JP4887543B2 - 有機質物の無臭発酵分解促進液を用いて有機質物を悪臭防止しながらコンポストに製造する方法。 - Google Patents

有機質物の無臭発酵分解促進液を用いて有機質物を悪臭防止しながらコンポストに製造する方法。 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、農業から排出される植物残渣や水産業から排出される魚介類残渣、畜産業から排出される家畜排泄物、食品工場や飲食業や家庭等から排出される食品残渣や生ごみ、屠殺場等から排出する畜産性残渣、下水道終末処理場から排出される汚泥などの多様で複雑な成分を含む有機質物の発する悪臭を防止・抑制しながら迅速に分解させる有機質物の無臭発酵分解促進液用いた有機質物を悪臭防止しながらコンポストにする方法に関する。
【0002】
特に、本発明の特徴は、従来困難とされてきた臭気を可及的に抑制しながら有機質物を嫌気性発酵するとともに好気性発酵をなし、短期間に効率良く分解促進することのできる環境保全型の新たな有機質物の無臭発酵分解促進液を開発し、それを用いたコンポスト製造方法を提供せんとするものである。
【0003】
【従来の技術】
20世紀の大量生産、大量消費、大量廃棄型社会は、深刻な地球環境問題、健康問題、農業問題を引き起こした。その反省にたって21世紀は、地球環境を永続的に護る循環型社会でなければならない。そこで我国でも、近年、廃棄物とされてきた有機質物を微生物の発酵処理によって無害化したり、農地や土壌へ有機肥料として利用するために堆肥化したり、家畜の餌として飼料化するなど、再利用する技術の開発が盛んに行われるようになった。しかし、これまでの分解促進技術は、有機質物を急速に発酵分解するための微生物や菌類を開発したり、対象有機質物の分解に適合した微生物や菌類の組み合わせを開発したり、発酵作用を促進させるための温度や空気などの発酵条件を調整できる発酵施設を開発するなどが研究目標の主流であった。
【0004】
しかるに、このように成分が多様で複雑な有機質物を菌類などの微生物の活動によってのみ発酵処理する方式には、熟成するまでに一定以上の時間がかかるうえ、発酵過程で悪臭が発生することが避けられず、近隣社会から環境問題としてクレームが起ることがしばしばであった。
【0005】
このため、近年、有機質物を微生物により発酵分解処理する等、有機性廃棄物の処理やリサイクルに際しても、充分環境問題を考慮したやり方が今まで以上に強く要請されるようになった。その場合に求められる大きな環境問題は、第1が、環境・衛生に悪影響を与える有機質物の分解処理の迅速化であり、第2が、その過程で発生する悪臭防止対策である。
【0006】
即ち、前記環境問題の第1は、これまでの有機質物の発酵分解処理に要する期間が長すぎることである。有機質物を菌類などの微生物の分解活動により発酵処理しようとすると、どの位の時間でどの程度まで発酵分解するかは微生物次第であり、人間が関与できるのは、強力な発酵分解能力をもった菌類を見出すか、それらの微生物が活動し易い環境条件を整備するしかできない。したがって、有機質物原料と発酵菌類を発酵槽内に入れて、空気と温度条件を最善と思えるものに整えても一次発酵に10日〜12日間、2次発酵に7日〜14日間ほどかかるのが一般的である。即ち、有機質物原料を分解処理して熟成有機肥料にするには、急いでも20日〜25日程かかるのが普通である。そこで、どのようにすればそれより短期間に有機質物を発酵処理することができるかが各方面の研究目標にされているのである。
【0007】
また前記環境問題の第2は、微生物による発酵方式を採用した場合に、その発酵が嫌気性発酵であれば、強い悪臭が発生するし、発酵が好気性発酵の場合でも発酵開始から完全な好気性発酵に移行するまでの初期の一定期間は、悪臭の発生を防ぐことができないとされている。このため、どのようにすれば有機質物原料の分解処理過程において発生する悪臭を回収し、脱臭又は消臭するかが、環境保全の立場から重要な課題となっている。
【0008】
そこで本発明者らは、多様で複雑な有機質物の分解処理を微生物による発酵処理にだけまかせるのではなく、悪臭の発生を抑制しながら発酵・分解処理を促進する資材を開発し、これを利用することにより、今まで以上に短期間に効率良く発酵・分解することと、当該発酵・分解処理過程における悪臭を可及的に抑えることの二大目標を同時に実現できるとの確信のもとで鋭意研究に努めることにした。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者は、上記のように、有機質物を迅速・確実に発酵・分解することと、当該発酵・分解処理過程における悪臭を可及的に抑えることの二大目標を同時に実現できる有機質物の分解処理の方法を開発するに当たって、まず農業から排出される植物残渣や水産業から排出される魚介類残渣、畜産業から排出される家畜排泄物、食品工場や飲食業や家庭等から排出される食品残渣や生ごみ、屠殺場等から排出する畜産性残渣、下水道終末処理場から排出される汚泥などの多様で複雑な成分を含む有機質物の廃棄物が発する悪臭の主成分を研究した。
【0010】
その結果、臭いをもつ化学物質(臭気物質)は、世の中に数十万種類もあり、大部分の化学物質が何らかの臭いを持っていることが解った。しかも、普段、我々が鼻で感じる臭気は、殆どの場合何十何百という臭気成分によって構成された複合臭である。また、臭気には、人間にとって好ましい臭いと、好ましくない臭いとがある。そのため、臭気対策にあたっては、その構成する臭気成分の種類と特性を理解したうえで、人間にとって好ましくない悪臭だけを消臭したり、脱臭したり、抑制するなどの対応策を講ずる必要がある。調べてみると、現在、悪臭防止法で特定悪臭物質に指定されているのは、アンモニア、塩化水素、トリメチルアミンなど22種類である。それらのうち、有機質物の廃棄物が発する悪臭の主成分は、大別すると次の4種であることなどが判明した。
【0011】
1)アンモニア、トリメチルアミン等の含窒素化合物。
2)硫化水素、メチルメルカプタン、硫化メチル、二硫化メチル等の含硫黄化合物。
3)アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド等のアルデヒド類。
4)ノルマル酪酸、ノルマル吉草酸、イソ吉草酸などの脂肪酸類。
【0012】
これらの特定悪臭物質の規制にあたっては、臭気強度2.5〜3.5に対応する各物質の濃度の範囲内で、その地域の実情に合わせて規制値を定めているのが現状である。少なくともこの値はクリアしなければならない。
【0013】
本発明をするに当たっては、これら臭気成分の種類や特性や基準を充分考慮して行うこととするが、その基本的姿勢としては、これらの有機質物原料が発する多様な悪臭が空気中に揮発拡散した後で、そのすべての悪臭を回収したり、脱臭したり、消臭するには、大掛かりな装置と高度な技術力が必要であり、そのための経費も莫大なものとなる。そこで、本発明では、『臭いは源から絶つのが効果的である』との発想により、前記悪臭の主成分を化学的、生物学的に消失させる資材の開発とそれを利用したコンポスト製造方法を開発することにした。
【0014】
本発明者は、上記発想の有機質物の発酵分解促進資材には、第1に、有機質物の微生物による発酵分解作用を助け促進させるための微生物の存在と、微生物の栄養源が豊富にあってその微生物を増殖させる能力や微生物を活性化して発酵促進効果を相乗的に増幅する能力があること、第2に、有機質物の微生物による発酵分解に際して、有機酸を生成して酸性溶液となるようにして、アンモニアやアミン類などのアルカリ性悪臭を中和、吸着し、瞬時に消臭すること、第3に、溶解力のある水やアルコールなどを含む溶液にして含硫化合物の臭気やアルデヒド類および脂肪酸類の臭気を溶解して消臭する特性があること等が必須要件であるとの技術的知見を見出した。
【0015】
また、発明者らは、実験の結果、上記のような要件を満足した発酵分解促進資材を用いて有機質物の臭気の発生を抑制しながら低温で嫌気性発酵を所定の時間おこなうと、その後、好気性発酵に切り替えた場合でも、悪臭成分は既に完全に中和、吸着、溶解しているため、悪臭の発生がなく発酵分解できるとの技術的知見を見出した。
【0016】
本発明者らは、上記知見に基づき有機質物の発酵分解促進材を開発し、従来困難とされていた、多様で複雑な有機質物を分解・腐熟化する処理を可及的に短期間で行うことと、当該分解処理過程における悪臭を可及的に防止・抑制しながら行うことを、同時に実現することができる環境保全型の有機質物コンポストの製造方法を研究開発しのである。
【0017】
本発明者らが、まず開発したのが、酵素分解処理と微生物分解処理を組み合わせ、その相乗効果により迅速な発酵・分解処理を実現する方法の発明である。それが、特願2002−021333号「有機質物をコンポストに製造する方法」である。
【0018】
当該先行発明は、麹から生成する酵素を使用して有機質物の発酵分解促進資材を利用した点が特徴である。この先行発明に係る酵素を主成分とする有機質物の発酵分解促進資材は、まず麹菌が働いて酵素を生成し、その酵素が有機質物の構成成分の一部を短時間に分解した状態にするとともに、糖化して微生物の栄養源を生成し、これらが引き続き行われる微生物による発酵分解作用を助け促進させ、多量の乳酸その他の有機酸を生成する。このようにしてできる酵素発酵液は、当該生成された乳酸その他の有機酸によって酸性溶液となっているので、アンモニアやアミン類などのアルカリ性臭気を中和、吸着して瞬時に消臭することができる。また、当該酵素発酵液は、当該発酵によって溶解力のある水分を含んでいるだけでなく糖分からアルコール成分も生成されているので、含硫化合物の臭気やアルデヒド類および脂肪酸類の臭気についても溶解して消臭する特性がある。このように、酵素を主成分とする有機質物の発酵分解促進資材は、主要な悪臭成分とされている、アンモニア、アミン類、含硫化合物、アルデヒド類及び脂肪酸類などの臭気を化学的反応により抑制することができるので、これを用いれば、目標としていた有機質物から悪臭を防止しながら迅速にコンポストを製造する方法を実現することが出来ることとなった。
【0019】
然るに、当該酵素を主体とする発酵分解促進資材の必須成分である麹は保存がきかないので、使用時に合わせてその都度製造しなければならず、また麹を使用した際、多少味噌様の独特の臭いがする。この臭いは、必ずしも悪臭ではないが、あまり好ましくない気になる臭いとして、抑制されることが望ましい。しかも当該酵素やその発酵液は、時間の経過や環境変化によって、作用や機能を変質したり失活したりし易く、その作用と機能を維持しながら安定的に保持するのは難しい。当該酵素を主体とする発酵分解促進資材の製造には、高価な麹を原料とするうえ、酵素を生成させ糖化と発酵の二段階が必要となるので、出来た発酵分解促進資材は高価なものとなる。これに対して、コンポスト化や堆肥化の原料となる有機質物は、多くの場合廃棄物で安価であるため、高価な酵素を使用し、発酵分解促進資材を常時その機能を維持しながら用意しておくのは大変で、ランニングコストの負担が増大するという弱点がある。
【0020】
そこで、本発明者らは、この先行発明である酵素を主成分とする発酵分解促進資材の弱点を克服し、酵素を使用しなくても、悪臭成分の発生を強力に抑制しながら、有機質物を発酵分解することのできる改良された無臭発酵分解促進液を開発することにした。これが本発明の目的である。
【0021】
本発明に係る改良された無臭発酵分解促進液は、主原料として糖蜜を使用することとし、これに水と米糠とを加え、加熱殺菌したうえ、乳酸菌や酵母を含む種菌を加えて発酵させて酸性に調製した点が特徴である。
【0022】
先行発明と本発明との改良点や相違点を挙げると、次の通りである。主原料の糖蜜は、安価であり、麹を原料とする酵素の約1/5ですむ。また、麹は保存がきかないのに対して、糖蜜は保存が効く。さらに、酵素を主体とする発酵分解促進材の製造には、糖化と発酵という二段階過程が必要であるため、約1週間から10日間かかるうえ、その製造には熟練が必要であるのに対して、糖蜜を主体とする無臭発酵分解促進液の製造には、糖化過程が必要ないので、その製造期間は2〜3日で充分である。つまり本発明は、製造期間が1/2〜1/3で済むし、製造に際して熟練を要せずその製造方法が簡単である。
【0023】
更に、糖蜜を主体とする無臭発酵分解促進液の製造には、糖蜜からスタートするので、発酵が均一に進むと共に、悪臭の主成分であるアンモニアを中和して、無臭にする乳酸などの有機酸の生成が早い。しかも、酵素を主体とする発酵分解促進材の最終発酵液がpH4.0±0.5であるのに対して、糖蜜を主体とする無臭発酵分解促進液は、pH3.5±0.5まで低下し、有機酸の生成量が多いので、それだけ消臭力が強い。即ち、本発明に係る糖蜜を主体とする無臭発酵分解促進液を利用したコンポストの製造方法の消臭力は、酵素を使用した発酵分解促進材を利用した場合より強く、麹を使用した際に生じる味噌くさい臭いも除くことが出来る。本発明に係る糖蜜を主体とする無臭発酵分解促進液は、酵素を使用した発酵分解促進材より、上記のような多くの点を改良したものである。
【0024】
即ち、当該無臭発酵分解促進液は、有機質物を発酵分解させる微生物を多量に含み、その微生物の栄養源が豊富にあるうえ、発酵によって、乳酸や酢酸やクエン酸などの有機酸を多く含んだ酸性溶液になっているとともに、アルコールも微量ながら生成されているので、消臭する作用や機能が強化されている。更に、当該無臭発酵分解促進液を有機質物と混合すると、悪臭を抑えながら嫌気性発酵も好気性発酵をも進めることができる。しかも、その原材料は、水と、糖蜜と、米糠と、種菌という比較的安価で、容易に入手可能なものばかりであるので、調製が簡単で、短期間に製造できるなどの特徴がある。
【0025】
従って、本発明は、上記技術的知見に基づいて、多様で複雑な有機質物の分解し腐熟化する処理を可及的に短期間で行うことと、当該分解処理過程における悪臭を可及的に防止・抑制しながら行うことを、同時に且つ効率的に実現することができる環境保全型の有機質物をコンポストに製造する方法を提供せんとするものである。
【0026】
【課題を解決するための手段】
本発明の主要構成要素の第1は、30〜40℃に加温した水に糖蜜と、米糠とを加えた養分調製液を70〜80℃に加熱殺菌し、冷却した後、穀類から分離した乳酸菌を主体として酵母を含む種菌とを加えて発酵させpH3.0〜4.0に調製したことを特徴とする有機質物の無臭発酵分解促進液である。
【0027】
当該有機質物の無臭発酵分解促進液は、30〜40℃に加温した水100部に糖蜜1〜3部と、米糠1〜3部とを加えた養分調製液を70〜80℃に加熱殺菌し、冷却した後、穀類から分離した乳酸菌を主体として酵母を含む種菌0.1〜0.5部とを加えて発酵させてpH3.0〜4.0に調製したことを特徴とするである。
【0028】
当該、無臭発酵分解促進液の特性を調べると、有機質物を発酵分解させる微生物を多量に含み、その微生物の栄養源が豊富にあって、微生物の増殖と活動を活性化して発酵促進効果を相乗的に増幅する機能がある。しかも、発酵によって、乳酸や酢酸やクエン酸などの有機酸を生成しており、そのpHがpH3.0〜4.0と酸性溶液になっているので、悪臭発生の主成分であるアンモニアやアミン類を中和、吸着して消臭する作用や機能がある。同時に、溶解力のある水やアルコールも生成され含まれているので、含硫化合物やアルデヒド類や脂肪酸類を溶解消臭する作用や機能がある。尚、養分調製液は、前もって70〜80℃に加熱殺菌しているので、酵素は失活しており、雑菌も殺菌されているので、その後に加える種菌の繁殖とその微生物がもたらす作用や効果を確実に、且つ効率的に実現することができる。
【0029】
特に、当該無臭発酵分解促進液は、pHが強く、有機質物と混合すると瞬間的に消臭するうえ、中和や吸着や溶解が完全になされるので、消臭効果が強力で確実である。そのため、当該無臭発酵分解促進液を混合して、コンポスト原料全体に行き渡るように良く混ぜ合わせ、温度が上がらないようにして所定時間堆積静置することにより、充分に無臭発酵分解促進液をなじませながら嫌気性発酵をさせてみると、従来困難と思われてきた悪臭を発生することなく嫌気性発酵をすることが出来た。しかも、その後、当該コンポスト原料に通気・攪拌をすることにより、好気性発酵を進めた場合にも、最初から最後まで悪臭を発生させることなく、熟成状態のコンポストを製造することが出来る。
【0030】
このように、本発明に係る無臭発酵分解促進液を利用すると、無臭状態のまま嫌気性発酵と好気性発酵の両発酵を進めることができる点に大きな特徴がある。更に、高価で不安定な酵素ではなく、原材料が水と、糖蜜と、米糠と、種菌という比較的安価で、容易に入手可能なものばかりであるので、当該無臭発酵分解促進液の調製が簡単で管理、運用が容易である。
【0031】
特許を受けようとする第発明は、まず、30〜40℃に加温した水に糖蜜と、米糠とを加えた養分調製液を70〜80℃に加熱殺菌し、冷却した後、穀類から分離した乳酸菌を主体として酵母を含む種菌とを加えて混合し、発酵させてpH3.0〜4.0に調製してなる有機質物の無臭発酵分解促進液を用意しておく。次に、固液混合有機質物に前記無臭発酵分解促進液と、米糠と、コンポストと、必要に応じて籾殻とを加えて、ほぼ均一に攪拌混合して、水分含量が50〜70%になるよう調製した無臭化処理コンポスト原料となす。その上で、当該無臭化処理コンポスト原料を、ほぼ24〜48時間堆積静置して、35〜50℃で嫌気性発酵させて悪臭を防止しながら組織脆化状態となした後、これに通気・攪拌を行って好気性発酵を開始させ、毎日数回切り返ししながら約2週間好気性発酵させることにより有機質物を分解熟成するようにしたことを特徴とする有機質物を悪臭防止しながらコンポストにする方法である。
【0032】
特許を受けようとする第2発明は、先ず、30〜40℃に加温した水100部に糖蜜1〜3部と、米糠1〜3部とを加えた養分調製液を70〜80℃に加熱殺菌し、冷却した後、穀類から分離した乳酸菌を主体として酵母を含む種菌0.1〜0.5部を加えて発酵させてpH3.0〜4.0に調製してなる有機質物の無臭発酵分解促進液を用意しておく。そして、固液混合有機質物100部に前記無臭発酵分解促進液1.0〜1.5部と、米糠0.1〜0.4部と、コンポスト10〜50部と、必要に応じて籾殻0.04〜0.2部とを攪拌機に入れ、ほぼ均一となるように15〜60分間に攪拌混合して、水分含量が50〜70%となるように調製した無臭化処理コンポスト原料となす。その上で、当該無臭化処理コンポスト原料をほぼ24〜48時間堆積静置して35〜50℃で嫌気性発酵させ悪臭を防止しながら組織脆化状態となした後、これに通気・攪拌を行って好気性発酵を開始させ、毎日数回切り返しをしながら約2週間、好気性発酵させることにより有機質物を分解熟成するようにしたことを特徴とする第1発明に係る有機質物を悪臭防止しながらコンポストにする方法である。
【0033】
当該第発明、第発明は、前記無臭発酵分解促進液を用いた有機質物を悪臭防止しながらコンポストにする方法である。コンポスト原料となる固液混合有機質物に前記無臭発酵分解促進液を加えると、原料が発していた臭気は直ちに消臭される。しかし、含まれている微生物が増殖するのを促進するための栄養源として米糠を加えるとともに、簡単に発酵を開始するように、コンポストと必要に応じて籾殻とを加えることにより水分含量を調製してコンポスト原料を無臭化するとともに発酵しやすい状態に前処理した。その上で、当該無臭化処理コンポスト原料を温度があまり高温にならないようにしながら所定時間堆積した状態で静置して、嫌気性発酵をさせる。すると悪臭を発生させることなく嫌気性発酵して、原料である有機質物の組織を脆化状態にした。その結果、好気性発酵をする微生物が簡単に組織内に入り込み、急速に分解し易い状態になった。このように中間処理したコンポスト原料に通気・攪拌を行って好気性発酵を開始させ、毎日数回切り返しをしながら約2週間、悪臭が発生しないまま高温となって好気性発酵して、有機質物が分解して、完熟したコンポストになった。本発明は、このように無臭発酵分解促進液を用いることにより、終始悪臭を防止しながら嫌気性発酵と好機性発酵の両方を行い短期間に効率良く有機質物をコンポストにする方法である。
【0034】
特許を受けようとする第発明は、先ず、30〜40℃に加温した水に糖蜜と、米糠とを加えた養分調製液を70〜80℃に加熱殺菌し、冷却した後、穀類から分離した乳酸菌を主体として酵母を含む種菌とを加えて発酵させてpH3.0〜4.0に調製してなる有機質物の無臭発酵分解促進液を用意しておく。次に、固液混合有機質物を必要に応じて藁や籾殻などの補助材を混合したうえ、プレス機にかけて、固体部分と液体部分に分離する。そして、分離した固体部分に無臭発酵分解促進液を混合攪拌して、その水分含量を40〜60%に調製したうえ、常温下でほぼ24〜48時間堆積静置して35〜50℃で嫌気性発酵をして、内部に微生物を繁殖させた悪臭の無い発酵固体部分となす。その上で、先ず、分離した液体部分には、乳酸、酢酸、クエン酸、木酢などの有機酸又は硝酸、硫酸、塩酸などの鉱酸のいづれかを混合してpH6.0〜7.0となるように中和したうえ、この中和液体部分に前記無臭発酵分解促進液と必要に応じて糖蜜と米糠とを混合して、ほぼ24〜48時間静置して35〜50℃で嫌気性発酵をさせ発泡するようにした悪臭の無い発酵液体部分となす。それから前記悪臭の無い発酵固体部分と悪臭の無い発酵液体部分に、コンポストを混合して、水分含量が50〜70%となるように調製したうえ、これをほぼ2〜4日間堆積静置して35〜50℃で嫌気性発酵させて悪臭を防止しながら組織脆化状態にした混合発酵原料となす。その後、当該悪臭を防止しながら組織脆化状態にした混合発酵原料に通気・攪拌を行って好気性発酵させ、毎日数回切り返しをしながら好気性発酵させることにより有機質物を分解熟成するようにしたことを特徴とする有機質物を悪臭防止しながらコンポストにする方法である。
【0035】
特許を受けようとする第発明は、先ず、30〜40℃に加温した水100部に糖蜜1〜3部と、米糠1〜3部を加えた養分調製液を70〜80℃に加熱殺菌し、冷却した後、穀類から分離した乳酸菌を主体として酵母を含む種菌0.1〜0.5部を加えて混合し発酵させてpH3.0〜4.0に調製してなる有機質物の無臭発酵分解促進液を用意しておく。次に、固液混合有機質物に必要に応じて藁や籾殻などの補助材を混合したうえ、プレス機にかけて、固体部分と液体部分に分離する。その上で、分離した固体部分はコンポストや籾殻などで、その水分含量を40〜60%に調製したうえ、常温下でほぼ24〜48時間堆積静置して35〜50℃で嫌気性発酵をして、内部に微生物を繁殖させた悪臭の無い発酵固体部分となす。他方、分離した液体部分には、乳酸、酢酸、クエン酸、木酢などの有機酸又は硝酸、硫酸、塩酸などの鉱酸の酸類を混合してpH6.0〜7.0となるように中和したうえ、この中和液体部分100部に対して前記無臭発酵分解促進液2.5部と必要に応じて糖蜜(促進液に対し4〜6部)と米糠1〜3部の割合で混合して、ほぼ24〜48時間静置して35〜50℃で嫌気性発酵をさせて発泡するようにした悪臭の無い発酵液体部分となす。それから前記悪臭の無い発酵固体部分100部と悪臭の無い発酵液体部分70〜90部に、コンポスト180〜240部と、無臭発酵分解促進液5〜7部を混合して、水分含量が50〜70%に調製したうえ、これをほぼ2〜4日間堆積静置して35〜50℃で嫌気性発酵させて悪臭を防止しながら組織脆化状態とした混合発酵原料となす。その後、当該悪臭を防止しながら組織脆化状態にした混合発酵原料に通気・攪拌を行って好気性発酵をさせ、毎日数回切り返しをしながら、ほぼ7〜14日間好気性発酵させることにより有機質物を分解熟成するようにしたことを特徴とする第3発明に係る有機質物を悪臭防止しながらコンポストにする方法である。
【0036】
当該第3発明、第4発明についても、前記無臭発酵分解促進液を用いた有機質物を悪臭防止しながらコンポストにする方法であるが、これらの発明は、固液混合有機質物を固体部分と液体部分に分離して、前記無臭発酵分解促進液を加えて嫌気性発酵をし悪臭の無い発酵固体部分と悪臭の無い発酵液体部分にする。その上で、悪臭の無い発酵固体部分と悪臭の無い発酵液体部分を混合して悪臭のない固液混合有機質物に戻した。そのコンポストと、無臭発酵分解促進液を混合して水分含量が簡単に発酵し易いように調製する。その上で、これをほぼ2〜4日間堆積静置して、温度があまり高くならないようにしながら嫌気性発酵させて悪臭を防止しながら組織脆化状態の混合発酵原料とする。このように、コンポスト原料である有機質物を固液分離して、短時間に確実な無臭化処理を行い、それから悪臭のない固液混合有機質物に戻して発酵し易いように調製した点が第1発明、第2発明とは相違する特徴である。
【0037】
このように、コンポスト原料を固液分離して無臭発酵分解促進液を加えて前処理し、嫌気性発酵と好気性発酵をする方法であれば、コンポスト原料の水分が多く好機発酵が困難な場合でも、悪臭を防止しながら確実に発酵分解してコンポストを製造する事が出来るのである。
【0038】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明に係る有機質物に係る無臭発酵分解促進液の要件を示す説明図であり、図2は、第発明、第発明の有機質物を悪臭防止しながらコンポストにする方法の構成と作業工程を示す説明図であり、図3は、第発明、第発明に係る有機質物を悪臭防止しながらコンポストにする方法の構成と作業工程を示す説明図である。
【0039】
本発明者は、まず、無臭発酵分解促進液実施例1として用意し、それを用いて一括処理方式の有機質物を悪臭防止しながらコンポストにする方法(その1)を実施例2として実験を行い、更に、固液分離処理方式の有機質物を悪臭防止しながらコンポストにする方法(その2)を実施例3として実験し、その際の悪臭発生状況を測定し、この製造方法の悪臭防止又は脱臭効果を確認した。
【0040】
<実施例1> 無臭発酵分解促進液の製造
水分1000リットルを30〜40℃に加温し、糖蜜20kg(10〜30kg)、米糠30kg(10〜30kg)を加えて養分調製液とする。尚、この養分調製液には、必要に応じて油粕を0.5〜1%加えても良い。当該養分調製液を75℃(70〜80℃)に加熱殺菌させる。これにより雑菌を排除し、酵素を失活させる。この養分調製液を40℃前後に冷却した後、穀類から分離した乳酸菌を主体として酵母を含む種菌3リットル(1〜5リットル)を加えて、これを恒温機に入れて発酵させた。そして、当該発酵培養液のpH変化を観測したところ、表1の通りとなった。
【0041】
Figure 0004887543
【0042】
表1に示す通り、前記発酵培養液は、スタートとともに急速なpHの低下が起こることが解った。スタート時は、pH6.1(pH6.0〜6.5)程度であったのが、1日経過すると、pH4前後まで低下し、2日目にはpH3.5付近となり、5日以降はpH3.2まで低下した。これは、主に乳酸菌による乳酸の生成経過であるとみられる。発酵培養液のpHが3.5付近に低下した時点で、有機質物の無臭発酵分解促進液として完成し、使用可能である。尚、このような実験を、何度か行ったが、その都度、ほぼ同様の結果を得られた。
【0043】
<実施例2> 有機質物を悪臭防止しながらコンポストにする方法(その1)
先ず、原料となる有機質物として、豚糞・尿40:牛糞60の混合比率にした蓄糞1000kgを用意した。これは、アンモニア、硫化水素、メチルメルカプタンなどを主体とした強烈で刺激的な悪臭が発生している。
【0044】
次に、無臭発酵分解促進液として、前記実施例1で製造した発酵培養液でpH3.5のものを用意した。
【0045】
攪拌機に、蓄糞1000kgに前記無臭発酵分解促進液を水で2〜4倍に希釈した液12リットル(10〜15リットル)を混入し、更に米糠2kg(1〜3kg)と、もどしコンポスト200kg(100〜500kg)と、籾殻0.2〜1.0とを入れ、これらがほぼ均一となるように45分間(20〜60分間)攪拌混合した。出てきた畜糞混合物は、その水分含量が65%となっているが、主な臭いであるアンモニア臭は、1ppm(1〜3ppm)と著しく軽減していて無臭化処理コンポスト原料となっている。この程度のアンモニア臭は、ほとんど臭いを感ぜず、当該コンポスト原料を手にとり、鼻に近づけて少し感ずる程度である。
【0046】
それから、当該無臭化処理コンポスト原料をほぼ48時間堆積静置して37〜38℃で主に嫌気性発酵させ悪臭を防止しながら組織脆化状態にした。このとき温度が上限50℃を超えないようにする。これ以上の温度に上昇すると、好気性発酵になって、アンモニアなどの臭気の発生を抑えられない。
【0047】
3日目以降、当該無臭化処理コンポスト原料を発酵槽に投入し、通気・攪拌を行って好気性発酵を開始させる。毎日1回攪拌しながら約2週間、好気性発酵させることにより有機質物を分解熟成してコンポストになる。この際のコンポスト原料の品温は、60〜80℃まで上昇しながら好気性発酵する。この際のアンモニア臭は、5〜10ppm程度の発生が見られるが、この程度のアンモニア臭気は、少し離れれば悪臭としてはほとんど感じられない程度に極めて抑制された状態である。
【0048】
(実施例3)固液分離処理方式の有機質物を悪臭防止しながらコンポストにする方法(その2)
先ず、原料となる有機質物として、尿を含む豚糞・尿40:牛糞40:鶏糞20の混合比率にした蓄糞1000kgを用意した。
【0049】
次に、無臭発酵分解促進液として、前記実施例1で製造した発酵培養液でpH3.5のものを用意した。
【0050】
固液混合有機質物である蓄糞を必要に応じて藁や籾殻などの補助材を混合したうえ、スクリュープレス機にかけて、固体部分と液体部分に分離する。補助材を加えることにより絞りやすくなることと、発酵時に腐食成分が増えて発酵しやすくなるからである。
【0051】
分離した固体部分はもどしコンポストや籾殻などで、その水分含量が40〜60%になるように調製する。夏季には約24時間、冬季には約48時間ほど堆積静置しておく。すると固体部分原料は35〜50℃で主に嫌気性発酵して、その内部に、白色の微生物が一面に繁殖しているのが見られた。分離した固体部分が当初発していたアンモニア臭を中心とした強い悪臭が、無臭発酵分解促進液を混合攪拌するとたちまち軽減して、刺激的な悪臭が感じられない状態の発酵固体部分となった。
【0052】
他方、分離した液体部分は、pH8.0付近であるが、乳酸、酢酸、クエン酸、木酢などの有機酸又は硝酸、硫酸、塩酸などの鉱酸の酸類を混合してpH6.0〜7.0となるように中和する。固液分離した直後から時間とともに急速にpHが上昇するので、20分程度以内に中和するのが望ましい。こうして出来た中和液体部分10リットルに対して前記無臭発酵分解促進液0.3リットルと必要に応じて糖蜜15ミリリットルと米糠0.2kgの割合で混合して、夏季には約24時間、冬季には約48時間ほど時間静置して置く。すると35〜50℃で主に嫌気性発酵して、発泡する。当該発泡が激しい場合は、ときどき静かに攪拌して、当該泡をけすのが望ましい。前記中和だけでも悪臭は大幅に軽減するが、1日発酵させると更に臭いが消えて、アンモニア以外の臭いもほとんど感じられない状態となる。このようにして悪臭の無い発酵液体部分となる。
【0053】
それから前記悪臭の無い発酵固体部分100kgと悪臭の無い発酵液体部分80リットルと、もどしコンポスト220リットルと、無臭発酵分解促進液6リットルとを混合して、水分含量が約60%に調製したうえ、これを冬季2日、夏季4日間堆積静置する。すると混合原料の品温が35〜50℃で主に嫌気性発酵して、悪臭を防止しながら組織脆化状態となる混合発酵原料となる。
【0054】
その後、当該悪臭を防止しながら組織脆化状態にした混合発酵原料を発酵槽に投入して、通気・攪拌を行って好気性発酵を開始させる。スクープ式攪拌機で毎日1回切り返しをしながら、ほぼ7〜14日間60〜80℃の高温になりながら主に好気性発酵させることにより有機質物を分解熟成する。好気性発酵の初期から一切悪臭が発生することなく、熟成したコンポストができる。
【0055】
当該実施例では、有機質物原料がどのような固液割合であっても、その固液分離して処理することにより、無臭化処理工程も嫌気性発酵工程も好機性発酵工程も確実に無臭化することができる画期的なコンポストの製造方法である。
【0056】
叙上のように、実施例に基づいて本発明について考察してみると、無臭発酵分解促進液は、乳酸菌を主体とし酵母菌を含有する種菌と栄養成分を混合して発酵させ、乳酸とアルコールを含む強酸性溶液となっているものである。従って、本発明に係る有機質物をコンポストにする方法の特徴を要約すると、原料となる有機質物に無臭発酵分解促進液を加えることにより、強酸性雰囲気中での乳酸菌と酵母を先導とした嫌気性発酵をした後、好機性発酵をする堆肥化処理法であるといえる。
【0057】
しかも、本発明は、有機質物を無臭発酵分解促進液で無臭化処理した前処理時点から、嫌気性発酵、好気性発酵をしている間、終始悪臭を防止しながら、迅速にコンポストを製造する方法であることが、特徴である。
【0058】
本発明者は、実施例について、そのコンポストの熟成度を小松菜の発芽率により測定した。その方法は、資料10gを200ミリリットルの三角フラスコにとり、沸騰水100ミリリットルを加えて、1時間放置後、ガーゼ2枚で濾過した。その濾液10ミリリットルを、あらかじめ濾紙2枚を敷いてあるシャーレに分注し、その上から小松菜30粒を撒いた。シャーレに蓋をして、室温下で静置し、3〜6日後に発芽率を測定した。その結果は、表3の通りである。
【0059】
Figure 0004887543
【0060】
この結果からみると、コンポスト製造開始から8日程度で、ほぼ熟成したと見られる。この値は、これまで発表されている一般的堆肥における発芽率が、約5ケ月(150日)で、100%近くなるという結果と比較しても、1/10以下の日数で、熟成されていることになる。
【0061】
以上のように、本発明は、有機質物原料を分解処理して熟成コンポスト(有機肥料)に製造するのに、約12〜16日あれば充分である。これは従来の熟成コンポスト(有機肥料)の製造法では、急いでも20日〜25日程かかるのと比較すると、大幅にその処理期間が短縮されており、迅速なコンポスト化処理法である。
【0062】
そこで次に、本発明に係る無臭発酵分解促進液を用いた堆肥化処理法が、悪臭を防止できる理由について考察する。基本的には、無臭発酵分解促進液を加えることにより、悪臭の原因となる成分の発生を可及的に阻止する方法あって、発生した悪臭を回収し、脱臭するものではない。
【0063】
無臭発酵分解促進液の特徴は、水と糖蜜と米糠とからなる栄養成分液に、乳酸菌と酵母とからなる種菌を使用して発酵させた発酵液である。当該発酵液中にはエタノール、有機酸として乳酸や酢酸を主な成分とし含むpH3.5±0.5前後の酸性溶液である。これが本発明に係るコンポストを製造する方法において、従来より迅速化と無臭化を改善する効果をもたらす大きな原因になっている。
【0064】
無臭化のメカニズムを考察すると、まず、悪臭の成分のうちでも多量にあるアンモニアやアミン類は、弱アルカリ性であるのに対し、加える無臭発酵分解促進液は、酸性溶液なので、中和され臭気が消えるのである。又、悪臭成分である硫化水素や、メチルメルカプタンなどの含硫化合物や、アセトアルデヒドなどのアルデヒド類は、発酵分解促進資材に含まれるアルコールなどによって溶解力のある溶液が含まれているので、臭気がこれらに可溶化して消臭するのである。更に、悪臭成分であるノルマル酪酸、ノルマル吉草酸、イソ吉草酸などの脂肪酸類は、水に溶解し易いので可溶化して消臭する。その他、もどしコンポストや籾殻など原料に加える補助材に悪臭成分が吸着されて、悪臭の発生を抑える効果も重なっている。更に、有機質物原料に無臭発酵分解促進液を混入すると、有機質物原料中に含まれる悪臭成分のアンモニアは、無臭発酵分解促進液に含まれる有機酸が反応してアンモニウム塩となり、一次的にアンモニアの揮発が抑制されるのである。
【0065】
Figure 0004887543
【0066】
当該アンモニウム塩は、好気性状態を維持すると後で含まれている微生物の窒素源として、菌体内に直ちに取り込まれ、菌体成分(蛋白質)の合成に利用される。すなわち、無臭発酵分解促進液は、微生物及びその生産する菌体外酵素(糖化酵素、蛋白質分解酵素等)を含有し、有機質物原料の分解を促進し、微生物の増殖を速めると同時に、微生物が増殖するために有機酸アンモニウム塩を窒素源として速やかに利用するため、脱臭効果を発揮するのである。
【0067】
従来法では、原料中に含まれる微生物の濃度が低いため、微生物の濃度が低いため、微生物の増殖を待つ必要があり、初期に発生したアンモニア等は揮発し悪臭となるが、無臭運発酵分解促進液は、種菌により充分発酵されているので、アンモニアは有機酸塩となり、揮発しにくくなり、糖蜜が栄養源となって微生物が高密度で増殖された状態になっている。そのため、当該アンモニウム塩が微生物の窒素源として速やかに利用され乳酸や酢酸のアンモニウム塩となる。このため、アンモニアの揮発を防止し、臭気発生を抑制するとともに、窒素源の有効活用を図ることができます。その作用を反応式で表現すると、次おようになります。尚、生物細胞をC2H7NO2と表した例を示します。
【0068】
Figure 0004887543
【0069】
更に、一般に、嫌気性発酵をすると、悪臭が発生し易いとされてきたが、強酸性条件下では、乳酸菌と酵母による嫌気性発酵が行われても臭気が発生しないことが判明した。蓋し、悪臭成分の中和と溶解によって臭気が抑制されるだけでなく、乳酸菌と酵母以外の微生物は、強酸性下では、死滅するかほとんど作用しないので臭気は発生しないのである。
【0070】
次に、このようにして製造され、出来上がったコンポストの成分を分析すると、次の表2の通りであった。尚、このコンポストの分析値と農林水産省(1982年)が発表した「堆きゅう肥等有機質資材の品質」の値の要点と比較した。
【0071】
実施例2、実施例3で試験した原料が畜糞であるところから、農林水産省(1982年)が発表した牛糞、豚糞を原料とした堆きゅう肥の値と比較することとした。
【0072】
(分析値の評価)
実施例2、実施例3にて製造したコンポストの成分の分析値は、全体的に、農林水産省が発表した標準値と近似している。原料が共通していることが原因であると思われる。尚、実施例2、実施例3における重金属の値は、いずれも規制値以下なので、ここでは省略する。
【0073】
Figure 0004887543
【0074】
<脱臭試験の方法)>
次に、本発明に係る実施例2、実施例3の有機質物をコンポストにする方法において、定期的に臭い成分を測定した。当該臭い成分の測定、分析、脱臭効果の評価は、第三者の環境計量事業資格者に依頼した。尚、臭いの測定方法は、悪臭防止法工程方法による。悪臭防止法公定方法による臭気濃度測定結果に基づき、脱臭効果を考察すると、次のようになる。
【0075】
<A.有機質物原料投入時の臭気>
有機質物原料である家畜糞尿に養分補助材と水分調整材用の補助資材とを加えて複合有機質物原料にした直後は、原料の臭いがそのまま揮発発散するので、強烈な臭いがある。その際の悪臭の主な成分は、図4に示す通り、アンモニアや硫化水素やメチルメルカプタン硫化メチル等である。これをいかに早く脱臭するかが、環境保護を重視する分解促進処理技術においては、重要な技術課題である
【0076】
<B.無臭発酵分解促進液を投入してから2時間後の臭気>
有機質物原料に無臭発酵分解促進液と養分補助材や水分調整材などを加えてコンベアで混合しながら攪拌槽に投入し、これを低温に温度調整しながら、2時間攪拌して複合有機質物原料全体が均一になるよう混合調製して、無臭化処理する。すると、図5に示したように臭気が大幅に抑制された。悪臭の主成分のうちでも多量にあるアンモニアやアミン類は弱アルカリ性であるのに対し、発酵分解促進資材は酸性溶液になっているので、これに中和され臭気が消え、又、含硫化合物やアルデヒド類は、無臭発酵分解促進液に含まれるアルコールなどによって溶解力のある溶液によって臭気が可溶化して脱臭したのである。
【0077】
<C.発酵分解促進資材投入後24時間の臭気>
均一に混合調製され無臭化処理された複合有機質物原料を取り出し堆積静置して、低温に温度管理をしながら24時間嫌気性発酵をさせるが、この嫌気性発酵の過程においても、その後においても臭気は、図6に示すように消えた状態になっている。
【0078】
<D.発酵槽内の攪拌前/攪拌後の臭気>
当該嫌気性発酵をおこなった後、当該無臭の複合有機質物原料を発酵槽内に投入し、温風送風機を作動して発酵槽の底部から温風を吹き入れながら発酵させるようにした。その直後で攪拌前の臭気を計測したのが図7である。そして、当該複合有機質物原料を発酵槽内で攪拌し好気性発酵を開始した直後の臭気を計測したのが図11である。当該複合有機質物原料の全体に急速な好気性発酵が安定して起こり、温度が上昇するが、そうなると、もう全く悪臭が発せられることがない。
【0079】
<E.発酵槽建家内中央部の臭気>
発酵槽を設置した建家内のほぼ中央部における臭気を計測した結果が、図8である。この計測時には発酵槽内で盛んに好気性発酵が行われている状態であったが、検出できる臭気は殆ど発生していない。
【0080】
<F.敷地境界における臭気>
発酵槽を設置した建家の建ててある敷地境界の風下における臭気を計測した結果が図9であり、同敷地境界のコンポスト出口側における臭気を計測した結果が図10である。既に風下でもコンポスト出口側でも、臭気が検知することができないほど無臭状態である(図11)。
【0081】
【効果】
本発明は、有機質物に無臭発酵分解促進液を混合して、原料の無臭化処理をなし、その無臭化処理済み有機質物に補助材を加えて水分含量の調製したうえ、温度を低温に調整しながら攪拌混合して、無臭状態のまま嫌気性発酵をなし、その後、攪拌を行いながら温風を吹き入れて微生物を活性化し、これによって効率的に好気性発酵をさせる方法である。このように本発明は、無臭発酵分解促進液を用いて嫌気性発酵処理と好気性発酵分解処理を順次行い、その両処理方式の相乗効果によって、悪臭を防止しながらより短期間に熟成状態となるようにした有機質物をコンポストにする方法である。
【0082】
当該有機質物の無臭発酵分解促進液は、乳酸を主体とする強い酸性溶液であり、栄養源を生成し、これらが引き続き行われる微生物による発酵分解作用を助け促進させる効果がある。しかも、無臭発酵分解促進液は、強酸性環境下で乳酸菌と酵母菌を主体として嫌気性発酵をする。これによって、悪臭を防止しながら原料を組織脆化状態にする。その後、通気・攪拌を行うと、好気性発酵することにより、有機質物を悪臭防止しながら分解熟成することが出来る効果がある。こうして出来たコンポストは、作物の生育がよい堆肥となる。この堆肥を土に戻す事によって健全な土壌を造ることができ、このような健全な土で育った作物は、丈夫で病虫害にも強く、美味しさや、栄養分も多く、人々の健康に貢献することができる。
【0083】
また、当該有機質物の無臭発酵分解促進液を有機質物原料と混合すれば、前記有機質物の悪臭を発する主成分を迅速に且つ継続的に消失させることができる効果がある。
【0084】
即ち、当該有機質物の無臭発酵分解促進液は、微生物の好む栄養源を自ら次々と生成するとともに、微生物の増殖と活動を活性化して発酵促進効果を相乗的に増幅する。従って、当該有機質物の無臭発酵分解促進液を利用して、その保有する能力を上手に発現するようにすれば、迅速な有機質物の分解熟成をなし、悪臭を防止しながら短期間にコンポストを製造できるのである。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明に係る有機質物に係る無臭発酵分解促進液の要件を示す説明図であり、図2は、第3発明、第4発明の有機質物を悪臭防止しながらコンポストにする方法の構成と作業工程を示す説明図であり、図3は、第5発明、第6発明に係る有機質物を悪臭防止しながらコンポストにする方法の構成と作業工程を示す説明図である。
【図1】 本発明に係る有機質物に係る無臭発酵分解促進液の要件を示す説明図である。
【図2】 第発明、第発明の有機質物を悪臭防止しながらコンポストにする方法の構成と作業工程を示す説明図である。
【図3】 図3は、第発明、第発明に係る有機質物を悪臭防止しながらコンポストにする方法の構成と作業工程を示す説明図である。
【図4】 第2実施例に係るコンポスト製造方法において、有機質物原料投入時の臭気を計測した計測した結果を示す表である。
【図5】 第2実施例に係るコンポスト製造方法において、発酵分解促進資材投入後2時間の臭気を計測した結果を示す表である。
【図6】 第2実施例に係るコンポスト製造方法において、発酵分解促進資材投入後24時間の臭気を計測した結果を示す表である。
【図7】 第2実施例に係るコンポスト製造方法において、発酵槽内の攪拌前の臭気を計測した結果を示す表である。
【図8】 第2実施例に係るコンポスト製造方法において、発酵槽内の攪拌後の臭気を計測した結果を示す表である。
【図9】 第2実施例に係るコンポスト製造方法において、発酵槽建家内中央部の臭気を計測した結果を示す表である。
【図10】 第2実施例に係るコンポスト製造方法において、敷地境界の風下における臭気を計測した結果を示す表である。
【図11】 第2実施例に係るコンポスト製造方法において、敷地境界のコンポスト出口側における臭気を計測した結果を示す表である。

Claims (4)

  1. 30〜40℃に加温した水に糖蜜と、米糠とを加えた養分調製液を70〜80℃に加熱殺菌し、冷却した後、穀類から分離した乳酸菌を主体として酵母を含む種菌とを加えて混合し発酵させてpH3.0〜4.0に調製してなる有機質物の無臭発酵分解促進液を用意しておき、
    固液混合有機質物に前記無臭発酵分解促進液と、米糠と、コンポストと、必要に応じて籾殻とを加えて、ほぼ均一に攪拌混合して、水分含量が50〜70%になるよう調製した無臭化処理コンポスト原料となし、
    当該無臭化処理コンポスト原料を、ほぼ24〜48時間堆積静置して、35〜50℃で嫌気性発酵させて悪臭を防止しながら組織脆化状態となした後、
    これに通気・攪拌を行って好気性発酵を開始させ、毎日1回切り返ししながら約2週間好気性発酵させることにより有機質物を分解熟成するようにしたことを特徴とする有機質物を悪臭防止しながらコンポストにする方法。
  2. 30〜40℃に加温した水100部に糖蜜1〜3部と、米糠1〜3部とを加えた養分調製液を70〜80℃に加熱殺菌し、冷却した後、穀類から分離した乳酸菌を主体として酵母を含む種菌0.1〜0.5部を加えて発酵させてpH3.0〜4.0に調製してなる有機質物の無臭発酵分解促進液を用意しておき、
    固液混合有機質物100部に前記無臭発酵分解促進液1.0〜1.5部と、米糠0.1〜0.4部と、コンポスト10〜50部と、必要に応じて籾殻0.04〜0.2部とを攪拌機に入れ、ほぼ均一となるように15〜60分間に攪拌混合して、水分含量が50〜70%となるように調製した無臭化処理コンポスト原料となし、
    当該無臭化処理コンポスト原料をほぼ24〜48時間堆積静置して35〜50℃で嫌気性発酵させ悪臭を防止しながら組織脆化状態となした後、
    これに通気・攪拌を行って好気性発酵を開始させ、毎日1回は切り返しをしながら約2週間、好気性発酵させることにより有機質物を分解熟成するようにしたことを特徴とする請求項1に記載する有機質物を悪臭防止しながらコンポストにする方法。
  3. 30〜40℃に加温した水に糖蜜と、米糠とを加えた養分調製液を70〜80℃に加熱殺菌し、冷却した後、穀類から分離した乳酸菌を主体として酵母を含む種菌とを加えて発酵させてpH3.0〜4.0に調製してなる有機質物の無臭発酵分解促進液を用意しておき、
    固液混合有機質物必要に応じて藁や籾殻などの補助材を混合したうえ、プレス機にかけて、固体部分と液体部分に分離し、
    分離した固体部分に無臭発酵分解促進液を混合攪拌して、その水分含量を40〜60%に調製したうえ、常温下でほぼ24〜48時間堆積静置して35〜50℃で嫌気性発酵をして、内部に微生物を繁殖させた悪臭の無い発酵固体部分となし、
    分離した液体部分には、乳酸、酢酸、クエン酸、木酢などの有機酸又は硝酸、硫酸、塩酸などの鉱酸のいづれかを混合してpH6.0〜7.0となるように中和したうえ、この中和液体部分に前記無臭発酵分解促進液と必要に応じて糖蜜と米糠とを混合して、ほぼ24〜48時間静置して35〜50℃で嫌気性発酵をさせ発泡するようにした悪臭の無い発酵液体部分となし、
    それから前記悪臭の無い発酵固体部分と悪臭の無い発酵液体部分に、コンポストを混合して、水分含量が50〜70%となるように調製したうえ、これをほぼ2〜4日間堆積静置して35〜50℃で嫌気性発酵させて悪臭を防止しながら組織脆化状態にした混合発酵原料となし、
    その後、当該悪臭を防止しながら組織脆化状態にした混合発酵原料に通気・攪拌を行って好気性発酵させ、毎日1回は切り返しをしながら好気性発酵させることにより有機質物を分解熟成するようにしたことを特徴とする有機質物を悪臭防止しながらコンポストにする方法。
  4. 30〜40℃に加温した水100部に糖蜜1〜3部と、米糠1〜3部を加えた養分調製液を70〜80℃に加熱殺菌し、冷却した後、穀類から分離した乳酸菌を主体として酵母を含む種菌0.1〜0.5部を加えて混合し発酵させてpH3.0〜4.0に調製してなる有機質物の無臭発酵分解促進液を用意しておき、
    固液混合有機質物に必要に応じて藁や籾殻などの補助材を混合したうえ、プレス機にかけて、固体部分と液体部分に分離し、
    分離した固体部分をコンポストや籾殻などで水分含量を40〜60%に調製したうえ、常温下でほぼ24〜48時間堆積静置して35〜50℃で嫌気性発酵をして、内部に微生物を繁殖させた悪臭の無い発酵固体部分となし
    他方、分離した液体部分には、乳酸、酢酸、クエン酸、木酢などの有機酸又は硝酸、硫酸、塩酸などの鉱酸のいずれかの酸類を混合してpH6.0〜7.0となるように中和したうえ、この中和液体部分10部に対して前記無臭発酵分解促進液0.2〜0.5部と必要に応じて無臭発酵分解促進液10部に対し糖蜜0.4〜0.6部と米糠5〜7部の割合で混合して、ほぼ24〜48時間静置して35〜50℃で嫌気性発酵をさせて発泡するようにした悪臭の無い発酵液体部分となし、
    それから前記悪臭の無い発酵固体部分100部と悪臭の無い発酵液体部分70〜90部に、コンポスト180〜240部と、無臭発酵分解促進液5〜7部を混合して、水分含量が50〜70%に調製したうえ、これをほぼ2〜4日間堆積静置して35〜50℃で嫌気性発酵させて悪臭を防止しながら組織脆化状態とした混合発酵原料となし、
    その後、当該悪臭を防止しながら組織脆化状態にした混合発酵原料に通気・攪拌を行って好気性発酵をさせ、毎日1回切り返しをしながら、ほぼ7〜14日間好気性発酵させることにより有機質物を分解熟成するようにしたことを特徴とする請求項3に記載する有機質物を悪臭防止しながらコンポストにする方法。
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