JP3596036B2 - 製缶用鋼板の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、耐ストレッチャーストレイン性に優れ、かつ強度特性に優れた極薄ブリキ原板やテインフリースチールなどの製缶用鋼板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
昨今、大量に消費されている飲料缶、18リットル缶、ペール缶などの缶は、その製法(工程)から2ピース缶と3ピース缶に大別できる。2ピース缶は、錫めっき、クロームめっき、化成処理、塗油などの処理を施した表面処理鋼板に、浅い絞り加工、DWI 加工、DRD 加工等の加工を施して缶底と缶胴を一体成形し、これに蓋を取りつけた2部品からなる缶である。3ピース缶は、表面処理鋼板を円筒状または角筒状に曲げて端部同士を接合して缶胴を形成したのち、これに天蓋と底蓋を取りつけた3部品からなる缶である。
【0003】
これらの缶は、いずれも缶コストに占める素材コストの割合が高いため、鋼板のコスト低減への要求は強い。そのため、製缶用鋼板の製造を、非効率的で材料の歩留りや表面品質に劣る従来の箱焼鈍で行うのではなく、生産効率が高く、歩留りや表面品質に優れた連続焼鈍で行うことが望ましい。
【0004】
例えば、特公昭63−10213 号公報のような技術があり、さらに、それらに改善を加えた技術が開発され、ロックウェルT硬さ(HR30T) の値をもって表される調質度で、T−2(50〜56) 程度の軟質な製缶用鋼板の製造が行われてきた。
【0005】
さらに、軟質な鋼板を連続焼鈍法で製造するための開発も行われ、例えば、特公平 1−52452 号公報のごとく極低炭素鋼を用いて、それと焼鈍後の加工硬化の組合せで種々の硬さの製缶用鋼板を作りわける技術が開発されている。
しかし、この種の製缶用鋼板においても、より一層のコストダウンの要求があり、これに応えるためには新たな製造プロセス並びに新たな素材を開発する必要があった。また、コストダウンの1手法として使用する鋼板の板厚の減少と上蓋径の縮小化をねらった縮径(ネックイン)成形の強化の動きもあり、これらの手法は、要求する材料特性をさらに厳しいものとしているが、上記の従来プロセス以外の方法では、厳しい条件下での加工に対して良好な加工性を有する製缶用鋼板を製造する方法が存在しなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、厳しい条件下での加工を行っても良好な加工性を有し、製缶用鋼板としての使用特性を維持しつつ、従来とは異なる鋼組成及びより合理的な製造方法によって、より一層のコストダウンを図ることを可能にするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の目的を達成するために、鋼成分及び製造条件を検討しつつ、さらに製缶用鋼板の使用特性についてそれを支配する冶金的な検討を行い、以下の知見を得た。
【0008】
製缶用鋼板として要求される重要な特性は次の通りである。(2ピース缶と3ピース缶の双方に適用)
1)自動車等に用いられる深絞り用鋼板と異なり、高いr値は必須条件ではない。
2)r値の面内異方向性(Δr)はいずれも小さい方が望ましい。
3)リジングのような変形の不均一性が生じないことが望ましい。
4)微細な組織が変形の均一性の面で望ましい。
5)製造された鋼板は、必ずしも箱焼鈍材(低炭素アルミキルド鋼)のような完全非時効である必要はないが、通常の連続焼鈍材(低炭素アルミキルド鋼)では製缶工程及びその後の2次・3次の工程で不具合を生ずるので時効しないのが望ましい。
6)通常の引張り試験で得られるような延性ではなく、それらより1桁から2桁程度速い加工速度での局部延性を有することが望ましい。
【0009】
これらの特性を満足すべく、低コストである合理的な製造工程として、従来、冷間圧延の後に行っている焼鈍工程を省略する製造方法について種々の検討を行い以下の知見を得た。すなわち、第一の発明は、重量比で、C:0.0030%以下,Si:0.020 %以下,Mn:0.05〜0.50%,P:0.020 %以下,S:0.010 %以下,N:0.0050%以下,Al:0.100 %以下,Nb:0.002 〜0.020 %、及び、残部がFe及び不可避的不純物元素よりなる連続鋳造スラブを、仕上圧延機入側温度が950℃以下、Ar3 変態点以下での合計圧下率が40%以上かつ最終圧下率が25%以上、そして、巻取温度が640 〜750 ℃の条件下で熱間圧延し、通常の酸洗の後、圧下率を50〜98%として冷間圧延することにより、該冷間圧延後の焼鈍工程を省略することを特徴とする製缶用鋼板を製造する方法である。
【0010】
また、第二の発明は、重量比で、C:0.0030%以下,Si:0.020 %以下,Mn:0.05〜0.50%,P:0.020 %以下,S:0.010 %以下,N:0.0050%超え0.0200%以下,Al:0.100 %以下,Nb:0.002 〜0.020 %、及び、残部がFe及び不可避的不純物元素よりなる連続鋳造スラブを、仕上圧延機入側温度が950 ℃以下、Ar3 変態点以下での合計圧下率が40%以上かつ最終圧下率が25%以上、そして、巻取温度が640 〜750 ℃の条件下で熱間圧延し、通常の酸洗の後、圧下率を40〜85%として冷間圧延することにより、該冷間圧延後の焼鈍工程を省略することを特徴とする製缶用鋼板を製造する方法であり、特に強度を重視する場合、および冷間圧下率を低く抑えたい場合に適している。
さらに、第一及び第二の発明は、鋼組織の微細化等の材質改善が必要な場合は、前記連続鋳造スラブ中に、Ti:0.005 〜0.020 %をさらに含有させることがより好ましい。
【0011】
【作用】
r値を向上させるには、冷間圧延を行い、その後に再結晶焼鈍を行うことがほとんど必須条件であるが、r値を大きくする必要がなければ、本工程を省くことは可能である。しかし、組織制御が可能である工程が1つ減ることは、組織の微細化が困難になると共に、リジングが発生しやすくなる。
また、従来法で製造した冷間圧延ままの材料は、延性が製缶用鋼板としては不十分なため、特にある程度の絞り性が要求される用途に対してはその要求を満足させることができなかった。
【0012】
本発明は、成分を適正に制御した鋼を用いることと、熱間圧延工程の加工熱処理条件を最適にすることで、冷間圧延後の焼鈍工程を省略した。
【0013】
以下に鋼成分の限定理由について述べる。
C:0.0030%以下
C含有量が0.0030%を超えると、缶成形時に必要な局部延性が十分に得ることができず、例えば、製缶の最終工程である巻き締め部の伸びフランジ成形時の割れを生ずるため好ましくない。これは、残留する固溶C量が増加することによるものと考えられる。また、延性の時効劣化の観点からも、この範囲のC含有量を制御する必要がある。従って、C含有量を0.0030%以下とした。なお、特にこれら成形性に優れた原板を得るには、C量を0.0020%以下にすることが好ましい。
【0014】
Si:0.020 %以下
Si含有量が0.020 %を超えると、鋼板の表面性状が劣化し、表面処理鋼板として望ましくないばかりでなく、鋼が硬化して熱間圧延工程が困難化する。従って、Si含有量を0.020 %以下とした。なお、表面性状の要求が厳格な用途では0.010 %以下にすることが好ましい。
【0015】
Mn:0.05〜0.50%
Mn含有量を0.05%以上にしないと、S含有量を低下させた場合でも、いわゆる熱間脆性を回避することが困難で、表面割れ等の問題を生ずることがある。また、0.50%を超えると、変態点が低下しすぎて、変態点以下の圧延を行った場合に望ましい組織を得ることが困難となる。従って、Mn含有量を0.05〜0.50%とした。なお、特に軟質な原板を得るには、0.20%以下にするのが好ましく、より好ましくは、0.10%以下にする。
【0016】
P:0.020 %以下
P含有量の低減により、耐食性の改善効果が得られるが、過度の低減は、製造コストの増加につながるため、これらの兼ね合いから、P含有量を0.020 %以下とした。なお、加工性を顕著に改善するためには、0.010 %以下が好ましい。
【0017】
S:0.010 %以下
S含有量は、加工性改善の点から低減する必要がある。概ね0.010 %以下とすることで顕著に加工性(特に伸びフランジ特性)が改善する。しかし、S含有量のより一層の低減は、大した改善効果が得られないばかりでなく、製造コストの増大につながる。従って、S含有量を0.010 %以下とした。なお、加工性を顕著に改善するためには、0.008 %以下にすることが好ましい。
【0018】
N含有量は、強度と加工性に大きく影響を及ぼすため、目標とする強度と加工性に応じて適正範囲にする必要がある。すなわち、第一の発明は、従来法で製造した鋼板に比し、より高加工性にしかつ強度を同等程度にする場合であり、N含有量を0.0050%以下にする。N含有量は、0.0050%を超えると、加工性及び耐時効性が劣化し始めるので好ましくないからである。なお、加工性を顕著に改善するためには、0.0030%以下にすることが好ましい。また、第二の発明は、高強度をより重視する場合あるいは冷間圧下率を低く抑えたい場合であり、N含有量を0.0050%超え0.0200%以下にする。しかし、N含有量が0.0200%を超えると、鋼が極めて硬質化するため冷間圧延工程に支障をきたすのみならず、ブローホール発生の危険率も増大し、製缶用鋼板としては甚だ不都合なものとなる。前記製造条件については後述する。
【0019】
Al:0.100 %以下
Alは、脱酸剤として清浄度を向上させるため、鋼中にある程度含有することが必要であり、その最低限度として概ね0.005 %の添加が望ましい。しかし、Al含有量が0.100 %を超えると、その清浄度改善効果が飽和することに加え、鋼の硬質化、製造コストの上昇、表面欠陥発生傾向の増大などの問題を生ずる。従って、Al含有量を0.100 %以下とした。なお、安定した製造条件を確保するためには、0.020 〜 0.060%の範囲にすることが好ましい。
【0020】
Nb:0.002 〜0.020 %
Nbは、鋼組織の微細化、リジングの発生の防止、時効性の低減に有効な元素であり、このような望ましい効果を発揮させるには、0.002 %以上含有することが必要である。また、0.020 %を超えて含有することは、熱間圧延後の組織の不均一性を増加させ、缶材料としては不適正な材質となるばかりでなく、製造コストの上昇をももたらす。従って、Nb含有量を0.002 〜0.020 %とした。なお、加工性を重視する場合は、0.005 〜0.015 %の範囲にすることが好ましい。
【0021】
Ti:0.005 〜0.020 %
Tiは、鋼組織の微細化に有効な元素であり、また、Cの一部を固定することによる時効性の調整作用があり、材質の改善が図れるので選択的に含有するのが好ましい。Ti含有量は0.005 %から効果が顕在化し、0.020 %で効果が飽和する。従って、Ti含有量を0.005 〜0.020 %とした。なお、安定した時効性を得るには、0.010 〜0.015 %の範囲にするのが好ましい。
【0022】
次に、製造条件についての限定理由について述べる。
スラブ加熱温度については、特に規制はなく、通常の温度範囲にする。また、いわゆる連続鋳造後の直接圧延、加熱炉への温片挿入圧延を適用することもできる。
(1)熱間圧延条件
(a) 仕上圧延機入側温度:950 ℃以下
仕上圧延機入側温度は、組織の均一・微細化のため限定することが必要である。即ち、この温度が950 ℃を超えると、仕上げ圧延の最終段階で、目標とする均一微細組織の熱間圧延鋼板を得ることができない。これは、詳細な機構については不明であるが、初期のオーステナイト粒径が粗大化してしまうためと推定される。また、スケール疵発生防止の観点から、920 ℃以下にすることが好ましい。
【0023】
(b) 熱間圧延時の圧下率
Ar変態点以下での合計圧下率が40%以上かつ最終圧下率が25%以上でないと、組織の不均一性が充分に除去できず、製缶時にリジングと考えられる不均一な歪みが発生するため好ましくない。また、材質安定上、合計圧下率を50%以上かつ最終圧下率を30%以上とすることが好ましい。これらの圧下率の上限は、スラブ厚みと製品厚み及び付与すべき冷間圧下率から、ある程度必然的に定まるものである。なお、Ar変態点を超える温度での圧下率も材質に影響を及ぼすが、Ar変態点以下での圧下率が支配的であり、これらの条件は副次的に決定される。
【0024】
(c)巻取温度:640 〜 750℃
巻取温度は、次工程である酸洗・冷間圧延に支障をきたさないように設定することが必要である。即ち、750 ℃を超える温度で巻き取った場合は、鋼板のスケール厚みが顕著に増大し、酸洗時の脱スケール性が悪化することに加え、鋼板自身の高温強度の低下に伴い、コイルの変形などの問題が生ずる。また、これらの問題をより一層改善するには700 ℃以下にすることが好ましい。しかし、640 ℃未満だと、リジングのような不均一変形が生じやすくなり、また、時効性も残るため、用途によっては不具合が生ずるので好ましくない。
【0025】
(2) 酸洗後の冷間圧延条件:圧下率50〜98%
酸洗は、通常の工程とほぼ同一であるが、ややスケールの厚みが増加する傾向があるので、脱スケール性を向上させる手段を講じることが好ましく、酸洗後の冷間圧延は、圧下率を50〜98%とする。圧下率が50%未満だと、材質の不均一、特に、板厚方向の不均一性に基づくと考えられる不具合が生ずるためである。この冷間圧延は、鋼板の形状・粗度の調整という作用も果たすため、概ね50%以上の圧下を行うことがこれらの点においても必須な条件となる。また、上限は、必要とされる製品の強度と厚み、熱間圧延・冷間圧延の設備能力に依存するものであるが、98%を超えて圧延することは局部延性の劣化も回避することは困難となるので、極めて特殊な用途以外には適用できない。また、材質上、好ましくは、冷間圧延時の圧下率を60〜80%の範囲にする。なお、N含有量を0.0050%超え0.0200%以下にする第二の場合は、圧下率の適正範囲が40〜85%の範囲にシフトする。これは、詳細な機構は不明であるが、熱延後の鋼板組織の微細化に対応しているものと考えらえる。
【0026】
【実施例】
・実施例1
表1に示す種々の成分の鋼を溶製し、表2に示す本発明に従う製造条件で製造した鋼板A〜Dと、表3に示す種々の成分の鋼を溶製し、表4に示す本発明に従う製造条件で製造した鋼板E〜Hとについて、降伏応力、リジング発生の有無、平均r値及びΔrについて調査し、総合評価を行った。それらの結果を、それぞれ表2及び表4に示す。
リジング発生の有無は、鋼板を浅い円筒に絞ったときの表面性状を観察することにより評価した。
r値及びΔr値は、JIS に定める、弾性率の異方性より評価する方法により行った。
降伏応力は、JIS 5 号試験片を用いた引張試験によって求めた。
なお、第一の発明方法に従って製造した鋼板A〜D(表2中のNo.1〜6)は、加工性を重視する場合、すなわち、N含有量を0.0050%以下にして製造した場合の一例であり、また、第二の発明方法に従って製造した鋼板E〜H(表4中のNo.1〜6)は、強度をより重視した場合、すなわち、N含有量を0.0050%超え0.0200%以下にして製造した場合の一例である。
また、熱間圧延時のスラブ加熱温度は全て1150〜1200℃の範囲とした。
【0027】
また、比較例として、表2には、成分組成が本発明の限定範囲外である鋼板a〜dについて、本発明の製造条件で製造した鋼板と、鋼板Aについて、本発明の範囲外である種々の製造条件で製造した鋼板とを評価した結果も併せて示し、また、表4には、成分組成が本発明の限定範囲外である鋼板e〜hについて、本発明の製造条件で製造した鋼板と、鋼板Eについて、本発明の範囲外である種々の製造条件で製造した鋼板とを評価した結果も併せて示した。
【0028】
【表1】
Figure 0003596036
【0029】
【表2】
Figure 0003596036
【0030】
【表3】
Figure 0003596036
【0031】
【表4】
Figure 0003596036
【0032】
表2及び表4の結果から明らかなように、この発明に従う鋼組成及び製造条件で製造された鋼板A〜D及び鋼板E〜H (表2及び表4中のそれぞれNo.1〜6 )は、リジングの発生を伴わず、降伏点の高いすなわち硬質な、さらに鋼板の機械的性質の面内異方性の小さな表面処理原板を製造することができることがわかる。また、この発明に従う製造条件で製造された鋼板A〜D及び鋼板E〜Hを比較すると、鋼板A〜Dは、従来程度の強度をもちながら、加工性に優れていて、一方、鋼板E〜Hは、従来程度の加工性をもちながら、強度がかなり増加しているのがわかる。
Δr及び平均r値は、従来のプロセスのものと比べ、優位にあるとは言えないが、冷間圧延後の焼鈍工程を省略してもかなり良好な材質が得られることは大きな意味を持つ。
【0033】
実施例2
表1及び表3の成分の鋼を用いて表5に示す製造条件で冷延鋼板を製造し、通常の条件で#25相当の錫めっきを行い、これをロールフォーミング、高速シーム溶接で3P缶の缶胴部相当に成形し、伸びフランジ加工を行い、割れ発生の有無を調査した。具体的には、通常の350 ml缶を想定した条件で行ったフランジ成形試験で3%以上の HAZ(熱影響部)割れの発生の有無で判定した。製品厚みは0.180 mm一定とした。また、ロールフォーミング性は、ロールフォーミング成形時に局部的な折れを生じたり、ストレッチャーストレインが発生するなどの不具合を調べたものであり、表5中では、不具合がない場合を「○」、不具合がある場合を「×」として記載した。
本発明の条件で製造されたものは、フランジ割れがなく、良好なロールフォーミング性を有していることがわかる。
【0034】
【表5】
Figure 0003596036
【0035】
実施例3
表1及び表3に示す成分の鋼を用い、表6に示す製造条件で冷延鋼板を製造し、表面にCrめっきを行い、いわゆるDRD 缶に成形し、成形後の、絞り割れ、肌あれ、及びストレッチャーストレインの発生の有無を調査した。
本発明鋼が必要な特性を満足していることがわかる。また、耐食性についても通常の方法に従って調査したが、全く問題はなかった。
【0036】
【表6】
Figure 0003596036
【0037】
【発明の効果】
本発明は、以上述べたように構成されているので、本発明鋼を原板として使用した製缶用鋼板(場合によっては特別な表面処理を行わない場合でも)を容器として成形・加工して使用するとき、従来の工程で製造されたものと実質的に同等な特性を有している。従って、本発明の方法は、冷間圧延後の焼鈍工程を省略することができる分だけ、より低コストで製缶用鋼板を製造することができる。

Claims (4)

  1. 重量比で、
    C:0.0030%以下、Si:0.020 %以下、
    Mn:0.05〜0.50%、P:0.020 %以下、
    S:0.010 %以下、N:0.0050%以下、
    Al:0.100 %以下、Nb:0.002 〜0.020 %、及び、
    残部がFe及び不可避的不純物元素よりなる連続鋳造スラブを、仕上圧延機入側温度が950 ℃以下、Ar3 変態点以下での合計圧下率が40%以上かつ最終圧下率が25%以上、そして、巻取温度が640 〜750 ℃の条件下で熱間圧延し、通常の酸洗の後、圧下率を50〜98%として冷間圧延することにより、該冷間圧延後の焼鈍工程を省略することを特徴とする製缶用鋼板の製造方法。
  2. 重量比で、
    C:0.0030%以下、Si:0.020 %以下、
    Mn:0.05〜0.50%、P:0.020 %以下、
    S:0.010 %以下、N:0.0050%以下、
    Al:0.100 %以下、Nb:0.002 〜0.020 %の他、Ti:0.005 〜0.020 %を含有し、残部がFe及び不可避的不純物元素よりなる連続鋳造スラブを、仕上圧延機入側温度が950 ℃以下、Ar3 変態点以下での合計圧下率が40%以上かつ最終圧下率が25%以上、そして、巻取温度が640 〜750 ℃の条件下で熱間圧延し、通常の酸洗の後、圧下率を50〜98%として冷間圧延することにより、該冷間圧延後の焼鈍工程を省略することを特徴とする製缶用鋼板の製造方法。
  3. 重量比で、
    C:0.0030%以下、Si:0.020 %以下、
    Mn:0.05〜0.50%、P:0.020 %以下、
    S:0.010 %以下、N:0.0050%超え0.0200%以下、
    Al:0.100 %以下、Nb:0.002 〜0.020 %、及び、
    残部がFe及び不可避的不純物元素よりなる連続鋳造スラブを、仕上圧延機入側温度が950 ℃以下、Ar3 変態点以下での合計圧下率が40%以上かつ最終圧下率が25%以上、そして、巻取温度が640 〜750 ℃の条件下で熱間圧延し、通常の酸洗の後、圧下率を40〜85%として冷間圧延することにより、該冷間圧延後の焼鈍工程を省略することを特徴とする製缶用鋼板の製造方法。
  4. 重量比で、
    C:0.0030%以下、Si:0.020 %以下、
    Mn:0.05〜0.50%、P:0.020 %以下、
    S:0.010 %以下、N:0.0050%超え0.0200%以下、
    Al:0.100 %以下、Nb:0.002 〜0.020 %の他、Ti:0.005 〜0.020 %を含有し、残部がFe及び不可避的不純物元素よりなる連続鋳造スラブを、仕上圧延機入側温度が950 ℃以下、Ar3 変態点以下での合計圧下率が40%以上かつ最終圧下率が25%以上、そして、巻取温度が640 〜750 ℃の条件下で熱間圧延し、通常の酸洗の後、圧下率を40〜85%として冷間圧延することにより、該冷間圧延後の焼鈍工程を省略することを特徴とする製缶用鋼板の製造方法。
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