JP3514504B2 - 植物性廃棄物の微生物処理及びその生成物の有効利用法 - Google Patents

植物性廃棄物の微生物処理及びその生成物の有効利用法

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JP3514504B2 JP07073294A JP7073294A JP3514504B2 JP 3514504 B2 JP3514504 B2 JP 3514504B2 JP 07073294 A JP07073294 A JP 07073294A JP 7073294 A JP7073294 A JP 7073294A JP 3514504 B2 JP3514504 B2 JP 3514504B2
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啓次郎 中村
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啓次郎 中村
中村 絹枝
中村 吏江
中村 ▲吉▼宏
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  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Processing Of Solid Wastes (AREA)
  • Purification Treatments By Anaerobic Or Anaerobic And Aerobic Bacteria Or Animals (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は植物性廃棄物の新規な処
理方法、それにより得られる生成物、及びその使用に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、植物性廃棄物、例えば生活生ご
み、造園残渣、食品産業からの残渣、キノコ産業からの
培地カス、木材産業からのオガクズ等、種々の植物性廃
棄物は従来焼却処理、堆肥化、メタン発酵、活性汚泥等
により行われている。しかしながら、これらの方法は処
理自体に大規模な装置が必要であり、高価であるのに加
えて、処理生成物の用途も限定されており、経済的に有
利に利用することができなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明は、種々
の植物性廃棄物を効率よく経済的に処理することがで
き、且つそれによって有用な生成物が得られる処理方
法、それにより得られる生成物、及び該生成物の用途を
提供しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明は、植物性廃棄物の処理方法であって、
(1)植物性廃棄物を破砕し、又は破砕された植物性廃
棄物を用意し、(2)前記破砕された植物性廃棄物を動
物糞と混合し、(3)前記混合物と土壌菌培養液とを混
合して発酵分解せしめ、そして所望により、(4)前記
(3)により得られた発酵分解生成物を固液分離する、
ことを含んで成る方法において、前記土壌培養液が
【0005】(a)土壌及び腐葉土を生物活性剤溶液中
で培養・溶解し、(b)反芻動物の糞、又は動物糞もし
くは汚泥を嫌気的条件下で前処理してBODを下げたも
の、を生物活性剤中で培養し、(c)前記(a)及び
(b)の生成物に鶏糞及び植物性残渣並びに無機塩を加
えて培養することにより得られたものであり;
【0006】前記生物活性剤溶液が、(i)動物の臓物
を破砕し、(ii)前記破砕物と穀粉及び酵母と混合して
発酵させ、(iii) 前記発酵物を加熱し、(iv)該加熱
生成物を破砕し、(v)段階(iv)により得られた破砕
物に乳酸菌培養液又は枯草菌培養液を添加して好気的条
件下で発酵を行う、ことにより得られたものである、こ
とを特徴とする方法を提供する。
【0007】本発明はまた、上記の方法により得られ
る、活性微生物を含有する発酵分解生成物、又は固体も
しくは液体を提供する。本発明はさらに、上記の発酵分
解生成物又は固体もしくは液体を含んで成る、酸性土壌
により地力が低下した土壌の回復剤、有機土壌又は堆
肥、及び消臭剤を提供する。
【0008】本発明はまた、上記の固体生成物を成形
し、乾燥してなる構造材料を提供する。本発明はまた、
前記の地力回復剤を、酸性雨により地力が低下した土壌
に施用することを特徴とする、酸性雨により低下した土
壌の地力の回復方法に関する。本発明はさらに、前記の
消臭剤を、臭気源に添加することを特徴とする消臭方法
に関する。
【0009】
【具体的な説明】本発明の処理の対象となる植物性廃棄
物には、例えば家庭からの生ゴミ、外食産業からの食品
残渣、造園残渣、製材業からのオガクズ、キノコ産業か
らの培地カス、食品工業からのオカラ、焼酎カス、コー
ヒーカス等、あらゆる植物性廃棄物である。
【0010】本発明によれば、まず上記のごとく植物性
廃棄物を常法に従って破砕する。しかしながら、すでに
破砕されているもの、例えばオガクズ、オカラ、コーヒ
ーカス、等はさらに破砕することなく、そのまま使用す
ることができる。次に、この様にして破砕された植物性
廃棄物を動物糞と混合する。動物糞は好ましくは家畜の
糞、例えばウシ、ブタ、ヤギ、ヒツジ、ニワトリ等の糞
である。破砕された植物性廃棄物と動物糞との混合比
は、乾物重量比として1:10〜10:1である。
【0011】次に、ここで得られた混合物と土壌菌培養
液とを混合する。ここで土壌菌培養液とは、(a)土壌
及び腐葉土を生物活性剤溶液中で培養・溶解し、(b)
反芻動物の糞、又は動物糞もしくは汚泥を嫌気的条件下
で前処理してBODを下げたもの、を生物活性剤中で培
養し、(c)前記(a)及び(b)の生成物に鶏糞及び
植物性残渣並びに無機塩を加えて培養することにより得
られたものであり;
【0012】前記生物活性剤溶液が、(i)動物の臓物
を破砕し、(ii)前記破砕物と穀粉及び酵母と混合して
発酵させ、(iii) 前記発酵物を加熱し、(iv)該加熱
生成物を破砕し、(v)段階(iv)により得られた破砕
物に乳酸菌培養液又は枯草菌培養液を添加して好気的条
件下で発酵を行う、ことにより得られるものである。
【0013】なお、土壌菌培養液、及び生物活性剤溶液
については後で詳細に説明する。前記の混合物と土壌菌
培養液との混合比は広範に変えることができる。例えば
土壌菌培養液を多く使用する場合には、前記植物性廃棄
物破砕物と動物糞との混合物が完全に浸る程度の土壌菌
培養液を使用する。また土壌菌培養液の使用量が少い場
合には、少量の、例えば前記混合物に、その10重量%
程度の土壌菌培養液を加えて、固体状態の混合物を得
る。
【0014】いずれの場合にも、25日〜35日間置く
ことにより発酵分解を行わせる。この場合、特に加温、
冷却等の温度管理を行う必要はない。発酵分解は嫌気的
条件下で行われる。すなわち、混合物が液体の場合に
は、通気等の空気供給操作を特に行う必要はない。ただ
し、発酵分解中の内容物を均一にするため時々撹拌する
場合がある。混合物が固体である場合は、時々切り返し
を行って、混合物の均一化を行うのが好ましい。
【0015】次に、発酵分解が終了した生成物が固体で
ある場合にはそれを有機土壌又は堆肥として使用するこ
とができる。また、発酵分解が終了した生成物が液状で
ある場合には、これを固体と液体に分離し、別々に使用
することもできる。固液の分離は、例えば発酵分解液を
放置しておき、上澄液をすぐ取り、吸引等の常法により
沈澱した固体から分離することができる。あるいは、発
酵分解液全体を遠心分離、濾過等にかけることにより固
液を分離することもできる。遠心分離や濾過による固液
分離は、当業界において常用されている装置を用いて行
うことができる。
【0016】こうして得られた発酵分解生成物、又はこ
れを分離して得られる固体もしくは液体生成物中には、
多数の活性な(すなわち、生きた)微生物が存在するの
で、下記に示すごとく、多くの用途に用いることができ
る。本発明の生成物の最も重要な用途の1つは、酸性雨
により地力が低下した土壌の地力の回復である。一般
に、酸性雨は、大気汚染物質である硫酸、塩酸等を含有
する雨であり低いpHを呈する。土壌が長期間酸性雨に暴
されると、土壌が酸性下し、そのpH値は4〜5.5程度
に低下する。この結果、土壌微生物の数が減少し、土壌
中の有機物の分解ができなくなり地力が低下する。
【0017】本発明の発酵分解生成物はpHが約8.3〜
9で弱塩基性を呈している。従って、この生成物を酸性
雨により地力が低下した土壌に施用すれば、土壌が化学
的に中和されて、そのpHが中性にもどると共に、多数微
生物が土壌に与えられることになる。このため、土壌中
の有機物の分解が回復し、有機物中の脂料成分が植物に
吸収される形で遊離すると共に、例えば遊離したアンモ
ニア、アミノ化合物等により土壌のpHが高く維持され
る。こうして地力が回復する。
【0018】酸性雨により低下した地力の回復剤として
は、本発明の発酵分解生成物、又はそれを分離して得ら
れる固体もしくは液体のいずれであってもよい。しかし
ながら本発明の地力回復剤は、好ましくは前記の液体を
含んで成る。液体は散布、例えば空中散布によって極め
て容易に土壌に供給できるからである。この液体は、そ
のまま使用してもよい、又は例えば100〜1000倍
程度まで希釈して使用することもできる。
【0019】本発明の生成物を有機堆肥として使用する
には、工程(3)の発酵分解を嫌気的条件下で行い、生
成物をそのまま堆肥として使用することができる。この
ための植物性残渣として食品、醸造業から出る残渣、例
えば豆腐のオカラ、コーヒーカス、焼酎カス等が使用さ
れる。他方、オガくず、特に針葉樹のオガくずは作物の
生育を阻害する物質例えばフェノール類、タンニン類、
精油などを含んでいる。またオガくずはC/N比が13
0〜1200と極めて高く、セルロースがリグニンと強
固に結合しているため難分解性である。
【0020】従って、これらの材料を使用する場合に
は、前記(3)の発酵分解の段階で嫌気的条件下で施行
する場合植物性残渣と動物糞との混合物に土壌菌培養液
を加えて、その混合物が土壌菌培養液で浸された状態で
嫌気醗酵分解させると20〜35でC/N比で0〜20
以下となり有機土壌又は有機堆肥として土壌にかえして
も作物をそ害しない。又好気的条件下で行なう場合、水
分60〜50%の固体状態で行うのが好ましい。
【0021】この場合、土壌菌培養液を散布した後36
〜48時間で68〜73℃に昇温するので、天地返し
(切り返し)を行う。この操作を5日〜7日間ごとに5
〜6回繰り返すことにより、C/N比を20程度まで下
げることができ、作物の生育を阻害する物質も消失し、
有機土壌又は堆肥が得られる。構造材料を得るには、前
記方法において(4)の工程で得られる固体を水切り、
乾燥し、成形して1300℃程度の温度で7〜8時間焼
成することにより得られる。ここで構造材料の典型的な
ものは建築用材料、例えばレンガやボードである。
【0022】また、前記段階(3)又は(4)において
得られる生成物を活性炭素と混合し、それを乾燥するこ
とにより、強力な消臭剤が得られる。生物活性化剤溶液
の製造に使用する臓物の入手源としての動物としては、
ヒト以外の哺乳動物であれば特に限定されないが、大量
に安定的に入手可能である点から、産業用動物、たとえ
ば、ウシ、ブタ、ヤギ、ヒツジ等の動物が好ましい。臓
物としては肝臓、膵臓、脳、血液、脊髄等が多量のアミ
ノ酸や酵素、特に分解酵素類を含有しているので好まし
い。
【0023】これらの臓物は常法に従って破砕すること
ができる。このために、例えばマスコロイダ、チョッパ
等の装置を使用することができる。次に、これに少なく
とも穀粉及び酵母を加えて混合し、生地を調製する。穀
粉としては例えば小麦粉、米粉、米ぬか等を用いること
ができる。穀粉の使用量は臓物1kg当り2.5〜5kg、
好ましくは3〜3.5kgである。
【0024】酵母としては、パン酵母、清酒酵母、ワイ
ン酵母、アルコール発酵用酵母等、一般に使用されてい
る糖発酵性の酵母であればよい。酵母の使用量は臓物1
kg当り20〜50g、好ましくは25〜35gである。
この酵母による発明の段階では、発酵の促進等のため、
さらに脱脂乳、発酵性糖分、例えばブドウ糖、砂糖等を
併用することができる。
【0025】上記の原料、すなわち動物臓物の破砕物、
穀粉及び酵母、並びに場合によっては脱脂乳、脱脂大
豆、発酵性糖分等は、十分にこね合わせて生地を調製す
る。この生地は20℃〜40℃の温度、好ましくは常温
において発酵させ、膨化させる。この発酵期間中に、生
地に含まれている糖分に酵母により発酵し、エチルアル
コール、乳酸等に変換され、また臓物由来の蛋白質は、
臓物に含まれているプロテアーゼ等により分解される。
【0026】次に、発酵を終えた生地を加熱する。乾熱
により加熱する場合には常用のパン焼機等を用いること
ができ、熱源としては火力、電力、高周波等を使用する
ことができる。さらに、蒸気により加熱することもでき
る。加熱温度は表面温度150℃〜230℃、好ましく
は200℃とし、60〜180分間、好ましくは90〜
120分間加熱する。この加熱により、生地中のビタミ
ン、アミノ酸、蛋白質等を実質的に維持しながら動物臓
器に由来する寄生虫、動物臓器及びその他の原料に由来
する種々の微生物等を殺滅することができる。
【0027】次に焼成物又は加熱物を破砕する。この破
砕は常用の破砕機、例えばミキサー、マスコロイダ等に
より行うことができる。次に、この破砕物に乳酸菌又は
枯草菌の培養液を加える。乳酸菌としては、ヨーグルト
その他の乳酸飲料の製造や乳酸発酵において使用される
容易に入手可能な乳酸菌を使用することができる。ま
た、枯草菌としてはナットウ菌、その他常用の枯草菌を
使用することができる。乳酸菌の培養は培地として例え
ば脱脂粉乳、粉乳、脱脂大豆等を使用して、30℃〜3
5℃の温度において、約17〜24時間行うことができ
る。枯草菌の培養に、例えば大豆等の培地を使用して3
0℃〜35℃にて約24〜36時間行うことができる。
【0028】乳酸菌培養液又は枯草菌培養液の使用量
は、前記破砕物kg当り約50〜300mL、そして好まし
くは約150〜200mLである。この段階において、所
望により麹、酵母等を加えることにより、最初に添加し
た穀粉中の澱粉等を加水分解し、さらに発酵させること
ができる。
【0029】前記加熱破砕物を脱脂乳又は脱脂大豆の溶
に入れ、乳酸菌培養液又は枯草菌培養液及び場合によっ
てはさらに麹又は酵母等を加えた後、十分に混合し常
温、好ましくは15℃〜20℃にて通気してさらに発
酵、分解等を進行させることができる。通気は通常35
〜40日間程度行う。通気を停止した後、例えば1ケ月
程度静置すると不溶物が沈澱し、上清が分離するので、
この上清を生物活性化剤として採取することができる。
なお、通気及びそれに続く静置の間に固形物が消化され
て液が希薄になるので、さらに前記の加熱破砕物、酵
母、麹等を加えてさらに消化を行うこともできる。
【0030】土壌菌培養液の調製においては、(a)土
壌及び腐葉土を採取し、これを前記の生物活性化剤溶液
と混合し、培養・分解を行う。次に、(b)反芻動物、
例えば、ウシ、ヒツジ等の糞を採取し前記の生物活性化
剤溶液と混合し、培養分解を行う。ウシやヒツジの糞は
それ自体嫌気性微生物を豊富に含んでいる。あるいは、
豚等の糞や下水汚泥は多量の有機物を含んでいて嫌気的
状態になっており、前処理(例えば浄化槽の液の添加
等)によりBODを下げ、次に好気的細菌や光合成細菌
の作用により、生物活性化剤溶液中で培養する。
【0031】次に、(c)上記(a)及び(b)で得ら
れた培養液を混合し、この混合液に鶏糞及び若干の植物
性残渣及び無機塩を加えて混合し、培養する。こうして
得られた土壌菌培養液は糸状菌、アゾトバクター、アル
スロバクター、クロストリジウム、乳酸菌、セルロモナ
ス、等を含有しており、強力な有機物分解力を有する。
次に、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。
【0032】参考例1生物活性化剤溶液の製造 肝臓、膵臓を9:1(重量比、以下同じ)に混合し、潰
し器にかけて潰し、これに粉乳液を等量まぜたものを2
0kg、小麦粉50kg、酵母1kg、蔗糖3kgと合わせて捏
ね混ぜ、常温で20時間放置した。その間醗酵が進み生
地は膨化するが次第に収縮し、乳酸、酒精、酢酸等が醸
成された。
【0033】次に収縮した生地に、更に小麦粉20kg、
酵母500g、蔗糖2kgを加えて捏ね混ぜ、箱型に入れ
て常温に保温した。再度膨化した後これを予熱窯で燻焼
した。このようにして得た焼成物を細裁したもの20kg
と、麹8kg、乳酸菌培養液17kg、枯草菌培養液15k
g、酵母1kgを加えてよく撹拌混合して混合液とした。
4〜5日経過すると次第に醗酵が始まり、発泡した。こ
の醗酵の全期間に亘りエアコンプレッサーによって液中
に給気し、好気性菌である酵母、枯草菌群に酸素を供給
し、併せてコンプレッサーの加圧空気により撹拌を行
い、増殖を活性化させた。
【0034】前記混合液は当初濃稠であるが1か月程度
経過して醗酵分解が進行すると次第に希薄になった。そ
こで更に前記焼成物(パン)12kg、麹8kg、酵母50
0gを加え、混合撹拌して濃稠にした。この濃稠な混合
液を密封し1か月程度貯蔵すると、分解醗酵が進み、酵
母等も自己消化するので、液中のアミノ酸が高密度とな
った。この間不溶物と上清とが分離し、この上清を採取
して生物活性化剤を得た。
【0035】参考例2土壌菌培養液の製造 土壌1kg及び腐葉土1kgを、参考例1で調製した生物活
性剤溶液1リットルと混合し、常温にて10日間培養し
た。他方、ウシの糞1kgを前記参考例1で調製した生物
活性剤溶液1リットルと混合し、常温にて10日間培養
した。前記2種類の培養液を混合し、これに鶏糞3kg、
植物残渣(オガクズ)6kg及び無機塩(NaCl)0.
1kgを加えて混合し、常温にて20日間培養して土壌菌
培養液を調製した。
【0036】実施例1.家庭用生ゴミ10kgと鶏の糞3
kgとを混合し、これに、参考例2において調製した土壌
菌培養液を水で100倍希釈したもの13リットルを加
えて、固形物が完全に浸たるようにした。これを常温に
て30日間置くことにより発酵分解を行った。pHは8.
3〜9.0の弱塩性を呈した。これを静置しておくこと
により固液分離し、液体を取り出した。
【0037】この液体を500倍希釈することにより、
酸性雨により劣化した山材土壌の回復剤として使用し
た。なお、この希釈は500〜1000倍の範囲で行う
のが好ましい。また、原液を用いることもできる。次
に、この希釈液を土壌に1リットル/1m2 の量で空中
散布した。なお、この量は土壌により異るが、例えば地
下100cmのところでpHが6.5〜7となるようにする
のが好ましい。
【0038】実施例2.針葉樹(スギ)のオガくず1m
3 と鶏の糞300kgとを混合し、これに、参考例2にお
いて調製した土壌菌培養液を100倍希釈したもの60
リットルを散布した。散布後36〜48時間で温度が6
5℃〜70℃に上昇した。この時天地返し(切り返し)
を行い、全体を空気に暴すことにより温度が10〜15
℃低下した。この処理を5〜7日ごとに5〜6回繰り返
した。温度は34℃〜40℃となった。なお、土壌菌培
養液を散布した時点の混合物のpHは約5.5であったが
36〜48時間後、アンモニアの発生によりpH8.3〜
9となった。従って、30〜40日で弱塩基性の有機土
壌を得ることができる。
【0039】なお、針葉樹のオガくずにおいては、セル
ロースとリグニンが強固に結合しているため、難分解性
であり、その分解・土壌化には通常3〜4年を要するの
に比べて、本発明の方法によれば極めて短期間で針葉樹
の本質を土壌化、又は堆肥化することができる。前記針
葉樹のオガくずのCN比は130〜1300であった
が、培養40日後の本発明の有機土壌のCN比は20以
下であり、窒素が著しく富化されていた。
【0040】上記のようにして製造した本発明の有機土
壌と、常用の堆肥とを用いてキュウリを栽培することに
より両者を比較したところ、次の結果が得られた。本発
明の有機土壌を使用した場合、通常の堆肥を使用した場
合に比べて、(1)生長点までの日数が7〜10日短
く、(2)葉の大きさが約2倍であり、(3)通常は1
本の茎に1個の花がつき1本のキュウリが生産されるの
に対して、1本の茎に4〜5個の花がつき、4〜5本の
キュウリが生産され、約4倍の増収となった。(4)本
発明の有機土壌により生産されたキュウリは従来の堆肥
により生産されたキュウリに比べて、25℃、相対湿度
60〜70%において、7〜8日間程度日持ちが長かっ
た。また(5)糖度が増して味もよく、(6)生長段階
で病害虫に対する抵抗性も高かった。
【0041】実施例3.植物残渣(キノコのオガクズ)
30kg及び畜糞10kgに、参考例2において調製した土
壌菌培養液40リットルを加えて、常温にて30日間培
養した。この生成物を3kgの活性炭素に吸着せしめ、乾
して消臭剤を製造した。この消臭剤を、汲取式便所に、
その内容物に対して約0.1〜0.3%の量で加えたと
ころ、添加しない場合のアンモニア発生量80〜130
ppm に対して0〜10ppm に低下した。
【0042】し尿処理場において、一次処理槽としての
沈澱槽及び二次処理槽としての暴気槽に、その内容物に
対して0.1〜0.3%の本発明の消臭剤を添加したと
ころ、添加後10〜60分間で消臭することができた。
養鶏場において、鶏糞に対してその容量の3ppm の前記
本発明の消臭剤を散布したところ、消臭された。また、
牛糞の場合、微生物処理によりそのDODを約95%除
去した後、3ppm の本発明の消臭剤を添加したところ臭
気が除去された。
【0043】実施例4.植物残渣(マツのオガクズ)3
0kg及び蓄糞10kgを参考例2において調製した土壌菌
培養希釈液40リットルと混合し、常温にて30日間嫌
気的に発酵分解させた。発酵終了後、荒目の布を用いて
固液を分離し、沈澱部分を水切りし、レンガに成形し、
天日乾燥させた。次に、乾燥した生レンガを1300℃
にて8時間焼成し、放冷してレンガを製造した。
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、土壌菌培養液と称する
微生物源を用いることにより、種々の植物性廃棄物を効
率よく分解処理することができ、その生成物は種々の有
用な用途に使用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (73)特許権者 594060967 中村 ▲吉▼宏 東京都立川市栄町4丁目18番1号 エク セル立川701号 (73)特許権者 594060978 中村 賢雄 東京都立川市幸町1丁目25番23号 ヴィ レッヂ20 503号 (72)発明者 中村 啓次郎 東京都立川市栄町4丁目18番1号 エク セル立川701号 (56)参考文献 特開 平5−244962(JP,A) 特開 平5−319968(JP,A) 特開 平4−222895(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B09B 3/00

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 植物性廃棄物の処理方法であって、 (1)植物性廃棄物を破砕し、又は破砕された植物性廃
    棄物を用意し、 (2)前記破砕された植物性廃棄物を動物糞と混合し、 (3)前記混合物と土壌菌培養液とを混合して発酵分解
    せしめ、そして所望により、 (4)前記(3)により得られた発酵分解生成物を固液
    分離する、ことを含んで成る方法であって、前記土壌菌
    培養液が、次の工程: (a)土壌及び腐葉土を生物活性剤溶液中で培養・溶解
    し、 (b)反芻動物の糞、又は動物糞もしくは汚泥を嫌気的
    条件下で前処理してBODを下げたもの、を生物活性剤
    中で培養し、 (c)前記(a)及び(b)の生成物に鶏糞及び植物性
    残渣並びに無機塩を加えて培養することにより得られた
    ものであり;前記生物活性剤溶液が、 (i)動物の臓物を破砕し、 (ii)前記破砕物と穀粉及び酵母と混合して発酵させ、 (iii) 前記発酵物を加熱し、 (iv)該加熱生成物を破砕し、 (v)段階(iv)により得られた破砕物に乳酸菌培養液
    又は枯草菌培養液を添加して好気的条件下で発酵を行
    う、ことにより得られるものである、 ことを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の方法により得られる、
    活性微生物を含有する発酵分解生成物、又はそれを分離
    して得られる液体もしくは固体。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の発酵分解生成物又は液
    体もしくは固体を含んで成る、酸性雨により地力が低下
    した土壌の回復剤。
  4. 【請求項4】 請求項2に記載の発酵分解生成物又は液
    体もしくは固体を含んで成る有機土壌又は堆肥。
  5. 【請求項5】 請求項2に記載の発酵分解生成物又は液
    体もしくは固体を含んで成る消臭剤。
  6. 【請求項6】 請求項2に記載の固体を、成形し、乾燥
    してなる構造材料。
  7. 【請求項7】 請求項3に記載の地力回復剤を、酸性雨
    により地力が低下した土壌に施用することを特徴とす
    る、酸性雨により低下した地力の回復方法。
  8. 【請求項8】 請求項5に記載の消臭剤を臭気源に添加
    することを特徴とする消臭方法。
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