JP3665307B2 - 化学汚染地帯の土壌改良工法及びこれに使用する混合装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、溶剤として使用されたトリクロロエチレンやテトラクロロエチレン、さらには、PCBやダイオキシン等を含む有機化合物が、地下に侵入して汚染した工場等の跡地の土壌を、ラネーニッケルと水素により浄化する土壌改良工法を、より効果的に行うための工法及びこれに使用する土壌改良用混合装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
工場等の跡地に侵入したトリクロロエチレンや、テトラクロロエチレン等の有機塩素化合物は、地下水を汚染するため、地下水を汲み上げてこれら有機塩素化合物を大気へ放出する技術が開発されているが、大気汚染という新たな汚染を発生させることになる。
また、汚染土壌に有機塩素化合物を分解する微生物を混入して、汚染土壌を浄化する技術も開発されているが、土壌浄化後の微生物を地球の生態系に影響しないように、使用後の微生物に配慮する必要がある。
また、従来より行われていた地盤強化剤の薬剤を土壌に注入するボーリング注入工法を、ラネーニッケルと水素による有機塩素化合物の還元反応に適用して、有機塩素化合物によって汚染された地域を浄化する土壌改良法が試みられ、本出願人もその開発に関与してきた(特願2001−333537号)。この方法は汚染された土壌の中へ、ラネーニッケルと水素を従来のボーリング注入工法により混合させ、汚染された土壌の中でラネーニッケルと水素により有機塩素化合物を還元して、人体に無害な、また、自然に優しい化合物に変化する工法である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記したトリクロロエチレン等の有機塩素化合物によって汚染された地域を、ラネーニッケルと水素によって浄化する土壌改良法は、優れた発明であるが、ボーリング工法自体は、手間も、時間も、燃料もかかるため、短時間に、効率良く実施する必要がある。
そのためには、まず、浄化しようとする対象の土地のどこにどのような状態で、上記の有機塩素化合物が存在しているかを、迅速、的確に把握する必要がある。つぎに、短時間に浄化するには、どの方向からどの方向に向けて、また、どのように浄化作用を進行させると良いかを見つけることである。
また、ボーリングの操作時間を短縮し、かつ、ボーリング装置の燃料費を削減するために、ラネーニッケルや水素を土壌内へ、継続的に追加して注入するのを、できるだけ回避する必要がある。
【0004】
そこでこの発明は、トリクロロエチレンやテトラクロロエチレン、さらには、PCBやダイオキシン等を含む有機化合物を含む土壌を、短時間に、効率良く浄化作業が行える工法及びその装置を提供して上記課題を解決しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1項の発明は、トリクロロエチレン等の有機化合物によって汚染された地域を、ラネーニッケルと水素によって浄化する土壌改良工法において、
土壌改良対象の土地の周囲をシーリングパイルプを打ち込んで区切り、
該土地を、メッシュ状に区分し、
該メッシュ状の各区画地から土壌を採取し、
分析により汚染が判明した場合には、汚染されている区画地の周囲の前記メッシュ状の区画地から深度を深めて土壌を採取し、
該分析により新たに汚染が判明した場合には、該汚染された区画地の新たな周囲の区画地をさらに深度を深めて土壌を採取し、
この作業を新たな汚染土地が無くなるまで繰り返すことにより、予め汚染領域を把握した後、
該汚染地帯の地下水の上流側から下流側へ向けて、
深層混合装置の回転する削孔ロッド先端部からは、アルカリ性の水溶液で活性化したラネーニッケル溶液を、前記削孔ロッド先端の側面噴射口からは、水素を地中に圧入して地盤を泥状化しながら削孔し、前記汚染領域を接触還元により浄化し、この浄化作業を、前記予め把握しておいた汚染領域が無くなるまで繰り返す、化学汚染地帯の土壌改良工法とした。
【0006】
また、請求項2の発明は、上記請求項1において、深層混合装置の回転する削孔ロッド先端部からアルカリ性の水溶液で活性化したラネーニッケル溶液を、地中に圧入して地盤を泥状化しながら削孔し、前記把握しておいた汚染地域の深度まで到達したとき、前記削孔ロッド先端の側面噴射口から水素を地中に圧入して前記汚染領域を接触還元により浄化する、化学汚染地帯の土壌改良工法とした。また、請求項3の発明は、上記請求項1又は2において、上記浄化作業の途中で、上記泥状化した液のサンプリングにより、該液がアルカリ性を呈する間は、新たに、前記活性化液、及び水素を充填することなく、前記泥状化した液を繰り返し土壌に圧入して地盤へ循環する化学汚染地帯の土壌改良工法とした。また、請求項4の発明は、上記請求項1又は2において、上記浄化作業の途中で、上記削孔内の泥状化した液のサンプリングにより、該液がアルカリ性を呈する間は、前記活性化液の圧入を停止するが、水素は継続して圧入しながら浄化する、化学汚染地帯の土壌改良工法とした。
【0007】
また、請求項5の発明は、上記請求項1乃至4において、前記汚染地帯の地下水の上流側から下流側への判断は、前記汚染された区画地のより深い土壌を採取した際の孔を、観測井とすることにより行う化学汚染地帯の土壌改良工法とした。
また、請求項6の発明は、トリクロロエチレン等の有機化合物によって汚染された地域を、ラネーニッケルと水素によって浄化する土壌改良工法において、
当該地域から掘削した土砂を、別途設けたプラントの貯泥槽に搬入し、当該貯泥槽内に、水酸化ナトリウムの水溶液で活性化したラネーニッケル活性化液を注入して土砂と混合し、これに水素ガスを噴射させ、上記有機化合物をラネーニッケルとの接触還元により浄化させ、当該土砂を上記地域に埋め戻す、化学汚染地帯の土壌改良工法とした。
【0008】
また、請求項7の発明は、トリクロロエチレン等の有機化合物によって汚染された地域を、ラネーニッケルと水素によって浄化する土壌改良工法において、
当該地域から掘削した土砂を、コンクリートミキサー車のタンクに搬入し、当該タンク内に、水酸化ナトリウムの水溶液で活性化したラネーニッケル活性化液を注入して土砂と混合し、これに水素ガスを噴射させ、上記有機化合物をラネーニッケルとの接触還元により浄化させ、当該土砂を上記地域に埋め戻す、化学汚染地帯の土壌改良工法とした。
また、請求項8の発明は、トリクロロエチレン等の有機化合物によって汚染された地域から掘削した土砂に、アルカリ性の水溶液で活性化したラネーニッケル活性化液、及び、水素ガスを注入して混合する装置において、該装置は、回転する2軸の攪拌体部からなる混合機能を有し、該混合装置の外部から前記2軸の攪拌体部へ水素ガスを挿入し、各軸へ挿入された水素ガスは、攪拌体部から被混合体内へ噴出される構成となった、化学汚染地帯の土壌改良用混合装置とした。
【0009】
【実施の形態例】
次にこの発明の実施の形態例を図に基づいて説明する。
図1は、この発明の工法を分かり易くするために、一般的な浄化したい土壌改良対象地の地中の汚染状態が、どのようになっているかを、模擬的に示した断面図である。
通常、地中は、図1の左に記載されているように、上方の浅い部分の土に続いて、地下水が存在する帯水層、及び、その下の地下水が殆ど侵入しない難透水層とから構成されている。
図1では、説明のため縦線により、断面を(1)〜(10)の10区画に区切っている。一般に、(1)区画の表面から有機塩素化合物が地下へ浸透すると、有機塩素化合物は、次のように、地中に浸透していくものと考えられている。
(1)の区画の地表面から地下へ浸透した有機塩素化合物は、帯水層へ達すると、帯水層の地下水に流されて(2)〜(4)の区画の方へ、かつ、地中深く浸透するが、(5)の区画のところで難透水層に達すると、地下水は、それより深く浸透しないため、帯水層の底部に沿って、一番右の(10)の区画のところまで、横滑りのように移動する。
【0010】
図2は、図1の断面的に示した有機塩素化合物の浸透状態、つまり、汚染状態を図1に対応させた平面図として示したものである。図1では、有機塩素化合物の浸透状態、つまり、汚染状態の深さ方向しか示していないが、図2では、平面的な広がりを示している。
【0011】
次に、この発明の工法における手順について説明する。
まず、土壌改良対象の土地の周囲を図1に示すようにシーリングパイル2を打ち込んで区切る。次いで、この土地の土壌をサンプリングするため、土壌採取地点を決める。図3は、図1の区画と関連させて、説明をし易くするために、土地をメッシュ状のように区分けし、100区画としているが、実際に地面をメッシュ状にする必要はないし、100区画とする必要もない。採取地点については、概ね、1000m2に1地点の割合で、地表面下15cm以内の土壌をサンプリングする。図4の斜線で示したアの区画は、分析の結果、基準値を超過した地点であること、つまり、汚染されている地点を示している。次いで、汚染がどの方向へ進行しているかを把握するため、図4のアの周囲の区画をボーリングする。採取深度は1m、2m、3m、4m、及び5mのように、順次、深くしながら複数箇所から採取する。
【0012】
図5は、イの地点の深い所(例えば、5m)が汚染していたことを示している。そこで、図5のイの右側の○印の箇所を、順次、深くしながら複数箇所から採取する。図6は、その結果、ウとエの箇所が新たに新たに汚染されていると判明した地点を示している。そこで、図6のウ、エの右側の○印箇所を、順次、深くしながら複数箇所から採取する。
図7は、その結果、新たに、オ、カ、キの箇所が汚染されていると判明した地点を示している。そこで、図7のオ、カ、キの右側の○印の箇所を順次、深くしながら複数箇所から採取する。
このような作業を、汚染地点が発見できなくなるまで繰り返す。図8は、最終的に、汚染が判明した区画を示している。
【0013】
次に、汚染された地域の地盤を、当該地盤の中で浄化する手順について説明する。
図8は、汚染の程度が左から右へ進行していること、従って、地下水の流れも左から右の方向へ向いていることを示している。しかしながら、地下水の流れを把握することは、どの地点の汚染から浄化作業を開始するかの判断にかかわっているため、汚染区画のア(図4)が判明した時点で、アのボーリング孔を観測井として使用し、地下水の流れの方向を把握する。観測井については、アのボーリング孔だけでなく、必要に応じて、適宜他のボーリング孔を観測井として使用する。
【0014】
地下水の流の方向が把握できたら、地下水の上流にあたる汚染地点から、浄化していく。浄化方法は、土木技術の分野で使用されている深層混合装置の先端部の二重管ロッドの外側から、水酸化ナトリウムの希薄溶液で活性化したラネーニッケル溶液を地盤に注入し、二重管ロッドの内側からは、水素を注入して、汚染物質である有機塩素化合物を還元して、無害化していく方法である。
これは有機塩素化合物の脱塩素化をラネーニッケルを用いて接触還元を行う方法で、接触還元により有機塩素化合物をアルキル基と塩化水素とに分解するものである。上記水酸化ナトリウムの希薄溶液はラネーニッケルを活性化するためのもので、水酸化ナトリウムが最も好ましいが、水酸化カリウム等の他のアルカリ性の希薄溶液も使用できる。
また、水素は、ガス状態で注入し、土中に、細かい泡状で噴出する方が、ラネーニッケルと接触しやすい。
【0015】
図9は、このような深層混合装置に取り付けた二重管ロッドにより、ラネーニッケル活性化液を汚染した箇所に注入して浄化した箇所を示している。○は、ラネーニッケル活性化液が注入された箇所であり、その中心の小さな黒丸は、水素が注入された箇所である。図9は、平面図であるため、分かりずらいが、図1とあわせて見れば、理解されるであろう。
図10は、上記深層混合装置4の使用状態を示す側面図であり、上記二重管ロッド5の先端に吐出攪拌装置6を取り付けている。これらの二重管ロッド5と吐出攪拌装置6とで掘削ロッドを形成している。この二重管ロッド5の上部から水素ボンベ7を介して水素を、及び、水酸化ナトリウムの希薄溶液で活性化したラネーニッケル溶液を活性化液タンク8を介してそれぞれ注入し、下方の吐出攪拌装置6の先端吐出口9(図11参照)からラネーニッケル活性化液を吐出させ、また、側面噴出口10(図11参照)から水素を噴出させる。水素は土中で細かい泡状となるように噴霧する構成となっている。
この吐出攪拌装置6は図11及び図12に示すように、二重管ロッド5の外管5a外周に上下に間隔をあけて外翼11、11が突出し、これらの外翼11と11の先端を縦翼12で連結して一体化している。また、二重管ロッド45の外管5aの下端から突出した内管5b外周には内翼13が設けられ、内管5bの下端には攪拌ヘッド14が設けられている。この攪拌ヘッド14に上記先端吐出口9が設けられ、上記上下に外翼11、11の間の外管5a外周に上記側面噴射口10が突設している。そして、外管5a、外翼11、側面噴射口10は一体に回転し、これらと、内管5b、内翼13及び攪拌ヘッド14とは相互に反対方向に回転する。これにより土砂の攪拌を行う構成となっている。
【0016】
浄化作業の開始は、図1の左側の(1)にあたる図4のアの左側から、上記した深層混合装置4に取り付けた回転する二重管ロッド5の先端吐出口からラネーニッケル活性化液を吐出し地盤を泥状にしながら地盤に注入することにより行い、汚染地帯に達すると水素を吐出させた方が、効率的である。この作業を繰り返しながら、順次、右方向へ図4〜8に示された汚染地点を移動して行く。
浄化作業の途中、例えば、図1の(3)〜(6)の地点では、二重管ロッドからの注入を停止して、泥状化した地盤から液状体を取り出して液状体のアルカリ性状態を検査し、アルカリ性が維持されている場合には、新たなラネーニッケル液を注入することなく、地盤へ循環させることもできる。
また、このように、液状体がアルカリ性を呈しているときは、ラネーニッケル液の添加は中止するが、水素については、そのまま継続して添加しながら、泥状態の地盤の攪拌を続けることもできる。
これは、地盤の土圧によりかなりの水素が泥状態の地盤内に閉じ込められ、ラネーニッケルによる浄化作用が継続しているためではないかと思われるし、水素だけを添加しても浄化作用が継続されるのは、泥状態液がアルカリ性を呈している間は、ラネーニッケルの活性化が存続していて、水素の添加により浄化作用が継続しているからではないかと思われる。
【0017】
また、上記方法に替えて、汚染された箇所の土砂を掘削し、この土砂を、図13のように、別途設けたプラントのタンク等の貯泥槽15に搬入し、当該貯泥槽15内に、上述した深層混合装置4を利用して水酸化ナトリウムの希薄溶液で活性化を行ったラネーニッケル活性化液を注入し、土砂と混合させ、同時に当該土砂内に水素ガスを噴射させ、上記有機化合物をラネーニッケルとの接触還元を起こさせ、当該土砂を上記地域に埋め戻す工法もある。さらには、上記汚染された地域から掘削した土砂を、図14のように、コンクリートミキサー車16のタンク16aに搬入し、当該タンク16a内で土砂に上記ラネーニッケル活性化液を混ぜて、水素ガスを噴射させて浄化し、当該土砂を上記地域に埋め戻す工法もある。
また、図15のように、汚染された地域から掘削した土砂を、水素が添加できるようにした2軸ミキサに挿入し、アルカリ水溶液で活性化したラネーニッケルを注入して土砂と混合し、これに水素ガスを噴射させて、汚染物質である有機化合物を還元して浄化し、浄化された土砂を元の土地へ埋め戻すこともできる。
図15は、混合装置17として市販されている2軸ミキサの平面図であるが、この発明では、この混合装置17の左側から各攪拌軸18に対して水素ガスを注入でき、かつ、この水素ガスは、攪拌軸18に設置された攪拌体部18aから噴出できるような構造にしてある。混合装置17の右側は、攪拌軸18の回転用の駆動源19である。
図16及び図17は、側面図である。図16は、攪拌体部18aが、回転時に相互にぶつからないように設計されていることを示す断面図である。
汚染された土砂、及び、活性化したラネーニッケルは、この混合装置の上部より挿入して、浄化後は、図面には記載されてないが、側面から搬出できるようにされている。
【0018】
なお、この発明で使用するラネーニッケルは、化学分野では、化学物質を水素により還元する際に、触媒として慣用されているニッケル金属のことである。触媒と言われている通り、化学反応には何ら関与しない物質であるが、一度、希薄のアルカリ液と接触させた後、乃至は、アルカリ液と混合した状態で水素とともに還元作用をさせると、水素の還元作用が良好なので、化学の分野では、アルカリ液で処理したラネーニッケルを、活性化されたラネーニッケルと言っている。この発明で使用するラネーニッケルは、上記のように、触媒として使用されるにすぎないので、使用後泥状物の中にニッケルのまま残留することになるが、ニッケルは安定な金属であるため、土中のなかでもそのままの状態が維持されることになる。
【0019】
次に、この発明の工法に使用するラネーニッケル液の効果につき以下の実証実験を行った。
実験は、1.5m 程度のノッチタンクを使用し、試験土(砂質土、粘性土)を当該ノッチタンクに入れ、ここに水を充填し、攪拌した後、分解実験を行う。なお、水は、塩素のない水を使用する。今回の実験対象有機塩素化合物は、トリクロロエチレン(TCE)を使用した。また、上記浄化液は、ラネーニッケル粉:2.0g、水酸化ナトリウム:0.2g、蒸留水:250mlとし、これを対象土2,500mlに注入した。
1.砂質土(高濃度) TCE原液滴下、砂質土での分解確認。
2.砂質土(低濃度) TCEを水に溶解させ上澄み(プリューム)部分を使っての、砂質土での分解確認。
3.粘性土(高濃度) TCE原液滴下、薄い粘性土溶液で分解確認。
(粘性土:水=1:3)
4.粘性土(低濃度) TCE原液滴下、濃い粘性土溶液で分解確認。
(粘性土:水=3:1)
【0020】
以下に実験結果を示す。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】
上記の実験結果から、「粘性2」(粘性土:水=3:1)の分解率は0%であった。これは、粘土分が多いため、粘土粒子に取り込まれたトリクロロエチレンと、水素が接触することが非常に難しかったためと考えられる。
「粘性1」(粘性土:水=1:3)の分解率は60分の時点で94.5%であった。これは試験管実験と同様な高い分解効率を示している。粘性土でも水を加えることにより脱塩素反応が起こることを示している。
「砂1」はトリクロロエチレンの原液を滴下したが、60分時点の分解率は69.9%であった。
「砂2」はトリクロロエチレンの加え方以外の条件は「砂1」と同一であるが、60分時点の分解率は98.7%であった。「砂1」と「砂2」とで分解率が大きく異なった理由として、「砂2」は水中のトリクロロエチレン濃度がほぼ一定であるのに対し、「砂1」では、溶液中にトリクロロエチレンの濃度差があるため、浄化されることと、トリクロロエチレンの原液が溶け出しプリュームを供給することが並行して行われたため分解率が低めであったと推定できる。
以上のことから、上記浄化液を用いれば、トリクロロエチレン等の有機塩素化合物が分解されることが分かった。
【0024】
また、ダイオキシン類の脱塩素化実験も行った。表3は、効果的な反応時間を知るために、ラネーニッケル濃度を一定とし、反応時間を5段階に分けて行ったものである。表4は、それらをグラフにしたものである。
表3〜4からも分かるように、反応時間が20分で約99.6%が分解され、それ以降120分経過しても変化は見られなかった。このため、汚染土壌の浄化には、同じ箇所を長時間反応させることなく、約20分反応させれば、充分であることが分かった。
【0025】
【表3】
【0026】
【表4】
【0027】
【発明の効果】
請求項1乃至5、及び請求項8の発明は、ラネーニッケルと水素により、有機塩素化合物で汚染された土壌の浄化、改良工法を、より簡単に、短時間で遂行できるものであり、特に、工場跡地のような広大な土地を、無駄な作業を排除して、短時間に、効率よく、土壌汚染を浄化できるという効果を有するものである。また、浄化液の地盤への注入過程のなかで、浄化液の浄化能力を検査することにより、浄化能力のある浄化液については、循環して使用することにより、浄化作業のコストダウンを達成することができるという効果を有する。
【0028】
請求項6及び7の発明では、汚染地域の土砂を掘削し、別途設けたプラントやミキサー車で汚染した土砂を浄化でき、汚染地域にボーリングマシンなどの機械が入らない箇所では、当該地域の土の浄化が極めて容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の工法を使用する有機塩素化合物の地下での汚染分布状況を示す断面図である。
【図2】この発明の工法を使用する有機塩素化合物の地下での汚染分布状況を示す、図1に対応した平面図である。
【図3】この発明の工法を使用する汚染地域の土地をメッシュ状に区分けした説明図である。
【図4】この発明の工法を使用する汚染地域の土地をメッシュ状に区分けし、そのうちの一つの区画が汚染されていることが判明した状況を示す説明図である。
【図5】この発明の工法を使用する汚染地域の土地をメッシュ状に区分けし、汚染されている区画の隣の区画が汚染されていることが判明した状況を示す説明図である。
【図6】この発明の工法を使用する汚染地域の土地をメッシュ状に区分けし、汚染されている区画の隣接の複数の区画が汚染されていることが判明した状況を示す説明図である。
【図7】この発明の工法を使用する汚染地域の土地をメッシュ状に区分けし、汚染されている区画のさらに隣接する多数の区画が汚染されていることが判明した状況を示す説明図である。
【図8】この発明の工法を使用する汚染地域の土地をメッシュ状に区分けし、汚染されている区画が左から右へ進行している状況を示す説明図である。
【図9】この発明の工法により、汚染した地域の土地に浄化液を注入して浄化した箇所を示す平面図である。
【図10】この発明の工法に使用する、深層混合装置の使用状態を示す側面図である。
【図11】この発明の工法に使用する、深層混合装置の二重管ロッドの先端に取り付ける吐出攪拌装置の側面図である。
【図12】この発明の工法に使用する、深層混合装置の二重管ロッドの先端に取り付ける吐出攪拌装置の斜視図である。
【図13】この発明の、プラントのタンクを用いた他の工法の使用状態を示す側面図である。
【図14】この発明の、コンクリートミキサー車のタンクを用いた他の工法の使用状態を示す側面図である。
【図15】この発明に使用する、混合装置としての2軸ミキサの平面図である。
【図16】この発明に使用する、混合装置としての2軸ミキサの側面図である。
【図17】この発明に使用する、混合装置としての2軸ミキサの断面図である。
【符号の説明】
1 グランドレベル 2 シーリングパイル
3 ボーリングマシン 4 深層混合装置
5 二重管ロッド 6 吐出攪拌装置
9 先端吐出口 10 側面噴射口
11 外翼 12 縦翼
13 内翼 14 攪拌ヘッド
15 貯泥槽 16 コンクリートミキサー車
17 混合装置 18 攪拌軸
18a 攪拌体部 19 駆動源
【発明の属する技術分野】
この発明は、溶剤として使用されたトリクロロエチレンやテトラクロロエチレン、さらには、PCBやダイオキシン等を含む有機化合物が、地下に侵入して汚染した工場等の跡地の土壌を、ラネーニッケルと水素により浄化する土壌改良工法を、より効果的に行うための工法及びこれに使用する土壌改良用混合装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
工場等の跡地に侵入したトリクロロエチレンや、テトラクロロエチレン等の有機塩素化合物は、地下水を汚染するため、地下水を汲み上げてこれら有機塩素化合物を大気へ放出する技術が開発されているが、大気汚染という新たな汚染を発生させることになる。
また、汚染土壌に有機塩素化合物を分解する微生物を混入して、汚染土壌を浄化する技術も開発されているが、土壌浄化後の微生物を地球の生態系に影響しないように、使用後の微生物に配慮する必要がある。
また、従来より行われていた地盤強化剤の薬剤を土壌に注入するボーリング注入工法を、ラネーニッケルと水素による有機塩素化合物の還元反応に適用して、有機塩素化合物によって汚染された地域を浄化する土壌改良法が試みられ、本出願人もその開発に関与してきた(特願2001−333537号)。この方法は汚染された土壌の中へ、ラネーニッケルと水素を従来のボーリング注入工法により混合させ、汚染された土壌の中でラネーニッケルと水素により有機塩素化合物を還元して、人体に無害な、また、自然に優しい化合物に変化する工法である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記したトリクロロエチレン等の有機塩素化合物によって汚染された地域を、ラネーニッケルと水素によって浄化する土壌改良法は、優れた発明であるが、ボーリング工法自体は、手間も、時間も、燃料もかかるため、短時間に、効率良く実施する必要がある。
そのためには、まず、浄化しようとする対象の土地のどこにどのような状態で、上記の有機塩素化合物が存在しているかを、迅速、的確に把握する必要がある。つぎに、短時間に浄化するには、どの方向からどの方向に向けて、また、どのように浄化作用を進行させると良いかを見つけることである。
また、ボーリングの操作時間を短縮し、かつ、ボーリング装置の燃料費を削減するために、ラネーニッケルや水素を土壌内へ、継続的に追加して注入するのを、できるだけ回避する必要がある。
【0004】
そこでこの発明は、トリクロロエチレンやテトラクロロエチレン、さらには、PCBやダイオキシン等を含む有機化合物を含む土壌を、短時間に、効率良く浄化作業が行える工法及びその装置を提供して上記課題を解決しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1項の発明は、トリクロロエチレン等の有機化合物によって汚染された地域を、ラネーニッケルと水素によって浄化する土壌改良工法において、
土壌改良対象の土地の周囲をシーリングパイルプを打ち込んで区切り、
該土地を、メッシュ状に区分し、
該メッシュ状の各区画地から土壌を採取し、
分析により汚染が判明した場合には、汚染されている区画地の周囲の前記メッシュ状の区画地から深度を深めて土壌を採取し、
該分析により新たに汚染が判明した場合には、該汚染された区画地の新たな周囲の区画地をさらに深度を深めて土壌を採取し、
この作業を新たな汚染土地が無くなるまで繰り返すことにより、予め汚染領域を把握した後、
該汚染地帯の地下水の上流側から下流側へ向けて、
深層混合装置の回転する削孔ロッド先端部からは、アルカリ性の水溶液で活性化したラネーニッケル溶液を、前記削孔ロッド先端の側面噴射口からは、水素を地中に圧入して地盤を泥状化しながら削孔し、前記汚染領域を接触還元により浄化し、この浄化作業を、前記予め把握しておいた汚染領域が無くなるまで繰り返す、化学汚染地帯の土壌改良工法とした。
【0006】
また、請求項2の発明は、上記請求項1において、深層混合装置の回転する削孔ロッド先端部からアルカリ性の水溶液で活性化したラネーニッケル溶液を、地中に圧入して地盤を泥状化しながら削孔し、前記把握しておいた汚染地域の深度まで到達したとき、前記削孔ロッド先端の側面噴射口から水素を地中に圧入して前記汚染領域を接触還元により浄化する、化学汚染地帯の土壌改良工法とした。また、請求項3の発明は、上記請求項1又は2において、上記浄化作業の途中で、上記泥状化した液のサンプリングにより、該液がアルカリ性を呈する間は、新たに、前記活性化液、及び水素を充填することなく、前記泥状化した液を繰り返し土壌に圧入して地盤へ循環する化学汚染地帯の土壌改良工法とした。また、請求項4の発明は、上記請求項1又は2において、上記浄化作業の途中で、上記削孔内の泥状化した液のサンプリングにより、該液がアルカリ性を呈する間は、前記活性化液の圧入を停止するが、水素は継続して圧入しながら浄化する、化学汚染地帯の土壌改良工法とした。
【0007】
また、請求項5の発明は、上記請求項1乃至4において、前記汚染地帯の地下水の上流側から下流側への判断は、前記汚染された区画地のより深い土壌を採取した際の孔を、観測井とすることにより行う化学汚染地帯の土壌改良工法とした。
また、請求項6の発明は、トリクロロエチレン等の有機化合物によって汚染された地域を、ラネーニッケルと水素によって浄化する土壌改良工法において、
当該地域から掘削した土砂を、別途設けたプラントの貯泥槽に搬入し、当該貯泥槽内に、水酸化ナトリウムの水溶液で活性化したラネーニッケル活性化液を注入して土砂と混合し、これに水素ガスを噴射させ、上記有機化合物をラネーニッケルとの接触還元により浄化させ、当該土砂を上記地域に埋め戻す、化学汚染地帯の土壌改良工法とした。
【0008】
また、請求項7の発明は、トリクロロエチレン等の有機化合物によって汚染された地域を、ラネーニッケルと水素によって浄化する土壌改良工法において、
当該地域から掘削した土砂を、コンクリートミキサー車のタンクに搬入し、当該タンク内に、水酸化ナトリウムの水溶液で活性化したラネーニッケル活性化液を注入して土砂と混合し、これに水素ガスを噴射させ、上記有機化合物をラネーニッケルとの接触還元により浄化させ、当該土砂を上記地域に埋め戻す、化学汚染地帯の土壌改良工法とした。
また、請求項8の発明は、トリクロロエチレン等の有機化合物によって汚染された地域から掘削した土砂に、アルカリ性の水溶液で活性化したラネーニッケル活性化液、及び、水素ガスを注入して混合する装置において、該装置は、回転する2軸の攪拌体部からなる混合機能を有し、該混合装置の外部から前記2軸の攪拌体部へ水素ガスを挿入し、各軸へ挿入された水素ガスは、攪拌体部から被混合体内へ噴出される構成となった、化学汚染地帯の土壌改良用混合装置とした。
【0009】
【実施の形態例】
次にこの発明の実施の形態例を図に基づいて説明する。
図1は、この発明の工法を分かり易くするために、一般的な浄化したい土壌改良対象地の地中の汚染状態が、どのようになっているかを、模擬的に示した断面図である。
通常、地中は、図1の左に記載されているように、上方の浅い部分の土に続いて、地下水が存在する帯水層、及び、その下の地下水が殆ど侵入しない難透水層とから構成されている。
図1では、説明のため縦線により、断面を(1)〜(10)の10区画に区切っている。一般に、(1)区画の表面から有機塩素化合物が地下へ浸透すると、有機塩素化合物は、次のように、地中に浸透していくものと考えられている。
(1)の区画の地表面から地下へ浸透した有機塩素化合物は、帯水層へ達すると、帯水層の地下水に流されて(2)〜(4)の区画の方へ、かつ、地中深く浸透するが、(5)の区画のところで難透水層に達すると、地下水は、それより深く浸透しないため、帯水層の底部に沿って、一番右の(10)の区画のところまで、横滑りのように移動する。
【0010】
図2は、図1の断面的に示した有機塩素化合物の浸透状態、つまり、汚染状態を図1に対応させた平面図として示したものである。図1では、有機塩素化合物の浸透状態、つまり、汚染状態の深さ方向しか示していないが、図2では、平面的な広がりを示している。
【0011】
次に、この発明の工法における手順について説明する。
まず、土壌改良対象の土地の周囲を図1に示すようにシーリングパイル2を打ち込んで区切る。次いで、この土地の土壌をサンプリングするため、土壌採取地点を決める。図3は、図1の区画と関連させて、説明をし易くするために、土地をメッシュ状のように区分けし、100区画としているが、実際に地面をメッシュ状にする必要はないし、100区画とする必要もない。採取地点については、概ね、1000m2に1地点の割合で、地表面下15cm以内の土壌をサンプリングする。図4の斜線で示したアの区画は、分析の結果、基準値を超過した地点であること、つまり、汚染されている地点を示している。次いで、汚染がどの方向へ進行しているかを把握するため、図4のアの周囲の区画をボーリングする。採取深度は1m、2m、3m、4m、及び5mのように、順次、深くしながら複数箇所から採取する。
【0012】
図5は、イの地点の深い所(例えば、5m)が汚染していたことを示している。そこで、図5のイの右側の○印の箇所を、順次、深くしながら複数箇所から採取する。図6は、その結果、ウとエの箇所が新たに新たに汚染されていると判明した地点を示している。そこで、図6のウ、エの右側の○印箇所を、順次、深くしながら複数箇所から採取する。
図7は、その結果、新たに、オ、カ、キの箇所が汚染されていると判明した地点を示している。そこで、図7のオ、カ、キの右側の○印の箇所を順次、深くしながら複数箇所から採取する。
このような作業を、汚染地点が発見できなくなるまで繰り返す。図8は、最終的に、汚染が判明した区画を示している。
【0013】
次に、汚染された地域の地盤を、当該地盤の中で浄化する手順について説明する。
図8は、汚染の程度が左から右へ進行していること、従って、地下水の流れも左から右の方向へ向いていることを示している。しかしながら、地下水の流れを把握することは、どの地点の汚染から浄化作業を開始するかの判断にかかわっているため、汚染区画のア(図4)が判明した時点で、アのボーリング孔を観測井として使用し、地下水の流れの方向を把握する。観測井については、アのボーリング孔だけでなく、必要に応じて、適宜他のボーリング孔を観測井として使用する。
【0014】
地下水の流の方向が把握できたら、地下水の上流にあたる汚染地点から、浄化していく。浄化方法は、土木技術の分野で使用されている深層混合装置の先端部の二重管ロッドの外側から、水酸化ナトリウムの希薄溶液で活性化したラネーニッケル溶液を地盤に注入し、二重管ロッドの内側からは、水素を注入して、汚染物質である有機塩素化合物を還元して、無害化していく方法である。
これは有機塩素化合物の脱塩素化をラネーニッケルを用いて接触還元を行う方法で、接触還元により有機塩素化合物をアルキル基と塩化水素とに分解するものである。上記水酸化ナトリウムの希薄溶液はラネーニッケルを活性化するためのもので、水酸化ナトリウムが最も好ましいが、水酸化カリウム等の他のアルカリ性の希薄溶液も使用できる。
また、水素は、ガス状態で注入し、土中に、細かい泡状で噴出する方が、ラネーニッケルと接触しやすい。
【0015】
図9は、このような深層混合装置に取り付けた二重管ロッドにより、ラネーニッケル活性化液を汚染した箇所に注入して浄化した箇所を示している。○は、ラネーニッケル活性化液が注入された箇所であり、その中心の小さな黒丸は、水素が注入された箇所である。図9は、平面図であるため、分かりずらいが、図1とあわせて見れば、理解されるであろう。
図10は、上記深層混合装置4の使用状態を示す側面図であり、上記二重管ロッド5の先端に吐出攪拌装置6を取り付けている。これらの二重管ロッド5と吐出攪拌装置6とで掘削ロッドを形成している。この二重管ロッド5の上部から水素ボンベ7を介して水素を、及び、水酸化ナトリウムの希薄溶液で活性化したラネーニッケル溶液を活性化液タンク8を介してそれぞれ注入し、下方の吐出攪拌装置6の先端吐出口9(図11参照)からラネーニッケル活性化液を吐出させ、また、側面噴出口10(図11参照)から水素を噴出させる。水素は土中で細かい泡状となるように噴霧する構成となっている。
この吐出攪拌装置6は図11及び図12に示すように、二重管ロッド5の外管5a外周に上下に間隔をあけて外翼11、11が突出し、これらの外翼11と11の先端を縦翼12で連結して一体化している。また、二重管ロッド45の外管5aの下端から突出した内管5b外周には内翼13が設けられ、内管5bの下端には攪拌ヘッド14が設けられている。この攪拌ヘッド14に上記先端吐出口9が設けられ、上記上下に外翼11、11の間の外管5a外周に上記側面噴射口10が突設している。そして、外管5a、外翼11、側面噴射口10は一体に回転し、これらと、内管5b、内翼13及び攪拌ヘッド14とは相互に反対方向に回転する。これにより土砂の攪拌を行う構成となっている。
【0016】
浄化作業の開始は、図1の左側の(1)にあたる図4のアの左側から、上記した深層混合装置4に取り付けた回転する二重管ロッド5の先端吐出口からラネーニッケル活性化液を吐出し地盤を泥状にしながら地盤に注入することにより行い、汚染地帯に達すると水素を吐出させた方が、効率的である。この作業を繰り返しながら、順次、右方向へ図4〜8に示された汚染地点を移動して行く。
浄化作業の途中、例えば、図1の(3)〜(6)の地点では、二重管ロッドからの注入を停止して、泥状化した地盤から液状体を取り出して液状体のアルカリ性状態を検査し、アルカリ性が維持されている場合には、新たなラネーニッケル液を注入することなく、地盤へ循環させることもできる。
また、このように、液状体がアルカリ性を呈しているときは、ラネーニッケル液の添加は中止するが、水素については、そのまま継続して添加しながら、泥状態の地盤の攪拌を続けることもできる。
これは、地盤の土圧によりかなりの水素が泥状態の地盤内に閉じ込められ、ラネーニッケルによる浄化作用が継続しているためではないかと思われるし、水素だけを添加しても浄化作用が継続されるのは、泥状態液がアルカリ性を呈している間は、ラネーニッケルの活性化が存続していて、水素の添加により浄化作用が継続しているからではないかと思われる。
【0017】
また、上記方法に替えて、汚染された箇所の土砂を掘削し、この土砂を、図13のように、別途設けたプラントのタンク等の貯泥槽15に搬入し、当該貯泥槽15内に、上述した深層混合装置4を利用して水酸化ナトリウムの希薄溶液で活性化を行ったラネーニッケル活性化液を注入し、土砂と混合させ、同時に当該土砂内に水素ガスを噴射させ、上記有機化合物をラネーニッケルとの接触還元を起こさせ、当該土砂を上記地域に埋め戻す工法もある。さらには、上記汚染された地域から掘削した土砂を、図14のように、コンクリートミキサー車16のタンク16aに搬入し、当該タンク16a内で土砂に上記ラネーニッケル活性化液を混ぜて、水素ガスを噴射させて浄化し、当該土砂を上記地域に埋め戻す工法もある。
また、図15のように、汚染された地域から掘削した土砂を、水素が添加できるようにした2軸ミキサに挿入し、アルカリ水溶液で活性化したラネーニッケルを注入して土砂と混合し、これに水素ガスを噴射させて、汚染物質である有機化合物を還元して浄化し、浄化された土砂を元の土地へ埋め戻すこともできる。
図15は、混合装置17として市販されている2軸ミキサの平面図であるが、この発明では、この混合装置17の左側から各攪拌軸18に対して水素ガスを注入でき、かつ、この水素ガスは、攪拌軸18に設置された攪拌体部18aから噴出できるような構造にしてある。混合装置17の右側は、攪拌軸18の回転用の駆動源19である。
図16及び図17は、側面図である。図16は、攪拌体部18aが、回転時に相互にぶつからないように設計されていることを示す断面図である。
汚染された土砂、及び、活性化したラネーニッケルは、この混合装置の上部より挿入して、浄化後は、図面には記載されてないが、側面から搬出できるようにされている。
【0018】
なお、この発明で使用するラネーニッケルは、化学分野では、化学物質を水素により還元する際に、触媒として慣用されているニッケル金属のことである。触媒と言われている通り、化学反応には何ら関与しない物質であるが、一度、希薄のアルカリ液と接触させた後、乃至は、アルカリ液と混合した状態で水素とともに還元作用をさせると、水素の還元作用が良好なので、化学の分野では、アルカリ液で処理したラネーニッケルを、活性化されたラネーニッケルと言っている。この発明で使用するラネーニッケルは、上記のように、触媒として使用されるにすぎないので、使用後泥状物の中にニッケルのまま残留することになるが、ニッケルは安定な金属であるため、土中のなかでもそのままの状態が維持されることになる。
【0019】
次に、この発明の工法に使用するラネーニッケル液の効果につき以下の実証実験を行った。
実験は、1.5m 程度のノッチタンクを使用し、試験土(砂質土、粘性土)を当該ノッチタンクに入れ、ここに水を充填し、攪拌した後、分解実験を行う。なお、水は、塩素のない水を使用する。今回の実験対象有機塩素化合物は、トリクロロエチレン(TCE)を使用した。また、上記浄化液は、ラネーニッケル粉:2.0g、水酸化ナトリウム:0.2g、蒸留水:250mlとし、これを対象土2,500mlに注入した。
1.砂質土(高濃度) TCE原液滴下、砂質土での分解確認。
2.砂質土(低濃度) TCEを水に溶解させ上澄み(プリューム)部分を使っての、砂質土での分解確認。
3.粘性土(高濃度) TCE原液滴下、薄い粘性土溶液で分解確認。
(粘性土:水=1:3)
4.粘性土(低濃度) TCE原液滴下、濃い粘性土溶液で分解確認。
(粘性土:水=3:1)
【0020】
以下に実験結果を示す。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】
上記の実験結果から、「粘性2」(粘性土:水=3:1)の分解率は0%であった。これは、粘土分が多いため、粘土粒子に取り込まれたトリクロロエチレンと、水素が接触することが非常に難しかったためと考えられる。
「粘性1」(粘性土:水=1:3)の分解率は60分の時点で94.5%であった。これは試験管実験と同様な高い分解効率を示している。粘性土でも水を加えることにより脱塩素反応が起こることを示している。
「砂1」はトリクロロエチレンの原液を滴下したが、60分時点の分解率は69.9%であった。
「砂2」はトリクロロエチレンの加え方以外の条件は「砂1」と同一であるが、60分時点の分解率は98.7%であった。「砂1」と「砂2」とで分解率が大きく異なった理由として、「砂2」は水中のトリクロロエチレン濃度がほぼ一定であるのに対し、「砂1」では、溶液中にトリクロロエチレンの濃度差があるため、浄化されることと、トリクロロエチレンの原液が溶け出しプリュームを供給することが並行して行われたため分解率が低めであったと推定できる。
以上のことから、上記浄化液を用いれば、トリクロロエチレン等の有機塩素化合物が分解されることが分かった。
【0024】
また、ダイオキシン類の脱塩素化実験も行った。表3は、効果的な反応時間を知るために、ラネーニッケル濃度を一定とし、反応時間を5段階に分けて行ったものである。表4は、それらをグラフにしたものである。
表3〜4からも分かるように、反応時間が20分で約99.6%が分解され、それ以降120分経過しても変化は見られなかった。このため、汚染土壌の浄化には、同じ箇所を長時間反応させることなく、約20分反応させれば、充分であることが分かった。
【0025】
【表3】
【0026】
【表4】
【0027】
【発明の効果】
請求項1乃至5、及び請求項8の発明は、ラネーニッケルと水素により、有機塩素化合物で汚染された土壌の浄化、改良工法を、より簡単に、短時間で遂行できるものであり、特に、工場跡地のような広大な土地を、無駄な作業を排除して、短時間に、効率よく、土壌汚染を浄化できるという効果を有するものである。また、浄化液の地盤への注入過程のなかで、浄化液の浄化能力を検査することにより、浄化能力のある浄化液については、循環して使用することにより、浄化作業のコストダウンを達成することができるという効果を有する。
【0028】
請求項6及び7の発明では、汚染地域の土砂を掘削し、別途設けたプラントやミキサー車で汚染した土砂を浄化でき、汚染地域にボーリングマシンなどの機械が入らない箇所では、当該地域の土の浄化が極めて容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の工法を使用する有機塩素化合物の地下での汚染分布状況を示す断面図である。
【図2】この発明の工法を使用する有機塩素化合物の地下での汚染分布状況を示す、図1に対応した平面図である。
【図3】この発明の工法を使用する汚染地域の土地をメッシュ状に区分けした説明図である。
【図4】この発明の工法を使用する汚染地域の土地をメッシュ状に区分けし、そのうちの一つの区画が汚染されていることが判明した状況を示す説明図である。
【図5】この発明の工法を使用する汚染地域の土地をメッシュ状に区分けし、汚染されている区画の隣の区画が汚染されていることが判明した状況を示す説明図である。
【図6】この発明の工法を使用する汚染地域の土地をメッシュ状に区分けし、汚染されている区画の隣接の複数の区画が汚染されていることが判明した状況を示す説明図である。
【図7】この発明の工法を使用する汚染地域の土地をメッシュ状に区分けし、汚染されている区画のさらに隣接する多数の区画が汚染されていることが判明した状況を示す説明図である。
【図8】この発明の工法を使用する汚染地域の土地をメッシュ状に区分けし、汚染されている区画が左から右へ進行している状況を示す説明図である。
【図9】この発明の工法により、汚染した地域の土地に浄化液を注入して浄化した箇所を示す平面図である。
【図10】この発明の工法に使用する、深層混合装置の使用状態を示す側面図である。
【図11】この発明の工法に使用する、深層混合装置の二重管ロッドの先端に取り付ける吐出攪拌装置の側面図である。
【図12】この発明の工法に使用する、深層混合装置の二重管ロッドの先端に取り付ける吐出攪拌装置の斜視図である。
【図13】この発明の、プラントのタンクを用いた他の工法の使用状態を示す側面図である。
【図14】この発明の、コンクリートミキサー車のタンクを用いた他の工法の使用状態を示す側面図である。
【図15】この発明に使用する、混合装置としての2軸ミキサの平面図である。
【図16】この発明に使用する、混合装置としての2軸ミキサの側面図である。
【図17】この発明に使用する、混合装置としての2軸ミキサの断面図である。
【符号の説明】
1 グランドレベル 2 シーリングパイル
3 ボーリングマシン 4 深層混合装置
5 二重管ロッド 6 吐出攪拌装置
9 先端吐出口 10 側面噴射口
11 外翼 12 縦翼
13 内翼 14 攪拌ヘッド
15 貯泥槽 16 コンクリートミキサー車
17 混合装置 18 攪拌軸
18a 攪拌体部 19 駆動源
Claims (8)
- トリクロロエチレン等の有機化合物によって汚染された地域を、ラネーニッケルと水素によって浄化する土壌改良工法において、
土壌改良対象の土地の周囲をシーリングパイルを打ち込んで区切り、
該土地を、メッシュ状に区分し、
該メッシュ状の各区画地から土壌を採取し、
分析により汚染が判明した場合には、汚染されている区画地の周囲の前記メッシュ状の区画地から深度を深めて土壌を採取し、
該分析により新たに汚染が判明した場合には、該汚染された区画地の新たな周囲の区画地をさらに深度を深めて土壌を採取し、
この作業を新たな汚染土地が無くなるまで繰り返すことにより、予め汚染領域を把握した後、
該汚染地帯の地下水の上流側から下流側へ向けて、
深層混合装置の回転する削孔ロッド先端部からは、アルカリ性の水溶液で活性化したラネーニッケル溶液を、前記削孔ロッド先端の側面噴射口からは、水素を地中に圧入して地盤を泥状化しながら削孔し、前記汚染領域を接触還元により浄化し、この浄化作業を、前記予め把握しておいた汚染領域が無くなるまで、繰り返すことを特徴とする、化学汚染地帯の土壌改良工法。 - 上記深層混合装置の回転する削孔ロッド先端部からアルカリ性の水溶液で活性化したラネーニッケル溶液を、地中に圧入して地盤を泥状化しながら削孔し、前記把握しておいた汚染地域の深度まで到達したとき、前記削孔ロッド先端の側面噴射口から水素を地中に圧入して前記汚染領域を接触還元により浄化することを特徴とする、請求項1に記載の化学汚染地帯の土壌改良工法。
- 上記浄化作業の途中で、上記泥状化した液のサンプリングにより、該液がアルカリ性を呈する間は、新たに、前記活性化液、及び水素を充填することなく、前記泥状化した液を繰り返し土壌に圧入して地盤へ循環することを特徴とする、請求項1又は2に記載の化学汚染地帯の土壌改良工法。
- 上記浄化作業の途中で、上記削孔内の泥状化した液のサンプリングにより、該液がアルカリ性を呈する間は、前記活性化液の圧入を停止するが、水素は継続して圧入しながら浄化することを特徴とする、請求項1又は2に記載の化学汚染地帯の土壌改良工法。
- 前記汚染地帯の地下水の上流側から下流側への判断は、前記汚染された区画地のより深い土壌を採取した際の孔を、観測井とすることにより行うことを特徴とする、請求項1乃至4に記載の化学汚染地帯の土壌改良工法。
- トリクロロエチレン等の有機化合物によって汚染された地域を、ラネーニッケルと水素によって浄化する土壌改良工法において、
当該地域から掘削した土砂を、別途設けたプラントの貯泥槽に搬入し、当該貯泥槽内に、アルカリ性の水溶液で活性化したラネーニッケル活性化液を注入して土砂と混合し、これに水素ガスを噴射させ、上記有機化合物をラネーニッケルとの接触還元により浄化させ、当該土砂を上記地域に埋め戻すことを特徴とする、化学汚染地帯の土壌改良工法。 - トリクロロエチレン等の有機化合物によって汚染された地域を、ラネーニッケルと水素によって浄化する土壌改良工法において、
当該地域から掘削した土砂を、コンクリートミキサー車のタンクに搬入し、当該タンク内に、アルカリ性の水溶液で活性化したラネーニッケル活性化液を注入して土砂と混合し、これに水素ガスを噴射させ、上記有機化合物をラネーニッケルとの接触還元により浄化させ、当該土砂を上記地域に埋め戻すことを特徴とする、化学汚染地帯の土壌改良工法。 - トリクロロエチレン等の有機化合物によって汚染された地域から掘削した土砂に、アルカリ性の水溶液で活性化したラネーニッケル活性化液、及び、水素ガスを注入して混合する装置において、該装置は、回転する2軸の攪拌体部からなる混合機能を有し、該混合装置の外部から前記2軸の攪拌体部へ水素ガスを挿入し、各軸へ挿入された水素ガスは、攪拌体部から被混合体内へ噴出される構成となっていることを特徴とする、化学汚染地帯の土壌改良用混合装置。
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