JP2007063849A - 河川水位予測モデル作成方法、河川水位予測装置及び河川水位予測モデル作成プログラム - Google Patents
河川水位予測モデル作成方法、河川水位予測装置及び河川水位予測モデル作成プログラム Download PDFInfo
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- Y02A—TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
- Y02A10/00—TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE at coastal zones; at river basins
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Abstract
【課題】調整パラメータが少なく、対象地域、対象河川の違いも同一の調整パラメータの範囲で対応可能な簡便な河川水位予測モデル作成する。
【解決手段】対象地域の降雨量情報と河川の水位情報、流速情報を取得し、流域を区画分割し、対象河川の降雨の流入評価点を複数設定し、流入評価点に降雨水が流入する区間を上流から同定し、着目する区画の降雨水が河川に流入する地点を判定し、当該区画の降雨水が河川に流入する地点へ到達するまでの時間と流入量を決定し、流域全体の降雨水が河川の流入評価点に流入する時間挙動を評価するモデルを作成し、着目河川の流入評価点では、接続されている地域区画全てからの降雨水流入量と河川上流評価点からの流出量と評価点からの流出量との流量マスバランスから河川流量を決定し、河川の任意の連続する2つの流入評価点間の位置での河川水位を流量と位置での河川幅と取得した流速値から計算する。
【選択図】図1
【解決手段】対象地域の降雨量情報と河川の水位情報、流速情報を取得し、流域を区画分割し、対象河川の降雨の流入評価点を複数設定し、流入評価点に降雨水が流入する区間を上流から同定し、着目する区画の降雨水が河川に流入する地点を判定し、当該区画の降雨水が河川に流入する地点へ到達するまでの時間と流入量を決定し、流域全体の降雨水が河川の流入評価点に流入する時間挙動を評価するモデルを作成し、着目河川の流入評価点では、接続されている地域区画全てからの降雨水流入量と河川上流評価点からの流出量と評価点からの流出量との流量マスバランスから河川流量を決定し、河川の任意の連続する2つの流入評価点間の位置での河川水位を流量と位置での河川幅と取得した流速値から計算する。
【選択図】図1
Description
本発明は、河川水位を予測するための物理モデルを作成する河川水位予測モデル作成方法、作成された物理モデルに基づいて河川水位を予測する河川水位予測装置及び河川水位予測モデル作成プログラムに関する。
一般に、河川水位を予測する方法は、河川水位の観測データを基に何らかの水位予測モデルを作るものである。
従来の河川水位予測方法としては、河川上流の水位観測から下流域での水位を予測するもの(例えば特許文献1)や、河川流域での降水量と河川水位の相関分析から河川水位の予測を行うもの(例えば特許文献2)がある。またレーダー観測による河川流域での降雨情報やテレメータによる河川水位情報を広範囲に集め、これを基に数時間先程度の河川水位を予測し、水害予測等に活用しようとするもの(例えば特許文献3)もある。
特開2004−293080号公報
特開2003−293344号公報
特開2002−269656号公報
しかしながら、特許文献1の河川水位予測方法においては、実際の観測結果を基に数時間程度先の河川水位を予測する程度のものであるため、降雨予測の段階での水位上昇予測は困難なものであった。また、特許文献3の河川水位予測方法では、河川流域にレーダー等の観測機器が必要なために設備導入コスト等の点で実施が容易でないなどの課題があった。さらに、特許文献2の河川水位予測方法では、河川流域の降水量というひとまとまりのデータと河川水位挙動の相関を直接分析するだけで、それらの因果関係を物理的なモデルを通して表現していないために、得られる相関式は一般性に乏しく、対象河川ごとに全く異なりうるものになる可能性があるという課題があった。
本発明は上述した課題を解決するためになされたものであり、対象とする地域の河川流域、及びその上流域での降雨情報から河川の水位を予測するモデルを構成する段階において流域区画ごとの降雨量と河川流入量との関係を標高データ等の地図情報を基に物理モデルで表現することで、調整パラメータが少なく、対象地域、対象河川の違いも同一の調整パラメータの範囲で対応可能な簡便な河川水位予測モデル作成方法および河川水位予測装置を提供することを目的としている。
上記の目的を達成するために本発明に係る河川水位予測モデル作成方法は、河川の水位を予測する物理モデルを作成する方法であって、対象とする地域の降雨量情報と、対象とする河川の水位情報及び流速情報とを取得し、対象河川の流域を所定領域に区画分割するとともに、対象河川における降雨の流入評価点を複数設定し、設定された流入評価点に降雨水が流入する区間を上流から順番に同定し、着目する地域区画の降雨水が河川に流入する地点を判定し、当該区画の降雨水が河川に流入する地点へ到達するまでの時間と流入量を決定することによって、河川流域全体の降雨水が河川の流入評価点に流入する時間挙動を評価するモデルを作成し、着目する河川の流入評価点では、その点と接続されている地域区画全てからの降雨水流入量と河川上流評価点からの流出量並びに当該評価点からの流出量との流量マスバランスから河川流量を決定し、着目する河川の任意の連続する2つの流入評価点間の位置での河川水位を、前記決定された流量と、当該位置での河川幅と、対象とする地域の河川流速情報の取得段階で取得した流速の値から計算評価することを特徴としている。
また、本発明に係る河川水位予測装置は、河川水位を予測する河川水位予測モデルが保存された河川水位予測モデル保存部と、保存された河川水位予測モデルと、対象地域の実際の降雨観測情報または気象予測による降雨分布予測情報とから対象河川の水位挙動を予測する河川水位予測部とを備え、予測された河川水位データを画面地図上に河川の任意地点での水位を表示させることを特徴としている。
さらに、本発明に係る河川水位予測モデル作成プログラムは、コンピュータに組み込まれることによって当該コンピュータを河川水位予測モデルを作成する装置として機能させる河川水位予測モデル作成プログラムであって、対象とする地域の降雨量情報と、対象とする河川の水位情報及び流速情報とを取得する機能と、対象河川の流域を所定領域に区画分割するとともに、対象河川における降雨の流入評価点を複数設定する機能と、設定された流入評価点に降雨水が流入する区間を上流から順番に同定する機能と、着目する地域区画の降雨水が河川に流入する地点を判定する機能と、当該区画の降雨水が河川に流入する地点へ到達するまでの時間と流入量を決定することによって、河川流域全体の降雨水が河川の流入評価点に流入する時間挙動を評価するモデルを作成する機能と、着目する河川の流入評価点では、その点と接続されている地域区画全てからの降雨水流入量と河川上流評価点からの流出量並びに当該評価点からの流出量との流量マスバランスから河川流量を決定する機能と、着目する河川の任意の連続する2つの流入評価点間の位置での河川水位を、前記決定された流量と、当該位置での河川幅と、対象とする地域の河川流速情報の取得段階で取得した流速の値から計算評価する機能とを備えたことを特徴としている。
本発明によれば、対象とする地域の河川流域、及びその上流域での降雨情報から河川の水位を予測するモデルを構成する段階において流域区画ごとの降雨量と河川流入量との関係を標高データ等の地図情報を基に物理モデルで表現することで、調整パラメータが少なく、対象地域、対象河川の違いも同一の調整パラメータの範囲で対応可能な簡便な河川水位予測モデル作成方法、河川水位予測装置及び河川水位予測モデル作成プログラムを提供することが可能となる。
図1は本発明に係る河川水位予測装置の実施形態を示すブロック図である。なお、河川水位予測装置としては、狭義には、作成された河川水位モデルを使用して河川水位を予測する処理に限定されるが、本実施形態においては、河川水位予測モデル作成処理をも含む広義のもとして取り扱う。
同図に示すように、この河川水位予測装置は、パーソナルコンピュータで構成でき、その機能上、データ入力部1と、降雨情報取得部3と、河川水位及び流速情報取得部5と、河川水位予測モデル作成部7と、河川水位予測モデル保存部9と、河川水位予測部11と、データ出力部13とを備えている。また、データベースとして数値地図データ格納部15と、降雨分布観測データ格納部17と、降雨分布予測データ格納部19とを備えている。
データ入力部1は、通信インタフェース機能を備えており、通信回線を介して供給される降雨情報、河川水位情報及び流速情報を入力して、降雨情報取得部3と、河川水位及び流速情報取得部5に出力する。また、実際の運用段階では、現場のデータである降雨情報を通信回線を介して取得して降雨分布観測データ格納部17に供給する。
降雨情報取得部3は、降雨が多くなる梅雨や台風の時期に実際に観測点ごとの降雨量情報と河川観測点ごとの水位及び流速情報を時系列で取得するもので、アメダスデータや新たに設置する雨量計等のデータを通信回線を介して取得する。
河川水位及び流速情報取得部5は、降雨が多くなる梅雨や台風の時期に実際に、河川観測点ごとの水位及び流速情報を時系列で取得するもので、観測点に設置する水位表示板の数値データを通信回線を介して取得する。またはレーザーもしくは音波等の発信並びに受信機により計測器から発信し河川水面で反射されてくる信号の時間遅れ等を利用して計測された水位データを通信回線を介して取得する。
河川水位予測モデル作成部7は、対象河川の流域を所定領域に区画分割するとともに、対象河川における降雨の流入評価点を複数設定し、設定された流入評価点に降雨水が流入する区間を上流から順番に同定し、着目する地域区画の降雨水が河川に流入する地点を判定し、当該区画の降雨水が河川に流入する地点へ到達するまでの時間と流入量を決定することによって、河川流域全体の降雨水が河川の流入評価点に流入する時間挙動を評価するモデルを作成し、着目する河川の流入評価点では、その点と接続されている地域区画全てからの降雨水流入量と河川上流評価点からの流出量並びに当該評価点からの流出量との流量マスバランスから河川流量を決定し、着目する河川の任意の連続する2つの流入評価点間の位置での河川水位を、前記決定された流量と、当該位置での河川幅と、対象とする地域の河川流速情報の取得段階で取得した流速の値から計算評価する。
河川水位予測モデル保存部9は、河川水位予測モデル作成部7で作成された河川水位予測モデルを保存しておくもので、ハードディスク等の外部記憶装置で構成できる。
河川水位予測部11は、運用時において河川水位予測モデル保存部9に保存された河川水位予測モデルと、降雨分布観測データ格納部17の降雨分布観測データまたは降雨分布予測データ格納部19の降雨分布予測データとに基づいて河川水位を予測するもので、CPUのソフトウェア機能で構成できる。
データ出力部13は、予測された河川水位を表示装置21に表示する機能を持つ表示制御機能や通信機能を持っている。
数値地図データ格納部15は、対象地域の数値地図データ(標高データ)を格納するもので、ハードディスク等の外部記憶装置で構成できる。
降雨分布観測データ格納部17は、観測された降雨分布データを格納するもので、ハードディスク等の外部記憶装置で構成できる。
降雨分布予測データ格納部19は、予測された降雨分布データを格納するもので、ハードディスク等の外部記憶装置で構成できる。
〈河川水位予測モデルの作成手順〉
《準備段階》
1.降雨水が対象河川に流入する地域を地図データ上で区画分割する。
《準備段階》
1.降雨水が対象河川に流入する地域を地図データ上で区画分割する。
<分割の手法>
分割の基準データの入手
1-1地図の緯度経度等を基準に適当な大きさに分割する。
分割の基準データの入手
1-1地図の緯度経度等を基準に適当な大きさに分割する。
1-2アメダス等の降雨観測点を基準に分割する。
分割のやり方
対象地域の数値地図データ(標高データ)を地理情報システムGIS(Geographic Information System)を利用することでコンピュータ画面上に表示し、区画分割指定 そのものをキーボードやマウス操作で対話形式で設定、表示する
2.地図上に河川の水位並びに流速を観測する地点(観測点)を複数設定する
3.降雨が多くなる梅雨や台風の時期に実際に観測点ごとの降雨量情報と河川観測点ごとの水位及び流速情報を時系列で取得する。
対象地域の数値地図データ(標高データ)を地理情報システムGIS(Geographic Information System)を利用することでコンピュータ画面上に表示し、区画分割指定 そのものをキーボードやマウス操作で対話形式で設定、表示する
2.地図上に河川の水位並びに流速を観測する地点(観測点)を複数設定する
3.降雨が多くなる梅雨や台風の時期に実際に観測点ごとの降雨量情報と河川観測点ごとの水位及び流速情報を時系列で取得する。
<降雨情報の取得方法>
アメダスデータや新たに設置する雨量計等のデータとして取得する。
アメダスデータや新たに設置する雨量計等のデータとして取得する。
<河川の水位情報の取得方法>
(1)観測点に設置する水位表示板の数値を読み取ること
(2)レーザーまたは音波等の発信並びに受信機により計測器から発信し河川水面で反射されてくる信号の時間遅れ等を利用して水位を計測する
<河川の流速情報の取得方法>
(1)観測点に回転羽根による流速計や電子式の流速計により読み取る方法
(2)観測点に河川水面を常時観測できるカメラを設置し、この画像情報からリーモートコントロールで水位や流速を観測する。
(1)観測点に設置する水位表示板の数値を読み取ること
(2)レーザーまたは音波等の発信並びに受信機により計測器から発信し河川水面で反射されてくる信号の時間遅れ等を利用して水位を計測する
<河川の流速情報の取得方法>
(1)観測点に回転羽根による流速計や電子式の流速計により読み取る方法
(2)観測点に河川水面を常時観測できるカメラを設置し、この画像情報からリーモートコントロールで水位や流速を観測する。
ここで取得したデータは後述するように河川水位予測モデルのパラメータ調整に使用される。河川水位予測モデルは以下のようなパラメータで構成される。
《河川水位予測モデルの作成段階》
先ず、対象河川において降雨の流入評価点を複数設定する。図2では上流から順に、K1、K2、K3で示す。
先ず、対象河川において降雨の流入評価点を複数設定する。図2では上流から順に、K1、K2、K3で示す。
次に、河川上流の評価点から順番に、そこへ流入する区画を同定していく。例えば、図2に示すように、区画Pの中心点での標高が流入評価点K1より低く、K2より大きい場合には、区画Pの降水は評価点K2に流入するものとする。この設定操作はコンピュータ上に組み込んだプログラムにより自動的に行うことが可能であり、また上述のGISを利用した地図画面表示の上で、各区画と河川への流入評価点を直線で連結表示することで全体の流入経路設定状況が確認できる。
また、地域には台地や小山など、下流域ではあるが標高が上流域の流入評価点と同等あるいはそれよりも高いような位置も存在しうるため、上述のような流入評価点判定方法では、現実的でない流入経路が設定される可能性もあるため、画面上でこれを使用者がチェックし、不適切と判断される区画についてはキーボードやマウス操作により個別に当該区画とそこから河川に流入すると考えられる流入評価点を接続指定することも有効である。
次に、区画Pの降雨量はそこから最も近い降雨観測点あるいは降雨予測点の降雨量と区画Pの面積から算出する。算出方法は降雨量観測値が単位面積あたりの降雨量であれば、これに区画の面積を乗じることで算出する。
区画Pの降雨が流入評価点K2へ流入するまでの時間遅れTPK2は、図3に示すように、区画Pの中心点と流入評価点K2との直線距離DPK2、区画Pの中心点と流入評価点K2との標高差HPK2、区画Pの土地利用区分、例えば森林、田畑、市街地などの(表面状態)パラメータSPから[数1]のようにモデル化される。
ここで、Dpk2:区画Pの代表点と河川流入評価点K2との距離
Sp :区画Pの土地表面状態(土地利用区分)パラメータ
Tpk2:区画Pでの降雨水がK2に流入するまでの時間
Hpk2:区画Pの代表点とK2との標高差
g :重力加速度
なお、区画Pから河川流入評価点K2までの経路長さについては、上述のような直線距離に、小川等の小規模河川や水路における実際の河川2点間距離と河川経路長さの比を乗じて使用することも考えられる。
Sp :区画Pの土地表面状態(土地利用区分)パラメータ
Tpk2:区画Pでの降雨水がK2に流入するまでの時間
Hpk2:区画Pの代表点とK2との標高差
g :重力加速度
なお、区画Pから河川流入評価点K2までの経路長さについては、上述のような直線距離に、小川等の小規模河川や水路における実際の河川2点間距離と河川経路長さの比を乗じて使用することも考えられる。
ここで、“SP”は地表面の粗度に起因する摩擦抵抗の大きさを示すもので、地表面が森林であったり市街地アスファルトであったりすることにより、雨水が地表面を流れる速さの程度を示すパラメータとして設定されている。ここでは粗度が大きいほど摩擦抵抗SPの値を大きく設定する。地表面の摩擦がない場合は最小値でSP=1とする。
この摩擦抵抗SPは、例えば土地利用データ等から、例えば、市街地、森林、田畑、住宅地、道等の土地に応じた値が設定されている。
[数1]は、図3、[数2]に示すように斜面を摩擦無しで自由落下する場合の所要時間に摩擦抵抗SPを乗じる形で定義している。このときの“SP”は粗度に起因する摩擦抵抗の意味で使用している。下記[数2]は斜面Pk2を重力落下する場合の所要時間tの計算式である。
図3に示すように、区画Pに降った雨量RPは時間遅れTPK2後に流入評価点K2に流れ込むと考える。このときの流入量qpは[数3]のように計算できる。この流入量qpは地表面の粗度に起因するパラメータSPをその区画の保水能力を示す指標としても利用する。摩擦抵抗SPの指数αは摩擦抵抗SPを保水力の指標として河川水位モデルの予測精度を調整するためのパラメータである。この指数αは、0.0以上の実数値であり、例えば、0.5や1.2といった値が設定できる。保水能力がなく、降雨水が全て河川に直ぐに流入すると考える場合には、α=0.0と設定する。
図4に示すように、評価点K2からK3に向かう河川流量qK2は[数4]のように流入流出のマスバランスから決める。なお評価点位置あるいは評価点間での流量マスバランスを考える際、河川の合流点では上流側の流量の和が下流側の流量となるよう、また河川の分岐点では、現地観測等により分流比を予め決定しておき、この分流比により、上流側の流量を分岐する下流側の流量として配分することが考えられる。
ここで、hk2:河川区間k2とk3間の任意の位置での水位
vk2:上記位置での河川流速
wk2:上記位置での河川幅
河川流速vK2は上述の河川観測点での流速観測データを使用しているが、河川観測点と流入評価点K2とK3間の位置が違う場合には、観測した流速に河川幅による補正を行って使用する。さらに、観測される流速は流量(あるいは水位)に依存して変化し得るものであるが、ここでは流量範囲(水位範囲)で3つ程度に範囲分けして流速を評価しておき、[数5]では流量に応じて適切な流速値を使用する。
vk2:上記位置での河川流速
wk2:上記位置での河川幅
河川流速vK2は上述の河川観測点での流速観測データを使用しているが、河川観測点と流入評価点K2とK3間の位置が違う場合には、観測した流速に河川幅による補正を行って使用する。さらに、観測される流速は流量(あるいは水位)に依存して変化し得るものであるが、ここでは流量範囲(水位範囲)で3つ程度に範囲分けして流速を評価しておき、[数5]では流量に応じて適切な流速値を使用する。
以上のようにして設定した水位予測モデルには2つの調整パラメータSPとαを含んでいる。これらは、[数6]に示す実際に降雨時に観測された水位挙動と降雨分布データを使用して[数5]により予測した水位との差異の総和が最小になるように調整して設定する。
なお、観測データと予測データの差を評価する場合[数6]のように両者の差の絶対値をとるもの以外に、水位が高い場合ほど両者の差が出ることの重みを大きく考えて、それぞれの水位の1以上のべき乗(例えば2乗)の差の絶対値をとる方法等も考えられる。
また、[数3]では、αは指数として計算したが、単純にαを係数として使用し、SPと掛け合わせるようにしても良い。この場合にはαは1以上の実数値となる。
また、摩擦抵抗SPとαは区画に依存しないものとして示しているが、これらを流入評価点ごと、あるいはさらに区画ごとに設定調整する方法も考えられる。ただし、この場合には調整すべきパラメータの数が多くなるため遺伝的アルゴリズム等で試行錯誤の淘汰により設定することになる。
また、上述した河川水位予測モデル作成方法の処理手順をプログラム化してコンピュータに組み込むことにより、当該コンピュータを河川水位予測モデルを作成する装置として機能させる河川水位予測モデル作成プログラムを構築することもできる。
《河川水位の予測処理》
以上のようにしてパラメータ調整が終了すれば、この河川水位予測モデルをコンピューターの河川水位予測モデル保存部9に組み込む。以後、河川水位予測部11では、対象地域の実際の降雨観測情報、または気象予測による降雨分布予測情報を予測モデルの入力データとして対象河川の水位挙動を予測し、表示装置21に表示されたの画面地図上に河川の任意地点での水位を表示できる。
以上のようにしてパラメータ調整が終了すれば、この河川水位予測モデルをコンピューターの河川水位予測モデル保存部9に組み込む。以後、河川水位予測部11では、対象地域の実際の降雨観測情報、または気象予測による降雨分布予測情報を予測モデルの入力データとして対象河川の水位挙動を予測し、表示装置21に表示されたの画面地図上に河川の任意地点での水位を表示できる。
このように、本実施の形態によれば、河川の規模等に依存せず全国のあらゆる河川流域を対象に、大規模な観測機器や観測体制を必要とせずに、物理モデルに基づく、少ない調整パラメータで構成された河川水位予測モデルを入手でき、また予測モデルの運用段階においては気象予測モデルの発展による詳細な地域メッシュデータでの降雨予測情報に応じてその降雨分布を地域区画分割として反映することで水位予測モデルそのものの精度向上が可能となるので、豪雨や台風時の洪水や浸水リスクを判断するための有効な情報提供を行うことができる。
1 データ入力部
3 降雨情報取得部
5 河川水位及び流速情報取得部
7 河川水位予測モデル作成部
9 河川水位予測モデル保存部
11 河川水位予測部
13 データ出力部
15 数値地図データ格納部
17 降雨分布観測データ格納部
19 降雨分布予測データ格納部
21 表示装置
3 降雨情報取得部
5 河川水位及び流速情報取得部
7 河川水位予測モデル作成部
9 河川水位予測モデル保存部
11 河川水位予測部
13 データ出力部
15 数値地図データ格納部
17 降雨分布観測データ格納部
19 降雨分布予測データ格納部
21 表示装置
Claims (8)
- 河川の水位を予測する物理モデルを作成する方法であって、
対象とする地域の降雨量情報と、対象とする河川の水位情報及び流速情報とを取得し、
対象河川の流域を所定領域に区画分割するとともに、対象河川における降雨の流入評価点を複数設定し、
設定された流入評価点に降雨水が流入する区間を上流から順番に同定し、
着目する地域区画の降雨水が河川に流入する地点を判定し、
当該区画の降雨水が河川に流入する地点へ到達するまでの時間と流入量を決定することによって、河川流域全体の降雨水が河川の流入評価点に流入する時間挙動を評価するモデルを作成し、
着目する河川の流入評価点では、その点と接続されている地域区画全てからの降雨水流入量と河川上流評価点からの流出量並びに当該評価点からの流出量との流量マスバランスから河川流量を決定し、
着目する河川の任意の連続する2つの流入評価点間の位置での河川水位を、前記決定された流量と、当該位置での河川幅と、対象とする地域の河川流速情報の取得段階で取得した流速の値から計算評価する、
ことを特徴とする河川水位予測モデル作成方法。 - 請求項1に記載の河川水位予測モデル作成方法において、
前記着目する地域区画の降雨水が河川に流入する地点を判定する場合、
予め河川流域に1点または複数の流入評価点を設定し、着目する地域区画の代表標高値と流入評価点の標高値を比較することにより、着目する地域区画とこの地域区画から河川に流入する評価点とを1対1に決定する、
ことを特徴とする河川水位予測モデル作成方法。 - 請求項1に記載の河川水位予測モデル作成方法において、
着目する地域区画の降雨水が河川に流入するまでの所要時間の評価方法として、着目する地域区画の代表点から河川流入点まで距離と、前記2地点間の標高差及び着目する地域区画の土地の表面状態から定量化される流下速度を使用する、
ことを特徴とする河川水位予測モデル作成方法。 - 請求項1に記載の河川水位予測モデル作成方法において、
着目する地域区画の降雨水が河川に流入する流入量の評価方法として、着目する地域区画の土地の表面状態を数値化した第1のパラメータと、着目する地域区画の保水能力を数値化する第2のパラメータを使用する、
ことを特徴とする河川水位予測モデル作成方法。 - 請求項1に記載の河川水位予測モデル作成方法において、
対象とする地域の降雨量情報並びに地域河川水位情報の取得段階で得た水位挙動データと、この降雨量情報を入力として上記設定した河川水位予測モデルによる水位挙動予測データとの差が最小になるよう、河川水位予測モデルに含まれる第1のパラメータ及び第2のパラメータの各設定値を調整することで、着目する河川の水位予測モデルを確定する、
ことを特徴とする河川水位予測モデル作成方法。 - 河川水位を予測する河川水位予測モデルが保存された河川水位予測モデル保存部と、
保存された河川水位予測モデルと、対象地域の実際の降雨観測情報または気象予測による降雨分布予測情報とから対象河川の水位挙動を予測する河川水位予測部とを備え、
予測された河川水位データを画面地図上に河川の任意地点での水位を表示させる、
ことを特徴とする河川水位予測装置。 - 請求項6に記載の河川水位予測装置において、
前記河川水位予測モデル保存部に保存される河川水位予測モデルは、請求項1乃至5の何れか1項に記載の河川水位予測モデル作成方法によって作成されたものである、
ことを特徴とする河川水位予測装置。 - コンピュータに組み込まれることによって当該コンピュータを河川水位予測モデルを作成する装置として機能させる河川水位予測モデル作成プログラムであって、
対象とする地域の降雨量情報と、対象とする河川の水位情報及び流速情報とを取得する機能と、
対象河川の流域を所定領域に区画分割するとともに、対象河川における降雨の流入評価点を複数設定する機能と、
設定された流入評価点に降雨水が流入する区間を上流から順番に同定する機能と、
着目する地域区画の降雨水が河川に流入する地点を判定する機能と、
当該区画の降雨水が河川に流入する地点へ到達するまでの時間と流入量を決定することによって、河川流域全体の降雨水が河川の流入評価点に流入する時間挙動を評価するモデルを作成する機能と、
着目する河川の流入評価点では、その点と接続されている地域区画全てからの降雨水流入量と河川上流評価点からの流出量並びに当該評価点からの流出量との流量マスバランスから河川流量を決定する機能と、
着目する河川の任意の連続する2つの流入評価点間の位置での河川水位を、前記決定された流量と、当該位置での河川幅と、対象とする地域の河川流速情報の取得段階で取得した流速の値から計算評価する機能と、
を備えたことを特徴とする河川水位予測モデル作成プログラム。
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