JP2001241459A - アクスルモジュール - Google Patents

アクスルモジュール

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JP2001241459A
JP2001241459A JP2000051419A JP2000051419A JP2001241459A JP 2001241459 A JP2001241459 A JP 2001241459A JP 2000051419 A JP2000051419 A JP 2000051419A JP 2000051419 A JP2000051419 A JP 2000051419A JP 2001241459 A JP2001241459 A JP 2001241459A
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constant velocity
velocity universal
universal joint
stub shaft
drive shaft
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JP2000051419A
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English (en)
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Hisashi Otsuki
寿志 大槻
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NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
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Publication date
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    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/80Technologies aiming to reduce greenhouse gasses emissions common to all road transportation technologies
    • Y02T10/86Optimisation of rolling resistance, e.g. weight reduction 

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  • Motor Power Transmission Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 組み立ておよび分解作業やブーツ交換作業の
簡略化、車両性能の向上、軽量コンパクト化を実現する
ことにある。 【解決手段】 車輪軸受21と等速自在継手22とをユ
ニット化し、その等速自在継手22にドライブシャフト
24を連結したアクスルモジュールにおいて、前記等速
自在継手22の継手内輪50に、トルク伝達部60,6
1を介してスタブシャフト23の一端部を結合し、その
スタブシャフト23の他端部にトルク伝達部65,66
を介してドライブシャフト24の一端部を連結すると共
に、前記ドライブシャフト24又はスタブシャフト23
のいずれか一方の外径にねじ部67を形成し、そのねじ
部67に螺合するナット部材68を装着し、前記ドライ
ブシャフト24又はスタブシャフト23の他方の外径お
よびナット部材68の内径に形成された環状溝72,7
3に止め輪70を嵌着して前記ナット部材68を軸方向
規制した状態で回転可能にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はアクスルモジュール
に関し、詳しくは、自動車のエンジンから駆動車輪に動
力を伝達する動力伝達系に使用されるアクスルモジュー
ルに関する。
【0002】
【従来の技術】自動車のエンジンから駆動車輪に動力を
伝達する動力伝達系は、エンジンと車輪との相対的位置
関係の変化による角度変位と軸方向変位に対応する必要
があるため、例えば、図10に示すようにエンジン側と
駆動車輪側との間にドライブシャフト1を介装し、その
ドライブシャフト1の一端部を摺動型等速自在継手J1
を介してディファレンシャルに連結し、他端部を固定型
等速自在継手J2および車輪軸受8を介して駆動車輪2
に連結している。これら固定型等速自在継手J2および
摺動型等速自在継手J1とドライブシャフト1との間に
は、内部への異物などの侵入や外部へのグリースの漏出
を防止するための密封用ブーツ10a,10bが装着さ
れている。
【0003】前記摺動型等速自在継手J1のいわゆるプ
ランジングによって軸方向の変位が吸収されるのに対し
て固定型等速自在継手J2は角度変位のみが可能となっ
ている。摺動型等速自在継手J1と固定型等速自在継手
2とドライブシャフト1とでアッセンブリ体が構成さ
れ、車体に装着された状態で等速自在継手J1,J2に所
定の作動角がついている。この等速自在継手J1,J2
作動角は逐次変化することから、一般的に、一対の等速
自在継手J1,J2において、アウトボード側に固定型等
速自在継手J2を、インボード側に摺動型等速自在継手
1をそれぞれ使用し、その作動角の変化に対応してい
る。
【0004】アウトボード側に位置する固定型等速自在
継手J2は、ドライブシャフト1の前記他端に取り付け
られた継手内輪4と、車輪軸受8に結合された継手外輪
3と、継手内輪4および継手外輪3のトラック溝間に組
み込まれた複数のトルク伝達ボール5と、継手内輪4の
外球面と継手外輪3の内球面との間に介在してトルク伝
達ボール5を支持する保持器6とを主要な構成要素とし
ている。
【0005】この固定型等速自在継手J2に同軸的に取
り付けられた車輪軸受8は、継手外輪3のステム部11
が挿通されてセレーションによりトルク伝達可能なよう
にナット12で結合されたハブ輪7を備え、駆動車輪2
が固定された前記ハブ輪7を複列のボール13a,13
bからなる軸受部を介して車体側のナックル9に回転自
在に支持した構造を具備している。この等速自在継手J
2と車輪軸受8との結合構造としては、他に、例えば図
11に示すようなものがある(特開平10−26460
5号公報)。
【0006】図11に示すものは、複列の内側軌道面1
4a,14bのうち、一方の軌道面14aをハブ輪7の
外径に直接的に形成し、他方の軌道面14bをハブ輪7
の小径段部に圧入された別体の内輪15の外径に形成し
た軸受部を有する。ハブ輪7の小径段部を軸方向に延設
した延在部16に補助リング17を結合して延在部16
の端部を加締め、その延在部19の外径及び補助リング
17の内径にセレーション18a,18bをそれぞれ形
成すると共に、補助リング17の外径及び等速自在継手
2の継手外輪3の内径にセレーション19a,19b
をそれぞれ形成している。補助リング17の外径に継手
外輪3の内径を嵌合させてハブ輪7の延在部16、補助
リング17及び継手外輪3の各セレーション18a,1
8b,19a,19bによりトルク伝達を可能としてい
る。この補助リング17と継手外輪3との嵌合面に環状
溝を周方向に形成し、この環状溝に止め輪20を係合さ
せることにより噛み込ませて装着する。なお、これに類
似した他の結合構造としては、例えば米国特許5536
075に開示されるようなものもある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図11に示
す構造のものでは、等速自在継手J2と車輪軸受8とを
着脱自在にした構造を有するが、その組み立て工程にお
いて、アウトボード側の固定型等速自在継手J2とイン
ボード側の摺動型等速自在継手J1(図10参照)とド
ライブシャフト1からなるアッセンブリ体を車輪軸受8
に装着しなければならない。この二つの等速自在継手J
1,J2とドライブシャフト1からなるアッセンブリ体
は、軸方向に長くて重いものであるため、取り扱いにく
く作業性の向上を図ることが困難であった。
【0008】また、等速自在継手用ブーツ10a,10
bは、他の部品と比べて交換頻度が比較的高く、特に、
アウトボード側等速自在継手用ブーツ10aは、インボ
ード側等速自在継手用ブーツ10bに比べ、小石や障害
物による亀裂や切損の頻度が高く寿命が短い。このアウ
トボード側等速自在継手用ブーツ10aを交換するに際
しては、軸方向に長くて重いアッセンブリ体を車体から
一旦取り外した上で、インボード側等速自在継手J1
分解し、インボード側から前記ブーツ10aを交換しな
ければならないことから、作業効率の低下を招来する。
【0009】一方、等速自在継手J2と車輪軸受8とを
トルク伝達可能に結合させるため、セレーション18,
19が形成された補助リング17と継手外輪3との嵌合
面に環状溝を形成し、その環状溝に止め輪20を係合さ
せていることから、周方向のがたつきを抑制するために
セレーション嵌合をタイトにすると、止め輪20が所定
の位置(環状溝)に係合しているか否かの保証が難し
く、前記セレーション嵌合をルーズにせざるを得ない。
そうすると、周方向のがたつきによるセレーション1
8,19の摩耗やフィーリングを悪化させることにな
る。
【0010】また、ハブ輪7の小径段部の端部をその軸
方向に延設した延在部16を設け、その延在部16に補
助リング17を圧入して等速自在継手J2の継手外輪3
を連結した構造であるため、ハブ輪7の端部に延在部1
6を設けたことにより装置全体の重量を増大させること
になり、そればかりではなく、継手センターがインボー
ド側に寄ることにより操舵機能が低下する。すなわち、
等速自在継手J2の転舵角が小さくなり、等速自在継手
2の許容作動角が同じでも車両の回転半径が大きくな
ってしまう。
【0011】一般的にキングピン軸線上に継手センター
が一致していると、車両の旋回時、等速自在継手J2
モーメントが作用せず走行安定性が向上するといわれて
いるが、前述した従来構造では、継手センターがインボ
ード側に寄ってしまい、走行安定性が低下するという問
題が生じる。
【0012】また、前述したように等速自在継手J2
車輪軸受8とが着脱自在な構造であると、ハブ輪7の小
径段部に嵌合され、インボード側の軌道面が形成された
内輪15がハブ輪7から抜脱した場合、車輪が車体から
外れてしまう危険性があるため、前記内輪15がハブ輪
7から抜脱しないように強固な固定手段を設けなければ
ならない。このような強固な固定手段を設けようとした
場合、大掛かりな構造となったり部品点数の増加などを
招来して好ましい手段ではない。
【0013】そこで、本発明は前記問題点に鑑みて提案
されたもので、その目的とするところは、組み立ておよ
び分解作業やブーツ交換作業の簡略化、車両性能の向
上、軽量コンパクト化を実現し得るアクスルモジュール
を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の技術的手段として、本発明は、車輪軸受と等速自在継
手とをユニット化し、その等速自在継手にドライブシャ
フトを連結したアクスルモジュールにおいて、前記等速
自在継手の継手内輪に、トルク伝達部を介してスタブシ
ャフトの一端部を結合し、そのスタブシャフトの他端部
にトルク伝達部を介してドライブシャフトの一端部を連
結すると共に、前記ドライブシャフト又はスタブシャフ
トのいずれか一方の外径にねじ部を形成し、そのねじ部
に螺合するナット部材を装着し、前記ドライブシャフト
又はスタブシャフトの他方の外径およびナット部材の内
径に形成された環状溝に止め輪を嵌着して前記ナット部
材を軸方向規制した状態で回転可能にしたことを特徴と
する(請求項1)。
【0015】本発明のアクスルモジュールでは、等速自
在継手にスタブシャフトを一体化して、そのスタブシャ
フトにドライブシャフトを着脱することにより、部品組
み立てやブーツ交換などの作業を簡略化してその作業性
を向上させると共に車両の操舵機能、走行安定性などの
性能を向上させることができ、軽量コンパクト化を実現
できる。このスタブシャフトとドライブシャフトとの着
脱は、ナット部材および止め輪の締結構造でもって行わ
れるため、等速自在継手の継手内輪とスタブシャフト、
スタブシャフトとドライブシャフトとをセレーションま
たはスプラインにより嵌合させたトルク伝達部(請求項
2)をタイトな嵌合にすることができ(請求項3)、そ
のトルク伝達部の周方向のがたつきを抑制できる。
【0016】本発明のアクスルモジュールにおける車輪
軸受は、複列の軌道面が内周に形成され、車体に支持さ
れる外方部材と、この外方部材の軌道面と対向する複列
の軌道面が外周に形成され、車輪を支持する内方部材
と、前記外方部材および内方部材のそれぞれの軌道面間
に介装された複列の転動体とを備え、以下の構造を具備
したものが望ましい。すなわち、前記内方部材の複列
の軌道面のうち、少なくともインボード側の軌道面を、
前記内方部材に嵌合した等速自在継手の外径に直接形成
したもの、前記インボード側の軌道面を前記等速自在
継手に嵌合した別体の内輪に形成したものが好ましい
(請求項4)。このようにインボード側の軌道面を等速
自在継手の外径に直接形成し、あるいは、等速自在継手
に嵌合した別体の内輪に形成したことにより、軸方向に
コンパクト化を実現できて軽量化が図れる。
【0017】前記車輪軸受が、前記インボード側の軌道
面を等速自在継手に嵌合した別体の内輪に形成した構造
とした場合、前記内輪とで内方部材を構成するハブ輪と
前記内輪の対向する端面を突き合わせ状態に配置し、前
記ハブ輪と内輪の突き合わせ端部に連結環を装着すれば
(請求項5)、連結環により結合されたハブ輪と内輪か
ら等速自在継手を取り外すとき、前記内輪が等速自在継
手に残って車輪軸受から抜脱することはなく、等速自在
継手と簡単に分離可能な構造とすることができる。
【0018】また、ハブ輪と内輪とを軸方向に突き合わ
せた状態に配置した構造を採用したことにより、装置全
体が軸方向にコンパクト化され、これによって設計自由
度も増加する。すなわち、ハブ輪と内輪からなる内方部
材に結合される等速自在継手のセンターがアウトボード
側に変更されれば、キングピン軸線上に一致することも
可能になる。このようにキングピン軸線上に継手センタ
ーが一致すれば、車両の旋回時、等速自在継手にモーメ
ント荷重が作用せず、操舵安定性および走行安定性が向
上する。
【0019】また、複列の軌道面のうち、インボード側
の軌道面が寿命的に厳しい箇所であるため、そのインボ
ード側の軌道面を形成する内輪をハブ輪と別体にしたこ
とにより、内輪の材質選定の自由度が上がり、寿命の向
上が図れる。さらに、ハブ輪に内輪を圧入する構造を有
するタイプの車輪軸受装置よりも軸受すきまの設定が確
実で組み立て工数の低減が図れる。
【0020】前記スタブシャフトのインボード側端部外
径に密封用ブーツの装着部を形成すれば(請求項6)、
スタブシャフトに対するドライブシャフトの脱着によ
り、ブーツ交換が可能となる。また、前記等速自在継手
の最大外径が車輪軸受の外径よりも小さくすれば(請求
項7)、車輪軸受および等速自在継手を一つのユニット
として、車体への取り付けおよび車体からの取り外しが
可能となる。さらに、前記スタブシャフトとドライブシ
ャフトのうち、少なくともスタブシャフトを中空構造と
すれば(請求項8)、軽量化を実現することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態を以下に詳述す
る。
【0022】図1に示す実施形態のアクスルモジュール
は、車輪軸受21に固定型等速自在継手22を連結して
ユニット化し、この固定型等速自在継手22を後述のス
タブシャフト23を介してドライブシャフト24の一端
部に装着すると共に、ディファレンシャルに連結された
摺動型等速自在継手25を前記ドライブシャフト24の
他端部に装着した構造を具備する。このように固定型等
速自在継手22と摺動型等速自在継手25と両者を連結
するドライブシャフト24とからなるアッセンブリ体2
6に対して、前記固定型等速自在継手22と車輪軸受2
1をユニット化してアクスルモジュールを構成する。
【0023】このアクスルモジュールのアッセンブリ体
26は、車体に装着された状態で等速自在継手22,2
5に所定の作動角がついている。車両が空車時から満車
時へ移行すると、等速自在継手22,25の作動角が変
化し、また、凹凸路面の走行により車両がバウンドした
時や、路肩に乗り上げた時、車両をジャッキアップした
時など、等速自在継手22,25の作動角は様々に変化
する。さらに、車両の急加減速時にも、車両の重心移動
によって等速自在継手22,25の作動角は逐次変化す
る。このような状況を加味し、一般的に一対の等速自在
継手22,25において、アウトボード側に固定型等速
自在継手22を、インボード側に摺動型等速自在継手2
5をそれぞれ使用し、その作動角の変化に対応してい
る。
【0024】摺動型等速自在継手25はダブルオフセッ
ト形のものであり、このダブルオフセット形等速自在継
手25は、ドライブシャフト24の一端に取り付けられ
て外周部にトラック溝が形成された継手内輪27と、内
周部にトラック溝が形成された継手外輪28と、継手内
輪27および継手外輪28のトラック溝間に組み込まれ
た複数のトルク伝達ボール29と、継手内輪27および
継手外輪28間に介在してトルク伝達ボール29を支持
する保持器30とで構成されている。なお、摺動型等速
自在継手25としては、前記ダブルオフセット形以外
に、トリポード形のものでも適用可能である。
【0025】継手外輪28とドライブシャフト24との
間には、等速自在継手25の内部への異物の侵入や内部
のグリースの漏出を防止するための密封用ブーツ31が
気密的に装着されている。ブーツ31は蛇腹状のゴム又
は樹脂製部材で、大径端部を継手外輪28のマウス部外
径に装着し、小径端部をドライブシャフト24に装着し
て、それぞれブーツバンド32,33で締め付けて固定
される。
【0026】車輪軸受21は、車輪ホイール(図示せ
ず)を固定するためのハブボルト34が円周方向等間隔
位置に取り付けられた車輪取付けフランジ35を有する
ハブ輪36と、後述の継手外輪51の肩部に嵌め込まれ
たハブ輪36とは別体の内輪37と、車体に固定するた
めのナックル(図示せず)がボルトにより取り付けられ
る車体取付けフランジ38を外周に有する外輪39とを
備えている。
【0027】これらハブ輪36および内輪37と外輪3
9とで複列アンギュラ玉軸受構造を構成し、外輪39の
内径面に複列の軌道面40,41が形成され、ハブ輪3
6の外周面に形成された一方の軌道面42と内輪37の
外周面に形成された他方の軌道面43とで、前記外輪3
9の軌道面40,41と対向する複列の軌道面42,4
3が形成され、外輪39とハブ輪36及び内輪37の軌
道面間に複列の転動体44,45を介在させ、各列の転
動体44,45を保持器46,47により円周方向等間
隔に支持した構造を具備する。なお、外部からの異物の
侵入や内部に充填したグリースの漏出を防止するため、
シール48,49がハブ輪36および内輪37と外輪3
9との間に設けられている。
【0028】一方、前記固定型等速自在継手22は、後
述のスタブシャフト23の一端に取り付けられて外周部
にトラック溝が形成された継手内輪50と、内周部にト
ラック溝が形成された継手外輪51と、継手内輪50お
よび継手外輪51のトラック溝間に組み込まれた複数の
トルク伝達ボール52と、継手内輪50および継手外輪
51間に介在してトルク伝達ボール52を支持する保持
器53とで構成されている。継手外輪51は、概ね椀状
のマウス部54と、そのマウス部54と一体的に形成さ
れたステム部55とを有する。なお、固定型等速自在継
手22としては、アンダーカットフリー形のものも適用
可能である。
【0029】この車輪軸受21は、継手外輪51のステ
ム部55をハブ輪36の貫通孔に挿通し、そのステム部
55の外径及びハブ輪36の内径に形成されたセレーシ
ョン56,57(又はスプライン)によりハブ輪36と
トルク伝達可能なように結合され、ボルト58により等
速自在継手22と連結されている。
【0030】一方、スタブシャフト23は、等速自在継
手22の継手内輪50と結合され、そのインボード側端
部に大径部59を有する中空状をなし、等速自在継手2
2と同軸的に配置されている。このスタブシャフト23
のアウトボード側端部外径と等速自在継手22の継手内
輪50の内径のそれぞれに軸方向に延びるセレーション
60,61(又はスプライン)が形成されている。
【0031】スタブシャフト23のアウトボード側端部
を等速自在継手22の継手内輪50に内挿して両者のセ
レーション60,61を嵌合させることによりスタブシ
ャフト23と等速自在継手22の継手内輪50との間で
トルク伝達が可能となる。また、スタブシャフト23を
継手内輪50にサークリップ等により位置決め固定する
ことにより、スタブシャフト23が継手内輪50から抜
脱することを防止している。
【0032】等速自在継手22の継手外輪51とスタブ
シャフト23との間には、等速自在継手22の内部への
異物の侵入や内部のグリースの漏出を防止するための密
封用ブーツ62が気密的に装着されている。ブーツ62
としては蛇腹状のゴム又は樹脂製部材が使用可能であ
る。このブーツ62の大径端部を等速自在継手22の継
手外輪51のマウス部外径に装着し、その小径端部をス
タブシャフト23の大径部の端部外径に装着して、それ
ぞれブーツバンド63,64で締め付けて固定される。
【0033】等速自在継手22から延びるスタブシャフ
ト23の大径部59の端部にドライブシャフト24を着
脱自在に装着する。ドライブシャフト24の一端部の外
径とスタブシャフト23の大径部59の内径のそれぞれ
にセレーション65,66(又はスプライン)を形成
し、さらに、前記ドライブシャフト24のセレーション
65のインボード側外径にねじ部67を形成する。この
ドライブシャフト24をスタブシャフト23の大径部5
9に内挿して両者のセレーション65,66を嵌合させ
ることによりドライブシャフト24とスタブシャフト2
3との間でトルク伝達が可能となる。
【0034】前記ドライブシャフト24のねじ部67に
ナット部材68を螺合させることにより、このナット部
材68によりドライブシャフト24とスタブシャフト2
3とを締結する(図2参照)。なお、スタブシャフト2
3の開口端部には、内部への水や埃の侵入を防止するた
めのOリング69を配置している。さらに、スタブシャ
フト23の大径部59の外径と、そのスタブシャフト2
3に嵌入したナット部材68の大径部の内径に環状溝7
2,73をそれぞれ形成し、この環状溝72,73に止
め輪70を嵌め込んでいる。この止め輪70によりスタ
ブシャフト23からナット部材68が抜脱することを防
止している。
【0035】このようにして、ドライブシャフト24と
スタブシャフト23とは、両セレーション65,66に
よりトルク伝達可能に結合され、ナット部材68および
止め輪70により着脱自在に結合される。この止め輪7
0は、弾性復元力に抗して拡径可能なC形状のもので、
ナット部材68の取り外し時、止め輪70を治具により
拡径させることができるようにナット部材68のアウト
ボード側端面に窓部71を開口させている(図3参
照)。
【0036】アクスルモジュールにおいて、スタブシャ
フト23からドライブシャフト24を取り外すに際して
は、以下の要領でもって行えばよい。まず、止め輪70
によりスタブシャフト23に抜け止めされたナット部材
68を回転させることにより、そのナット部材68と螺
合するドライブシャフト24は、インボード側へ移動し
てドライブシャフト24のセレーション部65がスタブ
シャフト23のセレーション部66から離脱する(図4
参照)。このドライブシャフト24のインボード側への
移動は、摺動型等速自在継手25のスライド部(継手内
輪27、ボール29および保持器30)と継手外輪28
の底部との間に余裕プランジング量があるので、摺動型
等速自在継手25がディファレンシャルに装着された状
態のままであっても許容される。
【0037】このドライブシャフト24とスタブシャフ
ト23の分離により、固定型等速自在継手22の最大外
径を車輪軸受21の外径よりも小さくしておけば、その
等速自在継手22と車輪軸受21からなるユニットごと
車体側のナックルからアウトボード側へ取り外すことが
できる。また、図6および図7に示すように前記ハブ輪
36と内輪37の突き合わせ端部に連結環74を装着し
た構造すれば、ハブ輪36と内輪37とを突き合わせた
状態で等速自在継手22を取り外すとき、前記内輪37
が継手外輪51に残って車輪軸受21から内輪37が抜
脱することはなく、等速自在継手22と簡単に分離可能
な構造とすることができる。これにより、車輪軸受21
または等速自在継手22のみを交換することも可能とな
る。
【0038】なお、ハブ輪36と内輪37を突き合わせ
状態に配置して連結環74を装着した構造としたことに
より、ハブ輪36のセレーション径を大きくすることが
でき、その分セレーション57の歯数を増やすことがで
きる。さらに、ハブ輪36と等速自在継手22との結合
部分でのトルク伝達容量が大きくできるので、セレーシ
ョン嵌合幅を小さく設計することができるため、装置全
体の軸方向寸法を小さくすることができると共に、ハブ
輪36と等速自在継手22の剛性の向上が図れる。ま
た、等速自在継手22のステム部外径を大きくすること
ができ、これにより、そのステム部55の中空化が可能
となって装置全体のさらなる軽量化を実現容易にする。
【0039】前述したようにしてスタブシャフト23か
らのドライブシャフト24の分離が完了した上で、ナッ
ト部材68のアウトボード側端面に開口した窓部71か
ら治具により止め輪70をその弾性復元力に抗して拡径
させ、ナット部材68をスタブシャフト23から取り外
す(図5参照)。このナット部材68の取り外しによっ
てブーツ交換が可能となる。すなわち、ナット部材68
がスタブシャフト23から取り外され、しかも、ブーツ
62の小径端部がスタブシャフト23の大径部59に装
着されているので、ブーツバンド63,64を外せば、
ブーツ62をインボード側から取り外すことが可能とな
る。
【0040】新たなブーツ62をインボード側からスタ
ブシャフト23に挿入してブーツバンド63,64によ
り装着した上で、ドライブシャフト24をスタブシャフ
ト23に取り付けるに際しては、以下の要領でもって行
えばよい。
【0041】ブーツ交換後、ナット部材68をスタブシ
ャフト23に装着するため、ナット部材68をスタブシ
ャフト23のインボード側から挿入して止め輪70を環
状溝72,73に嵌合させて位置決めする。この状態
で、ドライブシャフト24の軸端をナット部材68を介
してスタブシャフト23に内挿し、ナット部材68をド
ライブシャフト24のねじ部67に螺合させてそのナッ
ト部材68を回転させることにより、ドライブシャフト
24がアウトボード側へ移動する。このドライブシャフ
ト24のアウトボード側への移動により、ドライブシャ
フト24のセレーション65とスタブシャフト23のセ
レーション66とを嵌合させる。
【0042】このようにナット部材68の回転によりド
ライブシャフト24を移動させるようにしたから、ドラ
イブシャフト24とスタブシャフト23とのタイトな嵌
合が得られる。すなわち、ドライブシャフト24の外径
に形成されたセレーション65又はスタブシャフト23
の内径に形成されたセレーション66のいずれか一方に
捩れ角を付与し、他方をストレートなセレーションとす
る。このようにすれば、スタブシャフト23に止め輪7
0で軸方向に拘束されたナット部材68を回転させるこ
とにより、ドライブシャフト24をスタブシャフト23
に圧入することができてタイトなセレーション嵌合が得
られる。
【0043】なお、前述した実施形態では、ドライブシ
ャフト24の取り外し時、ブーツ交換するためには、ナ
ット部材68をスタブシャフト23から取り外す必要が
あったが、図8に示すようにスタブシャフト23の大径
部59の外径にねじ部67を形成し、ドライブシャフト
24の外径とナット部材68の内径に形成された環状溝
72,73に止め輪70を装着した構造とすれば、ドラ
イブシャフト24の取り外し後、ナット部材68は、そ
のドライブシャフト24に装着された状態となっている
ので、そのまま、スタブシャフト23からブーツ62を
取り外すことが可能である(図9参照)。
【0044】なお、スタブシャフト23の大径部59の
内径に形成されたセレーション径を、継手内輪50に嵌
合したアウトボード側のセレーション径よりも大きくす
れば、歯数を増やすことができ、スタブシャフト23と
ドライブシャフト24との結合部分でのトルク伝達容量
が大きくできるので、スタブシャフト23の大径部59
の内径のセレーション嵌合幅を小さく設計することがで
き、軸方向寸法を小さくすることができる。
【0045】なお、図1の実施形態では、前記車輪軸受
21は、ハブ輪36と別体の内輪37を継手外輪51の
肩部に嵌め込んだ構造のものであるが、この構造以外に
も、例えば、複列の内側軌道面42,43のうち、イン
ボード側の軌道面43を継手外輪51の肩部に直接形成
した構造のものでも可能である。
【0046】また、車輪軸受21のハブ輪36と継手外
輪51とは、前記ボルト結合以外にも、継手外輪51の
ステム部55が中実であれば、ステム部55の端部外径
に雄ねじを形成し、その雄ねじに固定ナットを締め付け
ることにより、ハブ輪36と継手外輪51とを結合する
ナット結合構造でも可能である。さらに、継手外輪51
のステム部55を中空状とし、ハブ輪36の貫通孔に挿
通された継手外輪51のステム部55の端部を加締める
ことによって結合された構造とすることも可能である。
この加締めは、継手外輪51のステム部55の端部を半
径方向外側に塑性変形させたり、あるいは、ステム部5
5の端部外周面に、例えばねじ、セレーション又はロー
レット加工などによる凹凸部を形成し、その凹凸部を形
成した部位を例えば内径側から外径側に拡径させて塑性
変形させたりすることにより実現可能である。このよう
に継手外輪51のステム部55を中空状とすれば、装置
の軽量化による燃費向上、運転による昇温を抑制する放
熱条件の向上といった利点が得られる。
【0047】
【発明の効果】本発明によれば、等速自在継手にスタブ
シャフトを一体化して、そのスタブシャフトにドライブ
シャフトを着脱することにより、部品組み立てやブーツ
交換などの作業を簡略化してその作業性を向上させると
共に車両の操舵機能、走行安定性などの性能を向上させ
ることができ、軽量コンパクト化を実現できる。このス
タブシャフトとドライブシャフトとの着脱は、ナット部
材および止め輪の締結構造でもって行われるため、等速
自在継手の継手内輪とスタブシャフト、スタブシャフト
とドライブシャフトとをセレーションまたはスプライン
により嵌合させたトルク伝達部をタイトな嵌合にするこ
とができ、そのトルク伝達部の周方向のがたつきを抑制
できる。
【0048】本発明は、車輪軸受の内方部材の複列の軌
道面のうち、少なくともインボード側の軌道面を、前記
内方部材に嵌合した等速自在継手の外径に直接形成した
もの、あるいは、前記インボード側の軌道面を前記等速
自在継手に嵌合した別体の内輪に形成したものに適用で
きるので、軸方向にコンパクト化を実現できて軽量化が
図れる。
【0049】また、前記車輪軸受のハブ輪と内輪の対向
する端面を突き合わせ状態に配置し、前記ハブ輪と内輪
の突き合わせ端部に連結環を装着すれば、車輪軸受と等
速自在継手とが簡単に分離可能となる。また、装置全体
が軸方向にコンパクト化され、これによって設計自由度
も増加し、ハブ輪と内輪からなる内方部材に結合される
等速自在継手のセンターをキングピン軸線上に一致させ
ることも可能になり、車両の旋回時、等速自在継手にモ
ーメント荷重が作用せず、操舵安定性および走行安定性
が向上する。
【0050】前記スタブシャフトのインボード側端部外
径に密封用ブーツの装着部を形成すれば、スタブシャフ
トに対するドライブシャフトの脱着により、ブーツ交換
も容易となる。また、前記等速自在継手の最大外径が車
輪軸受の外径よりも小さくすれば、車輪軸受および等速
自在継手を一つのユニットとして、そのユニットをアウ
トボード側から取り付けあるいは取り外すことが可能と
なる。さらに、前記スタブシャフトとドライブシャフト
のうち、少なくともスタブシャフトを中空構造とすれ
ば、軽量化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るアクスルモジュールの実施形態を
示す断面図である。
【図2】図1のドライブシャフトとスタブシャフトとの
結合部分を示す拡大部分断面図である。
【図3】図2のナット部材をアウトボード側から見た側
面図である。
【図4】図2のスタブシャフトからドライブシャフトを
取り外した状態を示す拡大部分断面図である。
【図5】図4のスタブシャフトからナット部材を取り外
した状態を示す拡大部分断面図である。
【図6】本発明の他の実施形態で、ハブ輪と内輪とに連
結環を装着して車輪軸受と等速自在継手を分離可能とし
た構造を示す断面図である。
【図7】図6の車軸軸受に等速自在継手をボルトにより
結合させた車輪軸受と等速自在継手のユニットを示す断
面図である。
【図8】ドライブシャフトとスタブシャフトとの他の結
合構造を示す拡大部分断面図である。
【図9】図8のスタブシャフトからドライブシャフトを
取り外した状態を示す拡大部分断面図である。
【図10】自動車エンジンから駆動側車輪への動力伝達
系を示す断面図である。
【図11】従来の車輪軸受および固定型等速自在継手を
示す断面図である。
【符号の説明】
21 車輪軸受 22 固定型等速自在継手 23 スタブシャフト 24 ドライブシャフト 25 摺動型等速自在継手 36 内方部材(ハブ輪) 37 内輪 39 外方部材(外輪) 40,41 軌道面 42,43 軌道面 44,45 転動体 50 継手内輪 51 継手外輪 60,61 トルク伝達部(セレーション) 62 密封用ブーツ 65,66 トルク伝達部(セレーション) 67 ねじ部 68 ナット部材 70 止め輪 72,73 環状溝

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車輪軸受と等速自在継手とをユニット化
    し、その等速自在継手にドライブシャフトを連結したア
    クスルモジュールにおいて、前記等速自在継手の継手内
    輪にトルク伝達部を介してスタブシャフトの一端部を結
    合し、そのスタブシャフトの他端部にトルク伝達部を介
    してドライブシャフトの一端部を連結すると共に、前記
    ドライブシャフト又はスタブシャフトのいずれか一方の
    外径にねじ部を形成し、そのねじ部に螺合するナット部
    材を装着し、前記ドライブシャフト又はスタブシャフト
    の他方の外径およびナット部材の内径に形成された環状
    溝に止め輪を嵌着して前記ナット部材を軸方向規制した
    状態で回転可能にしたことを特徴とするアクスルモジュ
    ール。
  2. 【請求項2】 前記トルク伝達部は、等速自在継手の継
    手内輪とスタブシャフト、スタブシャフトとドライブシ
    ャフトとをセレーションまたはスプラインにより嵌合さ
    せたことを特徴とする請求項1に記載の駆動側車輪支持
    装置。
  3. 【請求項3】 前記等速自在継手の継手内輪とスタブシ
    ャフト、前記スタブシャフトとドライブシャフトとの嵌
    合をタイトにしたことを特徴とする請求項1又は2に記
    載のアクスルモジュール。
  4. 【請求項4】 前記車輪軸受は、複列の軌道面が内周に
    形成され、車体に支持される外方部材と、この外方部材
    の軌道面と対向する複列の軌道面が外周に形成され、車
    輪を支持する内方部材と、前記外方部材および内方部材
    のそれぞれの軌道面間に介装された複列の転動体とを備
    え、前記内方部材の複列の軌道面のうち、少なくともイ
    ンボード側の軌道面を、前記内方部材に嵌合した等速自
    在継手の外径に直接形成し、あるいは、前記等速自在継
    手に嵌合した別体の内輪に形成したことを特徴とする請
    求項1乃至3のいずれかに記載のアクスルモジュール。
  5. 【請求項5】 前記インボード側の軌道面を等速自在継
    手に嵌合した別体の内輪に形成し、前記内輪とで内方部
    材を構成するハブ輪と前記内輪の対向する端面を突き合
    わせ状態に配置し、前記ハブ輪と内輪の突き合わせ端部
    に連結環を装着したことを特徴とする請求項4に記載の
    アクスルモジュール。
  6. 【請求項6】 前記スタブシャフトのインボード側端部
    外径に密封用ブーツの装着部を形成したことを特徴とす
    る請求項1乃至5に記載のアクスルモジュール。
  7. 【請求項7】 前記等速自在継手の最大外径が車輪軸受
    の外径よりも小さいことを特徴とする請求項1乃至6の
    いずれかに記載のアクスルモジュール。
  8. 【請求項8】 前記スタブシャフトとドライブシャフト
    のうち、少なくともスタブシャフトを中空構造としたこ
    とを特徴とする請求項1乃至7に記載のアクスルモジュ
    ール。
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