JP2007204800A - 軟質缶用鋼板およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い生産性で連続鋳造スラブを製造すると共に、そのスラブを素材として連続焼鈍法で、耐時効性および溶接性に優れる調質度がT1〜T4クラスの軟質缶用鋼板を製造する。
【解決手段】C:0.0014mass%以下、Si:0.01〜0.1mass%、Mn:12.50×S〜0.8mass%、S:0.034mass%以下、Al:0.01〜0.10mass%、N:0.0015〜0.0070mass%、Nb:2.3×C〜15.48×Cmass%、B:(0.769×N−0.00304)mass%以上かつ0.0003mass%以上0.60×Nmass%以下を含有する鋼スラブを、熱間圧延し、圧下率70〜90%の冷間圧延してから、均熱温度T:700〜780℃、均熱時間t:20〜90秒でかつ770≦t/3+T−14.8×loge(Nb)−32×B/N≦840の関係式を満たす連続焼鈍を施す。
【選択図】図1

Description

本発明は、連続鋳造法で製造する鋳片(スラブ)を素材とし、連続焼鈍法で製造する軟質缶用鋼板に関し、特に、連続鋳造時におけるスラブ表面割れの発生がなく、しかも、箱焼鈍法で製造される軟質缶用鋼板と同等以上の耐時効性、加工性および溶接性を具える調質度がT1〜T4クラスの軟質缶用鋼板とその製造方法に関するものである。
食缶や飲料缶などに用いられるJIS G3303に規定されるぶりきや、JIS G3315に規定されるティンフリ−スチ−ル(TFS)等の缶用鋼板は、一回圧延製品の場合、その鋼板が有するロックウェルT硬さによって、調質度がT1〜T6に区分され、それぞれの硬さ(HR30T)がT1:49±3、T2:53±3、T2.5:55±3、T3:57±3、T4:61±3、T5:65±3、T6:70±3と規定されている。
このうち、調質度がT1〜T3までの軟質材は、連続鋳造法によって製造されたスラブを素材とし、このスラブを再加熱し、熱間圧延し、酸洗し、冷間圧延し、その後、バッチ焼鈍(箱焼鈍)し、調質圧延し、その後、めっき処理を施して製造されるのが一般的である。しかし、箱焼鈍法は、連続焼鈍法と比較して焼鈍時間が長いことから、生産性に劣り、また、鋼板の形状や機械的特性の均一性の面でも劣る傾向にある。
そのため、従来から、箱焼鈍法に代えて、連続焼鈍法で軟質缶用鋼板を製造することが検討されてきた。さらに、近年では、精錬技術の進歩に伴い、極低炭素鋼からなる連続鋳造スラブを素材として、調質度がT1〜T4クラスの軟質材を連続焼鈍法で製造することが検討されている。上記極低炭素鋼スラブには、強度や加工性、時効性、溶接性等の缶用鋼板に対する各種要求特性を満たすために、BやAl,Nbなどの炭窒化物形成元素が添加されている。
ところで、缶用鋼板の素材となるスラブの製造に用いられる連続鋳造機では、その構造により、鋳造したスラブは、凝固中および凝固完了後に曲げおよび曲げ戻し変形を受ける。そのため、BやAl,Nb等の炭窒化物形成元素を含有するスラブは、上記変形を受ける際に、オ−ステナイト結晶粒界に沿って割れが生じ易いという問題があった。スラブ割れが発生すると、スラブの表面研削やスラブ切断を行う工程が必要となるため、生産性を大きく阻害する要因となる。
この問題に関する技術としては、例えば、特許文献1には、N,Nb,Tiを含有する炭素鋼の成分組成を特定すると共に、N,Nb,Tiの間に特定の関係式を満足せしめ、あるいはさらに、NbとNの間に特定の関係式を満足せしめることにより、連続鋳造の冷却条件や歪み付与の条件に関係なく、粒界割れに起因するスラブ表面割れを防止する技術が提案されている。しかし、この技術のスラブは、Tiを0.004〜0.1mass%含有しているため、得られる鋼板表面にTiが濃化して、めっき性(耐食性や表面外観)を劣化させるため、缶用鋼板には用いることはできない。
また、特許文献2には、Ti添加鋼にMgを添加してTiNを微細化させ、スラブ加熱時のγ粒成長を抑制することにより、耐表面割れ感受性を改善した高靭性連続鋳造鋳片を製造する方法が提案されている。しかし、Tiの添加は上記のようにめっき性の観点から好ましくなく、また、Mgは活性な元素であり、溶鋼中に安定して添加することが難しいことから実用的ではない。
また、特許文献3には、連続鋳造した炭素鋼スラブを幅圧下する際、スラブ内に析出する析出物の量を特定の関係式を満たすように幅圧下完了時の温度を制御することにより、割れのないスラブを製造する方法が提案されている。しかし、この技術は、連続鋳造後の幅圧下圧延時に起こる割れを対象としており、連続鋳造機の湾曲部や矯正部における曲げ変形や曲げ戻し変形によるスラブ割れに対しては適用できない。
また、特許文献4には、ボロン添加鋼を高速で連続鋳造しても、スラブの表面割れが起こらない連続鋳造方法が提案されている。しかし、この方法は、成分に応じて鋳造条件を制御し、スラブ表面のオ−ステナイト粒界へのボロン析出を抑制する、即ち、ボロンと窒素が固溶状態で鋳込みを完了させるため、鋳造速度が遅い時や、スラブの冷却速度が遅い場合は、BNの析出量が増加して、B,Nが固溶状態ではなくなるためスラブ割れが起こる。よって、この技術でも、スラブ割れを回避することはできない。
以上のように、従来の技術では、B,Al,Nbなどの炭窒化物元素が添加されている連続鋳造スラブの表面割れを防止する技術が確立されているとは言い難い。
一方で、軟質缶用鋼板には、耐食性に優れることは勿論であるが、その他に、製缶加工性や耐時効性、溶接性にも優れていることが求められる。
例えば、2ピ−ス缶に用いられる缶用鋼板は、絞り加工するため、優れた深絞り性が求められる。また、3ピ−ス缶に用いられる缶用鋼板は、製缶加工前に塗装焼付けが施されることが多いが、時効し易いと、製缶加工時にフル−ティングやストレッチャストレイン等が発生するため、耐時効性に優れていることが必要である。さらに、製缶メ−カ−では、缶種によって異なるが、シ−ム溶接やスポット溶接、プロジェクション溶接等の様々な溶接が行われており、さらに溶接後、エキスパンド加工やビ−ド加工が施される場合が少なくない。そのため、上記溶接部、特に、溶接熱影響部は、強度が十分に確保されていることの他に、上記エキスパンド加工やビ−ド加工を施されても、溶接部とその他の部分とで缶高に差が生じないことが求められる。
上記のように軟質缶用鋼板には、各種の特性が要求されるが、従来の連続焼鈍法を用いて製造される軟質缶用鋼板は、それらの要求を満たすものとは言い難い。
例えば、特許文献5には、低炭素鋼板を、過時効処理帯を設けた連続焼鈍ラインで焼鈍することにより、耐フル−ティング性に優れた軟質表面処理用鋼板を製造する方法が提案されている。この技術は、連続焼鈍における均熱後に急冷し、固溶Cを過飽和な状態とし、その後、過時効処理帯を通過する際に、固溶Cの大半を析出させることにより、軟質化、非時効化するものである。しかし、この方法では、Cを完全に析出させることはできず、若干の固溶Cが残存するため、得られる鋼板の耐時効性は十分とは言えない。そのため、製缶加工前に加熱を受けない用途では問題ないが、製缶加工前に塗装焼付け等の加熱工程を経る用途に用いられる場合には、時効が促進されて、製缶加工でストレッチャストレインやフル−ティング等の不良が生じることがあった。
また、特許文献6には、極低炭素鋼にNbを添加した連続鋳造スラブを素材とし、連続焼鈍法により、調質度がT1〜T3の缶用鋼板を製造する方法が提案されている。この技術では、Cとの親和力が強いNbを添加して全てのCをNbCとして固定しているため、完全非時効化が達成されている。しかし、溶接を受ける用途に用いた場合には、溶接後の加工条件によっては、溶接熱影響部(HAZ部)に割れが生じることがあった。それは、極低炭素鋼であるがために、焼入性が劣り、HAZ部の強度不足が生じたためと考えられる。また、Nb添加極低炭素鋼を素材とした缶用鋼板は、深絞り性を示すランクフォ−ド値(r値)が高いことから、溶接後、缶胴にエキスパンド加工やビ−ド加工等を施した場合には、缶高の減少量が大きいという問題がある。
また、特許文献7には、極低炭素鋼にBを添加した鋼板を連続焼鈍することにより、高価なNbやTiの添加が不要で、製造し易く、しかも溶接部の強度に優れる缶用鋼板の製造方法が提案されている。しかし、この方法は、固溶NをBNとして析出させているが、固溶Cを固定することはできない。そのため、得られる鋼板は、耐時効性が十分ではなく、製缶工程で塗装焼付け等の加熱処理が行なわれる場合には、時効が促進され、その後の製缶工程でストレッチャストレインやフル−ティング等の成形不良が生じることがある。
さらに、特許文献8には、極低炭素鋼に、Nb,Ti,Bのうちの1種以上を添加した鋼板を連続焼鈍することにより、調質度がT3以下で、箱焼鈍材と同等以上の非時効性を有する軟質缶用鋼板の製造方法が提案されている。しかし、この方法では、Nb,B,Nを多く添加した場合、連続鋳造時に下部矯正帯で受ける変形により発生するスラブ割れを防ぐことができない。
さらに、特許文献9には、極低炭素鋼に対してNbとBを複合添加し、結晶粒径を最適範囲に制御することにより、加工性や溶接性、耐食性等缶用鋼板に求められる種々の要求特性を満たさせるという技術が開示されている。しかし、Nb:0.001〜0.1mass%、B:0.0001〜0.005mass%のように組成範囲が非常に広いため、各要求特性に対して最適な組成範囲を見出したとは言えなかった。
特開2003−166038号公報 特開2004−315881号公報 特開2002−346602号公報 特開2002−020836号公報 特公昭63−010213号公報 特公平01−052450号公報 特開平09−227947号公報 特開平05−263143号公報 特開平06−041683号公報
上記に説明したように、従来の軟質缶用鋼板の製造技術では、B,Al,Nb等の炭窒化物形成元素を添加した連続鋳造スラブの割れを完全に防止することができず、スラブ表面手入れによって、生産性は大きく阻害されていた。しかも、連続焼鈍法では、箱焼鈍法で製造される缶用鋼板と同等以上の製缶加工性や耐時効性、溶接性を有する軟質缶用鋼板を安定的に生産することができなかった。そのため、連続焼鈍法で製造された軟質缶用鋼板は、その用途が限定されており、大半の軟質缶用鋼板の用途には、箱焼鈍法により製造された鋼板が用いられていた。
そこで、本発明の目的は、B,Al,Nb等の炭窒化物形成元素を添加した缶用鋼板の成分組成を最適化してスラブ割れ感受性を低下させることにより、スラブ手入れが不要な連続鋳造スラブを高い生産性の下に製造可能とすると共に、そのスラブを素材とし、連続焼鈍法で、箱焼鈍法により製造される缶用鋼板と同等以上の加工性、耐時効性および溶接性を具える調質度がT1〜T4クラスの軟質缶用鋼板を製造する技術を提案することにある。
発明者らは、連続鋳造スラブを素材とし、連続焼鈍法を用いて、調質度がT1〜T4クラスの軟質缶用鋼板を製造する技術を確立するため、まず、B,Al,Nb,Nを含有する連続鋳造スラブの割れの原因について調査した。その結果、B,Al,Nb,Nが添加されている鋼では、凝固した鋼組織がγからαに変態する時に、BN,AlN、Nb(N,C)などの窒化物および炭窒化物がオ−ステナイト粒界に大量に析出することにより脆化し、これに、連続鋳造したスラブが、鋳造機の下部で受ける曲げおよび曲げ戻し変形が加わることによりスラブ割れが発生すること、さらに、上記窒化物や炭窒化物の他に、MnSも、多量にオ−ステナイト粒界に析出した場合には、スラブ表面割れを引き起こすことがわかった。そして、このスラブ割れを防止するためには、B,Al,Nb,NおよぶMn,Sの含有量を、それぞれの関係において最適化する必要があることが明らかとなった。
次に、発明者らは、上記連続鋳造スラブを用いて、連続焼鈍法で、加工性、耐時効性および溶接性が箱焼鈍法で製造した鋼板と同等以上の特性を有する軟質缶用鋼板を製造する方法について検討した。その結果、鋼の成分組成を適正範囲に制御した上で、さらに、冷延圧下率および連続焼鈍条件を適正化し、ランクフォ−ド値(r値)およびフェライト結晶粒の大きさを適正範囲に制御することが有効であることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、C:0.0014mass%以下、Si:0.01〜0.1mass%、Mn:12.50×S〜0.8mass%、S:0.034mass%以下、Al:0.01〜0.10mass%、N:0.0015〜0.0070mass%、Nb:2.3×C〜15.48×Cmass%、B:(0.769×N−0.00304)mass%以上かつ0.0003mass%以上0.60×Nmass%以下を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる調質度がT1〜T4である軟質缶用鋼板である。
本発明の軟質缶用鋼板は、鋼中に析出したNb炭窒化物中のNb量が0.0080mass%以下であることを特徴とする。
また、本発明の軟質缶用鋼板は、平均r値(rave)が1.3〜1.8であり、圧延方向に対して0度、90度、45度方向のr値(r,r90,r45)が、r45−r>0.2、r45−r90>0.2および|r−r90|>0.3のいずれか1以上の関係式を満たすことを特徴とする。
また、本発明の軟質缶用鋼板は、鋼板の表層部と板厚中心部におけるフェライト結晶粒の圧延方向平均長さの比(Ls−ave/Lc−ave)が0.90未満であり、鋼板の表層部と板厚中心部におけるフェライト結晶粒の圧延方向最大長さの比(Ls−max/Lc−max)が0.80未満であることを特徴とする。
また、本発明の軟質缶用鋼板は、鋼板の圧延方向断面における未再結晶粒の面積率が0.5〜5%であることを特徴とする。
また、本発明は、C:0.0014mass%以下、Si:0.01〜0.1mass%、Mn:12.50×S〜0.8mass%、S:0.034mass%以下、Al:0.01〜0.10mass%、N:0.0015〜0.0070mass%、Nb:2.3×C〜15.48×Cmass%、B:(0.769×N−0.00304)mass%以上かつ0.0003mass%以上0.60×Nmass%以下を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる鋼スラブを、熱間圧延し、その後、圧下率70〜90%の冷間圧延してから、下記条件を満たす連続焼鈍を施すことにより、調質度がT1〜T4の缶用鋼板とすることを特徴とする軟質缶用鋼板の製造方法を提案する。

均熱温度T:700〜780℃
均熱時間t:20〜90秒
770≦t/3+T−14.8×loge(Nb)−32×B/N≦840
本発明によれば、鋼の成分組成を最適化することにより、連続鋳造スラブの割れ感受性を低下してスラブの表面割れの発生を防止できるので、スラブの表面手入れに要する負荷を大幅に軽減することができる。また、本発明によれば、連続焼鈍法で、箱焼鈍法で製造した缶用鋼板と比較して同等以上の加工性、耐時効性および溶接性を有する軟質缶用鋼板を製造することができるので、生産性の向上に大きく寄与する。
発明者らは、連続鋳造スラブが表面割れを引き起こす原因を究明するため、スラブの熱間延性について調査した。
B,Al,NbおよびNの含有量を、広範囲に変化させた鋼を溶製し、鋳塊とし、この鋳塊から、平行部の直径8mmφ×長さ15mmの丸棒試験片を採取し、高温引張試験に供した。高温引張試験では、高周波誘導方式の熱間加工再現試験機を用いて、1420℃まで急速加熱し、60秒保持したのち冷却し、950℃の温度に60秒間保持してから、ひずみ速度2×10−3で引張試験を行い、試験片の破断面の絞り率(%)を測定した。950℃に着目したのは、スラブ割れが発生する連続鋳造機の下部矯正帯の温度が約950℃であるからである。その結果、スラブ割れは、凝固組織がγからαに変態する時に、窒化物(BN、AlN)および炭窒化物Nb(C,N)がオ−ステナイト粒界に多量に析出し、粒界が脆化することにより起こることが判明した。
次に、発明者らは、上記高温引張試験後の試験片の破断部における析出物量を、臭素メタノ−ル法による湿式分析により求め、この結果を基に、熱間延性の低下を防止するためには、窒化物(BN、AlN)および炭窒化物(Nb(C,N))の析出量を、どのような範囲に制御すればよいかを検討した。以下、その結果について説明する。
<BNとして析出しているN量>
発明者らの調査では、BとNの質量比B/N<0.77の時、即ち、Nに対するBの原子比が1未満と小さい時は、Bは、全量、BNとして析出する。従って、この場合には、スラブ中にBNとして析出しているN量(以降、「N(BN)」とも記す)は、
N(BN)=1.30×B ・・・(1)
で表すことができる。ここで、係数1.30は、(N原子量)/(B原子量)である。
<AlNとして析出しているN量>
スラブ中にAlNとして析出しているAlの割合は、意外と低く、その析出量は、全Al量の約2mass%であり、発明者らの調査結果では、AlNとして析出しているN量(以降、「N(AlN)」とも記す)は、
N(AlN)=0.00938×Al−0.000688 ・・・(2)
で表すことができる。
<Nb(C,N)として析出しているNb量>
B,Al,Nbを含有するスラブ中に析出する窒化物および炭窒化物は、温度の低下に伴って、BN、AlN、Nb(C,N)の順に析出する、即ち、Nbの炭窒化物は、BやAlの窒化物より低温で析出する。したがって、Nb(C,N)の析出量は、全N量のうちの、BNやAlNとして使用されなかった余剰N量に対して計算すればよい。ここで、余剰N量であるN(excess)は、全N量をN(total)とすると、
N(excess)=N(total)−N(BN)−N(AlN)
=N(total)−1.30×B−0.00938×Al+0.000688
・・・(3)
であるから、Nb炭窒化物として析出するNb量(以降、「Nb(Nb(C,N))」とも記す)は、
Nb(Nb(C,N))=6.63×N(excess)×0.29 ・・・(4)
で表すことができる。ここで、係数6.63は、(Nb原子量)/(N原子量)であり、また、係数0.29は、析出したNb量の全Nb量に対する比率である。なお、析出Nb量は、950℃の温度で、歪速度2.0×10−3/sで歪みを付与したサンプルを常温まで冷却した後、10mass%アセチルアセトン−1mass%塩化テトラメチルアンモニウム−メタノ−ル電解液を用いて定電流電解を行い、残渣を分析して求めた。
続いて、発明者らは、上述したNb炭窒化物として析出するNb量とスラブ割れとの関係について調査した。その結果、スラブ内にNb炭窒化物(Nb(C,N))として析出しているNb量(Nb(Nb(C,N)))が0.0080mass%を超えるとスラブ割れが発生すること、即ち、Nb(Nb(C,N))が下記(5)式を満たす場合に、スラブ割れが起こらないことを見出した。
Nb(Nb(C,N))≦0.0080mass% ・・・(5)
よって、上記(3)〜(5)式より、
Nb(Nb(C,N))=6.63×(N(total)−1.30×B−0.00938×Al+0.000688)×0.29≦0.0080mass%
・・・(6)
が得られる。
ここで、AlNの析出量は、Al:0.01〜0.10mass%の範囲では、大きな変化はないため、Al:0.05mass%と仮定すると、スラブ割れを起こさないためのBの添加量は、
B≧0.769×N−0.00304 ・・・(7)
を導くことができる。すなわち、スラブ割れを起こさないためには、Bを、上記(7)式を満たす量だけ添加する必要があることになる。
<スラブ割れが起こらないMnS析出量>
発明者らは、スラブ割れを引き起こす析出物についてさらに検討を行った結果、MnSも、スラブ割れに大きく関与していることを突き止めた。すなわち、MnSは、窒化物や炭窒化物よりも、より高温で析出し、BNやAlN,Nb(C,N)の析出核ともなる。そのため、MnSの析出を制御する、具体的には、MnSの析出量を抑制することによって、スラブの熱間延性を向上させ、スラブ割れを回避することができることがわかった。そして、そのためには、Mnは、Sの含有量に対して、下記(8)式を満たす必要があることを見出した。
Mn≧12.50×S ・・・(8)
その理由は、Mn/Sの比を大きくすることによって、MnS析出量が抑えられるため、スラブ割れが回避されるからである。MnS起因の割れをより確実に防止する観点からは、Mn≧23.40×Smass%であることが好ましい。
次に、本発明の軟質缶用鋼板の成分組成を上記範囲に規定する理由について説明する。
C:0.0014mass%以下
Cは、時効性に大きな影響を与える元素である。特に、鋼中に固溶Cとして存在すると、製缶メ−カ−での塗装焼付工程において時効が促進され、その後の製缶加工で、ストレッチャストレインやフル−ティング等の欠陥が発生する。本発明では、Nbを添加して、Nb(C,N)を形成させることにより固溶Cを低減しているが、C量が0.0014mass%を超えると、Nbの添加量が増加して原料コストの上昇を招くだけでなく、析出するNb(C,N)による強化作用により、鋼板が過度に硬化してしまう。よって、Cの含有量は0.0014mass%以下とする。
Si:0.01〜0.1mass%
上記のように、Cの含有量を0.0014mass%以下とした場合には、Cによる鋼板強度の増加は望めない。Siは、Cに代わって鋼板強度を確保するために添加する元素であり、特に、調質度がT3〜T4クラスの強度を得るためには必須の元素である。鋼板強度の上昇は、0.01mass%以上の添加で得ることができる。Siは、固溶Siとして存在していても、微細なSi酸化物として存在していてもよい。特に、Siの酸化物は、BNやAlNより高温で析出するため、γ粒からα粒への変態時には、既に粒内に均一に分布し、オ−ステナイト粒界には析出しない。そのため、スラブ割れに悪影響を与えることなく、鋼板強度を高める効果がある。しかし、Siの含有量が0.1mass%を超えると、鋼板が過度に硬化して、製缶加工性が悪化するだけでなく、鋼板の耐食性が低下するようになる。よって、Siの含有量は、0.01〜0.1mass%の範囲とする。好ましくは、0.03〜0.1mass%の範囲である。
Mn:12.50×S〜0.8mass%
Mnは、鋼板の強度を高める元素である。しかし、Mnの含有量が12.50×Smass%より少なくなると、MnSの析出が促進されてスラブの熱間延性が低下し、スラブ割れが発生するため、Mnは、12.50×Smass%以上添加する必要がある。一方、Mnの含有量が0.8mass%を超えると、鋼板が過度に硬化してしまう。よって、Mnの含有量は12.50×S〜0.8mass%の範囲とする。なお、確実にスラブ割れを防止する観点からは、23.40×S〜0.8mass%の範囲が好ましい。
S:0.034mass%以下
Sは、Mnと結合してMnSを形成し、スラブの熱間延性を低下させる有害な元素である。特に、Sの含有量が0.034mass%より大きくなると、MnSが多量に析出し、これを核として窒化物および炭窒化物であるBN,AlN,Nb(C,N)が多量に析出するため、熱間延性を大きく低下させる。よって、S含有量は0.034mass%以下とする。より、熱間延性を向上させるためには、S含有量は0.020mass%以下であることが好ましい。より好ましくは、0.010mass%以下である。
Al:0.01〜0.10mass%
Alは、脱酸剤として添加される元素である。また、NとAlNを形成することにより、鋼中の固溶Nを減少させる効果を有する。しかし、Alの含有量が0.01mass%未満では、十分な脱酸効果や固溶N低減効果が得られない。一方、0.10mass%を超えると、上記効果が飽和するだけでなく、アルミナ等の介在物が増加するため好ましくない。よって、Alの含有量は0.01〜0.10mass%の範囲とする。
N:0.0015〜0.0070mass%
Nは、Al,B,Nb等と結合し窒化物や炭窒化物を形成し、スラブの熱間延性を害するため、少ないほど好ましい。しかし、Nを安定して0.0015mass%未満とするのは難しく、精錬コストも上昇する。また、後述するように、本発明では、BとNの比が重要な意味を持つが、Nの量が少ないと、BとNの比を一定範囲に保つためのB量の制御が難しくなる。一方、Nの含有量が0.0070mass%を超えると、窒化物の析出量が増加してスラブ割れが大きくなり、連続鋳造法でスラブを製造するのが困難となる。また、溶接性を確保するために必要なBの添加量が増加する結果、結晶粒内のBN析出量が増加し、鋼板が過度に硬化するおそれがある。よって、Nの含有量は、0.0015〜0.0070mass%の範囲とする。
Nb:2.3×C〜15.48×Cmass%
Nbは、NbCまたはNb(C,N)を形成し、鋼中の固溶Cを減少させる働きがあり、耐時効性を確保するために必要な元素である。その効果を発現させるためには、2.3×Cmass%以上の添加が必要である。さらにその効果を高めて完全非時効とするためには、7.0×Cmass%以上の添加が好ましい。一方、Nbの添加量が多すぎると、固溶Cの低減効果が飽和するだけでなく、再結晶温度を上昇させたり、原料コストの上昇を招いたりする。よって、Nbの添加量は、15.48×Cmass%以下にする必要がある。
Nb炭窒化物として析出するNb量
上述したように、Nb炭窒化物(Nb(C,N))は、連続鋳造時にスラブ内に多量に析出した場合には、スラブ割れを引き起こすため、その析出量はできるだけ少ない方が好ましい。スラブ割れを起こさないためのNb炭窒化物の量は、余剰N量および析出率によっても変化するが、Nb(C,N)として析出するNb量で0.0080mass%以下に抑えることが好ましい。
B:(0.769×N−0.00304)mass%以上または0.0003〜0.60×Nmass%
Bは、以下に示すように、本発明の缶用鋼板の各種特性に大きな影響を与えるため、極めて重要な元素である。
第1に、連続鋳造スラブの表面割れへの影響である。連続鋳造スラブは、通常、連続鋳造機の下部矯正帯で曲げ戻し変形を受ける。そのため、Nb(C,N)の析出量が多いと、スラブ割れを引き起こし易い。この割れを防止するためには、Bを添加して、NをBNとして析出させることにより、Nb(C,N)の析出量を抑えることが有効である。その効果を得るためには、先述したように、Bを(0.769×N−0.00304)mass%以上添加する必要がある。
第2に、溶接性に対する影響である。缶用鋼板を溶接した時、HAZ部が異常な粒成長を起こして軟化し、その後の加工でHAZ部に割れを生じることがある。Bは、溶接時に結晶粒界に偏析して異常粒成長を抑制し、溶接性を向上する効果がある。その効果を得るためには、0.0003mass%以上の添加が必要である。
第3に、缶高減少量への影響である。Nb添加極低炭素鋼板は、極めて高いランクフォ−ド値(r値)を示すため、缶高減少量が大きくなる傾向がある。しかし、これにBを添加することによってr値を低下でき、特に、鋼板の圧延方向および幅方向のr値を適度に低下できるので、缶高減少量を小さくすることができる。この効果は、0.0003mass%以上の添加で得られる。
第4に、再結晶温度に及ぼす影響である。Bは、再結晶温度を上昇させる効果があり、0.60×Nmass%を超えると、再結晶温度が上昇しすぎて、後述する連続焼鈍条件で、未再結晶部を1%以下にすることができなくなる。よって、Bの添加量は0.0003〜0.60×Nmass%の範囲とする。好ましくは、Bの添加量は、0.0003〜0.46×Nmass%の範囲である。
第5に、鋼板のフェライト結晶粒に対する影響である。発明者らの調査では、Bを適量添加した場合には、鋼板の表層部のフェライト結晶粒よりも板厚中心部のフェライト結晶粒の方が大きくなることがわかった。前述したように、表層部よりも板厚中心部の結晶粒が大きくなると、同じ調質度でも、降伏応力を低くできるので、加工性を改善することができる。この現象は、Bの添加量が0.0003〜0.60×N(mass%)の範囲でのみ認められ、それ未満でも、それ超えでも認められなくなる。よって、良好な製缶加工性を得るためには、Bを0.0003〜0.60×N(mass%)の範囲で添加する。好ましくは、0.0003〜0.46×N(mass%)の範囲である。なお、このような現象が起こる原因は、まだ完全に明らかとなっていないが、Bの粒成長抑制効果が表層部と板厚中心部とで異なり、結晶粒径に差が生じているものと推定される。
以上説明したように、第1〜第5の効果を有効に発現させるためには、Bの添加量は、(0.769N−0.00305)mass%以上かつ0.0003mass%以上、0.60×Nmass%以下であることが必要であり、好ましくは、(0.769N−0.00305)mass%以上かつ0.0003mass%以上、0.46×Nmass%以下である。
本発明の缶用鋼板は、上記成分以外の残部は、Feおよび不可避的不純物である。ただし、本発明の効果を害しない範囲内であれば、P,Cu,Cr,Mo,V,Ni等の成分を不可避的不純物の範囲を超えて含有してもよい。
次に、本発明の軟質缶用鋼板が有すべきランクフォ−ド値(r値)について説明する。
平均r値(rave):1.3〜1.8
鋼板を深絞り成形して2ピ−ス缶を製造するためには、ランクフォ−ド値(r値)は高い方が有利である。平均r値(rave)が1.3未満では、深絞り成形時に、破断等の加工トラブルを引き起こすことがある。一方、缶用鋼板は、2ピ−ス缶の他に、3ピ−ス缶の缶胴にも使用されることがある。3ピ−ス缶の缶胴は、シ−ム溶接等により円筒形状とし、その後、エキスパンド加工やビ−ド加工等の缶胴加工を施すことが多く、この場合、缶胴には周方向の伸び歪みが付与される。この際、平均r値が小さいと、板厚が減少し易いため、缶高の減少量は小さい。しかし、平均r値が大きいと、板厚が減少せずに缶高が減少し、缶高が殆ど変化しない溶接部との間に段差が生じる。発明者らの調査結果では、平均r値(rave)が1.8を超えると、缶高減少量も顕著になる。よって、平均r値(rave)は1.3〜1.8の範囲とする必要がある。
45−r>0.2、r45−r90>0.2および|r−r90|>0.3のうちのいずれか1以上
さらに、3ピ−ス缶の缶胴は、缶高減少を抑えて段差を小さくするためには、缶胴の周方向のランクフォ−ド値(r値)が小さいことが好ましい。一般に、3ピ−ス缶の缶胴に用いられる缶用鋼板は、周方向が鋼板の圧延方向または幅方向となるよう板取りされることから、鋼板の圧延方向または幅方向のランクフォ−ド値が小さいことが望ましい。そのためには、鋼板の圧延方向、コイル幅方向、45度方向のランクフォ−ド値をそれぞれr、r90、r45と表したとき、r45−r>0.2、r45−r90>0.2および|r−r90|>0.3のうちのいずれか1以上の式を満たすことが好ましい。
次に、本発明の軟質缶用鋼板のフェライト結晶粒について説明する。
(Ls−ave/Lc−ave):0.90未満かつ(Ls−max/Lc−max):0.80未満
一般に、バッチ焼鈍で得られる軟質缶用鋼板は、長時間の焼鈍によって結晶粒が十分に成長し、かつ固溶Cがほとんど存在しないため、引張強度に対する降伏応力の比である降伏比(YR)の小さい鋼板が得られる。一方、従来の連続焼鈍法で得られる缶用鋼板は、焼鈍時間が極めて短いため、YRが大きくなり易い。缶用鋼板の調質度は、ロックウェル硬さ(HR30T)で区分され、このロックウェル硬さは、引張強度と降伏応力の平均値とよい相関が認められるが、従来の連続焼鈍した鋼板(連続焼鈍材)は、箱焼鈍した鋼板(箱焼鈍材)と比較して、同一の調質度であっても降伏応力は高めとなるため、降伏応力に対応する製缶加工性については不利であった。
発明者らは、上記問題点を解決するために、連続焼鈍材の調質度を変えることなく、加工性を向上させることを検討した。その結果、鋼板の板厚中心部のフェライト結晶粒の大きさを表層部のそれより大きくすることが有効であることを見出した。というのは、鋼板のロックウェル硬さは、鋼板表面にダイヤモンド圧子を押込んだ時の基準荷重と試験荷重における侵入深さの差から求めるため、鋼板表面の結晶粒の大きさに影響される。これに対して、製缶加工性と関係する鋼板の降伏応力は、鋼板全体の結晶粒の大きさに影響される。したがって、連続焼鈍材の調質度を変えることなく降伏応力のみを低下させる、即ち、同一の調質度で箱焼鈍材板と同等レベルの製缶加工性を得るためには、表層部のフェライト結晶粒の大きさを保持したまま、板厚中心部のフェライト結晶を大きくすることが有効である。
具体的には、連続焼鈍した鋼板の表層部と板厚中心部におけるフェライト結晶粒の圧延方向平均長さをそれぞれLs−ave、Lc−ave、鋼板の表層部と板厚中心部におけるフェライト結晶粒の圧延方向最大長さをそれじれLs−max、Lc−maxとしたとき、鋼板の表層部と板厚中心部におけるフェライト結晶粒のL方向平均長さの比(Ls−ave/Lc−ave)が0.90未満であり、鋼板の表層部と板厚中心部におけるフェライト結晶粒のL方向最大長さの比(Ls−max/Lc−max)が0.80未満である場合に、同一調質度のバッチ焼鈍材と同等の製缶加工性が得られることがわかった。より好ましくは、(Ls−ave/Lc−ave)が0.80未満であり、(Ls−max/Lc−max)が0.70未満である。なお、上記表層部とは、鋼板の表層から全厚の1/4深さまでの部分を言い、また、板厚中心部とは、板厚1/2部±10%の部分を言う。
次に、本発明の軟質缶用鋼板における未再結晶粒の残存率について説明する。
発明者らは、本発明の缶用鋼板の機械的特性に及ぼす焼鈍条件の影響について検討を行った。その結果、本発明の鋼板においては、未再結晶粒が残存していても、その量が少なければ、鋼板強度は上昇するものの、製缶加工性には、大きな影響がないことが明らかとなった。このことは、未再結晶粒は、加工性を低下させることなく鋼板強度を高める(調質度を上げる)ために、有効利用できることを意味する。上記の鋼板強度上昇効果を発現させるためには、未再結晶粒が、圧延方向断面における面積率で0.5%以上存在することが好ましい。しかし、未再結晶粒の面積率が5%を超えると、鋼板強度が過度に上昇し、製缶加工性が劣化する等の弊害が生じる。よって、未再結晶粒を残存させる場合には、圧延方向断面における面積率で0.5〜5%の範囲とする必要がある。
次に、本発明に係る軟質缶用鋼板の製造方法について説明する。
製鋼工程は、本発明が規定する上記成分組成の鋼を溶製できれば、如何なる方法であってもよい。ただし、スラブの製造は、成分偏析の少ない連続鋳造法で行うものとする。しかし、連続鋳造の条件は、鋼の成分組成を最適化し、スラブ割れ感受性を低減しているので、特に制限を設ける必要はない。
熱間圧延に先立つスラブの再加熱は、特に条件は規定しないが、加熱温度が高すぎると、製品表面に欠陥が発生したり、エネルギ−コストが上昇したりし、一方、低すぎると、熱延仕上温度の確保が難しくなる。よって、再加熱温度は、1050〜1300℃の範囲が好ましい。
熱間圧延工程は、特に条件を規定しないが、熱延鋼板の結晶粒や析出物分布の均一性、表面性状、機械的特性および生産コストの観点から、仕上圧延終了温度は860〜950℃、巻取温度は550〜720℃の範囲とすることが好ましい。続く酸洗は、表面のスケ−ルが除去されればよく、特に条件を規定しない。
冷間圧延は、本発明が規定する適正なフェライト粒径(圧延方向の結晶粒径)および適正なランクフォ−ド値(r値)を得るためには、圧下率を70〜90%の範囲とする必要がある。圧下率が70%未満では、同じ厚さの冷延板を得るには熱延板の板厚を薄くする必要があるため、熱間圧延で、目標とする仕上圧延終了温度を確保することが難しくなり、一方、90%を超えると、冷間圧延における負荷が増大して圧延が困難になるからである。好ましくは、80〜90%の範囲である。
続く、連続焼鈍は、冷間圧延した鋼板(冷延板)を再結晶させて所望の強度と加工性を付与する工程であり、本発明においては特に重要な工程である。冷延板の再結晶挙動は、均熱温度と均熱時間の外、鋼板成分、特に、Nb,B,Nの含有量によっても変化する。発明者らは、種々の成分組成を有する鋼を溶製し、再結晶挙動に及ぼす成分組成および焼鈍条件の影響を調査した。その結果、冷延板の再結晶挙動は、Nb,B,Nの含有量および均熱温度、均熱時間によって、下記式;
A=t/3+T−14.8×loge(Nb)−32×B/N ・・・(8)
ここで、Nb:Nb含有量(mass%)、B:B含有量(mass%)、N:N含有量(mass%)、T:均熱温度(℃)、t:均熱時間(秒)
で定義されるパラメ−タAとよい相関があることがわかった。
図1は、上記パラメ−タAと、連続焼鈍後の鋼板の圧延方向断面における未再結晶粒の面積率(%)との関係を示したものであり、Aの値が770未満となると、圧延方向断面における未再結晶粒の面積率が5%を超えるようになり、鋼板強度が高くなると共に、製缶加工性が劣化する。
また、パラメ−タAは、再結晶挙動を通じて、ランクフォ−ド値(r値)や鋼板表層部と板厚中心部の結晶粒成長にも影響することがわかった。図2は、パラメ−タAと平均r値(rave)との関係を示したものであり、Aの値が840を超えて大きくなり過ぎると、再結晶完了後の粒成長が促進される結果、平均r値が1.8を超えてしまうことがわかる。また、図3および図4は、パラメ−タAと、鋼板の表層部と板厚中心部におけるフェライト結晶粒の圧延方向平均長さの比(Ls−ave/Lc−ave)および鋼板の表層部と板厚中心部におけるフェライト結晶粒の圧延方向最大長さの比(Ls−max/Lc−max)との関係を示したものであるが、Aの値が840を超えると、鋼板表層部の粒成長が板厚中心部と同レベルまで促進される結果、Ls−ave/Lc−ave<0.9、Ls−max/Lc−max<0.8を満たさなくなる。
以上の結果から、未再結晶粒の面積率、ランクフォ−ド値および鋼板の結晶粒を制御する観点からは、パラメ−タAの値を770〜840の範囲に制御して連続焼鈍することが必要であることがわかる。好ましくは、780〜830の範囲である。
なお、連続焼鈍における均熱焼鈍条件は、上記パラメ−タAの値を770〜840の範囲に制御することの他に、均熱温度:700〜780℃、均熱時間:20〜90秒を満たすことが必要である。均熱温度が700℃未満では、上記パラメ−タAの条件を満たしても、目標の鋼板組織を得られないことがあり、一方、780℃を超えると、缶用鋼板のような極薄材では、炉内破断や形状不良等の操業トラブルが発生し易くなる。また、均熱時間が20秒未満では、やはり、上記パラメ−タAの条件を満たしても、目標の鋼板組織を得られないことがあり、一方、90秒を超えると、焼鈍ラインの通板速度が低下するため、生産性を阻害するようになるからである。
また、固溶Cを低減し、耐時効性をより改善するためには、上記均熱焼鈍後に過時効処理を行ってもよい。過時効処理の条件は、特に規定しないが、固溶Cを十分に低減するためには、350〜450℃の温度で30〜90秒間保持することが望ましい。
連続焼鈍後、形状矯正や表面粗度の調整、機械的特性の改善を目的として、圧下率が0.5〜5%の調質圧延を施すことが好ましい。圧下率が0.5%より低すぎると、形状の矯正や表面粗度の調整が難しくなる。一方、圧下率が5%を超えると、鋼板が加工硬化し、また、機械的特性の異方性も大きくなるため、製缶加工性を損ねるようになる。
本発明の缶用鋼板は、耐食性が必要な場合には、上記のようにして製造した鋼板に、錫めっきや電解クロム酸処理を施して、ぶりきやティンフリ−スチ−ルとする。また、必要に応じて、さらにポリエステルフィルムをラミネ−トし、皮膜を形成してもよい。
表1に示した各種成分組成を有する鋼記号A〜AAの鋼を転炉で溶製し、垂直曲げ型連続鋳造機(垂直部長さ:3.5m、曲げ半径:10m)を用いて連続鋳造し、厚み230mm×幅1000mmのスラブを製造した。これらのスラブについて、以下の評価を行った。
<耐スラブ表面割れ性の評価>
スラブ表面の割れの発生有無を目視で観察し、割れが観察されなかったものを耐スラブ表面割れ性が良(◎)、スラブのコ−ナ−部に100mm以下の割れが確認されたが、グラインダ−研削や表面溶削等で対応できるものを耐スラブ表面割れ性がやや良(○)、スラブの長片側に100mm以上の長さにわたって割れが発生し、スラブ切断せざるを得なかったものを耐スラブ表面割れ性が劣(×)と評価した。
<熱間延性の評価>
スラブの表面割れは、主に、鋼がγからαに変態する温度(約850℃〜1000℃)付近で発生する。そこで、上記スラブの300mmの位置から、幅方向に、平行部の直径8mmφ×長さ15mmの丸棒試験片を採取し、連続鋳造時における温度履歴と引張応力をシミュレ−トし、950℃での高温引張試験を行い、各スラブが有する熱間延性の評価を行った。高温引張試験は、高周波誘導方式の熱間加工再現試験機を用いて、真空中で、加熱速度10℃/sで1420℃の温度に加熱後、60秒間均熱し、その後、試験温度である950℃まで5℃/sの速度で急冷し、60秒保持してから、ひずみ速度2×10−3で引張試験する条件で行った。高温延性は、引張試験後の試験片の破断面から絞り率(断面減少率)を求めて、絞り率が35%以上のものを高温延性良(◎)、絞り率が10%以上35%未満のものを高温延性やや良(○)、絞り値が10%未満のものを高温延性劣(×)と評価した。なお、絞り率は、大きい程、熱間延性に優れ、スラブ表面割れが起き難いことを意味する。
上記スラブの評価結果を表1中に併記して示した。表1から、本発明が規定する成分組成およびMn/S、析出Nbの条件を満たす鋼は、950℃での熱間延性が良好で、スラブ表面割れも無いかまたは小さいことがわかる。
Figure 2007204800
Figure 2007204800
上記スラブは、その後、1250℃の温度に再加熱してから、仕上圧延終了温度を890℃、巻取温度を620℃とする熱間圧延を行い、板厚が2.3mmの熱延板とし、その後、塩酸酸洗し、さらに、表2に示した条件で、冷間圧延して板厚0.35〜0.81mmの冷延板とし、連続焼鈍し、調質圧延を行い、最後に、電解クロム酸処理を施し、缶用鋼板(ティンフリ−スチ−ル)とした。その後、上記缶用鋼板から試験片を採取し、製缶メ−カ−において塗装焼付け後、製缶加工されることを考慮して、210℃×10分の時効熱処理を施した。
上記のようにして得た缶用鋼板の試験片を、以下の試験に供した。
<硬さ測定>
JIS Z2245のロックウェル硬さ試験方法に準拠して、JIS G3315に規定された位置におけるロックウェル30T硬さ(HR30T)を測定し、調質度を判定した。
<ランクフォ−ド値(r値)の測定>
上記試験片から、圧延方向に対して0度、45度、90度方向にJIS5号引張試験片を採取し、15%引張変形させた時の各方向のr値を測定した。また、各方向のr値から、下記式を用いて平均r値(rave)を求めた。
ave=(r+r90+2×r45)/4
<未再結晶率の測定>
上記試験片について、圧延方向断面のフェライト組織をエッチングして出現させ、光学顕微鏡を用いて撮影した200倍の写真を画像処理して、未再結晶部と再結晶完了部を区別し、再結晶していない結晶粒の面積率を算出した。
<フェライト結晶粒の圧延方向長さの測定>
上記フェライト組織を出した試験片の一部については、さらに、鋼板の表層部と板厚中心部におけるフェライト結晶粒の圧延方向長さ(粒径)を測定した。測定は、板厚中心部は板厚の1/2位置、表層部は表面から15μmの位置において行い、圧延方向に引いた長さ300μmの線を横切るフェライト結晶粒界の数を測定し、その粒界数で300μmを割って、それぞれの位置におけるフェライト結晶粒の平均圧延方向長さ(Ls−ave、Lc−ave)を求め、Ls−ave/Lc−aveを算出した。また、300μmの範囲内で認められた最長の結晶粒界の間隔を、フェライト結晶粒の圧延方向最大長さ(Ls−max、Lc−max)とし、これから(Ls−max/Lc−max)を算出した。
<スプリングバックの測定>
また、上記フェライト結晶粒の圧延方向長さを測定した鋼板については、さらに、スプリングバックを測定した。スプリングバックの測定は、試験片を、直径1インチ(25.4mm)のマンドレルに巻き付けて180°の曲げを付与し、加圧を除いた後の鋼板の曲がり角度を測定することにより行い、同一調質度で同一板厚のバッチ焼鈍材のスプリングバック角度を1.00としたとき、その1.03倍未満のものをスプリングバック良(◎)、1.03倍以上1.05倍未満のものをスプリングバックやや良(○)および1.05倍以上のものをスプリングバック劣(×)と評価した。
さらに、缶用鋼板の製缶加工性を評価するために、上記缶用鋼板を3ピ−ス缶の缶胴に成形した。3ピ−ス缶の缶胴成形は、上記缶用鋼板を、長さ方向400×幅方向850mmの長方形にブランクし、これを、幅方向が円周方向でかつ巻き幅(両端のラップ量)が0〜3mmとなるような条件でロ−ルフォ−ミング成形して円筒状にし、その後、チリの発生しない上限の溶接電流でラップ量を0.8mmとしてシ−ム溶接し、直径が約270mmの缶胴を得た。続いて、上記缶胴に対して、直径増加率が最大で約6%のエキスバンド加工を施し、さらにビ−ド高が6〜8mmのビ−ド加工を施し、最後に、フランジ幅が6mmとなるようフランジ加工を施した。
このようにして得た3ピ−ス缶の缶胴について、以下の評価を行った。
<耐時効性の評価>
耐時効性は、上記ロ−ルフォ−ミング成形した時のフル−ティングの発生状況を目視で観察し、フル−ティングの発生が全く認められなかったものを耐時効性良(◎)、フル−ティングが認められるが実用上問題のないものを耐時効性やや良(○)、フル−ティングが激しいものを耐時効性劣(×)と評価した。
<溶接性の評価>
溶接性は、フランジ加工した溶接部から採取した試料の研磨面を顕微鏡観察し、HAZ部における割れの発生率を求め、割れ発生率が0.5%以下のものを溶接性良(◎)、割れ発生率が0.5%超1%以下のものを溶接性がやや良(○)、割れ発生率が1%超えのものを溶接性が劣(×)と評価した。
<缶高変化の評価>
缶高変化は、エキスバンド加工、ビ−ド加工後の溶接部と非溶接部の缶高さの差から、缶高減少量を求め、缶高減少量が1mm以下のものを缶高変化良(◎)、1mm超1.5mm以下のものを缶高変化やや良(○)、1.5mmを超えたものを缶高変化劣(×)と評価した。
さらに、上記缶用鋼板を2ピ−ス缶に成形し、製缶加工性を評価した。2ピ−ス缶の成形は、缶用鋼板の試験片から直径100mmφの円形ブランクを打抜き、これを、絞り率約0.6の絞り加工後、絞り率約0.75の再絞り加工を行い、直径45mmφの2ピ−ス缶体とした。
このようにして得た2ピ−ス缶体について、以下の評価を行った。
<耐時効性の評価>
耐時効性は、缶胴下部から缶底にかけての部位におけるストレッチャストレインの発生状況を目視あるいは顕微鏡で観察し、ストレッチャストレインの発生が全く認められなかったものを耐時効性良(◎)、ストレッチャストレインの発生が認められたものの実用上問題がないものを耐時効性やや良(○)、ストレッチャストレインの発生が大きいものを耐時効性劣(×)と評価した。
<深絞り性の評価>
深絞り性は、絞り加工および再絞り加工で破断を起こした缶体の発生率で評価し、破断発生率が0.3%以下のものを深絞り性良(◎)、破断発生率が0.3%超0.5%以下のものを深絞り性やや良(○)、破断発生率が0.5%を超えたものを深絞り性劣(×)と評価した。
上記評価の結果を、表2および表3に示した。これらから、本発明の成分組成を満たす連続鋳造スラブを素材とし、本発明の条件を満たす条件(冷延圧下率、連続焼鈍条件)で製造した缶用鋼板は、2ピ−ス缶あるいは3ピ−ス缶に適した特性を有することがわかる。
Figure 2007204800
Figure 2007204800
Figure 2007204800
パラメ−タA(=t/3+T−14.8×loge(Nb)−32×B/N)と、未再結晶粒の面積率との関係を示すグラフである。 パラメ−タA(=t/3+T−14.8×loge(Nb)−32×B/N)と、ランクフォ−ド値(r値)との関係を示すグラフである。 パラメ−タA(=t/3+T−14.8×loge(Nb)−32×B/N)と、鋼板表層部と板厚中心部のフェライト結晶粒の平均圧延方向長さ比(Ls−ave/Lc−ave)との関係を示すグラフである。 パラメ−タA(=t/3+T−14.8×loge(Nb)−32×B/N)と、鋼板表層部と板厚中心部のフェライト結晶粒の圧延方向最大長さ比(Ls−max/Lc−max)との関係を示すグラフである。

Claims (6)

  1. C:0.0014mass%以下、
    Si:0.01〜0.1mass%、
    Mn:12.50×S〜0.8mass%、
    S:0.034mass%以下、
    Al:0.01〜0.10mass%、
    N:0.0015〜0.0070mass%、
    Nb:2.3×C〜15.48×Cmass%、
    B:(0.769×N−0.00304)mass%以上かつ0.0003mass%以上0.60×N(mass%)以下
    を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる調質度がT1〜T4である軟質缶用鋼板。
  2. 鋼中に析出したNb炭窒化物中のNb量が0.0080mass%以下であることを特徴とする請求項1に記載の軟質缶用鋼板。
  3. 平均r値(rave)が1.3〜1.8であり、圧延方向に対して0度、90度、45度方向のr値(r,r90,r45)が、r45−r>0.2、r45−r90>0.2および|r−r90|>0.3のいずれか1以上の関係式を満たすことを特徴とする請求項1または2に記載の軟質缶用鋼板。
  4. 鋼板の表層部と板厚中心部におけるフェライト結晶粒の圧延方向平均長さの比(Ls−ave/Lc−ave)が0.90未満であり、鋼板の表層部と板厚中心部におけるフェライト結晶粒の圧延方向最大長さの比(Ls−max/Lc−max)が0.80未満であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の軟質缶用鋼板。
  5. 鋼板の圧延方向断面における未再結晶粒の面積率が0.5〜5%であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の軟質缶用鋼板。
  6. C:0.0014mass%以下、
    Si:0.01〜0.1mass%、
    Mn:12.50×S〜0.8mass%、
    S:0.034mass%以下、
    Al:0.01〜0.10mass%、
    N:0.0015〜0.0070mass%、
    Nb:2.3×C〜15.48×Cmass%、
    B:(0.769×N−0.00304)mass%以上かつ0.0003mass%以上0.60×Nmass%以下
    を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる鋼スラブを、熱間圧延し、その後、圧下率70〜90%の冷間圧延してから、下記条件を満たす連続焼鈍を施すことにより、調質度がT1〜T4の缶用鋼板とすることを特徴とする軟質缶用鋼板の製造方法。

    均熱温度T:700〜780℃
    均熱時間t:20〜90秒
    770≦t/3+T−14.8×loge(Nb)−32×B/N≦840
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