JPH0820863A - シリサイド膜およびその膜を使用した半導体装置 - Google Patents

シリサイド膜およびその膜を使用した半導体装置

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JPH0820863A
JPH0820863A JP16923695A JP16923695A JPH0820863A JP H0820863 A JPH0820863 A JP H0820863A JP 16923695 A JP16923695 A JP 16923695A JP 16923695 A JP16923695 A JP 16923695A JP H0820863 A JPH0820863 A JP H0820863A
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silicide
silicide film
metal
sputtering target
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JP16923695A
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English (en)
Inventor
Michio Sato
道雄 佐藤
Takashi Yamanobe
尚 山野辺
Mitsuo Kawai
光雄 河合
Toru Komatsu
透 小松
Hiromi Shizu
博美 志津
Noriaki Yagi
典章 八木
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】パーティクルの混入が少なく、均一で良質なシ
リサイド膜と、そのシリサイド膜を使用した高品質の半
導体装置とを提供する。 【構成】金属珪化物が連鎖状に結合して金属珪化物相1
が形成され、この金属珪化物相1の間隙に珪素相2が不
連続に存在する高密度かつ微細な混合組織を有し、炭素
の含有量が100ppm以下であるスパッタリングター
ゲットを用いて形成したシリサイド膜である。また本発
明の半導体装置は、上記シリサイド膜を電極または配線
材料として使用して形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、スパッタリング法によ
って形成されるシリサイド膜およびその膜を使用した半
導体装置に関するものであり、特に半導体装置の電極材
料や配線材料として用いられる高品質のシリサイド膜お
よびその膜を使用した半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体装置の電極あるいは配線用の高融
点金属シリサイド薄膜の形成に有効なひとつの方法とし
てスパッタリング法がある。スパッタリング法は、量産
性と成膜の安全性に優れており、金属シリサイド型の円
盤状ターゲットにアルゴンイオンを衝突させてターゲッ
ト構成金属を放出させ、この放出金属を、ターゲット板
に対向した基板上に薄膜として堆積させる方法である。
したがって、スパッタリングで形成したシリサイド薄膜
の性質は、ターゲットの特性に大きく左右されることに
なる。
【0003】この高融点金属シリサイド薄膜の形成に用
いられているスパッタリングターゲットには、半導体素
子の高集積化および微細化の進展に伴って、パーティク
ル(微細な粒子)発生量の低減が強く要求されている。
これはスパッタリング中にターゲットから発生した0.
2〜10μm前後の非常に微細なパーティクルが堆積中
のシリサイド薄膜に混入し、これが回路の形成後、配線
間のショートや配線のオープン不良などの不具合を招
き、その結果、製品歩留りが大幅に低下するなど深刻な
問題となっているためである。
【0004】従来、スパッタリング法によってシリサイ
ド膜を形成するに際してターゲットから発生するパーテ
ィクル量を低減する目的で、ターゲットの組織を微細化
し、かつ高密度化する方法として、下記に示すような製
造方法が各種提案されている。
【0005】例えば、特開昭61−179534号公報
では、高融点金属(M)成分とSi成分よりなる仮焼結
体に溶融Siを含浸させる方法によって高密度ターゲッ
トを得ることが開示されている。その場合、Siの連続
マトリックス中に、球状あるいは楕円状で粒径5〜50
0μmのMSi2 が分散した組織となり、炭素や酸素の
不純物含有量は50ppm以下となっている。
【0006】一方、特開昭63−219580号公報で
は、高融点金属(M)とSiの混合粉末を高真空中でシ
リサイド反応させて仮焼結体を形成後、熱間静水圧プレ
ス焼結する方法によって高密度ターゲットを得ることが
開示されている。その場合、MSi2 の最大粒径が20
μm以下、遊離Siの最大粒径が50μm以下の微細構
造となっている。このターゲットは、微細なMSi2
子と遊離Si粒子とが相互に分散した混合組織を有し、
酸素含有量が200ppm以下に設定されている。この
ターゲットによれば酸素含有量が低く抑制されているた
め、成膜のシート抵抗値を低減することが可能となる。
【0007】さらに、特開昭63−179061号公報
あるいは特開昭64−39374号公報では、高融点金
属(M)とSiの混合粉末を高真空中でシリサイド反応
させて焼結体を形成後、それを粉砕し、組成調整用シリ
サイド粉末を加えてホットプレス焼結する方法によって
高密度でSiの凝集を抑制したターゲットを得ている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、仮焼結
体に溶融Siを含浸させる方法の場合は、溶融Siを用
いるために炭素や酸素などの不純物含有量は大幅に低下
して高密度のターゲットが得られるが、仮焼結体に含浸
させたSiが連続的に存在してマトリックスを形成する
ことと、仮焼結体中に存在する大きな空孔にSiが含浸
して粗大なSi部分を形成するため、スパッタ中に発生
する熱応力により、金属珪化物に比べて強度的に弱いS
iが破損し、しかもSiが連続的に存在しているために
ターゲット全体としての強度が未だ不充分であり、その
結果、金属珪化物が脱落し、パーティクルが非常に多く
発生するということを本発明者らが発見した。
【0009】また、粉砕したSi粉末を用いて仮焼結体
を形成した後、仮焼結体を粉砕せずにそのままプレス焼
結させる方法の場合、微細な組織で高密度のターゲット
が得られるものの、Siの粉砕工程で混入汚染した炭素
が除去されずにターゲット中に残存するため、スパッタ
中に炭素の多い部分において、スパッタ粒子が充分に飛
散せずにパーティクルの発生を誘起することと、シリサ
イド膜中に取り込まれた炭素の部分はエッチング性が悪
く、エッチング残渣や配線の断線を引き起こし、半導体
装置の動作信頼性が低下するという問題があることを本
発明者らが発見した。
【0010】さらに、粉砕したSi粉末を用いて焼結体
を形成した後、焼結体を粉砕して組成調製用のシリサイ
ド粉末を加えてホットプレス焼結させる方法の場合、微
細組織で高密度のターゲットが得られるが、2つの粉砕
工程により、炭素による原料の汚染量が増加すると共に
原料中に混入する酸素量も増加してパーティクルの発生
量が多くなり、シリサイド膜中に取り込まれた酸素で抵
抗が増大し、半導体装置の動作速度が低下するという問
題があることも本発明者らが発見した。
【0011】一方、密度比が99%以上となる高密度の
ターゲットの場合においても、ある種の不純物の影響に
よってパーティクルの発生量が増加したり、シリサイド
成膜のエッチング処理によって配線パターンを形成する
際に、不良品が急増することが本発明者らの実験により
確認されている。
【0012】従来、この種のスパッタリングターゲット
としては、形成するシリサイド膜の組成の制御が容易で
ある点に着目して、粉末焼成法で製造されたものが一般
的に使用されている。すなわち従来の金属シリサイド製
ターゲットは、タングステン,モリブデン等の金属粉
(M)とシリコン粉(Si)とを反応合成して得た金属
珪化物(以下MSi2 と記す)をSiとともにホットプ
レスあるいは熱間静水圧プレスする方法(特開昭61−
141673号公報、特開昭61−141674号公
報、特開昭61−178474号公報等)、またはシリ
サイド仮焼結体にSiを含浸させる方法(特開昭61−
58866号公報等)により得られている。
【0013】しかし、上記の従来の方法のうち、前者の
方法の場合にあっては、合成 MSi2粉末にSi粉末を加
えて焼結体を製造するため、例えば組成 MSi2.2 〜 MSi
2.9の焼結体ではSi相の占容積率は8%〜25%の範
囲となり、MSi2 相と比較して非常に少なくなる。従
って、粉砕により得られた角張ったMSi2 粒子の周囲
にくまなくSi相を行き渡らさせるのは、加圧焼結に拠
ったとしても必ずしも容易でない。そのため、大きさの
異なる角張ったMSi2 同士の凝集部、局所的なSi相
の存在など、欠陥のある不均一な組織を有するターゲッ
トとなる。
【0014】一方MSi2 相の融点は金属Mの種類によ
って大きく異なる。例えばWSi2,MoSi2 ,Ti
Si2 ,TaSi2 の融点はそれぞれ2165℃,20
30℃,1540℃,2200℃である。このような融
点が大きく異なるMSi2 相と、融点が1414℃のS
i相とを共晶温度以下で加圧焼結するため、熱的に安定
なMSi2 の粒子間では焼結は進まず、このため粒子間
の結合強度は弱くて破壊し易く、ポアが残存して緻密化
が不十分となる。
【0015】このようなターゲットを用い、スパッタリ
ングによりシリサイド膜を形成した場合、スパッタ時の
Arイオンの照射エネルギーにより粒子間の結合が切
れ、ターゲットのスパッタ面から前記欠陥部を起点とし
て破壊、欠落してパーティクルが発生する。
【0016】特に高密度集積回路等において、その集積
度が4Megaから16Megaと上昇するに従って電
極幅や配線間隔は微細化するため、上記のような堆積膜
中に混入するパーティクルは製品歩留りを急激に低下さ
せることになる。
【0017】一方、前述した後者の従来方法の場合にお
いては、所定密度に制御したシリサイド仮焼結体に溶融
Siを含浸させてターゲットの組成を制御している。し
かしながら、M粉末とSi粉末とのシリサイド反応によ
りMSi2 を合成して所定密度の仮焼結体を製作した
り、あるいはMSi2 粉末を用いて、そのプレス成形体
の焼結により所定密度の仮焼結体を作成する場合、処理
温度や時間、プレス圧力によって密度が異なるので、目
標組成のターゲットを得ることは非常に困難である。
【0018】さらに本発明者らの知見によれば、原料粉
末のMSi2 とSiとしては一般に高純度品を用いるた
め、ターゲットのMSi2 相とSi相の境界に不純物が
拡散して集まることがなく、そのためMSi2 相とSi
相およびMSi2 相同士の界面結合強度は弱い状態にあ
る。
【0019】しかも、MSi2 相とSi相との電気抵抗
差が極めて大きいため、スパッタリング操作が不安定に
なるという問題もある。すなわちMSi2 相としての W
Si2,MoSi2 ,TiSi2 ,TaSi2 の電気抵抗
はそれぞれ70,100,16,45μΩ・cmと小さい
一方で、Si相のそれは2.3×1010μΩ・cmと極め
て大きい。そのうえMSi2 相とSi相の境界には界面
層も存在しないので、境界部では電気抵抗は急激に変化
する。特に後者の方法によって製造したターゲットの組
織は、高抵抗のSi相と低抵抗のMSi2 相が直に接し
た状態となる。したがって、このようなターゲットを用
いてスパッタした場合、ある電圧以上でMSi2 相とS
i相の絶縁破壊が不可避的に生じ、急激に電流が流れる
ようになる。つまり、ある一定以上の電圧になると放電
が発生することにより、界面強度の弱いMSi2 粒子あ
るいはSi相の一部分が脱落してパーティクルとなって
発生するものである。
【0020】そして上記のように発生した微細なパーテ
ィクルが堆積中のシリサイド膜中に混入し、これが回路
形成後、配線間のショートや配線のオープン不良などの
不具合を招き、その結果、半導体装置の動作信頼性や製
品歩留りを大幅に低下させるという深刻な問題を提起し
ていた。
【0021】本発明は上述した点を考慮してなされたも
のであり、パーティクルの混入が少なく、均一で良質の
シリサイド膜と、そのシリサイド膜を使用した高品質の
半導体装置とを提供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段と作用】本発明に係るシリ
サイド膜は、金属珪素化物(化学量論組成がMSi2
但しMは金属)が連鎖状に結合して金属珪化物相が形成
され、珪素粒子が結合して形成された珪素相が上記金属
珪素化物相の間隙に不連続に存在する微細な混合組織を
有し、炭素含有量が100ppm以下であるスパッタリ
ングターゲットを用いて形成したことを特徴とする。
【0023】また本発明に係る半導体装置は、上記のよ
うに形成したシリサイド膜を、電極または配線材料とし
て使用したことを特徴とする。
【0024】ここで上記シリサイド膜を形成するために
使用されるスパッタリングターゲットを構成する混合組
織の断面1mm2 内に粒径0.5〜30μmの金属珪化物
が400〜400×104 個存在し、Siの最大粒径が
30μm以下となるように構成するとよい。
【0025】また金属珪化物の平均粒径は2〜15μm
である一方、珪素の平均粒径は2〜10μmである。
【0026】ここでいう粒径とは、粒子に外接する最少
円の直径である。
【0027】さらにターゲットの密度比は99%以上で
あり、酸素の含有量は150ppm以下に設定される。
【0028】また、金属珪化物の金属(M)は、タング
ステン,モリブデン,チタン,ジルコニウム,ハフニウ
ム,ニオブ,タンタル,バナジウム,コバルト,クロム
およびニッケルから成る群より選択された少なくとも一
種である。
【0029】また金属珪素化物と珪素相との境界に界面
層を形成するとよい。この場合において、界面層の厚さ
は100〜10000オングストロームに設定するとよ
い。
【0030】また、珪素相がホウ素,リン,アンチモン
およびヒ素から成る群より選ばれた元素を少なくとも1
種と不可避的元素を含有し、かつ電気抵抗率が0.01
〜100Ω・cmである。
【0031】さらに、本発明に係るシリサイド膜を形成
するために使用されるスパッタリングターゲットの製造
方法は、金属珪化物(化学量論組成がMSi2 、但しM
は金属)が連鎖状に結合して金属珪化物相が形成され、
珪素粒子が結合した珪素相が上記金属珪化物相の間隙に
不連続に存在する微細な混合組織を有し、炭素含有量が
100ppm以下であるスパッタリングターゲットを製
造するに際して、 I.金属粉末(M)と珪素粉末(Si)とをSi/M原
子比で2.0〜4.0になるように混合して混合粉末を
調製する工程、 II.前記混合粉末を成形用型に充填し、高真空中で低温
加熱して炭素および酸素を低減する工程、 III .高真空中、低プレス圧力下にて混合粉末を加熱し
て金属珪化物の合成と焼結をする工程、および、 IV.高真空中あるいは不活性ガス雰囲気中、高プレス圧
力下にて共晶温度直下の温度に加熱して緻密化する工
程、とを具備する。
【0032】また金属粉末(M)として最大粒径10μ
m以下の高純度金属粉末を使用するとともに、珪素粉末
(Si)として最大粒径30μm以下の高純度珪素粉末
を使用するとよい。
【0033】また金属粉末とシリコン粉末との混合粉末
を反応溶融焼結させ、シリサイド合成、焼結および緻密
化を同時に行なうことを特徴とする。
【0034】さらに上記反応溶融焼結はホットプレス法
または熱間静水圧プレス法を用いて実施するとよい。
【0035】本発明者らは、焼結合金製の金属シリサイ
ドターゲットのパーティクル発生原因およびシリサイド
膜の低品質化の原因を多方面から分析し、その分析結果
から得た知見に基づいて本願発明を完成させた。つま
り、従来、粉末焼結法で製造した高融点金属シリサイド
ターゲットのパーティクルは、ターゲット中に存在する
ポア(空孔)部分に異常放電が発生し、そのためポアの
周辺部分が欠損してパーティクルが誘起されるものであ
るとの判断から、ポアをなるべく少なくするために、タ
ーゲットの密度を上げる数々の工夫が前記のようになさ
れてきている。
【0036】しかし、本発明者らは、高融点金属シリサ
イドターゲットのパーティクル発生源を鋭意検討した結
果、ポアに起因するパーティクル以外に、熱応力の作用
によるエロージョンSi部の欠落、MSi2 相とSi相
との間におけるスパッタレート差によるMSi2 相の脱
落であることを発見した。すなわち、高速のArイオン
が連続的に照射されて昇温しているターゲット表面をそ
の裏面から冷却しているため、ターゲット表面には肉厚
方向の温度差やターゲットの熱変形によって発生した熱
応力が作用し、その結果、MSI2 相に比べて強度的に
弱いSi相が破壊され、その脱落片がパーティクルとな
る。特にSi相のエロージョン面は、平滑な面を呈して
いるMSi2 相に比べて凹凸状態が激しく、突出部分が
熱応力あるいはスパッタサイクルで生ずる変動応力の作
用によって欠落し、パーティクルが発生し易い状態にな
っている。また、MSi2 相に比べてSi相がスパッタ
リングにより優先的にエロージョンされるため、連続し
たSi相にMSi2 相が存在した場合、Si相のエロー
ジョンに伴いMSi2 相の拘束力が低下し、単独あるい
は複数個結合したMSi2 相が脱落してパーティクルと
なる。そして、これらのパーティクルが、シリサイド膜
中に混入して膜特性を劣化させることが判明した。
【0037】したがって、破壊し易いSi相を微細化す
ると共に、微細なMSi2 が連鎖状に結合してその間隙
にSiが不連続に存在する混合組織にすれば、熱応力の
作用によるエロージョンSi部の欠落やMSi2 相とS
i相のスパッタレート差によるMSi2 相の脱落で発生
するパーティクルを実質的に抑制することができること
を本発明者らは見出した。
【0038】また、本発明者らは、他のパーティクル発
生源として、ターゲット中に混入した炭素に着目した。
すなわち、スパッタリング操作後において、ターゲット
のエロージョン面を拡大観察したところ、炭素によって
汚染した部分は良好に飛散せずにエロージョン面に突起
状に残存し、その結果、その部分でプラズマ放電が不安
定となり、異常な放電を繰り返してパーティクルの発生
を引き起こすことを発見した。
【0039】また本発明者らはターゲットに含有される
炭素量の多少が、スパッタリングによって形成したシリ
サイド薄膜のエッチング性にも大きく影響することを実
験により確認した。すなわち炭素はSi成分と化合して
電気絶縁性が高いSiCを生成し易い。このSiCの生
成および成膜への混入は、成膜のエッチング性を急激に
低下せしめる。すなわちシリサイド薄膜を形成した基板
をエッチングして集積回路(IC)の回路パターンや電
極を形成するために、フォトレジストを塗布した基板に
露光装置で回路パターンを焼き付け所定の薬品で現像処
理する際に、SiCが残渣として残る割合が増加する。
その結果、回路パターンの不良および回路の断線が急増
してしまう。
【0040】またシリサイド膜中にパーティクルとして
混入した炭素皮膜は、他の領域と比較して光反射率が異
なり露光を受け易い。そのため膜表面に光反射率が局部
的に異なる領域が形成されるため、均一で高精度な回路
パターンを形成することが困難になる。
【0041】さらに本発明者らは、他のパーティクル発
生源として、MSi2 相およびSi相に生じる隆起部に
着目した。すなわち従来製法によって製造した金属シリ
サイドターゲットのエロージョン面を走査型電子顕微鏡
(SEM)で拡大観察したところ、図11(A),
(B)および図12(A),(B)に示されるように、
粗大なMSi2 相1およびSi相2には、微小な隆起部
3が多数存在することが判明し、この隆起部3と発生す
るパーティクルの間に密接な関係があることを発見し
た。
【0042】また、更に検討したところ、この隆起部は
ターゲットのMSi2 相とSi相の粒径を小さくするこ
とによって減少し、特にMSi2 相の最大粒径を10μ
m以下、Si相の最大粒径を20μm以下にすることに
より、パーティクルの発生を実質的に抑制できることを
見出した。
【0043】また、本発明者らは、微細な組織を有し、
炭素含有量が少なく、かつ高密度のターゲットを得るた
めに鋭意研究を進めた結果、微細なM粉末とSi粉末と
の混合粉末を成形用型内に充填し、これを高真空中で加
熱保持した後、低プレス圧力下にてシリサイド反応させ
て金属珪化物を合成し、次に高プレス圧力下にて焼結す
ることにより、Si揮散が顕著になる1300℃より低
い温度でSi表面の炭素と酸素が反応し、COまたはC
2 状態になり炭素および酸素の含有量が減少するこ
と、Si表面の酸素がSiOまたはSiO2 にガス化し
て酸素の含有量が減少すること、金属(M)が全て微細
MSi2 化すること、微細MSi2 が連鎖状に結合して
その間隙にSiが不連続に存在する混合組織が得られる
こと、共晶温度直下の温度でポアの消失と緻密化が促進
することを見出し、さらに、このような微細な混合組織
を有するターゲットを用いることにより、良質なシリサ
イド膜が初めて形成できることを見出し、本発明を完成
させた。
【0044】さらにターゲットを構成するMSi2 相と
Si相との境界面にホウ素(B),リン(P),アンチ
モン(Sb)およびヒ素(As)から成る群より選ばれ
た元素を少なくとも1種と不可避的元素を含有した界面
層を設け、相同士の結合力を強化するとともに電気抵抗
の急激な変化を阻止することによってもパーティクルの
低減が実現できることを見い出した。
【0045】ここでターゲットの構成成分となる金属
(M)としては、モリブデン(Mo),タングステン
(W),チタン(Ti),ジルコニウム(Zr),ハフ
ニウム(Hf),ニオブ(Nb)タンタル(Ta),バナ
ジウム(V),コバルト(Co),クロム(Cr)およ
びニッケル(Ni)等の、比抵抗の小さい金属シリサイ
ド薄膜の形成が可能な金属が単独または2種以上併用し
て使用されるが、特に、Mo,W,Ti,Zr,Hf,
NbおよびTa等の高融点金属が好ましい。
【0046】これらの金属は従来の電極配線材と比較し
て、比抵抗が小さく、高温における耐腐食性が高いた
め、そのシリサイドを半導体の電極配線に用いると、半
導体装置における演算の高速化が可能となり、また半導
体製造時における薬品による腐食や高温処理による酸化
を受けにくいという利点を有する。
【0047】本発明に係るシリサイド膜を形成するため
に用いるスパッタリングターゲットは、原料粉末の粒
径、加熱温度、プレス圧力の三要素を制御することによ
り、混合組織断面1mm2 内に粒径0.5〜30μmのM
Si2 相が400〜400×104 個均一に存在する混
合組織となり、また、平均粒径2〜15μmのMSi2
相と平均粒径2〜10μmの珪素相とが分散した微細組
織となる。
【0048】またSi原料中に含有されるB,P,S
b,Asおよび不可避的元素であるFe,Ni,Cr,
Alなどの元素がシリサイド合成時にMSi2 相とSi
相の境界に拡散移動して界面層を形成し、両者の界面結
合力を強化する。
【0049】本発明は、上記知見に基づいて完成された
ものである。
【0050】以下、本発明のシリサイド膜を形成するた
めに用いるターゲットの構成をさらに詳細に説明する。
【0051】MとSiの混合粉末に適当な圧力を加えて
加熱すると、Siは軟化するとともにMと反応して粒状
のMSi2 を形成するため、MとSiが接した部分で
は、MSi2 の生成熱により局所的に昇温して一層軟化
する。そのためMSi2 粒子の表面および周囲にMSi
2 化した粒子が凝集し、粒状のMSi2 が連鎖状に結合
した形態となる。このMSi2 が単独で存在すると、ス
パッタの進行に伴いスパッタレートの大きなSiが優先
的にエロージョンされ、MSi2 が脱落し易くなるた
め、MSi2 は連鎖状に結合していることが好ましい。
【0052】また、このMSi2 相の粒径が30μmを
越えると、スパッタ中にMSi2 相上に隆起物が形成さ
れパーティクル発生し、一方その粒径が0.5μm未満
の場合、スパッタ中にMSi2 相がSi相から容易に脱
落してやはりパーティクル発生の原因となるため、MS
2 相の粒径は0.5〜30μmであることが好まし
い。さらに好ましい範囲は2〜20μmである。
【0053】また、ターゲットの平均組成MSix のX
値が2.0<X<4.0でMSi2の粒径が0.5〜3
0μmを満たすならば、混合組織断面1mm2 内にMSi
2 が400〜400×104 個存在することが好まし
い。さらに粒径が2〜20μmであるならば1mm2 内に
MSi2 が2,000〜300,000個存在すること
が好ましい。
【0054】また、MSi2 の大きさは、金属珪化物を
形成する金属粒子の粒径に依存するが、ほとんどのM粒
子は凝集状態で存在しているため、粒径の異なるMSi
2 が形成される。粒径のばらつきが大きくなると、スパ
ッタリングに伴いターゲットのエロージョン面の凹凸が
激しくなり、その段差の影響によりパーティクルの発生
量が増加するため、なるべく粒径をそろえる必要があ
り、MSi2 相の平均粒径は2〜15μmであることが
好ましい。さらに好ましい範囲は5〜10μmである。
【0055】ここでいう平均粒径とは、金属珪化物10
0個当たりの平均粒径を表す。
【0056】また、連鎖状に結合する各MSi2 粒子の
形状としては、近似的に球状であることが理想的であ
る。この理由は、球状の方がSi相との混合組織中から
脱落しにくく、角張った部分がある粒子では異常放電に
よりパーティクルが発生し易くなるためである。この観
点から、イオン交換法で精製して得られたM粒子は、そ
の還元工程で凝集し易く、M粒子同士の合体で生じたM
Si2 粒子は凸凹が多いので、凝集が起こりにくい還元
条件で処理するか、または粉末の混合時に分散剤を添加
して凝集を抑制する必要がある。または、粒子の分散性
が良好な化学的気相成長法で製造したM粒子を用いるこ
とも好ましい。
【0057】ここで化学的気相成長法(Chemical Vapor
Deposition method(以下CVDと略記する。))は、ハ
ロゲン化物、硫化物、水素化物などの原料を高温中で気
相状態とし、さらに熱分解、酸化、還元などの化学反応
せしめた後に、反応生成物を基板上に沈着させる方法で
あり、半導体や絶縁膜を形成する方法として広い分野で
使用されている。
【0058】一方、SiはM粒子と反応してMSi2
形成しつつ、過剰なSiはMSi2粒子の周囲に強制的
に流動されるため、連鎖状に結合したMSi2 の間隙に
Siが不連続に存在する形態となる。
【0059】このSiが連続的に存在すると、スパッタ
リングの進行に伴いSiがMSi2より優先的にエロー
ジョンされて粒子の脱落を招くとともに、スパッタ中に
ターゲットに発生する熱応力の作用により機械強度が低
く、熱衝撃に弱いSi部分が破損し易いため、強度向上
によるパーティクルの抑制にはSiがMSi2 の間隙に
存在し、かつ不連続に存在することが好ましい。
【0060】また、Siの粒径が30μmを超えると、
熱応力の作用によってSiエロージョン部の欠落が発生
し、しかもスパッタ中にSi相上に隆起物が形成されパ
ーティクルが発生し易いため、Siの最大粒径は30μ
m以下が好ましく、さらに好ましくは20μm以下であ
る。
【0061】さらに、Si粒径のばらつきが大きくなる
と、粒径の大きな部分に応力が集中し、熱応力の繰返し
によって破損し易いため、Siの平均粒径は2〜10μ
mであることが好ましく、さらに好ましくは3〜8μm
である。
【0062】なお、ここでいうSiの粒径とは、MSi
2 の間隙に存在するSi相の最大長さと最小長さとの平
均値で、Siの平均粒径とは、Si100個あたりの平
均粒径を表すものである。
【0063】また、Si原料粉末としては、高純度品あ
るいはドープ剤を含有した高純度品を使用することが望
ましい。この高純度Si中に含まれる不純物は、素子特
性の劣化を招くのでなるべく少ない方がよい。ちなみに
ソフトエラーの原因となるU,Th等の放射性元素は5
ppb以下、可動イオン汚染の原因となるNa,K等の
アルカリ金属元素は100ppb以下、ディープレベル
不純物となるFe,Ni,Cr等の重金属元素は1pp
m以下、パーティクルの発生およびエッチング不良を引
き起こす炭素は300ppm以下、抵抗の増大を招く酸
素は500ppm以下であることが好ましい。
【0064】このSi粉末に含有する炭素、酸素、N
a、K等の不純物は、Siの粉砕工程で粉末表面に付着
したもので、この不純物汚染したSi粉末を10-4Torr
以下の高真空中、1200〜1300℃で2〜6hr加
熱処理することにより、これら不純物を低減できるた
め、ターゲット製造には加熱処理を施したSi原料粉末
を用いることが好ましい。
【0065】一般に、ドープ剤を含有するSi原料粉末
を用いてターゲットを形成すると、反応合成時にドープ
剤が結晶界面などの特定部位に拡散し濃縮される。そし
てこれらのドープ剤は格子の乱れを生じたり、格子歪の
あるMSi2 相とSi相との境界に移動して界面層を形
成する。
【0066】この界面層が存在すると、MSi2 相とS
i相の結合力は向上し、MSi2 相はSi相との混合組
織から脱落しにくくなる。また、低抵抗のMSi2 相と
高抵抗のSi相の境界にドープ剤濃度の高い界面層が存
在すると、電気抵抗の急激な変化がなくなるので、スパ
ッタリング時に異常な放電の発生が少なくなり、したが
って異常放電によって誘起するパーティクルを抑制する
ことができるなどの効果が期待できる。
【0067】また本発明者らはMSi2 相とSi相との
境界における電気抵抗の急変を緩和するために鋭意研究
を進めた結果、前述したドープ剤としてB.P,Sb,
Asのうち少なくとも1種の元素と不可避的元素を含有
し、かつ電気抵抗を制御したSi粉末とM粉末あるいは
MSi2 粉末を用いて焼結して得られたターゲットは、
MSi2 相とSi相の電気抵抗の整合性が向上しスパッ
タ速度が均一となり、しかもMSi2 相とSi相との境
界に上記元素の拡散した界面層が形成されることで、電
気抵抗の急激な変化がなく、優れた界面強度を有するタ
ーゲットとなることを見い出した。
【0068】ここで上記ドープ剤のうち、B,P,S
b,Asは、Si相の電気抵抗を大幅に下げる効果のあ
る元素であり、これら元素を含有するSi相を用いる
と、両相の電気抵抗は整合されてスパッタ速度が均一と
なり、その結果、膜組成は安定し均一な膜厚となる。ま
た、Si相中のこれら元素は、焼結時に格子の乱れや格
子歪の大きなMSi2 相とSi相の境界に拡散移動し、
前記の界面層を形成する。この際、B,P,Sb,As
以外の不可避的元素も界面層に含まれ、同様な効果をも
たらす。例えばFe,Ni等がある。
【0069】また、この界面層の厚みは、Si相に含有
されるドープ剤の量によって異なるが、100〜10,
000オングストロームの範囲が適している。
【0070】かかる界面層の厚みが10,000オング
ストローム以上になると、Si相中の相当量のドープ剤
によって、膜特性が変化することになり、一方、その厚
みが100オングストローム未満となると前記効果が充
分に期待できない。従って、さらに好ましい範囲は、
1,000〜8,000オングストロームである。
【0071】この界面層の厚さは、一般に高分解能2次
イオン質量分析装置(SIMS)によって検出される。
【0072】SIMSはO2+やCs+ の1次イオンで試
料をスパッタエッチングし、発生した2次イオンを捕え
て、表面層の不純物を高感度で3次元的に分析する方法
である。界面層の厚さはSi相に含有するドープ剤の深
さ方向プロファイルをMSi2相に到達するまで測定し
て求められる。
【0073】ここで界面層の厚さは、Si相中のドープ
剤プロファイルの裾野に位置する変曲点からもう一方の
変曲点までの距離である。
【0074】さらに、上記Si相の抵抗率は、0.01
〜100Ω・cm範囲に設定することが望ましい。抵抗率
を0.01Ω・cm未満にすると、Siのスパッタ速度が
増加してSiが深くエロージョンされてパーティクルの
発生を引き起こすとともに、所望の膜組成が得られなく
なり、一方、その抵抗率が100Ω・cmを超えると、前
記効果が充分に期待できなくなる。したがって、Si相
の抵抗率は0.1〜10Ω・cmの範囲が更に好ましい。
【0075】一方、炭素によって汚染した部分は、良好
に飛散せずにエロージョン面に突起状に残存し、その結
果、その部分でプラズマ放電が不安定となり、異常な放
電を繰り返してパーティクルの発生を誘起する。また、
炭素が膜中に多く混入した場合、エッチングによる配線
の形成時に、その部分がエッチング残渣として存在して
配線不良や絶縁物の形成による断線を引き起こすため、
炭素不純物の含有量は100ppm以下に抑制する必要
があり、好ましくは50ppm以下、さらに好ましくは
30ppm以下である。この炭素含有量は、燃焼−赤外
線吸収法を利用した炭素分析装置によって検出される。
【0076】また、ターゲット中に酸素不純物が多い場
合、スパッタ時に酸素が膜中に混入して膜抵抗を増大さ
せるため、酸素不純物の含有量は150ppm以下に抑
制することが好ましく、さらに好ましくは100ppm
以下である。この酸素含有量は、不活性ガス融解−赤外
線吸収法を利用した酸素分析装置によって検出される。
【0077】また、本発明のシリサイド膜を形成するた
めに用いられるスパッタリングターゲットは、微細な粒
状のMSi2 相とSi相との混合組織となるが、これは
組成MSix のX値が2.0<X<4.0となるように
M粉末とSi粉末とを調製した混合粉末から焼結合成に
よりMSi2 相を形成するようにしたので、過剰のSi
分がMSi2 相の周囲に残存したために得られたのであ
る。
【0078】即ち、MとSi混合粉末に適当な圧力を加
えて加熱すると、Siは軟化すると共にMと反応してM
Si2 を形成するため、Si粒子とM粒子が接した部分
では、MSi2 を生成する発熱反応により局所的に昇温
して一層軟化し、そのためMSi2 化しつつある粒子の
表面および周囲に凝集してMSi2 化が進む。一方、多
少軟化した多量の未反応Siと過剰SiがMSi2 化し
つつある粒子の周囲に強制的に流動されて緻密化するた
め、MSi2 相とSi相あるいはMSi2 相同士が拡散
反応により強固に結合する。
【0079】ここで組成MSix におけるX値を2.0
<X<4.0に限定する理由は、次の通りである。すな
わち、組成MSix においてX値が2.0未満になる
と、形成されたシリサイド膜に大きな引張り応力が発生
して基板との密着性が悪くなり剥離し易くなる。一方、
組成MSix のX値が4.0を超えると、膜のシート抵
抗が高くなって電極配線膜としては不適当となるためで
ある。
【0080】さらに、ターゲットの密度比もパーティク
ル発生量と関係があり、低密度の場合は、ターゲットに
ポアが多く存在し、この部分で異常放電が発生し易く、
放電部分が欠落してパーティクルとして発生するので、
ターゲットの密度比は、どの場所でも99%以上である
ことが望ましい。ここで密度比(d=dt /ds )は焼
結体の組成比から算出した理論密度(ds )に対するア
ルキメデス法により実測した焼結体の密度(dt )の比
である。
【0081】また、本発明者らは、スパッタリング中に
起こるターゲットからのパーティクル発生は、MSi2
相とSi相に生じる隆起部の他にシリサイド焼結体を研
削などの機械加工仕上げしたときに生ずる加工欠陥層、
表面状態、または残留応力などにも起因することを見い
出した。すなわち、従来行なわれているターゲットの研
削仕上げ加工は、高速回転している研削砥石の硬い砥粒
によって被加工物を削り取って行く加工法である。この
方法で金属珪化物とシリコンからなるシリサイド焼結体
のような硬くて、しかも脆い材料を研削加工した場合、
不可避的に粒状チップが加工面から飛散する。本発明者
らの知見によれば、これは研削時に砥粒の接触応力によ
って研削加工面に微小クラックが生じ、砥粒の通過後、
応力の急激な解放によってクラックの肩部が押し上げら
れて破片として離脱することによって生成すると考えら
れる。通常、硬脆材料の加工にあたっては、砥粒当りの
切込み深さまたは荷重を適当に大きくして、砥粒によっ
て誘起される局所的応力場にクラックが含まれるくらい
にし、材料の微小破砕の集積によって加工を進行させて
いる。したがって、シリサイド焼結体の研削面には研削
条痕、脱落孔および微小クラックなどの加工欠陥層が多
数発生する。
【0082】このような欠陥層が全面に存在するターゲ
ットを用いてスパッタリングを行なうと、プラズマ中の
イオンの衝突によって上記欠陥部を起点として微細な粒
子がターゲット表面から剥離脱落してこれが前述したパ
ーティクルとなる。
【0083】よって、ターゲットの表面部の粗さを、R
a(中心線粗さ)で0.05μm以下に設定して、機械
的加工により発生する微小クラックや欠陥部分などの加
工欠陥層が実質的に存在しないように仕上げることが望
ましい。
【0084】ここで表面粗さRa(中心線粗さ)は、日
本工業規格(Japan IndustrialStandard:JIS−B0
601)において定義されるように、粗さ曲線からその
中心線の方向に測定長さLの部分を抜き取り、この抜き
取り部分の中心線をX軸、縦倍率の方向をY軸とし、粗
さ曲線をy=f(X)で表したとき、次の式によって求
められる値をマイクロメートル(μm)で表したものを
いう。
【0085】
【数1】
【0086】仕上げ面粗さを細かくし、かつクラックや
脱落孔などが存在する加工欠陥層を実質的になくすため
には材料欠陥の分布に比べ加工単位を小さくするように
配慮することが肝要である。具体的には、粒径が小さく
て揃いの良い砥粒を用いるとか、軟質の弾性もしくは粘
弾性に富むポリシャを使う等の方法によって砥粒当りの
荷重を小さくし、材料に誘起される応力が破壊応力値以
下になるようにする必要がある。
【0087】従って、金属珪化物相を含む焼結体のよう
な硬脆材料においても、上記荷重が極めて小さい場合に
は、材料が塑性流動変形のみを示し、クラックが生じな
い領域が存在し、加工面を凸凹の極めて小さな光沢面に
仕上げることができる。
【0088】その具体的方法としては、面仕上げの目的
で用いられるラッピング、ポリシングさらには超精密仕
上げの目的で用いられるメカノケミカルポリシングなど
が好ましい方法として挙げられる。
【0089】ここでMechano-chemical Polishingは、従
来の砥石による機械的研磨法と、化学薬品が被研磨材表
面を微小に侵食する作用を利用した化学的研磨法とを併
用した高精度の研磨方法である。
【0090】しかしながら、実際に珪化物焼結体を直接
上記加工により所定寸法まで仕上げるのは困難である。
そのため、まず研削加工など能率的な表面加工で加工し
た後に、発生した加工欠陥層を除去するために、上記ラ
ッピング、ポリシング加工工程をも併用して実施するこ
とが必要である。
【0091】上記の表面加工法は、ラッピング、ポリシ
ング、メカノケミカルポリシングの順序で使用する砥粒
が小さくなるので、仕上面粗さも微細化する。このよう
な加工法を金属珪化物ターゲットに適用することにより
パーティクル発生量は著しく低減する。すなわち、本発
明者らの知見によればパーティクル発生量と表面粗さと
は相関関係を示し、電極配線の不良などにつながる粒径
を有するパーティクルの発生を抑制するためには、加工
面の表面粗さRa(中心線粗さ)が0.02μm以下で
あることが好ましく、0.05μm以下が更に好まし
い。
【0092】またArイオン照射によるスパッタリング
においては、イオンの衝突点は高い応力場となり、しか
も高温に晒されている。したがって、ターゲット表層部
に残留応力が不均一に残ると、スパッタリング中に生ず
る熱により応力が再分布し、局所的に応力が増大してい
くつかの放射割れを含めた大きな割れが発生し、そのた
めにパーティクル発生量が勢い増加する現象がみられ
る。したがって、この観点から残留応力は15kg/mm2
以下であることが好ましく、更に好ましくは5kg/mm2
以下である。
【0093】次に本発明で使用するターゲットの製造方
法を具体的に説明する。
【0094】製造方法は、M粉末とSi粉末とを所定比
率で混合する工程Iと、混合粉末を低温加熱して炭素お
よび酸素を低減する工程IIと、M/Si混合粉末を成形
用型内に充填し、これをホットプレス装置内にて高真空
中で低プレス圧力下にてシリサイド反応させて高融点金
属珪化物を合成する工程III と、引き続き高プレス圧力
下にて緻密化焼結する工程IVとから成る。特に工程III
およびIVにおける加熱温度やプレス圧力は、微細組織
で、かつ高密度の焼結体を得るために非常に重要な因子
である。
【0095】まず、前記製造方法のIの工程は、M粉末
とSi粉末とを組成がSi/M原子比で2.0〜4.0
になるように配合、混合する工程である。
【0096】このM粉末とSi粉末を混合する工程で
は、両者の粉末粒径がシリサイド合成により生成するM
Si2 粒径と介在するSiの粒径に影響を及ぼす。前記
の微細組織を得るためには、最大粒径10μm以下のM
粉末と最大粒径30μm以下のSi粉末を使用すること
が好ましい。
【0097】ここで組成MSiX のX値を2.0<x<
4.0に限定した理由は、X値が2.0未満になると、
形成されたシリサイド膜に大きな引張り応力が発生して
基板との密着性が悪くなり剥離し易くなる。一方、X値
が4.0を超えると、シリサイド膜のシート抵抗が高く
なって電極配線膜としては不適当となるためである。
【0098】原料M粉末とSi粉末とをSi/M原子比
で2.0〜4.0に配合し、ボールミルあるいはV形ミ
キサ等を用いて充分均一に乾式混合する。混合が不均一
であると、ターゲットの組織と組成が不均一となってシ
リサイド膜の特性が劣化するので好ましくない。
【0099】ここで上記粉末混合操作は、酸素汚染を防
止するため真空中あるいは不活性ガス雰囲気中で行うこ
とが好ましい。
【0100】またSi配合量として、高温加熱した時、
Si粉末表面からのSiおよび酸化被膜SiO2 の揮散
損失分を見込んで目標組成よりも若干過剰に配合するの
が適当である。その過剰量は5%弱と少なく、後工程の
温度、時間、圧力等を考慮して経験的に定める。
【0101】IIの工程は、Iの工程で調合した混合粉末
を高真空中で低温加熱して炭素および酸素を低減する工
程である。この工程では、プレス圧力を加えない状態
で、加熱温度と保持時間および真空度を適正な条件に設
定することが重要である。すなわち、加熱温度は100
0〜1300℃に設定することが好ましく、加熱温度が
1000℃未満では不純物の除去が充分に行なわれず、
一方、1300℃を超えると、不純物の揮散が充分に行
なわれないうちにシリサイド反応が開始し、炭素および
酸素含有量の多いターゲットとなる。したがって、加熱
温度は1100〜1300℃に設定することがさらに好
ましい。また、保持時間は加熱温度との兼合いで1〜1
0hrに設定することが好ましく、1hr未満である
と、充分に前記効果を得ることは期待できず、一方、1
0hrを超えると生産性が悪くなる。さらに、炉内の真
空度は、炭素と酸素の低減を充分に図るため、10-4To
rr以下の高真空とすることが好ましく、さらに好ましく
は10-5Torr以下である。
【0102】但し、急激にホットプレス装置内を真空引
きすると、成形用型から混合粉末が飛散して後述の工程
を経ても緻密化が不充分な焼結体となるので、ホットプ
レス装置内が100Torr以下になるまでは、徐々にに真
空度を下げることが好ましい。
【0103】III の工程は、IIの工程で脱ガスした混合
粉末を高真空中、低プレス圧力下にて、加熱してMSi
2 相を合成する工程である。このシリサイド合成工程に
おいては、加熱温度およびプレス圧力を適切な条件に設
定し、シリサイド反応を徐々に進行させて、MSi2
子の成長を抑制し、軟化したSiをMSi2 粒子の間隙
に流動させる必要がある。そのため、加熱温度は100
0〜1300℃に設定することが好ましく、加熱温度が
1000℃未満ではシリサイド反応が容易に開始せず、
1300℃を超えた場合は、急速なシリサイド反応より
MSi2 粒子が成長して粗大化する。したがって加熱温
度1100〜1300℃に設定することがさらに好まし
い。
【0104】このとき、加熱速度は、合成したMSi2
相微細化のため、20℃/分未満であることが望まし
い。シリサイド合成時の雰囲気は、シリサイド反応速度
の制御性および不純物ガスの巻込みを防止するため、1
-4Torr以下の高真空中で行なうことが望ましい。
【0105】また、プレス圧力の大きさはMSi2 粒子
の粒径に影響を及ぼすため、10〜100kg/cm2 に設
定することが好ましく、10kg/cm2 未満ではシリサイ
ド反応熱が低くなりSiの軟化流動が良好に行なわれ
ず、Siの偏析した不均一な組織となる。一方、圧力が
100kg/cm2 以上となると、M粉末とSi粉末の接触
圧力が増大し、シリサイド反応による生成熱が多くなる
と共に、反応が急速に進行してMSi2 粒子が粗大化す
る。したがってプレス圧力の大きさは30〜60kg/cm
2 の範囲に設定することがさらに好ましい。
【0106】このシリサイド合成時の雰囲気は、シリサ
イド反応速度の制御性および不純物ガスの巻込みを防止
するため、10-4Torr以下の高真空中で行なうことが望
ましい。
【0107】IVの工程は、高真空中あるいは不活性ガス
雰囲気中、高プレス圧力下にて、共晶温度直下の温度に
加熱し、焼結体を緻密化させる工程である。
【0108】この緻密化焼結の工程において、高密度の
焼結体を得るためにはプレス圧力と加熱温度およびその
保持時間が重要である。
【0109】プレス圧力は焼結体の緻密化を促進するた
めに100〜300kg/cm2 であることが好ましく、プ
レス圧力が100kg/cm2 未満であると、ポアが多く残
存する低密度の焼結体になり、一方、プレス圧力が30
0kg/cm2 を超えると、高密度の焼結体とはなるが、黒
鉛製の成形用型が破損し易くなる。したがってプレス圧
力の大きさは150〜250kg/cm2 の範囲に設定する
ことがさらに好ましい。
【0110】焼結温度(加熱温度)Tは、共晶温度Ts
直下の温度、すなわちTs−50≦T<Tsの範囲に設
定することが好ましい。ここで例えば、MとしてW,M
o,Ti,Taを使用する場合の共晶温度Tsはそれぞ
れ1400,1410,1330,1385℃である。
TがTs−50以下であると、ポアが残存して所望の高
密度の焼結体が得られない。一方、TがTs以上になる
と、Si相が溶融し、成形型から流出し、組成比のズレ
が大きな焼結体となる。
【0111】また加熱焼結の保持時間は、1〜8時間が
適切である。1時間以下であると、ポアが多く残存し、
高密度の焼結体が得られず、一方、8時間以上になる
と、緻密化がそれ以上に進行しないのでターゲットの製
造効率が低下する。この緻密化焼結は、不純物の混入に
よる汚染を防止するため、真空あるいは不活性ガス雰囲
気で行なうことが好ましい。但し、窒素雰囲気において
は、Si3 4 を形成するため、好ましくない。
【0112】そして、上記のように調製したスパッタリ
ングターゲットを、汎用のマグネトロン・スパッタリン
グ装置内にセットした後に所定の条件下でスパッタリン
グを実施することにより、ターゲットに対向配置したウ
ェハーなどの基板上に所定厚さのシリサイド膜が堆積形
成される。そして、このシリサイド膜にエッチング処理
などを施すことにより、半導体装置のゲート電極,ソー
ス電極,ドレイン電極等の各種電極や配線材として使用
される。
【0113】
【実施例】次に以下の実施例により、本発明の構成およ
び効果をより詳細に説明する。まず各実施例,比較例,
従来例のシリサイド膜を形成するためのターゲットにつ
いて説明し、しかる後に、各ターゲットを使用して形成
したシリサイド膜の特性を比較評価する。
【0114】[実施例1〜12]表1に示すように最大
粒径10μm以下の高純度W,Mo,Ta,Nb粉末と
最大粒径30μm以下の高純度Si粉末とをSi/M原
子比2.7となるように配合し、高純度Arガスで置換
したボールミルで48時間混合した。この混合粉末を成
形用型内に充填後、これをホットプレス装置内に挿入
し、8×10-5Torr真空中において1200℃の温度で3
時間脱ガスし、炭素および酸素等の不純物を低減した。
【0115】次に、第1表に示す条件でシリサイド合成
と緻密化焼結を行ない、得られた焼結体を研削研磨し、
放電加工して直径260mm、厚さ6mmのターゲットに仕
上げた。
【0116】[比較例1〜12]比較例1〜12として
最大粒径100μm以下の高純度W,Ta,Nb粉末と
最大粒径200μm以下の高純度Si粉末とをSi/M
原子比2.7となるように配合した混合粉末を用意し、
これを真空中の脱ガス熱処理を行なわずに、第1表に示
す条件でシリサイド合成と緻密化焼結を行ない、得られ
た焼結体を研削研磨し、放電加工して直径260mm、厚
さ6mmのターゲットに仕上げた。
【0117】[従来例1〜3]最大粒径100μm以下
の高純度W粉末と最大粒径200μm以下の高純度Si
粉末とをSi/M原子比2.0となるように配合した混
合粉末を用意し、これを2×10-4Torrの真空中で13
00℃で4hr加熱して仮焼結体を形成後、溶融Siを
含浸させてSi/W原子比2.7の焼結体を作製した。
この焼結体を研削研磨し、放電加工して直径260mm、
厚さ6mmのターゲットに仕上げ、従来例1のターゲット
を得た。
【0118】最大粒径15μm以下の高純度W粉末と最
大粒径20μm以下の高純度Si粉末とをSi/M原子
比2.7となるように配合した混合粉末を用意し、これ
を8×10-5Torrの真空中で1250℃で4hr加熱し
て仮焼結体を形成後、次いで仮焼結体を圧密用封止缶に
充填し、これを1180℃×3hr、圧力1000atom
の条件で熱間静水圧プレスして焼結体を作製した。この
焼結体を研削研磨し、放電加工して直径260mm、厚さ
6mmのターゲットに仕上げ、従来例2のターゲットを得
た。
【0119】最大粒径100μm以下の高純度W粉末と
最大粒径200μm以下の高純度Si粉末とをSi/M
原子比2.5となるように配合した混合粉末を用意し、
これを2×10-4Torrの真空中で1300℃で4hr加
熱して仮焼結体を形成後、この仮焼結体を粉砕し、次い
でSi/W原子比2.7になるようにシリサイド合成粉
末を加え、これをArガス雰囲気中で1380℃×3h
rの条件でホットプレスして焼結体を作製した。この焼
結体を研削研磨し、放電加工して直径260mm、厚さ6
mmのターゲットに仕上げ、従来例3のターゲットを得
た。
【0120】実施例用および比較例用のターゲットの断
面組織の顕微鏡観察結果をそれぞれ図1(A),(B)
および図2(A),(B)に示す。この結果、比較例用
に係るターゲットの組織は図2(A),(B)に示すよ
うに、Si2が偏析してMSi2 1が粗大化しているの
に対して、実施例用ターゲットの場合は、図1(A),
(B)に示すように、最大粒径10μm以下のMSi2
1が連鎖状に結合し、その間隙にSi2が不連続に存在
する微細で均一な組織を呈していた。
【0121】また、炭素および酸素の含有量を分析した
結果、各実施例用のターゲットの場合は、炭素は50p
pm以下で、酸素は100ppm以下であるのに対し
て、比較例用のターゲットでは炭素が250ppm程度
で、酸素が1500ppm程度非常に多く含有してい
た。
【0122】実施例1〜12、比較例1〜12および従
来例1〜3で調製した各ターゲットをマグネトロン・ス
パッタリング装置内にセットした後、アルゴン圧2.3
×10-3Torrの条件下でスパッタリングを行ない、5イ
ンチSiウエハ上にシリサイド膜を約3000オングス
トローム堆積し、パーティクル混入量を測定した結果を
表1に併記した。
【0123】
【表1】
【0124】表1に示す結果から明らかなように、本実
施例用のターゲットから発生し、シリサイド膜中に混入
するパーティクル量は比較例および従来例のものと比較
して非常に少なかった。また、実施例、比較例および従
来例用のターゲットのエロージョン面を走査型電子顕微
鏡(SEM)により観察したところ、それぞれ比較例お
よび従来例用のターゲットのエロージョン面には、図4
(A),(B)に示すように、多数の隆起部3が観察さ
れるが、実施例用のターゲットのエロージョン面には、
図3(A),(B)に示すように、隆起部は観察されな
かった。
【0125】さらに従来例および比較例用のターゲット
のエロージョン面に認められる比較的に大きな隆起部3
を拡大観察した結果を図5(A),(B)に示す。また
図5(A)に示す隆起部3の表面をX線マイクロアナラ
イザ(XMA)により元素分析を行なった結果を図6に
示す。図6に示すように、隆起部表面に白点状に散在す
る炭素が観察され、この炭素がパーティクルの発生原因
となっている。
【0126】これらの結果から、各実施例用のターゲッ
トを半導体装置の電極配線の形成に用いれば、半導体製
品の大幅な製造歩留りの向上が期待できることが実証さ
れた。
【0127】次にターゲットを構成するMSi2 相とS
i相との間に界面層を形成する場合(実施例)と形成し
ない場合(比較例)とについてそれぞれターゲットの特
性および、そのターゲットを使用して形成したシリサイ
ド膜の特性を比較評価する。
【0128】[実施例101〜114]平均粒径2μm
の高純度W,Mo,Ti,Ta,Zr,Hf,Nb,
V,Co,Cr,Ni粉末およびこれらの組み合わせと
平均粒径20μmの高純度Si粉末(B,P,Sb,A
s,その他Fe,Ni等の不可避的不純物元素を含有し
た)をSi/M原子比2.6で配合し、高純度Arガス
で置換したボールミルで72時間乾式混合した。この混
合粉末を高純度黒鉛製ホットプレス用モールドに充填
後、真空ホットプレス装置内に装入し、5×10-5Torr
の真空中において温度1250℃で2時間脱ガスした。
【0129】次に、5×10-5Torrの高真空中で50kg
/cm2 のプレス圧力を加え、1250℃で金属珪化物
(MSi2 )を合成後、炉内雰囲気を高純度Arガスを
加えて600Torrまで上げ、さらにプレス圧力を250
kg/cm2 に上げて1370℃で2時間焼結した。得られ
た焼結体を研削研磨、放電加工して直径260mm,厚さ
6mmの各実施例用のターゲットに仕上げた。
【0130】[比較例101〜114]比較例101〜
110として平均粒径25μmの高純度W,Mo,T
i,Ta,Zr,Hf,Nb,Co,CrおよびNi粉
末と平均粒径40μmの高純度Si粉末とをSi/M原
子比2.6となるように混合した後に、次に示す条件
下、 ・ホットプレス温度:1380℃ ・ホットプレス圧力:250kg/cm2 ・保持時間:2時間 ・炉内雰囲気:1250℃まで 8×10-5Torr真空中 1250〜1380℃まで 600Torrアルゴンガス中 でホットプレスし、直径260mm,厚さ6mmの従来製法
によるターゲットを得た。
【0131】さらに、比較例111〜114として平均
粒径80μmのWSi2 ,MoSi2 ,TaSi2 およびT
iSi2 粉末と平均粒径60μmの高純度Si粉末とを
Si/M原子比2.6となるように混合した後、比較例1
01〜110と同様の条件下でホットプレスし、直径2
60mm,厚さ6mmの従来製法によるターゲットを得た。
【0132】本実施例101〜114用と比較例101
〜114用のターゲットについて、界面層の平均厚さ、
密度比、抗折強度を測定し、その結果を表2にまとめて
示した。この表2からも明らかなように、本実施例10
1〜114用のターゲットは、高密度でしかも高い抗折
強度を示していることからMSi2 相とSi相は界面層
により強固に接合していることが判明した。
【0133】また、実施例,比較例および従来例用の各
ターゲットの断面組織を光学顕微鏡により観察し、それ
ぞれ図7(A),(B)、図8(A),(B)、図9
(A),(B)に示す。この結果、図7(A),(B)
に示すように、本実施例の場合、平均粒径10μmのM
Si2 相1とSi相2との微細な混合組織を呈してい
た。
【0134】また、図8(A),(B)に示すように、
比較例用のターゲットの場合には、Si相2およびMS
2 相1が共に粗大である。また図9(A),(B)に
示すように従来例のターゲットにおいても、Si相2お
よびMSi2 相1が粗大であり、パーティクルが発生し
易い組織となっていることが確認される。
【0135】また実施例110〜114用および比較例
101〜114用で調製した各ターゲットをマグネトロ
ン・スパッタリング装置内にセットした後、アルゴン圧
2.3×10-3の条件下でスパッタリングを行ない、5
インチSiウエハ上に各実施例および比較例に係るシリ
サイド膜を約3000オングストローム堆積し、パーテ
ィクル混入量を測定した結果を表2に併記した。
【0136】
【表2】
【0137】表2に示す結果からも明らかなように、本
実施例用のターゲットから発生するパーティクル量は非
常に少なかった。
【0138】また、実施例、比較例および従来例用のタ
ーゲットのスパッタ面を走査型電子顕微鏡(SEM)に
より観察したところ、それぞれ図10(A),(B)、
図11(A),(B)、図12(A),(B)に示す金
属組織が観察された。すなわち比較例用ターゲット(図
11(A),(B))および従来例用ターゲット(図1
2(A),(B))のスパッタ面には、多数の隆起部3
が認められるが、図10(A),図10(B)に示すよ
うに、本実施例用ターゲットのスパッタ面には隆起部3
は観察されなかった。この結果から各実施例用のターゲ
ットを半導体装置の電極配線の形成に用いれば、大幅な
歩留り向上が期待できることが実証された。
【0139】次にターゲットを構成するシリサイド焼結
体を研削などの機械加工仕上げしたときに生じる加工欠
陥層、表面状態および残留応力が、パーティクルの発生
に及ぼす影響について以下の実施例によって確認する。
【0140】[実施例200]シリサイド焼結体(タン
グステンシリサイド)をワイヤ放電加工により直径26
0mmの大きさに切断した後、立軸ロータリ平面研削盤を
用い、砥石SD270J55BW6、砥石周速1200
m/min、テーブル回転数12rpm、切込み10μ
m/minの条件で厚さの6mmまで研削加工してターゲ
ットとした。次に、加工裏面にバッキングプレートをは
んだ付けした後、研削面をレンズ研磨器を用い、ダイヤ
モンド砥粒15μmで60hr、砥粒3μmで10hr
ラッピング加工し、超音波洗浄器でラッピング面に付着
した加工液を除去してからアセトン脱脂および乾燥して
仕上げた。
【0141】得られた加工面を走査型電子顕微鏡(SE
M)で観察した結果、研削加工によって生じた研削状痕
や脱落孔は残存しておらず、しかも研削砥粒の変形破壊
作用によって生じた多数の微小クラックも認められず、
加工欠陥層は除去されていることが確認された。
【0142】また、表面粗さ測定器(Talysurf)で加工
面の粗さ測定とX線応力測定装置を用いて並傾法により
残留応力を測定した。その結果を表3に示す。なお、研
削したままについての測定結果も比較例200として表
3に併記した。
【0143】このターゲットをマグネトンロ・スパッタ
リング装置内にセットした後、Arイオン照射によるス
パッタリングを行ない、5インチSiウエハ上にシリサ
イド膜を3000オングストローム堆積した。この膜中
に混入したパーティクル量を測定し、その結果を表3に
示した。なお、研削面のスパッタリング結果も比較例2
00として表3に併記した。表3からも明らかなよう
に、実施例200に係るターゲットによって形成した膜
中のパーティクル量は大幅に減少し、ラッピング加工に
よりスパッタリング中のパーティクル発生量を低減する
ことが可能であることが判明した。
【0144】[実施例201]直径260mmのシリサイ
ド焼結体を実施例200と同様な方法で研削、ラッピン
グ加工した後、0.3μmの酸化セリウム砥粒、アクリ
ル樹脂ポリシャを用い、ポリシャ圧力1kg/cm2 、ポリ
シャ速度10m/minの条件で10hrポリシング加
工し、超音波洗浄により加工液を除去してからアセトン
脱脂および乾燥を行なってターゲットを仕上げた。
【0145】得られた加工面をSEM観察した結果、研
削加工によって生じた研削状痕や脱落孔および微小クラ
ックなどの加工欠陥層は完全に消失し、鏡面状態に仕上
げられていた。また、加工面の表面粗さと残留応力の測
定結果を表3に示すが、比較例200として示した研削
面に比べて表面の凹凸は極めて小さく、研削によって発
生した表層の塑性歪みあるいは弾性歪みはほとんど除去
されていた。
【0146】このターゲットを用いてマグネトロン・ス
パッタリングを行ない、5インチSiウエハ上にシリサイ
ド膜を形成した。この膜中に混入したパーティクル量の
測定結果を表3に併記した。この結果からも明らかなよ
うに、最終仕上げとしてポリシング加工を行なうと、表
面性状の向上によりターゲットから発生するパーティク
ルは大幅に減少することが判明した。
【0147】[実施例202]直径260mmのシリサイ
ド焼結体を実施例200と同様な方法で研削、ラッピン
グ加工した後、0.02μmのSiO2 のパウダ、クロ
スポリシャを用い、ポリシャ圧力1kg/cm2 、ポリシャ
速度10m/minの条件で20hrメカノケミカルポ
リシング加工し、超音波洗浄後にアセトン脱脂および乾
燥を行なってターゲットを仕上げた。
【0148】得られた加工面をSEM観察した結果、研
削加工によって発生した加工欠陥層は認められなかっ
た。また加工面の表面粗さと残留応力に比べて極めて平
滑性が高く、加工面は無歪表面と変わらない状態となっ
ていた。
【0149】このターゲットを用いてマグネトロン・ス
パッタリングを行ない、5インチSiウエハ上にシリサイ
ド膜を形成後、膜中に混入したパーティクル量を測定し
た結果、表3に併記したように、パーティクルは殆ど認
められず、最終仕上げとしてパーティクルの発生原因と
なる加工欠陥層、残留応力を完全に除去できることが確
認された。
【0150】
【表3】
【0151】上記のように調製した各実施例用のスパッ
タリングターゲットを使用してスパッタリングを行うこ
とにより、パーティクルの混入が少なく均一で高品質の
シリサイド膜が得られる。そして、このシリサイド膜に
エッチング処理などを施すことにより、半導体装置のゲ
ート電極,ソース電極,ドレイン電極などの各種電極や
配線層が形成される。
【0152】
【発明の効果】本発明に係るシリサイド膜およびその膜
を使用した半導体装置によれば、パーティクルの混入が
少なく、微細で高品質なシリサイド膜が得られる。そし
て、このシリサイド膜を加工して電極および配線材料と
することにより、動作信頼性が高い半導体装置を提供す
ることができる。またパーティクルの混入による配線間
のショートやオープン不良が発生しにくいため、半導体
装置の製品歩留りを大幅に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は、実施例用のターゲットの金属組織を
示す走査型電子顕微鏡写真、(B)は、図1(A)の金
属組織写真を説明するための一部模式図。
【図2】(A)は、比較例用および従来例用のターゲッ
トの金属組織を示す走査型電子顕微鏡写真、(B)は、
図2(A)の金属組織写真を説明するための一部模式
図。
【図3】(A)は、実施例用のターゲットのエロージョ
ン面の形態を示す走査型電子顕微鏡写真、(B)は、図
3(A)の表面形態写真を説明するための一部模式図。
【図4】(A)は、比較例用および従来例用のターゲッ
トのエロージョン面の形態を示す走査型電子顕微鏡写
真、(B)は、図4(A)の表面形態写真を説明するた
めの一部模式図。
【図5】(A)は、比較例用および従来例用のターゲッ
トのエロージョン面に存在する隆起部を拡大して示す走
査型電子顕微鏡写真、(B)は、図5(A)の隆起部を
説明するための一部模式図。
【図6】図5(A)に示す隆起部の表面を元素分析した
結果を示す走査型電子顕微鏡写真。
【図7】(A)は、実施例用のターゲットの光学顕微鏡
による金属組織写真、(B)は、図7(A)の金属組織
写真を説明するための一部模式図。
【図8】(A)は、比較例用のターゲットの光学顕微鏡
による金属組織写真、(B)は、図8(A)の金属組織
写真を説明するための一部模式図。
【図9】(A)は、従来例用のターゲットの光学顕微鏡
による金属組織写真、(B)は、図9(A)の金属組織
写真を説明するための一部模式図。
【図10】図10(A)は、実施例用のターゲットのエ
ロージョン面の形態を示す走査型電子顕微鏡写真、
(B)は、図10(A)のエロージョン面の形態写真を
説明するための一部模式図。
【図11】(A)は、比較例用のターゲットのエロージ
ョン面の形態を示す走査型電子顕微鏡写真、(B)は、
図11(A)のエロージョン面の形態写真を説明するた
めの一部模式図。
【図12】(A)は、従来例用のターゲットのエロージ
ョン面の形態を示す走査型電子顕微鏡写真、(B)は、
図12(A)のエロージョン面の形態写真を説明するた
めの一部模式図。
【符号の説明】
1 金属珪化物相(MSi2 相) 2 珪素相(Si相) 3 隆起部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 29/43 (72)発明者 小松 透 神奈川県横須賀市鴨居3−3−4 (72)発明者 志津 博美 神奈川県藤沢市亀井野1−25−7−208 (72)発明者 八木 典章 神奈川県横浜市戸塚区戸塚町2121 東芝戸 塚台コーポD103

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属珪化物(化学量論組成がMSi2
    但しMは金属)が連鎖状に結合して金属珪化物相が形成
    され、珪素粒子が結合して形成された珪素相が上記金属
    珪化物の間隙に不連続に存在する微細な混合組織を有
    し、炭素含有量が100ppm以下であるスパッタリン
    グターゲットを用いて形成したことを特徴とするシリサ
    イド膜。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のシリサイド膜において、
    前記スパッタリングターゲットを構成する混合組織の断
    面1mm2 内に粒径0.5〜30μmの金属珪化物が40
    0〜400×104 個存在し、珪素の最大粒径が30μ
    m以下であることを特徴とするシリサイド膜。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のシリサイド膜において、
    前記スパッタリングターゲットに含まれる金属珪化物の
    平均粒径が2〜15μmである一方、珪素の平均粒径が
    2〜10μmであることを特徴とするシリサイド膜。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のシリサイド膜において、
    前記スパッタリングターゲットの密度比が99%以上で
    あることを特徴とするシリサイド膜。
  5. 【請求項5】 請求項1記載のシリサイド膜において、
    前記スパッタリングターゲットに含まれる酸素の含有量
    が150ppm以下であることを特徴とするシリサイド
    膜。
  6. 【請求項6】 請求項1記載のシリサイド膜において、
    前記スパッタリングターゲットを構成する金属珪化物の
    金属は、タングステン、モリブデン、チタン、ジルコニ
    ウム、ハフニウム、ニオブ、タンタル、バナジウム、コ
    バルト、クロムおよびニッケルから成る群より選択され
    た少なくとも一種の金属であることを特徴とするシリサ
    イド膜。
  7. 【請求項7】 請求項1記載のシリサイド膜において、
    前記スパッタリングターゲットを構成する金属珪化物相
    と珪素相との境界に界面層を形成したことを特徴とする
    シリサイド膜。
  8. 【請求項8】 請求項7記載のシリサイド膜において、
    前記スパッタリングターゲットを構成する金属珪化物相
    と珪素相との境界に形成した界面層の厚さが100〜1
    0000オングストロームであることを特徴とするシリ
    サイド膜。
  9. 【請求項9】 請求項1記載のシリサイド膜において、
    前記スパッタリングターゲットを構成する珪素相がホウ
    素、リン、アンチモンおよびヒ素から成る群より選ばれ
    た元素を少なくとも1種と不可避的不純物元素とを含有
    し、かつ珪素相の電気抵抗率が0.01〜100Ω・cm
    であることを特徴とするシリサイド膜。
  10. 【請求項10】 金属珪化物(化学量論組成がMS
    2 、但しMは金属)が連鎖状に結合して金属珪化物相
    が形成され、珪素粒子が結合して形成された珪素相が上
    記金属珪化物の間隙に不連続に存在する微細な混合組織
    を有し、炭素含有量が100ppm以下であるスパッタ
    リングターゲットを用いて形成したシリサイド膜を、電
    極または配線材料として使用したことを特徴とする半導
    体装置。
  11. 【請求項11】 請求項10記載の半導体装置におい
    て、前記スパッタリングターゲットを構成する混合組織
    の断面1mm2 内に粒径0.5〜30μmの金属珪化物が
    400〜400×104 個存在し、珪素の最大粒径が3
    0μm以下であることを特徴とする半導体装置。
  12. 【請求項12】 請求項10記載の半導体装置におい
    て、前記スパッタリングターゲットに含まれる金属珪化
    物の平均粒径が2〜15μmである一方、珪素の平均粒
    径が2〜10μmであることを特徴とする半導体装置。
  13. 【請求項13】 請求項10記載の半導体装置におい
    て、前記スパッタリングターゲットの密度比が99%以
    上であることを特徴とする半導体装置。
  14. 【請求項14】 請求項10記載の半導体装置におい
    て、前記スパッタリングターゲットに含まれる酸素の含
    有量が150ppm以下であることを特徴とする半導体
    装置。
  15. 【請求項15】 請求項10記載の半導体装置におい
    て、前記スパッタリングターゲットを構成する金属珪化
    物の金属は、タングステン、モリブデン、チタン、ジル
    コニウム、ハフニウム、ニオブ、タンタル、バナジウ
    ム、コバルト、クロムおよびニッケルから成る群より選
    択された少なくとも一種の金属であることを特徴とする
    半導体装置。
  16. 【請求項16】 請求項10記載の半導体装置におい
    て、前記スパッタリングターゲットを構成する金属珪化
    物相と珪素相との境界に界面層を形成したことを特徴と
    する半導体装置。
  17. 【請求項17】 請求項16記載の半導体装置におい
    て、前記スパッタリングターゲットを構成する金属珪化
    物相と珪素相との境界に形成した界面層の厚さが100
    〜10000オングストロームであることを特徴とする
    半導体装置。
  18. 【請求項18】 請求項10記載の半導体装置におい
    て、前記スパッタリングターゲットを構成する珪素相が
    ホウ素、リン、アンチモンおよびヒ素から成る群より選
    ばれた元素を少なくとも1種と不可避的不純物元素とを
    含有し、かつ珪素相の電気抵抗率が0.01〜100Ω
    ・cmであることを特徴とする半導体装置。
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