JP4887121B2 - 安全率計算装置および安全率計算方法 - Google Patents
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Description
このような災害に対しては、災害による人的、物的損害を最小限に抑えるため、事前に崩壊を予測することにより、崩壊の恐れのある斜面の周辺に居住する住民に避難勧告を出したり、斜面の周辺を通過する鉄道の運転規制を行なったりすることが望ましい。
沖村、市川「数値地形モデルを用いた表層崩壊危険度の予測法」、土木学会論文集、土木学会、1985年6月、358/III−3号、p69−75
Rh=hi/D=a(Sr−Srh)n
ただし
a=1/(100−Srh)n
Rh :地下水位比
hi :地下水位(m)
D :表土層厚(m)
Sr :平均飽和度(%)
Srh:地下水位が0になるときの平均飽和度(%)
n :表土の土質によって決まる係数
SFi=(cs+cr+Aicos2β・tanφ)/(Bisinβ・cosβ)
ただし、
Ai=(γsat−γw)hi+γi(D−hi)
Bi=γsathi+γi(D−hi)
SFi:安全率
cs :土の粘着力(tf/m2)
cr :根系による粘着力(tf/m2)
φ :土の内部摩擦角(°)
γsat:土の飽和単位体積重量(tf/m3)
γi :土の湿潤単位体積重量(tf/m3)
γw :水の単位体積重量(tf/m3)
hi :地下水位(m)
D :表層土厚(m)
β :斜面(地盤)勾配(°)
前記安全率計算装置は、算出した前記安全率をもとに、安全率の低下率を算出する低下率算出手段を有する。
Rh=hi/D=a(Sr−Srh)n
ただし、
a=1/(100−Srh)n
Rh :地下水位比
hi :地下水位(m)
D :表層土厚(m)
Sr :平均飽和度(%)
Srh:地下水位が0になるときの平均飽和度(%)
n :表層の土質によって決まる係数
SFi=(cs+cr+Aicos2β・tanφ)/(Bisinβ・cosβ)
ただし、
Ai=(γsat−γw)hi+γi(D−hi)
Bi=γsathi+γi(D−hi)
SFi:安全率
cs :土の粘着力(tf/m2)
cr :根系による粘着力(tf/m2)
φ :土の内部摩擦角(°)
γsat:土の飽和単位体積重量(tf/m3)
γi :土の湿潤単位体積重量(tf/m3)
γw :水の単位体積重量(tf/m3)
hi :地下水位(m)
D :表層土厚(m)
β :斜面(地盤)勾配(°)
前記工程(c)の後には、算出した安全率をもとに、安全率の低下率を算出する工程(i)を有してもよい。
図1は、本実施形態に係る安全率計算装置(安全率計算システム1)としてのコンピュータ2を示すブロック図であって、図2は図1の記憶部10を示す図である。
Processing Unit)、ROM(Read Only
Memory)、RAM(Random Access
Memory)等で構成され、記憶部10に格納されたプログラムに従って、バス20を介して接続された各装置を駆動制御する。
なお、地形データ105、地形への降雨量を示すデータである降雨量データ107の詳細は後述する。
まず、地形データ105について説明する。
領域データ5は、表層の一定領域内の形状や物性を示すデータであり、図4および図5に示すように、領域の形状は、領域長さ9a(X方向長さ)、領域長さ9b(Y方向長さ)および表層土厚11からなる仮想的な直方体形状を有している。
なお、X方向長さLx(m)、Y方向長さLy(m)は例えば10mであり、表層土厚D(m)は例えば1mである。
γ0=(Gs+eSr0/100)/(1+e) ……式1−1
γsat=(Gs+e)/(1+e) ……式1−2
W0=V・γ0 ………式1−3
降雨量データ107は、地形データ105への降雨量を示すデータである。
降雨量は経時的に変化してもよい。
図6は、コンピュータ2を用いた安全率の計算の手順を示すフローチャートであって、図7〜図11は図6における各ステップの計算手順を示す模式図である。
また、図14は図6のステップ208を示すフローチャートである。
動水勾配はX方向の動水勾配IxとY方向の動水勾配Iyからなり、図5に示すように、交点20a、20b、20c、20dの座標をそれぞれ(X1,Y1,Z1)、(X2,Y2,Z2)、(X3,Y3,Z3)、(X4,Y4,Z4)とすると、以下の式で求められる。
これは、水は標高の高い領域から低い領域に流れるため、計算の順番を標高に合わせる必要があるからである。
なお、標高とは、領域データの表面上の中心座標を示す。
ここで、水の流出方向は動水勾配の正負により求める。
なお、Ixが負の場合は、X方向の水の流出方向は、X方向の負の方向であるA2方向になる。
領域データ5bからのY方向の水の流出方向A4、領域データ5cからの水の流出方向A5も同様にして求める。
即ち、図8では、領域データ5eのX方向の動水勾配が正で、領域データ5fのX方向の動水勾配が負だったため、領域データ5eのX方向の流出方向B1と、領域データ5fのX方向の流出方向B2が交差している。
即ち、領域データ5eからB1方向に流出した水は、領域5fではなく、沢13aに流れ込むものとみなす。
同様に、領域データ5fからB2方向に流出した水は、領域5eではなく、沢13aに流れ込むものとみなす。
例えば、図9の場合、沢13a、13b、13cの端部は繋がっているため、これらの沢は一体となっているものとして扱う。
そして、最も標高の低い交点に流れた水は、交点に隣接する領域データのうち、沢の辺を含まない領域データ内に流入しているとみなす。
そして、交点15cに向かって流れた水は、交点15cに隣接する領域データのうち、沢の辺を含まない領域データである領域データ5gに流れ込むものとみなす。
領域データ外から領域データ内への水の流入は(1)隣接する領域データからの(地下水の)流入(2)降雨と表層流による流入(3)沢からの流入、の3つの経路からの流入があり、流入量qiniは、以下の式で表される。
qini=qinXi+qinYi+qinri+qinssi …式3−1
qini :流入量(ton)
qinXi :X方向に隣接する領域からの水の流入量(ton)
qinYi :Y方向に隣接する領域からの水の流入量(ton)
qinri :降雨と表層流による水の流入量(ton)
qinssi:沢からの水の流入量(ton)
図11に示すように、降雨により、時間雨量r(mm/hour)の雨が表層データ全域に降った場合を考える。
qinSi=qsri+qinsi=qinri+qoutsi …式3−2
ただし、
qsri =(r/1000)・Δt・A …………式3−3
qinsi =qinsXi+qinsYi …………式3−4
qoutsi=qoutsXi+qoutsYi …………式3−5
qoutsXi=qoutsi・a・Ix/(a・Ix+b・Iy) …………式3−6
qoutsYi=qoutsi・a・Iy/(a・Ix+b・Iy) …………式3−7
qsri :領域データ5に直接降る雨による領域データ5の表面への水の流入量
qinsi :領域データ5に隣接する領域の表面から領域データ5の表面への水の流入量(ton)
qinsXi :X方向に隣接する領域の表面から領域データ5の表面への水の流入量(ton)
qinsYi :Y方向に隣接する領域の表面から領域データ5の表面への水の流入量(ton)
qoutsi :領域データ5に隣接する領域データの表面への水の流出量
qoutsXi:X方向に隣接する領域データの表面への水の流出量
qoutsYi:Y方向に隣接する領域データの表面への水の流出量
qinrimax=(k/100)・Δt・60・60・A …式3−8
k :透水係数(cm/s)
Δt:任意に設定する時間(hour)
なお、Δtは任意に設定する時間であり、流入量、流出量を計算する基準となる単位時間である。
例えば、qinSi>qinrimaxの場合は、領域データ5内に流入可能な最大水量より多量の水が領域データの表面に集まっていることになるため、領域データ内には流入可能な最大水量が流入し、残りが隣接する領域データの表面に流出する。
qinri =qinrimax …式3−9
qoutsi=qinSi−qinrimax …式3−10
即ちqinriとqoutsiは以下の式で求められる。
qinri =qinSi …式3−11
qoutsi=0 …式3−12
なお、qinsiは、隣接する領域データにおけるqoutsiと等しいので、説明を省略する。
沢からの流入量qinssiを求める場合は、先に述べたように、沢に流れ込んだ水は、沢と領域データとの交点のうち、最も標高の低い交点に向かって流れているとみなす。
そして、最も標高の低い交点に流れた水は、交点に隣接する領域データのうち、沢の辺を含まない領域データ内に流入しているとみなす。
領域データ内から領域データ外への水の流出は(1)隣接する領域データへの(地下水の)流出(2)地盤への流出、の2つの経路への流出があり、流出量qoutiは、以下の式で表される。なお、(1)については、地下水位が発生したときに水が流出し、流出速度はダルシー則によるものと仮定する。
qouti=qoutXi+qoutYi+qoutui ………………………………式4−1
ただし、
qoutXi=(k/100)・Ix・Δt・60・60・hi−1・Lx …式4−2
qoutYi=(k/100)・Iy・Δt・60・60・hi−1・Ly …式4−3
qoutui=(ku/100)・Δt・60・60・A
A=Lx・Ly ………………………………………………………………式4−4
qouti :流出量(ton)
qoutXi:X方向に隣接する領域への水の流出量(ton)
qoutYi:Y方向に隣接する領域への水の流出量(ton)
qoutui:地盤への水の流出量(ton)
k :領域データ内の透水係数(cm/s)
Ix :X方向の動水勾配
Iy :Y方向の動水勾配
hi−1 :前回測定した水位
Lx :領域データのX方向長さ
Ly :領域データのY方向長さ
ku :地盤内の透水係数(cm/s)
Δt :任意に設定する時間(hour)
ステップ206〜ステップ212が繰り返し行われる工程でない場合や、繰り返し行われる工程の、最初の計算である場合は、hi−1は初期水位になる。
具体的には、以下の手順で平均飽和度を求める。
Wi=Wi−1+qini−qouti ………式5−1
Wi−1=V・γi−1 ………式5−2
ここで、γi−1は、ステップ206〜ステップ212が繰り返し行われる工程の場合は、前回の工程で計算した湿潤密度を示す。
ステップ206〜ステップ212が繰り返し行われる工程でない場合や、繰り返し行われる工程の、最初の計算である場合は、γi−1は初期湿潤密度γ0になる。
γi=Wi/V ………式5−3
Sri=100・(γi・(1+e)−Gs)/e ………式5−4
e :間隙比
Gs:土粒子の密度
ここで、一定値とは、後述する平均飽和度と地下水位比の関係を示す近似式において、地下水位が消失した(0になる)ときの平均飽和度Srhである。
なお、ステップ208の詳細は後述する。
Rh=hi/D=a(Sr−Srh)n ………式5−5
ただし、
a=1/(100−Srh)n ………式5−6
Rh :地下水位比
hi :地下水位(m)
D :表層土厚(m)
Sr(Sri):平均飽和度(%)
Srh :地下水位が0になるときの平均飽和度(%)
n :表層の土質によって決まる係数
Srh=0.1193・θ+62.132 ………式5−7
n=0.0043・θ+1.212 ………式5−8
θ:表層の勾配(°)
安全率は、無限延長斜面の安定解析から求める。
すべりは地盤に沿って発生し、植生による上載過重は0と仮定し、地盤からの地下水位を時間の関数としている。以上の条件下での安全率の式を以下に示す。
SFi=(cs+cr+Aicos2β・tanφ)/(Bisinβ・cosβ) ………式6−1
ただし、
Ai=(γsat−γw)hi+γi(D−hi) ………式6−2
Bi=γsathi+γi(D−hi) ………式6−3
SFi:安全率
cs :土の粘着力(tf/m2)
cr :根系による粘着力(tf/m2)
φ :土の内部摩擦角(°)
γsat:土の飽和単位体積重量(tf/m3)
γi :土の湿潤単位体積重量(tf/m3)
γw :水の単位体積重量(tf/m3)
hi :地下水位(m)
D :表層土厚(m)
β :斜面(地盤)勾配(°)
表示としては、例えば図13に示すように、地形データ105の模式図を表示し、安全率が、斜面が崩壊する危険性がある水準を越えた領域データ5nを色を変えて表示する等が考えられる。
RSFi=(SF0−SFi)/SF0 ………式6−4
RSFi :安全率の低下率
SF0 :初期安全率(式6−1〜式6−3に初期値を代入して求めた値)
例えば、Δtが1時間で、計算時間(一定時間)が4時間の場合は、ステップ206からステップ212は4回繰り返されることになる。
まず、制御部8は、測定した平均飽和度が以下の式を満たすか否かを判断し、満たす場合はステップ302に進み、満たさない場合はステップ303に進む(ステップ301)。
Sri−Sri−1>10−2 ………式7−1
Sri:今回計算した平均飽和度
Sri−1:前回計算した平均飽和度(前回計算した平均飽和度がない場合は初期飽和度)
即ち、式7−1の条件を満たす場合は上昇過程と判断し、満たさない場合は下降過程と判断する。
そのため、右辺を10−2にして、平均飽和度の変化が微小になった場合は0とみなすことにしている。
Sri>Srh ………式7−2
なお、hi−1を求めていない場合は、初期の地下水位が0か否かを判断する。
ただし、地下水位がある場合と、ない場合とでは減衰の割合が異なるので、別式でモデル化している。
Sr’=Sri・Rs ………式7−3
Rs=exp(α・Δt・j) ………式7−4
α=−(101.2304・Log10(k)−0.1858) ………式7−5
Sr’:補正により求めた平均飽和度
Rs :飽和度減衰比
k :透水係数
j :ステップ304に入った回数
Sri−Srh>10−2 ………式7−6
なお、式7−6で、右辺が10−2である理由は、式7−1と同様である。
3…………表層データ
5…………領域データ
7…………地盤データ
11………表層土厚
13a……沢
105………地形データ
107………降雨量データ
Claims (15)
- 地形の表層の形状や物性を示すデータであり、複数の領域データに分割された表層データと、前記表層への降雨量を示すデータである降雨量データをもとにして、前記表層の崩壊の安全率を計算する安全率計算装置であって、
複数の前記領域データごとに、前記領域データ内の平均飽和度を算出する平均飽和度算出手段と、
複数の前記領域データごとに、前記平均飽和度が一定値より大きい場合は、平均飽和度と地下水位比の関係を示す近似式から、前記領域データ内の地下水位を求め、一定値以下の場合は前記領域データ内の地下水位が消失したものとみなす地下水位算出手段と、
複数の前記領域データごとに、前記地下水位から前記領域データ内の安全率を求める安全率算出手段と、
を有することを特徴とする斜面の表層の崩壊の安全率計算装置。 - 前記平均飽和度算出手段は、
複数の前記領域データごとに、前記領域データ内の動水勾配を求める動水勾配算出手段と、
複数の前記領域データごとに、前記動水勾配をもとにして、前記領域データ内から前記領域データ外へと流出する水の流出方向を求める流出方向算出手段と、
複数の前記領域データごとに、前記動水勾配、水の前記流出方向および前記降雨量データをもとにして、前記領域データ外から前記領域データ内への水の流入量および前記領域データ内から前記領域データ外への水の流出量を求める流入量流出量算出手段と、
複数の前記領域データごとに、前記流入量および前記流出量をもとにして、前記領域データ内の平均飽和度を求める手段と、
を有することを特徴とする請求項1記載の斜面の表層の崩壊の安全率計算装置。 - 前記流出方向算出手段は、隣接する前記領域データ間で水の前記流出方向が交差する場合は、隣接する前記領域データの境界に、前記領域データから流出した水が流れる沢を設定する設定手段を有し、
前記流入量流出量算出手段は、前記流入量を求める際に、前記沢を流れる水は、前記沢の前記領域データとの交点のうち、最も標高の低い前記交点に向かって流れ、最も標高の低い前記交点に隣接する前記領域データのうち、前記沢の辺を含まない前記領域データ内に流入しているとみなして前記流入量を求める手段であることを特徴とする請求項2記載の斜面の表層崩壊の安全率計算装置。 - 前記地下水位算出手段において、前記近似式は下記の式で表されることを特徴とする請求項1記載の斜面の表層崩壊の安全率計算装置。
Rh=hi/D=a(Sr−Srh)n
ただし
a=1/(100−Srh)n
Rh :地下水位比
hi :地下水位(m)
D :表土層厚(m)
Sr :平均飽和度(%)
Srh:地下水位が0になるときの平均飽和度(%)
n :表土の土質によって決まる係数 - 前記安全率算出手段において、前記安全率は下記の式で表されることを特徴とする請求項1記載の斜面の表層崩壊の安全率計算装置。
SFi=(cs+cr+Aicos2β・tanφ)/(Bisinβ・cosβ)
ただし、
Ai=(γsat−γw)hi+γi(D−hi)
Bi=γsathi+γi(D−hi)
SFi:安全率
cs :土の粘着力(tf/m2)
cr :根系による粘着力(tf/m2)
φ :土の内部摩擦角(°)
γsat:土の飽和単位体積重量(tf/m3)
γi :土の湿潤単位体積重量(tf/m3)
γw :水の単位体積重量(tf/m3)
hi :地下水位(m)
D :表層土厚(m)
β :斜面(地盤)勾配(°) - 前記動水勾配算出手段は、複数の前記領域データのうち、標高の最も高い前記領域データから順番に、動水勾配を求める手段であることを特徴とする請求項2記載の斜面の表層崩壊の安全率計算装置。
- 算出した前記安全率をもとに、安全率の低下率を算出する低下率算出手段を有することを特徴とする請求項1記載の斜面の表層崩壊の安全率計算装置。
- 地形の表層の形状や物性を示すデータであり、複数の領域データに分割された表層データと、前記表層への降雨量を示すデータである降雨量データをもとにして、前記表層の崩壊の安全率を計算する安全率計算方法であって、
複数の前記領域データごとに、前記領域データ内の平均飽和度を求める工程(a)と、
複数の前記領域データごとに、前記平均飽和度が一定値より大きい場合は、平均飽和度と地下水位比の関係を示す近似式から前記領域データ内の地下水位を求め、一定値以下の場合は前記領域データ内の地下水位が消失したものとみなす工程(b)と、
複数の前記領域データごとに、前記地下水位から前記領域データ内の安全率を求める工程(c)と、
を有することを特徴とする斜面の表層の崩壊の安全率計算方法。 - 前記工程(a)は、
複数の前記領域データごとに、前記領域データ内の動水勾配を求める工程(d)と、
複数の前記領域データごとに、前記動水勾配をもとにして、前記領域データ内から前記領域データ外へと流出する水の流出方向を求める工程(e)と、
複数の前記領域データごとに、前記動水勾配、前記流出方向および前記降雨量データをもとにして、前記領域データ外から前記領域データ内への水の流入量および前記領域データ内から前記領域データ外への水の流出量を求める工程(f)と、
複数の前記領域データごとに、前記流入量および前記流出量をもとにして、前記領域データ内の平均飽和度を求める工程(g)と、
を有することを特徴とする請求項8記載の斜面の表層の崩壊の安全率計算方法。 - 前記工程(e)は、隣接する前記領域データ間で前記流出方向が交差する場合は、隣接する前記領域データの境界に、前記領域データから流出した水が流れる沢を設定する工程(h)をさらに有し、
前記工程(f)は、前記流入量を求める際に、前記沢を流れる水は、前記沢の前記領域データとの交点のうち、最も標高の低い前記交点に向かって流れ、最も標高の低い前記交点に隣接する前記領域データのうち、前記沢の辺を含まない前記領域データ内に流入しているとみなして前記流入量を求める工程であることを特徴とする請求項9記載の斜面の表層崩壊の安全率計算方法。 - 前記工程(b)において、前記近似式は下記の式で表されることを特徴とする請求項8記載の斜面の表層崩壊の安全率計算方法。
Rh=hi/D=a(Sr−Srh)n
ただし、
a=1/(100−Srh)n
Rh :地下水位比
hi :地下水位(m)
D :表層土厚(m)
Sr :平均飽和度(%)
Srh:地下水位が0になるときの平均飽和度(%)
n :表層の土質によって決まる係数 - 前記工程(c)において、前記安全率は下記の式で表されることを特徴とする請求項8記載の斜面の表層崩壊の安全率計算方法。
SFi=(cs+cr+Aicos2β・tanφ)/(Bisinβ・cosβ)
ただし、
Ai=(γsat−γw)hi+γi(D−hi)
Bi=γsathi+γi(D−hi)
SFi:安全率
cs :土の粘着力(tf/m2)
cr :根系による粘着力(tf/m2)
φ :土の内部摩擦角(°)
γsat:土の飽和単位体積重量(tf/m3)
γi :土の湿潤単位体積重量(tf/m3)
γw :水の単位体積重量(tf/m3)
hi :地下水位(m)
D :表層土厚(m)
β :斜面(地盤)勾配(°) - 前記工程(d)は、複数の前記領域データのうち、標高の最も高い前記領域データから順番に、動水勾配を求める工程であることを特徴とする請求項9記載の斜面の表層崩壊の安全率計算方法。
- 前記工程(c)の後には、算出した安全率をもとに、安全率の低下率を算出する工程(i)を有することを特徴とする請求項8記載の斜面の表層崩壊の安全率計算方法。
- コンピュータを請求項1〜7のいずれかに記載の安全率計算装置として機能させるためのプログラム。
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