JP4245849B2 - プロペラシャフト用等速自在継手 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はプロペラシャフト用等速自在継手に関し、詳しくは、4WD車やFR車などにおいてトランスミッションからディファレンシャルへ回転駆動力を伝達するプロペラシャフトに用いられる等速自在継手に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えばFR車では、エンジン、クラッチ、変速機(トランスミッション)が前方に、減速歯車装置(ディファレンシャル)、駆動車軸が後方にそれぞれあるため、この間の動力伝達にプロペラシャフトを用いるのが一般的である。また、FRベースの4WD車では、図10に示すようにリアプロペラシャフト6とフロントプロペラシャフト3が必要である。これらプロペラシャフトは、トランスミッションとディファレンシャル(以下、単にデフと称す)間の相対位置変化による長さと角度変化に対応できる構造とするために等速自在継手を具備する。
【0003】
通常、車両全体の重量軽減という観点から、軽量で、しかも回転バランスおよび振動特性がよいレブロ型(あるいはクロスグルーブ型)と称される摺動型等速自在継手が組み込まれている。このレブロ型等速自在継手は、衝突時の軸方向衝撃によるトランスミッションとデフ間の軸方向変位を吸収できる構造を具備する。図11はレブロ型等速自在継手12の一例を示し、その等速自在継手12は、内輪13、外輪14、ボール15およびケージ16を主要な構成要素としている。
【0004】
内輪13は、その外周面に複数のトラック溝17が形成されている。この内輪13の中心部に形成された孔にスタブシャフト19の軸部20を嵌合させ、内輪13の孔内周面とスタブシャフト19の軸部20の外周面に形成されたセレーション21,22による嵌合でもってトルク伝達可能としている。また、そのスタブシャフト19の軸端部に輪溝を形成し、その輪溝に装着されたスナップリング23によりスタブシャフト19が内輪13に軸方向に位置決め固定されている。
【0005】
外輪14は内輪13の外周に位置し、内周面に内輪13のトラック溝17と同数のトラック溝18が形成されている。内輪13のトラック溝17と外輪14のトラック溝18は軸線に対して反対方向に角度をなしている。対をなす内輪13のトラック溝17と外輪14のトラック溝18との交叉部にボール15が組み込まれている。内輪13と外輪14の間にケージ16が配置され、ボール15はケージ16のポケット内に保持されている。外輪14は、中空部24を有するコンパニオンフランジ25に、エンドキャップ26を挟み込んだ状態でボルト挿通孔27を利用してボルト締結される。エンドキャップ25は等速自在継手12に充填したグリースの漏洩を防ぐと共に異物の侵入を防止するためのものである。
【0006】
また、外輪14とスタブシャフト19との間には密封装置が装着されている。この密封装置はブーツ28と金属製のブーツアダプタ29とからなる。ブーツ28は小端部と大端部を有し、中間にてV字形に折り返した格好になっている。ブーツアダプタ29は円筒形で、一端に外輪14の外周面と嵌合するフランジを有し、コンパニオンフランジ25およびエンドキャップ26と共にボルトでもって外輪14に固定される。ブーツ28の小端部はスタブシャフト19に取り付けてブーツバンド11で締め付けられている。ブーツ28の大端部はブーツアダプタ29の端部を加締めて保持されている。
【0007】
なお、前記コンパニオンフランジ25の等速自在継手12と反対側には、図示しないが、スタブシャフト(図示せず)を介してチューブが連結されると共に、前記等速自在継手12側のスタブシャフト19にもチューブが連結され、一方のチューブを等速自在継手を介してトランスミッションに装着し、他方のチューブを等速自在継手を介してデフに装着することによりプロペラシャフトが車両に組み付けられる。
【0008】
この等速自在継手12の組立要領は、以下のような手順で行われる。まず、等速自在継手12側のスタブシャフト19にブーツバンド11、ブーツ28およびブーツアダプタ29を挿入した上で、内輪13、外輪14、ケージ16およびボール15を予め組み付け、アッセンブリの前記内輪13にスタブシャフト19を圧入してセレーション嵌合させ、スナップリング23で固定する。そして、ブーツアダプタ29をアッセンブリの外輪14に圧入し、ブーツ28の小端部をブーツバンド11でスタブシャフト19に締め付け固定する。一方、エンドキャップ26を外輪14に圧入すると共にコンパニオンフランジ25を結合させ、エンドキャップ26、コンパニオンフランジ25および前記ブーツアダプタ29をボルト(図示せず)により外輪14に締結固定する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前述した従来の等速自在継手12では、コンパニオンフランジ25と等速自在継手12の外輪14とをボルトにより締結する構造であるため、前記外輪14にボルト挿通孔27を設ける必要があることから、外輪14の外径が大きくなり、重量アップとなる。このように等速自在継手12の外径が大きくなると、車両への取付け箇所における周囲部品との干渉の点で制約を受け易くなる。また、等速自在継手12の重量アップは、プロペラシャフトの高速回転を阻害することにもなる。
【0010】
また、等速自在継手12の組立において、内輪13、外輪14、ケージ16およびボール15からなるアッセンブリに対して、その内輪13にスタブシャフト19を圧入する際、コンパニオンフランジ25への組み付け前であることから、ボール15およびケージ16間に過大な力が加わらないようにするためには、内輪13を支持治具などにより軸方向へ移動することを規制した状態でスタブシャフト19の軸部20を内輪13の孔に圧入する必要がある。
【0011】
そこで、本発明は前記問題点に鑑みて提案されたもので、その目的とするところは、軽量コンパクト化と共にスタブシャフトの組み付け性を改善し得るプロペラシャフト用等速自在継手を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するための技術的手段として、本発明は、円筒状内周面に軸方向に延びる複数の直線状トラック溝を形成したカップ状の外輪と、その外輪のトラック溝と対向する複数の直線状トラック溝を凸球状外周面に形成した内輪と、それら内外輪のトラック溝間に介在してトルクを伝達する複数のボールと、そのボールを保持して前記内外輪間の環状空間内に収容されたケージとを備え、前記内輪の外周面と外輪の内周面の各々にトラック溝を交叉状の配置で設け、両トラック溝の交叉部分にボールを組み込み、そのボールを前記内輪の外周面と前記外輪の内周面との間に配置して凹球状内周面を有するケージにより保持し、前記外輪の開口端部からスタブシャフトを挿入してその軸部を前記内輪にトルク伝達可能に嵌合させ、前記外輪の開口端部と前記スタブシャフトの軸部に、継手内部を密封するブーツをそれぞれ装着したプロペラシャフト用等速自在継手において、前記内輪の奥側端面のみが、スタブシャフトの軸部圧入時に外輪の底面に当接可能としたことを特徴とする。
【0013】
ここで、内輪とスタブシャフトとのトルク伝達可能な嵌合は、例えば、前記内輪の内周面とスタブシャフトの外周面のそれぞれにセレーションを形成し、両者をセレーション嵌合させることにより達成される。また、前記内輪の奥側端面とは、外輪の開口端部に対して奥側に位置する端面を意味し、その外輪の底面と対向する位置関係にある。
【0014】
本発明では、前記等速自在継手の外輪と従来のコンパニオンフランジとを一体化したことにより、外輪自体の軽量コンパクト化だけでなく、継手全体の軽量コンパクト化を実現することができ、等速自在継手の車両への取付け上、周囲部品との干渉を容易に回避することができ、高速回転に適したプロペラシャフト用等速自在継手を提供できる。
【0015】
この等速自在継手の軽量コンパクト化と共に、内輪の奥側端面が、スタブシャフトの軸部圧入時に外輪の底面に当接可能としたことにより、等速自在継手の組立において、その等速自在継手のアッセンブリに対して内輪にスタブシャフトを圧入する際、内輪の奥側端面が外輪の底面に当接して軸方向への移動が規制されるので、ボールおよびケージ間に過大な力が加わらず、スタブシャフトの組み付け性を改善することができる。ここで、アッセンブリとは外輪に内輪、ボールおよびケージを組み込んだものを意味する。
【0016】
なお、スタブシャフトの軸部圧入時に、ケージの奥側端部が外輪の底面に当接するようであれば、ボールおよびケージ間に過大な力が加わることになるので、この不具合を回避するため、内輪の奥側端部を延長することにより、その内輪の奥側端面のみが、外輪の底面に当接可能とする必要がある。
【0018】
前記構成における等速自在継手は、前記ケージの端部内径を前記内輪の外径よりも大きくした構造を有するタイプに適用可能である。この種の等速自在継手は、ノンフロートタイプと称されるもので、ケージの最小内径が内輪の最大外径よりも大きいため、車両衝突時の軸方向衝撃がスタブシャフトまたは外輪に加わった場合、内輪、ボールおよびケージからなる内輪周り部品の軸方向スライド幅を十分に確保することができ、大きな軸方向変位を吸収するできる利点がある。
【0019】
また、外輪を、カップ状の大径部とその大径部から一体に形成された中空状の小径部からなる構造とし、その小径部の内周面にセレーションを形成すれば、前記等速自在継手のブーツ側と反対側に位置するスタブシャフトを容易に連結することが可能となる。
【0020】
さらに、前記構成において、スタブシャフトの軸端部に環状溝を形成すると共に、前記内輪の端部に前記環状溝と対向する段部を形成し、これら環状溝と段部によって形成された環状空間内に、断面が円形をなす縮径可能な有端リングを装着した構造とすることが望ましい。スタブシャフトの軸端部を内輪に圧入するに際しては、その軸端部の環状溝に有端リングを予め装着する。このスタブシャフトの内輪への圧入時、前記有端リングは縮径した状態で内輪の孔に押し込まれて内輪の段部に達した時点で拡径し、スタブシャフトが内輪に対して軸方向に固定される。
【0021】
ここで、スタブシャフトの軸端部の環状溝と対向する内輪の段部を、前記スタブシャフトの軸端部が内輪端部から突出しない位置に形成すれば、外輪の底面をフラットにすることができ、外輪の外形を単純化して外輪の全長を短くすることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態を以下に詳述する。なお、この実施形態は、摺動型等速自在継手の一例として、ノンフロートタイプのレブロ型(あるいはクロスグルーブ型)等速自在継手、特に、通常のレブロ型等速自在継手よりもトラック溝の交差角を小さくした高速回転に好適なハイスピードタイプのレブロ型等速自在継手である。
【0023】
なお、プロペラシャフトに使用する等速自在継手としては、車両全体の重量軽減という観点から、継手重量の回転バランスや振動特性がよく、軽量なレブロ型等速自在継手が好ましいが、ハイスピードタイプ以外の通常のレブロ型等速自在継手も適用可能である。また、実施形態のレブロ型等速自在継手は、ケージの最小内径が内輪の最大外径よりも大きい構造を具備したノンフロートタイプであるが、ケージの最小内径が内輪の最大外径よりも小さい構造を具備したフロートタイプのレブロ型等速自在継手にも適用可能である。
【0024】
ここで、この等速自在継手は、FRベースの4WD車において、トランスミッション2とリアデフ7間の相対位置変化による長さと角度変化に対応できる構造を持つリアプロペラシャフト6(図10参照)に適用可能であり、その他、4WD車のトランスミッション2とフロントデフ4間に配置されたフロントプロペラシャフト3、FR車のトランスミッションとデフ間に配置されたプロペラシャフトとしても適用可能である。図10の4WD車の駆動系統において、エンジン1の出力は、トランスミッション2を経ると、一方ではフロントプロペラシャフト3を介してフロントデフ4から前輪5へ伝達され、他方ではリアプロペラシャフト6を介してリアデフ7から後輪8へ伝達される。
【0025】
この実施形態は、図1に示すように前記摺動型等速自在継手であるレブロ型等速自在継手31(LJ)にスタブシャフト32とブーツ33を取り付けた構成を具備し、前記等速自在継手31は、内輪34、外輪35、ボール36およびケージ37とで主要部が構成されている。なお、図2は、図1の外輪35と形状が異なる外輪35’を有する実施形態を示す。
【0026】
内輪34は、その凸球状外周面に複数のトラック溝38が形成されている。この内輪34の中心部に形成された孔にスタブシャフト32の軸部40を嵌合させ、その孔の内周面とスタブシャフト32の軸部40の外周面に形成されたセレーション41,42による嵌合でもってトルク伝達可能としている。そのスタブシャフト32の軸端部に、断面が円形をなす縮径可能な有端リング、例えば丸サークリップ43を装着し、この丸サークリップ43によりスタブシャフト32を内輪34に軸方向に位置決め固定している。つまり、スタブシャフト32の軸端部に環状溝44を形成すると共に、前記内輪34の端部に前記環状溝44と対向する段部45を形成し、これら環状溝44と段部45によって形成された環状空間内に前記丸サークリップ43を装着するようにしている。
【0027】
外輪35,35’は内輪34の外周に位置し、円筒状内周面に内輪34のトラック溝38と同数のトラック溝39が形成されている。内輪34のトラック溝38と外輪35,35’のトラック溝39は軸線に対して反対方向に角度をなしている。対をなす内輪34のトラック溝38と外輪35,35’のトラック溝39との交叉部にボール36が組み込まれている。内輪34と外輪35,35’の間の環状空間内にケージ37が配置され、ボール36はケージ37のポケット46内で保持されている。
【0028】
図1に示す実施形態の外輪35は、前記内輪34、ケージ37およびボール36からなる内輪周り部品が収容されたカップ状の大径部47と、その大径部47から軸方向に延びる中空状の小径部48とを一体に成形したもので、その大径部47と小径部48との境界部分の内周にエンドキャップ49を圧入した構造を有する。このエンドキャップ49は、等速自在継手31に充填したグリースの漏洩を防ぐと共に異物の侵入を防止するためのものである。
【0029】
なお、図2に示す実施形態の外輪35’は、大径部47から軸方向に延びる中空状の小径部48を有しない点で、図1に示す実施形態の外輪35と異なる。この外輪35’の底面には、スタブシャフト32を内輪34に圧入する際にそのスタブシャフト32の軸端部が収納配置される凹穴60が形成されている。
【0030】
ところで、各トラック溝38,39が軸線に対してなす角度(以下、トラック交叉角と称す)は図3に符号αで示される。また、図4に示すようにトラック溝38,39の横断面形状はゴシックアーチ状であり、したがって、ボール36との接触は所定の接触角(β:以下、トラック接触角という。)をもったアンギュラコンタクトとなっている。
【0031】
ここで、レブロ型等速自在継手31は、その構造上、トラック交叉角αとトラック接触角βから決まる限界作動角をもっており、この限界作動角以上で運転すると、異常摩耗を生じたり異音を発生したりすることが一般的に知られているが、プロペラシャフト用等速自在継手の場合、高速回転で使用されるため、その焼付問題から最大作動角が制限され、実用的な最大作動角は10°〜13°である。
【0032】
そこで、プロペラシャフト用として好適なレブロ型等速自在継手(LJ)では、内輪34と外輪35,35’の実用的な最大作動角が10°〜13°で、トラック接触角βが35°〜45°に対し、内輪34のトラック溝38および外輪35,35’のトラック溝39のトラック交叉角αを7°〜12°の範囲に設定している。
【0033】
また、図1及び図2に示すように外輪35,35’とスタブシャフト32との間には密封装置が装着されている。この密封装置はブーツ33と金属製のブーツアダプタ50とからなる。ブーツ33は小端部と大端部を有し、中間にて断面V字形に折り返した形状を有する。ブーツアダプタ50は円筒形で、一端に外輪35,35’の開口端外周面とOリング51を介して嵌合されたフランジ部を有し、そのフランジ部の端部を外輪35,35’の溝部52に配置して加締めることにより外輪35,35’に固定される。ブーツ33の小端部は、スタブシャフト32の軸部40に設けられたブーツ溝53に取り付けてブーツバンド54で締め付けられている。ブーツ33の大端部はブーツアダプタ50の端部を加締めて保持されている。
【0034】
この等速自在継手31の組立要領は、以下のような手順で行われる。まず、等速自在継手側のスタブシャフト32にブーツ33およびブーツアダプタ50を挿入した上で、外輪35,35’の開口端部からスタブシャフト32を挿入し、前記外輪35,35’に対して内輪34、ケージ37およびボール36を予め組み付けたアッセンブリの前記内輪34にスタブシャフト32の軸部40を圧入する。この圧入によりスタブシャフト32の軸部外周面に形成されたセレーション42と内輪34の内周面に形成されたセレーション41とを嵌合させる。
【0035】
このスタブシャフト32を内輪34に圧入するに際しては、スタブシャフト32の軸端部の環状溝44に丸サークリップ43を予め装着する。その丸サークリップ43は縮径した状態で内輪34の孔に押し込まれて内輪34の段部45に達した時点で拡径することにより、スタブシャフト32が内輪34に対して軸方向に固定される。そして、ブーツアダプタ50をアッセンブリの外輪35,35’に圧入し、ブーツ33の小端部をスタブシャフト32のブーツ溝53に取り付けてブーツバンド54で締め付け固定する。
【0036】
このスタブシャフト32の内輪34への圧入時、図5及び図6に示すようにそのスタブシャフト32の圧入により内輪34、ボール36およびケージ37の内輪周り部品が外輪35,35’の奥側へ移動するが、そのボール36とケージ37とが干渉する前に、内輪34の奥側端面55が外輪35,35’の底面56に当接することにより、前記内輪周り部品の軸方向への移動が規制される。これによって、外輪35,35’の底面56で内輪34を支持しながらスタブシャフト32をその内輪34に圧入することができるので、その圧入時にボール36およびケージ37間に過大な力が加わらない。スタブシャフト32の軸端部は、図1の実施形態の場合、外輪35の小径部48に形成された孔に収納配置され、図2の実施形態の場合、外輪35’の底面56に形成された凹穴60に収納配置される。
【0037】
なお、図1の実施形態の場合、外輪35の小径部48に形成された孔の内周面にセレーション57を形成している。この小径部48の孔にスタブシャフト(図示せず)の軸部を嵌合させ、その孔の内周面に形成されたセレーション57とスタブシャフトの軸部の外周面に形成されたセレーションとの嵌合でもってトルク伝達可能とする。
【0038】
前述したスタブシャフト32と内輪34との固定構造と同様、外輪35の小径部48にセレーション嵌合されたスタブシャフトの軸端部に、例えば丸サークリップを装着し、この丸サークリップによりスタブシャフトを外輪35に軸方向に位置決め固定する。つまり、スタブシャフトの軸端部に環状溝を形成すると共に、前記外輪35のセレーション端部に前記環状溝と対向する段部58を形成し、これら環状溝と段部58によって形成された環状空間内に前記丸サークリップを装着するようにしている。
【0039】
また、外輪35の小径部48には、図示しないが、前述したスタブシャフト(図示せず)を介してチューブが連結されると共に、前記内輪34側のスタブシャフト32にもチューブが連結され、一方のチューブを等速自在継手を介してトランスミッションに装着し、他方のチューブを等速自在継手を介してデフに装着することによりプロペラシャフトが車両に組み付けられる。
【0040】
図7は図2の実施形態における外輪35’と形状が異なる外輪35’’を有する他の実施形態を示す。この実施形態では、スタブシャフト32の軸端部の環状溝44と対向する内輪34の段部45’を、前記スタブシャフト32の軸端部が内輪34の奥側端面55から突出しない位置に形成している。
【0041】
ここで、図8に示すようにスタブシャフト32の内輪34への圧入時、内輪34、ボール36およびケージ37の内輪周り部品が外輪35’’の奥側へ移動してボール36とケージ37とが干渉する前に、内輪34の奥側端面55が外輪35’’の底面56に当接することにより、内輪周り部品の軸方向への移動が規制される。この時、スタブシャフト32の軸端部が内輪34の奥側端面55から突出していないので、外輪35’’の底面56’をフラットにすることができる。その結果、外輪35’’の外形を単純化できてコスト低減が図れると共に、図2の実施形態における外輪35’と比較した場合、凹穴60を形成する必要がない点で、外輪35’’の全長〔n<m(図7及び図2参照)〕を短くすることができて軽量コンパクト化及びコスト低減化が図れる。
【0042】
この内輪34の段部を、スタブシャフト32の軸端部が内輪34の奥側端面55から突出しない位置に形成する形態としては、図9(a)に示すように内輪34の段部45’を軸方向に座ぐり状に深く形成したり、同図(b)(c)に示すように内輪34の段部45’’を、その内輪34の内径面の中央寄りに設けられた環状溝の一部として形成したりすればよい。なお、同図(b)と(c)の形態の相違点は、スタブシャフト32について、内輪34とスタブシャフト32とのがたつきを防止するための肩止め61を、内輪34の端部と対応する部位に形成しているか否かである。
【0043】
【発明の効果】
本発明によれば、摺動型等速自在継手の外輪と従来のコンパニオンフランジとを一体化したことにより、外輪自体の軽量コンパクト化だけでなく、継手全体の軽量コンパクト化を実現することができると共に、内輪の奥側端面のみが、スタブシャフトの軸部圧入時に外輪の底面に当接可能としたことにより、等速自在継手の組立において、その等速自在継手のアッセンブリに対して内輪にスタブシャフトを圧入する際、内輪が外輪の底面に当接して軸方向への移動が規制されるので、ボールおよびケージ間に過大な力が加わらず、スタブシャフトの組み付け性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るプロペラシャフト用等速自在継手の実施形態を示す断面図である。
【図2】本発明の他の実施形態におけるプロペラシャフト用等速自在継手を示す断面図である。
【図3】図1及び図2の等速自在継手におけるトラック交叉角αを説明するための平面図である。
【図4】図1及び図2の等速自在継手におけるトラック接触角βを説明するための拡大断面図である。
【図5】図1の等速自在継手の組立において、スタブシャフトを圧入する状態を示す断面図である。
【図6】図2の等速自在継手の組立において、スタブシャフトを圧入する状態を示す断面図である。
【図7】図2の等速自在継手を改善した他の実施形態における等速自在継手を示す断面図である。
【図8】図7の等速自在継手の組立において、スタブシャフトを圧入する状態を示す断面図である。
【図9】(a)は図7の要部拡大断面図、(b)は(a)の構造の変形例を示す断面図、(c)は(b)の構造の変形例を示す断面図である。
【図10】四輪駆動車の駆動系統の概略平面図である。
【図11】プロペラシャフト用等速自在継手の従来例を示す断面図である。
【符号の説明】
31 等速自在継手
32 スタブシャフト
33 ブーツ
34 内輪
35 外輪
36 ボール
37 ケージ
38,39 トラック溝
40 軸部
43 有端リング(丸サークリップ)
44 環状溝
45 段部
47 外輪の大径部
48 外輪の小径部
55 内輪の奥側端面
56 外輪の底面

Claims (5)

  1. 円筒状内周面に軸方向に延びる複数の直線状トラック溝を形成したカップ状の外輪と、その外輪のトラック溝と対向する複数の直線状トラック溝を凸球状外周面に形成した内輪と、それら内外輪のトラック溝間に介在してトルクを伝達する複数のボールと、そのボールを保持して前記内外輪間の環状空間内に収容されたケージとを備え、前記内輪の外周面と外輪の内周面の各々にトラック溝を交叉状の配置で設け、両トラック溝の交叉部分にボールを組み込み、そのボールを前記内輪の外周面と前記外輪の内周面との間に配置して凹球状内周面を有するケージにより保持し、前記外輪の開口端部からスタブシャフトを挿入してその軸部を前記内輪にトルク伝達可能に嵌合させ、前記外輪の開口端部と前記スタブシャフトの軸部に、継手内部を密封するブーツをそれぞれ装着したプロペラシャフト用等速自在継手において、前記内輪の奥側端面のみが、スタブシャフトの軸部圧入時に外輪の底面に当接可能としたことを特徴とするプロペラシャフト用等速自在継手。
  2. 前記ケージの端部内径を前記内輪の外径よりも大きくしたことを特徴とする請求項に記載のプロペラシャフト用等速自在継手。
  3. 前記外輪は、カップ状の大径部とその大径部から一体に形成された中空状の小径部とからなり、その小径部の内周面にセレーションを形成したことを特徴とする請求項1又は2に記載のプロペラシャフト用等速自在継手。
  4. 前記スタブシャフトの軸端部に環状溝を形成すると共に、前記内輪の端部に前記環状溝と対向する段部を形成し、これら環状溝と段部によって形成された環状空間内に、断面が円形をなす縮径可能な有端リングを装着し、前記スタブシャフトと内輪とを軸方向に固定したことを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載のプロペラシャフト用等速自在継手。
  5. 前記外輪はフラットな底面を有し、スタブシャフトの軸端部の環状溝と対向する内輪の段部を、前記スタブシャフトの軸端部が内輪端部から突出しない位置に形成したことを特徴とする請求項に記載のプロペラシャフト用等速自在継手。
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