JP2021127400A - 土壌改良材、肥料及び土壌改良方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】土壌改良材として、樹木を破砕し、その破砕した木屑にバチルス菌と乳酸菌、VA菌根菌等を含有させた水溶液を添加し、約3日〜2,3週間生化学反応させて65℃〜70℃の範囲まで上昇させて有機微生物含有バイオマス材料とし、その後、前記有機微生物含有バイオマス材料100容量部に対して10〜50容量部の割合で窒素含有物質(畜産廃棄物)を加えてなるものとして上記課題を解決した。この土壌改良材は、65〜70℃の範囲で温度管理され、50〜60容量%の範囲で水分含有量が調整されていることが好ましい。こうした土壌改良材を処理対象物に混合して土壌が改良される。
【選択図】図1
Description
本発明に係る土壌改良材及び肥料は、図1及び図2に示すように、樹木を破砕し、その破砕した木屑にバチルス菌、乳酸菌、VA菌根菌等を含有させた水溶液を添加し、約3日〜2,3週間生化学反応させて65℃〜70℃の範囲まで上昇させて有機微生物含有バイオマス材料とし(図1(B))、その後、前記有機微生物含有バイオマス材料100容量部に対して所定の割合で窒素含有物質(畜産廃棄物、水産廃棄物等)を加えてなる(図2(A))、ことを特徴とする。そして、こうした土壌改良材や肥料を処理対象物に混合することで、土壌改良等を行うことができる(図2(B))。
原材料は、木屑又は生物系廃棄物(畜産廃棄物、水産廃棄物等)からなるものを挙げることができる。木屑は、例えば間伐材等の木材又は木材廃棄物(木くず、木材チップ、加工ゴミ等)等を破砕して得ることができる。生物系廃棄物は特に限定されないが、畜産業から廃棄される畜産廃棄物(馬、牛、鶏等の糞尿)等の廃棄物と水産業から廃棄される水産廃棄物(過剰水揚品、加工残渣等)等の廃棄物を挙げることができる。特に、畜産廃棄物(馬、牛、鶏等の糞尿)等は、窒素成分を含有することから、後述する有機微生物の栄養素となるので好ましい。
有機微生物水溶液は、有機微生物を水溶媒に分散させたものである。有機微生物としては、バチルス菌(枯草菌:Bacillus subtilis)、乳酸菌、VA菌根菌等を挙げることができる。これらのうち、バチルス菌と乳酸菌は必須の微生物である。なお、バチルス菌は、土壌や植物に存在する細菌であり、有機物を餌にして速やかに増殖したり、抗生物質を生産したりする特徴がある。また、乳酸菌は、悪臭の原因になる腐敗物質を抑制する。VA菌根菌は、リン酸.ミネラル.水分を効率よく吸収して食物に与え、生育を促進させるように作用する。なお、本発明者は、本発明で適用する有機微生物を総称して「バボン菌」と称して事業活動を展開している。
有機微生物含有バイオマス材料は、原材料に有機微生物含有水溶液を添加し、その状態で一定期間(3日〜2,3週間)生化学反応させて65℃〜70℃の範囲まで上昇させて得ることができる。このときの温度上昇は、生化学反応に基づくものであり、バイオマス材料の自己昇温反応に基づいて65〜70℃の範囲まで上昇する。なお、生分解反応による温度上昇は、最大90℃程度でとどまる。なお、原材料(例えば破砕した木屑等)への有機微生物(バボン菌等)の添加量は、原材料1m3に対し、有機微生物含有水溶液(バボン菌液)500mL〜2000mL(0.05〜0.2%)を添加することが好ましい。
土壌改良材と肥料は、有機微生物含有バイオマス材料100容量部に対して所定の割合で窒素含有物質(畜産廃棄物、水産廃棄物等)を加えて得られる。得られた土壌改良材は、土壌や汚泥に混合して土壌の改良や汚泥の消臭等に活用される。また、得られた肥料は、易分解性有機物が微生物によって完全に分解された肥料として活用され、農作物の生産性の向上に活用される。
土壌改良材は、図1〜図3に示すように、処理対象物である土壌や汚泥に混合して土壌の改良や汚泥の消臭等に活用される。また、肥料は、易分解性有機物が微生物によって完全に分解された肥料として活用され、図5(A)(B)に示すように、農作物の生産性の向上に活用される。処理対象物としては、汚染された土地、痩せた土地、連作障害を抑制したい土地、臭いを無くしたい汚泥(図6を参照)、硝酸態窒素を抑制したい土地、pH調整したい土地、等を挙げることができる。また、後述の実施例に示すように、家畜の飼育を生活の基盤とする地域や、家畜を放牧して飼育する地域においては、牧草の生育を高めることができれば、その地域に安定して定住でき、さらに農作物の生産性や連作障害が解消されれば、その地域に安定して定住できるという効果がある。
有機物リサイクルシステムは、上記本発明に係る土壌改良材と、畜産廃棄物(馬、牛、鶏等の糞尿)又は水産廃棄物等の廃棄物とを混合して土壌を改良し、又は、上記本発明に係る肥料で農作物又は牧草の育成を促し、改良された土壌及び生産性が向上した農作物又は牧草で畜産の生産性を高め、畜産により生じたと畜産廃棄物を再び前記土壌改良材又は前記肥料と混合するリサイクルシステムである。
モンゴル ウランバートル(住所:Baruun turuun(JICAで造った堆肥工場のある場所)Ulaanbaatar city, Songino khairkhan district, 32-r khoroo, Baruun turuun 1 street, 71)での実証を行った。モンゴルでは、経済発展と共に畜産業も増えたが、糞尿等の廃棄物も大量に発生して不法投棄され、悪臭や土壌汚染、水質汚染の問題が深刻になっている。一方、ウランバートル近郊では、農作物や牧草の育ちが悪かった。今回、本発明に係る土壌改良材を活用した土壌改良を実施した。その実施の模様を図3(A)(B)及び図4(A)に紹介する。
ウランバートルの終末処理場(住所:ウランバートル市終末処理場 Ulaanbaatar city, Songino khairkhan district, 20-r khoroo)での実験を行った。そこには、図4(B)に示すような大量のスラッジ等で汚染された約90万トン以上の処理対象物があった。この処理対象物に土壌改良材を混合したところ、発生する悪臭を抑制することができ、さらにその土壌を堆肥化して有効活用することができた。実際には、ウランバートルの終末処理場のスラッジ(約35〜50ppmの臭気を発生させる)100容量部に対し、50容量部の本発明の土壌改良材を混合することにより、人が不快に感じない10ppm以下の臭気に下げることができた(図7参照)。こうした微生物が効果的に作用するには、その土地に元々存在する微生物との相性が重要であったが、ウランバートル終末処理場では特に問題は生じず好結果をもたらした。なお、図7は、モンゴル政府関係者、終末処理場の関係者の前で終末処理場の汚泥臭気の抑制テストの風景である。
Claims (6)
- 樹木を破砕し、その破砕した木屑にバチルス菌、乳酸菌、VA菌根菌等を含有させた水溶液を添加し、約3日〜2,3週間生化学反応させて65℃〜70℃の範囲まで上昇させて有機微生物含有バイオマス材料とし、その後、前記有機微生物含有バイオマス材料100容量部に対して10〜50容量部の割合で窒素含有物質(畜産廃棄物)を加えてなる、ことを特徴とする土壌改良材。
- 65〜70℃の範囲で温度管理され、50〜60容量%の範囲で水分含有量が調整されている、請求項1に記載の土壌改良材。
- 樹木を破砕し、その破砕した木屑にバチルス菌、乳酸菌、VA菌根菌等を含有させた水溶液を添加し、約3日〜2,3週間生化学反応させて65℃〜70℃の範囲まで上昇させて有機微生物含有バイオマス材料とし、その後、前記有機微生物含有バイオマス材料100容量部に対して40〜80容量部の割合で窒素含有物質(畜産廃棄物、水産廃棄物等)を加えてなる、ことを特徴とする肥料。
- 65〜70℃の範囲で温度管理され、50〜60容量%の範囲で水分含有量が調整されている、請求項3に記載の肥料。
- 請求項1又は2に記載の土壌改良材を処理対象物に混合する、ことを特徴とする土壌改良方法。
- 請求項1又は2に記載の土壌改良材に水産廃棄物等を混合した肥料、又は、請求項3又は4に記載の肥料で、農作物又は牧草の育成を促し、生産性が向上した農作物又は牧草で畜産の生産性を高め、畜産により生じた畜産廃棄物を再び前記土壌改良材又は前記肥料と混合するリサイクルシステムである、ことを特徴とする有機物リサイクルシステム。
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