JP4889875B2 - プロペラシャフト - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はプロペラシャフトに関し、詳しくは、4WD車やFR車などにおいてトランスミッションからディファレンシャルへ等速自在継手を介して回転駆動力を伝達するプロペラシャフトに関する。
【0002】
【従来の技術】
例えばFR車では、エンジン、クラッチ、変速機(トランスミッション)が前方に、減速歯車装置(ディファレンシャル)、駆動車軸が後方にそれぞれあるため、この間の動力伝達にプロペラシャフトを用いるのが一般的である。また、FRベースの4WD車では、図5に示すようにリアプロペラシャフト6とフロントプロペラシャフト3が必要である。これらプロペラシャフトは、トランスミッションとディファレンシャル(以下、単にデフと称す)間の相対位置変化による長さと角度変化に対応できる構造とするために等速自在継手を具備し、車両の構造や要求特性により二継手タイプや三継手タイプのものがある。
【0003】
通常、車両全体の重量軽減という観点から、軽量で、しかも回転バランスおよび振動特性がよいレブロ型(あるいはクロスグルーブ型)と称される摺動型等速自在継手が組み込まれている。このレブロ型等速自在継手は、衝突時の軸方向衝撃によるトランスミッションとデフ間の軸方向変位を吸収できる構造を具備する。なお、プロペラシャフトには、前記レブロ型等速自在継手(LJ)以外に組み込まれる等速自在継手として、ダブルオフセット型等速自在継手(DOJ)やツェッパー型等速自在継手(BJ)などがある。
【0004】
前記プロペラシャフト11を構成するレブロ型等速自在継手12は、図6に示すように内輪13、外輪14、ボール15およびケージ16を主要な構成要素としている。
【0005】
内輪13は、その外周面に複数のトラック溝17が形成されている。この内輪13の中心部に形成された孔にスタブシャフト19の小径部を嵌合させ、内輪13の孔内周面とスタブシャフト19の小径部外周面に形成されたセレーションによる嵌合でもってトルク伝達可能としている。また、そのスタブシャフト19の輪溝に装着されたスナップリング20によりスタブシャフト19が内輪13に軸方向に位置決め固定されている。
【0006】
外輪14は内輪13の外周に位置し、内周面に内輪13のトラック溝17と同数のトラック溝18が形成されている。内輪13のトラック溝17と外輪14のトラック溝18は軸線に対して反対方向に角度をなしている。対をなす内輪13のトラック溝17と外輪14のトラック溝18との交叉部にボール15が組み込まれている。内輪13と外輪14の間にケージ16が配置され、ボール15はケージ16のポケット内に保持されている。前記外輪14は、中空部21を有するコンパニオンフランジ22に、エンドキャップ23を挟み込んだ状態でボルト24により締結される。エンドキャップ23は等速自在継手12に充填したグリースの漏洩を防ぐと共に異物の侵入を防止するためのものである。
【0007】
また、外輪14とスタブシャフト19との間には密封装置が装着されている。この密封装置はブーツ25と金属製のブーツアダプタ26とからなる。ブーツ25は小端部と大端部を有し、中間にてV字形に折り返した格好になっている。ブーツアダプタ26は円筒形で、一端に外輪14の外周面と嵌合するフランジを有し、コンパニオンフランジ22およびエンドキャップ23と共にボルト24でもって外輪14に固定される。ブーツ25の小端部はスタブシャフト19に取り付けてブーツバンド27で締め付けられている。ブーツ25の大端部はブーツアダプタ26の端部を加締めて保持されている。
【0008】
前記コンパニオンフランジ22には、中空部21と連通する孔が設けられており、その孔に前記スタブシャフト19とは別のスタブシャフト28の小径部を挿入してセレーション嵌合させ、ボルト29により締結固定される。このスタブシャフト28の小径部には転がり軸受30が圧入により外嵌されている。この転がり軸受30は、マウント部材31を介して車体に取り付けられており、前記スタブシャフト28を回転自在に支承する。
【0009】
前記等速自在継手側のスタブシャフト19の小径部から一体的に延びる大径部と、コンパニオンフランジ22側のスタブシャフト28の小径部から一体的に延びる大径部とは、それぞれの端部をチューブ32,33の一端部に摩擦圧接することにより接合され、一方のチューブ32の他端部を等速自在継手などを介してトランスミッションに装着し、他方のチューブ33の他端部を等速自在継手などを介してデフに装着することにより三継手タイプのプロペラシャフト11が構成される。
【0010】
このプロペラシャフト11の組立要領は、図7乃至図13に示すような手順で行われる。まず、等速自在継手側のスタブシャフト19の大径部をチューブ32に摩擦圧接により接合する(図7参照)。その後、前記スタブシャフト19にブーツバンド27、ブーツ25およびブーツアダプタ26を挿入し(図8参照)、内輪13、外輪14、ケージ16およびボール15を予め組み付けたアッセンブリ34の前記内輪13にスタブシャフト19を圧入してセレーション嵌合させ、スナップリング20で固定する(図9参照)。そして、ブーツ25内にグリースを封入した上でブーツアダプタ26をアッセンブリ34の外輪14に圧入し、ブーツ25の小端部をスタブシャフト19の溝部に配置してブーツバンド27で加締め固定し、その後、エンドキャップ23内にグリースを封入し、そのエンドキャップ23を外輪14に圧入する(図10参照)。
【0011】
次に、コンパニオンフランジ側のスタブシャフト28の大径部をチューブ33に摩擦圧接により接合し(図11参照)、そのスタブシャフト28の小径部に転がり軸受30を圧入し(図12参照)、コンパニオンフランジ22をセレーション嵌合させてボルト29により締結固定する(図13参照)。その後、前述したスタブシャフト19を装着した等速自在継手12(図10参照)を、スタブシャフト28を装着した前記コンパニオンフランジ13(図13参照)に結合させてボルト24により締結固定する(図6参照)。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前述した従来のプロペラシャフト11では、コンパニオンフランジ22と等速自在継手12の外輪14とをボルト24により締結する構造であるため、前記外輪14にボルト挿通孔を設ける必要があることから、外輪14の外径が大きくなり、重量アップとなる。このようにプロペラシャフト11の外径が大きくなると、そのプロペラシャフト11の車両への取付け箇所における周囲部品との干渉の点で制約を受け易くなる。また、プロペラシャフトの重量アップは、そのプロペラシャフトの高速回転を阻害することにもなる。
【0013】
また、コンパニオンフランジ22と外輪14とを締結するためのボルト24を必要とし、さらに、コンパニオンフランジ22とスタブシャフト28とをボルト29により締結する構造であるため、コンパニオンフランジ22とスタブシャフト28を締結するためのボルト29も必要で、また、二つのスタブシャフト19,28も必要となることから、部品点数の増加を招いている。この部品点数の増加により、部品同士の嵌合部が増加することにもつながり、高速回転するプロペラシャフトの回転バランスを低下させる要因となる。
【0014】
さらに、プロペラシャフト11の組立工程においても、コンパニオンフランジ22と等速自在継手12の外輪14とを締結する工程やコンパニオンフランジ22とスタブシャフト28とを締結する工程が必要であることから、組立工数の増加も招来し、前記部品点数の増加と相まって製品のコストアップを招いていた。
【0015】
そこで、本発明は前記問題点に鑑みて提案されたもので、その目的とするところは、軽量コンパクト化、部品点数および組立工数の低減、製品コストの低減化を容易にし、高速回転に適したプロペラシャフトを提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するための技術的手段として、本発明に係るプロペラシャフトは、円筒状内周面に軸方向に延びる複数の直線状トラック溝を形成したカップ状の大径部を有すると共に、その大径部から一体に形成された中空状の小径部を有し、前記大径部と小径部との境界部分の内周にエンドキャップを圧入した外輪、その外輪のトラック溝と対向する複数の直線状トラック溝を凸球状外周面に形成した内輪、それら内外輪のトラック溝間に介在してトルクを伝達する複数のボール、そのボールを保持して前記内外輪間の環状空間内に収容されたケージからなり、内輪の外周面と外輪の内周面の各々にトラック溝を交叉状の配置で設けて前記トラック溝のトラック交叉角を7°〜12°の範囲とし、両トラック溝の交叉部分にボールを組み込んだ摺動型等速自在継手と、前記外輪の大径部の開口端部から挿入されて前記内輪にトルク伝達可能に嵌合された軸部を有すると共に、その軸部から延びる端部にカップ形状部を有するスタブシャフトと、前記外輪の大径部の開口端部と前記スタブシャフトの軸部にそれぞれ装着されて継手内部を密封するブーツとで構成されたユニットを具備し、前記ユニットの軸方向端部に連結用軸部材を接合し、その連結用軸部材を介して等速自在継手を結合したことを特徴とする。
【0017】
ここで、摺動型等速自在継手の内輪とスタブシャフトとのトルク伝達可能な嵌合は、例えば、前記内輪の内周面とスタブシャフトの外周面のそれぞれにセレーションを形成し、両者をセレーション嵌合させることにより達成される。
【0018】
本発明では、前記摺動型等速自在継手の外輪と従来のコンパニオンフランジとを一体化し、前記摺動型等速自在継手、スタブシャフトおよびブーツとをユニット化したことにより、外輪自体の軽量コンパクト化だけでなく、継手全体の軽量コンパクト化を実現することができ、プロペラシャフトの車両への取付け上、周囲部品との干渉を容易に回避することができ、高速回転に適したプロペラシャフトを提供できる。
【0019】
また、従来必要であった部品、つまり、外輪とコンパニオンフランジを固定するためのボルト、スタブシャフトとコンパニオンフランジを固定するためのボルトおよびコンパニオンフランジ側のスタブシャフトが不要となり、部品点数の削減が実現できる。この部品点数の低減によりユニットにおける部品の嵌合部を減らすことができて回転バランスの向上が図れる。
【0020】
さらに、プロペラシャフトの組立工程においても、コンパニオンフランジと等速自在継手の外輪とを締結する工程やコンパニオンフランジとスタブシャフトとを締結する工程が不要となるため、組立工数の低減が図れ、その部品点数の低減と相まって製品のコスト低減も図ることが容易となる。
【0021】
前記ユニットの軸方向端部に連結用軸部材を接合し、その連結用軸部材を介して等速自在継手を結合したことにより、従来のスタブシャフトと連結用軸部材との接合部の反対側にブーツを配設することによりその接合時の熱的影響を回避できてユニット製作後に連結用軸部材を接合することが可能となる。なお、ユニットの一端に連結用軸部材を介して前記等速自在継手を結合すれば、二継手タイプのプロペラシャフトを構成することができ、ユニットの両端に連結用軸部材を介して前記等速自在継手を結合すれば、三継手タイプのプロペラシャフトを構成することができる。
【0022】
ここで、「連結用軸部材」としては例えばチューブがあり、ユニットとの接合は摩擦圧接などが可能である。また、摺動型等速自在継手としては、レブロ型等速自在継手(LJ)が好適である。
【0023】
前記構成において、摺動型等速自在継手、スタブシャフトおよびブーツからなるユニットは、前記スタブシャフトの軸部に外嵌されて車体に対してマウント部材を介して前記スタブシャフトを回転自在に支承する転がり軸受を具備したことを特徴とする。このようにスタブシャフトを転がり軸受で回転自在に支持する構造としたことにより、ユニットの両端に等速自在継手を結合した三継手タイプのプロペラシャフトを構成することが容易となる。
【0025】
前記構成における摺動型等速自在継手は、前記ケージの端部内径を前記内輪の外径よりも小さくしたことを特徴とする。この種の等速自在継手は、フロートタイプと称されるもので、ケージの最小内径が内輪の最大外径よりも小さいため、等速自在継手の組み付け時にアッセンブリ状態でボールが抜脱することがなく、その取り扱いが容易であり、また、内輪のトラック溝が深くなっているために負荷容量が大きいという利点を有する。
【0026】
前記構成における摺動型等速自在継手は、前記内輪の凸球状外周面の曲率中心を、ボール中心に対して軸線方向に互いに等距離だけオフセットさせたことを特徴とし、また、前記ケージの内周面を凹球状とし、その凹球状内周面の曲率半径と、前記内輪の凸球状外周面の曲率半径とを実質的に等しくしたことを特徴とする。このようにすれば、例えば車両衝突時などで軸方向衝撃が継手に加わった場合、ケージ、ボールおよび内輪からなる内輪周り部品が外輪に対して軸方向にスライドするが、その時、ケージの内周面と内輪の外周面とを面接触させることができ、内輪およびケージの破損を防止できるという利点を有する。
【0027】
【発明の実施の形態】
本発明に係るプロペラシャフトの実施形態を以下に詳述する。
【0028】
この実施形態では、プロペラシャフトを構成する摺動型等速自在継手として、フロートタイプのレブロ型(あるいはクロスグルーブ型)等速自在継手、特に、通常のレブロ型等速自在継手よりもトラック溝の交差角を小さくした高速回転に好適なハイスピードタイプのレブロ型等速自在継手(LJ)を使用する。プロペラシャフトに使用する等速自在継手としては、車両全体の重量軽減という観点から、継手重量の回転バランスや振動特性がよく、軽量なレブロ型等速自在継手(LJ)が好ましいが、通常のレブロ型等速自在継手も適用可能である。
【0029】
なお、実施形態のレブロ型等速自在継手は、ケージの最小内径が内輪の最大外径よりも小さい構造を具備したフロートタイプであるが、ケージの最小内径が内輪の最大外径よりも大きい構造を具備したノンフロートタイプのレブロ型等速自在継手にも適用可能である。
【0030】
ここで、プロペラシャフトは、FRベースの4WD車において、トランスミッション2とリアデフ7間の相対位置変化による長さと角度変化に対応できる構造を持つリアプロペラシャフト6として使用される(図5参照)。なお、4WD車のトランスミッション2とフロントデフ4間に配置されたフロントプロペラシャフト3や、FR車のトランスミッションとデフ間に配置されたプロペラシャフトとしても適用可能である。図5の4WD車の駆動系統において、エンジン1の出力は、トランスミッション2を経ると、一方ではフロントプロペラシャフト3を介してフロントデフ4から前輪5へ伝達され、他方ではリアプロペラシャフト6を介してリアデフ7から後輪8へ伝達される。
【0031】
この実施形態におけるプロペラシャフト41は、図1に示すように前記摺動型等速自在継手であるレブロ型等速自在継手42(LJ)とスタブシャフト43とブーツ44とで主要部が構成されたユニット45を具備する。さらに、前記等速自在継手42は、内輪46、外輪47、ボール48およびケージ49とで主要部が構成されている。
【0032】
内輪46は、その凸球状外周面に複数のトラック溝50が形成されている。この内輪46の中心部に形成された孔にスタブシャフト43を嵌合させ、その孔の内周面とスタブシャフト43の外周面に形成されたセレーションによる嵌合でもってトルク伝達可能としている。そのスタブシャフト43の輪溝に装着されたスナップリング52によりスタブシャフト43が内輪46に軸方向に位置決め固定されている。この内輪46とスタブシャフト43との結合は、内輪46を治具(図示せず)で支持した状態でスタブシャフト43のセレーションの付け根部まで内輪46に挿入し、最後に外輪47の底部からスナップリング52を装着することにより実現される。また、内輪46の外周面の曲率中心O1をボール中心O(継手中心)に対して軸線方向に互いに等距離だけオフセット(F)させている。また、ケージ49の凹球状内周面の半径R2と内輪46の外周面の半径R1とを同一に設定している。
【0033】
外輪47は内輪46の外周に位置し、円筒状内周面に内輪46のトラック溝50と同数のトラック溝51が形成されている。内輪46のトラック溝50と外輪47のトラック溝51は軸線に対して反対方向に角度をなしている。対をなす内輪46のトラック溝50と外輪47のトラック溝51との交叉部にボール48が組み込まれている。内輪46と外輪47の間の環状空間内にケージ49が配置され、ボール48はケージ49のポケット内で保持されている。この外輪47は、前記内輪46、ケージ49およびボール48からなる内輪周り部品が収容されたカップ状の大径部47aと、その大径部47aから軸方向に延びる中空状の小径部47bとを一体に成形したもので、その大径部47aと小径部47bとの境界部分の内周にエンドキャップ53を圧入した構造を有する。このエンドキャップ53は等速自在継手42に充填したグリースの漏洩を防ぐと共に異物の侵入を防止するためのものである。
【0034】
ところで、各トラック溝50,51が軸線に対してなす角度(以下、トラック交叉角と称す)は図2に符号αで示される。また、図3に示すようにトラック溝50,51の横断面形状はゴシックアーチ状であり、したがって、ボール48との接触は所定の接触角(β:以下、トラック接触角という。)をもったアンギュラコンタクトとなっている。ここで、レブロ型等速自在継手は、その構造上、トラック交叉角αとトラック接触角βから決まる限界作動角をもっており、この限界作動角以上で運転すると、異常摩耗を生じたり異音を発生したりすることが一般的に知られているが、プロペラシャフト用等速自在継手の場合、高速回転で使用されるため、その焼付問題から最大作動角が制限され、実用的な最大作動角は10°〜13°である。そこで、プロペラシャフト用として好適なレブロ型等速自在継手(LJ)では、内輪46と外輪47の実用的な最大作動角が10°〜13°で、トラック接触角βが35°〜45°に対し、内輪46のトラック溝50および外輪47のトラック溝51のトラック交叉角αを7°〜12°の範囲に設定している。
【0035】
また、外輪47とスタブシャフト43との間には密封装置が装着されている。この密封装置はブーツ44と金属製のブーツアダプタ54とからなる。ブーツ44は小端部と大端部を有し、中間にて断面V字形に折り返した形状を有する。ブーツアダプタ54は円筒形で、一端に外輪47の開口端外周面とOリング55を介して嵌合されたフランジ部を有し、そのフランジ部の端部を外輪47の溝部56に配置して加締めることにより外輪47に固定される。
【0036】
一方、スタブシャフト43は、先端が前記内輪46にセレーション嵌合された軸部43aと、その軸部43aから軸方向に延びるカップ形状部である大径部43bとを一体的に成形し、その大径部43bに中空部を形成した構造を具備する。前記ブーツ44の小端部は、スタブシャフト43の軸部43aに設けられたブーツ溝57に取り付けてブーツバンド58で締め付けられている。
【0037】
このスタブシャフト43において、その大径部43bとブーツ44の小端部取付部位との間に、密封形の深溝玉軸受である転がり軸受59(サポートベアリング)を外嵌している。この転がり軸受59は、スタブシャフト43との間にダストシール60が装着され、マウント部材61を介して車体に取り付けられており、前記スタブシャフト43を回転自在に支承する。なお、マウント部材61はゴム等の弾性部材からなり、調心可能に転がり軸受59を支持する。また、ダストシール60は、転がり軸受59へのダスト等の侵入を防止するためのもので、転がり軸受59の軸方向両側に配設されている。
【0038】
このようにして内輪46、外輪47、ケージ49およびボール48からなる等速自在継手42とスタブシャフト43とブーツ44と転がり軸受59(マウント部材61およびダストシール60を含む)とで一つのユニット45を構成する。このように等速自在継手42とスタブシャフト43とブーツ44と転がり軸受59を予めアッセンブルしてユニット化したことにより、図4に示すようにこのユニット45の軸方向両端に連結用軸部材を介して等速自在継手42を装着するだけでプロペラシャフト41を構成することができる。
【0039】
前記ユニット45の軸方向両端、つまり、外輪47の小径部47bの開口端とスタブシャフト43の大径部43bの開口端のそれぞれに、連結用軸部材であるチューブ62,63の一端部を例えば摩擦圧接により接合する。一方のチューブ62の他端部に等速自在継手などを装着すると共に、他方のチューブ63の他端部に等速自在継手などを装着することにより三継手タイプのプロペラシャフト41が構成される。前記ユニット45の構造では、外輪47とチューブ62との摩擦圧接による接合部と反対側にブーツ44が配設されるため、そのブーツ44が熱的な悪影響を受けることを抑制することができる。
【0040】
なお、前記ユニット45の軸方向いずれかの一端のみにチューブの一端部を接合し、そのチューブの他端部に等速自在継手などを装着することにより二継手タイプのプロペラシャフトが構成される。また、前記チューブの他端部に装着される等速自在継手としては、レブロ型等速自在継手(LJ)、ダブルオフセット型等速自在継手(DOJ)やトリポード型等速自在継手(TJ)などの摺動型等速自在継手があり、その摺動型以外の他の等速自在継手としては、ツェッパー型等速自在継手(BJ)などの固定型等速自在継手がある。このプロペラシャフトの一端に設けられた等速自在継手をトランスミッションに装着すると共に、その他端に設けられた等速自在継手をデフに装着することにより、プロペラシャフトが車両に組み付けられる。
【0041】
【発明の効果】
本発明によれば、摺動型等速自在継手の外輪と従来のコンパニオンフランジとを一体化し、前記摺動型等速自在継手、スタブシャフトおよびブーツとをユニット化したことにより、外輪自体の軽量コンパクト化だけでなく、継手全体の軽量コンパクト化を実現することができ、従来必要であったボルト等の部品が不要となり、部品点数の削減が実現できる。また、プロペラシャフトの組立工程においても、ボルトによる部品締結工程が不要となるため、組立工数の低減が図れ、その部品点数の低減と相まって製品のコスト低減も図ることが容易となる。
【0042】
特に、高速回転用として用いられるプロペラシャフトの場合、軽量コンパクト化の効果が顕著である。つまり、プロペラシャフトの車両への取付け上、周囲部品との干渉を容易に回避することができ、高速回転に適したプロペラシャフトを提供できる。また、部品点数の低減により回転バランスに影響する部品の嵌合部が減ったことにより、回転バランス性能が飛躍的に向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態で、プロペラシャフトを構成するユニットを示す一部断面を含む正面図である。
【図2】図1のユニットを構成する等速自在継手におけるトラック交叉角αを説明するための平面図である。
【図3】図1のユニットを構成する等速自在継手におけるトラック接触角βを説明するための拡大断面図である。
【図4】図1のユニットの軸方向両端にチューブを接合したプロペラシャフトを示す一部断面を含む正面図である。
【図5】四輪駆動車の駆動系統の概略平面図である。
【図6】プロペラシャフトの従来例で、プロペラシャフトの組立完了状態を示す断面図である。
【図7】プロペラシャフトの従来例で、継手側のスタブシャフトにチューブを接合した状態を示す断面図である。
【図8】プロペラシャフトの従来例で、図7のスタブシャフトにブーツ、ブーツアダプタおよびブーツバンドを装着した状態を示す断面図である。
【図9】プロペラシャフトの従来例で、図8のスタブシャフトに継手アッセンブリを装着した状態を示す断面図である。
【図10】プロペラシャフトの従来例で、図9の継手アッセンブリにブーツおよびエンドキャップを装着した状態を示す断面図である。
【図11】プロペラシャフトの従来例で、コンパニオンフランジ側のスタブシャフトにチューブを接合した状態を示す断面図である。
【図12】プロペラシャフトの従来例で、図11のスタブシャフトに転がり軸受を装着した状態を示す断面図である。
【図13】プロペラシャフトの従来例で、図12のスタブシャフトにコンパニオンフランジを装着した状態を示す断面図である。
【符号の説明】
41 プロペラシャフト
42 摺動型等速自在継手
43 スタブシャフト
43a 軸部
44 ブーツ
45 ユニット
46 内輪
47 外輪
48 ボール
49 ケージ
50,51 トラック溝
59 転がり軸受
61 マウント部材
62,63 連結用軸部材(チューブ)
O ボール中心
1 内輪外周面の曲率中心
1 内輪外周面の曲率半径
2 ケージ内周面の曲率半径

Claims (5)

  1. 円筒状内周面に軸方向に延びる複数の直線状トラック溝を形成したカップ状の大径部を有すると共に、その大径部から一体に形成された中空状の小径部を有し、前記大径部と小径部との境界部分の内周にエンドキャップを圧入した外輪、その外輪のトラック溝と対向する複数の直線状トラック溝を凸球状外周面に形成した内輪、それら内外輪のトラック溝間に介在してトルクを伝達する複数のボール、そのボールを保持して前記内外輪間の環状空間内に収容されたケージからなり、内輪の外周面と外輪の内周面の各々にトラック溝を交叉状の配置で設けて前記トラック溝のトラック交叉角を7°〜12°の範囲とし、両トラック溝の交叉部分にボールを組み込んだ摺動型等速自在継手と、前記外輪の大径部の開口端部から挿入されて前記内輪にトルク伝達可能に嵌合された軸部を有すると共に、その軸部から延びる端部にカップ形状部を有するスタブシャフトと、前記外輪の大径部の開口端部と前記スタブシャフトの軸部にそれぞれ装着されて継手内部を密封するブーツとで構成されたユニットを具備し、前記ユニットの軸方向端部に連結用軸部材を接合し、その連結用軸部材を介して等速自在継手を結合したことを特徴とするプロペラシャフト。
  2. 前記ユニットは、前記スタブシャフトの軸部に外嵌され、車体に対してマウント部材を介して前記スタブシャフトを回転自在に支承する転がり軸受を具備したことを特徴とする請求項1に記載のプロペラシャフト。
  3. 前記ケージの端部内径を前記内輪の外径よりも小さくしたことを特徴とする請求項1又は2に記載のプロペラシャフト。
  4. 前記内輪の凸球状外周面の曲率中心を、ボール中心に対して軸線方向に互いに等距離だけオフセットさせたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のプロペラシャフト。
  5. 前記ケージの内周面を凹球状とし、その凹球状内周面の曲率半径と、前記内輪の凸球状外周面の曲率半径とを実質的に等しくしたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のプロペラシャフト。
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