JP5537883B2 - 災害予測システム及び災害予測方法 - Google Patents
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Description
大雨によって発生する土石流・がけ崩れ等の土砂災害は、土壌中の水分量が多いほど発生の可能性が高く、また、何日も前に降った雨が影響している場合がある。土壌雨量指数は、これらを踏まえた土砂災害の危険性を示す指標として、各地気象台が発表する土砂災害警戒情報及び大雨警報・注意報の発表基準に使用されている。
このタンクモデルでは、3段に重ねた各タンクの側面には水がまわりの土壌に流れ出すことを表す流出孔が、底面には水がより深いところに浸み込むことを表す浸透流出孔が設けられている。第1タンクの側面の流出孔からの流出量は地表の表面流出に、第2タンクからのものは地中の表層での浸透流出に、第3タンクからのものは地下水としての流出に対応する。第1タンクへの流入は降雨に対応し、第2タンクへの流入は第1タンクの浸透流出孔からの流出、第3タンクへの流入は第2タンクの浸透流出孔からの流出である(図1参照)。
土壌雨量指数は、各タンクに残っている水分量(貯留量)の合計となり、これは、土壌中の水分量に相当する。
また、警報・注意報が発表されたとしても、住民にとっては災害時における適切な避難経路の確保が困難となっていた。
該災害予測システムでは、指定された地域について、前記測定(計算)手段から土壌雨量指数のデータを収集し、前記記憶手段において、予め設定された一定の区画毎の土壌雨量指数のデータを単位時間毎に蓄積し、前記演算手段において、蓄積された土壌雨量指数のデータに基づいて演算を行い、区画毎の危険度を単位時間毎に算出し、前記表示手段において、指定された区画の危険度が時系列で表示されることを特徴とする。
上記構成からなる災害予測システムは、水災害時における危険地域の的確かつ早期の把握を可能とする。
該災害予測システムでは、指定された地域について、前記測定手段から土壌雨量指数のデータを収集し、前記記憶手段において、予め設定された一定の区画毎の土壌雨量指数のデータを単位時間毎に蓄積し、前記演算手段において、蓄積された土壌雨量指数のデータに基づいて演算を行い、予め設定された一定の区画毎の地形データに基づいた傾斜方向及び傾斜角度を定め、定められた傾斜方向及び傾斜角度に基づいて、地表流出係数及び地中流出係数を決定し、前記区画毎の土壌雨量指数と地表流出係数と地中流出係数とに基づいて区画毎の危険度を単位時間毎に算出し、前記表示手段において、該危険度を表示することを特徴とする。
上記構成からなる災害予測システムは、水災害時における危険地域の的確かつ早期の把握を可能とし、特に、河川周辺の地域での内水氾濫・外水氾濫に伴う洪水の予測を容易にする。
また、本発明の一態様によれば、前記表示手段において、指定された区画の土壌雨量指数及び降雨量が時系列で表示される。
上記構成からなる災害予測方法は、水災害時における危険地域の的確かつ早期の把握を可能とする。
上記構成からなる災害予測方法は、水災害時における危険地域の的確かつ早期の把握を可能とし、特に、河川周辺の地域での内水氾濫・外水氾濫に伴う洪水の予測を容易にする。
また、本発明の一態様によれば、前記危険度を表示する過程において、指定された区画の土壌雨量指数及び降雨量が時系列で表示される。
上記構成からなる災害予測方法は、水災害時における危険地域の的確かつ早期の把握を可能とする。
上記構成からなる災害予測方法は、水災害時における危険地域の的確かつ早期の把握を可能とし、特に、河川周辺の地域での内水氾濫・外水氾濫に伴う洪水の予測を容易にする。
101 測定手段
101a 測定装置
101b 通信装置
102 記憶手段
104 演算手段
105 サーバ
106 通信装置
107 入力装置
先ず、本実施形態に係る災害予測システムの構成について、図2を用いて説明する。
実施形態1に係る災害予測システム100は、土壌雨量指数を測定する測定手段101と、該測定手段によって得られた土壌雨量指数のデータを蓄積する記憶手段102と、該土壌雨量指数のデータに基づいて演算を行う演算手段103と、該演算の結果を表示する表示手段104と、を備える災害予測システムが提供される。
測定装置とは、特に限定されないが、例えば、雨量観測装置である。
また、通信インタフェース部(図示せず)を介して、外部のコンピュータ等の処理装置に接続され、通信回線を介してデータの送受信が行えるようにしてもよい。
このような表示とすることにより、危険地域の判断が容易となり、適切な避難情報を提供することができる。
区画内は、色を分けて表示してもよいし、あるいは斜線等の模様によって表示してもよい。また、土壌雨量指数等の数値を共に表示してもよい。
このような表示とすることにより、特定の地域について、降雨と土壌雨量の詳細な情報を得ることができ、将来の危険度予測に利用することができる。
図4の例では、特定の区画についての土壌雨量指数及び降雨量が時系列で表示されている。ここで、棒グラフは単位時間あたりの雨量を示し、曲線のグラフは第1ないし第3タンクの土壌雨量指数を示している。
時系列データ上の三角形は、現在表示されている日時を示し、例えば、上部のアイコンを操作することにより、表示される日時を選択すると、それに伴いマップ上の情報が変化する。
実施形態2に係る災害予測システムにおいては、各区画について、傾斜の方向及び角度等の地形の影響及び浸透率の影響を考慮することを特徴とする。この点において、実施形態2は実施形態1と異なるが、その他の構成は同様であるため説明を省略する。
即ち、任意の区画及び隣接する区画の傾斜方向及び傾斜角度に基づいた地表流出係数、地中流出係数というパラメータを含めることにより、より正確な危険度の予測を可能とする。
図7は、簡略化された地形とそれに対応する区画毎の傾斜方向及び傾斜角度を示す図である。この図において、地形上の線は各区画の分割線に対応し、その上のテーブルの矢印は区画毎の傾斜の方向を示す。また、その上のテーブル上の数値は、区画毎の傾斜角度である。
例えば、区画bの土壌雨量指数が100mm、傾斜角度が15度であり、区画aの土壌雨量指数が100mm、傾斜角度が10度であれば、区画bの危険度は「大」と算出される。
Claims (6)
- 土壌雨量指数を計算する計算手段と、該計算手段によって得られた土壌雨量指数のデータを蓄積する記憶手段と、該土壌雨量指数のデータに基づいて演算を行う演算手段と、該演算の結果を表示する表示手段と、を備える災害予測システムであって、
指定された地域について、前記計算手段から土壌雨量指数のデータを収集し、
前記記憶手段において、予め設定された一定の区画毎の土壌雨量指数のデータを単位時間毎に蓄積し、
前記演算手段において、蓄積された土壌雨量指数のデータに基づいて演算を行い、
予め設定された一定の区画毎の地形データに基づいた傾斜方向、並びに傾斜角度または傾斜の段階的な値を定め、
定められた傾斜方向、並びに傾斜角度または傾斜の段階的な値に基づいて、地表流出係数及び地中流出係数を決定し、
前記区画毎の土壌雨量指数と地表流出係数と地中流出係数とに基づいて区画毎の危険度を単位時間毎に算出し、
前記表示手段において、該危険度を表示することを特徴とする災害予測システム。 - 前記表示手段において、指定された地域の地図と、該地図上に一又は複数の区画とが重なって表示され、各区画内が区画毎の危険度に対応した色又は模様で表されることを特徴とする請求項1に記載の災害予測システム。
- 土壌雨量指数を計算する過程と、
該土壌雨量指数のデータを蓄積する過程と、
指定された地域について、予め設定された一定の区画毎の土壌雨量指数を収集する過程と、
区画毎の土壌雨量指数のデータを単位時間毎に蓄積する過程と、
予め設定された一定の区画毎の地形データに基づいた傾斜方向、並びに傾斜角度または傾斜の段階的な値を定める過程と、
定められた傾斜方向、並びに傾斜角度または傾斜の段階的な値に基づいて、地表流出係数及び地中流出係数を決定する過程と、
前記蓄積された区画毎の土壌雨量指数と地表流出係数と地中流出係数とに基づいて区画毎の危険度を単位時間毎に算出する過程と、
該危険度を表示する過程と、を含むことを特徴とする災害予測方法。 - 前記危険度を表示する過程において、指定された地域の地図と、該地図上に一又は複数の区画とが重なって表示され、各区画内が区画毎の危険度又は危険度に対応した色又は模様で表されることを特徴とする請求項3に記載の災害予測方法。
- 前記危険度を表示する過程において、指定された区画の土壌雨量指数及び降雨量が時系列で表示されることを特徴とする請求項3又は4に記載の災害予測方法。
- 土壌雨量指数を受信するステップと、
該土壌雨量指数のデータを蓄積するステップと、
指定された地域について、予め設定された一定の区画毎の土壌雨量指数を収集するステップと、
区画毎の土壌雨量指数のデータを単位時間毎に蓄積するステップと、
予め設定された一定の区画毎の地形データに基づいた傾斜方向、並びに傾斜角度または傾斜の段階的な値を定めるステップと、
定められた傾斜方向、並びに傾斜角度または傾斜の段階的な値に基づいて、地表流出係数及び地中流出係数を決定するステップと、
前記蓄積された区画毎の土壌雨量指数と地表流出係数と地中流出係数とに基づいて区画毎の危険度を単位時間毎に算出するステップと、
該危険度を表示するステップと、を含むことを特徴とする災害予測プログラム。
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