以下、添付図面を参照しながら各実施例について詳細に説明する。
図1は、一実施例による防災支援装置10(表示装置の一例)のハードウェア構成の一例を示す図である。
防災支援装置10は、防災のためのユーザの判断(以下、「防災判断」とも称する)を支援する装置である。防災判断は、例えば職員の防災体制に関する判断や、住民の避難に関する判断を含む。防災支援装置10のユーザは、例えば、特定地域を管轄する市町村又は国の職員であり、防災支援装置10は、一般市民の安全を守るために利用できる。
本実施例では、一例として、防災支援装置10は、一の特定地域(以下、「対象エリア」と称する)(第1の領域の一例)に係る。但し、変形例では、防災支援装置10は、ユーザが複数の特定地域のうちの1つを選択できるように形成されてもよい。また、以下では、ユーザとは、一例として、対象エリアの防災担当の職員であるとする。尚、変形例では、防災支援装置10は、一般市民にも利用できる態様で形成されてもよい。この場合、ユーザは、一般市民である。
図1には、防災支援装置10のハードウェア構成に関連付けて、周辺機器8が模式的に図示されている。周辺機器8は、例えばディスプレイ(表示装置)81や、入力装置82である。入力装置82は、例えばディスプレイ81のタッチパネル、カーソルキー、数字入力及び各種機能キー等を備えたキーボード、マウスやタッチパッド等を含む。
防災支援装置10は、コンピュータ(処理装置の一例)を含む。防災支援装置10は、バス19で接続されたCPU(Central Processing Unit)11、RAM(Random Access Memory)12、ROM(Read Only Memory)13、補助記憶装置14、ドライブ装置15、及び通信インターフェース17、並びに、通信インターフェース17に接続された有線送受信部25及び無線送受信部26を含む。
補助記憶装置14は、例えばHDD(Hard Disk Drive)や、SSD(Solid State Drive)などであり、アプリケーションソフトウェアなどに関連するデータを記憶する記憶装置である。
有線送受信部25は、有線ネットワークを利用して通信可能な送受信部を含む。有線送受信部25には、周辺機器8が接続される。但し、周辺機器8の一部又は全部は、バス19に接続されてもよいし、無線送受信部26に接続されてもよい。
無線送受信部26は、無線ネットワークを利用して通信可能な送受信部である。無線ネットワークは、携帯電話の無線通信網、インターネット、World Wide Web、VPN(virtual private network)、WAN(Wide Area Network)等を含んでよい。また、無線送受信部26は、近距離無線通信(NFC:Near Field Communication)部、ブルーツース(Bluetooth、登録商標)通信部、Wi−Fi(Wireless-Fidelity)送受信部、赤外線送受信部などを含んでもよい。
尚、防災支援装置10は、記録媒体16と接続可能であってもよい。記録媒体16は、所定のプログラムを格納する。この記録媒体16に格納されたプログラムは、ドライブ装置15を介して防災支援装置10の補助記憶装置14等にインストールされる。インストールされた所定のプログラムは、防災支援装置10のCPU11により実行可能となる。例えば、記録媒体16は、CD(Compact Disc)−ROM、フレキシブルディスク、光磁気ディスク等の様に情報を光学的,電気的或いは磁気的に記録する記録媒体、ROM、フラッシュメモリ等のように情報を電気的に記録する半導体メモリ等であってよい。尚、記録媒体16には、搬送波は含まれない。
図2は、防災支援装置10の機能の一例を示す機能ブロック図である。
防災支援装置10は、防災関連情報取得部100と、災害リスク特定部102と、災害リスク領域特定部104と、表示制御部110と、防災関連情報データベース130とを含む。
防災関連情報取得部100、災害リスク特定部102、災害リスク領域特定部104、及び表示制御部110は、例えば図1に示すCPU11がROM13内の1つ以上のプログラムを実行することで実現できる。防災関連情報データベース130は、例えば図1に示す補助記憶装置14により実現できる。
防災関連情報取得部100は、対象エリアに関連する防災関連情報(気象情報の一例)を取得する。尚、防災関連情報取得部100は、全国の防災関連情報を取得してもよい。防災関連情報は、防災に関連する任意の情報であってよい。防災関連情報は、国の機関(例えば日本では気象庁)や、専門の機関、個人(例えば投稿等を行う個人)、対象エリア内の各種センサ(例えばカメラや、浸水センサ等)等から得ることができる。尚、日本では、気象庁は、各地の気象台等の機関を含む。この場合、例えば、防災関連情報取得部100は、無線送受信部26を介して、防災関連情報を取得する。また、防災関連情報は、ユーザにより入力装置82(例えばキーボード等)を介して入力されてもよい。この場合、例えば、防災関連情報取得部100は、入力装置82及び有線送受信部25を介して、防災関連情報を取得する。
本実施例では、一例として、防災関連情報は、対象エリア内の災害リスクに関連する指標(以下、「災害リスク指標」と称する)の現在値及び予測値を含む。災害リスクは、雨、雪、風、波、噴火、及び降灰のうちの少なくともいずれか1つに関する。本実施例では、一例として、災害リスクは、雨、雪、風、及び波に関する。例えば、雨に関する災害リスクは、土砂崩れなどの土砂災害、洪水、浸水等の危険度である。この場合、災害リスク指標の現在値は、例えば、気象警報(特別警報を含んでよい)又は注意報の発令の有無であり、同災害リスク指標の予測値は、気象警報又は注意報の発令の有無(見込みや予測に基づくもの)又は警報級の可能性である。気象警報又は注意報は、大雨、洪水、暴風、波浪、及び高潮に関する。尚、現在、日本の気象庁では、警報級の現象が5日先までに予想されているときには、その可能性を「警報級の可能性」として“高”、“中”の2段階の確度を付して発表されている。
また、本実施例では、一例として、防災関連情報は、更に、災害リスクに関連するメッシュ情報、レーダ情報、及びハザードマップを含む。例えば、メッシュ情報は、対象エリアにおける所定の領域(メッシュ)ごとの災害関連パラメータの値の情報である。災害関連パラメータは、例えば、雨量、水位、及び災害の危険度のうちの少なくともいずれか1つに関する。災害の危険度に係るメッシュ情報は、例えば、土砂災害警戒判定メッシュ情報である。土砂災害警戒判定メッシュ情報は、土砂災害警戒情報及び大雨警報等を補足するための情報である。現在、日本では、土砂災害警戒判定メッシュ情報として、5km四方の領域(メッシュ)ごとに土砂災害発生の危険度を5段階に判定した情報を気象庁から取得できる。その他、現在、日本では、洪水害警戒判定メッシュ情報や浸水害警戒判定メッシュ情報を気象庁から取得できる。また、現在、日本では、1時間降水量解析値や、大雨(浸水害)の危険度分布、洪水警報の危険度分布、大雨警報(浸水害)と洪水警報の危険度分布について、1km四方の領域(メッシュ)ごとの防災気象情報を気象庁から取得できる。レーダ情報は、雨雲の動きに関し、気象レーダにより取得された情報である。尚、気象レーダは、アンテナを回転させながらマイクロ波を発射し、雨や雪を観測する装置である。現在、日本では、気象レーダによる5分毎の降水強度分布観測と、降水ナウキャストによる5分毎の60分先までの降水強度分布予測とを気象庁から取得できる。
防災関連情報取得部100は、防災関連情報を取得すると、取得した防災関連情報を防災関連情報データベース130内に保存する。防災関連情報取得部100は、防災関連情報データベース130内の防災関連情報の“鮮度”を高く維持するために、周期的に又はプッシュ式で防災関連情報を取得してもよい。或いは、防災関連情報取得部100は、プル式で防災関連情報を取得してもよい。
防災関連情報取得部100は、更に、外部から取得した防災関連情報に基づいて、新たな防災関連情報を生成してもよい。例えば、防災関連情報取得部100は、外部から取得した防災関連情報を補正することで、新たな防災関連情報を生成してもよい。或いは、防災関連情報取得部100は、外部から取得した防災関連情報に基づいて、対象エリアの特性を反映した別のアルゴリズムを用いて、同様の防災関連情報を新たに生成してもよい。例えば、人工知能を利用して、外部から取得したレーダ情報と、対象エリア内の各種センサからのセンサ情報とを入力して新たな防災関連情報(例えば土砂災害警戒判定メッシュ情報に類するメッシュ情報)を出力(生成)することも可能である。人工知能の場合は、機械学習により得られる畳み込みニューラルネットワークを実装することで実現できる。機械学習では、例えば、レーダ情報等に係る実績データを用いて、出力の防災関連情報に係る誤差が最小になるような畳み込みニューラルネットワークの重み等が学習される。
災害リスク特定部102は、防災関連情報取得部100により取得された防災関連情報に基づいて、対象エリア内の災害リスクを特定する。災害リスクは、上述の災害リスク指標に基づいて特定できる。本実施例では、特に言及しない限り、一例として、災害リスクの値=災害リスク指標の値であるとする。
災害リスク領域特定部104は、防災関連情報取得部100により取得された防災関連情報に基づいて、対象エリア内における被災の可能性が所定レベル以上の領域(以下、「災害リスク領域」と称する)(第2の領域の一例)を特定(抽出)する。「所定レベル以上」とは、被災の可能性が有意に高い際の値に対応し、例えば避難準備、避難勧告、及び避難指示のいずれかの発令が推奨される際の値に対応してよい。災害リスク領域の特定方法は、任意であるが、例えば各種の災害リスク指標や、後述のハザードマップを利用して災害リスク領域が特定されてもよい。
例えば、災害リスク領域は、災害リスクの値が所定の閾値以上である領域であってもよい。この場合、所定の閾値は、上述のように、被災の可能性が高い際の値に対応し、例えば避難準備、避難勧告、及び避難指示のいずれかの発令が推奨される際の値に対応してよい。所定の閾値は、避難準備の発令が推奨される際の第1の値と、避難勧告の発令が推奨される際の第2の値と、避難指示の発令が推奨される際の第3の値のような、複数の値を含んでもよい。以下、避難準備、避難勧告、及び避難指示のいずれかの発令を、「避難通知」とも称する。尚、避難準備は、例えば自宅待機を意味する。また、災害リスク領域は、後述の災害関連パラメータ等の他のパラメータを用いて特定されてもよい。
災害リスク領域特定部104は、現時点の災害リスク領域及び今後の災害リスク領域を特定する。現時点の災害リスク領域は、例えば、災害リスクの現在値に基づいて判断できる。また、今後の災害リスク領域は、例えば、災害リスクの予測値に基づいて判断できる。現時点の災害リスク領域及び今後の災害リスク領域の特定には、他の因子(例えば後述のハザードマップに基づく過去の被災状況等)が併せて利用されてもよい。災害リスク領域の特定方法のより具体的な例は後述する。
表示制御部110は、ディスプレイ81に防災支援情報を表示する。具体的には、表示制御部110は、防災関連情報データベース130内の防災関連情報に基づいて、防災支援情報を表す画像データを生成する。そして、表示制御部110は、生成した画像データをディスプレイ81に出力することで、防災支援情報を表示する。以下では、このようにしてディスプレイ81に表示される防災支援情報に係る画像を、「防災支援画像」と称する。
次に、図3乃至図8を参照して、防災支援画像を説明する。尚、以下では、一例として、ディスプレイ81は、タッチパネルを備えるものとする。
図3乃至図7は、防災支援画像の一例を示す図である。図3は、平常時の状態を示し、図4乃至図7は、図3とは異なる日付に関し、防災を支援する状況下での状態を示す。図4乃至図7は、それぞれ、後述のスライダ810が異なる表示位置にあるときの状態を示す。以下の説明において、横方向及び縦方向は、防災支援画像の横方向及び縦方向に対応する。図4乃至図7において、ハッチングの種類の異なる部分は、異なる色などで区別できる態様で表示されていることを表す。尚、図3乃至図7に示す例では、対象エリアは、一例として、N市である。図8は、パラメータ値分布マップの説明図である。
防災支援画像700は、第1画像部71と、第2画像部72と、第3画像部73とを含む。第1画像部71は、横方向の範囲702と縦方向の範囲708で定まる部分であり、ディスプレイ81上の対応する領域(第1表示領域の一例)に出力される。第2画像部72は、横方向の範囲704と縦方向の範囲708で定まる部分であり、ディスプレイ81上の対応する領域(第2表示領域の一例)に出力される。第3画像部73は、横方向の全範囲と縦方向の範囲706で定まる部分であり、ディスプレイ81上の対応する領域に出力される。尚、第1画像部71、第2画像部72、及び第3画像部73の配置は、図3乃至図7のとおりである必要はなく、例えば、第3画像部73は、下方に配置されてもよいし、第1画像部71及び第2画像部72は、左右逆であってもよい。また、変形例では、ディスプレイ81は、別々のディスプレイ部を含み、第1画像部71及び第2画像部72は、それぞれ、別々のディスプレイ部に表示されてよい。
第1画像部71は、時間軸800と、災害リスクの時系列802(以下、「災害リスク時系列802」と称する)と、現時点表示804と、スライダ810(マークの一例)とを含む。
時間軸800は、例えば横方向に延在し、左側から右側に向かって将来の時間を表す。図3乃至図7に示す例では、時間軸800は、“現在”が付された位置が現時点を表し、24時間後までを表す。時間軸800は、図3乃至図7に示すように、一時間ごとの目盛りと、数値とを含んでよい。図3乃至図7に示す例では、時間軸800は、時刻(1時間単位)を表す時間軸800−1と、現時点からの時間(1時間単位)を表す時間軸800−2とを含む。時間軸800−2では、例えば、「+3h」は、3時間後の時刻を表す。尚、変形例では、時間軸800は、時間軸800−1及び時間軸800−2のいずれか一方のみを含んでよい。以下では、時間軸800とは、特に言及しない限り、時間軸800−2を指すものとする。
災害リスク時系列802は、例えば横方向に延在し、左側から右側に向かって将来となる態様で災害リスクの時系列を示す。災害リスクの時系列は、災害リスク指標の値の時系列に基づいて生成される。本実施例では、一例として、上述のように、災害リスクの時系列=災害リスク指標の値の時系列であるとする。災害リスク時系列802の時系列は、今後の複数の時点又は時間帯の予測値を含む。災害リスク時系列802の時系列は、時間軸800に対応する態様で表示される。これにより、ユーザは、災害リスクの時系列を時間軸に対応付けて容易に判断できる。
図3乃至図7に示す例では、災害リスクの時系列は、符号712で示すように、注警報予測の時系列を含む。注警報予測は、気象警報又は注意報の予測を含む。気象警報又は注意報は、大雨(浸水害)、大雨(土砂災害)、洪水、暴風、波浪、及び高潮のそれぞれに関する。注警報予測の場合、災害リスクの時系列は、気象警報又は注意報の発令の有無(2値)の時系列である。図4に示す例では、災害リスクの現在値は、気象警報又は注意報の発令が“無”である。他方、今後の災害リスクの予測値は、気象警報又は注意報の発令が“有”である。図4に示す例では、今後の災害リスクの予測値は、気象警報又は注意報の発令=“有”を含んでおり、気象警報又は注意報の発令=“有”である時間帯が、項目ごとにハイライト表示されている。例えば、洪水については、現在から、1時間後から3時間後までの時間帯と、12時間後から15時間後までの時間帯とが、注意報の発令=“有”である時間帯に対応する。また、洪水については、現在から、3時間後から12時間後までの時間帯とが、警報の発令=“有”である時間帯に対応する。これにより、ユーザは、災害リスクの時間的な推移を直感的に判断できる。尚、図3に示すように、ハイライト表示がない時間帯は、気象警報及び注意報の発令=“無”である時間帯を表し、気象警報及び注意報の発令が現在なく、今後もないと予測されていることを表す。
尚、図4に示す例では、気象警報又は注意報の発令=“有”である時間帯には、対応する所定パラメータの数値が重畳表示されている。例えば、大雨(浸水害)及び大雨(土砂災害)については、所定パラメータは、降水量(mm/h)であり、暴風については、風速(m/s)である。
注警報予測において、気象警報又は注意報の発令=“有”である時間帯のハイライト表示は、図4等に示すように、災害リスクの度合い(即ち警報か注意報か)に応じて異なる態様(例えば異なる色)で実現されてもよい。即ち、図4等に示すように、気象警報又は注意報の発令=“有”である時間帯のハイライト表示は、注意報の可能性が高い場合と、警報の可能性が高い場合とで異なる色で出力されてよい。
尚、変形例では、注警報予測における気象警報又は注意報の予測値は、警報級の可能性(例えば高、中、低の3値)であってもよい。この場合、警報級の可能性=“高”又は“中”である時間帯が、項目ごとにハイライト表示されてよい。この際、同様に、警報級の可能性のハイライト表示は、警報級の可能性が“高”である場合と、警報級の可能性が“中”である場合とで異なる色で出力されてよい。
また、図3乃至図7に示す例では、災害リスクの時系列は、符号714で示すように、危険度予測の時系列を含む。危険度予測は、浸水害、洪水害、及び土砂災害のそれぞれに関する。危険度予測は、防災関連情報取得部100により取得されるメッシュ情報に基づくものであってよい。災害リスクの現在値は、現在の浸水害等の有無である。図4に示す例では、災害リスクの現在値は、危険度予測が“低”である。図4に示す例では、今後の災害リスクの予測値は、危険度予測=“高”を含んでおり、危険度予測=“高”である時間帯が、項目ごとにハイライト表示されている。例えば、浸水害については、現在から、3時間後から9時間後までの時間帯とが、危険度予測=“高”である時間帯に対応する。これにより、ユーザは、危険度予測の時間的な推移を直感的に判断できる。
尚、図4乃至図7に示す例では、危険度予測=“高”である時間帯には、危険度を表すローマ数字が重畳表示されている。ローマ数字は大きいほど危険度が高いことを表す。また、図4乃至図7に示す例では、危険度予測=“高”である時間帯には、危険度の相違に応じて異なる色が付与される。色の使い方は、危険度が高くなるほど例えば赤色又は紫色になる態様であってよい。このような色の使い方は、好ましくは、上述の注警報予測に係るハイライト表示や、後述の推奨防災体制に係るハイライト表示等についても同様あり、共通化される。これにより、ユーザは、色の対応関係に基づいて、各ハイライト表示等の関係を把握し易くなる。
また、図3乃至図7に示す例では、災害リスクの時系列は、符号716で示すように、対象エリアにおける推奨される防災体制(以下、「推奨防災体制」と称する)の時系列を含む。推奨防災体制は、浸水害、洪水害、及び土砂災害のそれぞれに関する推奨防災体制のうちの最も高いレベルの体制に基づく。図4に示す例では、災害リスクの現在値は、推奨防災体制が“無”である。図4に示す例では、今後の災害リスクの予測値は、推奨防災体制=“有”を含んでおり、推奨防災体制=“有”である時間帯が、項目ごとにハイライト表示されている。具体的には、現在から、1時間後から推奨防災体制が“第1次”であり、2時間後から推奨防災体制が“第2次”であり、3時間後から推奨防災体制が“第3次”であり、4.5時間後から推奨防災体制が“第4次”である。これにより、ユーザは、推奨防災体制の時間的な推移を直感的に判断できる。
現時点表示804は、第1画像部71を縦方向に延在する帯状の形態である。現時点表示804は、好ましくは、時間軸800から延在する態様又は時間軸800と交わる態様で縦方向に延在する。これにより、ユーザは、災害リスク時系列802における現時点の位置を、現時点表示804に基づいて把握し易くなる。
スライダ810は、表示位置が時間軸800に沿って可変である。具体的には、スライダ810は、ユーザからの入力装置82を介した入力に応じて表示位置が時間軸800に沿って変化される。従って、ユーザは、入力装置82を介して、スライダ810の表示位置(横方向の表示位置)を変更することで、将来の時刻を指定できる。例えば、ユーザは、スライダ810をタッチしてドラッグ又はスライドすることで、スライダ810を時間軸800に沿って動かすことで、時間軸800上の任意の時刻を指定できる。
スライダ810の形態は任意であるが、図3乃至図7に示すように、縦方向で時間軸800の両側に配置される矢印マークの形態である。スライダ810は、時間軸800上の一の時点又は時間帯であって、表示位置に対応する一の時点又は時間帯を表す。図4に示す例では、スライダ810は、時間軸800上の現時点を表す位置にあり、図5に示す例では、スライダ810は、時間軸800上の現時点よりも3時間後を表す位置にある。図4に示す状態から、ユーザは、例えばディスプレイ81のタッチパネルに触れてスライダ810を右方向にドラッグ又はスライドすることで(図5の矢印R1参照)、図5に示す状態の変更を実現できる。尚、図5に示す状態から図6に示す状態への変更、及び図6に示す状態から図7に示す状態への変更も、同様に実現できる。尚、ユーザによる操作時には、図5乃至図7に示すように、ユーザのタッチ位置を示す手表示Hが出力されてもよい。尚、ディスプレイ81がタッチパネルを備えない場合は、スライダ810は、例えばユーザによるマウスなどを用いた操作に応じて、左右に移動されてよい。或いは、スライダ810は、他の入力形態(例えばジェスチャ入力や音声入力等)に応答して左右に移動されてよい。
図3乃至図7に示す例では、第1画像部71は、その他、符号710で示すように、晴れ、雨、曇り等の天気情報の時系列を含む。天気情報の時系列は、上述の災害リスク時系列802と同様、例えば横方向に延在し、左側から右側に向かって将来となる。天気情報の時系列は、時間軸800に対応する態様で表示される。これにより、ユーザは、天気情報の時系列を時間軸800に対応付けて容易に判断できる。また、ユーザは、同様に時間軸800に対応付けられる災害リスク時系列802と天気情報の時系列とを同時に把握することで、正確かつ迅速な防災判断が容易となる。
また、図4乃至図7に示す例では、第1画像部71は、その他、避難通知を行う推奨タイミングを表す推奨タイミング表示718、718−1、718−2を含む。推奨タイミング表示718は、避難準備に係る推奨タイミングを表し、推奨タイミング表示718−1は、避難勧告に係る推奨タイミングを表し、推奨タイミング表示718−2は、避難指示に係る推奨タイミングを表す。尚、推奨タイミング表示718、718−1、718−2は、半透明(背景が見える態様)で描画されてよい。
推奨タイミング表示718、718−1、718−2は、上述のスライダ810と同様、時間軸800に対応付けて出力され、時間軸800上の表示位置によって、推奨タイミングを表す。推奨タイミング表示718、718−1、718−2は、現時点表示804と同様、第1画像部71を縦方向に横断する帯状の形態である。また、推奨タイミング表示718、718−1、718−2は、例えば点滅する態様で出力される。これにより、ユーザは、避難通知が推奨されていることを把握し易くなる。このような推奨タイミング表示718、718−1、718−2を表示することで、ユーザは、避難通知を行う適切なタイミングを判断し易くなる。例えば、ユーザは、後述のように、スライダ810の表示位置を、スライダ810が推奨タイミング表示718、718−1、718−2に重なる位置まで変更する(図5参照)。これにより、ユーザは、推奨タイミング表示718、718−1、718−2の表示位置に対応する時点又は時間帯でのパラメータ値分布マップ等(後述)をチェックできる。
尚、避難準備、避難勧告、及び避難指示のうちの2つ以上の避難通知が今後推奨される場合、推奨タイミング表示は、スライダ810の現在の表示位置に基づいて、現在の表示位置に対応する時点よりも先の直近の避難通知を行う推奨タイミングを表してよい。例えば、図4に示す例では、スライダ810の現在の表示位置は現時点に対応する位置であり、この場合、図4に示すように、避難準備に係る推奨タイミング表示718が出力される。この結果、ユーザは、避難準備に係る避難通知を行う推奨タイミングを把握できる。他方、図5に示す例では、スライダ810の現在の表示位置は現時点より3時間後に対応する位置であり、この場合、図5に示すように、推奨タイミング表示718−1が出力される。この結果、ユーザは、避難勧告に係る避難通知を行う推奨タイミングを把握できる。このようにして、ユーザは、スライダ810の現在の表示位置に対応する時点を基準として、同時点より先の直近で行う避難通知の推奨タイミングを容易に把握できる。また、推奨タイミング表示718、718−1、718−2は、異なる態様(例えば色)で出力されてもよい。これにより、ユーザは、推奨タイミング表示718、718−1、718−2が表す推奨タイミングに係る種別(避難準備、避難勧告、及び避難指示のうちのいずれか)を容易に把握できる。
第2画像部72は、対象エリア内の位置ごと又は区画ごとの災害関連パラメータの値の分布(以下、「パラメータ値分布マップ」と称する)を含む。パラメータ値分布マップにおいて、災害関連パラメータの各値は、所定範囲ごとに色分けされる態様で示されてよい。或いは、パラメータ値分布マップにおいて、災害関連パラメータの各値は、所定範囲ごとに等高線(コンツァ)の態様で示されてもよいし、棒グラフの態様で示されてもよい。
パラメータ値分布マップにおける災害関連パラメータの値に係る位置ごと又は区画ごとの単位は、学区や行政区であってよい。また、ある区画に係る災害関連パラメータの値は、同区画内の代表的な所定の地点(位置)での災害関連パラメータの値であってよいし、平均値等であってもよい。
災害関連パラメータは、雨量、水位、及び災害の危険度のうちの少なくともいずれか1つに関する。例えば、災害関連パラメータは、1種類であってよいが、好ましくは、2種類以上ある。この場合、パラメータ値分布マップは、災害関連パラメータごとに生成される。例えば、第2画像部72は、雨量に関するパラメータ値分布マップと、水位に関するパラメータ値分布マップと、災害の危険度に関するパラメータ値分布マップとを同時に含んでよい。或いは、画面スペースに制約がある場合は、第2画像部72は、雨量に関するパラメータ値分布マップと、水位に関するパラメータ値分布マップと、災害の危険度に関するパラメータ値分布マップのうちの、ユーザにより選択された1つを含んでよい。或いは、第2画像部72は、雨量に関するパラメータ値分布マップと、水位に関するパラメータ値分布マップと、災害の危険度に関するパラメータ値分布マップのうちの1つを、所定の順序で時分割の態様で含んでよい。これにより、ユーザは、複数種類の災害関連パラメータに基づいて多面的に、防災判断を行うことが可能となる。
パラメータ値分布マップは、スライダ810の表示位置に応じた時間又は時間帯に係る。従って、パラメータ値分布マップは、スライダ810の表示位置が変化すると変化しうる。例えば、図3乃至図7に示すように、スライダ810の表示位置が時間軸800の現時点に対応する場合は、現在のパラメータ値分布マップが表示される。また、スライダ810の表示位置が現在よりも3時間後に対応する表示位置に移動されると、3時間後のパラメータ値分布マップが表示される(図5参照)。これにより、ユーザは、スライダ810の表示位置を変化させることで、所望の時間又は時間帯でのパラメータ値分布マップを見ることができる。この結果、利便性が向上するとともに、ユーザによる正確かつ迅速な防災判断に寄与することが期待できる。
現在のパラメータ値分布マップ(即ち現在の災害関連パラメータの各値)は、防災関連情報に基づく値であってよい。例えば、現在の雨量及び水位は、レーダ情報や対象エリア内の各種センサからのセンサ情報に基づく値であってよい。また、災害の危険度は、対象エリア内のメッシュ情報に基づく値であってよい。
また、今後のパラメータ値分布マップ(即ち将来の災害関連パラメータの各値)は、同様に、防災関連情報に基づく値であってよい。例えば、今後の雨量及び水位は、レーダ情報や対象エリア内の各種センサからのセンサ情報に基づく予測値であってよい。また、災害の危険度は、対象エリア内のメッシュ情報に基づく予測値であってよい。
パラメータ値分布マップは、図3乃至図7に示すように、対象エリアの地図を含む。対象エリアの地図は、区域を分ける区画線を有してよい。尚、区画の単位は、学区や行政区であってよい。例えば、図3乃至図7に示す例では、対象エリアの地図は、対象エリア外のエリアの概略地図と連続する態様で生成されているが、対象エリアの地図は、対象エリア外の他のエリアの概略地図とは異なり、区域を分ける区画線を有する。従って、図3乃至図7に示す例では、実質的には、対象エリアの地図だけが表示されている。但し、変形例では、他のエリアの地図も対象エリアの地図と同様の態様であってもよい。
対象エリアの地図は、平常時、固定である。他方、対象エリアの地図は、避難準備、避難勧告、及び避難指示のいずれかが推奨された際、推奨される区画(以下、「避難対象区画」と称する)を強調する表示(以下、「避難対象区画表示」と称する)を含む。即ち、避難対象区画は、被災の可能性のある区画であり、災害リスク領域特定部104により特定される災害リスク領域に基づいて特定されてよい。例えば、避難対象区画は、災害リスク領域と同一であってもよいし、災害リスク領域に一部又は全部が含まれる区域であってもよい。
避難対象区画表示は、任意であるが、例えば図5にて符号900で示すように、避難対象区画を色づけし(例えば赤色に色付けし)かつ避難対象区画の外では避難対象区画から離れるにつれて色を徐々に薄くしていくことで、生成されてもよい。或いは、避難対象区画表示は、避難対象区画を囲む態様の表示であってもよい。避難対象区画表示を出力することで、ユーザは、避難対象区画を一目で把握することが容易となる。
また、対象エリアの地図は、避難準備、避難勧告、及び避難指示のいずれかが推奨された際、下部に、推奨された種別(避難準備、避難勧告、及び避難指示のうちのいずれか)を表す帯表示を含む。例えば、避難準備に係る帯表示は、図5にて符号901で示すように、「避難準備・高齢者等避難開始」といったメッセージを含んでよい。同様に、避難勧告に係る帯表示は、図6にて符号903で示すように、「避難勧告」といったメッセージを含んでよい。同様に、避難指示に係る帯表示は、図7にて符号905で示すように、「避難指示」といったメッセージを含んでよい。
本実施例では、対象エリアの地図は、上述のように、避難対象区画表示を含む。ある区画に対応付けられた避難対象区画表示の有無は、該区画が避難対象区画であるか否かを表す(即ち該区画における災害の危険度を2値で表す)。従って、対象エリアの地図は、対象エリア内の位置ごと又は区画ごとの災害関連パラメータの値の分布の他の一例である。但し、変形例では、対象エリアの地図は、非平常時においても、避難対象区画表示を含まなくてよい。この場合、対象エリアの地図は、単なる地図(単なる区画マップ)として機能できる。尚、以下では、対象エリアの地図については、他のパラメータ値分布マップと区別して、「対象エリアの地図」という用語で説明を続ける。
パラメータ値分布マップは、対象エリアの地図から遷移する態様で表示される。例えば、後述するように、スライダ810の表示位置が変更されると、パラメータ値分布マップが表示され、その後、対象エリアの地図が表示されてもよい。或いは、パラメータ値分布マップ及び対象エリアの地図は、互いに対応付けられる態様で同時に出力されてもよい。例えば、パラメータ値分布マップ及び対象エリアの地図は、斜視図の態様で、縦方向にずらして階層状に表示されてもよい(図8参照)。これにより、ユーザは、パラメータ値分布マップを対象エリアの地図と対照でき、区画ごとの状態を把握することが容易となる。
図8に示す例では、第2画像部72は、対象エリアの地図(区画マップの一例)720と、ハザードマップ721と、各種のパラメータ値分布マップ722〜724とを含む。パラメータ値分布マップ722〜724は、ハザードマップ721とともに、対象エリアの地図720を最下層として、階層状に表示される(即ちマルチレイヤ構成で表示される)。ハザードマップ721は、例えば、浸水ハザードマップや、洪水・土砂災害ハザードマップであってよい。尚、ハザードマップは、静的なマップであるが、対象エリア内の位置ごと又は区画ごとの災害関連パラメータの値の分布の他の一例である。尚、以下では、ハザードマップについても、対象エリアの地図についてと同様、他のパラメータ値分布マップと区別して、「ハザードマップ」という用語で説明を続ける。
図8に示す例では、ハザードマップ721は、対象エリアの地図720よりも1つだけ上の階層であるが、他の階層であってもよい。図8に示す例では、パラメータ値分布マップ724は、レーダ情報に基づく降雨量(災害関連パラメータ)の分布図(予測雨量マップの一例)であり、最上層に表示される。パラメータ値分布マップ723は、水位(災害関連パラメータ)の分布図(予測洪水若しくは予測水位マップの一例)である。尚、水位の分布図は、洪水の有無や浸水箇所の情報を含んでもよい。また、パラメータ値分布マップ722は、土砂災害の危険度(災害関連パラメータ)の分布図(予測土砂災害マップの一例)である。これにより、ユーザは、各種のマップを同時に対照でき、多様な観点から区画ごとの状態を把握することが容易となる。尚、第2画像部72の表示は、後述のように、対象エリアの地図720と、ハザードマップ721と、各種のパラメータ値分布マップ722〜724とが1つずつ時系列で順次切り替わるアニメーション(図14及び図15参照)を伴ってよい。以下、パラメータ値分布マップ722〜724について、区別するときは、それぞれ、「予測土砂災害マップ722」、「予測洪水/予測水位マップ723」、及び「予測雨量マップ724」とも称する。
また、図8に示す例では、対象エリアの地図720、ハザードマップ721、及びパラメータ値分布マップ722〜724は、避難対象区画の区画(境界)を強調する表示801〜805をそれぞれ含む(図8の囲みP1内参照)。これにより、ユーザは、対象エリアの地図720、ハザードマップ721、及びパラメータ値分布マップ722〜724のそれぞれにおける避難対象区画を容易に特定できる。この結果、ユーザは、避難対象区画における各災害関連パラメータの状況を把握し易くなる。尚、避難対象区画を強調する方法は、当該区画だけ点滅させる等、他の方法で実現されてもよい。
図8に示す例によれば、ユーザは、上層に配置された予測雨量マップ724を参照して、雨の影響によりおこりえる各種被災の可能性を確認しつつ、最下層で、被災の可能性のある区画(行政区又は学区)を把握できる。
尚、図8に示す例は、あくまで一例であり、多様な変更が可能である。例えば、ハザードマップ721及び/又は対象エリアの地図720は省略されてもよいし、パラメータ値分布マップ722〜724の一部が省略されてもよい。また、パラメータ値分布マップ722〜724に代えて又は加えて、他のパラメータ値分布マップが出力されてもよい。
第3画像部73は、図3乃至図7に示すように、防災体制情報730と、避難情報732とを含む。尚、避難情報732が出力される領域(ディスプレイ81上の領域)は、第3表示領域の一例である。
防災体制情報730は、現時点での防災体制(実施済み)を表す。この場合、防災体制情報730は、スライダ810の表示位置がユーザに変化されることには影響されないが、時間の経過とともに変化しうる。これにより、ユーザは、現時点での防災体制を一目で把握できる。尚、ユーザは、上述のように、スライダ810の表示位置に応じた時間又は時間帯で推奨される防災体制は、第1画像部71(符号716参照)から把握できる。従って、防災体制情報730が、スライダ810の表示位置の変更に応じて変化しない点は、ユーザにとって不便とならない。
但し、変形例では、スライダ810の表示位置に応じた時間又は時間帯で推奨される防災体制を表してもよい。この場合、防災体制情報730は、スライダ810の表示位置が変化すると変化しうる。これにより、ユーザは、スライダ810の表示位置を変化させることで、所望の時間又は時間帯での防災体制情報730を見ることができる。この結果、利便性が向上するとともに、ユーザによる正確かつ迅速な防災判断(防災体制に係る判断)に寄与することが期待できる。また、他の変形例では、防災体制情報730は、現時点での防災体制に代えて、現時点で整え始めるべき防災体制を表してもよい。
図4に示す例では、防災体制情報730は、「第1次」〜「第3次」の表記部分のいずれかが点滅することで、現時点での防災体制、又は現時点で整え始めるべき防災体制が、「第1次」〜「第3次」のうちのどの体制であるかを表す。図4に示す例では、防災体制情報730は、「第1次」の表記部分が点滅される。これにより、ユーザは、現時点での防災体制、又は現時点で整え始めるべき防災体制が「第1次」であることを容易に把握できる。尚、平常時は、「第1次」〜「第3次」の表記部分のいずれも点滅されることはない。
また、「第1次」〜「第3次」の表記部分の点滅は、異なる色で実現されてもよい。この際の色の使い方は、上述したハイライト表示と同様であってよい。
防災体制情報730は、好ましくは、第1次以上の防災体制を表す間、点滅される。例えば、図4乃至図7に示す例では、防災体制情報730のうちの「第1次」の部分が点滅されている。これにより、ユーザに対する防災体制情報730への注意喚起度を高めることができる。
避難情報732は、避難準備、避難勧告、及び避難指示のうちの、スライダ810の表示位置に応じた時間又は時間帯で推奨される1つを表す。この場合、避難情報732は、スライダ810の表示位置が変化すると変化しうる。これにより、ユーザは、スライダ810の表示位置を変化させることで、所望の時間又は時間帯での避難情報732を見ることができる。この結果、利便性が向上するとともに、ユーザによる正確かつ迅速な防災判断(避難準備、避難勧告、及び避難指示の発令に係る判断)に寄与することが期待できる。
但し、変形例では、避難情報732は、避難準備、避難勧告、及び避難指示のうちの、現時点で推奨される1つを表してもよい。この場合、避難情報732は、スライダ810の表示位置がユーザに変化されることには影響されないが、時間の経過とともに変化しうる。これにより、ユーザは、現在推奨される避難通知の種別を一目で把握できる。尚、ユーザは、後述のように、避難準備、避難勧告、及び避難指示のうちの、スライダ810の表示位置に応じた時間又は時間帯で推奨される1つは、第2画像部72から把握できる。従って、本変形例の場合、避難情報732が、スライダ810の表示位置の変更に応じて変化しない点は、ユーザにとって不便とならない。
避難情報732は、好ましくは、避難準備、避難勧告、又は避難指示を表す間、点滅される。これにより、ユーザに対する避難情報732への注意喚起度を高めることができる。
図4に示す例では、避難情報732は、「避難準備(高齢者等退避開始)」〜「避難指示」の表記部分のいずれかが点滅することで、推奨される1つが、「避難準備(高齢者等退避開始)」〜「避難指示」のうちのどれであるかを表す。図4に示す例では、避難情報732は、「避難準備(高齢者等退避開始)」の表記部分が点滅される。これにより、ユーザは、スライダ810の現在の表示位置に応じた時間又は時間帯で、避難準備の発令が推奨されることを容易に把握できる。尚、「避難準備(高齢者等退避開始)」の表記部分の点滅は、上述の推奨タイミング表示718の点滅と連動して実現されてよい。また、図5に示す例では、避難情報732は、「避難勧告」の表記部分が点滅される。これにより、ユーザは、スライダ810の現在の表示位置に応じた時間又は時間帯で、避難勧告の発令が推奨されることを容易に把握できる。尚、「避難勧告」の表記部分の点滅は、上述の推奨タイミング表示718−1の点滅と連動して実現されてよい。また、「避難勧告」の表記部分の点滅時は、「避難準備(高齢者等退避開始)」の表記部分は点灯状態で維持されてもよい。但し、変形例では、「避難勧告」の表記部分の点滅は、「避難準備(高齢者等退避開始)」の表記部分の点滅を伴ってもよい。尚、平常時は、「避難準備(高齢者等退避開始)」〜「避難指示」の表記部分のいずれも点滅されることはない。また、同様に、図6及び図7に示す例では、避難情報732は、「避難指示」の表記部分が点滅される。
また、「避難準備(高齢者等退避開始)」〜「避難指示」の表記部分の点滅は、異なる色で実現されてもよい。この際の色の使い方は、上述したハイライト表示と同様であってよい。
また、避難情報732は、好ましくは、避難対象区画の名称(図4乃至図7に示す例では、“B”)を含む。これにより、ユーザは、避難対象区画を名称から把握できる。また、避難情報732は、好ましくは、避難準備、避難勧告、又は避難指示を表す間、避難推奨場所(開設が推奨される避難場所)の情報を含んでよい。これにより、ユーザは、避難推奨場所に基づいて、適切な避難場所を判断でき、避難場所の情報を含む適切な避難通知を行うことができる。
尚、図3乃至図7に示す例では、第3画像部73は、その他、対象エリアの名称、現在の日時、現在の天気及び気温等の情報を含む。これにより、ユーザは、現在の各種情報を直ぐに把握できる。
本実施例によれば、上述のように、第1画像部71のスライダ810の表示位置が変更されると、第2画像部72のパラメータ値分布マップが変化する。これにより、ユーザは、所望の時点又は時間帯にスライダ810の表示位置を合わせることで、所望の時点又は時間帯でのパラメータ値分布マップをチェックできる。その結果、正確かつ迅速な防災判断が容易となる。
例えば、図4乃至図7に示す例では、ユーザは、まず、図4に示す防災支援画像を見て、避難情報732の点滅や推奨タイミング表示718の点滅等に基づいて、避難準備の発令を行うか否かの防災判断を行うことになる。かかる防災判断のため、ユーザは、推奨タイミング表示718の表示位置(時間軸800上の位置)にスライダ810の表示位置が一致するようにスライダ810を動かす(図5の矢印R1参照)。これにより、図4に示す防災支援画像は、図5に示す防災支援画像へと遷移する。この際、第2画像部72は、例えば、図8に示すようなパラメータ値分布マップとなった後、図5に示す対象エリアの地図となる。これにより、ユーザは、避難準備が推奨される時点又は時間帯におけるパラメータ値分布マップを確認でき、推奨タイミング表示718の表示位置に対応する時点又は時間帯での避難準備の発令が妥当であるか否かを判断し易くなる。この際、ユーザは、図5に示す対象エリアの地図の避難対象区画表示900を見て、避難対象区画を把握できる。従って、ユーザは、避難準備が推奨される時点又は時間帯におけるパラメータ値分布マップにおける避難対象区画の状態を確認することで、避難対象区画に係る避難準備の発令が妥当であるか否かを判断し易くなる。
また、ユーザは、図5に示す防災支援画像の第2画像部72を見て、避難情報732の点滅や推奨タイミング表示718−1の点滅等に基づいて、避難準備に後続して避難勧告が推奨されていることを確認できる。ユーザは、例えば、推奨タイミング表示718−1の表示位置に対応する時点又は時間帯で避難勧告の発令を行うか否かの防災判断を行う。かかる防災判断のため、ユーザは、推奨タイミング表示718−1の表示位置(時間軸800上の位置)にスライダ810の表示位置が一致するようにスライダ810を動かす(図6の矢印R2参照)。これにより、図5に示す防災支援画像は、図6に示す防災支援画像へと遷移する。この際、第2画像部72は、例えば、図8に示すようなパラメータ値分布マップとなった後、図6に示す対象エリアの地図となる。これにより、ユーザは、避難勧告が推奨される時点又は時間帯におけるパラメータ値分布マップを確認でき、推奨タイミング表示718−1の表示位置に対応する時点又は時間帯での避難勧告の発令が妥当であるか否かを判断し易くなる。この際、ユーザは、図6に示す対象エリアの地図の避難対象区画表示902を見て、避難対象区画を把握できる。従って、ユーザは、避難勧告が推奨される時点又は時間帯におけるパラメータ値分布マップにおける避難対象区画の状態を確認することで、避難対象区画に係る避難勧告の発令が妥当であるか否かを判断し易くなる。
また、ユーザは、図6に示す防災支援画像の第2画像部72を見て、避難情報732の点滅や推奨タイミング表示718−2の点滅等に基づいて、避難勧告に後続して避難指示が推奨されていることを確認できる。ユーザは、例えば、推奨タイミング表示718−2の表示位置に対応する時点又は時間帯で避難指示の発令を行うか否かの防災判断を行う。かかる防災判断のため、ユーザは、推奨タイミング表示718−2の表示位置(時間軸800上の位置)にスライダ810の表示位置が一致するようにスライダ810を動かす(図7の矢印R3参照)。これにより、図6に示す防災支援画像は、図7に示す防災支援画像へと遷移する。この際、第2画像部72は、例えば、図8に示すようなパラメータ値分布マップとなった後、図7に示す対象エリアの地図となる。これにより、ユーザは、避難指示が推奨される時点又は時間帯におけるパラメータ値分布マップを確認でき、推奨タイミング表示718−2の表示位置に対応する時点又は時間帯での避難指示の発令が妥当であるか否かを判断し易くなる。この際、ユーザは、図7に示す対象エリアの地図の避難対象区画表示904を見て、避難対象区画を把握できる。従って、ユーザは、避難指示が推奨される時点又は時間帯におけるパラメータ値分布マップにおける避難対象区画の状態を確認することで、避難対象区画に係る避難指示の発令が妥当であるか否かを判断し易くなる。
このようにして、本実施例によれば、ユーザは、現在の状況のみならず、今後の状況(避難勧告や避難指示が推奨されているか否か等)を把握しながら、現時点での防災判断を行うことができる。これにより、ユーザは、事前に予定(例えば防災体制の予定)を組むことで、慌てずに防災体制を整えることが可能となる。
次に、図9以降を参照して、防災支援装置10の動作例について説明する。
図9は、防災支援装置10により実行される全体処理の一例を概略的に示す概略フローチャートである。図9に示す処理は、例えば所定周期毎に実行されてよい。
ステップS900では、防災関連情報取得部100は、防災関連情報生成処理を行う。防災関連情報生成処理の一例は、図10を参照して後述する。
ステップS902では、災害リスク特定部102及び災害リスク領域特定部104は、ステップS900で得られる防災関連情報に基づいて、対象エリア内の災害リスク及び災害リスク領域等の特定処理を行う。対象エリア内の災害リスク及び災害リスク領域等の特定処理の一例は、図11乃至図12Cを参照して後述する。
ステップS904では、表示制御部110は、表示制御処理を行う。表示制御処理の一例は、図13を参照して後述する。
図10は、防災関連情報生成処理の一例を概略的に示す概略フローチャートである。
ステップS1000では、防災関連情報取得部100は、防災関連情報の取得処理を行う。防災関連情報の取得方法は上述した通りである。
ステップS1002では、防災関連情報取得部100は、ステップS1000での取得処理の結果、新たな防災関連情報を取得したか否かを判定する。判定結果が“YES”の場合は、ステップS1004に進み、それ以外の場合は、今回周期の防災関連情報生成処理はそのまま終了する。
ステップS1004では、防災関連情報取得部100は、ステップS1000で得た新たな防災関連情報に基づいて、防災関連情報データベース130内の防災関連情報を更新する。
図11は、災害リスク特定処理の一例の概略フローチャートである。
ステップS1100では、災害リスク特定部102は、現在又は今後の気象警報又は注意報の発令があるか否かを判定する。図11では、一例として、災害リスク特定部102は、現在又は今後に、注意報・警報・特別警報の発表予測時間帯が存在するか否かを判定する。判定結果が“YES”の場合は、ステップS1102に進み、それ以外の場合は、ステップS1116に進む。
ステップS1102では、災害リスク特定部102は、現在又は今後の気象警報又は注意報の種別として、洪水に関する気象警報又は注意報、浸水に関する気象警報又は注意報、及び、土砂災害に関する気象警報又は注意報のうちのいずれであるかを、判定する。洪水に関する気象警報又は注意報である場合、ステップS1104を介してステップS1106に進み、浸水に関する気象警報又は注意報である場合、ステップS1108を介してステップS1110に進む。また、土砂災害に関する気象警報又は注意報である場合、ステップS1112を介してステップS1114に進む。尚、同時に2種類以上の種別が認識される場合もあり得る。この場合、ステップS1104,1106と、ステップS1108,1110と、ステップS1112,1114とは、2つ以上が並列処理が実行されてよい。
ステップS1104では、災害リスク特定部102は、洪水に関する災害リスクフラグを“1”にセットする。
ステップS1106では、災害リスク領域特定部104は、洪水に関する災害リスク領域等の特定処理を行う。洪水に関する災害リスク領域等の特定処理の一例は、図12Aを参照して後述する。
ステップS1108では、災害リスク特定部102は、浸水に関する災害リスクフラグを“1”にセットする。
ステップS1110では、災害リスク領域特定部104は、浸水に関する災害リスク領域等の特定処理を行う。浸水に関する災害リスク領域等の特定処理の一例は、図12Bを参照して後述する。
ステップS1112では、災害リスク特定部102は、土砂災害に関する災害リスクフラグを“1”にセットする。
ステップS1114では、災害リスク領域特定部104は、土砂災害に関する災害リスク領域等の特定処理を行う。土砂災害に関する災害リスク領域等の特定処理の一例は、図12Cを参照して後述する。
ステップS1116では、災害リスク特定部102は、現在又は今後の気象警報又は注意報が解除されたか否かを判定する。即ち、災害リスク特定部102は、少なくともいずれか1つの災害リスクフラグが“1”でありかつ注意報・警報・特別警報の発表予測時間帯がないか否かを判定する。判定結果が“YES”の場合は、ステップS1118を介して終了し、それ以外の場合は、そのまま終了する。
ステップS1118では、災害リスク特定部102は、各種災害リスクフラグを“0”に維持又はリセットする。
図12Aは、洪水に関する災害リスク領域等の特定処理の一例を概略的に示す概略フローチャートである。
ステップS1200では、災害リスク領域特定部104は、注意報・警報・特別警報の発表予測時間帯における評価対象期間の洪水害警戒判定メッシュ情報に基づいて、対象河川浸水区域における危険度を抽出する。図12Aでは、災害リスク領域特定部104は、一例として、10分ごとの評価対象期間に係る洪水害警戒判定メッシュ情報を利用する。初回は、災害リスク領域特定部104は、最初の10分の評価対象期間に係る洪水害警戒判定メッシュ情報を利用する。
ステップS1202では、災害リスク領域特定部104は、対象河川浸水区域における危険度判定基準値の発生メッシュブロックがあるか否かを判定する。判定結果が“YES”の場合は、ステップS1204に進み、それ以外の場合は、ステップS1218に進む。
ステップS1204では、災害リスク領域特定部104は、対象河川は指定河川か否かを判定する。指定河川は、例えば日本では、気象庁により予め指定されている河川である。判定結果が“YES”の場合は、ステップS1208に進み、それ以外の場合は、ステップS1206に進む。
ステップS1206では、災害リスク領域特定部104は、水位周知河川、その他河川等として流域雨量指数による解析処理を行う。尚、図12Aでは、流域雨量指数による解析処理の更なる説明は省略する。ステップS1206が終了すると、ステップS1218に進んでよい。
ステップS1208では、災害リスク領域特定部104は、洪水害警戒判定値が“I”であるか否かを判定する。洪水害警戒判定値が“I”であることは、洪水害が発生するおそれがあることを表す。判定結果が“YES”の場合は、ステップS1210に進み、それ以外の場合は、ステップS1222に進む。
ステップS1210では、災害リスク領域特定部104は、対象河川水位予測値または水位観測値(例えばセンサ情報に基づく観測値)から水位危険度を抽出する。
ステップS1212では、災害リスク領域特定部104は、水位観測局避難判断水位を超過または指定河川洪水予報が氾濫危険水位に到達するか否かを判定する。判定結果が“YES”の場合は、ステップS1214に進み、それ以外の場合は、ステップS1218に進む。
ステップS1214では、災害リスク領域特定部104は、50mm/h以上の降雨が1時間以内に予想されるか否かを判定する。判定結果が“YES”の場合は、ステップS1216に進み、それ以外の場合は、ステップS1218に進む。
ステップS1216では、災害リスク領域特定部104は、対象河川浸水区域の避難対象エリアを災害リスク領域として抽出し、避難準備の発令が推奨されている状態を表すために避難準備推奨フラグを“1”にセットする。また、災害リスク領域特定部104は、今回の評価対象期間に対応する時間帯を、避難準備の発令が推奨される時間として表示制御部110に与える。尚、対象河川浸水区域の避難対象エリアは、例えばハザードマップに基づいて抽出されてもよい。
ステップS1218では、災害リスク領域特定部104は、注意報・警報・特別警報の発表予測時間帯の全て(10分ごとの全て)を評価したか否かを判定する。判定結果が“YES”の場合は、そのまま終了し、それ以外の場合は、ステップS1220を介して、ステップS1200に戻る。
ステップS1220では、災害リスク領域特定部104は、注意報・警報・特別警報の発表予測時間帯において評価対象期間を10分だけ先にずらす。
ステップS1222では、災害リスク領域特定部104は、洪水害警戒判定値が“II”であるか否かを判定する。洪水害警戒判定値が“II”であることは、重大な洪水害が発生するおそれがあることを表す。判定結果が“YES”の場合は、ステップS1224に進み、それ以外の場合は、ステップS1232に進む。
ステップS1224では、災害リスク領域特定部104は、対象河川水位予測値または水位観測値から水位危険度を抽出する。
ステップS1226では、災害リスク領域特定部104は、水位観測局の水位が氾濫危険水位を超過または指定河川洪水予報が堤防天端水位に到達することが予想されるか否かを判定する。判定結果が“YES”の場合は、ステップS1228に進み、それ以外の場合は、ステップS1218に進む。
ステップS1228では、災害リスク領域特定部104は、50mm/h以上の降雨が1時間以内に予想されるか否かを判定する。判定結果が“YES”の場合は、ステップS1230に進み、それ以外の場合は、ステップS1218に進む。
ステップS1230では、災害リスク領域特定部104は、対象河川浸水区域の避難対象エリアを災害リスク領域として抽出し、避難勧告の発令が推奨されている状態を表すために避難勧告推奨フラグを“1”にセットする。また、災害リスク領域特定部104は、今回の評価対象期間に対応する時間帯を、避難勧告の発令が推奨される時間として表示制御部110に与える。
ステップS1232では、災害リスク領域特定部104は、洪水害警戒判定値が“III”であるか否かを判定する。洪水害警戒判定値が“III”であることは、重大な洪水害が発生するおそれが高いことを表す。判定結果が“YES”の場合は、ステップS1234に進み、それ以外の場合は、ステップS1218に進む。
ステップS1234では、災害リスク領域特定部104は、対象河川水位予測値または水位観測値から水位危険度を抽出する。
ステップS1236では、災害リスク領域特定部104は、水位観測局の水位が氾濫危険水位を超過または指定河川洪水予報が堤防天端水位に到達するか否かを判定する。判定結果が“YES”の場合は、ステップS1238に進み、それ以外の場合は、ステップS1218に進む。
ステップS1238では、災害リスク領域特定部104は、対象河川浸水区域の避難対象エリアを災害リスク領域として抽出し、避難指示の発令が推奨されている状態を表すために避難指示推奨フラグを“1”にセットする。また、災害リスク領域特定部104は、今回の評価対象期間に対応する時間帯を、避難指示の発令が推奨される時間として表示制御部110に与える。
図12Bは、浸水に関する災害リスク領域等の特定処理の一例を概略的に示す概略フローチャートである。
ステップS1240では、災害リスク領域特定部104は、注意報・警報・特別警報の発表予測時間帯における評価対象期間の浸水害警戒判定メッシュ情報に基づいて、浸水害警戒判定メッシュ情報における表面雨量指数基準値の危険度を抽出する。図12Bでは、災害リスク領域特定部104は、一例として、10分ごとの評価対象期間に係る浸水害警戒判定メッシュ情報を利用する。初回は、災害リスク領域特定部104は、最初の10分の評価対象期間に係る浸水害警戒判定メッシュ情報を利用する。
ステップS1242では、災害リスク領域特定部104は、対象エリアにおける危表面雨量指数基準値の発生メッシュブロックがあるか否かを判定する。判定結果が“YES”の場合は、ステップS1244に進み、それ以外の場合は、ステップS1248に進む。
ステップS1244では、災害リスク領域特定部104は、表面雨量指数基準値の判定値が“I”であるか否かを判定する。表面雨量指数基準値の判定値が“I”であることは、浸水害が発生するおそれがあることを表す。判定結果が“YES”の場合は、ステップS1246に進み、それ以外の場合は、ステップS1248に進む。
ステップS1246では、災害リスク領域特定部104は、所定の警戒対象地区の避難対象エリアを災害リスク領域として抽出し、避難準備の発令が推奨されている状態を表すために避難準備推奨フラグを“1”にセットする。また、災害リスク領域特定部104は、今回の評価対象期間に対応する時間帯を、避難準備の発令が推奨される時間として表示制御部110に与える。
ステップS1248では、災害リスク領域特定部104は、注意報・警報・特別警報の発表予測時間帯の全て(10分ごとの全て)を評価したか否かを判定する。判定結果が“YES”の場合は、そのまま終了し、それ以外の場合は、ステップS1250を介して、ステップS1240に戻る。
ステップS1250では、災害リスク領域特定部104は、注意報・警報・特別警報の発表予測時間帯において評価対象期間を10分だけ先にずらす。
ステップS1252では、災害リスク領域特定部104は、表面雨量指数基準値の判定値が“II”であるか否かを判定する。表面雨量指数基準値の判定値が“II”であることは、重大な浸水害が発生するおそれがあることを表す。判定結果が“YES”の場合は、ステップS1254に進み、それ以外の場合は、ステップS1256に進む。
ステップS1254では、災害リスク領域特定部104は、所定の警戒対象地区の避難対象エリアを災害リスク領域として抽出し、避難勧告の発令が推奨されている状態を表すために避難勧告推奨フラグを“1”にセットする。また、災害リスク領域特定部104は、今回の評価対象期間に対応する時間帯を、避難勧告の発令が推奨される時間として表示制御部110に与える。
ステップS1256では、災害リスク領域特定部104は、表面雨量指数基準値の判定値が“III”であるか否かを判定する。表面雨量指数基準値の判定値が“III”であることは、重大な浸水害が発生するおそれが高いことを表す。判定結果が“YES”の場合は、ステップS1258に進み、それ以外の場合は、ステップS1248に進む。
ステップS1258では、災害リスク領域特定部104は、所定の警戒対象地区の避難対象エリアを災害リスク領域として抽出し、避難指示の発令が推奨されている状態を表すために避難指示推奨フラグを“1”にセットする。また、災害リスク領域特定部104は、今回の評価対象期間に対応する時間帯を、避難指示の発令が推奨される時間として表示制御部110に与える。
図12Cは、土砂災害に関する災害リスク領域等の特定処理の一例を概略的に示す概略フローチャートである。
ステップS1260では、災害リスク領域特定部104は、注意報・警報・特別警報の発表予測時間帯における評価対象期間の土砂災害警戒判定メッシュ情報に基づいて、土砂災害警戒判定メッシュ情報における危険度を抽出する。図12Cでは、災害リスク領域特定部104は、一例として、10分ごとの評価対象期間に係る土砂災害警戒判定メッシュ情報を利用する。初回は、災害リスク領域特定部104は、最初の10分の評価対象期間に係る土砂災害警戒判定メッシュ情報を利用する。
ステップS1262では、災害リスク領域特定部104は、土砂災害警戒危険区域対象地区における危険度判定値の発生メッシュブロックがあるか否かを判定する。判定結果が“YES”の場合は、ステップS1264に進み、それ以外の場合は、ステップS1270に進む。
ステップS1264では、災害リスク領域特定部104は、警戒判定の判定値レベルが“2”であるか否かを判定する。尚、警戒判定の判定値レベルが高いほど(即ち数値が大きいほど)、土砂災害発生の危険度が高いことを意味する。判定結果が“YES”の場合は、ステップS1266に進み、それ以外の場合は、ステップS1274に進む。
ステップS1266では、災害リスク領域特定部104は、大雨警報(土砂災害)が発表または夜間から翌日に大雨警報(土砂災害)が予想されるか否かを判定する。判定結果が“YES”の場合は、ステップS1268に進み、それ以外の場合は、ステップS1270に進む。
ステップS1268では、災害リスク領域特定部104は、土砂災害警戒区域対象地区の避難対象エリアを災害リスク領域として抽出し、避難準備の発令が推奨されている状態を表すために避難準備推奨フラグを“1”にセットする。また、災害リスク領域特定部104は、今回の評価対象期間に対応する時間帯を、避難準備の発令が推奨される時間として表示制御部110に与える。
ステップS1270では、災害リスク領域特定部104は、注意報・警報・特別警報の発表予測時間帯の全て(10分ごとの全て)を評価したか否かを判定する。判定結果が“YES”の場合は、そのまま終了し、それ以外の場合は、ステップS1272を介して、ステップS1260に戻る。
ステップS1272では、災害リスク領域特定部104は、注意報・警報・特別警報の発表予測時間帯において評価対象期間を10分だけ先にずらす。
ステップS1274では、災害リスク領域特定部104は、警戒判定の判定値レベルが“3”であるか否かを判定する。判定結果が“YES”の場合は、ステップS1276に進み、それ以外の場合は、ステップS1282に進む。
ステップS1276では、災害リスク領域特定部104は、土砂災害警戒情報(警報の一例)が発表されているか否かを判定する。判定結果が“YES”の場合は、ステップS1280に進み、それ以外の場合は、ステップS1278に進む。
ステップS1278では、災害リスク領域特定部104は、大雨警報(土砂災害)が発表されておりかつ記録的短時間大雨情報が発表されているか否かを判定する。尚、記録的短時間大雨情報は、数年に一度程度しか発生しないような短時間の大雨が観測又は解析で予測れたときに、各地の気象台から発表される。判定結果が“YES”の場合は、ステップS1280に進み、それ以外の場合は、ステップS1270に進む。
ステップS1280では、災害リスク領域特定部104は、土砂災害警戒区域対象地区の避難対象エリアを災害リスク領域として抽出し、避難勧告の発令が推奨されている状態を表すために避難勧告推奨フラグを“1”にセットする。また、災害リスク領域特定部104は、今回の評価対象期間に対応する時間帯を、避難勧告の発令が推奨される時間として表示制御部110に与える。
ステップS1282では、災害リスク領域特定部104は、警戒判定の判定値レベルが“4”であるか否かを判定する。判定結果が“YES”の場合は、ステップS1284に進み、それ以外の場合は、ステップS1286に進む。
ステップS1284では、災害リスク領域特定部104は、土砂災害警戒情報が発表されているか否かを判定する。判定結果が“YES”の場合は、ステップS1288に進み、それ以外の場合は、ステップS1270に進む。
ステップS1286では、災害リスク領域特定部104は、土砂災害警戒情報が発表されておりかつ記録的短時間大雨情報が発令されているか否かを判定する。判定結果が“YES”の場合は、ステップS1288に進み、それ以外の場合は、ステップS1270に進む。
ステップS1288では、災害リスク領域特定部104は、土砂災害警戒区域対象地区の避難対象エリアを災害リスク領域として抽出し、避難指示の発令が推奨されている状態を表すために避難指示推奨フラグを“1”にセットする。また、災害リスク領域特定部104は、今回の評価対象期間に対応する時間帯を、避難指示の発令が推奨される時間として表示制御部110に与える。
図13は、表示制御処理の一例を概略的に示す概略フローチャートである。
ステップS1300では、表示制御部110は、防災支援装置10の電源オン後の初回の処理周期であるか否かを判定する。判定結果が“YES”の場合は、ステップS1302に進み、それ以外の場合は、ステップS1304に進む。
ステップS1302では、表示制御部110は、防災関連情報データベース130内の防災関連情報に基づいて、初期の防災支援画像を生成し、ディスプレイ81に表示する。この際、表示制御部110は、上記のステップS902で得られる結果を利用して、災害リスク時系列802を生成する。防災支援画像は、図3乃至図8を参照して上述した通りである。初期の防災支援画像は、スライダ810の表示位置が現時点表示804の表示位置に対応する。
ステップS1304では、表示制御部110は、スライダ810が移動中(即ちユーザによる操作中)であるか否かを判定する。スライダ810が移動中であるか否かは、タッチパネルからの信号に基づいて判断できる。判定結果が“YES”の場合は、ステップS1306に進み、それ以外の場合は、ステップS1310に進む。
ステップS1306では、表示制御部110は、スライダ移動中フラグF1を“1”にセットする。スライダ移動中フラグF1が“1”であることは、スライダ810が移動中(即ちユーザによる操作中)であることを表す。スライダ移動中フラグF1の初期値(即ち防災支援装置10の電源オン直後の値)は“0”である。
ステップS1308では、表示制御部110は、直近の防災支援画像を表示する。従って、スライダ810の移動中は、防災支援画像の第1画像部71や第2画像部72の表示状態は実質的に変化しない。尚、後述のアニメーション処理中のスライダ810の移動による割り込み時は、表示制御部110は、直近の防災支援画像として、アニメーション処理で最後となる対象エリアの地図を第2画像部72とする防災支援画像を出力してよい。また、変形例では、ステップS1308では、表示制御部110は、スライダ810の移動中の表示位置に応じた防災支援画像を表示してもよい。
ステップS1310では、表示制御部110は、スライダ移動中フラグF1が“1”であるか否かを判定する。判定結果が“YES”の場合は、ステップS1312に進み、それ以外の場合は、ステップS1320に進む。
ステップS1312では、表示制御部110は、スライダ810の現在の表示位置を取得又は算出する。スライダ810の現在の表示位置は、タッチパネルからの信号に基づいて取得又は算出できる。
ステップS1314では、表示制御部110は、防災関連情報データベース130内の防災関連情報に基づいて、スライダ810の現在の表示位置に対応する時点又は時間帯での防災支援画像を生成する。この際、表示制御部110は、上記のステップS902で得られる結果(避難準備推奨フラグ等の状態や、災害リスク領域等)に応じて、避難対象区画表示(避難対象区画表示900,902,904参照)を生成する。例えば、表示制御部110は、避難準備推奨フラグが“1”である時間(10分ごとの時間)に係る防災支援画像については、災害リスク領域に応じた避難対象区画表示900や推奨タイミング表示718−1、避難準備に係る帯表示901を追加するとともに、避難情報732の点滅を行う(図4参照)。
ステップS1316では、表示制御部110は、スライダ移動中フラグF1を“0”にリセットする。
ステップS1318では、表示制御部110は、アニメーション処理フラグF2を“1”にセットする。アニメーション処理フラグF2が“1”であることは、後述のアニメーション処理が実行中であることを表す。アニメーション処理フラグF2の初期値(即ち防災支援装置10の電源オン直後の値)は“0”である。ステップS1308が終了すると、ステップS1322に進む。
ステップS1320では、表示制御部110は、アニメーション処理フラグF2が“1”であるか否かを判定する。判定結果が“YES”の場合は、ステップS1322に進み、それ以外の場合は、ステップS1328に進む。
ステップS1322では、表示制御部110は、ステップS1314で生成した防災支援画像に基づいてアニメーション処理を行う。この際、表示制御部110は、防災支援画像の第1画像部71乃至第3画像部73のうちの、第2画像部72についてのみアニメーション処理を行う。アニメーション処理は、図8に示すような、対象エリアの地図720と、ハザードマップ721と、各種のパラメータ値分布マップ722〜724とが1つずつ時系列で順次切り替わる処理である。アニメーション処理の一例は、図14を参照して後述する。
ステップS1324では、表示制御部110は、アニメーション処理が終了したか否かを判定する。判定結果が“YES”の場合は、ステップS1326に進み、それ以外の場合は、今回周期の表示制御処理はそのまま終了する。
ステップS1326では、表示制御部110は、アニメーション処理フラグF2を“0”にリセットする。
ステップS1328では、表示制御部110は、防災関連情報データベース130内の防災関連情報に基づいて、必要に応じて防災支援画像を更新する。従って、この際、防災支援画像は、平常時の状態(例えば図3参照)から、非平常時の状態(例えば図4参照)へと変化しうる。
図9乃至図13に示す処理によれば、防災関連情報データベース130内の防災関連情報がリアルタイムに更新されるので、最新の防災関連情報に基づいて表示制御処理が実行される。また、表示制御処理では、スライダ810の表示位置の変更(ユーザによる操作)に応答して、アニメーション処理が実行される。ユーザは、スライダ810の表示位置を変更するだけで、対応する時点又は時間帯における各種のパラメータ値分布マップ等を効率的にチェックできる。
図14及び図15は、アニメーション処理の一例の説明図である。図14及び図15には、複数のフレーム(第2画像部72に係る部分についてのみ)が示され、矢印は、フレーム順を表す。図15は、図14の最後のフレームからの続きを表す。尚、図14及び図15は、説明図であり、必ずしもアニメーション処理中の全てのフレームを表しているわけではなく、また、図示されているフレームの変化は、必ずしも同じ時間間隔で生じているわけではない。
ここでは、一例として、ユーザがスライダ810の表示位置を、図4に示す推奨タイミング表示718の表示位置まで変更させる操作に応答したアニメーション処理を、図14及び図15を参照して説明する。即ち、図4に示す状態から図5に示す状態への遷移の際のアニメーション処理を説明する。
図14及び図15に示す例では、アニメーション処理は、まず、図14に示すように、第2画像部72のフレームt1として対象エリアの地図720を出力する。フレームt1の対象エリアの地図は、避難対象区画表示900及び避難準備に係る帯表示901を含む。次いで、アニメーション処理は、第2画像部72のフレームt2として、対象エリアの地図720を斜視図となる態様で、下部(最下層)に移動させる。次いで、アニメーション処理は、第2画像部72のフレームt3として、ハザードマップ721を対象エリアの地図720の上に階層状に表示する。次いで、アニメーション処理は、第2画像部72のフレームt4として、土砂災害の危険度に係る予測土砂災害マップ722を対象エリアの地図720及びハザードマップ721の上に階層状に表示する。次いで、アニメーション処理は、第2画像部72のフレームt5として、水位に係る予測洪水/予測水位マップ723を対象エリアの地図720、ハザードマップ721、及び予測土砂災害マップ722の上に階層状に表示する。次いで、アニメーション処理は、第2画像部72のフレームt6として、降雨量に係る予測雨量マップ724を対象エリアの地図720、ハザードマップ721、及びパラメータ値分布マップ722,723の上に階層状に表示する。尚、第2画像部72のフレームt6は、図8と同じであり、以下、第2画像部72のフレームt6を、「階層図」と称する。次いで、アニメーション処理は、第2画像部72のフレームt7として、予測雨量マップ724を単独で平面視(鳥瞰図)で表示する。この際、予測雨量マップ724には、同分布図の色分けされた各範囲(パラメータ値の範囲)を示す範囲表示7241が隣接される。次いで、アニメーション処理は、第2画像部72のフレームt8として階層図に戻す。
次いで、図15に示すように、アニメーション処理は、第2画像部72のフレームt9として、予測洪水/予測水位マップ723を単独で平面視で表示する。この際、予測洪水/予測水位マップ723には、同分布図の色分けされた各範囲(パラメータ値の範囲)を示す範囲表示7231が隣接される。次いで、アニメーション処理は、第2画像部72のフレームt10として階層図に戻す。次いで、アニメーション処理は、第2画像部72のフレームt11として、予測土砂災害マップ722を単独で平面視で表示する。この際、予測土砂災害マップ722には、同分布図の色分けされた各範囲(パラメータ値の範囲)を示す範囲表示7221が隣接される。次いで、アニメーション処理は、第2画像部72のフレームt12として階層図に戻す。次いで、アニメーション処理は、第2画像部72のフレームt13として、ハザードマップ721を単独で平面視で表示する。この際、ハザードマップ721には、同分布図の色分けされた各範囲(パラメータ値の範囲)を示す範囲表示7211が隣接される。次いで、アニメーション処理は、第2画像部72のフレームt14として階層図に戻す。最後に、アニメーション処理は、第2画像部72のフレームt15として対象エリアの地図720(フレームt1と同じ対象エリアの地図720)に戻す。
このように図14に示すアニメーション処理によれば、ハザードマップ721及びパラメータ値分布マップ722〜724が階層状に示されるとともに、それぞれ単独で平面視で示される。これにより、ユーザは、階層図を見て各災害関連パラメータ間の関係を把握しつつ、単独の平面視を見て、それぞれの災害関連パラメータに係る詳細な状態を把握できる。
尚、アニメーション処理は、ユーザにより途中で停止可能な処理であってもよい。この場合、ユーザは、所望の状態(例えば所望のパラメータ値分布マップが単独で平面視で示される状態)で詳細な検討を行うことも可能となる。また、アニメーション処理の終了後に、ユーザにより所望のフレームが選択可能とされてもよい。
以上、各実施例について詳述したが、特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において、種々の変形及び変更が可能である。また、前述した実施例の構成要素を全部又は複数を組み合わせることも可能である。
なお、以上の実施例に関し、さらに以下の付記を開示する。
[付記1]
将来の時刻の指定を受け付け、
特定の地域の行政区若しくは学区を示す区画マップを最下層として、受け付けた前記時刻に対応する前記特定の地域の予測雨量マップと、前記特定の地域の予測洪水若しくは予測水位マップ又は前記特定の地域の予測土砂災害マップとを含む複数のマップを、前記予測雨量マップが最上層となる態様で、縦方向にずらしてマルチレイヤ構成で表示する、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする表示プログラム。
[付記2]
前記区画マップは、被災の可能性のある行政区又は学区に対応する箇所が強調表示される、付記1に記載の表示プログラム。
[付記3]
今後の時点を含む時間軸と、前記時間軸に沿った表示位置が変更可能なマークとを、表示する処理をコンピュータに更に実行させ、
前記時刻の指定を受け付けることは、ユーザからの入力に応じて、前記マークの表示位置を変更することを伴う、付記2に記載の表示プログラム。
[付記4]
将来の時刻の指定を受け付け、
特定の地域の行政区若しくは学区を示す区画マップを最下層として、受け付けた前記時刻に対応する前記特定の地域の予測雨量マップと、前記特定の地域の予測洪水若しくは予測水位マップ又は前記特定の地域の予測土砂災害マップとを含む複数のマップを、前記予測雨量マップが最上層となる態様で、縦方向にずらしてマルチレイヤ構成で表示することを含む、コンピュータにより実行される表示方法。
[付記5]
処理装置を含み、
前記処理装置は、
将来の時刻の指定を受け付け、
特定の地域の行政区若しくは学区を示す区画マップを最下層として、受け付けた前記時刻に対応する前記特定の地域の予測雨量マップと、前記特定の地域の予測洪水若しくは予測水位マップ又は前記特定の地域の予測土砂災害マップとを含む複数のマップを、前記予測雨量マップが最上層となる態様で、縦方向にずらしてマルチレイヤ構成で表示する
ように構成される、表示装置。
[付記6]
第1の領域における気象情報を取得し、
取得した前記気象情報に基づいて、前記第1の領域における災害リスクを時系列で表示するとともに、前記時系列に含まれる所定の時間の指定を受け付けた場合に、指定を受け付けた前記所定の時間において、被災の可能性が所定レベル以上である第2の領域であって前記第1の領域に含まれる第2の領域を特定する、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする表示プログラム。
[付記7]
前記第2の領域を表す区画マップを表示する処理をコンピュータに更に実行させる付記6に記載の表示プログラム。
[付記8]
前記災害リスクを時系列で表示することは、今後の時点を含む時間軸と、前記時間軸に沿った表示位置が変更可能なマークとを、表示することを伴い、
前記所定の時間は、前記時間軸に沿った前記マークの表示位置に対応する、付記6又は7に記載の表示プログラム。
[付記9]
第1の領域における気象情報を取得し、
取得した前記気象情報に基づいて、前記第1の領域における災害リスクを時系列で表示するとともに、前記時系列に含まれる所定の時間の指定を受け付けた場合に、指定を受け付けた前記所定の時間において、被災の可能性が所定レベル以上である第2の領域であって前記第1の領域に含まれる第2の領域を特定することを含む、コンピュータにより実行される表示方法。
[付記10]
処理装置を含み、
前記処理装置は、
第1の領域における気象情報を取得し、
取得した前記気象情報に基づいて、前記第1の領域における災害リスクを時系列で表示するとともに、前記時系列に含まれる所定の時間の指定を受け付けた場合に、指定を受け付けた前記所定の時間において、被災の可能性が所定レベル以上である第2の領域であって前記第1の領域に含まれる第2の領域を特定する
ように構成される、表示装置。
[付記11]
第1表示領域内に、今後の時点を含む時間軸と、所定エリア内の災害リスクの時系列であって前記時間軸に沿った時系列と、前記時間軸に沿った表示位置が変更可能なマークとを、表示し、
第2表示領域内に、前記所定エリア内の位置ごと又は区画ごとの災害関連パラメータの値の分布であって、前記マークの表示位置に応じた時間又は時間帯に係る災害関連パラメータの値の分布を、表示する、
処理をコンピュータに実行させる表示プログラム。
[付記12]
ユーザからの入力に応じて、前記マークの表示位置を変更するとともに、前記マークの表示位置の変更に応じて前記分布を変更する、
処理をコンピュータに更に実行させる付記11に記載の表示プログラム。
[付記13]
前記災害関連パラメータは、少なくとも2種類以上あり、
前記分布を表示することは、前記災害関連パラメータごとの前記分布を、前記所定エリア内の複数の区画を表す区画マップを最下層として、階層状に表示することを含む、付記11又は12に記載の表示プログラム。
[付記14]
前記災害関連パラメータは、少なくとも2種類以上あり、
前記分布を表示することは、前記所定エリアの区画マップを単独で表示した後に、前記災害関連パラメータごとの前記分布を、前記所定エリア内の複数の区画を表す区画マップを最下層として、階層状に表示し、その後、前記災害関連パラメータごとの前記分布を順に1つずつ単独で表示することを含む、付記11又は12に記載の表示プログラム。
[付記15]
前記区画マップは、前記区画ごとに、前記災害関連パラメータとして避難対象区画であるか否かの2値を含むことで、前記分布を形成する、付記13又は14に記載の表示プログラム。
[付記16]
避難準備、避難勧告、及び避難指示のうちの少なくともいずれか1つについて、発令が推奨されるタイミングを、前記時間軸に対応付けて表示する、
処理をコンピュータに更に実行させる付記11〜15のうちのいずれか1項に記載の表示プログラム。
[付記17]
前記災害リスクは、雨、雪、風、波、噴火、及び降灰のうちの少なくともいずれか1つに関する、付記11〜16のうちのいずれか1項に記載の表示プログラム。
[付記18]
前記時系列は、前記災害リスクの現在値を含み、
前記災害リスクの現在値は、現時点での気象警報又は注意報の発令の有無を含み、前記災害リスクの予測値は、気象警報又は注意報の発令の有無又は可能性に関する、付記17に記載の表示プログラム。
[付記19]
前記気象警報又は注意報は、大雨、洪水、暴風、波浪、及び高潮のうちの少なくともいずれか1つに関する、付記18に記載の表示プログラム。
[付記20]
前記災害関連パラメータは、雨量、水位、及び災害の危険度のうちの少なくともいずれか1つに関する、付記11に記載の表示プログラム。
[付記21]
災害の危険度に関する前記災害関連パラメータの前記分布は、ハザードマップを含む、付記20に記載の表示プログラム。
[付記22]
第3表示領域内に、避難準備、避難勧告、及び避難指示のうちの、現時点で推奨される1つ、又は、前記マークの表示位置に応じた時間又は時間帯で推奨される1つを、表示する、
処理をコンピュータに更に実行させる、付記11に記載の表示プログラム。
[付記23]
防災関連情報を取得する処理をコンピュータに更に実行させ、
前記分布は、前記防災関連情報に基づいて生成される、付記11〜22のうちのいずれか1項に記載の表示プログラム。
[付記24]
第1表示領域内に、今後の時点を含む時間軸と、所定エリア内の災害リスクの時系列であって前記時間軸に沿った時系列と、前記時間軸に沿った表示位置が変更可能なマークとを、表示し、
第2表示領域内に、前記所定エリア内の位置ごと又は区画ごとの災害関連パラメータの値の分布であって、前記マークの表示位置に応じた時間又は時間帯に係る災害関連パラメータの値の分布を、表示することを含む、コンピュータにより実行される防災支援方法。
[付記25]
処理装置を含み、
前記処理装置は、
第1表示領域内に、今後の時点を含む時間軸と、所定エリア内の災害リスクの時系列であって前記時間軸に沿った時系列と、前記時間軸に沿った表示位置が変更可能なマークとを、表示し、
第2表示領域内に、前記所定エリア内の位置ごと又は区画ごとの災害関連パラメータの値の分布であって、前記マークの表示位置に応じた時間又は時間帯に係る災害関連パラメータの値の分布を、表示する
ように構成される、防災支援装置。