌混合軸15による攪拌混合処理で地中へ埋め込み地盤改良体12を造成すること、
及び、水底表面又は地盤表面から前記地盤改良体の上端までの範囲には、セメント等の固化材を用いた通常配合の固化材スラリーを前記深層混合処理装置の攪拌混合軸15により攪拌混合処理して閉じ蓋を造成することを特徴とする。
請求項4に記載した発明に係る深層混合処理による汚染土壌の処理工法は、
陸上の汚染物質を含む土壌を回収し、土粒子の粒径に即して礫・砂などの粗粒分を除き脱気水で処理した汚染物質を含む粘土・シルト・水等からなる泥水スラリーをセメント等の固化材と浄化剤および添加剤と混合して地盤中への封じ込め用固化材スラリーを製造し、これを深層混合処理装置5を使用する攪拌混合処理により地中へ埋め込む工法であって
前記深層混合処理装置5における攪拌混合軸15の貫入工程は、水底表面又は地盤表面から地盤改良の予定深度16まで行い、
続く攪拌混合軸15の引き上げ工程は、前記地盤中への封じ込め用固化材スラリーを前記攪拌混合軸15の上部付近から吐出させる攪拌混合処理を、地盤改良の前記最下部16から上方へ水底表面又は地盤表面の下方一定の深さに形成する閉じ蓋の下底位置Tまで行って地盤改良体12を造成し
前記攪拌混合軸15を水底表面又は地盤表面の下方一定深さの閉じ蓋の下底位置Tまで引き上げた段階で、前記地盤中への封じ込め用固化材スラリーの吐出を止め、その後攪拌混合軸15を水底表面又は地盤表面まで引き上げることを特徴とする。
請求項5に記載した発明は、請求項1又は3に記載した深層混合処理による汚染土壌の処理工法において、
深層混合処理装置5の攪拌混合軸15の貫入工程は、攪拌混合軸15による攪拌のみの処理を水底表面又は地盤表面から地盤改良の予定深度16まで行い、
続く攪拌混合軸15の引き上げ工程は、先ず地盤中への封じ込め用固化材スラリーを前記攪拌混合軸15の上部付近から吐出させ攪拌混合処理を、地盤改良の最下部16から上方へ水底表面又は地盤表面の下方一定深さに形成する閉じ蓋の下底位置Tまで行って地盤改良体12を造成し
前記攪拌混合軸15を前記閉じ蓋の下底位置Tまで引き上げた段階で、前記地盤中への封じ込め用固化材スラリーの吐出を止め、次にはセメント等の固化材を用いた通常配合の固化材スラリーを攪拌混合軸15の上部付近から吐出させる攪拌混合処理を水底表面又は地盤表面まで行って閉じ蓋を造成することを特徴とする。
請求項6に記載した発明は、請求項1又は3に記載した深層混合処理による汚染土壌の処理工法において、
深層混合処理装置5の攪拌混合軸15の貫入工程は、セメント等の固化材を用いた通常配合の固化材スラリーを攪拌混合軸15の先端部から吐出させる攪拌混合処理を、水底表面又は地盤表面の下方一定深さに形成する閉じ蓋下底位置Tまで行って閉じ蓋を造成し、前記深度で前記通常配合の固化材スラリーの吐出を止め、それより以深は攪拌混合軸15による攪拌のみの処理を地盤改良の予定深度16まで行い、
続く攪拌混合軸15の引き上げ工程は、先ず地盤中への封じ込め用固化材スラリーを前記攪拌混合軸15の上部付近から吐出させる攪拌混合処理を、地盤改良の最下部16から上方へ閉じ蓋下底の位置Tまで行って地盤改良体12を造成し
前記攪拌混合軸15を水底表面又は地盤表面から下方一定深さの閉じ蓋下底位置Tまで引き上げた段階で前記地盤中への封じ込め用固化材スラリーの吐出を止め、以後は攪拌混合軸15による攪拌のみの処理を水底表面又は地盤表面まで行うことを特徴とする。
請求項7に記載した発明は、請求項1又は3に記載した深層混合処理による汚染土壌の処理工法において、
深層混合処理装置5の攪拌混合軸15の貫入工程は、セメント等の固化材を用いた通常配合の固化材スラリーを攪拌混合軸15の先端部から吐出させる攪拌混合処理を、水底表面又は地盤表面から地盤改良の予定深度16まで行い、
続く攪拌混合軸15の引き上げ工程は、地盤中への封じ込め用固化材スラリーを前記攪拌混合軸15の上部付近から吐出させる攪拌混合処理を、地盤改良の最下部16から上方へ水底表面2又は地盤表面から下方一定の深さに形成する閉じ蓋の下底位置Tまで行って地盤改良体12を造成し
前記攪拌混合軸15を水底表面又は地盤表面の下方一定深さの閉じ蓋下底位置Tまで引き上げた段階で、前記地盤中への封じ込め用固化材スラリーの吐出を止め、次にはセメント等の固化材を用いた通常配合の固化材スラリーを攪拌混合軸15の上部付近から吐出させる攪拌混合処理を水底表面又は地盤表面まで行って閉じ蓋を造成することを特徴とする。
請求項8に記載した発明は、請求項1又は3若しくは5〜7のいずれか一に記載した深層混合処理による汚染土壌の処理工法において、
セメント等の固化材を用いた通常配合の固化材スラリーを吐出して水底表面又は地盤表面の下方に造成する閉じ蓋の下底位置Tの深さは、深層混合処理装置の攪拌混合軸15における上下の吐出口間の距離Hの2倍ないし3倍相当の深さであることを特徴とする。
浚渫船1による水底2の汚染物質を含む底泥3等の高濃度薄層浚渫、又はグラブ式浚渫の技術、或いはパワーショベル等による陸上の汚染土壌の掘削除去の技術、そして、土砂分級・洗浄プラントにより土粒子の粒径に即して汚染物質を含む粘土・シルト・水等からなる泥水スラリーを、礫・砂などの粗粒分を除いて回収する技術、および深層混合処理装置5による陸上地盤や水底地盤2の改良処理工法の技術は、それぞれ既に多数の施工実績のある既往技術であり、実施の容易性と、施工効果の確実性に優れており、実現性が高い。しかも産業上の大規模な利用、実施が可能であり、汚染物質が汚染土壌や水底2の底泥3から溶出したり、拡散し或いは巻き上げられる虞のない状態に土中深く練り込み、長期的に安全な不溶化、封じ込めの処理を実現できる。
その一方で、分級により回収した礫・砂などの粗粒分は、資源として再利用することができる。
陸上の汚染土壌、或いは水底2の底泥3を回収して、それを分級・洗浄して、「地盤中への封じ込め用固化材スラリー」を製造する技術、そして、前記「地盤中への封じ込め用固化材スラリー」を使用して実施する陸上地盤又は水底地盤2の深層混合処理工法は、既往技術そのもので、完全に閉鎖系のシステムであり、陸上地盤中又は水底地盤2中へ深く不溶化して封じ込めた汚染物質は、再び水中や空気中へ溶出したり拡散する虞は皆無に等しい。即ち、汚染物質は、陸上地盤や水底地盤中の深い位置に固化して練り込み、不溶化し封じ込めるので、洪水や台風等の荒天による洗掘や流出、海流等による影響を受けず、長期に安定な処理効果を得ることができる。
その上、「地盤中への封じ込め用固化材スラリー」には鉄粉などの浄化剤を混ぜ込んで処理するから、上記固化および不溶化の効果だけでなく、長期的な分解・浄化を積極的に促進して、封じ込めた汚染物質が環境中に残存し続ける可能性を確実に低減化できる。しかも水底地盤2の改良処理工法による場合は、護岸等の海洋構造物への悪影響に関し、深層混合処理による改良体12で補強することもできる。また、停泊船舶の投錨に悪影響を来さないし、施工場所を変えることにより船舶航路への影響もなくすることができる。
水底2の汚染物質を含む底泥3を回収し、土粒子の粒径に即して礫・砂などの粗粒分を除いた汚染物質を含む粘土・シルト・水等からなる泥水スラリーを、セメント等の固化材と浄化剤および添加剤と混合して「地盤中への封じ込め用固化材スラリー」を製造する。陸上の汚染物質を含む土壌は、回収し土粒子の粒径に即して礫・砂などの粗粒分を除き脱気水で処理した汚染物質を含む粘土・シルト・水等からなる泥水スラリーを、セメント等の固化材と浄化剤および添加剤と混合して「地盤中への封じ込め用固化材スラリー」を製造する。その「地盤中への封じ込め用固化材スラリー」を、深層混合処理装置5を使用して地中へ埋め込み処理するにあたり、水底表面又は地盤表面2の下方一定の深さTより以下で、地盤改良の予定深度16までの範囲Sに攪拌混合処理により埋め込み処理する。
更に具体的には、水底2の汚染物質を含む底泥3を回収し、又は陸上の汚染物質を含む地盤を回収して得られた泥水スラリーは、セメント等の固化材、および浄化剤、添加剤と混合して「地盤中への封じ込め用固化材スラリー」を製造し、これを深層混合処理装置5へ供給する。
深層混合処理装置5による陸上地盤又は水底地盤2の改良処理における攪拌混合軸15の貫入工程は、攪拌混合軸15の回転による攪拌のみの処理を、地盤改良12の予定深度(T+S)まで行うか、又はセメント等の固化材を用いた「通常配合の固化材スラリー」を攪拌混合軸15の先端部から吐出させる貫入吐出の攪拌混合処理として、水底表面2又は地盤表面から一定の深さTまで、若しくは地盤改良12の予定深度(T+S)まで行う。
続く引き上げ工程は、上述した「地盤中への封じ込め用固化材スラリー」を前記攪拌混合軸15の上部付近から吐出させる引き上げ吐出の攪拌混合処理を、地盤改良12の最下部16から上方へ、水底表面2又は地盤表面から一定の深さの閉じ蓋下底位置Tに至る範囲Sに行って地盤改良体12の造成を行う。
前記水底表面2又は地盤表面から一定の深さTまで攪拌混合軸15を引き上げた段階で、前記「地盤中への封じ込め用固化材スラリー」の吐出を止め、攪拌混合軸15の回転による攪拌のみの処理を行うか、又は前記「通常配合の固化材スラリー」を攪拌混合軸15の上部付近から吐出させる攪拌混合処理を水底表面2又は地盤表面まで行って閉じ蓋を造成する
水底2の汚染物質を含む底泥3、又は陸上の汚染物質を含む土壌から回収した汚染物質を含む粘土・シルト・水等からなる泥水スラリー中のダイオキシン、PCB類、農薬などの汚染物質を浄化する浄化剤としては、金属鉄粉、炭素その他の貴金属類から成る金属系還元剤、或いは鉄などの金属と酸化鉄、酸化チタンなどの金属酸化物と含む材料、又は亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウムなどの還元剤と酸化鉄、酸化チタンなどの金属酸化物とを含む材料を使用する。
セメント等の固化材を用いた「通常配合の固化材スラリー」を吐出して閉じ蓋を形成する、水底表面2又は地盤表面の下方一定の深さTは、攪拌混合軸15における上下の吐出口間の距離Hの2倍ないし3倍相当の深さ範囲とする。
次に、本発明を図示した実施例に基づいて説明する。
先ず図1は、本発明に係る深層混合処理工法による水底2の汚染底泥3の処理工法を実施する機械設備・装置類の全体像を概念的な展開図として示している。
図1中右方の(A)は、高濃度薄層浚渫船1により、水底2に沈積した汚染物質を含む底泥3を浚渫により回収する作業状況を示す。図示した高濃度薄層浚渫船1は、既に知られているように、汚染物質の拡散や巻き上げを可及的に生じさせないダクト吸い上げ方式により浚渫する構成であることを示している。しかし、前記回収の方式、浚渫処理の構成、機能および作業内容に限る意味ではない。好ましい形態の浚渫・回収の作業方式の例を示すに止まる。
なお、陸上の汚染土壌を回収する作業方式については、特に図示することは省略したが、周知のパワーショベル等を使用して掘削し除去・回収する工法等が一般的に実施される。
図1の中央部(B)では、中間処理プラント船4(又は作業台船)が、上記の高濃度薄層浚渫船1で浚渫し回収した汚染物質を含む底泥3を受け取り、土粒子の粒径に即して、汚染物質を含む粘土・シルト・水等からなる泥水スラリーを、礫・砂などの粗粒分と分離・分級して除く実施態様を示している。
もとより地理的条件の如何によっては、中間処理プラント船4(又は作業台船)を使用しないで、高濃度薄層浚渫船1で回収した底泥3を、直ちに陸上に用意した中間処理プラント施設へ送り、陸上で同様の分級処理を実施する場合もある。その図示説明は省略したが、以下に説明する実施例では、陸上での分級・分別処理を含む場合のあることを考慮されたい。
上記の中間処理プラント船4における分級処理で回収した、汚染物質を含む粘土・シルト・水等からなる泥水スラリーは、図1中左方の(C)に示した深層混合処理船5へ送り、セメント等の固化材、および後述する浄化剤や添加剤と混合して、「地盤中への封じ込め用固化材スラリー」を製造する。この「封じ込め用固化材スラリー」を使用する深層混合処理工法の実施により、汚染物質を含む「地盤中への封じ込め用固化材スラリー」は水底地盤2中へ深く練り込み、不溶化し封じ込めるのである。
図1(C)には、便宜上深層混合処理船5を示しているが、これは水面上での深層混合処理作業の実施を前提としている場合を示すにすぎない。
以下の説明では、いわゆる陸上地盤の地盤改良を行う深層混合処理装置5を包含する意味の用語としても理解されたい。
以上に概略説明した深層混合処理工法全体の作業フローを図2に示している。
この作業フロー中で、水底から回収した汚染物質を含む底泥3を、中間処理プラント船4において、土粒子の粒径に即して、汚染物質を含む粘土・シルト・水等からなる泥水スラリーを、礫・砂などの粗粒分と分離・分級して回収する「分級処理」は、一例として、図3Aに示す概念図と処理フローにより行われる。
即ち、回収した底泥3は、先ず貯泥槽6へ収容し、これをポンプと管路を意味するラインで振動フルイ7へ送り、礫・砂などの粗粒分8を、他の汚染物質を含む粘土・シルト・水等からなる泥水分9から除く(分離、分級する)。ちなみにダイキシン類は水に溶けにくく、底泥3中に間隙水中よりも土粒子の表面に付着して存在し、礫、砂と比較して単位重量当たりの表面積が大きい粘土、シルトに、より高濃度に付着していることは既に知られている。よって、水底の底泥3を回収して分級すれば、汚染物質の大半を確保し回収することが可能である。
前記のように分級された汚染物質を含む粘土・シルト・水等からなる泥水分9は、更にサイクロン10へ送り、一層細かい分離、分級の処理を行う。かくして得られた汚染物質を含む粘土・シルト・水等からなる泥水スラリーはスラリー槽11へ貯留し、これが深層混合処理船5へ送られる。
一方、振動フルイ7で分級された礫・砂などの粗粒分8は、海水や河川の水を利用する洗浄水12により、環境への影響が軽微な状態に十分洗浄して取り出し、水質モニタリングを行った後に、資源として再利用するか、或いはそのまま水底2へ戻す。
もっとも、陸上で回収された汚染土壌の場合は、先ず図3Bに示す処理フローの貯泥槽6へ送り込まれる。図3Bの処理フローの大部分は、上記図3Aに示す水底の底泥3の汚染物処理フローの内容とほぼ同じである。
ただし、陸上の汚染土壌の処理が、前記水底2の底泥3を処理する場合と大きく異なる点は、脱気処理を施した脱気水を使用することである。その理由は、陸上で回収した汚染土壌を泥水状に処理するにあたり、酸素の介在が邪魔して、後の浄化剤による浄化作用において金属鉄粉等の金属系還元剤による還元処理が不十分に終わる懸念を予め解消するためである。
図3A、Bを対比して明らかなように、図3Bでは、陸上で回収した汚染土壌は、貯泥槽6へ収容した段階で、脱気処理装置30で脱気処理した脱気水を加えて泥水状にする。その泥水をコンベア等によって予め気密状態に密閉された建て屋31内の振動フルイ7へ送る。振動フルイ7では、やはり脱気処理装置30で脱気処理した脱気水を散布して礫・砂などの粗粒分8を、その他の汚染物質を含む粘土・シルト・水等の泥水分9から除く(分離、分級する)。この汚染物質を含む粘土・シルト・水等からなる泥水分9を泥水スラリーとして処理すれば、陸上の汚染土壌中の汚染物質の大半を確保し回収することが可能である。
上記汚染物質を含む粘土・シルト・水等からなる泥水分9は、更にサイクロン10へ送り、一層細かい分離、分級の処理を行う。かくして得られた汚染物質を含む粘土・シルト・水等からなる泥水スラリーはスラリー槽11に貯留し、これが上記深層混合処理船5へ送られる。
一方、振動フルイ7で除かれた礫・砂などの粗粒分8は、海水や河川の水を利用する洗浄水12により、環境への影響が軽微な状態に十分洗浄して取り出し、水質モニタリングを行った後に、資源として再利用するか、或いはそのまま地表や地中へ戻す。
ちなみに、上記脱気処理装置30で水を脱気処理する方法としては、通例次のような類型が実施される。
(a)真空ポンプ等で真空状態に減圧したタンク内で、水中の溶存ガスを脱気する処理方 式。
(b)減圧容器内での低温沸騰と超音波によるキャビテーションとの併用方式による脱気 処理。
(c)超音波エネルギーが付与された水を真空脱気装置で脱気処理するとともに、脱気さ れた水を加圧して、減圧空気内で断熱膨脹させることで脱気処理する真空脱気処理 方式。
(d)水を適度に攪拌しながら窒素ガスを吹き込む方式。
(e)粗気泡瀑気によって粗気泡に水中の気泡を取り込んで除去する方式。
(f)空気のみを通して水を通さない素材(例えば高分子気体分離膜)を使用した膜式真 空脱気方式(膜内外の圧力差により、水に溶けている酸素等の気体だけを膜の外側 へ排除する方式)。
次に、上記図1中左方の(C)に示した深層混合処理船5は、深層混合処理に必要な機械・設備一式を船上に装備した構成のいわゆる深層混合処理装置を意味するが、船による構造形式に限定する理由のないことは上述した通りである。例えば出願人らによるDCM工法(登録商標)の実施例で既に公知の機械・装置を適用可能である。この深層混合処理船5は、上記したように分級・回収した汚染物質を含む粘土・シルト・水等からなる泥水スラリーを、セメント或いは環境への影響が軽微な他の固化材、および後述する浄化剤、添加剤と混合して「地盤中への封じ込め用固化材スラリー」に製造し、これを深層混合処理工法により水底地盤又は陸上地盤中へ深層混合処理工法により練り込むことで地中に深く埋め込み地盤改良体12を造成して長期的に安全な状態に不溶化し、封じ込める処理を実現する。
ところで、本発明を実施する場合に使用する固化材スラリーには2種類があり、使い分けることを理解されたい。
その1種は、セメント等の固化材を用いた、既往のいわゆる「通常配合の固化材スラリー」である。この「通常配合の固化材スラリー」は、例えば図4Aに例示したように、ミキサー14へ、例えば水(又は海水など、以下同じ。)と、セメント等の固化材および添加剤をそれぞれ所定の配合比となるように適量ずつ投入し、混練して製造される。
他の1種は、図4Bに例示したように、上述のように回収した汚染物質を含む粘土・シルト・水等からなる泥水スラリーを単独で、又は泥水スラリーに水を加えたものと、セメント等の固化材および添加剤、並びに前記の汚染物質を浄化し又は分解する性質の浄化剤とを、やはりミキサー14へ所定の配合比となるように適量ずつ投入し、十分に混練して製造される「地盤中への封じ込め用固化材スラリー」である。
因みに、上記固化材スラリーの製造に使用されるセメントとしては、普通ポルトランドセメント、高炉セメント、セメント系固化材、低アルカリ性セメントなどがある。
低アルカリ性セメントとしては、リン酸マグネシア形セメント(水を加えたスラリーのpHは10.7)、植物のケナフを主成分とする中性固化材(水を加えたスラリーのpHは7.0)などが知られている。
上述した添加剤は、製造する固化材スラリーの性状を調整するために使用されるもので、増粘材、混和材、遅延材などを指す。
増粘材は、深層混合処理装置5の攪拌混合軸15の貫入が容易にできるようにしたり、浄化剤を臆す配管内での粒子の沈降防止を図るため、或いは金属系還元剤を増粘材で増量して均一に分散させるための材料である。具体的には、珪藻土、ベントナイト、市販の精製粘性土、自然堆積粘性土などが使用される。
混和材は、固化材スラリーの圧送を容易にするため、固化材スラリーの性状を変える目的で使用する。例えば固化材スラリーに流動性を持たせたり、夏場に固化材スラリーの粘性増大を抑制する目的で使用する。
遅延材は、セメント等の固化材の強度発現を遅らせる目的で使用する薬剤である。
次に、上記他の1種の「地盤中への封じ込め用固化材スラリー」の製造に使用する汚染物質の浄化剤は、回収した泥水スラリー中に含まれる汚染物質、例えば主としてダイオキシン、PCB類、農薬等を長期にわたる浄化・不溶化を促進し又は分解する性質のものであり、例えば下記のいずれかを使用することができる。
(i)金属鉄粉、炭素その他の貴金属類から成る金属系還元剤。
(ii)鉄などの金属と酸化鉄、酸化チタンなどの金属酸化物を含む材料。
(iii)亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウムなどの還元剤と酸化鉄、酸化チタンなどの金属酸化物とを含む材料。
次に、本発明の特徴として、上記深層混合処理船5(又は陸上の深層混合処理装置)による水底地盤2(又は陸上地盤、以下同じ。)の改良処理法は、大きくは攪拌混合軸15を水底地盤2に向かって貫入させる貫入工程時の処理と、同攪拌混合軸15が地盤改良の予定深度(図1中の符号16を参照)まで到達した後の引き上げ工程時に行う処理とに大別される。そうした処理フローの類型を纏めたのが図5である。
(貫入工程の類型)
攪拌混合軸15の貫入工程は、一例を図6に2軸構成で示した攪拌混合軸15の回転による攪拌処理のみ(非吐出)を地盤改良の予定深度16まで一気に行う場合と、セメント等の固化材を用いて製造した上記「通常配合の固化材スラリー」を攪拌混合軸15の先端吐出口(特に図示せず)から矢印17のように吐出させつつ、これを追いかける形に下向きに貫入させる攪拌混合軸15により攪拌混合処理する貫入時吐出法とに大別される。更に、後者の貫入時吐出法による攪拌混合処理に関しても、地盤改良の予定深度(T+S)まで一気に貫入吐出を行う場合と、図1あるいは図7Eに示したように、水底表面又は地盤表面2の下方一定の深度Tまでは貫入吐出を行い、それより以下については前記「通常配合の固化材スラリー」の吐出を止め、単に攪拌混合軸15の回転による攪拌処理のみ行う場合(非吐出)とに分けられる。
なお、図6に示した攪拌混合軸15の構成について概説すると、符号20は先端掘削翼、21は攪拌翼、22は2軸の間隔を保持する連結部材、23は駆動軸、24はスラリーパイプである。
要するに、貫入工程では、攪拌混合軸15を垂直下向きに地盤改良の最下部16まで貫入させることが要諦である。この貫入工程時に、上記「通常配合の固化材スラリー」を吐出させて水底地盤2を攪拌混合処理する場合には、後に続く引き上げ工程を容易に行うため、施工条件(特に施工深度)によっては上記添加剤(遅延剤)の配合により固化材の固化速度を遅延させる必要が生ずる。
(引き上げ工程の類型)
続く引き上げ工程おいては、上述したように汚染物質を含む粘土・シルト・水等からなる泥水スラリーとセメント等の固化材、および浄化剤、添加剤を混合して製造した「地盤中への封じ込め用固化材スラリー」を、例えば図6に示したように攪拌混合軸15の上部付近に予め用意した吐出用ノズル18から矢印19のように下向き或いは水平横向き方向に吐出させ、これを追いかける形に上方へ引き上げられる攪拌混合軸15の回転により攪拌混合処理を行って埋め込み、地盤改良体12を造成する
もっとも、上記「地盤中への封じ込め用固化材スラリー」を地中へ埋め込む攪拌混合処理は、水底表面2から一定の深さの閉じ蓋下底位置Tまで攪拌混合軸15を引き上げた段階で止め、図1又は図7Eに示す地盤改良体12の深さ範囲Sに限定して行う。
即ち、前記深さ範囲Sの上限である閉じ蓋下底位置Tで「地盤中への封じ込め用固化材スラリー」の吐出を止め、その位置Tより上方の範囲には、上記「通常配合の固化材スラリー」を同じく攪拌混合軸15の上部付近に位置する前記吐出用ノズル18を共通に使用して矢印19のように吐出させ、これを追いかける形に上方へ引き上げられる攪拌混合軸15の回転により、水底2の表面まで攪拌混合処理を行う方式と、「通常配合の固化材スラリー」を吐出させることなく、単に攪拌混合軸15の回転による攪拌処理のみ行う場合とに分けられる。
要するに、上記「地盤中への封じ込め用固化材スラリー」を吐出させ攪拌混合処理した地盤改良体12の上部には、「通常配合の固化材スラリー」を吐出させ攪拌混合処理した「閉じ蓋」を形成し、汚染物質が再び溶出したり拡散することを確実に防止する構造の施工を行う。前記の「閉じ蓋」、貫入工程および引き上げ工程のいずれかにおいて、単に攪拌混合軸15の回転による攪拌処理のみ実施する場合を含む
上述のようにして行う貫入工程および引き上げ工程の作業フローを、図7に概念的に示している。
ここで、上記した引き上げ工程における「地盤中への封じ込め用固化材スラリー」を使用する攪拌混合処理の深さ範囲Sと、「通常配合の固化材スラリー」を使用する攪拌混合処理の深さ範囲Tを区別する意義および深さの具体例について説明する。
その基本的な考え方は、汚染物質を含む粘土・シルト・水等からなる泥水スラリーを使用して製造した「地盤中への封じ込め用固化材スラリー」は、汚染物質の長期的に安全、安定な不溶化と、封じ込め処理を目的として、水底地盤2の深い位置(範囲S)に深層混合処理として練り込む。一方、「通常配合の固化材スラリー」を使用する攪拌混合処理は、上述したように水底地盤2の深い位置(範囲S)に練り込んだ汚染物質の上に硬い「閉じ蓋」をして、二度と再び溶出したり、拡散、巻き上げを生じさせないようにする目的で、水底2の表面から一定の深さTの範囲に攪拌混合処理を行うのである。
具体的に説明すると、深層混合処理工法による地盤改良の最下部16は、通例地下45m程度に及ぶ。一方、「通常配合の固化材スラリー」を使用する攪拌混合処理は、練り込んだ汚染物質の上に硬い「閉じ蓋」を形成するという目的と、副次的に水底地盤2の深い範囲Sへ練り込んだ汚染物質を含む「地盤中への封じ込め用固化材スラリー」で汚れた攪拌混合軸15が、前記「地盤中への封じ込め用固化材スラリー」との縁が切れて、汚染物質が除去される洗浄効果を得るために、攪拌混合軸15における上下の吐出口間の距離をH(通例、Hは2m〜3m)とするとき、水底表面2から一定の深さTは、前記Hの2倍ないし3倍の深さ、具体的には4m〜6mないし6m〜9mの深さを確保することが好ましい。
以上に本発明を図示した実施例に基づいて説明したが、もとより図示の実施例に限定する意味ではない。本発明の要旨を変更することなく、いわゆる当業者が必要に応じて行う設計変更や応用、利用の範囲にまで及ぶことを念のため申し添える。
本願発明を実施設備・機械の配置と全体像を示す説明図である。 本発明の処理フローである。 Aは水底の底泥について、Bは陸上土壌の汚染物質を含む泥水スラリーを分級処理するフロー図である。 A、Bは2種の固化材スラリーを製造する要領の説明図である。 深層混合処理工法の要点説明図である。 本発明で使用する攪拌混合軸の説明図である。 A〜Eは深層混合処理の要点説明図である。
符号の説明
2 水底
3 底泥
5 深層混合処理装置
15 攪拌混合軸
18 スラリーノズル
16 地盤改良の最下部
S 汚染物質を封じ込める深さ範囲
T 水底表面からの深さ
H 攪拌混合軸の上下の吐出口間の距離















Claims (8)

  1. 水底の汚染物質を含む底泥を回収し、土粒子の粒径に即して礫・砂などの粗粒分を除いた汚染物質を含む粘土・シルト・水等からなる泥水スラリーを、セメント等の固化材と浄化剤および添加剤と混合して地盤中への封じ込め用固化材スラリーを製造し、これを深層混合処理装置を使用する攪拌混合処理により地中へ埋め込工法であって
    前記地盤中への封じ込め用固化材スラリーは、水底表面又は地盤表面から下方一定の深さに形成する閉じ蓋の下底位置より以下で地盤改良の予定深度までの範囲に、深層混合処理装置の攪拌混合軸による撹拌混合処理で地中へ埋め込み地盤改良体を造成すること、
    及び、水底表面又は地盤表面から前記地盤改良体の上端までの範囲には、セメント等の固化材を用いた通常配合の固化材スラリーを前記深層混合処理装置の攪拌混合軸により攪拌混合処理して閉じ蓋を造成することを特徴とする、深層混合処理による汚染土壌の処理工法。
  2. 水底の汚染物質を含む底泥を浚渫により回収し、土粒子の粒径に即して礫・砂などの粗粒分を除いた汚染物質を含む粘土・シルト・水等からなる泥水スラリーを、セメント等の固化材と浄化剤および添加剤と混合して地盤中への封じ込め用固化材スラリーを製造し、これを深層混合処理装置を使用する攪拌混合処理により地中へ埋め込む工法であって
    前記深層混合処理装置における攪拌混合軸の貫入工程は、水底表面又は地盤表面から地盤改良の予定深度まで行い、
    続く攪拌混合軸の引き上げ工程は、前記地盤中への封じ込め用固化材スラリーを前記攪拌混合軸の上部付近から吐出させる攪拌混合処理を、地盤改良の前記最下部から上方へ水底表面又は地盤表面の下方一定の深さに形成する閉じ蓋の下底位置まで行って地盤改良体を造成し
    前記攪拌混合軸を水底表面又は地盤表面の下方一定深さの閉じ蓋下底位置まで引き上げた段階で、前記地盤中への封じ込め用固化材スラリーの吐出を止め、その後攪拌混合軸を水底表面又は地盤表面まで引き上げることを特徴とする、深層混合処理による汚染土壌の処理工法。
  3. 陸上の汚染物質を含む土壌を回収し、土粒子の粒径に即して礫・砂などの粗粒分を除き脱気水で処理した汚染物質を含む粘土・シルト・水等からなる泥水スラリーを、セメント等の固化材と浄化剤および添加剤と混合して地盤中への封じ込め用固化材スラリーを製造し、これを深層混合処理装置を使用して地中へ攪拌混合処理により埋め込工法であって
    前記地盤中への封じ込め用固化材スラリーは、水底表面又は地盤表面から下方一定の深さに形成する閉じ蓋の下底位置より以下で地盤改良の予定深度までの範囲に、深層混合処理装置の攪拌混合軸による攪拌混合処理で地中へ埋め込み地盤改良体を造成すること、
    及び、水底表面又は地盤表面から前記地盤改良体の上端までの範囲には、セメント等の固化材を用いた通常配合の固化材スラリーを前記深層混合処理装置の攪拌混合軸により攪拌混合処理して閉じ蓋を造成することを特徴とする、深層混合処理による汚染土壌の処理工法。
  4. 陸上の汚染物質を含む土壌を回収し、土粒子の粒径に即して礫・砂などの粗粒分を除き脱気水で処理した汚染物質を含む粘土・シルト・水等からなる泥水スラリーを、セメント等の固化材と浄化剤および添加剤と混合して地盤中への封じ込め用固化材スラリーを製造し、これを深層混合処理装置を使用する攪拌混合処理により地中へ埋め込む工法であって
    前記深層混合処理装置における攪拌混合軸の貫入工程は、水底表面又は地盤表面から地盤改良の予定深度まで行い、
    続く攪拌混合軸の引き上げ工程は、前記地盤中への封じ込め用固化材スラリーを、前記攪拌混合軸の上部付近から吐出させる攪拌混合処理を、地盤改良の前記最下部から上方へ水底表面又は地盤表面の下方一定の深さに形成する閉じ蓋の下底位置まで行って地盤改良体を造成し
    前記攪拌混合軸を水底表面又は地盤表面の下方一定深さの閉じ蓋下底位置まで引き上げた段階で、前記地盤中への封じ込め用固化材スラリーの吐出を止め、その後攪拌混合軸を水底表面又は地盤表面まで引き上げることを特徴とする、深層混合処理による汚染土壌の処理工法。
  5. 深層混合処理装置の攪拌混合軸の貫入工程は、攪拌混合軸による攪拌のみの処理を水底表面又は地盤表面から地盤改良の予定深度まで行い、
    続く攪拌混合軸の引き上げ工程は、先ず地盤中への封じ込め用固化材スラリーを前記攪拌混合軸の上部付近から吐出させる攪拌混合処理を、地盤改良の最下部から上方へ水底表面又は地盤表面の下方一定深さに形成する閉じ蓋の下底位置まで行って地盤改良体を造成し
    前記攪拌混合軸を前記閉じ蓋の下底位置まで引き上げた段階で、前記地盤中への封じ込め用固化材スラリーの吐出を止め、次にはセメント等の固化材を用いた通常配合の固化材スラリーを攪拌混合軸の上部付近から吐出させる攪拌混合処理を水底表面又は地盤表面まで行って閉じ蓋を造成することを特徴とする、請求項1又は3に記載した深層混合処理による汚染土壌の処理工法。
  6. 深層混合処理装置の攪拌混合軸の貫入工程は、セメント等の固化材を用いた通常配合の固化材スラリーを攪拌混合軸の先端部から吐出させる攪拌混合処理を、水底表面又は地盤表面の下方一定深さに形成する閉じ蓋下底位置まで行って閉じ蓋を造成し、前記深度で前記通常配合の固化材スラリーの吐出を止め、それより以深は攪拌混合軸による攪拌のみの処理を地盤改良の予定深度まで行い、
    続く攪拌混合軸の引き上げ工程は、先ず地盤中への封じ込め用固化材スラリーを前記攪拌混合軸の上部付近から吐出させる攪拌混合処理を、地盤改良の最下部から上方へ閉じ蓋下底の位置まで行って地盤改良体を造成し
    前記攪拌混合を水底表面又は地盤表面から下方一定深さの閉じ蓋下底位置まで引き上げた段階で前記地盤中への封じ込め用固化材スラリーの吐出を止め、以後は攪拌混合軸による攪拌のみの処理を水底表面又は地盤表面まで行うことを特徴とする、請求項1又は3に記載した深層混合処理による汚染土壌の処理工法。
  7. 深層混合処理装置の攪拌混合軸の貫入工程は、セメント等の固化材を用いた通常配合の固化材スラリーを攪拌混合軸の先端部から吐出させる攪拌混合処理を、水底表面又は地盤表面から地盤改良の予定深度まで行い、
    続く攪拌混合軸の引き上げ工程は、先ず地盤中への封じ込め用固化材スラリーを前記攪拌混合軸の上部付近から吐出させる攪拌混合処理を、地盤改良の最下部から上方へ水底表面又は地盤表面から下方一定の深さに形成する閉じ蓋の下底位置まで行って地盤改良体を造成し
    前記攪拌混合軸を水底表面又は地盤表面の下方一定の深さの閉じ蓋下底位置まで引き上げた段階で、前記地盤中への封じ込め用固化材スラリーの吐出を止め、次にはセメント等の固化材を用いた通常配合の固化材スラリーを攪拌混合軸の上部付近から吐出させる攪拌混合処理を水底表面又は地盤表面まで行って閉じ蓋を造成することを特徴とする、請求項1又は3に記載した深層混合処理による汚染土壌の処理工法。
  8. セメント等の固化材を用いた通常配合の固化材スラリーを吐出して水底表面又は地盤表面の下方一定の深さに造成する閉じ蓋の下底位置までの深さは、深層混合処理装置の攪拌混合軸における上下の吐出口間の距離の2倍ないし3倍相当の深さであることを特徴とする、請求項1又は3若しくは5〜7のいずれか一に記載した深層混合処理による汚染土壌の処理工法。
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