JP2000045065A - スパッタリングターゲット - Google Patents

スパッタリングターゲット

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JP2000045065A
JP2000045065A JP10212568A JP21256898A JP2000045065A JP 2000045065 A JP2000045065 A JP 2000045065A JP 10212568 A JP10212568 A JP 10212568A JP 21256898 A JP21256898 A JP 21256898A JP 2000045065 A JP2000045065 A JP 2000045065A
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Japan
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sputtering
target
sputtering target
ray diffraction
hkl
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JP10212568A
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Satoshi Kurosawa
聡 黒澤
Kentaro Uchiumi
健太郎 内海
Tsutomu Takahata
努 高畑
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Tosoh Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 既存のスパッタリング条件を大幅に変更する
ことなく、成膜速度を向上させることができるスパッタ
リングターゲットを提供する。 【解決手段】 スパッタリングターゲットのスパッタ面
のX線回折パターンと前記スパッタ面にほぼ直交する側
面のX線回折パターンが実質的に同じであり、かつ、相
対密度が95%以上であるターゲット材によりスパッタ
リングターゲットを構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はLSI等の半導体素
子を構成する金属配線,磁気記録媒体を構成する金属薄
膜,半導体素子製造用のマスクを構成する遮光膜,及び
液晶ディスプレイに代表されるフラットパネル表示素子
を構成する金属薄膜等を形成するための金属からなるス
パッタリングターゲットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】LSI等の半導体素子を構成する金属配
線,磁気記録媒体を構成する金属薄膜,半導体素子製造
用のマスクを構成する遮光膜,及び液晶ディスプレイに
代表されるフラットパネル表示素子を構成する金属薄膜
等を形成する場合、一つの方法としてスパッタリング法
が使用されている。
【0003】スパッタリング法の場合、これらの薄膜を
形成するために用いられるスパッタリングターゲット
は、Al,Cr,Mo,Co,Cu,Ta,W等に代表
される金属又はそれらの合金等からなるスパッタリング
ターゲット材を所定の形状に加工し、必要であればバッ
キングプレート等にボンディングして得られる。また、
ここで用いられるスパッタリングターゲット材は、溶解
鋳造法,鍛造法,粉末圧延法,冷間静水圧プレス(CI
P)法,ホットプレス法,及び熱間静水圧プレス(HI
P)法等さまざまな方法により作製される。
【0004】スパッタリング法では、上記のスパッタリ
ングターゲットを、基板に対向する形でセットし、真空
条件下にて、Ar等のガスを流し基板とターゲットの間
に所定の電圧をかけることにより放電させ、イオン化し
たArをスパッタリングターゲットに衝突させることに
より、基板上にターゲット材と同じ組成の薄膜を形成す
る。この後形成された薄膜はそれぞれの目的に応じたプ
ロセスを経て半導体素子、磁気記録媒体、半導体素子製
造用のマスク、液晶ディスプレイ等の構成部となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら一般にス
パッタリングプロセスはスループットが遅いという欠点
があり、最終製品のコスト低減のためにも、スループッ
トを上げる必要がある。
【0006】スパッタリング時の成膜速度は、ガス圧
力,投入電力,ターゲット−基板間距離等のスパッタリ
ング条件に依存するが、これらのスパッタリング条件は
また形成される薄膜の特性にも影響する。通常は、形成
される薄膜の特性が優先されるため、必ずしも十分な成
膜速度が得られるスパッタリング条件で成膜を実施する
ことができない状況である。
【0007】また、スパッタリングターゲット材は、溶
解鋳造法,鍛造法,粉末圧延法,ホットプレス法,冷間
静水圧プレス(CIP)法,ホットプレス法,及び熱間
静水圧プレス(HIP)法等さまざまな方法により作製
されるため、各製造方法で作製されたターゲット材の組
織はそれぞれ異なる。
【0008】スパッタ面におけるターゲット材料の結晶
配向とスパッタ粒子の放出方向の因果関係は例えば、東
京大学出版会発行の「スパッタリング現象」(金原粲
書)のp27〜29に述べられているが、どのような組
織又は結晶組織を持ったターゲットが成膜速度に対して
有効であるか分からない状況であった。
【0009】本発明はこのような事情に着目してなされ
たものであり、その目的は従来のものがもつ上記のよう
な問題点を改善し、スパッタリング条件を大幅に変更せ
ずに成膜速度を向上させることが出来るスパッタリング
ターゲットを提供しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明のスパッタリング
ターゲットは、スパッタリングターゲットのスパッタ面
のX線回折パターンと前記スパッタ面にほぼ直交する側
面のX線回折パターンが実質的に同じであり、かつ、相
対密度が95%以上であることを特徴とするスパッタリ
ングターゲットである。即ち、スパッタ面の測定により
得られたX線回折パターンにおけるhkl回折線の相対
強度をIsp(hkl)、側面の測定により得られたX線
回折パターンにおけるhkl回折線の相対強度をIsd
(hkl)としたとき、スパッタ面の測定により得られ
たX線回折パターンにおける3強線の各々についてIsp
(hkl)/Isd(hkl)の値が0.7から1.3の
範囲にあり、かつ、相対密度が95%以上であることを
特徴とするスパッタリングターゲットである。さらに、
本発明のスパッタリングターゲットは、基板に対向する
面の面積が0.3m2以上である大型の枚葉式スパッタ
リングターゲットとすることもできる。
【0011】ここで相対強度とはX線回折パターンのピ
ーク(回折線)のうち最大の強度を示すピーク(回折
線)の強度を100として得られる各ピーク(回折線)
の回折強度の相対値である。また、3強線とはX線回折
パターンのピーク(回折線)のうち回折強度が最も大き
い3本のピーク(回折線)であり、本発明のスパッタリ
ングターゲットは、スパッタ面の測定により得られたX
線回折パターンにおける3強線の各々について、Isp
(hkl)/Isd(hkl)の値が0.7から1.3の
範囲にあるものである。
【0012】なお、本発明において、X線回折パターン
が実質的に同じであるとは、回折線の位置及びその相対
強度が実質的に同じであることであり、3強線について
のみの比較でもターゲットの結晶状態を十分に反映させ
ることが可能であるので、本発明では、上記のように3
強腺の相対強度の比が0.7〜1.3であるとき実質的
に同じであるとみなす。
【0013】本発明者らは、スパッタリングターゲット
材を種々の異なる方法で作製し、そのスパッタリング速
度を各種スパッタリングガス圧条件にて評価した結果、
本発明のスパッタリングターゲットを用いた場合には、
そうでないスパッタリングターゲットを用いた場合に比
べて、同一のスパッタリング条件において約10%ほど
成膜速度が大きくなり、かつ、アーキング特性も良好で
あることを見出した。
【0014】より具体的には、相対密度が95%以上の
スパッタリングターゲットであって、かつ、スパッタ面
の測定により得られたX線回折パターンにおける3強線
の各々について、Isp(hkl)/Isd(hkl)の値
が0.7から1.3の範囲にあるスパッタリングターゲ
ットを用いることにより、そうでないスパッタリングタ
ーゲットを用いた場合に比べて、約10%ほど成膜速度
が大きくなり、かつ、アーキングが発生しない等、アー
キング特性も良好であることを見出したものである。
【0015】このような差が生じる原因について詳細は
明らかではないが、スパッタリングターゲットのスパッ
タ面表面の結晶配向性とターゲットから放出されるスパ
ッタ粒子の放出角度や、スパッタ率が関係していると考
えられる。
【0016】また、従来のように、圧延を施すことによ
り密度を高めたスパッタリングターゲットでは、圧延処
理によってターゲット中の不純物の表面積が拡大し、そ
の結果、放電特性に影響を与えるため、相対密度95%
以上のターゲットを用いた場合でも、スパッタ中にアー
キングが発生する等、アーキング特性が良くないことが
認められた。なお、圧延処理を行うことによって、ター
ゲット中の結晶粒の配向性が変化するため、スパッタ面
のX線回折パターンと前記スパッタ面にほぼ直交する側
面のX線回折パターンに相違が生じる。これに対し、本
発明のスパッタリングターゲットでは、圧延処理を行わ
ないため、相対密度を95%以上とすることにより、タ
ーゲット中の空孔量を低減し、異常放電が少なくパーテ
ィクル発生量が少ないスパッタリングターゲットが実現
できる。
【0017】なお、本発明のスパッタリングターゲット
を構成するターゲット材は粉末冶金法により得られるも
のであれば良く、特に限定されないが、例えば、Cr,
Mo,Al,Co,Cu,Ta,W,Ti等の金属又は
それらの合金等を例示することができる。
【0018】さらに、近年LCD(液晶ディスプレイ)
製造に採用されている枚葉式スパッタ装置においては、
ターゲットサイズが600mm×500mm以上の大型
のものが使用されているが、従来のように0.3m2
上のサイズである大型スパッタリングターゲットはその
製造の容易さから、粉末または焼結体を圧延することに
より製造されており、このターゲットの場合、既に述べ
たように、ターゲット中の不純物が圧延処理により拡大
し放電特性に悪影響を与えることや、成膜速度の点で特
性が不十分であった。しかしながら本発明のスパッタリ
ングターゲットを用いることにより、基板に対向する面
の面積が0.3m2以上である大型のスパッタリングタ
ーゲットにおいても、スループットに直接関わる成膜速
度を増大することができ、生産性を向上させることが可
能となる。
【0019】なお、本発明のスパッタリングターゲット
は、例えば、以下のようにして製造することができる。
まず目的のターゲット組成と同じ組成の原料粉末又は2
種類以上の組成の粉末でその合計の組成が目的のターゲ
ット組成と同じである原料粉末を用意する。これらの原
料粉末には、市販の粉末をそのまま使用しても良いし、
又は目的の組成を有する原料を一度真空溶解炉、EB溶
解炉等により溶解しそれらを鋳造したものを粉砕し原料
粉末を得ることも可能である。
【0020】これらの原料粉末を2000kg/cm2
以上の圧力で冷間静水圧プレス(CIP)法等により所
定の形状に一次成形し、その後原料粉末の融点の2/3
以下の温度及び1000kg/cm2以上の圧力条件で
熱間静水圧プレス(HIP)法にて相対密度95%以上
の焼結体を得る。なお、一次成形を2000kg/cm
2以上の圧力でしなければ、その後の焼結で十分な密度
が得られ難く、また、融点の2/3以上の温度で焼成し
た場合は、ターゲット組織中の急激な粒成長が生じる場
合が有り、その結果、結晶性に異方性が生じ、本発明の
目的のターゲットを得ることが困難になる。その後これ
らの焼結体を所望のターゲット形状に加工し表面仕上げ
を行いスパッタリングターゲットを得る。
【0021】
【実施例】以下、本発明を実施例をもってさらに詳細に
説明するが、本発明は何らこれらに限定されるものでは
無い。
【0022】(実施例1)原料粉として粒径が60メッ
シュ以下のCr粉末をゴム型に充填した。その後、封止
処理を行い、CIP圧力が3000kg/cm2の条件
により一次成形を実施した。この一次成形体の密度はC
rの理論密度を100%とした相対密度で75%であっ
た。この一次成形体を金属材質からなる缶に入れ、到達
真空度1×10―3torr以下になるまで脱気処理を
行い封止したのち、温度1200℃,圧力1000kg
/cm2の条件にてHIP処理を実施し、インゴットサ
イズが200mm×310mm×49mmtで相対密度
99%以上のCr焼結体を得た。この焼結体を冷却後、
機械加工により127mm×190.5mm×6mmt
のサイズに切り出しターゲット材とした。得られたター
ゲット材より結晶配向性測定サンプルを任意の位置より
切り出し、スパッタ面に平行な面とその面に直交する側
面に平行な面における結晶配向性をX線回折装置により
調べた。X線回折装置は理学電機製RAD−Cを使用し
た。測定条件はCu−Kα(グラファイトモノクロメー
ター使用),加速電圧50kV,電流200mAとし、
スキャン条件は2θ=10°〜100°,ステップ幅
0.04°,1秒間測定とした。X線が照射される測定
試料の面積は一連の測定において一定に保たれるように
調整した。この時のスパッタ面及び側面のX線回折測定
結果を表1に示す。
【0023】
【表1】
【0024】また、上記のターゲット材を127mm×
190mm×6mmtに整形し、これをCu製のバッキ
ングプレートにボンディングしてスパッタリングターゲ
ットを作成した。
【0025】作成されたスパッタリングターゲットをス
パッタ装置(ULVAC社製SMO−6)に装着し、ガ
ラス基板上にCr薄膜を成膜することにより成膜速度の
測定を行った。スパッタリングにおける条件は次の通り
とした。スパッタリングガス:Ar,スパッタリングガ
ス圧:0.5,2.0,5.0mTorr,スパッタリ
ング電力:2.0kW,基板:Corning#705
9(50×50mm2)。また、成膜速度測定の際に、
Arガス圧5.0mTorr,スパッタリング電力2.
0kWの条件にて10minプレスパッタリングを実施
した。その後、投入電力2.0kWにて10min成膜
し形成された薄膜の膜厚を測定した。膜厚測定には、表
面形状測定器(ULVAC社製Dektak3030)
を使用した。上記3種のスパッタリングガス圧にて基板
上に成膜したCr薄膜の膜厚測定を行い成膜時間で除し
た値を成膜速度[nm/sec]とした。
【0026】また、スパッタリング中における放電安定
性を評価するため、上記スパッタリングターゲットをス
パッタ装置(ULVAC社製SMO−6)に装着し、ア
ーキング特性を評価した。放電条件はスパッタリングガ
ス:Ar,スパッタリングガス圧:2.0mTorr,
スパッタリング電力:2.0kWで、積算スパッタリン
グ電力が5kWhに達するまで連続放電し、その間に発
生したアーキング回数を測定した。アーキングはDC電
源供給ケーブルに直接コイルを100ターン巻き、オシ
ロスコープにてアーキングを観察した。
【0027】成膜速度及びアーキング特性の測定結果を
表9に示す。
【0028】(実施例2)原料粉として粒径が100メ
ッシュ以下のCr粉末をゴム型に充填したこと以外は実
施例1と同様にして相対密度99%以上のターゲット材
を作製し、実施例1と同様の方法にて結晶配向性、成膜
速度及びアーキング特性を評価した。スパッタ面及び側
面のX線回折測定結果を表2に、成膜速度及びアーキン
グ特性の測定結果を表9に示す。
【0029】
【表2】
【0030】(実施例3)原料粉として粒径が60メッ
シュ以下のCr粉末をゴム型に充填し、実施例1と同様
の方法にてインゴットサイズが590mm×710mm
×100mmtで相対密度が99%以上のCr焼結体を
得た後、機械加工によりに550mm×650mm×6
mmtのサイズに切り出し、ターゲット材を作製した。
また、実施例1と同様の方法にて結晶配向性を評価する
とともに、実施例1と同様に127mm×190mm×
6mmtのターゲット材を切り出し、これをCu製のバ
ッキングプレートにボンディングしてスパッタリングタ
ーゲットを作成し、成膜速度及びアーキング特性を評価
した。スパッタ面及び側面のX線回折測定結果を表3
に、成膜速度及びアーキング特性の測定結果を表9に示
す。
【0031】
【表3】
【0032】(実施例4)原料粉として平均粒径が10
ミクロン以下のMo粉末をゴム型に充填した。その後、
封止処理を行い、CIP圧力が3000kg/cm2
条件により一次成形を実施した。この一次成形体の密度
はMoの理論密度を100%とした相対密度で75%で
あった。この一次成形体を金属材質からなる缶に入れ、
到達真空度1×10―3torr以下になるまで脱気処
理を行い封止したのち、温度1200℃,圧力1000
kg/cm2の条件にてHIP処理を実施し、インゴッ
トサイズが590mm×710mm×100mmtで相
対密度97%以上のMo焼結体を得た。この焼結体を冷
却後、機械加工により550mm×650mm×6mm
tのサイズに切り出しターゲット材とした。得られたタ
ーゲット材より結晶配向性測定サンプルを任意の位置よ
り切り出し、スパッタ面に平行な面とその面に直交する
側面に平行な面における結晶配向性を実施例1と同様の
方法にて評価した。この時のスパッタ面及び側面のX線
回折測定結果を表4に示す。また、実施例1と同様に1
27mm×190mm×6mmtのターゲット材を切り
出し、これをCu製のバッキングプレートにボンディン
グしてスパッタリングターゲットを作成し、Mo薄膜を
形成することにより成膜速度及びアーキング特性を評価
した。これらの測定結果を表9に示す。
【0033】
【表4】
【0034】(比較例1)原料粉として粒径が60メッ
シュ以下のCr粉末をカーボンモールドに充填し真空雰
囲気中で温度1400℃,圧力200kg/cm2,時
間2hの条件にてホットプレス処理を実施し、サイズが
131mm×210mm×20mmt,相対密度96%
のCr焼結体を得た。この焼結体を加熱処理後、鍛造圧
延処理により相対密度98%以上に加工し、さらに機械
加工により127mm×190.5mm×6mmtのサ
イズに加工してターゲット材とした。得られたターゲッ
ト材より結晶配向性測定サンプルを任意の位置より切り
出し、スパッタ面とその面に直交する側面に平行な面に
おける結晶配向性を実施例1と同様の方法で調べた。結
果を表5に示す。
【0035】
【表5】
【0036】さらに、上記で得られたターゲット材を実
施例1と同様に127mm×190mm×6mmtに整
形してスパッタリングターゲットを作成した。作成され
たスパッタリングターゲットを用いて実施例1と同様に
して得られた成膜速度及びアーキング特性の測定結果を
表9に示す。
【0037】(比較例2)原料粉として平均粒径が10
ミクロン以下のMo粉末をカーボンモールドに充填し真
空雰囲気中で温度1400℃,圧力200kg/c
2,時間2hの条件にてホットプレス処理を実施し、
サイズが131mm×210mm×20mmt,相対密
度94%のMo焼結体を得た。この焼結体を加熱処理
後、鍛造圧延処理により相対密度98%以上に加工し、
さらに機械加工により127mm×190.5mm×6
mmtのサイズに加工してターゲット材とした。得られ
たターゲット材より結晶配向性測定サンプルを任意の位
置より切り出し、スパッタ面とその面に直交する側面に
平行な面における結晶配向性を実施例1と同様の方法で
調べた。結果を表6に示す。
【0038】
【表6】
【0039】さらに、上記で得られたターゲット材を実
施例1と同様に127mm×190mm×6mmtに整
形してスパッタリングターゲットを作成した。作成され
たスパッタリングターゲットを用いて実施例1と同様に
してMo薄膜を形成して得られた成膜速度及びアーキン
グ特性の測定結果を表9に示す。
【0040】(比較例3)原料粉として粒径が60メッ
シュ以下のCr粉末をカーボンモールドに充填し真空雰
囲気中で温度1200℃,圧力200kg/cm2,時
間2hの条件にてホットプレス処理を実施し、サイズが
131mm×210mm×20mmt,相対密度92%
のCr焼結体を得た。この焼結体を機械加工により12
7mm×190.5mm×6mmtのサイズに加工しタ
ーゲット材とした。得られたターゲット材より結晶配向
性測定サンプルを任意の位置より切り出し、スパッタ面
とその面に直交する側面に平行な面における結晶配向性
を実施例1と同様の方法で調べた。結果を表6に示す。
【0041】
【表7】
【0042】さらに、上記で得られたターゲット材を実
施例1と同様に127mm×190mm×6mmtに整
形してスパッタリングターゲットを作成した。作成され
たスパッタリングターゲットを用いて実施例1と同様に
して得られた成膜速度及びアーキング特性の測定結果を
表9に示す。
【0043】(比較例4)原料粉として平均粒径が10
ミクロン以下のMo粉末をカーボンモールドに充填し真
空雰囲気中で温度1250℃,圧力200kg/c
2,時間2hの条件にてホットプレス処理を実施し、
サイズが131mm×210mm×20mmt,相対密
度91%のMo焼結体を得た。この焼結体を機械加工に
より127mm×190.5mm×6mmtのサイズに
加工しターゲット材とした。得られたターゲット材より
結晶配向性測定サンプルを任意の位置より切り出し、ス
パッタ面とその面に直交する側面に平行な面における結
晶配向性を実施例1と同様の方法で調べた。結果を表8
に示す。
【0044】
【表8】
【0045】さらに、上記で得られたターゲット材を実
施例1と同様に127mm×190mm×6mmtに整
形してスパッタリングターゲットを作成した。作成され
たスパッタリングターゲットを用いて実施例1と同様に
してMo薄膜を形成して得られた成膜速度及びアーキン
グ特性の測定結果を表9に示す。
【0046】
【表9】
【0047】以上の結果より、スパッタリングターゲッ
トのスパッタ面のX線回折パターンと前記スパッタ面に
ほぼ直交する側面のX線回折パターンが実質的に同じで
あるスパッタリングターゲットを用いた場合の成膜速度
は、そうでないスパッタリングターゲットを用いた場合
に比べて約10%ほど大きいことが分かる。また、相対
密度を95%以上とすることによりターゲット中の空孔
量を低減し、異常放電が少なくパーティクル発生量が少
ないスパッタリングターゲットが実現できることが分か
る。なお、比較例1及び比較例2に示されるように、圧
延を施したターゲットにおいてはアーキング特性が良く
ないことが認められるが、これはターゲット中の不純物
の表面積が圧延処理によって拡大し放電特性に影響を与
えたためと考えられる。
【0048】さらに、近年LCD製造に採用されている
枚葉式スパッタ装置におけるように、ターゲットサイズ
が非常に大きい場合(650mm×550mm)におい
ても、本発明のスパッタリングターゲットを用いること
により、スループットに直接関わる成膜速度を増大する
ことができ、生産性を向上させることが可能となること
が分かる。
【0049】
【発明の効果】スパッタリングターゲットのスパッタ面
のX線回折パターンと前記スパッタ面にほぼ直交する側
面のX線回折パターンが実質的に同じであり、かつ、相
対密度が95%以上のスパッタリングターゲットを使用
することにより、薄膜形成プロセスにおいて既存の成膜
条件を変更することなく、成膜速度を増大させることが
でき、従来問題となっていたスループットの向上と高品
位な薄膜形成が可能となる。また、ターゲットライフも
伸びることから、最終的には製品のコストを低減するこ
とができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スパッタリングターゲットのスパッタ面
    のX線回折パターンと前記スパッタ面にほぼ直交する側
    面のX線回折パターンが実質的に同じであり、かつ、相
    対密度が95%以上であることを特徴とするスパッタリ
    ングターゲット。
  2. 【請求項2】 スパッタリングターゲットのスパッタ面
    の測定により得られたX線回折パターンにおけるhkl
    回折線の相対強度をIsp(hkl)、側面の測定により
    得られたX線回折パターンにおけるhkl回折線の相対
    強度をIsd(hkl)とした時、スパッタ面の測定によ
    り得られたX線回折パターンにおける3強線について、
    Isp(hkl)/Isd(hkl)の値が0.7から1.
    3の範囲にあり、かつ、相対密度が95%以上であるこ
    とを特徴とするスパッタリングターゲット。
  3. 【請求項3】 スパッタリングターゲットの基板に対向
    する面の面積が0.3m2以上であることを特徴とする
    請求項1又は請求項2に記載のスパッタリングターゲッ
    ト。
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Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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