JP4889011B2 - 冷暖房空調システム - Google Patents

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この発明は、冷暖房空調システムに関するものである。
一般に、冷暖房空調システムの室外機用熱交換器においては、暖房運転時に、外気の温度が低下すると、室外機用熱交換器に霜が付着して、通風量の低下及び熱交換量の低下をきたすため、除霜する必要があった。そのため、従来では、室外機用熱交換器を、風上側熱交換器と風下側熱交換器に分割し、暖房時に、室内側熱交換器から吐出された冷媒を風上側熱交換器、風下側熱交換器の順に流して、暖房運転中の除霜を行う構造のものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、上記のように並設された風上側熱交換器と風下側熱交換器を、切換弁や配管を付加させて冷暖房空調システムに組み込み、通常(暖房)運転と除霜運転とを切り換えて除霜を行う構造のものも知られている(例えば、特許文献2参照)。
また、従来のこの種の冷暖房空調システムの室外機用熱交換器においては、一般に、風上側熱交換器1及び風下側熱交換器2は、図5に示すように、伝熱フィン3に複数列の蛇行伝熱管4を貫通させた、いわゆるフィン・アンド・チューブ型の熱交換器が使用されている。
特開平10−253188号公報(特許請求の範囲、図1) 特開2002−333242号公報(特許請求の範囲、図2,図3,図4)
しかしながら、従来の特開平10−253188号公報及び特開2002−333242号公報に記載の室外機用熱交換器は、風上側熱交換器が風下側熱交換器の全面を覆う構造であるため、室外機用熱交換器の設置スペースを広くする必要があった。また、風上側熱交換器が風下側熱交換器の全面を覆うため、通風路を流れる空気の圧損が多くなり、熱交換性能が低下するという問題もあった。更にまた、フィン・アンド・チューブ型の熱交換器は、伝熱フィン3に複数列の蛇行伝熱管4を貫通させる構造であるため、コアが厚くなり、その分設置スペースを広くする必要がある。
この発明は、上記事情に鑑みてなされたのもので、室外機用熱交換器の設置スペースの省スペース化が図れると共に、通風路を流れる空気の圧損を少なくして、熱交換性能の向上を図れるようにした冷暖房空調システムを提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、発明は、
室内機用熱交換器を有し、外気通風路に対して風上側と風下側に直列接続により並設される熱交換器が室外機用熱交換器として用いられ、暖房時には高温冷媒が風上側熱交換器に流れた後、断熱膨張により低温となった冷媒が風下側熱交換器に流れ、冷房時には高温冷媒が前記風下側熱交換器、前記風上側熱交換器の順に流れるようにした冷暖房空調システムであって、
前記室内機用熱交換器と前記風上側熱交換器とを接続する配管に、暖房時に前記冷媒を通す第1の逆止弁と、冷房時にのみ機能して前記冷媒を減圧せずに通す第1の膨張弁と、が並列に介設されており、
前記風上側熱交換器と前記風下側熱交換器とを接続する配管に、冷房時に前記冷媒を通す第2の逆止弁と、暖房時にのみ機能して前記冷媒を減圧せずに通す第2の膨張弁と、が並列に介設されており、
上記風上側熱交換器及び上記風下側熱交換器は、それぞれ上下に対峙する一対のアルミニウム製のヘッダーパイプと、これらヘッダーパイプに連通する互いに平行なアルミニウム製の扁平熱交換管と、隣接する扁平熱交換管の間に介在されるアルミニウム製のフィンと、を具備してなるパラレルフロー型熱交換器であり、かつ互いに面対向して縦に並設されており、
上記風上側熱交換器は、上記風下側熱交換器において冷媒入口が設けられている下部を覆う位置に配置されており、
上記風上側熱交換器の幅は上記風下側熱交換器の幅と同一で、上記風上側熱交換器の高さは上記風下側熱交換器の高さの1/4〜2/3であり、上記風上側熱交換器の全面面積が上記風下側熱交換器の全面面積1/4〜2/3であること、を特徴とする。
ここで、アルミニウムとは、アルミニウム合金を含む意味である。また、風上側熱交換器の全面面積を、風下側熱交換器の全面面積に対して1/4〜2/3とした理由は、風上側熱交換器の全面面積が風下側熱交換器の全面面積に対して1/4より小さいと、除霜に必要な高温冷媒の流量(熱量)が十分に確保できなくなり、また、風上側熱交換器の全面面積が風下側熱交換器の全面面積に対して2/3より大きくなると、必要以上に通風路を流れる空気の圧損が多くなり、熱交換性能の向上が図れないためである。
このように構成することにより、外気通風路に対して風上側と風下側に直列接続により並設される熱交換器が室外機用熱交換器として用いられる冷暖房空調システムにおいて、暖房時に、室内機用熱交換器から吐出された高温冷媒が、風下側熱交換器の全面面積に対して1/4〜2/3の風上側熱交換器を流れた後に風下側熱交換器に流れるので、風下側熱交換器には風上側熱交換器で暖められた外気が送風され、これにより室外機用熱交換器に着霜が生じるのを防止することができる。
この発明において、上記風上側熱交換器は、上記風下側熱交換器の全面面積に対して1/4〜2/3の全面面積を有するものであり、暖房時に上記風下側熱交換器の冷媒入口に近い部分を覆う位置に配置される。
このように構成することにより、暖房時に風下側熱交換器の着霜しやすい冷媒入口に近い部分の除霜を確実に行うことができる。
また、風上側熱交換器と同様に、風下側熱交換器をアルミニウム製のパラレルフロー型熱交換器にて形成する。
このように構成することにより、風上側熱交換器と風下側熱交換器の双方を同じ構造にすることができる上、両熱交換器の厚さをフィン・アンド・チューブ型熱交換器に比較して薄くすることができる。
加えて、上記パラレルフロー型熱交換器は、対峙する一対のアルミニウム製ヘッダーパイプと、これらヘッダーパイプに連結する互いに平行な複数の熱交換管とを具備、上下に対峙する一対のアルミニウム製のヘッダーパイプと、これらヘッダーパイプに連通する互いに平行なアルミニウム製の扁平熱交換管と、隣接する扁平熱交換管の間に介在されるアルミニウム製のフィンと、を具備する。
このように構成することにより、扁平熱交換管を垂直方向に配列することで、扁平熱交換管に付着する結露水又は除霜により生じた水を溜まりにくくすることができる。また、熱交換性能を高性能に維持させた状態で、熱交換器の厚さを薄くすることができる。
この発明によれば、上記のように構成されているので、以下のような優れた効果が得られる。
(1)発明によれば、外気通風路に対して風上側と風下側に直列接続により並設される熱交換器が室外機用熱交換器として用いられる冷暖房空調システムにおいて、風上側熱交換器をパラレルフロー型熱交換器にて形成すると共に、その全面面積を、風下側熱交換器の全面面積に対して1/4〜2/3とするので、室外機用熱交換器の設置スペースの省スペース化が図れると共に、通風路を流れる空気の圧損を少なくして、熱交換性能の向上を図ることができる。
(2)発明によれば、暖房時に風下側熱交換器の着霜しやすい冷媒入口に近い部分の除霜を確実に行うことができるので、上記(1)に加えて、更に除霜を確実に行うことができると共に、熱交換性能の向上を図ることができる。
(3)発明によれば、風上側熱交換器と風下側熱交換器の双方を同じ構造にすることができる上、両熱交換器の厚さをフィン・アンド・チューブ型熱交換器に比較して薄くすることができるので、上記(1),(2)に加えて、更に室外機用熱交換器全体の厚さを薄くすることができ、更に省スペース化を図ることができる。
(4)発明によれば、扁平熱交換管を垂直方向に配列することで、扁平熱交換管に付着する結露水を溜まりにくくすることができるので、着霜の発生を抑制することができる。また、熱交換性能を高性能に維持させた状態で、熱交換器の厚さを薄くすることができる。したがって、上記(1)〜(3)に加えて、更に除霜を確実に行うことができると共に、熱交換性能の向上を図ることができる。
以下に、この発明の最良の実施形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
図1,図2は、この発明に係る冷暖房空調システムの構造を示す概略構成図であり、図1は、暖房運転時の状態を示し、図2は、冷房運転時の状態を示す。また、図3は、この発明に係る室外機用熱交換器を構成する風上側熱交換器と風下側熱交換器を展開して示す概略構成図、図4は、風上側熱交換器と風下側熱交換器を示す斜視図である。
冷暖房空調システムは、圧縮機5と、室内機用熱交換器6と、この発明に係る室外機用熱交換器10と、第1,第2の電子膨張弁EV1,EV2と、を具備してなる。また、室外機用熱交換器10は、外気通風路7に対して風上側に配置される風上側熱交換器11と風下側に配置される風下側熱交換器12とが直列接続により並設され、風上側熱交換器11の風上側に送風ファン13が配設されている。
この場合、風上側熱交換器11は、風下側熱交換器12の全面面積に対して1/4〜2/3の全面面積を有している。すなわち、図3に示すように、風上側熱交換器11と風下側熱交換器12の幅Bは同一に形成され、風下側熱交換器12の高さHに対して風上側熱交換器11は(1/4)H〜(2/3)Hに形成されている。また、風上側熱交換器11は、風下側熱交換器12の下部、すなわち、暖房運転時に冷媒入口の近い部分を覆うように下部に配置されている
上記のように構成することにより、外気通風路7を流れる外気Aの風上側熱交換器11によって受ける圧損を少なくして、熱交換性能の向上を図ることができると共に、着霜しやすい風下側熱交換器12の下部の除霜を確実に行うことができる。
また、圧縮機5と室内機用熱交換器6とを接続する第1の配管21と、圧縮機5と室外機用熱交換器10の風下側熱交換器12とを接続する第2の配管22には切換弁である四方弁DVが介設されている。この四方弁DVの切り換えによって、圧縮機5から吐出される高温・高圧の冷媒が室内機用熱交換器6、又は、室外機用熱交換器10の風下側熱交換器12に流れるようになっている。また、室内機用熱交換器6と室外機用熱交換器10の風上側熱交換器11とを接続する第3の配管23には、第1の逆止弁CV1と、冷房時にのみ機能する第1の電子膨張弁EV1が介設されている。また、風上側熱交換器11と風下側熱交換器12とを接続する第4の配管24には、第2の逆止弁CV2と暖房時にのみ機能する第2の電子膨張弁EV2が介設されている。
室外機用熱交換器10を構成する風上側熱交換器11と風下側熱交換器12は、共にアルミニウム合金製のパラレルフロー型熱交換器によって形成されている。すなわち、風上側熱交換器11及び風下側熱交換器12は、図3及び図4に示すように、それぞれ上下に対峙する一対のアルミニウム合金製のヘッダーパイプ14,15と、これらヘッダーパイプ14,15に連通する互いに平行なアルミニウム合金製の例えば押出形材からなる複数の扁平熱交換管16と、隣接する扁平熱交換管16の間に介在されるアルミニウム合金製のコルゲートフィン17とで主に構成されている。この場合、風上側熱交換器11の下部ヘッダーパイプ15には、第3の配管23が接続される冷媒流入出口18aが設けられ、風上側熱交換器11の上部ヘッダーパイプ14には、第4の配管24の一端が接続される冷媒流入出口18bが設けられている。一方、風下側熱交換器12の下部ヘッダーパイプ15には、第4の配管24の他端が接続される冷媒流入出口18cが設けられ、風上側熱交換器11の上部ヘッダーパイプ14には、第2の配管22が接続される冷媒流入出口18dが設けられている。なお、扁平熱交換管16は、複数の冷媒通路(図示せず)が区画形成されている。また、上部及び下部ヘッダーパイプ14,15、扁平熱交換管16及びコルゲートフィン17は例えばろう付けによって一体に形成されている。
上記のように、風上側熱交換器11と風下側熱交換器12を、パラレルフロー型熱交換器にて形成することにより、図5に示すように、伝熱フィン3に複数列の蛇行伝熱管4を貫通させた、フィン・アンド・チューブ型の熱交換器に比べて厚さを薄くすることができるので、室外機用熱交換器の設置スペースの省スペース化が図れる。また、パラレルフロー型熱交換器とフィン・アンド・チューブ型熱交換器を、熱交換性能を同等として比較した場合、パラレルフロー型熱交換器は、フィン・アンド・チューブ型熱交換器に対して外気の圧損を少なくすることができると共に、冷媒の圧損を少なくすることができる。例えば、この発明における風上側及び風下側熱交換器11,12の上部及び下部ヘッダーパイプ14,15の直径を25mm,扁平熱交換管16の厚さを2mm,扁平熱交換管16のピッチを10mmとしたパラレルフロー型熱交換器においては、コアの厚さを約20mmにすることができる。これに対して、同等の熱交換性能を有するフィン・アンド・チューブ型熱交換器においては、蛇行伝熱管4の直径を6〜9mmとして一列に配列した場合は、コアの厚さは25mm以上であり、また、蛇行伝熱管4を2とした場合は、コアの厚さは約34mmとなる。したがって、パラレルフロー型熱交換器すなわち風上側及び風下側熱交換器11,12は、フィン・アンド・チューブ型熱交換器に比べて厚さを5〜14mm薄くすることができる。
なお、上記実施形態では、風上側熱交換器11と風下側熱交換器12の双方を、上下に対峙するヘッダーパイプ14,15を有するアルミニウム合金製のパラレルフロー型熱交換器としたが、風上側熱交換器11は、左右に対峙するヘッダーパイプを有するアルミニウム合金製のパラレルフロー型熱交換器であってもよい。
次に、この発明に係る室外機用熱交換器10を用いた冷暖房空調システムの動作について、図1ないし図3を参照して説明する。
<暖房運転時>
暖房運転時には、図1及び図3に矢印で示すように、四方弁DVを切り換えることにより、圧縮機5から吐出される高温・高圧の冷媒は、第1の配管21→室内機用熱交換器6→第3の配管23→第1の逆止弁CV1→風上側熱交換器11→第4の配管24→第2の電子膨張弁EVb→風下側熱交換器12→第2の配管22→圧縮機5の順に循環する。
この暖房運転時においては、室内機用熱交換器6から吐出される高温冷媒が風上側熱交換器11を流れた後に風下側熱交換器12に流れるので、風下側熱交換器12には、風上側熱交換器11で暖められた外気が送風される。したがって、暖房運転時に風上側熱交換器11,風下側熱交換器12の除霜を行うことができると共に、着霜の発生を抑制することができる。また、風上側熱交換器11の全面面積は、風下側熱交換器12の全面面積に対して1/4〜2/3であるので、外気通風路7を流れる外気Aの圧損を少なくすることができると共に、風上側熱交換器11及び風下側熱交換器12を流れる冷媒の圧損を少なくすることができ、熱交換性能の向上を図ることができる。
<冷房運転時>
冷房運転時には、図2に矢印で示すように、四方弁DVを切り換えることにより、圧縮機5から吐出される高温・高圧の冷媒は、第2の配管22→風下側熱交換器12→第4の配管24→第2の逆止弁CV2→風上側熱交換器11→第3の配管23→第1の電子膨張弁EV1→室内機用熱交換器6→第1の配管21→圧縮機5の順に循環する。
この冷房運転時においては、風下側熱交換器12から風上側熱交換器11には、第2の逆止弁CV2を介して減圧されない冷媒が送られ、しかも、外気通風路7を流れる外気Aの圧損は少なく、風下側熱交換器12及び風上側熱交換器11を流れる冷媒の圧損も少ないので、室外機用熱交換器10の熱交換性能は向上する。
この発明に係る冷暖房空調システムの暖房運転時の状態を示す概略構成図である。 この発明に係る冷暖房空調システムの冷房運転時の状態を示す概略構成図である。 この発明における風上側熱交換器と風下側熱交換器を展開して示す概略構成図である。 この発明における風上側熱交換器と風下側熱交換器を示す斜視図である。 従来の冷暖房空調システムの屋外機用熱交換器の一例を示す斜視図である。
5 圧縮機
6 室内機用熱交換器
7 外気通風路
10 室外機用熱交換器
11 風上側熱交換器
12 風下側熱交換器
14 上部ヘッダーパイプ
15 下部ヘッダーパイプ
16 扁平熱交換管
17 コルゲートフィン
A 外気
CV1,CV2 第1,第2の逆止弁
DV 四方弁
EV1,EV2 第1,第2の電子膨張弁

Claims (1)

  1. 室内機用熱交換器を有し、外気通風路に対して風上側と風下側に直列接続により並設される熱交換器が室外機用熱交換器として用いられ、暖房時には高温冷媒が風上側熱交換器に流れた後、断熱膨張により低温となった冷媒が風下側熱交換器に流れ、冷房時には高温冷媒が前記風下側熱交換器、前記風上側熱交換器の順に流れるようにした冷暖房空調システムであって、
    前記室内機用熱交換器と前記風上側熱交換器とを接続する配管に、暖房時に前記冷媒を通す第1の逆止弁と、冷房時にのみ機能して前記冷媒を減圧せずに通す第1の膨張弁と、が並列に介設されており、
    前記風上側熱交換器と前記風下側熱交換器とを接続する配管に、冷房時に前記冷媒を通す第2の逆止弁と、暖房時にのみ機能して前記冷媒を減圧せずに通す第2の膨張弁と、が並列に介設されており、
    上記風上側熱交換器及び上記風下側熱交換器は、それぞれ上下に対峙する一対のアルミニウム製のヘッダーパイプと、これらヘッダーパイプに連通する互いに平行なアルミニウム製の扁平熱交換管と、隣接する扁平熱交換管の間に介在されるアルミニウム製のフィンと、で構成されたパラレルフロー型熱交換器であり、かつ互いに面対向して縦に並設されており、
    上記風上側熱交換器は、上記風下側熱交換器において冷媒入口が設けられている下部を覆う位置に配置されており、
    上記風上側熱交換器の幅は上記風下側熱交換器の幅と同一で、上記風上側熱交換器の高さは上記風下側熱交換器の高さの1/4〜2/3であり、上記風上側熱交換器の全面面積が上記風下側熱交換器の全面面積1/4〜2/3であること、
    を特徴とする冷暖房空調システム。
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