JP2002143896A - 有機系廃棄物並びに下水汚泥若しくは畜糞又は下水汚泥及び畜糞の処理方法 - Google Patents

有機系廃棄物並びに下水汚泥若しくは畜糞又は下水汚泥及び畜糞の処理方法

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JP2002143896A
JP2002143896A JP2000348414A JP2000348414A JP2002143896A JP 2002143896 A JP2002143896 A JP 2002143896A JP 2000348414 A JP2000348414 A JP 2000348414A JP 2000348414 A JP2000348414 A JP 2000348414A JP 2002143896 A JP2002143896 A JP 2002143896A
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mixture
fermentation
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weight
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JP2000348414A
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Mitsuo Suzuki
光雄 鈴木
Yasuo Takahashi
保雄 高橋
Naohisa Iwamoto
尚久 岩本
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KIYOMOTO BIO CO Ltd
Kiyomoto Iron & Machinery Work
Kiyomoto Iron and Machinery Works Co Ltd
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KIYOMOTO BIO CO Ltd
Kiyomoto Iron & Machinery Work
Kiyomoto Iron and Machinery Works Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】発酵処理に微生物を循環使用し、全工程の処理
時間を短縮でき、悪臭の発生が殆ど無いコンポストを有
機系廃棄物及び下水汚泥又は畜糞から製造する方法を提
供する。 【解決手段】常温〜70℃の温度下で硫黄同化能及び窒
素同化能を有する微生物、タンパク質含有廃材及び有機
系廃棄物を混合し、空気の存在下に、この混合物の水分
含有率を35〜55重量%に調整しながら発酵させて、
発酵乾燥生成物を形成し、この発酵乾燥生成物に更に、
下水汚泥及び/又は畜糞、並びにタンパク質含有廃材を
混合し、空気の存在下にその水分含有率を45〜65重
量%に調整して発酵させ、乾燥する処理方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機系廃棄物、並
びに下水汚泥若しくは畜糞又は下水汚泥及び畜糞の混合
物の処理方法に関し、特に、有機系廃棄物を、常温以上
の温度において窒素同化能を有するバチルス菌又はバチ
ルス菌及び放線菌又はこれらに乳酸菌及び/又は古細菌
を含む微生物で発酵させ、ここで得られた発酵性生成物
を種菌として、下水汚泥若しくは畜糞又は下水汚泥及び
畜糞を発酵処理する有機系廃棄物及び下水汚泥又は畜糞
の処理方法に関する。また、本発明は、有機系廃棄物、
並びに下水汚泥若しくは畜糞又は下水汚泥及び畜糞を原
料とする堆肥(コンポスト)の製造方法に関し、特に、
有機系廃棄物を、常温以上の温度において窒素同化能を
有するバチルス菌又はバチルス菌及び放線菌又はこれら
に乳酸菌及び/又は古細菌を含む微生物により発酵さ
せ、ここで得られた発酵生成物を種菌として、下水汚泥
若しくは畜糞又は下水汚泥及び畜糞を急速堆肥化処理し
て、コンポストを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】都市周辺への人口の集中等により、そこ
に発生する家庭系及び事業系生ゴミ、例えば家庭、スー
パー及びレストランなどから排出される厨芥、野菜く
ず、雑草を刈り取った侭の刈草、その他生ゴミや、さら
に畜肉加工場や水産加工場などから排出される腸や骨等
の食品加工廃棄物等のそこに発生する都市ゴミ、その他
生ゴミの量は膨大な量であり、また下水道設備の普及に
伴い下水終末処理場から発生する余剰汚泥の量も膨大な
量に上っている。殊に、都市ごみの中で有機系廃棄物の
占める割合は大きく、しかも、その大半は、例えば破砕
され脱水されて、焼却処理され、その焼却灰を埋め立て
に供している。一方、余剰汚泥は、含水率が99重量%
と高く、例えば、濃縮処理、嫌気性微生物消化処理若し
くは脱水処理されて、又はこれらの処理を組み合わせ
て、含水率を75重量%程度にまで低下させて、焼却さ
れ、その焼却灰を埋め立てに供している。また、従来、
牧場や畜産地において発生する畜糞は、屋外に野積みさ
れ、約1年間で堆肥化されていたが、この畜糞の野積み
は、畜糞中のアンモニア態窒素及び硝酸態窒素が、雨水
により洗い流されて土中に浸透し、地下水を汚染するこ
とになるために、畜糞の屋外の野積みは禁止され、その
処理が問題となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、以上のような
下水汚泥、畜糞及び有機系廃棄物の焼却処理は、焼却灰
を廃棄する空き地や埋め立て地などの土地が逼迫してお
り問題とされており、また、燃料費等の膨大な処理費用
を要して問題とされている。このような大量に発生する
有機系廃棄物、下水汚泥及び畜糞を、発酵処理して堆肥
にする、所謂、コンポスト化が提案され、また行われて
いる。しかし、下水汚泥のコンポスト化は、下水汚泥に
含まれる窒素及びリン成分を肥料として活用するもので
あり、下水汚泥の肥料成分の窒素成分及びリン成分を含
む堆肥(コンポスト)を形成するものであるが、コンポ
スト化に多くの時間を要し、またコンポスト化の過程
で、アンモニア及びアミン類などが発生し、悪臭を呈
し、脱臭装置に莫大な費用を要し問題とされている。悪
臭を発生し、その脱臭処理に高価な設備を要して問題で
ある。また、下水汚泥は、コンポスト化しても、コンポ
ストからのアンモニア及びアミン類の発生を避けること
ができず、悪臭の発生が問題とされている。さらに、下
水汚泥は、肥料成分として、窒素及びリン酸を含んでい
るが、肥料成分としてのカリウムに乏しいので、コンポ
スト化しても、下水汚泥によるコンポストは、単独で、
肥料として十分でなく、問題とされている。
【0004】一方、畜糞は、窒素及びリン成分の外にカ
リウム成分を多く含んでおり、成分上肥料に適している
が、時々刻々と、微生物による同化及び分解が進行する
ために悪臭を常に発生しており、そのコンポスト化にお
いても、発生する悪臭を除去するために、前記下水汚泥
と同様に脱臭処理に莫大な費用を要して問題である。本
発明は、従来の有機系廃棄物、下水汚泥及び畜糞のコン
ポスト化処理にあたって、コンポスト化処理中及び処理
後における悪臭の発生に係る問題点、悪臭除去のための
脱臭処理費用に係る問題点及び肥料としての成分に係る
問題点を解決することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、臭いの発生が
少なく、肥料成分としての窒素、リン及びカリウムを含
有し、発酵処理に使用される微生物を戻し種菌として使
用できる、有機系廃棄物並びに下水汚泥を、原材料とす
るコンポストの製造を可能にする、有機系廃棄物及び下
水汚泥若しくは畜糞の処理方法を提供することを目的と
している。即ち、本発明は、常温乃至70℃の温度下で
窒素同化能を有する微生物及び有機系廃棄物を混合し、
空気の存在下に、この混合物の水分含有率を35乃至5
5重量%に調整しながら、70℃以下の温度に加熱し
て、少なくとも前記有機系廃棄物を発酵させて、前記微
生物を増殖させ、この増殖した微生物を含む発酵生成物
を乾燥して、発酵乾燥生成物を形成し、この発酵乾燥生
成物と、下水汚泥若しくは畜糞又は下水汚泥及び畜糞の
混合物を混合し、この混合物を、空気の存在下に、その
水分含有率を45乃至65重量%に調整して、下水汚泥
若しくは畜糞又は下水汚泥及び畜糞を発酵させ、この発
酵生成物を乾燥することを特徴とする有機系廃棄物並び
に下水汚泥若しくは畜糞又は下水汚泥及び畜糞の処理方
法にあり、また、本発明は、空気の存在下に、常温乃至
70℃の温度下で窒素同化能を有する微生物、タンパク
質含有廃棄物及び有機系廃棄物を混合し、この混合物
を、空気の存在下に、この混合物の水分含有率を35乃
至55重量%に調整しながら、70℃以下の温度に加熱
して、少なくとも前記有機系廃棄物を発酵させて、前記
微生物を増殖させ、この増殖した微生物を含む発酵生成
物を乾燥して、発酵乾燥生成物を形成し、この発酵乾燥
生成物と、下水汚泥若しくは畜糞又は下水汚泥及び畜糞
の混合物並びにタンパク質含有廃棄物を混合し、この混
合物を、空気の存在下に、その水分含有率を45乃至6
5重量%に調整して、70乃至100℃の温度に加熱し
ながら混合し、この加熱混合物を、空気の存在下に、そ
の水分含有率を45乃至65重量%に調整して、下水汚
泥若しくは畜糞又は下水汚泥及び畜糞を発酵させ、この
発酵生成物を乾燥することを特徴とする有機系廃棄物並
びに下水汚泥若しくは畜糞又は下水汚泥及び畜糞の処理
方法にあり、さらに、本発明は空気の存在下に、常温乃
至70℃の温度下で窒素同化能を有する微生物、タンパ
ク質含有廃棄物及び有機系廃棄物を混合し、この混合物
を、空気の存在下に、この混合物の水分含有率を35乃
至55重量%に調整しながら、70℃以下の温度に加熱
して、少なくとも前記有機系廃棄物を発酵させて、前記
微生物を増殖させ、この増殖した微生物を含む発酵生成
物を乾燥して、発酵乾燥生成物を形成し、この発酵乾燥
生成物と、下水汚泥若しくは畜糞又は下水汚泥及び畜糞
の混合物並びにタンパク質含有廃棄物を混合し、この混
合物を、空気の存在下に、水分含有率を35乃至55重
量%に調整しながら、70℃以下の温度下に混合して、
下水汚泥若しくは畜糞又は下水汚泥及び畜糞を発酵さ
せ、この加熱発酵生成物を空気の存在下に、その水分含
有率を45乃至65重量%に調整して、さらに発酵さ
せ、この発酵生成物を乾燥することを特徴とする有機系
廃棄物並びに下水汚泥若しくは畜糞又は下水汚泥及び畜
糞の処理方法にある。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明において、下水汚泥は、下
水処理施設の汚泥沈降槽や屎尿処理施設から得られる生
下水汚泥若しくは汚泥沈降槽から脱水機を経た脱水下水
汚泥又はこれら汚泥の混合物等を使用することができ、
その含水率は75重量%以上である。本発明において
は、畜糞も下水汚泥と共に又は下水汚泥とは別に処理さ
れる。本発明において、有機系廃棄物は、家庭系及び事
業系生ゴミ、例えば家庭、スーパー及びレストランなど
から排出される厨芥、野菜くず、雑草等の生の刈草など
その他生ゴミを包含し、さらに畜肉加工場や水産加工場
などから排出される腸や骨等の食品加工廃棄物を包含
し、一般に水分含有率は60乃至90重量%である。本
発明において、タンパク質含有廃棄物は、有機系廃棄物
の水分調製に使用できると共に、微生物の増殖過程で窒
素源となる廃棄物であり、比較的タンパク質を多く含む
ものであって、タンパク質含有廃棄物としては、例え
ば、乾燥おから、米糠、脱水焼酎粕若しくは脱水ビール
粕又はこれら二以上のタンパク質含有廃棄物の混合物な
どがある。本発明において、副有機質廃材は、下水汚泥
の水分調整に使用できると共に、発酵処理工程における
醗酵温度に影響を与える炭素源となる廃棄物であり、こ
のような副有機質廃材としては、粉砕籾殻、おが屑、バ
ーク、稲藁若しくは乾燥刈り草類又はこれら二以上の副
有機質廃材の混合物を使用することができる。
【0007】本発明において、有機系廃棄物の発酵処理
は、常温乃至70℃の温度下で窒素同化能を有する微生
物(以下、高温耐性微生物という)を使用して行われる。
このような高温耐性微生物としては、バチルス菌又はバ
チルス菌及び放線菌、又はこれらに加えて乳酸菌及び/
又は古細菌を含む微生物を使用することができる。この
ような高温耐性微生物は、例えば、グリーンガイア微生
物群という商品名でキヨモトバイオ株式会社から既に顧
客に頒布されている。グリーンガイア微生物群及び該グ
リーンガイア微生物群により生産される酵素は、タンパ
ク質を分解し、窒素をアミノ酸として菌体内に固定する
機能を有している。本発明における前記高温耐性微生物
は、高温耐性微生物及び該高温耐性微生物により生産さ
れる酵素を包含する。前記高温耐性微生物は、70℃乃
至100℃の温度下では胞子状態で生存でき、例えば、
この微生物及び有機系廃棄物を70℃以下の温度に加熱
して有機系廃棄物を醗酵させて、微生物を増殖させた
後、70乃至100℃の温度下で乾燥すると、細菌は殺
菌されても、前記高温耐性微生物は生き残リ、次の醗酵
工程で再度活躍する特徴を有する。前記高温耐性微生物
の一であるグリーンガイア微生物群は、複数種類のバチ
ルス菌又はバチルス菌及び放線菌を含み、さらに、これ
らに乳酸菌及び/又は古細菌を含んでいる。
【0008】本発明において使用される、常温以上70
℃以下の温度下で、窒素同化能を有する前記高温耐性微
生物は、前記有機系廃棄物を発酵させて、前記高温耐性
微生物を短時間に増殖させるために、有機系廃棄物及び
増殖のための窒素源としてのタンパク質含有廃棄物と混
合される。この高温耐性微生物を含む被発酵混合物は、
水分含有率を55重量%以下、好ましくは35乃至55
重量%に調整されながら、発酵装置内で、常温乃至70
℃の温度、例えば、40℃若しくは60℃の温度におい
て、又は40乃至60℃の温度において、例えば6時間
の間強制的に加熱されて、高温耐性微生物を増殖させな
がら、又は常温から60℃に温度が上昇する間に、高温
耐性微生物を増殖させながら、酵素を発生して、有機系
廃棄物を発酵分解処理することができる。本発明におけ
る高温耐性微生物は、それに伴う酵素と共に、常温以上
70℃以下の温度下で、高温耐性微生物体の内外におい
て、窒素同化能を有するので、発酵分解された有機系廃
棄物の窒素分を、アミノ酸に同化するので、発酵過程に
おいて、悪臭の原因となるアンモニア及びアミン類を発
生しない。
【0009】この有機系廃棄物の発酵における各材料の
配合比は、例えば、有機系廃棄物100重量部に対し、
タンパク質含有廃棄物及び副有機質廃材は、その合量で
15乃至70重量部であり、また、前記高温耐性微生物
は、戻し種菌を含めて、それとの合量で0.1乃至60
重量部であるのが好ましい。この配合比は、有機系廃棄
物の水分含有率の相違により相違し、また、タンパク質
含有廃棄物及び副有機質廃材の種類により相違し、処理
前に予め実験的に求められる。有機系廃棄物及びタンパ
ク質含有廃棄物は、何れも水を含む状態で使用されるの
で、水分含有率の調整はこれら水分を含んだ状態の材料
についての総合含水率について行われる。本発明におい
ては、前記種菌の中の前記高温耐性微生物は、生ゴミ等
の有機系廃棄物と混合されて、例えば、水分含有率が3
5乃至55重量%で、例えば、60℃の温度に加熱する
ことにより、生ゴミ等の有機系廃棄物を発酵分解させな
がら、増殖することとなる。種菌が増殖し、有機系廃棄
物の発酵による分解が進行したところで、有機系廃棄物
の発酵生成物は、黴の発生を避けるのと、有機系廃棄物
や下水汚泥若しくは畜糞又は下水汚泥及び畜糞の混合物
(以下、下水汚泥及び/又は畜糞という)の水分調整に
使用するために、70乃至100℃、好ましくは80乃
至90℃の温度で乾燥される。
【0010】本発明において、前記有機系廃棄物の発酵
処理の最終段階で発生する、前記高温耐性微生物を含む
有機系廃棄物の発酵乾燥生成物は、例えば水分含有率が
12重量%以下であり、悪臭の発生もなく、黴の発生も
なく、且つ保存可能である。有機系廃棄物の発酵乾燥生
成物は、有機系廃棄物の発酵処理用の種菌として、また
有機系廃棄物を含む被発酵混合物の水分含有率の調整用
として、有機系廃棄物に混合することができる。また、
本発明において、有機系廃棄物の発酵乾燥生成物は、下
水汚泥及び/又は畜糞の発酵処理の種菌として、また下
水汚泥及び/又は畜糞の水分含有率調整材として使用す
ることができる。
【0011】この有機系廃棄物の発酵乾燥生成物を、有
機系廃棄物の発酵処理用の種菌とする場合には、発酵乾
燥生成物は、戻し種菌として、例えばグリーンガイア微
生物群と共に、若しくは単独で発酵処理される有機系廃
棄物に混合され、又は増殖用の窒素源となるタンパク質
含有廃棄物と共に混合される。このように種菌の混合に
より、有機系廃棄物を含む被発酵混合物は、その水分含
有率を、55重量%以下、好ましくは35乃至55重量
%に調整することができる。水分含有率の調整には、有
機系廃棄物の発酵乾燥生成物の戻し種菌以外に、副有機
質廃材を、水分含有率の調整材として使用することがで
きる。副有機質廃材としては、0.1乃至2mmの粒度
の米糠、粉砕籾殻若しくはおが屑又はこれらの二以上の
混合物、並びに10mm以下、好ましくは5mm以下に
裁断された稲藁及び/又は乾燥刈り草類或いは二以上の
混合物が使用される。
【0012】これらの水分含有率調整材の中、有機系廃
棄物の発酵乾燥生成物及び融合コンポストは、下水汚泥
及び/又は畜糞に混合して、下水汚泥及び/又は畜糞の
発酵の際の種菌として使用できると共に、水分含有率の
調整においても使用することができる。下水汚泥及び/
又は畜糞にこれら種菌を混合する場合には、混合機等の
混合装置を使用して、該被発酵処理混合物の水分含有率
を、例えば下水汚泥及び/又は畜糞の場合で、65重量
%以下、好ましくは、45乃至65重量%の水分含有率
に調整することができる。
【0013】本発明の下水汚泥及び/又は畜糞の発酵工
程において、前記種菌を増殖させると、下水汚泥及び/
又は畜糞の発酵に要する日数を減らすことができる。こ
の場合は、下水汚泥及び/又は畜糞の被発酵混合物中に
種菌を急速に増殖させるために、有機系廃棄物の発酵処
理の場合と同様に、窒素源として、タンパク質含有廃棄
物を、下水汚泥及び/又は畜糞に混合して、70℃以下
の温度で、水分含有率を35乃至55重量%に調整し
て、発酵処理することにより、下水汚泥及び/又は畜糞
の被発酵混合物中に種菌を急速に増殖させることができ
る。このような種菌の増殖のための発酵は、下水汚泥及
び/又は畜糞の発酵に先立って行われる予備的な一次発
酵とすることができ、その発酵生成物は、下水汚泥及び
/又は畜糞の発酵工程に移すことができる。
【0014】積極的に種菌を増殖させることなく、下水
汚泥及び/又は畜糞に種菌を加える場合には、下水汚泥
及び/又は畜糞と、種菌及びタンパク質含有廃棄物との
混合は、混合装置において、70乃至100℃の温度に
加熱しながら又は加熱なしにその水分含有率を、45乃
至65重量%に調整して行われ、続く、下水汚泥及び/
又は畜糞の好気性発酵工程に移ることができる。この場
合には、例えば畜糞の場合は、発酵が一部進行中である
ために、タンパク質含有廃材及び副有機質廃材の添加を
行なわないで行うことができる。この加熱混合工程によ
り、続く、例えば、下水汚泥及び/又は畜糞の発酵を短
期間に終了させることができ、また種菌以外の微生物、
即ち高温耐性を有しない雑菌を殺菌することができる。
何れの場合においても、前記混合過程及び加熱混合工程
は、1乃至2時間で終了し、続く下水汚泥の発酵工程に
入る。下水汚泥の発酵工程の日数は、加熱しない混合の
場合で、大凡30日であり、加熱する混合の場合で大凡
20日であり、混合工程を発酵工程とする場合には、大
凡10日である。このように、下水汚泥の発酵工程は、
種菌の増殖を図ることによって、下水汚泥及び/又は畜
糞の発酵工程の日数を加熱なしの場合に比して短縮する
ことができる。
【0015】本発明においては、前記混合工程、加熱混
合工程及び一次発酵工程に続く下水汚泥及び/又は畜糞
の発酵処理の最終工程においては、下水汚泥及び/又は
畜糞を含む発酵生成物は、醗酵工程で発酵熱により温度
が65乃至85℃に上昇する。その結果、雑菌は死滅
し、殺菌された安全な下水汚泥及び/又はは畜糞発酵乾
燥生成物を得ることができる。一方、この発酵乾燥微生
物には、高温耐性の微生物が多く存在し、窒素分をアミ
ノ酸に同化しているので、アンモニア臭等の悪臭を発生
しない。また、この発酵乾燥生成物を、土壌に施した場
合には、該発酵乾燥微生物により、有益なアミノ酸及び
酵素類が植物の根及び根圏微生物に供給されるので、植
物は病害虫に強くなる。
【0016】本発明においては、前記有機系廃棄物の発
酵乾燥生成物により発酵及び乾燥処理された下水汚泥及
び/又は畜糞の発酵乾燥処理生成物は、カリウム成分を
含むと共に、アミノ酸に富み、長期にわたって貯蔵して
も黴の発生もなく、また悪臭の発生がないコンポストで
ある。
【0017】また、本発明において、下水汚泥として
は、生汚泥又は高分子系凝集剤を使用して沈降分離した
下水汚泥を使用することができる。生汚泥の場合は、含
水率は概略99重量%であり、高分子系凝集剤を使用し
て沈降分離した下水汚泥の場合でも、75重量%程度で
あるので、何れにしても、水分含有率を65重量%以
下、好ましくは45乃至65重量%までに引き下げなけ
ればならない。そこで、本発明においては、下水汚泥発
酵乾燥生成物を、戻し融合コンポストとして混合するこ
とができる。しかし、高分子系凝集剤を使用した沈降分
離した下水汚泥の場合は、下水汚泥の発酵段階で、下水
汚泥が凝集を起こして、下水汚泥を発酵させる上で好ま
しくない。そこで、本発明においては、この下水汚泥の
凝集を回避するために、副有機質廃材が混合される。副
有機質廃材は、凝集の回避作用を行うと共に、水分含有
率の調整作用を行う。
【0018】本発明においては、前記下水汚泥及び/又
は畜糞の発酵処理の場合、下水汚泥及び/又は畜糞と種
菌と窒素源としてのタンパク質含有廃棄物との混合、並
びに水分含有率の調整は、混合機内で比較的短時間に行
われる。この混合過程における温度及び水分含有率は、
続く下水汚泥及び/又は畜糞の発酵工程の初期段階に引
き継がれる。したがって、下水汚泥及び/又は畜糞の発
酵処理工程は、混合機の混合物の温度で開始される。
【0019】本発明において、混合機に代えて発酵装置
とすることができる。この場合は、発酵装置内の温度
は、常温乃至70℃の温度、好ましくは60℃の温度に
設定され、発酵装置内の混合物は、60℃の温度に強制
的に加熱される。この場合、下水汚泥、前記高温耐性微
生物及びタンパク質含有廃棄物を含む混合物が、例えば
60℃の温度に至ったところで、下水汚泥を、例えば6
時間の間、この温度に維持して加熱処理する。このとき
の各材料の配合比は、各材料の水分含有率によって異な
るが、例えば、下水汚泥100重量部に対し、前記高温
耐性微生物は、種菌及び戻し融合コンポストとの合量
で、15乃至65重量部であり、タンパク質含有廃材及
び副有機質廃材は、それらの合量で10乃至80重量部
であるのが好ましい。本発明において、下水汚泥、タン
パク質含有廃棄物及び副有機質廃材は、何れも水を含む
状態で使用されるので、含水率の調整はこれら水分を含
んだ状態の材料についての総合含水率について行われ
る。
【0020】本発明は、常温乃至70℃の温度範囲内の
温度下で窒素同化能を有する微生物、タンパク質含有廃
棄物及び有機系廃棄物を混合し、空気の存在下に、この
混合物の水分含有率を35乃至55重量%に調整しなが
ら、70℃以下の温度に加熱して、少なくとも前記有機
系廃棄物を発酵させて、前記微生物を増殖させ、この増
殖した微生物を含む発酵生成物を乾燥して、発酵乾燥生
成物を形成し、この発酵乾燥生成物、下水汚泥及びタン
パク質含有廃棄物を混合し、この混合物を、空気の存在
下に、その水分含有率を45乃至65重量%に調整し
て、少なくとも下水汚泥を発酵させ、この発酵生成物を
乾燥することにより有機系廃棄物及び下水汚泥の処理を
行ってコンポス化するので、有機系廃棄物及び下水汚泥
中の窒素成分は、アミノ酸に同化され、悪臭の原因とな
るアンモニア及びアミン類が生成しない。また本発明に
よると、例えば、全工程が3週間乃至6週間という少な
い日数でコンポスト化が可能である。
【0021】
【実施例】以下に図面に示す実施例に基づいて本発明に
ついて説明するが、本発明は、以下の例示及び説明によ
り何ら限定されるものではない。図1は、本発明の一実
施例について、その概略の処理工程を模式的に示すフロ
ー図である。図2は、本発明の他の一実施例について、
その概略の処理工程を模式的に示すフロー図である。図
3は、図1及び図2に示す実施例とは異なる一実施例に
ついて、その概略の処理工程を模式的に示すフロー図で
ある。図1乃至図3において対応する箇所には同一の符
号が付されている。
【0022】図1乃至図3に示す実施例は、何れもバッ
チ式で行われ、生ゴミ等の有機系廃棄物の水分含有率の
調整は、生ゴミに、種菌やタンパク質含有廃材を配合す
る時に、配合された生ゴミ含有物の水分含有率が目的の
値となるように、種菌やタンパク質含有廃材配合量を計
量して行われる。また、下水汚泥及び/又は畜糞の水分
含有率の調整は、下水汚泥及び/又は畜糞に、種菌、戻
し融合コンポスト、タンパク質含有廃材、副有機質廃材
などを配合する時に、配合された下水汚泥及び/又は畜
糞含有物の水分含有率が目的の値となるように、種菌、
戻し融合コンポスト、タンパク質含有廃材、副有機質廃
材などの夫々の配合量を計量して行われる。
【0023】例1 図1に示す実施例において、一次発酵装置1の、密封可
能に形成されているホッパー2には、グリーンガイア微
生物群計量供給槽3が、グリーンガイア微生物群をグリ
ーンガイア微生物群供給工程4を介して供給可能に連絡
し、また、有機系廃棄物計量供給槽5が、有機系廃棄物
を有機系廃棄物供給工程6を介し供給可能に連絡し、さ
らに、タンパク質含有廃材計量供給槽7が、タンパク質
含有廃材をタンパク質含有廃材供給工程8を介して供給
可能に連絡し、さらにまた、戻し種菌計量供給槽9が、
戻し種菌を戻し種菌供給工程10を介して供給可能に連
絡している。本例においては、戻し種菌計量供給槽9に
は、一次発酵装置1の排出工程11から分離する戻し種
菌第一分離供給工程12が連絡している。本例において
は、一次発酵装置1は、加熱ジャケットを備え、また長
軸方向に沿って複数の回転羽根を有する回転軸が設けら
れている撹拌機が備えられている。本例において、回転
羽根は中空に形成されており、中空部に加熱媒体が導入
可能に形成されており、攪拌中に回転羽根内に加熱蒸気
等の加熱媒体等を送って被発酵混合物を加熱することが
できる。
【0024】本例においては、有機系廃棄物、グリーン
ガイア微生物群、タンパク質含有廃材及び戻し種菌の被
発酵混合物が、一次発酵装置で発酵処理された後、乾燥
され、冷却されて発酵乾燥生成物を形成する。この形成
された発酵乾燥生成物は、下水汚泥及び/又は畜糞を発
酵処理するための種菌として使用される。本例におい
て、混合機13には、下水汚泥、種菌、戻し融合コンポ
スト、副有機質廃材及びタンパク質含有廃材が入れられ
て混合される。混合機13のホッパー14には、下水汚
泥及び/又は畜糞計量供給槽15が、下水汚泥及び/又
は畜糞を、下水汚泥及び/又は畜糞供給工程16を介し
て供給可能に連絡し、また、副有機質廃材計量供給槽1
7が、副有機質廃材を、副有機質廃材供給工程18を介
して供給可能に連絡し、さらに、タンパク質含有廃材計
量供給槽19が、タンパク質含有廃材を、タンパク質含
有廃材供給工程20を介して供給可能に連絡し、さらに
また、種菌計量供給槽21が、種菌を、種菌供給工程2
2を介して供給可能に連絡し、更に加えて、戻し融合コ
ンポスト計量供給槽23が、戻し融合コンポストを、戻
し融合コンポスト供給工程24を介して供給可能に連絡
している。本例においては、種菌計量供給槽21には、
一次発酵装置1の一次発酵乾燥生成物排出工程11から
分岐する種菌第二分岐工程25が連絡しており、また、
戻し融合コンポスト計量供給槽23には、二次発酵装置
27の二次発酵乾燥生成物排出工程29から分離する戻
し融合コンポストの戻し工程30が連絡している。
【0025】本例においては、混合機13には、長軸方
向に沿って複数の回転羽根を有する回転軸が設けられて
いる撹拌機が備えられている。また、混合機13の混合
物排出工程26は、混合機13において混合された混合
物を、二次発酵装置27のホッパー28に供給可能に連
絡している。本例においては、二次発酵装置27は、長
軸方向及び長軸方向に対し直交する方向に沿って移動可
能の攪拌羽根を有する切返し機(図示されていない)及び
水分調整用の散水ノズル装置が備えられており、二次発
酵装置27に供給された混合物を、切返し攪拌して水分
調整しながら発酵させ、この発酵生成物をエアレーショ
ン下に攪拌して乾燥発酵させる。この発酵乾燥生成物
は、二次発酵装置の排出工程29から排出される。排出
工程29は、二路に分かれており、一方の分岐工程は戻
し融合コンポスト戻し工程30であって、戻し融合コン
ポスト供給槽23に連絡しており、もう一方の分岐工程
は、融合コンポスト製品取り出し工程31である。
【0026】本例は以上のように構成されているので、
一次発酵装置には、グリーンガイア微生物群計量供給槽
3から水分含有率10重量%のグリーンガイア微生物群
の0.1乃至6重量部が供給工程4を介して供給され、
また、有機系廃棄物計量供給槽5から、水分含有率65
重量%の生ゴミ100重量部が有機系廃棄物供給工程6
を介して供給され、さらにタンパク質含有廃材計量供給
槽7から水分含有率12重量%の米糠15乃至70重量
部がタンパク質含有廃材供給工程8を介して供給され
る。さらにまた、戻し種菌計量供給槽8から水分含有率
10重量%の戻し種菌0乃至60重量部が戻し種菌供給
工程10を介して供給される。一次発酵装置内に供給さ
れるグリーンガイア微生物群、有機系廃棄物、タンパク
質含有廃材及び戻し種菌の混合物は、それらの混合によ
り、その水分含有率が、35乃至55重量%に調節され
る。一次発酵装置1内において、有機系廃棄物の発酵用
の混合物は、加熱ジャケットにより、また攪拌羽根内の
加熱蒸気により発酵温度の60℃の温度に加熱される。
本例において、乾燥工程は、一次発酵装置内へ更に加熱
空気を吹き込むことによって行われる。乾燥工程におけ
る一次発酵装置内1内の温度は70℃以上の温度となっ
ており、グリーンガイア微生物群以外の微生物は死滅さ
せることができる。一次発酵装置内の混合物の発酵時間
は概略6時間であり、続く概略4時間半が乾燥工程であ
り、この乾燥工程において、発酵生成物は、水分含有率
が10重量%以下にまで乾燥され、その後5時間かけて
冷却される。本例において、発酵工程及び乾燥工程の時
間的比率は、生ゴミの成分により、また発酵温度により
変動し、適宜調整される。
【0027】一次発酵装置1に続く混合機13のホッパ
ー14には、下水汚泥及び/又は畜糞計量供給槽15か
ら、例えば、水分含有率70乃至85重量%の、高分子
系凝集剤使用の消化汚泥脱水ケーキ100重量部が下水
汚泥及び/又は畜糞供給工程16を介して供給され、ま
た、副有機質廃材計量供給槽17から、水分含有率25
重量%のおが屑0乃至40重量部が副有機質廃材供給工
程18を介して供給され、さらにタンパク質含有廃材計
量供給槽19から水分含有率12重量%の米糠10乃至4
0重量部がタンパク質含有廃材供給工程20を介して供
給され、さらにまた、種菌計量供給槽21から水分含有
率7乃至12重量%の種菌15乃至50重量部が種菌供給
工程22を介して供給され、さらに、戻し融合コンポス
ト計量供給槽23から水分含有率10乃至20重量%の
戻し融合コンポスト0乃至50重量部が戻し融合コンポ
スト供給工程24を介して供給される。混合機に供給さ
れた下水汚泥、副有機質廃材、タンパク質含有廃材、種
菌及び戻し融合コンポストは、撹拌混合されて下水汚泥
を発酵させるための発酵用の混合物が形成される。本例
において、混合機13には、温度調整装置は設けられて
おらず、水分含有率を調整した後、二次発酵装置に送ら
れる。
【0028】混合機13において、混合機13に供給さ
れた下水汚泥、副有機質廃材、タンパク質含有廃材、種
菌及び戻し融合コンポストは、1乃至2時間かけて、十
分に混合され、混合機13の排出工程26を介して、下
水汚泥及び/又は畜糞用の発酵装置である二次発酵装置
27に送り出される。二次発酵装置27に導入される混
合機13からの混合物は、混合材料の夫々の水分含有率
により水分調整されており、その水分含有率は、45乃
至65重量%となつている。本例においては、加熱機能
が設けられていないが、二次発酵用の混合物は、二次発
酵装置26内において好気性発酵の発熱反応の反応熱に
より徐々に温度が上昇する。本例において、二次発酵を
開始して4日目には65乃至85℃まで温度は上昇し、
グリーンガイア微生物群以外の微生物を死滅させること
ができる。本例においては、混合機13から排出された
混合物の水分含有率は45乃至65重量%であり、二次
発酵装置内の混合物の発酵は概略30日であり、発酵処
理後、発酵混合物は水分含有率が10重量%になるまで
10日かけて乾燥された。発酵乾燥生成物の融合コンポ
ストは、二次発酵装置27の排出工程29から排出され
る。
【0029】本例においては、混合機13に下水汚泥の
みが供給されているが、下水汚泥に代えて下水汚泥及び
畜糞の混合物を供給しても同様の融合コンポストを製造
することができる。しかし、畜糞を加えた場合は、畜糞
の量に応じて、コンポスト中のカリウムの含有量を増加
させることができる。また畜糞のみを原材料とし、この
畜糞に種菌を混合してコンポスト化することができる。
この場合は、混合機13において、畜糞に、副有機質廃
材及びタンパク質含有廃材を添加しないで、畜糞、種菌
及び戻し融合コンポストの混合物を、水分含有率を45
乃至65重量%に調整して行うことができる。
【0030】例2 図2に示す実施例は、図1に示す実施例と比較して、図
1の実施例の混合機が加熱混合機に置き換わった点で相
違し、他の点は同一である。即ち、本例においては、一
次発酵装置1で発酵後、乾燥及び冷却された発酵乾燥混
合物は、種菌として、下水汚泥及び/又は畜糞の発酵に
使用される。本例においては、加熱混合機32におい
て、下水汚泥及び/又は畜糞、戻し融合コンポスト、副
有機質廃材及びタンパク質含有廃材が混合され、水分含
有率を45乃至65重量%で、70乃至85の温度に加
熱される。加熱混合機32の密閉可能に形成されている
ホッパー33には、下水汚泥及び/又は畜糞計量供給槽
15が、下水汚泥及び/又は畜糞供給工程16を介して
連絡し、副有機質廃材計量供給槽17が副有機質廃材供
給工程18を介して連絡し、タンパク質含有廃材計量供
給槽19がタンパク質含有廃材供給工程20を介して連
絡し、種菌計量供給槽21が種菌供給工程22を介して
連絡し、戻し融合コンポスト計量供給槽23が戻し融合
コンポスト供給工程24を介して連絡している。本例に
おいては、種菌計量供給槽21には、一次発酵装置1の
排出工程11から分岐する種菌第二分岐工程25が接続
している。
【0031】本例においては、混合機32には、加熱ジ
ャケットが設けられ、長軸方向に沿って複数の回転羽根
を有する回転軸が設けられている撹拌機が備えられてい
る。該混合機32の排出工程34は、二次発酵装置27
のホッパー28に連絡している。本例においては、二次
発酵装置27は、図1に示す実施例における二次醗酵装
置と同様に形成されており、長軸方向及び該長軸方向に
対し直交する方向(幅方向)に沿って移動可能の攪拌羽
根を有する切返し機が設けられており、また、乾燥工程
にはエアレーション装置(図示されていない)が設けられ
ている。乾燥工程において乾燥されて形成された発酵乾
燥生成物は、二次発酵装置の排出工程29から排出され
る。この排出工程29は、二路に分かれており、一方の
分岐工程は戻し融合コンポスト戻し工程30であって、
戻し融合コンポスト計量供給槽23に連絡しており、も
う一方の分岐工程は、融合コンポスト製品取り出し工程
31である。
【0032】加熱混合機32は、図1に示す実施例の混
合機とは、外壁に加熱ジャケットが設けられて加熱可能
となっている点及び回転羽根が中空に形成され、内部に
加熱蒸気を通して加熱可能となっている点で相違し、他
の点では同一である。本例においては、例1の場合と同
様である。即ち、一次発酵装置1に続く混合機32の密
封可能に形成されているホッパー33には、下水汚泥及
び/又は畜糞計量供給槽15から、例えば、水分含有率
70乃至85重量%の、高分子系凝集剤使用の消化汚泥
脱水ケーキ100重量部が下水汚泥及び/又は畜糞供給
工程16を介して供給され、また、副有機質廃材計量供
給槽17から、水分含有率25重量%のおが屑0乃至4
0重量部が副有機質廃材計量供給工程18を介して供給
され、さらにタンパク質含有廃材計量供給槽19から水
分含有率12重量%の米糠10乃至40重量部がタンパ
ク質含有廃材供給工程20を介して供給され、さらにま
た、種菌計量供給槽21から水分含有率7乃至12重量
%の種菌15乃至50重量部が種菌供給工程22を介して
供給され、さらに、戻し融合コンポスト計量供給槽23
から水分含有率10乃至20重量%の戻し融合コンポス
ト0乃至50重量部が戻し融合コンポスト供給工程24
を介して供給される。混合機に供給された下水汚泥、副
有機質廃材、タンパク質含有廃材、種菌及び戻し融合コ
ンポストは、撹拌混合されて下水汚泥を発酵させるため
の発酵用の混合物が形成される。本例において、混合機
32には、温度調整装置が設けられており、下水汚泥等
の混合過程で、下水汚泥の発酵用の混合物は、70℃以
上の温度に加熱されるので、グリーンガイア微生物群以
外の雑菌は滅菌されて、続く醗酵工程は、専ら、グリー
ンガイア微生物群による醗酵となる。
【0033】本例において、加熱混合機32に供給され
た下水汚泥、副有機質廃材、タンパク質含有廃材、種菌
及び戻し融合コンポストは、1乃至2時間かけて、70
℃以上の温度下で十分に混合され、混合機32の排出工
程34を経て、下水汚泥及び/又は畜糞用の発酵装置で
ある二次発酵装置27に送り出される。二次発酵装置2
7に導入される混合機32からの混合物は、混合材料の
夫々の水分含有率により水分調整されており、その水分
含有率は、45乃至65重量%となつている。加熱混合
された混合物の温度は、70℃以上の温度となってお
り、略醗酵温度となつているので、その侭二次醗酵装置
27に供給されて、二次醗酵される。本例において、混
合工程において、加熱された二次発酵用の混合物は、二
次発酵装置27内において好気性発酵の発熱反応の反応
熱により徐々に温度が上昇する。本例において、二次醗
酵を開始して暫くすると、65乃至85℃まで温度は上
昇し、グリーンガイア微生物群以外の微生物を死滅させ
ることができる。本例においては、混合機13から排出
された混合物の水分含有率は45乃至65重量%である
が、二次発酵装置内の混合物の水分含有率は醗酵熱によ
り水分が蒸発するので、水を加えて、45乃至65重量
%に調整した。本例における発酵工程は概略20日であ
った。また、発酵処理後に行われた乾燥工程は、概略1
0日であった。この乾燥工程の日数は、二次醗酵生成物
を、水分含有率が15重量%になるまで乾燥に要した日
数である。
【0034】本例においては、混合機32に下水汚泥の
みが供給されているが、下水汚泥に代えて下水汚泥及び
畜糞の混合物を供給しても同様の融合コンポストを製造
することができる。また畜糞のみを原材料とし、この畜
糞に種菌を混合してコンポスト化することができる。こ
の場合は、混合機32において、畜糞に、副有機質廃材
及びタンパク質含有廃材を添加しないで、畜糞、種菌及
び戻し融合コンポストの混合物を、水分含有率を45乃
至65重量%に調整して行うことができる。
【0035】例3 図3に示す実施例は、図1及び図2に示す実施例と比較
して、図1及び図2の実施例の混合機又は加熱混合機を
二次発酵装置に代え、図1及び図2の実施例の二次発酵
装置をそのまま三次発酵装置とした点で相違し、他の点
は同一である。即ち、本例においては、一次発酵装置1
で有機系廃棄物を発酵後、乾燥及び冷却された発酵乾燥
混合物は、種菌として、次いで二次発酵装置35におい
て、下水汚泥及び/又は畜糞、戻し融合コンポスト、副
有機質廃材及びタンパク質含有廃材と混合され、60℃
の温度下で発酵処理される。二次発酵装置35の密閉可
能に形成されているホッパー36には、下水汚泥及び/
又は畜糞計量供給槽15が、下水汚泥及び/又は畜糞供
給工程16を介して連絡し、また、副有機質廃材計量供
給槽17が副有機質廃材供給工程18を介して連絡し、
さらに、タンパク質含有廃材計量供給槽19がタンパク
質含有廃材供給工程20を介して連絡し、種菌計量供給
槽21が種菌供給工程22を介して連絡し、さらにま
た、戻し融合コンポスト計量供給槽23が種菌供給工程
24を介して連絡している。本例においては、種菌計量
供給槽21には、一次発酵装置1の排出工程11から分
岐する戻し種菌第二分岐工程25が接続している。
【0036】本例においては、二次発酵装置35には、
図1の例における一次発酵装置と同様に、加熱ジャケッ
トを備え、また、長軸方向にに沿って複数の回転羽根を
有する回転軸が設けられている攪拌機が備えられてい
る。二次発酵装置35の排出工程37は、三次発酵装置
38のホッパー39に接続している。本例においては、
三次発酵装置38は、図1及び図2に示す実施例の二次
発酵装置27と同様に、長軸方向及び該長軸方向に対し
直交する方向(幅方向)に沿って移動可能の回転羽根を
有する切返し機(図示されていない)が設けられている。
また、三次発酵装置の作業はバッチ式で行われ、前半の
工程は、水分調整と攪拌、切返し主体とした醗酵工程で
あり、後半の工程は、エアレーションと攪拌及び切返し
を主体とした乾燥工程である。三次発酵装置38の乾燥
工程において乾燥されて形成された発酵乾燥生成物は、
排出工程40から排出される。この排出工程40は、二
路に分かれており、一方の分岐工程は戻し融合コンポス
ト戻し工程41であって、戻し融合コンポスト供給槽2
3に連絡しており、もう一方の分岐工程は、融合コンポ
スト製品取り出し工程42である。
【0037】本例においても、二次発酵装置の作業は、
グリーンガイア微生物群の増殖を図るために行われる。
本例において、二次醗酵装置35内は、外壁に設けられ
ている加熱ジャケット及び中空状に形成されている回転
羽根内、加熱蒸気を通して被二次発酵混合物は、加熱さ
れる。一次発酵装置1に続く二次醗酵装置35のホッパ
ー36には、下水汚泥及び/又は畜糞計量供給槽15か
ら、例えば、水分含有率70乃至85重量%の、高分子
系凝集剤使用の消化汚泥脱水ケーキ100重量部が下水
汚泥及び/又は畜糞供給工程16を介して供給され、ま
た、副有機質廃材計量供給槽17から、水分含有率25
重量%のおが屑0乃至40重量部が副有機質廃材供給工
程18を介して供給され、さらにタンパク質含有廃材計
量供給槽19から水分含有率12重量%の米糠10乃至4
0重量部がタンパク質含有廃材供給工程20を介して供
給され、さらにまた、種菌計量供給槽21から水分含有
率7乃至12重量%の種菌15乃至50重量部が種菌供
給工程22を介して供給され、さらに、戻し融合コンポ
スト計量供給槽23から水分含有率10乃至20重量%
の戻し融合コンポスト0乃至50重量部が戻し融合コン
ポスト供給工程24を介して供給される。
【0038】二次発酵装置35において、二次発酵装置
35に供給された下水汚泥、副有機質廃材、タンパク質
含有廃材、種菌及び戻し融合コンポストを含む発酵混合
物は、水分含有率が35乃至55重量%に調整されてお
り、二次発酵装置において、6時間の間、60℃の温度下
で十分に混合されて発酵処理される。この発酵処理後、
二次発酵生成物は、二次発酵装置35の排出工程37を
介して、三次発酵装置38に供給される。三次発酵装置
38に供給された二次発酵生成物は、その水分含有率
は、35乃至55重量%となつている。本例において、
三次発酵装置は38には、加熱機能が備えられていない
が、三次発酵装置38に供給された二次発酵生成物は、
三次発酵装置38内における好気性発酵の発熱反応の反
応熱により徐々に温度が上昇し、三次発酵が行われる。
本例において、二次発酵を開始して暫くすると65乃至8
5℃まで温度は上昇し、グリーンガイア微生物群以外の
微生物を死滅させることができる。本例においては、二
次発酵装置35から排出された二次発酵生成物の水分含
有率は35乃至55重量%であり、三次発酵装置内で水
分含有率を45乃至65重量%に調整して、攪拌及び切
返しを行い、概略10日かけて発酵させた。この発酵中
の発酵混合物の温度は発酵熱により、65乃至85℃と
なり、雑菌は死滅する。この発酵の後、この発酵混合物
の水分含有率が、12重量%になるまで、概略10日か
けてエアレーションと攪拌及び霧返しを行って乾燥し
た。本例において、三次発酵装置38の出口側は乾燥さ
れた発酵生成物の排出工程40である。
【0039】本例においては、二次発酵装置35に下水
汚泥のみが供給されているが、下水汚泥に代えて下水汚
泥及び畜糞の混合物を供給しても同様の融合コンポスト
を製造することができる。また畜糞のみを原材料とし、
この畜糞に種菌を混合してコンポスト化することができ
る。この場合は、二次発酵装置35において、畜糞にタ
ンパク質含有廃材、種菌及び戻し融合コンポストを混合
し、下水汚泥の場合と同様に、この混合物の水分含有率
を35乃至55重量%に調整して、発酵温度60℃の温
度においてグリーンガイア微生物群の増殖発酵を6時間
行なう。二次発酵装置の発酵生成物は、三次発酵装置3
8送られてさらに発酵され、その後、乾燥されてコンポ
スト製品とされた。
【0040】図1、図2及び図3に示す実施例におい
て、戻し種菌計量供給槽9が設けられているが、戻し種
菌計量供給槽9は省略することができる。この場合は、
何れの実施例においても、一次醗酵装置1内の一次醗酵
生成物の全量又は一部を一次醗酵装置1内に残して、該
一次醗酵装置内に、グリーンガイア微生物群計量供給槽
3から所定量のグリーンガイア微生物群を供給し、また
有機系廃棄物計量供給槽5から所定量の有機系廃棄物を
供給し、さらに、タンパク質含有廃材計量供給槽7から
タンパク質含有廃材を供給することとなる。また、図
1、図2及び図3に示す実施例において、一次醗酵装置
1は、何れも、醗酵工程及び乾燥工程を一つの槽内で行
うように形成されているが、醗酵工程と乾燥工程を別の
槽で行うように形成することができる。
【0041】図3に示す実施例において、得られた融合
コンポストの製品の分析結果を、次の表に示す。 表 分析項目 分析値 全窒素(重量%) 3.3 P25(重量%) 5.4 K2O(重量%) 1.6 炭素率(C/N) 17.3 Hg(ppm) 0.03 Cd(ppm) 0.7 As(ppm) 2 Cr(ppm) 6 Ni(ppm) 9 Pb(ppm) 11 pH 6.0 水分含有率 12.0 図1乃至図3に示す実施例において、下水汚泥が使用さ
れているが、下水汚泥の一部又は全部を畜糞に代えるこ
とができる。下水汚泥を発酵させるときに、下水汚泥に
残留する凝集剤の作用により、塊が形成されると、嫌気
性発酵し易くなるので、凝集剤の作用を希釈するため
に、種菌及び副有機質廃材を使用することができる。図
1乃至図3に示す実施例により得られた融合コンポスト
を、4m当たり2乃至3kgの割合で、芝生に散布し
て施肥効果を2週間に亘って観察したところ、散布しな
い場合と比較して、芝生の色が濃くなり、また、成長速
度が2乃至3倍となるなど、その結果は頗る有効であっ
た。
【0042】例4 一次発酵装置1に、グリーンガイア微生物群供給槽3か
ら水分含有率10重量%のグリーンガイア微生物群の1
0kgが供給工程4から供給し、また、有機系廃棄物供
給槽5から、水分含有率65重量%の生ゴミ415kg
が有機系廃棄物供給工程6から供給し、さらにタンパク
質含有廃材供給槽7から水分含有率12重量%の米糠1
95kgがタンパク質含有廃材供給工程8から供給し
た。一次発酵装置1において、供給されたグリーンガイ
ア微生物群、生ゴミ及び米糠の混合物の水分は48重量
%であった。この混合物を、1時間かけて、60℃の温
度に加熱した。60℃の温度で6時間かけて発酵させ
た。発酵後、70℃以上の温度で、4時間30分かけて
乾燥した。乾燥工程における最高温度は89℃であっ
た。冷却時間は5時間を要した。得られた生ゴミ発酵乾
燥生成物の量は294kgであり水分は9重量%であっ
た。このように製造された生ゴミ発酵乾燥生成物20重
量部を、牛糞80重量部と混合機13により混合した。
混合後の水分含有率は60重量%であった。30日の
間、牛糞と生ゴミ発酵乾燥生成物の混合物を切り返し混
合し、その後10日間エアレーション下に、切り返し混
合して乾燥し、堆肥化した。製造された堆肥の臭気測定
においては、アンモニア、アミン、メルカプタン及び硫
化水素については検出されなかったが、酢酸が僅かに検
出された。
【0043】例5 例1に記載の方法に従って製造された水分含有率7重量
%の生ゴミ発酵乾燥生成物を種菌とした。本例におい
て、水分含有率7重量%の種菌480kg、水分含有率
80重量%の下水汚泥1000kg及び水分含有率は9
重量%の粉砕籾殻155kgを、加熱混合機32におい
て混合した。混合後の水分含有率は52重量%であっ
た。この混合物を、2時間かけて、80℃の温度に加熱
し、1時間かけて混合した。混合後、水分含有率を45
乃至55重量%に調整して、20日間切り返し混合して
醗酵させ、その後10日間、エアレーション下に切り返
し混合して乾燥し、堆肥化した。製造された堆肥の臭気
測定においては、アンモニア、アミン、メルカプタン及
び硫化水素については検出されなかったが、酢酸が僅か
に検出された。
【0044】例6 例1に記載の生ゴミ発酵処理方法に従って製造された水
分含有率10重量%の生ゴミ発酵乾燥生成物を種菌とし
た。本例において、水分含有率10重量%の種菌300
kg、水分含有率70重量%の下水汚泥1000kg及
び水分含有率は2重量%の乾燥おから300kgを、二
次発酵装置35において混合した。混合後の水分含有率
は46重量%であった。この混合物を、1時間かけて、
60℃の温度に加熱し、6時間かけて発酵させた。発酵
後、散水して、水分含有率を約45乃至65重量%に調
整しながら、10日の間切り返し混合して醗酵させ、そ
の後、エアレーション下に切り返し混合して、乾燥し堆
肥化した。製造された堆肥の臭気測定においては、アン
モニア、アミン、メルカプタン及び硫化水素については
検出されなかったが、酢酸が僅かに検出された。
【0045】例7 一次発酵装置1に、グリーンガイア微生物群計量供給槽
3から水分含有率10重量%のグリーンガイア微生物群
の5kgが供給工程4から供給され、また、有機系廃棄
物計量供給槽5から、水分含有率55重量%の魚のあら
4213kgが有機系廃棄物供給工程6から供給され、
さらにタンパク質含有廃材計量供給槽7から水分含有率
12重量%の米糠2100kgがタンパク質含有廃材供
給工程8から供給された。本例においては、さらに、水
200kgが一次発酵装置1に加えられた。本例におけ
る一次発酵装置1内に供給されたグリーンガイア微生物
群、魚のあら及び米糠を含む混合物の水分含有率は、4
3重量%であつた。この混合物を、1時間かけて、60
℃の温度に加熱した。60℃の温度で6時間かけて発酵
させた。発酵後、70℃以上の温度で、7時間かけて乾
燥した。乾燥工程における最高温度は89℃であった。
冷却時間は5時間30分を要した。得られた魚のあらの
発酵乾燥生成物の量は4045kgであり水分は12重
量%であった。このように製造された水分含有率12重
量%の魚のあらの発酵乾燥生成物20重量部及び水分含
有率12重量%の米糠20重量部を、牛糞60重量部と
混合機13により混合した。混合後の水分含有率は60
重量%であった。30日の間、牛糞と生ゴミ発酵乾燥生
成物の混合物を切り返し混合し、その後10日間エアレ
ーション下に、切り返し混合して乾燥し、堆肥化した。
製造された堆肥の臭気測定においては、アンモニア、ア
ミン、メルカプタン及び硫化水素については検出されな
かったが、酢酸が僅かに検出された。
【0046】例8 本例においては、発酵用の微生物として、例1において
得られた水分含有率10重量%の生ゴミの発酵乾燥生成
物を種菌とし、さらに、水分含有率10重量%のグリー
ンガイア微生物群を使用した。本例においては、水分含
有率10重量%の種菌167kg、水分含有率が10重
量%のグリーンガイア微生物群の80kg、水分含有率
が74重量%の下水汚泥の1000kg、水分含有率が
9重量%の井草粉砕物の70kg及び水分含有率が25
重量%の大鋸屑の100kgを、加熱混合機32におい
て混合した。混合後の水分含有率は56重量%であっ
た。この混合物を、2時間かけて、80℃の温度に加熱
して、その温度で1時間かけて混合した。混合後、水分
含有率を45乃至65重量%に調整して、20日間切り
返し混合して醗酵させ、その後10日間、エアレーショ
ン下に切り返し混合して乾燥し、堆肥化した。製造され
た堆肥の臭気測定においては、アンモニア、アミン、メ
ルカプタン及び硫化水素については検出されなかった
が、酢酸が僅かに検出された。
【0047】例9 例1で製造された水分含有率10重量%の生ゴミ発酵乾
燥生成物を種菌とした。本例において、水分含有率10
重量%の種菌345kg、グリーンガイア微生物群39
5kg及び水分含有率70重量%の下水汚泥1000k
gを二次発酵装置35に入れて混合した。混合後の水分
含有率は44重量%であった。この混合物を、1時間か
けて、60℃の温度に加熱し、この温度60℃におい
て、6時間かけて発酵させた。発酵後、400kgの水
を加えて、水分含有率を約55重量%に調整して、その
後,発酵熱により水分が蒸発するので、散水して水分含
有率が45乃至65重量%になるように調整して、10
日の間切り返し混合して醗酵させた。この発酵後、10
日間に亘り、エアレーション下に切り返し混合して、乾
燥し堆肥化した。製造された堆肥の臭気測定において
は、アンモニア、アミン、メルカプタン及び硫化水素に
ついては検出されなかったが、酢酸が僅かに検出され
た。
【0048】
【発明の効果】本発明は、常温乃至70℃の温度範囲内
の温度下で窒素同化能を有する微生物、タンパク質含有
廃材及び有機系廃棄物を混合し、空気の存在下に、この
混合物の水分含有率を35乃至55重量%に調整しなが
ら、70℃以下の温度に加熱して、少なくとも前記有機
系廃棄物を発酵させて、前記微生物を増殖させ、この増
殖した微生物を含む発酵生成物を乾燥して、発酵乾燥生
成物を形成し、この発酵乾燥生成物、下水汚泥若しくは
畜糞又は下水汚泥及び畜糞の混合物並びにタンパク質含
有廃材を混合し、この混合物を、空気の存在下に、その
水分含有率を45乃至65重量%に調整して、少なくと
も下水汚泥若しくは畜糞又は下水汚泥及び畜糞の混合物
を発酵させ、この発酵生成物を乾燥することにより有機
系廃棄物並びに下水汚泥若しくは畜糞又は下水汚泥及び
畜糞の混合物の処理を行ってコンポスト化するので、従
来の有機系廃棄物及び下水汚泥コンポスト若しくは畜糞
堆肥と比較して、悪臭の発生がみられず、また、全工程
の処理時間を短縮させることができるなどの点で優れて
いる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例について、その概略の処理工
程を模式的に示すフロー図である。
【図2】本発明の他の一実施例について、その概略の処
理工程を模式的に示すフロー図である。
【図3】図1及び図2に示す実施例とは異なる一実施例
について、その概略の処理工程を模式的に示すフロー図
である。
【符号の説明】
1 一次発酵装置 2 一次発酵装置1のホッパー 3 グリーンガイア微生物群計量供給槽 4 グリーンガイア微生物群供給工程 5 有機系廃棄物計量供給槽 6 有機系廃棄物供給工程 7 タンパク質含有廃材供給槽 8 タンパク質含有廃材計量供給工程 9 戻し種菌計量供給槽 10 戻し種菌供給工程 11 一次発酵装置の排出工程 12 戻し種菌第一分岐工程 13 混合機 14 混合機13のホッパー 15 下水汚泥及び/又は計量供給槽 16 下水汚泥及び/又は畜糞供給工程 17 副有機質廃材計量供給槽 18 副有機質廃材供給工程 19 タンパク質含有廃材計量供給槽 20 タンパク質含有廃材供給工程 21 種菌計量供給槽 22 種菌供給工程 23 戻し融合コンポスト計量供給槽 24 戻し融合コンポスト供給工程 25 種菌供給用の第二分岐工程 26 混合機13の排出工程 27 二次発酵装置 28 二次発酵装置27のホッパー 29 二次発酵装置27の排出工程 30 排出工程29の一方の分岐工程 31 融合コンポスト製品出口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 1/00 (C05F 15/00 //(C05F 15/00 11:08 11:08 3:00) 3:00) (C05F 15/00 (C05F 15/00 11:08 11:08 7:00) 7:00) (C12N 1/00 (C12N 1/00 C12R 1:07) C12R 1:07) (C12N 1/00 (C12N 1/00 C12R 1:01) C12R 1:01) B09B 3/00 D (72)発明者 岩本 尚久 宮崎県延岡市土々呂町6丁目1633番地 清 本鐵工株式会社内 Fターム(参考) 4B065 AA01X AA15X AC20 BB19 BB23 BB26 BC31 BC32 BD10 CA55 4D004 AA01 AC05 BA04 CA15 CA18 CA22 CB02 CB21 4D059 AA01 AA03 AA07 BA01 BA22 BD01 CC01 EB01 EB06 4H061 AA02 CC35 CC47 CC51 CC55 CC60 EE03 EE66 GG18 GG19 GG41 GG48 GG49 GG70 LL02 LL26

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 常温乃至70℃の温度下で窒素同化能を
    有する微生物及び有機系廃棄物を混合し、空気の存在下
    に、この混合物の水分含有率を35乃至55重量%に調
    整しながら、70℃以下の温度に加熱して、少なくとも
    前記有機系廃棄物を発酵させて、前記微生物を増殖さ
    せ、この増殖した微生物を含む発酵生成物を乾燥して、
    発酵乾燥生成物を形成し、この発酵乾燥生成物と、下水
    汚泥若しくは畜糞又は下水汚泥及び畜糞の混合物を混合
    し、この混合物を、空気の存在下に、その水分含有率を
    45乃至65重量%に調整して、下水汚泥若しくは畜糞
    又は下水汚泥及び畜糞を発酵させ、この発酵生成物を乾
    燥することを特徴とする有機系廃棄物並びに下水汚泥若
    しくは畜糞又は下水汚泥及び畜糞の処理方法。
  2. 【請求項2】 空気の存在下に、常温乃至70℃の温度
    下で窒素同化能を有する微生物、タンパク質含有廃棄物
    及び有機系廃棄物を混合し、この混合物を、空気の存在
    下に、この混合物の水分含有率を35乃至55重量%に
    調整しながら、70℃以下の温度に加熱して、少なくと
    も前記有機系廃棄物を発酵させて、前記微生物を増殖さ
    せ、この増殖した微生物を含む発酵生成物を乾燥して、
    発酵乾燥生成物を形成し、この発酵乾燥生成物と、下水
    汚泥若しくは畜糞又は下水汚泥及び畜糞の混合物並びに
    タンパク質含有廃棄物を混合し、この混合物を、空気の
    存在下に、その水分含有率を45乃至65重量%に調整
    して、70乃至100℃の温度に加熱しながら混合し、
    この加熱混合物を、空気の存在下に、その水分含有率を
    45乃至65重量%に調整して、下水汚泥若しくは畜糞
    又は下水汚泥及び畜糞を発酵させ、この発酵生成物を乾
    燥することを特徴とする有機系廃棄物並びに下水汚泥若
    しくは畜糞又は下水汚泥及び畜糞の処理方法。
  3. 【請求項3】 空気の存在下に、常温乃至70℃の温度
    下で窒素同化能を有する微生物、タンパク質含有廃棄物
    及び有機系廃棄物を混合し、この混合物を、空気の存在
    下に、この混合物の水分含有率を35乃至55重量%に
    調整しながら、70℃以下の温度に加熱して、少なくと
    も前記有機系廃棄物を発酵させて、前記微生物を増殖さ
    せ、この増殖した微生物を含む発酵生成物を乾燥して、
    発酵乾燥生成物を形成し、この発酵乾燥生成物と、下水
    汚泥若しくは畜糞又は下水汚泥及び畜糞の混合物並びに
    タンパク質含有廃棄物を混合し、この混合物を、空気の
    存在下に、水分含有率を35乃至55重量%に調整しな
    がら、70℃以下の温度下に混合して、下水汚泥若しく
    は畜糞又は下水汚泥及び畜糞を発酵させ、この加熱発酵
    生成物を空気の存在下に、その水分含有率を45乃至6
    5重量%に調整して、さらに発酵させ、この発酵生成物
    を乾燥することを特徴とする有機系廃棄物並びに下水汚
    泥若しくは畜糞又は下水汚泥及び畜糞の処理方法。
  4. 【請求項4】 微生物が、バチルス菌を含む微生物であ
    ることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の有機系
    廃棄物並びに下水汚泥若しくは畜糞又は下水汚泥及び畜
    糞の処理方法。
  5. 【請求項5】 微生物が、バチルス菌に加えて、放線
    菌、乳酸菌若しくは古細菌、又は放線菌、乳酸菌及び古
    細菌の中の二以上の菌を含む微生物であることを特徴と
    する請求項1、2又は3に記載の有機系廃棄物並びに下
    水汚泥若しくは畜糞又は下水汚泥及び畜糞の処理方法。
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