JP4885436B2 - 電池の底板用鋼板、電池の底板用表面処理鋼板、それを用いた電池 - Google Patents

電池の底板用鋼板、電池の底板用表面処理鋼板、それを用いた電池 Download PDF

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Description

本発明は、電池の底板用鋼板、電池の底板用表面処理鋼板、それを用いた電池に係り、特にアルカリマンガン電池やニッケル−カドミウム電池などの底板用鋼板、底板用表面処理鋼板およびこれを用いた電池に関する。
アルカリマンガン電池やニッケル−カドミウム電池の外筒用鋼板は、耐食性と加工性が求められており、従来それらを満たすものとしてNiめっき層又はFe−Ni合金めっき層を形成しためっき鋼板が一般に用いられている(例えば、特許文献1、2参照)。これらのめっき鋼板による電池管筒は、絞り成形加工により行なわれており、薄肉化が図られている。しかしながら、底板(底板が封口板と別体の場合の他、底板と封口板が一体化された場合、あるいは、底板が封口板の機能を兼ね備えた場合の「底板」も含む)の場合は、封口圧力に耐えうるような高強度が求められるため、オーステナイト系ステンレス鋼板や厚肉のニッケルめっき鋼板が用いられている(例えば、特許文献3参照)。ステンレス鋼板は高強度の点で優れるが、表面に強固な酸化物ができるため接触抵抗が高く、且つ高価であるという欠点があり、また、ニッケルめっき鋼板は、高強度を維持するために通常0.4〜0.8mmと厚くなっている。このため、従来、アルカリマンガン電池やニッケル−カドミウム電池などの底板は、経済性の点から、板厚を薄肉化して、少ない材料で封口圧力に耐えうるような高強度を有し、且つ電池用として耐食性、スポット溶接性を有する材料が求められている。
特許第3292033号掲載公報 特開2004−218043号公報 特開2003−263975号公報
板厚を薄肉化して少ない材料で封口圧力に耐えうるようにするには、圧延率を上げ強度を強くする方法があり、それにめっきを施したままで使用されている。しかしこの方法は、めっきのままでは硬度が硬いため、底板等への加工後の耐食性が劣る結果となる。また、めっきのままであるためスポット溶接の範囲が狭いという問題があった。この耐食性とスポット溶接性を改善するためにはニッケルめっき後に加熱処理を施すことが有効であるが、加熱すると母材の強度が不足するという問題があった。
本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、強度があり、耐食性、スポット溶接性を有する電池の底板用表面処理鋼板、およびこの底板を用いた電池とを提供することを技術的課題とする。
前記課題を解決するために、請求項1に記載の本発明の電池の底板用鋼板は、重量%で、C:0.04〜0.60%、Si:0.80〜3.0%、Mn:0.3〜3.0%、P:≦0.06%、S≦0.06%、Al:≦0.1%、N:0.0010〜0.0150%、残部Feおよび不可避的な不純物よりなることを特徴とする。本発明の底板用鋼板は、前記成分を採用することによって、安価で高い調質度を有し電池底板に最適な高強度鋼板を提供することができる。
請求項2記載の電池の底板用表面処理鋼板は、重量%で、C:0.04〜0.60%、Si:0.80〜3.0%、Mn:0.3〜3.0%、P:≦0.06%、S≦0.06%、Al:≦0.1%、N:0.0010〜0.0150%、残部Feおよび不可避的な不純物よりなる鋼板において、最表層として鉄−ニッケル合金層を有することを特徴とする。
請求項3記載の電池の底板用表面処理鋼板は、重量%で、C:0.04〜0.60%、Si:0.80〜3.0%、Mn:0.3〜3.0%、P:≦0.06%、S≦0.06%、Al:≦0.1%、N:0.0010〜0.0150%、残部Feおよび不可避的な不純物よりなる鋼板において、最表層として鉄−ニッケル合金層とニッケル層を有する最表層にニッケル層、その下層に鉄−ニッケル合金層を有することを特徴とする。
請求項4記載の電池の底板用表面処理鋼板は、重量%で、C:0.04〜0.60%、Si:0.80〜3.0%、Mn:0.3〜3.0%、P:≦0.06%、S≦0.06%、Al:≦0.1%、N:0.0010〜0.0150%、残部Feおよび不可避的な不純物よりなる鋼板において、最表層としてニッケル層及び鉄−ニッケル合金層を有することを特徴とする。
請求項2〜4の各底板用表面処理鋼板は、それぞれ請求項1の鋼板に、Niめっきした後、熱処理による拡散処理をすることによって得ることができる。ニッケルめっき後の熱処理温度、熱処理時間を適正に制御することによって、前記請求項2〜4の底板用表面処理鋼板を得ることができ、熱処理温度が高く熱処理時間が長いほど拡散処理が進みFe−Ni合金層ができる。したがって、熱処理温度を高く熱処理時間を長くすることによって、請求項3、請求項4、請求項2の順に当該底板用表面処理鋼板を得ることができる。
本発明の電池の底板用表面処理鋼板は、以上のような鋼成分及び表面層を有することによって、抗張力が450MPa以上、伸びが15%以上の高強度を有することができ、板厚を0.2〜0.6mmと薄くした電池の底板用表面処理鋼を得ることができる。そして、本発明の電池は、前記のような底板用鋼板を電池の底板として採用したものであり、耐食性に優れた電池をより安価に得ることができる。
このように形成されている本発明によれば、薄くて高強度で、耐食性がよく、かつスポット溶接性を有する高品質の電池の底板を得ることができ、底板を薄肉化して材料をより低減化することができる。
更に、本発明の電池は、上記電池の底板を有することにより、高品質で、かつ薄くて高強度で安価な底板を有する電池を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。本発明における電池の底板用表面処理鋼板の母材となる鋼板としては、重量%で、C:0.04〜0.60%、Si:0.80〜3.0%、Mn:0.3〜3.0%、P:≦0.06%、S≦0.06%、Al:≦0.1%、N:0.0010〜0.0150%、残部Feおよび不可避的な不純物よりなる鋼板が好適に用いられる。前記化学成分の意義は次の通りである。
Cは原板に高い調質度を与えるため、Cは0.04%以上あることが望ましい。一方でC成分が0.60%を超えると炭化物析出量が増大し原板の加工性の低下をもたらすと同時に、冷間圧延の負荷の増大、形状の劣化、連続焼鈍工程での通板性阻害等、生産性低下の原因となる。そのため本発明ではC成分の上限値を0.60%とする。
Siは鋼中では大きな固溶強化能を持ち、高強度を得るのに有効な元素である。したがって、0.8%以上は必要である。また、材質強化面では多い程良いが、冷間圧延の負荷の増大、形状の劣化を招くため上限値を3.0%とする。
Mnは不純物であるSによる熱延中の赤熱脆性を防止するために必要な成分であると同時に、上記のCと同様に原板に高い調質度を与えるため、Mn成分は0.3%以上とする。しかし、ここでもC同様に、多過ぎると冷間圧延の負荷の増大、スラブ圧延中の割れ発生、形状の劣化、連続焼鈍工程での通板性阻害等、生産性低下の原因となるため、上限値を3.0%とする。
Pは結晶粒微細化成分であり、また原板の強度を高めることから一定の割合で添加されるが、一方で耐食性を阻害する。本発明用途としては、Pが0.06%を超えると耐食性、特に耐孔明性が著しく低下するため上限値を0.06%とする。
Sは熱延中において赤熱脆性を生じる不純物成分であり、極力少ないことが望ましいが、鉄鋼石等からの混入を完全に防止することができず、工程中の脱硫も困難なことからある程度の残留もやむをえない。少量の残留Sによる赤熱脆性はMnにより軽減できるため、S成分の上限値は0.06%とする。
Alは製鋼に際し脱酸剤として鋼浴中に添加されるが、0.10%以上になると連続鋳造時に酸化抑制剤、および、連続鋳造での鋳型への焼き付き防止剤として使用する鋳型パウダー中の酸素と過剰Alが反応し、本来のパウダー効果を阻害する。したがって、Al量は0.10%以下とする。
NはC,Mnと同様に原板に高い調質度を与える。耐力強化のために必要な成分であるが、0.001%より少なくすることは製鋼上の困難を生じ、また一方0.0150%を超える添加は製鋼時に添加するフェロ窒化物の歩留の低下が著しく、安定性に欠けると同時に、プレス成形時の異方性を著しく劣化させる。さらに連続鋳造片の表面に割れが生じ、鋳造欠陥となるため本発明ではN成分範囲を0.001〜0.0160%とする。
以上のような化学成分を有する鋼板(母材となるスラブ)を、熱間圧延、巻取り、1次冷間圧延、ニッケルめっき、焼鈍(めっき後の拡散処理)を行って、目的とする電池の底板用表面処理鋼板を得る。あるいは、ニッケルめっき直後に焼鈍をせずに、2次冷間圧延、調質圧延を経て熱処理(拡散処理)するようにしてもよい。それらの各工程は次のようにして行なう。
熱間圧延
熱間圧延工程におけるスラブ加熱温度は本発明において特定するものではないが、熱間仕上圧延温度の安定的確保の見地から1100℃以上とするのが望ましい。熱間圧延仕上温度をAr点以下にすると、熱間鋼帯の結晶組織が混粒化するとともに粗大化し、目的の強度が得られないので熱間圧延仕上温度はAr点以上とするのが望ましい。
巻き取り温度は本発明において特定するものではないが、結晶粒粗大化を抑制するために巻取温度は700℃以下とするのが望ましい。
1次冷間圧延
上記の成分系で熱延された鋼板を1次冷間圧延するが、この冷間圧延率は、成分とともに本発明の重要な強度因子であり、目的の強度を得るために、50〜90%で行う。
ニッケルめっき
上記のように50〜90%の1次冷間圧延を施した材料は、次の焼鈍を行う前にニッケルめっきを施す。また、後の程である焼鈍、調質圧延後に行っても良いが、この場合、ニッケルめっき後、鉄−ニッケル合金層を形成するために、さらに熱処理による拡散処理を施す必要がある。Niめっき後の拡散処理により、最表層にニッケル層が残ると、このニッケルが柔らかくなり、その後の加工を受けた場合に望ましい状態になる。ニッケルめっきは、上記鋼板を、常法により、アルカリ電解脱脂、水洗、硫酸浸漬、水洗後の前処理を行った後、無光沢ニッケルめっき、光沢ニッケルめっきあるいは鉄−ニッケル合金めっきにより行なった。鉄−ニッケルめっきを行う場合、下層としてニッケルあるいはニッケル系の合金めっきを行うとより好ましい。ニッケルめっきを行う場合、鉄−ニッケル合金層を得る方法として、よく知られたワット浴、スルファミン酸浴を使って、無光沢ニッケルめっきあるいは、光沢剤をメッキ浴に添加して作製した光沢ニッケルめっきを行い、熱処理により得られても良い。ニッケルめっき層の厚みは、0.5〜7μmの範囲が良い。より好ましくは、1〜4μmの範囲が良い。
また、ニッケルめっき浴に鉄を添加して作製した鉄−ニッケル合金めっきから得られても良い。この場合、鉄−ニッケルめっき層の厚みは、少なくとも0.1μm以上あれば良い。厚くても、特性には問題がないが、あまり厚くすると不経済である。経済的に、7μm以下であれば良い。
焼鈍
上記のように50〜90%の冷間圧延を施した材料は、クリーニング工程で脱脂を施した後、あるいはニッケルめっきを行った後、連続焼鈍で680℃以上または、バッチ焼鈍で500℃以上で焼鈍する。ニッケルめっき後の焼鈍は、Niの拡散処理も兼ねており、焼鈍することによりNiがFe中に拡散し、鉄−ニッケル合金層が形成される。特に焼鈍温度を調節することにより、ニッケルめっき後の表面層の合金化を制御でき、焼鈍温度を例えば連続焼鈍で比較的低い温度で焼鈍することによって、表面に最表層にニッケル層、その下層にFe−Ni合金層を形成することができ、それ以上の温度で焼鈍することによって最表層にニッケル層とFe−Ni合金層が形成され、さらに焼鈍温度を高めることによって最表層全面鉄−ニッケル合金層が形成される。したがって、後の行程で熱処理を施さない場合、前記のように焼鈍温度を制御して、最表層に全面、鉄−ニッケル合金層の形成、あるいは最表層にニッケル層が一部あるいは全面残るようにする。
2次冷間圧延
焼鈍後の2次冷間圧延率が高くなると強度は増し、望ましいが、伸びが小さくなるとともに耐食性が劣化するので、2次冷間圧延を行う場合は、7%以下とする。その後、必要により調質圧延により表面粗度を付与する。
熱処理
一次冷間圧延後、焼鈍、調質圧延し、ニッケルめっきを施した場合には、めっき後に熱処理を行う。熱処理として、前記箱型焼鈍あるいは連続焼鈍のどちらの方法も適用できる。この場合、最表層に軟質ニッケル層がある方が耐食性の面では好ましいが、厚すぎても経済的に好ましくない。最表層に全面、鉄−ニッケル合金層あるいはニッケル層ができも良いし、鉄−ニッケル合金層とニッケル層が混在しても良い。
上記のような工程を経ることによって、抗張力が450MPa以上、伸びが15%以上という高強度及び加工性に優れた電池の底板用表面処理鋼板を得ることができる。底板用表面処理鋼板は、特に限定されないが、高強度を有するので従来の電池の底板に比べて薄肉化することが可能となり、0.2〜0.6mmの範囲が好適に選択できる。
本発明について、さらに、以下の実施例を参照して具体的に説明する。
表1に示す化学成分を有する熱間圧延鋼を用いて、1次冷間圧延、ニッケルめっき、焼鈍、さらに一部のものには2次冷間圧延、調質圧延等を行った。実施例及び比較例の鋼成分、各工程での条件は表1に示す。
ニッケルめっきは、常法により、アルカリ電解脱脂、水洗、硫酸浸漬、水洗後の前処理を行った後、通常の無光沢ニッケルめっきまたは半光沢ニッケルめっきを行った。また、無光沢ニッケルめっきまたは半光沢めっきを下層として、上層として光沢ニッケルめっきの2層めっきを行なった。
1)無光沢ニッケルめっき
下記の硫酸ニッケル浴を用いて無光沢ニッケルめっきを行った。
浴組成
硫酸ニッケル(NiSO・6HO) 300g/L
塩化ニッケル(NiCl・6HO) 45g/L
硼酸 (HBO) 30g/L
浴のpH: 4(硫酸で調整)
撹拌: 空気撹拌
浴温度: 60℃
アノードは、Sペレット(INCO社製商品名、球状)をチタンバスケットに装填してポリプロピレン製バッグで覆ったものを使用。
2)半光沢ニッケルめっき
下記の硫酸ニッケル浴を用いて半光沢ニッケルめっきを行った。
浴組成
硫酸ニッケル(NiSO・6HO) 300g/L
塩化ニッケル(NiCl・6HO) 45g/L
硼酸 (HBO) 30g/L
不飽和アルコールのポリオキシエチレン付加物 3.0g/L
不飽和カルボン酸ホルムアルデヒド 3.0g/L
浴のpH: 4(硫酸で調整)
撹拌: 空気撹拌
浴温度: 60℃
3)光沢ニッケルめっき
硫酸ニッケル浴に光沢剤としてサッカリンを適宜添加して光沢ニッケルめっきを行った。
浴組成
硫酸ニッケル(NiSO・6HO) 300g/L
塩化ニッケル(NiCl・6HO) 45g/L
硼酸 (HBO) 30g/L
サッカリン 3.0g/L
浴のpH: 4(硫酸で調整)
撹拌: 空気撹拌
浴温度: 60℃
アノードは、Sペレット(INCO社製商品名、球状)をチタンバスケットに装填してポリプロピレン製バッグで覆ったものを使用。
実施例1〜8は無光沢ニッケルめっきおよび半光沢めっきを1.0μm〜5.0μm行った。比較例1〜6、8は無光沢めっきまたは半光沢めっきを2.0μm行い、比較例7は半光沢1.0μmに続いて光沢めっきを1.0μm行い2層めっきとした。また、比較例9,10は下地に無光沢めっきを1.0μm実施し続いて光沢めっきを1.0μm行った。実施例1〜2および比較例6は、熱間圧延鋼板を1次冷間圧延、ニッケルめっき、焼鈍、2次冷間圧延の順に処理をした。実施例3〜4、実施例6〜9、比較例1〜3については、熱間圧延鋼板を1次冷間圧延、ニッケルめっき、焼鈍、調質圧延の順に処理をした。比較例4,7及び10は、熱間圧延鋼板を1次冷間圧延、焼鈍、2次冷間圧延、ニッケルめっき、調質圧延の順に処理をした。実施例5と比較例5と8は、1次冷間圧延、焼鈍、調質圧延、ニッケルめっき、焼鈍、調質圧延の順に処理をした。比較例9は、比較例10において2次冷間圧延の代わりに調質圧延を行なった。
次に示す試験方法で供試材の特性を評価し、評価結果を表2に示す。
(機械的特性)
機械特性は、供試材をJIS5号試験片サイズにカットし、抗張力(TS、MPaで表示)及び伸び(T.EL、%で表示)で評価した。TSが450MPa以上(表では○で表示)を良好とし、T.Elが15%以上(表では○で表示)を良好とした。上記数値を満たさない場合を、×(不合格)として表した。合格範囲(表では◎で表示)である。総合評価では、TSが450MPa以上で、かつT.Elが15%以上が合格範囲(表では◎で表示)である。
(耐食性)
直角折り曲げ加工を施して、恒温恒湿試験法(60℃x90%RH)で30日間試験を行い、折り曲げ部への錆発生がないものを合格(表では○で表示)とした。錆発生の場合を不合格(表では×で表示)とした。
機械的特性及び耐食性が優れる場合、実用上高強度用途として十分使えるので総合評価で合格とした。
Figure 0004885436
Figure 0004885436
なお、本発明は前記実施の形態および実施例に限定されるものではなく、必要に応じて変更することができる。従来の板厚は0.4〜0.8mmと厚いが、実施例では、板厚が0.2〜0.6mmと薄くできる。
比較例1と7〜9はC量が適正範囲外であるため、比較例2、8〜10はSi量が適正範囲外であるため、および比較例3、8、10はMn量が適正範囲外であるため、強度及び又は伸びが劣り、総合評価が悪かった。比較例4はニッケルめっき後の拡散処理がなく、2次圧延率も高いため、伸び、耐食性が悪かった。比較例5は焼鈍温度が低く、伸びが悪かった。比較例6は2次圧延率が高いため、伸び、耐食性が悪かった。
本発明の電池の底板用表面処理鋼板は、高強度と加工性の機械的特性に優れ、薄肉化が可能であり、且つ耐食性に優れているので、電池の底板および電池の製造コストを低減することができ、且つ高品質の電池を提供することができ、アルカリマンガン電池やニッケル−カドミウム電池等の電池底板として産業上の利用可能性が高い。

Claims (7)

  1. 重量%で、C:0.04〜0.60%、Si:0.80〜3.0%、Mn:0.3〜3.0%、P:≦0.06%、S≦0.06%、Al:≦0.1%、N:0.0010〜0.0150%、残部Feおよび不可避的な不純物よりなることを特徴とする電池の底板用鋼板。
  2. 重量%で、C:0.04〜0.60%、Si:0.80〜3.0%、Mn:0.3〜3.0%、P:≦0.06%、S≦0.06%、Al:≦0.1%、N:0.0010〜0.0150%、残部Feおよび不可避的な不純物よりなる鋼板において、最表層として鉄−ニッケル合金層を有することを特徴とする電池の底板用表面処理鋼板。
  3. 重量%で、C:0.04〜0.60%、Si:0.80〜3.0%、Mn:0.3〜3.0%、P:≦0.06%、S≦0.06%、Al:≦0.1%、N:0.0010〜0.0150%、残部Feおよび不可避的な不純物よりなる鋼板において、最表層としてニッケル層、その下層に鉄−ニッケル合金層を有することを特徴とする電池の底板用表面処理鋼板。
  4. 重量%で、C:0.04〜0.60%、Si:0.80〜3.0%、Mn:0.3〜3.0%、P:≦0.06%、S≦0.06%、Al:≦0.1%、N:0.0010〜0.0150%、残部Feおよび不可避的な不純物よりなる鋼板において、最表層としてニッケル層及び鉄−ニッケル合金層を有することを特徴とする電池の底板用表面処理鋼板。
  5. 抗張力が450MPa以上、伸びが15%以上である請求項1〜4何れかに記載の電池の底板用表面処理鋼板。
  6. 板厚が0.2〜0.6mmである請求項5に記載の電池の底板用表面処理鋼板。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の電池の底板を有することを特徴とする電池。
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