JP2001171306A - 駆動側車輪支持装置 - Google Patents

駆動側車輪支持装置

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JP2001171306A
JP2001171306A JP35634299A JP35634299A JP2001171306A JP 2001171306 A JP2001171306 A JP 2001171306A JP 35634299 A JP35634299 A JP 35634299A JP 35634299 A JP35634299 A JP 35634299A JP 2001171306 A JP2001171306 A JP 2001171306A
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diameter
wheel
constant velocity
joint
velocity universal
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JP35634299A
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English (en)
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Hideji Tajima
英児 田島
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NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
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    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/80Technologies aiming to reduce greenhouse gasses emissions common to all road transportation technologies
    • Y02T10/86Optimisation of rolling resistance, e.g. weight reduction 

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 部品組み立てやブーツ補修交換などの作業の
簡略化、車両性能の向上および軽量コンパクト化を実現
することにある。 【解決手段】 外輪28、ハブ輪37、複列の転動体3
9a,39bを備えた軸受部23に等速自在継手24を
結合させて車輪を車体に対して回転自在に支持したもの
であって、内方継手部材41、外方継手部材42、トル
ク伝達ボール43および保持器44からなる等速自在継
手24において、一端部外径に形成されたセレーション
50,51およびクリップ53により内方継手部材41
と結合し、他端部内径に形成されたセレーション54,
55およびクリップ57により中間シャフト22と着脱
自在に結合するスタブシャフト25を具備し、このスタ
ブシャフト25の他端部外径にブーツ26の小径部26
aを装着すると共に、スタブシャフト25の他端部内径
を一端部外径よりも大径とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は駆動側車輪支持装置
に関し、詳しくは、自動車用の駆動側車輪を車体に回転
自在に支持する駆動側車輪支持装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車のエンジンから駆動車輪
に動力を伝達する動力伝達系は、エンジンと車輪との相
対的位置関係の変化による角度変化と軸方向変位に対応
する必要があるため、図5に示すようにエンジン側と駆
動車輪側との間に中間シャフト(ドライブシャフト)1
を介装し、中間シャフト1の一端を摺動型等速自在継手
1 を介してディファレンシャルに連結し、他端を固定
型等速自在継手J2 を介して駆動車輪用ホイール2に連
結している。摺動型等速自在継手J1 のいわゆるプラン
ジングによって軸方向の変位が吸収される。これに対し
て固定型等速自在継手J2 は角度変位のみが可能であ
る。
【0003】この固定型等速自在継手J2 は、中間シャ
フト1の前記他端に取り付けられた内方継手部材4と、
ハブ輪7に結合された外方継手部材3と、内方継手部材
4および外方継手部材3のトラック溝間に組み込まれた
複数のトルク伝達ボール5と、内方継手部材4の外球面
と外方継手部材3の内球面との間に介在してトルク伝達
ボール5を支持する保持器6とを主要な構成要素として
いる。
【0004】ハブ輪7は車軸軸受8によって回転自在に
支持され、このハブ輪7にホイール2が固定されてい
る。また、車軸軸受8は複列のボール13a,13bを
有する転がり軸受であって、ナックル9を介して車体の
懸架装置によって支持されている。さらに、外方継手部
材3と中間シャフト1との間には、等速自在継手J2
内部に異物などが侵入することを防止するためのブーツ
10が気密的に装着されている。
【0005】図5に示す車輪支持装置では、等速自在継
手J2 の外方継手部材3の軸部11をハブ輪7の内径に
形成されたセレーションに同軸的に係合させ、その軸部
11の端部をナット12により締結することにより、等
速自在継手J2 をハブ輪7に結合させた構造を有する。
この等速自在継手と軸受部であるハブ輪との他の結合構
造としては、例えば図6に示すようなものがある(特開
平10−264605号公報)。
【0006】図6に示す車輪支持装置は、複列の内側軌
道面14a,14bのうち、一方の軌道面14aをハブ
輪7の外径に直接的に形成し、他方の軌道面14bをハ
ブ輪7の小径段部に圧入された別体の内輪15の外径に
形成した第三世代の軸受部を有する。ハブ輪7の小径段
部を軸方向に延設した延在部16に補助リング17を結
合し、その補助リング17の外径にセレーション18を
形成すると共に等速自在継手J2 の外方継手部材3の内
径にセレーション19を形成している。この補助リング
17の外径に外方継手部材3の内径を嵌合させて両者の
セレーション18,19によりトルク伝達を可能として
いる。この補助リング17と外方継手部材3との嵌合面
に環状溝を周方向に形成し、この環状溝に止め輪20を
係合させることにより噛み込ませて装着する。なお、こ
れに類似した他の結合構造としては、例えば米国特許5
536075に開示されるようなものもある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前述した従
来の車輪支持装置では、等速自在継手J2 と軸受部であ
るハブ輪7とを着脱自在にした構造を有するが、その組
み立て工程において、アウトボード側の固定型等速自在
継手J2 とインボード側の摺動型等速自在継手J 1 と中
間シャフト1からなるアッセンブリ体を軸受部に装着し
なければならない。この二つの等速自在継手J1 ,J2
と中間シャフト1からなるアッセンブリ体は、軸方向に
長くて重いものであるため、取り扱いにくく作業性の向
上を図ることが困難であった。
【0008】等速自在継手J2 の外方継手部材3と中間
シャフト1との間には、外部からの異物侵入を未然に防
止するためのブーツ10が装着されているが、このブー
ツ10の補修交換は、前述したように軸方向に長くて重
いアッセンブリ体を一旦分解しなければならず、作業効
率の低下を招来する。
【0009】また、ハブ輪7の小径段部の端部をその軸
方向に延設した延在部16を設け、その延在部16に補
助リング17を圧入して等速自在継手J2 の外方継手部
材3を連結した構造であるため、ハブ輪7の端部に延在
部16を設けたことにより装置全体の重量を増大させる
ことになり、そればかりではなく、継手センターがイン
ボード側に寄ることにより操舵機能が低下する。すなわ
ち、等速自在継手J2の転舵角が小さくなり、等速自在
継手J2 の許容作動角が同じでも車両の回転半径が大き
くなってしまう。
【0010】一般的にキングピン軸線上に継手センター
が一致していると、車両の旋回時、等速自在継手J2
モーメントが作用せず走行安定性が向上するといわれて
いるが、前述した従来構造では、継手センターがインボ
ード側に寄ってしまい、走行安定性が低下するという問
題が生じる。
【0011】また、等速自在継手J2 と軸受部であるハ
ブ輪7とが着脱自在な構造であると、ハブ輪7の小径段
部に嵌合され、インボード側の軌道面が形成された内輪
15がハブ輪7から抜脱した場合、車輪が車体から外れ
てしまう危険性があるため、前記内輪15がハブ輪7か
ら抜脱しないように強固な固定手段を設けなければなら
ない。このような強固な固定手段を設けようとした場
合、大掛かりな構造となったり部品点数の増加などを招
来して好ましい手段ではない。
【0012】そこで、本発明は前記問題点に鑑みて提案
されたもので、その目的とするところは、部品組み立て
やブーツ補修交換などの作業の簡略化、車両性能の向
上、軽量コンパクト化を実現し得る駆動側車輪支持装置
を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の技術的手段として、本発明は、車体取付け用フランジ
を外周に有し、内周に複列の軌道面が形成された外方部
材と、この外方部材の軌道面と対向する複列の軌道面の
うち少なくとも一方の軌道面が外周に形成され、車輪取
付け用フランジを有する内方部材と、前記外方部材およ
び内方部材のそれぞれの軌道面間に介装された複列の転
動体とを備えた軸受部に等速自在継手を結合させて車輪
を車体に対して回転自在に支持した駆動側車輪支持装置
であって、以下の点を特徴とする。 前記等速自在継手は、内方継手部材と、前記軸受部
の内方部材の内径に嵌合された外方継手部材と、これら
内外方継手部材間に収容されたトルク伝達ボールと、こ
のボールを支持する保持器とからなり、一端部外径に形
成されたトルク伝達部および係止部により内方継手部材
と結合し、他端部内径に形成されたトルク伝達部および
係止部により中間シャフトと着脱自在に結合するスタブ
シャフトを具備し、このスタブシャフトの他端部外径に
密封用ブーツの小径部を装着すると共に、前記スタブシ
ャフトの他端部のトルク伝達部を一端部のトルク伝達部
よりも大径としたこと。 前記等速自在継手は、内方継手部材と、前記軸受部
の内方部材の内径に嵌合された外方継手部材と、これら
内外方継手部材間に収容されたトルク伝達ボールと、こ
のボールを支持する保持器とからなり、一端部外径に形
成されたトルク伝達部および係止部により内方継手部材
と結合し、他端部外径に形成されたトルク伝達部および
係止部により中空状の中間シャフトと着脱自在に結合す
るスタブシャフトを具備し、このスタブシャフトの端部
間外径に密封用ブーツの小径部を装着すると共に、前記
スタブシャフトの他端部のトルク伝達部を一端部のトル
ク伝達部よりも大径としたこと。
【0014】本発明の駆動側車輪支持装置では、前記等
速自在継手の内方継手部材にトルク伝達部および係止部
を介してスタブシャフトの一端部を装着し、このスタブ
シャフトの一端部から延びた部位の外径に、等速自在継
手の外方継手部材から延びる密封用ブーツの小径部を装
着し、前記スタブシャフトの他端部にトルク伝達部およ
び係止部を介して中間シャフトを着脱自在に結合した構
造を具備することにより、等速自在継手にスタブシャフ
トを一体化して、軸受部、等速自在継手およびスタブシ
ャフトからなるアッセンブリ体を構成する。
【0015】このアッセンブリ体のスタブシャフトに中
間シャフトを着脱することにより、部品組み立てやブー
ツ補修交換などの作業を簡略化してその作業性を向上さ
せると共に車両の操舵機能、走行安定性などの性能を向
上させることができ、軽量コンパクト化を実現できる。
なお、本発明の駆動側車輪支持装置では、前記内方部材
の内径に嵌合する等速自在継手の外方継手部材の軸部を
中空とすれば、装置の軽量化を図る上で好ましい。
【0016】前記スタブシャフトのトルク伝達部は、等
速自在継手の内方継手部材内径および中間シャフトの一
端部外径または内径と噛合する凹凸噛合構造とし、その
凹凸噛合構造の具体例としては、スプライン、セレーシ
ョンまたはキーのいずれかが好ましい。
【0017】また、前記係止部は、等速自在継手の内方
継手部材の内径およびスタブシャフトの他端部内径また
は外径にそれぞれ形成されたトルク伝達部の端部で軸方
向移動を規制する突状部材を、スタブシャフトの一端部
外径および中間シャフトの一端部外径または内径に配設
した構造が可能である。
【0018】本発明の駆動側車輪支持装置は、前記軸受
部の内方部材が、車輪取付け用フランジを一体に有する
ハブ輪と、このハブ輪の端部外径に嵌合された内輪とか
らなり、前記ハブ輪および内輪の外径に軌道面を一体形
成した第三世代の軸受部、あるいは、前記内方部材が、
車輪取付け用フランジを一体に有するハブ輪であり、そ
のハブ輪の外径に一方の軌道面を一体形成し、前記等速
自在継手の外方継手部材の外径に他方の軌道面を一体形
成した第四世代の軸受部、またはその外径に嵌合された
内輪の外径に他方の軌道面を一体形成した第三世代の軸
受部を持つものに適用可能である。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態を以下に詳述す
る。以下の実施形態は、自動車の駆動側車輪について、
アウトボード側に位置する固定型等速自在継手J2 を結
合させた支持装置に適用した場合について説明するが、
本発明はこれに限定されることなく、インボード側に位
置する摺動型等速自在継手J1 (図5参照)を結合させ
た支持装置にも適用可能である。
【0020】図1は駆動側車輪支持装置のアッセンブリ
体21に中間シャフト22を装着した状態、図2はその
アッセンブリ体21から中間シャフト22を取り外した
状態をそれぞれ示す。アッセンブリ体21は、同図に示
すように軸受部23、等速自在継手24、スタブシャフ
ト25および密封用ブーツ26からなる。前記軸受部2
3は、内方部材であるハブ輪27と、このハブ輪27の
外側に同心配置された外方部材である外輪28と、ハブ
輪27および外輪28間に介装された複列の転動体29
a,29bとで主要部が構成されている。
【0021】ハブ輪27は、そのアウトボード側の一端
部外径に車輪取付け用フランジ30が一体的に形成さ
れ、このフランジ30の円周方向等間隔位置に車輪ホイ
ールを固定するためのハブボルト31が取り付けられて
いる。このハブ輪27のフランジ30には、前記ハブボ
ルト31によりブレーキロータ32が固定されている。
また、外輪28は、その一端部外径に車体取付け用フラ
ンジ33が一体的に形成され、このフランジ33に円周
方向に沿って複数箇所に形成された雌ねじにボルト34
を螺着することによりナックル35を介して車体の懸架
装置(図示せず)に固定されている。
【0022】この外輪28の内径には複列の軌道面36
a,36bが形成され、この複列の軌道面36a,36
bと対向する複列の軌道面37a,37bのうち、一方
(アウトボード側)の軌道面37aは前記ハブ輪27の
外径に直接的に形成され、他方(インボード側)の軌道
面37bは等速自在継手24の外方継手部材42(後
述)の軸部根元部位に嵌合された内輪38の外径に形成
されている。
【0023】軸受部23は複列アンギュラ玉軸受構造を
有し、外輪28の内径面に形成された複列の軌道面36
a,36bと、ハブ輪27の外径面に形成された一方の
軌道面37aおよび内輪38の外径面に形成された他方
の軌道面37bとの間に複列の転動体29a,29bを
介在させ、各列の転動体29a,29bを保持器39
a,39bにより円周方向等間隔に支持した構造を具備
する。
【0024】なお、外部からの異物の侵入や内部に充填
したグリースの漏出を防止するため、シール40a,4
0bが外輪28とハブ輪27および内輪38との間に設
けられている。
【0025】等速自在継手24は、内方継手部材41
と、その内方継手部材41の外側に配置されたほぼ椀形
状のマウス部42aおよびそのマウス部42aと一体に
形成された軸部42bからなる外方継手部材42と、こ
れら内方継手部材41と外方継手部材42間に収容され
た複数のトルク伝達ボール43と、これらボール43を
支持する保持器44とからなる。
【0026】マウス部42aには、トルク伝達ボール4
3が転動するトラック溝45が、内球面の円周方向等間
隔位置に軸方向に延びるように形成され、また、内方継
手部材41の外球面の円周方向等分位置に外方継手部材
42のトラック溝45と対応するトラック溝46が形成
されている。内外方継手部材41,42のそれぞれのト
ラック溝45,46間にトルク伝達ボール43が介在し
て両者間でトルクを伝達する。各トルク伝達ボール43
は、保持器44のポケット内に組み込まれ、保持器44
は外方継手部材42の内球面と内方継手部材41の外球
面との間に介在する。
【0027】外方継手部材42の軸部42bの根元部位
の外径に内輪38が圧入され、軸受部23の外輪28の
内径に形成された複列の軌道面36a,36bのうち、
他方(インボード側)の軌道面36bと対向する軌道面
37bが前記内輪38の外径に形成されている。この内
輪38の軌道面37bとハブ輪27の外径に形成された
軌道面37aとにより複列の軌道面が構成されている。
【0028】等速自在継手24の外方継手部材42の軸
部42bは中空状をなし、その外径にセレーション47
が形成され、ハブ輪27の貫通孔の内径にもセレーショ
ン48が形成されている。このハブ輪27の貫通孔に外
方継手部材42の軸部42bを挿通し、両セレーション
47,48を噛み合わせることにより外方継手部材42
とハブ輪27との間でトルク伝達が可能なように両者が
結合される。
【0029】また、このハブ輪27と等速自在継手24
の外方継手部材42とは、ハブ輪27の貫通孔に挿通さ
れた外方継手部材42の軸部42bの端部を加締めるこ
とによって結合される。その加締めは、外方継手部材4
2の軸部42bの端部を半径方向外側に塑性変形させた
り、あるいは、軸部42bの端部外周面に、例えばね
じ、セレーション又はローレット加工などによる凹凸部
を形成し、その凹凸部を形成した部位を例えば内径側か
ら外径側に拡径させて塑性変形させたりすることにより
可能である。このように外方継手部材42の軸部42b
を中空状とすれば、装置の軽量化、放熱条件の向上とい
った利点が得られる。
【0030】外方継手部材42の軸部42bが中実であ
れば、軸部の端部外径に雄ねじを形成し、その雄ねじに
固定ナットを締め付けることにより、ハブ輪と外方継手
部材との結合が可能である。なお、ハブ輪27と外方継
手部材42とは、ナット止めによる一体結合以外に、ボ
ルト止めによる一体結合も可能である。
【0031】一方、スタブシャフト25は、等速自在継
手24の内方継手部材41と結合された小径部25a
と、その小径部25aから一体的に軸方向に延びて拡径
し、中空部49を有する円筒状の大径部25bとからな
り、等速自在継手24と同軸的に配置されている。
【0032】このスタブシャフト25の小径部25aの
外径と等速自在継手24の内方継手部材41の内径のそ
れぞれに軸方向に延びる凹凸噛合構造、例えばセレーシ
ョン50,51が形成されている。スタブシャフト25
の小径部25aを等速自在継手24の内方継手部材41
に内挿して両者のセレーション50,51を嵌合させる
ことによりスタブシャフト25と等速自在継手24の内
方継手部材41との間でトルク伝達が可能となる。な
お、凹凸噛合構造の一例としてセレーション50,51
を形成したが、他の凹凸噛合構造として、スプライン又
はキーを形成するようにしてもよい。
【0033】さらに、スタブシャフト25のセレーショ
ン50の端部位置に周方向に環状溝52を形成し、この
環状溝52に突状部材であるクリップ53を収容する。
このクリップ53がスタブシャフト25の小径部25a
の外径から突出することにより、クリップ53が内方継
手部材41のセレーション51の端部に係止されて内方
継手部材41に対するスタブシャフト25の軸方向の移
動止めが可能となる。このようにして、スタブシャフト
25と内方継手部材41の両セレーション50,51と
クリップ53とによりスタブシャフト25と等速自在継
手24とが結合される。
【0034】等速自在継手24とスタブシャフト25と
の間に密封用ブーツ26を装着する。すなわち、このブ
ーツ26の大径部26aを等速自在継手24の外方継手
部材42の端部に固着し、その小径部26bをスタブシ
ャフト25の大径部25bの端部外径に固着する。この
ようにブーツ26の小径部26bをスタブシャフト25
の大径部25bに装着したことにより、ブーツ26の大
径部26aと小径部26bの径差を小さくすることがで
きて耐久性が向上する。
【0035】以上で説明したような軸受部23、等速自
在継手24、スタブシャフト25およびブーツ26から
なるアッセンブリ体21に対して中間シャフト22を着
脱自在に装着する。中間シャフト22の一端部の外径と
スタブシャフト25の大径部25bの内径のそれぞれに
軸方向に延びる凹凸噛合構造、例えばセレーション5
4,55が形成されている。この中間シャフト22をス
タブシャフト25の大径部25bに内挿して両者のセレ
ーション54,55を嵌合させることにより中間シャフ
ト22とスタブシャフト25との間でトルク伝達が可能
となる。なお、凹凸噛合構造の一例としてセレーション
を形成したが、他の凹凸噛合構造として、スプライン又
はキーを形成するようにしてもよい。
【0036】さらに、中間シャフト22のセレーション
54の端部位置に周方向に環状溝56を形成し、この環
状溝56に突状部材であるクリップ57を収容する。こ
のクリップ57が中間シャフト22の外径から突出する
ことにより、クリップ57がスタブシャフト25の大径
部25bのセレーション55の端部に係止されてスタブ
シャフト25に対する中間シャフト22の軸方向の移動
止めが可能となる。このようにして、中間シャフト22
とスタブシャフト25とは、両セレーション54,55
によりトルク伝達可能に結合され、クリップ57により
着脱自在に結合される。なお、スタブシャフト25の大
径部25bの開口端には、外部からの異物の侵入などを
防止するためにシール部材58が装着されている。
【0037】前記クリップ57は、弾性復元力を有する
縮径可能な有端形状のもので、スタブシャフト25に対
する中間シャフト22の組み付けは以下の要領でもって
行われる。まず、中間シャフト22の一端部外径の環状
溝56にクリップ57を嵌め込んでおき、その中間シャ
フト22の一端部をスタブシャフト25の大径部25b
に内挿するに際して、クリップ57を弾性復元力に抗し
て縮径させる。中間シャフト22のスタブシャフト25
への内挿によりクリップ57がスタブシャフト25のセ
レーション55の端部位置に達すると、クリップ57が
弾性復元力により縮径状態から初期状態に復帰してセレ
ーション55の端部に係止され、中間シャフト22の軸
方向移動が規制される。
【0038】図3および図4は本発明の他の実施形態を
示し、図3はアッセンブリ体21に中間シャフト22'
を装着した状態、図4はそのアッセンブリ体21から中
間シャフト22' を取り外した状態をそれぞれ示す。図
3および図4の実施形態が図1および図2の実施形態と
異なるところは、等速自在継手24の内方継手部材41
に装着されたスタブシャフト25' と中間シャフト2
2' のみであり、他の部分は同一であるため、同一参照
符号を付して重複説明は省略する。
【0039】スタブシャフト25' の軸方向ほぼ中央部
分に大径部25b' を有し、その大径部25b' の外径
にブーツ26の小径部26bが固着される。また、中間
シャフト22' は中空形状を有し、その一端部の内径と
スタブシャフト25' の端部25c' の外径のそれぞれ
に軸方向に延びる凹凸噛合構造、例えばセレーション5
4' ,55' が形成されている。この中間シャフト2
2' をスタブシャフト25' の端部25c' に外挿して
両者のセレーション54' ,55' を嵌合させることに
より中間シャフト22' とスタブシャフト25' との間
でトルク伝達が可能となる。なお、凹凸噛合構造の一例
としてセレーションを形成したが、他の凹凸噛合構造と
して、スプライン又はキーを形成するようにしてもよ
い。
【0040】さらに、中間シャフト22' のセレーショ
ン54' の端部位置に周方向に環状溝56' を形成し、
この環状溝56' に突状部材であるクリップ57' を収
容する。このクリップ57' が中間シャフト22' の内
径から突出することにより、クリップ57' がスタブシ
ャフト25' の端部25c' のセレーション55' の端
部に係止されてスタブシャフト25' に対する中間シャ
フト22' の軸方向の移動止めが可能となる。このよう
にして、中間シャフト22' とスタブシャフト25' と
は、両セレーション54' ,55' によりトルク伝達可
能に結合され、クリップ57' により着脱自在に結合さ
れる。
【0041】この支持装置では、等速自在継手24にス
タブシャフト25(25' )を一体化して、軸受部2
3、等速自在継手24、スタブシャフト25(25' )
およびブーツ26からなるアッセンブリ体21を構成し
たことにより、部品組み立て時、このアッセンブリ体2
1のスタブシャフト25(25' )に中間シャフト22
(22' )を装着することができ、また、ブーツ補修交
換時、アッセンブリ体21のスタブシャフト25(2
5' )から中間シャフト22(22' )を取り外すこと
ができる。
【0042】さらに、スタブシャフト25(25' )の
大径部25bの内径(端部25c'の外径)に形成され
たセレーション径よりも、そのスタブシャフト25(2
5')の小径部25aの外径に形成されたセレーション
径を大きくしたことにより歯数を増やすことができ、ス
タブシャフト25(25' )と中間シャフト22(2
2' )との結合部分でのトルク伝達容量が大きくできる
ので、スタブシャフト25(25' )の大径部25bの
内径(端部25c' の外径)のセレーション嵌合幅を小
さく設計することができ、アッセンブリ体21の軸方向
寸法を小さくすることができる。
【0043】なお、前記実施形態では、等速自在継手2
4の外方継手部材42と別体の内輪38に他方の軌道面
37bを形成した場合について説明したが、本発明はこ
れに限定されることなく、外方継手部材42の外径に直
接に他方の軌道面を形成した構造、あるいは、他方の軌
道面37bが形成された内輪38をハブ輪37の端部外
径に圧入した構造のものであっても適用可能である。ま
た、本発明は、ブーツ26の外径がナックル35の内径
よりも大きい場合、あるいは、ブーツ26の外径がナッ
クル35の内径よりも小さい場合のいずれにも適用可能
である。
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、前記等速自在継手の内
方継手部材にトルク伝達部および係止部を介してスタブ
シャフトの一端部を装着し、このスタブシャフトの一端
部から延びた部位の外径に、等速自在継手の外方継手部
材から延びる密封用ブーツの小径部を装着し、前記スタ
ブシャフトの他端部にトルク伝達部および係止部を介し
て中間シャフトを着脱自在に結合した構造を具備するこ
とにより、等速自在継手にスタブシャフトを一体化し
て、軸受部、等速自在継手、スタブシャフトおよびブー
ツからなるアッセンブリ体を構成する。このアッセンブ
リ体のスタブシャフトに中間シャフトを着脱することに
より、部品組み立てやブーツ補修交換などの作業を簡略
化してその作業性を向上させることができると共に、車
両の操舵機能、走行安定性などの性能を向上させること
ができる。
【0045】また、スタブシャフトの他端部外径に密封
用ブーツの小径部を装着することにより、ブーツの軸方
向寸法を短くすることができ、さらに、前記スタブシャ
フトの他端部のトルク伝達部を一端部のトルク伝達部よ
りも大径としたことにより、装置の軽量コンパクト化を
実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る駆動側車輪支持装置の実施形態を
示す断面図
【図2】図1の中間シャフトを取り外した状態を示す断
面図
【図3】本発明の他の実施形態を示す断面図
【図4】図3の中間シャフトを取り外した状態を示す断
面図
【図5】自動車エンジンから駆動側車輪への動力伝達系
を示す断面図
【図6】駆動側車輪支持装置の従来例を示す断面図
【符号の説明】
22 中間シャフト 23 軸受部 24 等速自在継手 25 スタブシャフト 26 密封用ブーツ 27 内方部材(ハブ輪) 28 外方部材(外輪) 29a,29b 転動体 30 車輪取付け用フランジ 33 車体取付け用フランジ 36a,36b 軌道面 37a,37b 軌道面 38 内輪 41 内方継手部材 42 外方継手部材 43 トルク伝達ボール 44 保持器 50,51 トルク伝達部(セレーション) 53 突状部材(クリップ) 54,55 トルク伝達部(セレーション) 57 突状部材(クリップ)

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体取付け用フランジを外周に有し、内
    周に複列の軌道面が形成された外方部材と、この外方部
    材の軌道面と対向する複列の軌道面のうち少なくとも一
    方の軌道面が外周に形成され、車輪取付け用フランジを
    有する内方部材と、前記外方部材および内方部材のそれ
    ぞれの軌道面間に介装された複列の転動体とを備えた軸
    受部に等速自在継手を結合させて車輪を車体に対して回
    転自在に支持したものであって、 前記等速自在継手は、内方継手部材と、前記軸受部の内
    方部材の内径に嵌合された外方継手部材と、これら内外
    方継手部材間に収容されたトルク伝達ボールと、このボ
    ールを支持する保持器とからなり、一端部外径に形成さ
    れたトルク伝達部および係止部により内方継手部材と結
    合し、他端部内径に形成されたトルク伝達部および係止
    部により中間シャフトと着脱自在に結合するスタブシャ
    フトを具備し、このスタブシャフトの他端部外径に密封
    用ブーツの小径部を装着すると共に、前記スタブシャフ
    トの他端部のトルク伝達部を一端部のトルク伝達部より
    も大径としたことを特徴とする駆動側車輪支持装置。
  2. 【請求項2】 車体取付け用フランジを外周に有し、内
    周に複列の軌道面が形成された外方部材と、この外方部
    材の軌道面と対向する複列の軌道面のうち少なくとも一
    方の軌道面が外周に形成され、車輪取付け用フランジを
    有する内方部材と、前記外方部材および内方部材のそれ
    ぞれの軌道面間に介装された複列の転動体とを備えた軸
    受部に等速自在継手を結合させて車輪を車体に対して回
    転自在に支持したものであって、 前記等速自在継手は、内方継手部材と、前記軸受部の内
    方部材の内径に嵌合された外方継手部材と、これら内外
    方継手部材間に収容されたトルク伝達ボールと、このボ
    ールを支持する保持器とからなり、一端部外径に形成さ
    れたトルク伝達部および係止部により内方継手部材と結
    合し、他端部外径に形成されたトルク伝達部および係止
    部により中空状の中間シャフトと着脱自在に結合するス
    タブシャフトを具備し、このスタブシャフトの端部間外
    径に密封用ブーツの小径部を装着すると共に、前記スタ
    ブシャフトの他端部のトルク伝達部を一端部のトルク伝
    達部よりも大径としたことを特徴とする駆動側車輪支持
    装置。
  3. 【請求項3】 前記軸受部の内方部材の内径に嵌合する
    等速自在継手の外方継手部材の軸部を中空としたことを
    特徴とする請求項1または2に記載の駆動側車輪支持装
    置。
  4. 【請求項4】 前記スタブシャフトのトルク伝達部は、
    等速自在継手の内方継手部材内径および中間シャフトの
    一端部外径または内径と噛合する凹凸噛合構造であるこ
    とを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の駆動
    側車輪支持装置。
  5. 【請求項5】 前記凹凸噛合構造は、スプライン、セレ
    ーションまたはキーのうちから選択されるいずれかであ
    ることを特徴とする請求項4に記載の駆動側車輪支持装
    置。
  6. 【請求項6】 前記係止部は、等速自在継手の内方継手
    部材の内径およびスタブシャフトの他端部内径または外
    径にそれぞれ形成されたトルク伝達部の端部で軸方向移
    動を規制する突状部材を、スタブシャフトの一端部外径
    および中間シャフトの一端部外径または内径に配設した
    構造であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか
    に記載の駆動側車輪支持装置。
  7. 【請求項7】 前記軸受部の内方部材は、車輪取付け用
    フランジを一体に有するハブ輪と、このハブ輪の端部外
    径に嵌合された内輪とからなり、前記ハブ輪および内輪
    の外径に軌道面を一体形成したことを特徴とする請求項
    1乃至6のいずれかに記載の駆動側車輪支持装置。
  8. 【請求項8】 前記軸受部の内方部材は、車輪取付け用
    フランジを一体に有するハブ輪であり、そのハブ輪の外
    径に一方の軌道面を、前記等速自在継手の外方継手部材
    の外径に他方の軌道面をそれぞれ一体形成したことを特
    徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の駆動側車輪
    支持装置。
  9. 【請求項9】 前記軸受部の内方部材は、車輪取付け用
    フランジを一体に有するハブ輪であり、そのハブ輪の外
    径に一方の軌道面を、前記等速自在継手の外方継手部材
    の外径に嵌合された内輪の外径に他方の軌道面をそれぞ
    れ一体形成したことを特徴とする請求項1乃至6のいず
    れかに記載の駆動側車輪支持装置。
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