JP4886106B2 - スパッタリングターゲットとその製造方法、およびそれを用いたタングステンシリサイド膜、配線、電極、電子部品 - Google Patents

スパッタリングターゲットとその製造方法、およびそれを用いたタングステンシリサイド膜、配線、電極、電子部品 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、タングステンシリサイドからなるスパッタリングターゲットとその製造方法、およびそれを用いたタングステンシリサイド膜、配線、電極、電子部品に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体素子や液晶表示素子などに代表される電子部品においては、配線や電極の形成材料、また素子構成膜などとして、WやMoなどの高融点金属のシリサイド化合物が使用されている。特に、半導体素子の高集積化、高密度化に伴う電極や配線の細長化によって、電気信号の遅延が問題となっているが、抵抗値の低いWシリサイド薄膜は低抵抗な電極や配線の形成材料として有用である。Wシリサイド薄膜は、エレクトロマイグレーションの抑制などにも効果を発揮する。
【0003】
Wシリサイド(WSi2)などの金属シリサイド化合物からなる薄膜を形成する方法としては、スパッタリング法とCVD法が代表的な成膜法として挙げられるが、成膜の生産性、安定性、製造コストなどの観点から、特にスパッタリング法が一般的に使用されている。Wシリサイド薄膜をスパッタリング法で形成する場合、Wシリサイドでスパッタリングターゲットを作製する必要がある。一般的なスパッタリングターゲットの製造方法としては、電子ビーム(EB)溶解などを適用した溶解法、あるいはホットプレス(HP)や熱間静水圧プレス(HIP)などを適用した粉末焼結法が知られている。
【0004】
Wシリサイドターゲットを作製する場合には、成膜するWシリサイド膜の組成制御が容易であることなどから、粉末焼結法が一般的に使用されている(例えば特開平5-214523号公報参照)。具体的には、まずW粉末とSi粉末とを、Siの原子比が2〜4程度となるように混合し、この混合粉末に熱処理を施してWシリサイドを合成した後、HPやHIPなどを適用して高真空中、高圧力下で加圧焼結することによって、Wシリサイドターゲットを作製している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述したような従来のWシリサイドターゲットを用いたスパッタ成膜においては、半導体素子などの高集積化や高密度化などに伴って、スパッタ膜の膜厚の面内均一性、さらにターゲットに起因するパーティクルが重大な問題として認識されている。ここで、パーティクルとは例えば直径が0.2〜10μm程度の微細な粒子であり、このような微細粒子が成膜した薄膜中に混入すると、配線間のショートや配線のオープン不良などの原因となるため、半導体素子や液晶表示素子などの電子部品の製造歩留りを低下させることになる。
【0006】
従来の粉末焼結法によるWシリサイドターゲットは、一般的にWSi2相の間隙に微細なSi相を配置した微細組織を有しており、例えば99%以上というような密度が得られている。また、スパッタリングターゲットにおいては、一般的に結晶構造や結晶方位がターゲットからのスパッタ粒子の放出特性に影響を及ぼすことが知られている。
【0007】
しかしながら、最近の半導体素子の高集積化や高密度化などに伴って、スパッタ膜の膜厚分布の面内均一性やパーティクルの発生数に対する要求レベルは年々厳しくなっており、従来の膜厚分布の面内均一性やパーティクルの発生レベルでは十分に対応しきれなくなっている。例えば、配線溝のアスペクト比が5以上になることが予想される次世代のロジックなどにおいては、より高度なスパッタ膜の膜厚分布の面内均一性が求められている。
【0008】
このようなことから、高集積化や高密度化が進められている半導体素子などの製造歩留りの向上を図る上で、Wシリサイド膜の膜厚分布の面内均一性をより一層高めると共に、Wシリサイドターゲットに起因するパーティクルの発生量を大幅に低減することが強く望まれている。
【0009】
本発明はこのような課題に対処するためになされたものであって、従来は結晶構造の差異などに言及されることがなかった高融点金属シリサイドターゲット、特にタングステンシリサイドターゲットにおいて、結晶構造や結晶方位などに起因する膜厚分布の面内均一性の低下を抑制すると共に、パーティクルの発生数を大幅に減少させることを可能にしたスパッタリングターゲットおよびその製造方法を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、粉末焼結法によるタングステンシリサイドターゲットの表面(ターゲット面)の結晶方位について検討した結果、WSi2の相対強度(ピーク強度比)が大きい結晶面、すなわちWSi2の(002)面、(101)面、(110)面、(103)面、(112)面、(213)面の結晶方位含有比の和を相対的に増大させ、これによりスパッタ粒子の指向性を向上させることによって、スパッタ膜(WSix膜)の膜厚分布の面内均一性を大幅に高めることができると共に、パーティクルの発生を大幅に抑制することが可能であることを見出した。
【0011】
さらに、タングステンシリサイドターゲットがWSi2相の間隙に微細なSi相を配置した微細組織を有している場合、Siの主結晶面である(111)面の結晶方位含有比を相対的に増大させることによって、スパッタ膜(WSix膜)の膜厚分布の面内均一性、さらにはパーティクルの発生抑制効果をより一層高めることが可能であることを見出した。
【0012】
本発明はこのような知見に基づいて成されたものであり、本発明のスパッタリングターゲットは請求項1に記載したように、WSix(ただし、xは2≦x≦4を満足する数である)で表されるタングステンシリサイド粉末を加圧下で焼結し、緻密化されたタングステンシリサイド焼結体を作製する工程と、前記焼結工程に引き続いて、前記タングステンシリサイド焼結体への加圧力を開放した状態で1000〜1380℃の温度で熱処理した後、常温まで冷却する工程と、前記冷却工程を経たタングステンシリサイド焼結体を、所望のターゲット形状に加工する工程とを有する方法で製造されたスパッタリングターゲットであって、前記ターゲット表面をX線回折法で測定した際のWSi2の(002)面、(101)面、(110)面、(103)面、(112)面および(213)面の結晶方位含有比の和が、
【数3】
Figure 0004886106
で表されるWSi2の結晶方位含有比の計算式((1)式)に基づく値として25%以上であることを特徴としている。
【0013】
本発明のスパッタリングターゲットにおいて、上記したWSi2の(002)面、(101)面、(110)面、(103)面、(112)面および(213)面の結晶方位含有比の和は、請求項2に記載したように、ターゲット表面全体としてのバラツキを20%以内とすることが好ましい。また特に、請求項3に記載したように、上記した(1)式で示される結晶方位含有比の計算式に基づくWSi2の(101)面の結晶方位含有比を5%以上とすることがさらに好ましい。
【0014】
本発明のスパッタリングターゲットは、例えば請求項5に記載したように、連鎖状に形成されたタングステンシリサイド相と、このタングステンシリサイド相の間隙に不連続に存在する遊離Si相とを含む微細組織を有するものである。
【0015】
このような微細組織を有するタングステンシリサイドターゲットにおいて、本発明のスパッタリングターゲットは請求項6に記載したように、さらに前記ターゲット表面をX線回折法で測定した際のSiの(111)面の結晶方位含有比が、
【数4】
Figure 0004886106
で表されるSiの結晶方位含有比の計算式((2)式)に基づく値として10%以上であることを特徴としている。Siの(111)面の結晶方位含有比は、請求項7に記載したように、ターゲット表面全体としてのバラツキを15%以内とすることがより好ましい。
【0016】
上述したような本発明のスパッタリングターゲットは、本発明の製造方法を適用することにより再現性よく得ることができる。すなわち、本発明のスパッタリングターゲットの製造方法は、請求項8に記載したように、WSix(ただし、xは2≦x≦4を満足する数である)で表されるタングステンシリサイド粉末を加圧下で焼結し、緻密化されたタングステンシリサイド焼結体を作製する工程と、前記焼結工程に引き続いて、前記タングステンシリサイド焼結体への加圧力を開放した状態で1000〜1380℃の温度で熱処理した後、常温まで冷却することにより、前記タングステンシリサイド焼結体の結晶方位を調整する工程と、前記結晶方位の調整工程を経たタングステンシリサイド焼結体を所望のターゲット形状に加工する工程とを有することを特徴としている。
また、本発明のタングステンシリサイド膜は、本発明のスパッタリングターゲットを用いて形成されたことを特徴としている。本発明の配線は、本発明のスパッタリングターゲットを用いて形成されたタングステンシリサイド膜からなることを特徴としている。本発明の電極は、本発明のスパッタリングターゲットを用いて形成されたタングステンシリサイド膜からなることを特徴としている。本発明の電子部品は、本発明のスパッタリングターゲットを用いて形成されたタングステンシリサイド膜を具備することを特徴としている。本発明の電子部品としては、半導体素子や液晶表示素子等が挙げられる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
【0018】
本発明のスパッタリングターゲットは、
組成式:WSix …(3)
(式中、xは2≦x≦4を満足する数を示す)
で表される組成を有するタングステン(W)シリサイドから実質的になるものである。
【0019】
ここで、xの値は基本的には、WSi2を構成するSi量と過剰のSi量(遊離Si相を構成するSi)とから設定されるものである。xの値が2未満であると、目的とするWシリサイド(WSi2)薄膜を再現性よく得ることができない。一方、xの値が4を超えると、過剰のSi量が多すぎることで抵抗値が高くなり、各種素子に悪影響を及ぼすおそれがある。xの値は2.5〜3.2の範囲とすることがさらに好ましい。
【0020】
本発明によるWシリサイドターゲットは、典型的には連鎖状に形成されたWSi2相(Wシリサイド相)の間隙に、上記した過剰なSi粒子が結合して形成された遊離Si相を不連続に存在させた微細組織を有するものである。このように、WSi2相の間隙にSi相を不連続に存在させることによって、WSi2相間の結合状態を向上させることができる。
【0021】
本発明のスパッタリングターゲットは、上述したようなWSi2相と遊離Si相により構成された微細組織を有するWシリサイドターゲットの表面(スパッタ面)をX線回折法で測定し、得られたX線回折プロファイルから前述した(1)式で表されるWSi2の結晶方位含有比の計算式に基づいて、WSi2の(002)面、(101)面、(110)面、(103)面、(112)面および(213)面の各結晶方位含有比を求めた際に、それらの和を25%以上としたものである。
【0022】
このように、Wシリサイドターゲット表面の結晶方位を制御することによって、スパッタ粒子の指向性が大幅に向上する。すなわち、上記したWSi2の特定結晶面((002)面、(101)面、(110)面、(103)面、(112)面および(213)面)は、いずれもJCPDSカードによるピーク強度比(相対強度)が50以上の配向面であり、このような配向面(結晶面)のスパッタ面における存在比率を高める、具体的には前述した(1)式に基づいて求めた結晶方位含有比の和を25%以上とすることによって、スパッタ粒子の指向性を大幅に向上させることができる。
【0023】
そして、上述したようにスパッタ粒子の指向性を向上させることによって、スパッタ膜(WSix膜)の膜厚分布の面内均一性を大幅に高めることが可能になる。さらに、スパッタ粒子の指向性を高めることによって、粒子飛翔時の乱れやスパッタ面での破壊や欠落などが減少することから、パーティクルの発生も抑制することができる。上記したWSi2の特定結晶面の結晶方位含有比の和が25%未満であると、スパッタ粒子の指向性が不安定になり、パーティクルが発生しやすい状況を作ってしまうと共に、膜厚分布も不安定になる。WSi2の特定結晶面の結晶方位含有比の和は30%以上とすることがより好ましく、さらに好ましくは35%以上である。
【0024】
さらに、本発明のスパッタリングターゲットにおいては、上述した特定結晶面の結晶方位含有比の和に加えて、WSi2の主結晶面である(101)面の存在比率を高めることが好ましい。具体的には、スパッタ面をX線回折法で測定した際に、前述した(1)式の計算式に基づくWSi2の(101)面の結晶方位含有比を5%以上とすることが好ましい。
【0025】
スパッタ面におけるWSi2の(101)面の結晶方位含有比を高めることによって、スパッタ粒子の指向性をより一層向上させることができる。従って、スパッタ膜(WSix膜)の膜厚分布の面内均一性をさらに高めることが可能になると共に、パーティクルの発生もより有効に抑制することができる。WSi2の(101)面の結晶方位含有比は7%以上とすることがより好ましく、さらに好ましくは10%以上である。
【0026】
本発明のスパッタリングターゲットにおいて、上述したWSi2の(002)面、(101)面、(110)面、(103)面、(112)面および(213)面の結晶方位含有比の和は、ターゲット表面全体としてのバラツキを20%以内とすることが好ましい。同様に、WSi2の主結晶面である(101)面の結晶方位含有比についても、ターゲット表面全体としてのバラツキを20%以内とすることが好ましい。
【0027】
このように、Wシリサイドターゲットの表面全体として、上記した結晶方位含有比(結晶面の配向状態)を一定範囲内に制御することによって、スパッタ膜(WSix膜)の膜厚分布の面内均一性をより一層高めることができる。ターゲット表面全体としての上記した結晶方位含有比のバラツキは15%以内とすることがさらに好ましく、望ましくは10%以内である。
【0028】
本発明によるWシリサイドターゲットは、上述したように典型的には連鎖状に形成されたWSi2相の間隙に遊離Si相を不連続に存在させた微細組織を有するものである。このような微細組織を有する場合には、ターゲット表面をX線回折法で測定し、得られたX線回折プロファイルから前述した(2)式の計算式に基づいて、Siの(111)面の結晶方位含有比を求めた際に、その値が10%以上となることが好ましい。また、Siの(111)面の結晶方位含有比についても、ターゲット表面全体としてのバラツキを15%以内とすることが好ましい。
【0029】
このように、Wシリサイドターゲットが上述したような微細組織を有する場合には、Siの主結晶面である(111)面の結晶方位含有比を高めると共に、そのターゲット表面全体としてのバラツキを低減することによって、スパッタ粒子の飛翔状態をより一層安定化させることができる。従って、スパッタ膜(WSix膜)の膜厚分布の面内均一性をさらに高めることが可能になると共に、パーティクルの発生もより有効に抑制することができる。Siの(111)面の結晶方位含有比は15%以上とすることがより好ましく、さらに好ましくは20%以上である。また、ターゲット全体としてのバラツキは10%以内とすることがより好ましく、さらに好ましくは5%以内である。
【0030】
ここで、本発明で規定するターゲット表面のWSi2もしくはSiの結晶方位含有比(特定結晶面の結晶方位含有比の和を含む)は、以下に示す方法により求められた値を示すものとする。
【0031】
すなわち、図1に示すように、例えば円板状ターゲットの中心部(位置1)と、中心部を通り円周を均等に分割した4本の直線上の外周近傍位置(位置2〜9)およびその1/2の距離の位置(位置10〜17)とから、それぞれ長さ10mm、幅10mmの試験片を採取し、これら各試験片のX線回折を実施してX線回折プロファイルをそれぞれ測定する。これら各X線回折プロファイルから、前述した(1)式もしくは(2)式に基づいてWSi2もしくはSiの結晶方位含有比をそれぞれ求める。そして、これら各結晶方位含有比を平均した値を、本発明におけるWSi2の特定結晶面の結晶方位含有比の和、WSi2の(101)面の結晶方位含有比、およびSiの(111)面の結晶方位含有比とする。
【0032】
さらに、ターゲット面全体としての結晶方位含有比のバラツキは、上記した17点の各試験片から求めたWSi2の特定結晶面の結晶方位含有比の和、WSi2の(101)面の結晶方位含有比、およびSiの(111)面の結晶方位含有比それぞれの最大値および最小値から、{(最大値−最小値)/(最大値+最小値)}×100の式に基づいて求めた値(%)を示すものとする。
【0033】
本発明のスパッタリングターゲット(Wシリサイドターゲット)は、例えば以下のようにして製造することができる。
【0034】
すなわち、まず原料となるW粉末とSi粉末とを、前述した(3)式で示す組成比となるように混合する。これらの原料粉末の粒径(最大粒径)は、良好な混合状態を得る上で10μm以下とすることが好ましい。このようなWとSiとの混合粉末に対して、例えば真空中にて1000〜1380℃の温度で熱処理を施して、Wシリサイド(WSix=WSi2+Six-2)を合成する。
【0035】
次いで、上記したWシリサイドの仮焼体を粉砕して、Wシリサイド粉末とする。得られたWシリサイド粉末を例えば黒鉛製の成型用型に充填して、ホットプレス(HP)により加圧焼結し、緻密化したWシリサイド焼結体を作製する。なお、Wシリサイド粉末の加圧焼結にHIP処理を適用してもよい。加圧焼結工程にホットプレスを適用する場合、真空雰囲気中にて24.5〜34.3MPaの圧力を印加しつつ、1200〜1380℃の温度で焼結させることが好ましい。また、焼結時間は3〜6hとすることが好ましい。
【0036】
ホットプレスなどにより加圧焼結を行った後、通常は雰囲気ファン冷却などにより常温まで冷却するが、本発明においては加圧焼結工程(加圧下での高温保持工程)に引き続いて、加圧力を開放した状態で1000〜1380℃の温度で熱処理し、この後常温まで冷却する。この熱処理は7×10-2Pa以下の真空中で実施することが好ましい。このように、加圧焼結を行った後に無加圧下でWシリサイド焼結体に対して熱処理を施すことによって、結晶方位を調整することができる。
【0037】
具体的には、焼結工程に引き続いて無加圧状態で熱処理することによって、WSi2相およびSi相の結晶格子の配列を整合させることができ、WSi2に関してはピーク強度比(相対強度)が大きい(002)面、(101)面、(110)面、(103)面、(112)面および(213)面の結晶方位含有比の和、さらにWSi2の主結晶面である(101)面の結晶方位含有比を高めることができる。同様に、Siに関しては主結晶面である(111)面の結晶方位含有比を高めることができる。また、上述した熱処理はWシリサイド焼結体の残留応力の開放に対しても効果を示し、これによってもパーティクルの発生などが抑制される。
【0038】
上述した結晶方位の調整工程としての熱処理は、1000〜1380℃の範囲の温度で実施するものとする。熱処理温度が1000℃未満では、WSi2およびSiの結晶格子を有効に再配列させることができない。一方、熱処理温度が1380℃を超えると、Siの融点直下になってしまい、遊離Si相が不安定になって組成制御やターゲット組織の維持が困難になる。熱処理温度は1000〜1200℃の範囲とすることがさらに好ましい。また、熱処理時間は2〜10時間の範囲とすることが好ましく、さらに好ましくは3〜5時間の範囲である。
【0039】
この後、上記した条件下で熱処理したWシリサイド焼結体(ターゲット素材)に対して機械加工を施し、所望のターゲット形状とする。この際、スパッタ面の表面加工(仕上げ加工)には、ラッピング加工、ポリッシング加工、CMPなどを適用することが好ましい。すなわち、ターゲット面の平滑度を高めることによって、結晶方位の調整度合いをさらに向上させることができる。ラッピング加工、ポリッシング加工、CMPなどによれば、ターゲット面の平滑度を高めることができるため、本発明で規定する結晶方位含有比をより一層向上させることができる。ターゲット面の具体的な表面粗さは、中心線平均粗さRaで0.05μm以下とすることが好ましい。
【0040】
そして、所望形状に機械加工ならびに表面仕上げ加工したターゲット材を、必要に応じてAlやCuなどからなるバッキングプレートと接合することによって、本発明のスパッタリングターゲットが得られる。
【0041】
本発明のスパッタリングターゲットは、各種電子デバイスの例えば電極や配線膜の形成用として使用される。特に、半導体デバイスのゲート電極を形成する際に好適に用いられる。本発明のスパッタリングターゲットを用いて形成したWシリサイド膜は、膜厚分布の面内均一性に優れると共に、パーティクルの混入量が少ないため、高集積化や高密度化が進められている半導体デバイスの製造歩留りの向上などに対して大きく貢献する。また、本発明のスパッタリングターゲットにより成膜したWシリサイド膜は半導体デバイスに限らず、SAWデバイス、TPH、LCDデバイスなどの各種の電子部品に適用することができる。
【0042】
【実施例】
次に、本発明の具体的な実施例について説明する。
【0043】
実施例1
まず、最大粒径10μm程度の高純度W粉末と、最大粒径30μm以下のSi粉末とを、Si/Wの原子比(x)が2.8となるように配合し、これを高純度Arガスで置換したボールミルで48時間混合した。この混合粉末に1200℃×1hの条件でシリサイド反応のための熱処理を施し、得られた仮焼体を粉砕してWシリサイド粉末を得た。
【0044】
上記したWシリサイド粉末を黒鉛製の成型用型内に充填した後、ホットプレス装置にセットし、まず5×10-4Pa以下の真空中にて34.3MPaの圧力を印加しつつ、1350℃×5hの条件で緻密化焼結した。この緻密化焼結のための加圧加熱工程に引き続いて、上記した真空雰囲気を維持しつつ加圧力を取り除き、この無加圧状態の下でWシリサイド焼結体に1200℃×5hの条件で熱処理を施した。この後、雰囲気冷却を行って室温まで冷却した。
【0045】
この無加圧熱処理を経たWシリサイド焼結体を所望のターゲット寸法に機械加工し、さらにスパッタ面をポリッシング加工により面仕上げした。仕上げ加工後のスパッタ面の表面粗さはRaで0.04μmであった。このようにして、2個のWシリサイドターゲット(直径127mm×厚さ6mm)を作製した。
【0046】
このようにして得た2個のWシリサイドターゲットのうち、一方のターゲットについては図1に示した各部から試験片を採取し、理学社製のXRD装置(X線源:Cu-kα線)を用いて各試験片表面のX線回折を行った。得られたX線回折プロファイルの一例を図2に示す。
【0047】
各試料片のX線回折プロファイルから前述した(1)式および(2)式に基づいて、WSi2の特定結晶面((002)面、(101)面、(110)面、(103)面、(112)面および(213)面)の結晶方位含有比の和、WSi2の(101)面の結晶方位含有比、およびSiの(111)面の結晶方位含有比をそれぞれ求め、それらの各平均値を実施例1における各結晶方位含有比として算出した。また、前述した方法にしたがって結晶方位含有比のバラツキを求めた。
【0048】
その結果、WSi2の特定結晶面((002)面、(101)面、(110)面、(103)面、(112)面および(213)面)の結晶方位含有比の和は42.1%、WSi2の(101)面の結晶方位含有比は11%、およびSiの(111)面の結晶方位含有比は24.3%であった。
【0049】
次に、他方のWシリサイドターゲットをCu製バッキングプレートに接合した後、スパッタリング装置(ULVAC社製SH-550)にセットした。このようなスパッタリング装置を用いて、5インチSiウェーハ上に厚さ約200nmのWシリサイド膜を成膜した。スパッタリング条件は、Ar圧=0.27Pa、Ar流量=80sccm、Power=0.5kWとした。スパッタ成膜は24枚のSiウェーハに対して順に行い、各Siウェーハ上のWシリサイド膜の膜厚分布、および各Wシリサイド膜中に存在する0.2μm以上のパーティクル数を調べた。
【0050】
Wシリサイド膜の膜厚分布は、以下のようにして求めた。まず、基板の直径に対して端部から5mm間隔でWシリサイド膜の膜厚を、膜厚測定装置(Alpha-Step200)を用いて測定し、これらの測定値の最大値と最小値から{(最大値−最小値)/(最大値+最小値)}×100の式に基づいて、各Wシリサイド膜の膜厚分布(%)を求めた。そして、これらの平均値を実施例1によるWシリサイド膜の膜厚分布として算出したところ、その値は1.27%であった。また、Wシリサイド膜中に存在する0.2μm以上のパーティクル数を、パーティクルカウンタ(WM-3)を用いて測定し、それらの値の平均値を求めたところ、0.2μm以上のパーティクル数は平均値として9個/枚であった。
【0051】
実施例2
実施例1と同一条件で緻密化焼結まで行ったWシリサイド焼結体に対して、加圧加熱工程に引き続いて真空雰囲気を維持しつつ加圧力を取り除き、この無加圧状態の下で1000℃×3hの条件で熱処理を施した。この後、雰囲気冷却を行って室温まで冷却した。
【0052】
上記した無加圧熱処理を経たWシリサイド焼結体を所望のターゲット寸法に機械加工し、さらにスパッタ面をCMPにより面仕上げした。仕上げ加工後のスパッタ面の表面粗さはRaで0.03μmであった。このようにして、2個のWシリサイドターゲット(直径127mm×厚さ6mm)を作製した。
【0053】
このようにして得た2個のWシリサイドターゲットのうち、一方のターゲットについてはX線回折に供し、実施例1と同様にしてX線回折の測定を行った。その結果、WSi2の特定結晶面((002)面、(101)面、(110)面、(103)面、(112)面および(213)面)の結晶方位含有比の和は35.9%、WSi2の(101)面の結晶方位含有比は7.5%、およびSiの(111)面の結晶方位含有比は20.0%であった。
【0054】
次に、他方のWシリサイドターゲットをCu製バッキングプレートに接合した後、スパッタリング装置(ULVAC社製SH-550)にセットし、実施例1と同様にしてWシリサイド膜を成膜した。その結果、Wシリサイド膜の平均膜厚分布は2.05%、Wシリサイド膜中に存在する0.2μm以上のパーティクル数(平均値)は10個/枚であった。
【0055】
実施例3
実施例1と同一条件で緻密化焼結まで行ったWシリサイド焼結体に対して、加圧加熱工程に引き続いて真空雰囲気を維持しつつ加圧力を取り除き、この無加圧状態の下で1000℃×5hの条件で熱処理を施した。この後、雰囲気冷却を行って室温まで冷却した。
【0056】
上記した無加圧熱処理を経たWシリサイド焼結体を所望のターゲット寸法に機械加工し、さらにスパッタ面をポリッシング加工により面仕上げした。仕上げ加工後のスパッタ面の表面粗さはRaで0.05μmであった。このようにして、2個のWシリサイドターゲット(直径127mm×厚さ6mm)を作製した。
【0057】
このようにして得た2個のWシリサイドターゲットのうち、一方のターゲットについてはX線回折に供し、実施例1と同様にしてX線回折の測定を行った。その結果、WSi2の特定結晶面((002)面、(101)面、(110)面、(103)面、(112)面および(213)面)の結晶方位含有比の和は30.3%、WSi2の(101)面の結晶方位含有比は7.2%、およびSiの(111)面の結晶方位含有比は17.1%であった。
【0058】
次に、他方のWシリサイドターゲットをCu製バッキングプレートに接合した後、スパッタリング装置(ULVAC社製SH-550)にセットし、実施例1と同様にしてWシリサイド膜を成膜した。その結果、Wシリサイド膜の平均膜厚分布は4.01%、Wシリサイド膜中に存在する0.2μm以上のパーティクル数(平均値)は13個/枚であった。
【0059】
比較例1
実施例1と同様にして作製したWシリサイド粉末を、黒鉛製の成型用型内に充填した後、ホットプレス装置にセットし、5×10-4Pa以下の真空中にて34.3MPaの圧力を印加しつつ、1350℃×5hの条件で緻密化焼結した。この後、無加圧熱処理を施すことなく、雰囲気冷却を行って室温まで冷却した。
【0060】
このWシリサイド焼結体を所望のターゲット寸法に機械加工し、さらにスパッタ面をポリッシング加工により面仕上げした。仕上げ加工後のスパッタ面の表面粗さはRaで0.12μmであった。このようにして、2個のWシリサイドターゲット(直径127mm×厚さ6mm)を作製した。
【0061】
このようにして得た2個のWシリサイドターゲットのうち、一方のターゲットについてはX線回折に供し、実施例1と同様にしてX線回折の測定を行った。その結果、WSi2の特定結晶面((002)面、(101)面、(110)面、(103)面、(112)面および(213)面)の結晶方位含有比の和は10.8%、WSi2の(101)面の結晶方位含有比は2.1%、およびSiの(111)面の結晶方位含有比は6.4%であった。
【0062】
次に、他方のWシリサイドターゲットをCu製バッキングプレートに接合した後、スパッタリング装置(ULVAC社製SH-550)にセットし、実施例1と同様にしてWシリサイド膜を成膜した。その結果、Wシリサイド膜の平均膜厚分布は12.41%、Wシリサイド膜中に存在する0.2μm以上のパーティクル数(平均値)は37個/枚であった。
【0063】
比較例2
比較例1と同一条件で緻密化焼結まで行ったWシリサイド焼結体に対して、加圧加熱工程に引き続いて真空雰囲気を維持しつつ加圧力を取り除き、この無加圧状態の下で600℃×3hの条件で熱処理を施した。この後、雰囲気冷却を行って室温まで冷却した。
【0064】
上記した無加圧熱処理を経たWシリサイド焼結体を所望のターゲット寸法に機械加工し、さらにスパッタ面をポリッシング加工により面仕上げした。仕上げ加工後のスパッタ面の表面粗さはRaで0.05μmであった。このようにして、2個のWシリサイドターゲット(直径127mm×厚さ6mm)を作製した。
【0065】
このようにして得た2個のWシリサイドターゲットのうち、一方のターゲットについてはX線回折に供し、実施例1と同様にしてX線回折の測定を行った。その結果、WSi2の特定結晶面((002)面、(101)面、(110)面、(103)面、(112)面および(213)面)の結晶方位含有比の和は14.1%、WSi2の(101)面の結晶方位含有比は3.9%、およびSiの(111)面の結晶方位含有比は7%であった。
【0066】
次に、他方のWシリサイドターゲットをCu製バッキングプレートに接合した後、スパッタリング装置(ULVAC社製SH-550)にセットし、実施例1と同様にしてWシリサイド膜を成膜した。その結果、Wシリサイド膜の平均膜厚分布は5.24%、Wシリサイド膜中に存在する0.2μm以上のパーティクル数(平均値)は52個/枚であった。
【0067】
比較例3
比較例1と同一条件で緻密化焼結まで行ったWシリサイド焼結体に対して、加圧加熱工程に引き続いて真空雰囲気を維持しつつ加圧力を取り除き、この無加圧状態の下で800℃×5hの条件で熱処理を施した。この後、雰囲気冷却を行って室温まで冷却した。
【0068】
上記した無加圧熱処理を経たWシリサイド焼結体を所望のターゲット寸法に機械加工し、さらにスパッタ面を平面研削仕上げした。仕上げ加工後のスパッタ面の表面粗さはRaで0.05μmであった。このようにして、2個のWシリサイドターゲット(直径127mm×厚さ6mm)を作製した。
【0069】
このようにして得た2個のWシリサイドターゲットのうち、一方のターゲットについてはX線回折に供し、実施例1と同様にしてX線回折の測定を行った。その結果、WSi2の特定結晶面((002)面、(101)面、(110)面、(103)面、(112)面および(213)面)の結晶方位含有比の和は20.2%、WSi2の(101)面の結晶方位含有比は4.1%、およびSiの(111)面の結晶方位含有比は8.5%であった。
【0070】
次に、他方のWシリサイドターゲットをCu製バッキングプレートに接合した後、スパッタリング装置(ULVAC社製SH-550)にセットし、実施例1と同様にしてWシリサイド膜を成膜した。その結果、Wシリサイド膜の平均膜厚分布は15.23%、Wシリサイド膜中に存在する0.2μm以上のパーティクル数(平均値)は19個/枚であった。
【0071】
上述した実施例1〜3および比較例1〜3による各Wシリサイドターゲットの熱処理条件、X線回折結果(スパッタ面の結晶方位含有比)、およびそれらを用いて成膜したWシリサイド膜の膜厚分布およびパーティクル数を、表1にまとめて示す。
【0072】
【表1】
Figure 0004886106
表1から明らかなように、スパッタ面の結晶方位を調整した実施例1〜3によるWシリサイドターゲットによれば、比較例1〜3に比べてパーティクルの発生数が大幅に低減しており、さらに得られるWシリサイド膜の膜厚分布も大幅に向上していることが分かる。
【0073】
さらに、上記した各実施例によるシリサイドターゲットを用いて、半導体デバイスおよびLCD素子の電極および配線を形成したところ、これら半導体デバイスやLCD素子の歩留りおよび品質が向上することが確認された。すなわち、高品質の電子部品を高歩留りで得ることができる。
【0074】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のスパッタリングターゲットによれば、パーティクルの発生を大幅に低減することができると共に、スパッタ膜(Wシリサイド膜)の膜厚分布の面内均一性を大幅に高めることができる。従って、半導体素子や液晶表示素子などに代表される電子部品の配線、電極、素子構成膜などとして使用される、高品質のタングステンシリサイド薄膜を再現性よく提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のスパッタリングターゲットにおける結晶方位含有比の測定方法を説明するための図である。
【図2】 本発明のスパッタリングターゲットのスパッタ面をX線回折した際に得られたX線回折プロファイルの一例を示す図である。

Claims (16)

  1. WSix(ただし、xは2≦x≦4を満足する数である)で表されるタングステンシリサイド粉末を加圧下で焼結し、緻密化されたタングステンシリサイド焼結体を作製する工程と、前記焼結工程に引き続いて、前記タングステンシリサイド焼結体への加圧力を開放した状態で1000〜1380℃の温度で熱処理した後、常温まで冷却する工程と、前記冷却工程を経たタングステンシリサイド焼結体を、所望のターゲット形状に加工する工程とを有する方法で製造されたスパッタリングターゲットであって
    前記ターゲット表面をX線回折法で測定した際のWSi2の(002)面、(101)面、(110)面、(103)面、(112)面および(213)面の結晶方位含有比の和が、
    Figure 0004886106
    で表されるWSi2の結晶方位含有比の計算式に基づく値として25%以上であることを特徴とするスパッタリングターゲット。
  2. 請求項1記載のスパッタリングターゲットにおいて、
    前記ターゲット表面全体としての前記WSi2の(002)面、(101)面、(110)面、(103)面、(112)面および(213)面の結晶方位含有比の和のバラツキが20%以内であることを特徴するスパッタリングターゲット。
  3. 請求項1または請求項2記載のスパッタリングターゲットにおいて、
    前記計算式に基づくWSi2の(101)面の結晶方位含有比が5%以上であることを特徴するスパッタリングターゲット。
  4. 請求項3記載のスパッタリングターゲットにおいて、
    前記ターゲット表面全体としての前記WSi2の(101)面の結晶方位含有比のバラツキが20%以内であることを特徴するスパッタリングターゲット。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか1項記載のスパッタリングターゲットにおいて、
    前記ターゲットは、連鎖状に形成されたタングステンシリサイド相と、前記タングステンシリサイド相の間隙に不連続に存在する遊離Si相とを含む微細組織を有することを特徴するスパッタリングターゲット。
  6. 請求項5記載のスパッタリングターゲットにおいて、
    前記ターゲット表面をX線回折法で測定した際のSiの(111)面の結晶方位含有比が、
    Figure 0004886106
    で表されるSiの結晶方位含有比の計算式に基づく値として10%以上であることを特徴とするスパッタリングターゲット。
  7. 請求項6記載のスパッタリングターゲットにおいて、
    前記ターゲット表面全体としての前記Siの(111)面の結晶方位含有比のバラツキが15%以内であることを特徴するスパッタリングターゲット。
  8. WSix(ただし、xは2≦x≦4を満足する数である)で表されるタングステンシリサイド粉末を加圧下で焼結し、緻密化されたタングステンシリサイド焼結体を作製する工程と、
    前記焼結工程に引き続いて、前記タングステンシリサイド焼結体への加圧力を開放した状態で1000〜1380℃の温度で熱処理した後、常温まで冷却することにより、前記タングステンシリサイド焼結体の結晶方位を調整する工程と、
    前記結晶方位の調整工程を経たタングステンシリサイド焼結体を、所望のターゲット形状に加工する工程と
    を有することを特徴とするスパッタリングターゲットの製造方法。
  9. 請求項8記載のスパッタリングターゲットの製造方法において、
    前記加圧焼結工程は、真空中にて前記タングステンシリサイド粉末に対して24.5〜34.3MPaの圧力を印加しつつ、1200〜1380℃の温度で所定時間保持することにより行うことを特徴とするスパッタリングターゲットの製造方法。
  10. 請求項8または請求項9記載のスパッタリングターゲットの製造方法において、
    前記結晶方位の調整工程における熱処理は、真空中にて1000〜1200℃の温度で前記タングステンシリサイド焼結体を2〜10時間保持することにより行うことを特徴とするスパッタリングターゲットの製造方法。
  11. 請求項1ないし請求項7のいずれか1項記載のスパッタリングターゲットを用いて形成されたことを特徴とするタングステンシリサイド膜。
  12. 請求項1ないし請求項7のいずれか1項記載のスパッタリングターゲットを用いて形成されたタングステンシリサイド膜からなることを特徴とする配線。
  13. 請求項1ないし請求項7のいずれか1項記載のスパッタリングターゲットを用いて形成されたタングステンシリサイド膜からなることを特徴とする電極。
  14. 請求項1ないし請求項7のいずれか1項記載のスパッタリングターゲットを用いて形成されたタングステンシリサイド膜を具備することを特徴とする電子部品。
  15. 請求項14記載の電子部品において、
    半導体素子であることを特徴とする電子部品。
  16. 請求項14記載の電子部品において、
    液晶表示素子であることを特徴とする電子部品。
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