JP2000120061A - 地下浄化壁及びその形成方法 - Google Patents

地下浄化壁及びその形成方法

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JP2000120061A
JP2000120061A JP10289551A JP28955198A JP2000120061A JP 2000120061 A JP2000120061 A JP 2000120061A JP 10289551 A JP10289551 A JP 10289551A JP 28955198 A JP28955198 A JP 28955198A JP 2000120061 A JP2000120061 A JP 2000120061A
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groundwater
porous aggregate
wall
excavation
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JP10289551A
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Yoshio Fujii
義生 藤井
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Seiko Kogyo Co Ltd
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Seiko Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 有害物質を含んだ地下水を地下において効果
的に浄化することができることができる。 【解決手段】 地盤1に形成された掘削孔2に微生物が
生息する多孔質の骨材3を充填することで通水性を有す
る壁部4が形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有害物質により汚
染されている地下水を浄化するための地下浄化壁及びそ
の形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、地下水に種々の有害物質が含まれ
ていて様々な環境汚染を引き起こしている。すなわち、
肥料や農薬が地下に染み込んだり、工場廃液が地下に染
み込んだり、ごみ処理場から流れた有害物質が地下に染
み込んだりし、これらの有害物質が地下水に混じり、環
境汚染を引き起こしているのである。
【0003】ところが、いったん地盤に染み込んで地下
水に混じってしまうと、有害物質を除去するのがきわめ
て困難である。例えば、汚染された地下水を地上に汲み
上げ、地上において地下水から有害物質を除去するには
広い敷地と大規模な設備を必要とし、コストがかかると
いう問題がある。また、地下水を汲み上げるため、地盤
沈下等の新たな問題も生じる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の点に鑑
みてなされたものであり、有害物質を含んだ地下水を地
下において効果的に浄化することができ、また、地盤沈
下のおそれを無くすことも可能な地下浄化壁を提供する
こと、及び有害物質を含んだ地下水を地下において効果
的に浄化することのできる地下浄化壁を簡単に形成でき
る地下浄化壁の形成方法を提供することを課題とするも
のである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明に係る地下浄化壁は、地盤1に形成された掘削
孔2に微生物が生息する多孔質の骨材3を充填すること
で通水性を有する壁部4が形成されていることを特徴と
するものである。このような構成とすることで、掘削孔
2に微生物が生息する多孔質の骨材3を充填して形成さ
れた通水性を有する壁部4を有害物質を含んだ地下水が
通水する際、多孔質の骨材3に生息した微生物の働きに
より有害物質が無害化されて地下水が浄化されるもので
ある。そして、この地下水の浄化が地盤において行われ
るものである。
【0006】また、壁部4を介して通水する地下水の下
流側の地盤1に地下水をくみ上げるための地下水くみ上
げ部5を設けることが好ましい。このような構成とする
ことで、掘削孔2に微生物が生息する多孔質の骨材3を
充填して形成された通水性を有する壁部4を通水するこ
とで有害物質が除去された浄化済みの地下水をくみ上げ
ることで、浄化済みの地下水を取り出して地上で利用し
たり、あるいは再び地下に返送することができるもので
ある。
【0007】また、壁部4が平面視で環状をしていて環
状の壁部4に囲まれた部分の地盤1に地下水くみ上げ部
5を設けることが好ましい。このような構成とすること
で、環状をした壁部4が一種の井戸を構成し、井戸内に
有害物質が除去された浄化水が流入して溜まるため、こ
れをくみ出すことで浄化された地下水をくみ出すことが
できるものである。
【0008】また、壁部4が2重以上の多重に形成して
あることが好ましい。このような構成とすることで、有
害物質を含んだ地下水を多段階で浄化することができる
ものである。
【0009】また、地下水くみ上げ部5からくみ上げた
地下水を再び地盤1に返送するための返送部6を地盤1
に設けることが好ましい。このような構成とすること
で、浄化した地下水を再び地盤に返送することで、地盤
沈下等を防止することができることになる。
【0010】また、本発明の地下浄化壁の形成方法は、
掘削軸7により地盤1を掘削して所定深さの掘削孔2を
形成し、その後掘削軸7を引き上げる際に掘削軸7に設
けた噴出孔から多孔質の骨材3を掘削孔2内に噴出しな
がら掘削土砂と多孔質の骨材3とを置換して掘削孔2に
多孔質の骨材3を充填して通水性を有する壁部4を形成
することを特徴とするものである。このような方法を採
用することで、掘削孔2内に目的とする多孔質の骨材3
を充填して通水性を有する壁部4を形成できて、設計通
りの浄化能力を備えた壁部4を簡単に地盤に形成するこ
とができて、有害物質を含んだ地下水を確実に浄化する
ことができるものである。
【0011】また、地盤1を掘削する際に掘削軸7に設
けた噴出孔から掘削と同時に多孔質の骨材3を掘削孔2
内に噴出しながら掘削土砂と多孔質の骨材3とを混合攪
拌しつつ掘削孔2に掘削土砂と多孔質の骨材3との混合
物が充填された通水性を有する壁部4を形成することを
特徴とするものであってもよい。このような方法を採用
することで、地上への排出土砂をできるだけ少なくしな
がら簡単な方法で浄化能力を備えた壁部4を地盤に形成
することができて有害物質を含んだ地下水を浄化するこ
とができるものである。
【0012】また、多孔質の骨材3を掘削軸7から噴出
するに当って、多孔質の骨材3と水溶性の高分子液とを
混合した状態で掘削軸7から噴出することが好ましい。
このような方法を採用することで、掘削軸7から多孔質
の骨材3を掘削孔2内にスムーズに噴出して掘削孔2内
に確実に多孔質の骨材3を充填することができるもので
あり、充填後は水溶性の高分子が溶解することで、形成
された壁部4の通水性を確保できるものである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明を添付図面に示す実
施形態に基づいて説明する。
【0014】図1には本発明の地下浄化壁9を形成する
施工方法が示してある。まず、図1(a)に示すよう
に、掘削機10(図においては多軸掘削機の例を示して
いるが、単軸掘削機であってもよい)を地盤1の所定位
置にセットする。次に図1(b)に示すように、掘削機
10に設けた掘削軸7の下端部に設けた噴出孔(図示せ
ず)から掘削液30を噴出しながら、地盤1を掘削し、
図1(c)に示すように、所定深度まで掘削する。この
場合、掘削軸7により掘削された掘削土砂と掘削液とが
混合されて掘削孔2内に充填されるものである。所定深
度まで掘削すると、掘削軸7の噴出孔から多孔質の骨材
3を噴出しながら掘削軸7を引き上げ、これにより掘削
土砂と掘削液とが混合された混合物が充填してあった掘
削孔2の下から順に多孔質の骨材3が充填されていき、
掘削土砂と掘削液との混合物が掘削孔2の上開口から図
1(d)の矢印に示すように地上に排出され、多孔質の
骨材3と掘削土砂とが置換され、図1(e)に示すよう
に、多孔質の骨材3が掘削孔2内に充填された壁部4を
形成することになる。このようにして掘削孔2内に多孔
質の骨材3を充填した壁部4を次々と連続して形成する
ことで、地盤1中に多孔質の骨材3が充填された透水性
を有する地下浄化壁9を形成するものである。
【0015】使用する多孔質の骨材3としては微生物が
生息できるように多孔質になったものであり、例えば多
孔質セラミックが使用される。その粒径は掘削軸7の噴
出孔から噴出できる大きさのものであり、その粒径は約
5mm〜100mm、好ましくは約20mm程度であ
る。多孔質のセラミック以外の多孔質の骨材を使用でき
るのはもちろんである。微生物を植付けることなく多孔
質の骨材3を掘削孔2内に充填しても、充填後、地中に
生息する微生物が多孔質の骨材3を担体として生息す
る。もちろん、本発明において使用する多孔質の骨材3
にあらかじめ微生物を植付けておき、この微生物を植付
けて生息させた状態の多孔質の骨材3を使用して掘削軸
7の噴出孔から噴出して掘削孔2内に充填するようにし
てもよい。
【0016】ここで、掘削軸7を引き上げながら多孔質
の骨材3を噴出孔から噴出するに当って骨材粒子に粘性
を与えて供給しやすくするために一種の増粘剤を混ぜて
供給するものである。
【0017】上記増粘剤としては例えばCMC(カルボ
キシル・メチル・セルロース)のような水溶性高分子液
を挙げることができる。多孔質の骨材3を増粘剤として
の水溶性高分子液と混合して噴出孔から掘削孔2内に噴
出すると、多孔質の骨材3に粘性を与えてスムーズに噴
出して掘削孔2内に簡単且つ確実に充填されるだけでな
く、多孔質の骨材3を掘削孔2内に充填した後、水溶性
高分子が水に溶解して多孔質の骨材3と多孔質の骨材3
との間に隙間が形成されて、形成された地下浄化壁9の
通水性をより増大することができるものである。
【0018】上記掘削軸7を引き上げながら多孔質の骨
材3と水溶性高分子液とを混合して掘削孔2内に噴出す
る際に、水溶性高分子を分解するための物質(一例を挙
げるとセルラーゼ)を混入していてもよいものである。
このように、水溶性高分子を分解するための物質を混入
しておくことで、多孔質の骨材3を掘削孔2内に充填し
た後、水溶性高分子が分解されて短時間で確実に多孔質
の骨材3と多孔質の骨材3との間に隙間が形成されて、
地下浄化壁9の通水性を短時間で確実に増大できるもの
である。
【0019】多孔質の骨材3と水溶性高分子とを混合し
て掘削軸7の噴出孔から掘削孔2内に噴出するという上
記各実施形態において、掘削軸7により掘削孔2を所定
深度まで掘削する際に掘削軸7から噴出する掘削液とし
てはセメントミルクや水溶性高分子液等がある。そし
て、掘進時に水溶性高分子を噴出しながら掘削するもの
においては、引き上げ時に多孔質の骨材3を噴出する場
合に混入するものと同じものであるため、多孔質の骨材
3を充填した後、水溶性高分子が溶解して多孔質の骨材
3が正確に充填された設計通りの地下浄化壁9を形成す
ることができるものである。
【0020】上記した各実施形態においては掘削軸7を
引き上げる際に、多孔質の骨材3と水溶性高分子とを混
合したものを掘削軸7の噴出孔から掘削孔2内に噴出す
る例につき説明したが、掘削軸7を引き上げる際に、多
孔質の骨材3とセメントミルクとを混合したものを掘削
軸7の噴出孔から掘削孔2内に噴出してもよいものであ
る。この場合には、掘削軸7により掘削孔2を所定深度
まで掘削する際に掘削軸7から噴出する掘削液としてセ
メントミルクを用いるのが好ましい。セメントミルクと
しては水セメント比が300以上のブリ−ジングが大き
いものを使用し、形成される地下浄化壁9の透水係数が
1×10-4以上、1×10-2以下となるようにする。こ
れによりセメントミルクを使用しても形成される地下浄
化壁9の透水性を確保できるものである。このようにセ
メントミルクを使用する場合、セメントミルクは地盤改
良、地下壁、土留め壁等の分野で従来から一般的に使用
されており、その製造プラント等をそのまま利用できる
ので、安価となるものである。
【0021】また、上記したいずれの実施形態において
も、置換により地上に排出された排出混合物をプラント
に戻して、掘削液として再利用したり、あるいは多孔質
の骨材3と混合して掘削軸7の噴出孔から掘削孔2内に
噴出して再利用してもよいものであり、この場合には、
地上への排出混合物を有効に再利用し、産業廃棄物とし
て処分するコストを低減でき、産業廃棄物で環境を汚染
することもない。
【0022】上記の各実施形態においては、置換法によ
り掘削孔2内に多孔質の骨材3を充填した例を示した
が、以下のような掘削軸7により掘進する際に掘削孔2
内に多孔質の骨材3を充填していく直接法により充填し
てもよい。
【0023】すなわち、図2(a)のように掘削機10
を地盤1の所定位置にセットし、その後、図2(b)の
ように、掘削機10に設けた掘削軸7の下端部に設けた
噴出孔から掘削液と多孔質の骨材3を混合した混合物3
1を噴出しながら、地盤1を掘削し、所定深度まで掘削
する。この場合、多孔質の骨材3と掘削液との混合物3
1が掘削軸7により掘削された掘削土砂と混合されて掘
削孔2内に充填されるものである。このようにして図2
(c)に示すように、所定深度まで掘削すると、掘削軸
7からの噴射を停止した状態で図2(d)→(e)に示
すように、掘削軸7を引き上げるものである。このよう
にして、地盤1に形成した掘削孔2内に多孔質の骨材3
と掘削土砂と掘削液との混合物が充填された壁部4が形
成されることになる。掘削孔2内に多孔質の骨材3と掘
削土砂と掘削液との混合物が充填された壁部4を次々と
連続して形成することで、地盤1中に地下浄化壁9を形
成するものである。
【0024】ここで、掘削液としてセメントミルクを用
いる場合には、セメントミルクとしては水セメント比が
300以上のブリ−ジングが大きいものを使用し、形成
される地下浄化壁9の透水係数が1×10-4以上、1×
10-2以下となるようにする。これによりセメントミル
クを使用しても形成される地下浄化壁9の透水性を確保
できるものである。このようにセメントミルクを使用す
る場合、セメントミルクは地盤改良、地下壁、土留め壁
等の分野で従来から一般的に使用されており、その製造
プラント等をそのまま利用できるので、安価となるもの
である。
【0025】また、掘削液としてCMC(カルボキシル
・メチル・セルロース)のような水溶性高分子液を用い
た場合には水溶性高分子が水に溶解して多孔質の骨材3
と掘削土砂との混合物内に無数の隙間が形成されて通水
性に優れた地下浄化壁9を形成することができるもので
ある。この場合、多孔質の骨材3と掘削液とを混合して
噴出する際に同時に水溶性高分子を分解するための物質
(一例を挙げるとセルラーゼ)を混入していてもよいも
のである。このように、水溶性高分子を分解するための
物質を混入しておくことで、多孔質の骨材3を掘削孔2
内に充填した後、水溶性高分子が分解されて短時間で確
実に多孔質の骨材3と多孔質の骨材3との間に隙間が形
成されて、地下浄化壁9の通水性を短時間で確実に増大
できるものである。
【0026】上記直接法においても地上に溢れた混合排
出物をプラントに戻して多孔質の骨材3と混合して、掘
削軸7により掘削孔2を形成する際に、掘削軸7の噴出
孔から掘削孔3内に噴出するようにしてもよく、この場
合には地上への排出混合物を有効に再利用し、産業廃棄
物として処分するコストを低減でき、産業廃棄物で環境
を汚染することもない。
【0027】また、上記した各直接法においても、あら
かじめ微生物を植付けて多孔質の骨材3にあらかじめ微
生物を生息させた状態のものを使用して、掘削軸7の噴
出孔から掘削液とともに噴出させてもよく、あるいはま
た、微生物を生息させない状態のものを使用して掘削軸
7の噴出孔から掘削液とともに噴出させてもよい。前者
の場合には確実に微生物が生息した地下浄化壁9を形成
できて、形成後すぐに有害物質の除去の効果を奏するこ
とができる。また、後者の場合には時間の経過とともに
地下浄化壁9を構成する多孔質の骨材3を担体として地
中の微生物が生息するので、微生物が生息した地下浄化
壁9を形成できるものである。
【0028】しかして、上記した置換法や直接法により
地盤1中に形成した地下浄化壁9は微生物の生息環境に
適した形態である多孔質骨材3を主体に形成され且つ通
水性を有しているので、有害物資を含んだ地下水がこの
地下浄化壁9を通水することで、多孔質骨材3でろ過さ
れると共に多孔質骨材3に生息する微生物により有害物
質が分解され、浄化された状態で地下浄化壁9から下流
側に流れていくものである。
【0029】上記地下浄化壁9は図3のように、ごみ処
理場、工場、農場等の汚染発生源Aを囲むように形成
し、汚染発生源Aから発生する有害物質が地下水に混入
して流れるのを本発明の地下浄化壁9により浄化して清
浄な地下水として地下浄化壁9の下流側に流すことがで
きるものである。
【0030】また、図4のように、ごみ処理場、工場、
農場等の汚染発生源Aよりも地下水の下流側に地下浄化
壁9を形成し、汚染発生源Aから発生する有害物質が地
下水に混入して下流側に流れるのを本発明の地下浄化壁
9により浄化して清浄な地下水として地下浄化壁9の下
流側に流すことができるものである。図4において矢印
イは地下水の流れを示す。
【0031】また、図5のように、ごみ処理場、工場、
農場等の汚染発生源Aの区域内に平面視で環状をした地
下浄化壁9で囲まれた一種の井戸Bを形成するようにし
てもよい。このようにすることで、ごみ処理場、工場、
農場等の汚染発生源Aから地下に染み込んだ有害物質が
地下水に混入して地下浄化壁9で囲まれた井戸B内に流
入するのであるが、この場合、地下水に混入している有
害物質が本発明の地下浄化壁9で浄化されて、浄化され
た地下水が井戸B内に流入することになる。したがっ
て、この井戸B内に溜まった浄化された地下水をくみ上
げることで、地下水の有効利用が図れるのである。
【0032】地下水のくみ上げに当っては、平面視環状
をした地下浄化壁9で囲まれた井戸B内に地下水くみ上
げ部5を設け、この地下くみ上げ部5から浄化された地
下水をくみ上げるのである。地下くみ上げ部5は例え
ば、平面視環状をした地下浄化壁9で囲まれた井戸B内
の地盤1にボーリングをしてその孔にくみ上げ管12を
挿入することにより構成するものである。そして、井戸
B内の浄化された地下水をくみ上げ管12からポンプに
よりくみ上げるものである。
【0033】地下水くみ上げ部5からくみ上げた地下水
は図5に示すように再び地盤1内に挿入した返送部6か
ら地盤1に返送するようにするものであり、このように
浄化した地下水を再び地盤1に返送することで、地下水
くみ上げによる地盤沈下等を防止することができ、ま
た、このような地下水の浄化→くみ上げ→地盤1中への
地下水の返送を繰り返すことで、時間の経過と共に地下
水中の有害物質濃度が低減されて無公害化するものであ
る。
【0034】もちろん、地下水くみ上げ部5からくみ上
げた地下水を地上において利用してもよいものである。
【0035】上記平面視環状をした地下浄化壁9で囲ま
れた井戸Bを形成するに当って、図5に示すように地盤
1中に2重以上の多重に平面視環状の地下浄化壁9を形
成してもよいものである。このように平面視環状の地下
浄化壁9を2重以上の多重とすることで、有害物質を含
んだ地下水を多段階で浄化することができて、浄化効果
をより高めることができるものである。
【0036】なお、上記実施形態においては、平面視環
状をした地下浄化壁9で囲まれた井戸B内の浄化された
地下水を地下水くみ上げ部5からくみ上げて地上で利用
したり、あるいは返送部6から再び地盤1に返送する例
につき説明したが、図4のような非環状をした地下浄化
壁9を形成したものにおいて、図示を省略しているが地
下浄化壁9よりも地下水の下流側の地盤1中に地下水く
み上げ部5を挿入して地下浄化壁9により浄化された地
下水を地上にくみ上げて地上で利用したり、あるいは、
返送部6から再び地盤1に返送するようにしてもよいも
のである。
【0037】ところで、微生物が生息した多孔質の骨材
3を有害物質を含んだ地下水が通過する際、微生物によ
り浄化される有害物質の一例を説明すると、硝酸性窒
素、ポリクロロエチレン等であり、これらの有害物質を
微生物が分解することで、地下水が浄化されるものであ
る。例えば、硝酸性窒素は農薬に多量に含まれており、
農薬を多量に使用する箇所における地下水は硝酸性窒素
を含んでいるが、この地下水に含まれた硝酸性窒素が地
下浄化壁9を通過する際に、多孔質の骨材3に生息する
微生物により窒素ガスに分解されて除去されるものであ
る。
【0038】
【発明の効果】上記の請求項1記載の本発明にあって
は、地盤に形成された掘削孔に微生物が生息する多孔質
の骨材を充填することで通水性を有する壁部が形成され
ているので、有害物質を含んだ地下水が掘削孔に微生物
が生息する多孔質の骨材を充填して形成された通水性を
有する壁部を通水する際、多孔質の骨材に生息した微生
物の働きにより有害物質が無害化されて地下水が浄化さ
れるものであり、しかも、この地下水の浄化が地盤中に
形成した地下浄化壁により行われるので、地上において
地下水浄化のための広大な施設を必要とせず、地下水浄
化のコストを低減できるものである。
【0039】また、請求項2記載の発明にあっては、上
記請求項1記載の発明の効果に加えて、壁部を介して通
水する地下水の下流側の地盤に地下水をくみ上げるため
の地下水くみ上げ部を設けてあるので、浄化済みの地下
水を取り出して地上で利用したり、あるいは再び地下に
返送することができるものである。
【0040】また、請求項3記載の発明にあっては、上
記請求項2記載の発明の効果に加えて、壁部が平面視で
環状をしていて環状の壁部に囲まれた部分の地盤に地下
水くみ上げ部を設けてあるので、環状をした壁部が一種
の井戸を構成し、井戸内に有害物質が除去された浄化水
が流入して溜まるため、浄化された地下水を集めてくみ
出すことができるものである。
【0041】また、請求項4記載の発明にあっては、上
記請求項2又は請求項3記載の発明の効果に加えて、壁
部が2重以上の多重に形成してあるので、有害物質を含
んだ地下水を多段階で浄化することができて、より効果
的に地下水に含まれる有害物質の除去ができるものであ
る。
【0042】また、請求項5記載の発明にあっては、上
記請求項2乃至請求項4のいずれかに記載の発明の効果
に加えて、地下水くみ上げ部からくみ上げた地下水を再
び地盤に返送するための返送部を地盤に設けてあるの
で、浄化した地下水を再び地盤に返送することで、地盤
沈下等を防止することができ、これを繰り返すことで、
時間の経過とともに地下水中の有害物質の濃度を低減で
きて無害化でき、また、地下水くみ上げによる地盤低下
を防止することができるものである。
【0043】また、請求項6記載の発明にあっては、掘
削軸により地盤を掘削して所定深さの掘削孔を形成し、
その後掘削軸を引き上げる際に掘削軸に設けた噴出孔か
ら多孔質の骨材を掘削孔内に噴出しながら掘削土砂と多
孔質の骨材とを置換して掘削孔に多孔質の骨材を充填し
て通水性を有する壁部を形成するので、置換法という簡
単な方法で掘削孔内に目的とする多孔質の骨材を充填し
て通水性を有する壁部を形成できて、設計通りの浄化能
力を備えた壁部を簡単に地盤に形成することができて、
有害物質を含んだ地下水を確実に浄化することができる
ものである。
【0044】また、請求項7記載の発明にあっては、地
盤を掘削する際に掘削軸に設けた噴出孔から掘削と同時
に多孔質の骨材を掘削孔内に噴出しながら掘削土砂と多
孔質の骨材とを混合攪拌しつつ掘削孔に掘削土砂と多孔
質の骨材との混合物が充填された通水性を有する壁部を
形成するので、地上への排出土砂をできるだけ少なくし
ながら簡単な方法で浄化能力を備えた壁部を地盤に形成
することができて有害物質を含んだ地下水を浄化するこ
とができるものであり、また、置換法と異なり、地上に
排出する排出混合物の量が少なくなるので、地上に排出
した排出混合物の処理にかかるコストが低減できるもの
である。
【0045】また、請求項8記載の発明にあっては、上
記請求項6又は請求項7記載の発明の効果に加えて、多
孔質の骨材を掘削軸から噴出するに当って、多孔質の骨
材と水溶性の高分子液とを混合した状態で掘削軸から噴
出するので、掘削軸から多孔質の骨材を掘削孔内にスム
ーズに噴出して掘削孔内に確実に多孔質の骨材を充填す
ることができるものであり、充填後は水溶性の高分子が
溶解することで、形成された壁部の通水性を確実に確保
できて、多孔質の骨材が充填された通水性のある地下浄
化壁を簡単に形成できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)(b)(c)(d)(e)は本発明の地
下浄化壁の形成方法における形成順序を示す一例の説明
図である。
【図2】(a)(b)(c)(d)(e)は本発明の地
下浄化壁の形成方法における形成順序を示す他例の説明
図である。
【図3】本発明の地下浄化壁の一実施形態の説明図であ
る。
【図4】同上の他の実施形態の断面図である。
【図5】同上の他の実施形態の概略説明図である。
【符号の説明】
1 地盤 2 掘削孔 3 多孔質の骨材 4 壁部 5 地下水くみ上げ部 6 返送部 7 掘削軸

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 地盤に形成された掘削孔に微生物が生息
    する多孔質の骨材を充填することで通水性を有する壁部
    が形成されていることを特徴とする地下浄化壁。
  2. 【請求項2】 壁部を介して通水する地下水の下流側の
    地盤に地下水をくみ上げるための地下水くみ上げ部を設
    けて成ることを特徴とする請求項1記載の地下浄化壁。
  3. 【請求項3】 壁部が平面視で環状をしていて環状の壁
    部に囲まれた部分の地盤に地下水くみ上げ部を設けて成
    ることを特徴とする請求項2記載の地下浄化壁。
  4. 【請求項4】 壁部が2重以上の多重に形成してあるこ
    とを特徴とする請求項2又は請求項3記載の地下浄化
    壁。
  5. 【請求項5】 地下水くみ上げ部からくみ上げた地下水
    を再び地盤に返送するための返送部を地盤に設けて成る
    ことを特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれかに記
    載の地下浄化壁。
  6. 【請求項6】 掘削軸により地盤を掘削して所定深さの
    掘削孔を形成し、その後掘削軸を引き上げる際に掘削軸
    に設けた噴出孔から多孔質の骨材を掘削孔内に噴出しな
    がら掘削土砂と多孔質の骨材とを置換して掘削孔に多孔
    質の骨材を充填して通水性を有する壁部を形成すること
    を特徴とする地下浄化壁の形成方法。
  7. 【請求項7】 地盤を掘削する際に掘削軸に設けた噴出
    孔から掘削と同時に多孔質の骨材を掘削孔内に噴出しな
    がら掘削土砂と多孔質の骨材とを混合攪拌しつつ掘削孔
    に掘削土砂と多孔質の骨材との混合物が充填された通水
    性を有する壁部を形成することを特徴とする地下浄化壁
    の形成方法。
  8. 【請求項8】 多孔質の骨材を掘削軸から噴出するに当
    って、多孔質の骨材と水溶性の高分子液とを混合した状
    態で掘削軸から噴出することを特徴とする請求項6又は
    請求項7記載の地下浄化壁の形成方法。
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