JP4885332B2 - 銅合金板材およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は銅合金板材およびその製造方法に関し、詳しくは車載部品用や電気・電子機器用のリードフレーム、コネクタ、端子材、リレー、スイッチ、ソケットなどに適用される銅合金板材およびその製造方法に関する。
車載部品用や電気・電子機器用のリードフレーム、コネクタ、端子材、リレー、スイッチ、ソケットなどの用途に使用される銅合金板材に要求される特性項目としては、例えば、導電率、耐力(降伏応力)、引張強度、曲げ加工性、耐応力緩和特性などがある。近年、電気・電子機器の小型化、軽量化、高機能化、高密度実装化や、使用環境の高温化に伴って、これらの要求特性のレベルが高まっている。
このため、近年の銅合金板材が使用される状況には、以下のような変化が挙げられる。一つ目に、自動車や電機・電子機器の高機能化とともに、コネクタの多極化が進行しているため、端子や接点部品の一つ一つの小型化が進行している。例えば、タブ幅が約1.0mmの端子を0.64mmへダウンサイズする動きが進んでいる。
二つ目に、鉱物資源の低減や、部品の軽量化を背景に、基体材料の薄肉化が進行しており、なおかつバネ接圧を保つために、従来よりも高強度な基体材料が使用されている。
三つ目に使用環境の高温化が進行している。例えば自動車部品では、二酸化炭素発生量の低減のために、車体軽量化が進められている。このため、従来、ドアに設置していたようなエンジン制御用のECUなどの電子機器をエンジンルーム内やエンジン付近に設置し、電子機器とエンジンの間のワイヤーハーネスを短くする動きが進んでいる。
そして、上記の変化に伴い、銅合金板材には下記のような問題が生じている。
第一に、端子の小型化に伴い、接点部分やバネ部分に施される曲げ加工の曲げ半径は小さくなり、材料には従来よりも厳しい曲げ加工が施される。そのため、材料にクラックが発生する問題が生じている。
第二に、材料の高強度化に伴い、材料にクラックが発生する問題が生じている。これは、材料の曲げ加工性が、一般的に強度とトレードオフの関係にあるためである。
第三に、接点部分やバネ部分に施される曲げ加工部にクラックが発生すると、接点部分の接圧が低下することにより、接点部分の接触抵抗が上昇し、電気的接続が絶縁され、コネクタとしての機能が失われるため、重大な問題となる。
この曲げ加工性向上の要求に対して、結晶方位の制御によって解決する提案がいくつかなされている。特許文献1では、Cu−Ni−Si系銅合金において、結晶粒径と、{311}、{220}、{200}面からのX線回折強度がある条件を満たすような結晶方位の場合に、曲げ加工性が優れることが見出されている。また、特許文献2では、Cu−Ni−Si系銅合金において、{200}面および{220}面からのX線回折強度がある条件を満足する結晶方位の場合に、曲げ加工性が優れることが見出されている。また、特許文献3では、Cu−Ni−Si系銅合金において、Cube方位{100}<001>の割合の制御によって曲げ加工性が優れることが見出されている。その他、特許文献4〜8においても、種々の原子面についてのX線回折強度で規定された曲げ加工性に優れる材料が提案されている。特許文献4では、Cu−Ni−Co−Si系銅合金において、{200}面からのX線回折強度が、{111}面、{200}面、{220}面及び{311}面からのX線回折強度に対してある条件を満足する結晶方位の場合に、曲げ加工性が優れることが見出されている。特許文献5では、Cu−Ni−Si系銅合金において、{420}面および{220}面からのX線回折強度がある条件を満足する結晶方位の場合に、曲げ加工性が優れることが見出されている。特許文献6では、Cu−Ni−Si系銅合金において、{123}<412>方位に関してある条件を満足する結晶方位の場合に、曲げ加工性が優れることが見出されている。特許文献7では、Cu−Ni−Si系銅合金において、{111}面、{311}面及び{220}面からのX線回折強度がある条件を満足する結晶方位の場合に、Bad Way(後述)の曲げ加工性が優れることが見出されている。また、特許文献8では、Cu−Ni−Si系銅合金において、{200}面、{311}面及び{220}面からのX線回折強度がある条件を満足する結晶方位の場合に、曲げ加工性が優れることが見出されている。
特許文献1、2、4、5、7、8におけるX線回折強度による規定は、板面方向(圧延法線方向、ND)への特定の結晶面の集積について規定したものである。
特開2006−009137号公報 特開2008−013836号公報 特開2006−283059号公報 特開2009−007666号公報 特開2008−223136号公報 特開2007−092135号公報 特開2006−016629号公報 特開平11−335756号公報
ところで、特許文献1または特許文献2に記載された発明は、特定の結晶面からのX線回折による結晶方位の測定に基づくものであって、ある広がりを持った結晶方位の分布の中のごく一部の特定の面にのみ関するものである。しかも、板面方向(ND)の結晶面のみを測定しているに過ぎず、圧延方向(RD)や板幅方向(TD)にどの結晶面が向いているかについては制御できない。よって、曲げ加工性を完全に制御するには、なお不十分な方法であった。また、特許文献3に記載された発明においては、Cube方位の有効性が指摘されているが、その他の結晶方位成分については制御されておらず、曲げ加工性の改善が不十分な場合があった。また、特許文献4〜8では、それぞれ上記特定の結晶面または方位について測定、制御する検討しかなされておらず、特許文献1〜3と同様に、曲げ加工性の改善が不十分な場合があった。
上記のような課題に鑑み、本発明の目的は、曲げ加工性に優れ、優れた強度を有し、電気・電子機器用のリードフレーム、コネクタ、端子材等、自動車車載用などのコネクタや端子材、リレー、スイッチなどに適した銅合金板材およびその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、種々検討を重ね、電気・電子部品用途に適した銅合金について研究を行い、EBSD法によって特徴付けられる、BR方位、RD−Rotated−Cube方位(以下、RDW方位ともいう)及びCube方位を増加させ、なおかつ、Copper方位、S方位、Brass方位を低減することにより、曲げ加工時のクラックが抑制されることを見出し、さらに、それらの各方位の集合組織方位成分の面積率を所定の比率とすることで曲げ加工性を著しく良化できることを見出した。また、それに加えて、本合金系において特定の添加元素を用いることにより、導電率や曲げ加工性を損なうことなく、強度や耐応力緩和特性を向上させうることを見出した。本発明は、これらの知見に基づきなされるに至ったものである。
すなわち、本発明は、以下の解決手段を提供する。
(1)NiとCoのいずれか1種または2種を合計で0.5〜5.0mass%、Siを0.1〜1.5mass%含有し、残部が銅及び不可避不純物からなる合金組成を有する銅合金板材の製造方法であって、
EBSD(Electron Back Scatter Diffraction:電子後方散乱回折)測定における結晶方位解析において、BR方位{3 6 2}<8 5 3>、RD−Rotated−Cube方位{0 1 2}<1 0 0>、Cube方位{1 0 0}<0 0 1>、Copper方位{1 2 1}<1 1 1>、S方位{2 3 1}<3 4 6>、Brass方位{1 1 0}<1 1 2>のそれぞれの集合組織方位成分の面積率を[BR]、[RDW]、[W]、[C]、[S]、[B]とした時に、
R=([BR]+[RDW]+[W])/([C]+[S]+[B])
と定義されるRが1以上であり、耐力が500MPa以上、導電率が30%IACS以上であることを特徴とする銅合金板材。
)さらに、Sn、Zn、Ag、Mn、B、P、Mg、Cr、Fe、Ti、ZrおよびHfからなる群から選ばれる少なくとも1種を合計で0.005〜2.0mass%含有することを特徴とする()に記載の銅合金板材。
)コネクタ用材料であることを特徴とする(1)又は2)に記載の銅合金板材。
)(1)〜()のいずれか1項に記載の銅合金板材からなるコネクタ。
)(1)〜(3)のいずれか1項に記載の銅合金板材を製造する方法であって、前記銅合金を与える合金組成の銅合金に、鋳造[工程1]、均質化熱処理[工程2]、熱間加工[工程3]、冷間圧延[工程6]、熱処理[工程7]、冷間圧延[工程8]、最終溶体化熱処理[工程9]をこの順に施し、その後に、時効析出熱処理[工程10]を施すに当たり、
上記熱間加工[工程3]は、溶質原子の完全固溶温度をP℃とした場合に、まず1020℃以下で(P+30)℃以上の温度において1パス加工率が25%以上の熱間圧延を2パス以上行った後に、(P−30)℃以下まで冷却し、(P−30)℃以下で400℃以上の温度において、1パス加工率が25%以下の熱間圧延を2パス以上行うことからなり、
上記冷間圧延[工程6]は加工率50〜99%の冷間圧延を行うことからなり、
上記熱処理[工程7]は600〜900℃で10秒〜5分間保持する熱処理を行うことからなり、
上記冷間圧延[工程8]は加工率5〜55%の冷間圧延を行うことからなる
ことを特徴とする銅合金板材の製造方法。
)前記時効析出熱処理[工程10]の後に、冷間圧延[工程11]、及び調質焼鈍[工程12]をこの順に施すことを特徴とする()項に記載の銅合金板材の製造方法。
本発明の銅合金板材は、曲げ加工性に優れ、優れた強度を有し、電気・電子機器用のリードフレーム、コネクタ、端子材等、自動車車載用などのコネクタや端子材、リレー、スイッチなどに好適である。
また、本発明の銅合金板材の製造方法は、上記の曲げ加工性に優れ、優れた強度を有し、電気・電子機器用のリードフレーム、コネクタ、端子材等、自動車車載用などのコネクタや端子材、リレー、スイッチなどに好適な銅合金板材を製造する方法として好適なものである。
耐応力緩和特性の試験方法の説明図であり、(a)は熱処理前、(b)は熱処理後の状態をそれぞれ示す。 熱処理温度の上昇にともなう導電率変化の典型例を示すグラフであり、それにより溶質原子が完全に固溶する温度(P)℃を決定する方法を模式的に示すものである。
本発明の銅合金板材の好ましい実施の態様について、詳細に説明する。ここで、「銅合金材料」とは、銅合金素材が所定の形状(例えば、板、条、箔、棒、線など)に加工されたものを意味する。そのなかで板材とは、特定の厚みを有し形状的に安定しており面方向に広がりをもつものを指し、広義には条材を含む意味である。ここで、板材において、「材料表層」とは、「板表層」を意味し、「材料の深さ位置」とは、「板厚方向の位置」を意味する。板材の厚さは特に限定されないが、本発明の効果が一層よく顕れ実際的なアプリケーションに適合することを考慮すると、8〜800μmが好ましく、50〜70μmがより好ましい。
なお、本発明の銅合金板材は、その特性を圧延板の所定の方向における原子面の集積率で規定するものであるが、これは銅合金板材としてそのような特性を有していれば良いのであって、銅合金板材の形状は板材や条材に限定されるものではなく、本発明では、管材も板材として解釈して取り扱うことができるものとする。
銅合金板材の曲げ加工時のクラックが発生する原因を明らかにするために、本発明者らは、曲げ変形した後の材料の金属組織を詳細に調査した。その結果、基体材料は均一に変形しているのではなく、特定の結晶方位の領域のみに変形が集中し、不均一な変形が進行することが観察された。そして、その不均一変形により、曲げ加工した後の基体材料表面には、数ミクロンの深さのシワや、微細なクラックが発生することが解った。
そして、BR方位とRDW方位とCube方位が多く、Copper方位とS方位とBrass方位が少ない場合に、不均一な変形が抑制され、基体材料の表面に発生するシワが低減され、クラックが抑制されることが解った。
曲げ加工した断面部の組織観察において、BR方位とRDW方位とCube方位の結晶粒内には局所変形帯が少なく、Copper方位とS方位とBrass方位の結晶粒内には、局所変形帯が多く見られることも確認された。
(EBSD測定による規定)
EBSD法で規定される、BR方位{3 6 2}<8 5 3>、RD−Rotated−Cube方位{0 1 2}<1 0 0>、Cube方位{1 0 0}<0 0 1>、Copper方位{1 2 1}<1 1 1>、S方位{2 3 1}<3 4 6>、Brass方位{1 1 0}<1 1 2>のそれぞれの集合組織方位成分の面積率を[BR]、[RDW]、[W]、[C]、[S]、[B]とした時に、R=([BR]+[RDW]+[W])/([C]+[S]+[B])と定義されるRが1以上のときに、上記の効果が得られる。好ましくは1.1以上、更に好ましくは1.2以上6以下である。従来、これらの方位を有する原子面の面積率を同時に制御したものは知られていない。
本明細書における結晶方位の表示方法は、材料の圧延方向(RD)をX軸、板幅方向(TD)をY軸、圧延法線方向(ND)をZ軸の直角座標系を取り、材料中の各領域がZ軸に垂直な(圧延面に平行な)結晶面の指数(hkl)と、X軸に平行な結晶方向の指数[uvw]とを用いて、(hkl)[uvw]の形で示す。また、(1 3 2)[6 −4 3]と(2 3 1)[3 −4 6]などのように、銅合金の立方晶の対称性のもとで等価な方位については、ファミリーを表すカッコ記号を使用し、{hkl}<uvw>と示す。本発明における6種類の方位は、上記のような指数でそれぞれ示される。
本発明における上記結晶方位の解析には、EBSD法を用いた。EBSDとは、Electron Back Scatter Diffraction(電子後方散乱回折)の略で、走査電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope:SEM)内で試料に電子線を照射したときに生じる反射電子菊池線回折(菊池パターン)を利用した結晶方位解析技術のことである。本発明においては、結晶粒を200個以上含む、500μm四方の試料面積に対し、0.5μmのステップでスキャンし、方位を解析した。
本発明においては、前記BR、RD−Rotated−Cube(RDW)、Cube(W)、Copper(C)、SおよびBrass(B)の方位の各集合組織方位成分をもつ結晶粒とその原子面の面積を、以下に述べる所定のずれ角度の範囲内にあるかどうかで規定する。
上記指数で示される理想方位からのずれ角度については、(i)各測定点の結晶方位と、(ii)対象となる理想方位としてのBR、RDW、Cube、Copper、S、Brassのいずれかの方位とについて、(i)と(ii)に共通の回転軸を中心に回転角を計算し、そのずれ角度とした。例えば、S方位(2 3 1)[6 −4 3]に対して、(1 2 1)[1 −1 1]は(20 10 17)方向を回転軸にして、19.4°回転した関係になっており、この角度をずれ角度とした。前記共通の回転軸は40以下の3つの整数であるが、その内で最も小さいずれ角度で表現できるものを採用した。全ての測定点に対してこのずれ角度を計算して小数第一位までを有効数字とし、BR方位、RDW方位、Cube方位、Copper方位、S方位、Brass方位のそれぞれ前記ずれ角から10°以下の方位を持つ結晶粒の面積を全測定面積で除し、それぞれの方位の原子面の面積率とした。
EBSDによる方位解析において得られる情報は、電子線が試料に侵入する数10nmの深さまでの方位情報を含んでいるが、測定している広さに対して充分に小さいため、本明細書中では面積率として記載した。
結晶方位の解析にEBSD測定を用いることにより、従来のX線回折法による板面方向(ND)に対する特定原子面の集積の測定とは大きく異なり、三次元方向のより完全に近い結晶方位情報がより高い分解能で得られるため、曲げ加工性を支配する結晶方位について全く新しい知見を獲得することができる。
なお、EBSD測定にあたっては、鮮明な菊池線回折像を得るために、機械研磨の後に、コロイダルシリカの砥粒を使用して、基体表面を鏡面研磨した後に、測定を行うことが好ましい。また、測定は板表面から行った。
(合金組成等)
・Ni,Co,Si
本発明のコネクタ用材料としては、銅または銅合金が用いられる。コネクタに要求される導電性、機械的強度および耐熱性を有するものとして、銅の他に、リン青銅、黄銅、洋白、ベリリウム銅、コルソン系合金(Cu−Ni−Si系)などの銅合金が好ましい。特に、本発明の特定の結晶方位集積関係を満たす面積率を得たい場合には、純銅系の材料やベリリウム銅、コルソン系合金を含む析出型合金が好ましい。更に、最先端の小型端子材料に求められるような、高強度と高導電性を両立させるためには、Cu−Ni−Si系、Cu−Ni−Co−Si系、Cu−Co−Si系の析出型銅合金が好ましい。
これは、りん青銅や黄銅などの固溶型合金では、熱処理中の結晶粒成長においてCube方位粒成長の核となる、冷間圧延材中のCube方位をもつ微少領域が減少するためである。これは、りん青銅や黄銅などの積層欠陥エネルギーが低い系では、冷間圧延中に剪断帯が発達し易いためである。
本発明において、銅(Cu)に添加する第1の添加元素群であるニッケル(Ni)とコバルト(Co)とケイ素(Si)について、それぞれの添加量を制御することにより、Ni−Si、Co−Si、Ni−Co−Siの化合物を析出させて銅合金の強度を向上させることができる。その添加量は、NiとCoのいずれか1種または2種を合計で、0.5〜5.0mass%であり、好ましくは0.6〜4.5mass%、より好ましくは0.8〜4.0mass%である。Niの添加量は好ましくは1.5〜4.2mass%、さらに好ましくは1.8〜3.9mass%であり、一方、Coの添加量は好ましくは0.3〜1.8mass%、さらに好ましくは0.5〜1.5mass%である。特に導電率を高めたい場合は、Coを必須とすることが好ましい。これらの元素の合計の添加量が多すぎると導電率を低下させ、また、少なすぎると強度が不足する。また、Siの含有量は0.1〜1.5mass%であり、好ましくは0.2〜1.2mass%である。なお、Coは希少元素であるとともに、添加量によって溶体化温度を高めるため、用途に応じて顕著に導電性を高める必要が無い場合は、添加しないことが好ましい。
・その他の元素
次に、耐応力緩和特性などの特性(二次特性)を向上させる添加元素の効果について示す。好ましい添加元素としては、Sn、Zn、Ag、Mn、B、P、Mg、Cr、Fe、Ti、ZrおよびHfが挙げられる。添加効果を充分に活用し、かつ導電率を低下させないためには、総量で0.005〜2.0mass%であることが好ましく、さらに好ましくは0.01〜1.5mass%、より好ましくは、0.03〜0.8mass%である。これらの添加元素が総量で多すぎると導電率を低下させる弊害を生じる。なお、これらの添加元素が総量で少なすぎると、これらの元素を添加した効果がほとんど発揮されない。
以下に、各元素の添加効果を示す。Mg、Sn、Znは、Cu−Ni−Si系、Cu−Ni−Co−Si系、Cu−Co−Si系銅合金に添加することで耐応力緩和特性が向上する。それぞれを単独で添加した場合よりも併せて添加した場合に相乗効果によってさらに耐応力緩和特性が向上する。また、半田脆化を著しく改善する効果がある。
Mn、Ag、B、Pは添加すると熱間加工性を向上させるとともに、強度を向上する。
Cr、Fe、Ti、Zr、Hfは、主な添加元素であるNiやCoやSiとの化合物や単体で微細に析出し、析出硬化に寄与する。また、化合物として50〜500nmの大きさで析出し、粒成長を抑制することによって結晶粒径を微細にする効果があり、曲げ加工性を良好にする。
次に、本発明の銅合金板材の製造方法(その結晶方位を制御する方法)について説明する。ここでは、析出型銅合金の板材(条材)を例に挙げて説明するが、固溶型合金材料、希薄系合金材料、純銅系材料に展開することが可能である。
一般に、析出型銅合金は、均質化熱処理した鋳塊を熱間と冷間の各ステップで薄板化し、700〜1020℃の温度範囲で最終溶体化熱処理を行って溶質原子を再固溶させた後に、時効析出熱処理と仕上げ冷間圧延によって必要な強度を満足させるように製造される。時効析出熱処理と仕上げ冷間圧延の条件は、所望の強度及び導電性などの特性に応じて、調整される。銅合金の集合組織については、この一連のステップにおける、最終溶体化熱処理中に起きる再結晶によってそのおおよそが決定し、仕上げ圧延中に起きる方位の回転により、最終的に決定される。
本発明の銅合金板材の製造方法としては、例えば、所定の合金成分組成から成る銅合金素材を高周波溶解炉により溶解し、これを鋳造して鋳塊を得て[工程1]、該鋳塊を1020〜700℃で10分〜10時間の均質化熱処理に施し[工程2]、1020〜(P+30)℃の温度範囲で、1パス当り25%以上の加工率で2パス以上の熱間圧延し[工程3−1]、空冷または水冷によって(P−30)℃以下の温度まで冷却し[工程3−2]、(P―30)〜400℃の温度範囲で、1パス当り25%以下の加工率で2パス以上の熱間圧延し[工程3−3]、水冷[工程4]、面削[工程5]、50〜99%の冷間圧延[工程6]、600〜900℃で10秒〜5分間保持する熱処理[工程7]、5〜55%の加工率の冷間加工[工程8]、750〜1000℃において5秒〜1時間保持する最終溶体化熱処理[工程9]を行い、その後、350〜600℃において5分間〜20時間の時効析出熱処理[工程10]、2〜45%の加工率の仕上げ圧延[工程11]、300〜700℃で10秒〜2時間保持する調質焼鈍[工程12]を行うことにより、前記[工程1]〜[工程12]をこの順序で行なうことによって本発明の銅合金板材を得る方法が挙げられる。
本発明の銅合金板材は上記の実施態様の製造方法により製造することが好ましいが、EBSD測定における結晶方位解析において、前記Rが規定の条件を満足するならば、上記[工程1]〜[工程12]をこの順にすべて行うことに必ずしも拘束されるものではない。上記の方法に含まれるものではあるが、上記[工程1]〜[工程12]の内、例えば、[工程10]を最終工程として終了してもよい。あるいは、上記[工程10]〜[工程12]は、この内1つまたは2つ以上を2回以上繰り返して行うこともできる。例えば、[工程10]を施す前に、2〜45%の加工率の冷間圧延[工程11’]を行なってもよい。
熱間圧延[工程3−3]の終了温度が低い場合には、析出速度が遅くなるため、水冷[工程4]は必ずしも必要ではない。どの温度以下で熱間圧延を終了すれば、水冷が不要になるかは、合金濃度や熱間圧延中の析出量によって異なり、適宜選択すればよい。面削[工程5]は、熱間圧延後の材料表面のスケールによっては、省かれる場合もある。また、酸洗浄などによる溶解によって、スケールを除去しても良い。
動的再結晶温度以上で行う高温圧延を熱間圧延、室温以上の高温で動的再結晶温度以下の高温圧延を温間圧延と、用語を使い分ける場合もあるが、両者を含めて熱間圧延とするのが一般的である。本発明においても、両者を合わせて熱間圧延と呼ぶ。
本発明の銅合金板材の製造方法においては、前記最終溶体化熱処理において、Brass方位、S方位及びCopper方位の面積率を減少させ、BR方位、RDW方位及びCube方位の面積率を上昇させるためには、鋳塊を均質化後に行う熱間加工([工程3−1]〜[工程3−3]からなる[工程3])において、上述のような条件を選定することが好ましい。従来の銅合金の一般的な製造方法として、均質化後に行う高温加工は変形抵抗を下げる目的、もしくは析出型合金の場合は大量の析出を抑制する目的で、極力高温での加工が行われてきた。一方、本発明の銅合金板材の製造方法においては、第一熱間圧延ステップとして熱間圧延([工程3−1])し、その後に冷却([工程3−2])し、第二熱間圧延ステップとして第一ステップよりも低い温度で再熱間圧延([工程3−3])することを特徴とする。そして、この第一ステップと第二ステップの温度は、溶質原子が完全に固溶する温度であるP℃を用いて規定された特定の温度範囲として規定される。
第一熱間圧延ステップの温度は、1020〜(P+30)℃である。この温度が高すぎる場合は高温脆性のために、逆に低すぎる場合は再結晶による鋳塊組織の破壊が生じないために、それぞれ割れが起きる場合がある。好ましくは、1000〜(P+50)℃、更に好ましくは、980〜(P+70)℃である。
第二熱間圧延ステップの温度は、(P―30)〜400℃である。この温度が高すぎる場合は、通常圧延と同等の組織となり、また逆に低すぎる場合は、中間温度脆性による割れが起きる場合がある。好ましくは(P−50)〜450℃、更に好ましくは、(P−70)〜500℃である。
第一熱間圧延ステップの温度(T1)は第二熱間圧延ステップの温度(T2)より高いことが好ましく(T1>T2)、典型的な例として言えば、その差(T1−T2)が60〜100℃であることが好ましく、100〜140℃であることがより好ましい。
さらに本発明の製造方法においては、第一熱間圧延ステップと第二熱間圧延ステップの間に冷却工程を設けたことが重要である。冷却到達温度は(P−30)℃以下であり、下限は特にないが450℃以上であることが実際的である。本冷却工程の意義についてここで示す。P℃を用いて規定されるT1とT2の間の温度帯は最も溶質元素の析出が速い温度帯である。一方、この中間温度帯より高温では溶質元素が固溶するため、この中間温度帯より低温では原子の拡散が遅く、析出物の粗大化が軽微である。この中間温度帯で圧延加工を受けた場合は、格子欠陥の増加により更に析出の進行が加速され、サブミクロン前後の大きさの粗大な析出物が生成してしまう。そして、その後の冷間圧延において、この数ミクロン前後の大きさの粗大な析出粒子の周囲には歪みが集中するため、中間溶体化熱処理において、粒子周囲の高歪み領域からランダムな方位の再結晶粒が発生し、所望の方位面積率を得られないことがある。すなわち、本発明で規定する方位面積率を達成するためには、方位のランダム化の原因となる粗大析出粒子の制御が肝要であり、そのためには上記中間温度帯において圧延加工を行わないことが好ましい。
また、本発明の製造方法においては、前記熱間圧延の後に行う中間熱処理が重要な意味を有する。中間熱処理は上述のように冷間圧延の間に温度600〜900℃で行われるのが好ましい。このように、中間熱処理工程を採用することで、全面が再結晶していない組織が得られる。即ち、圧延材中の結晶方位の中でも、回復の速い結晶方位と遅い結晶方位が存在するために、その差によって不均一に再結晶した組織となる。この意図的に作られる不均一性が、中間再結晶熱処理[工程9]における再結晶集合組織の優先発達を促す。
溶質原子が完全に固溶する温度P℃は、下記のような一般的な方法によって求めた。鋳塊を1000℃で1時間の均質化後、熱間圧延と冷間圧延を施して板材とし、その後にソルトバスにて700〜1000℃まで10℃おき30秒間保持する熱処理の後に水焼き入れを行い、各温度における固溶及び析出の状態を凍結し、導電率を測定した。導電率を固溶元素量の代用特性として使用し、熱処理温度の上昇にともなう導電率の低下が飽和する温度を、完全固溶温度P℃とした。典型的な導電率変化と、それによって前記温度P(℃)を決定する方法を模式的に図2に示す。典型例としていえば、温度Pは750〜950℃であることが実際的である。
第一熱間圧延ステップにおける1パス加工率は、25%以上が好ましい。これが低すぎる場合は鋳造組織の破壊が起きない場合がある。上限は圧延機の仕様によって異なり、特に上限は設けないが、通常は50%以下である。
第二熱間圧延ステップにおける1パス加工率は、25%以下が好ましい。これが高すぎる場合は比較的低温での加工のため、加工割れが生じる場合がある。下限は特に設けないが、作業効率から通常は3%以上である。
本発明の銅合金板材は、例えば、コネクタ用銅合金板材に要求される特性を満足することができる。特に0.2%耐力については500MPa以上(好ましくは600MPa以上、特に好ましくは700MPa以上)、曲げ加工性については90°W曲げ試験においてクラックなく曲げ加工が可能な最小曲げ半径(r:mm)を板厚(t:mm)で割った値(r/t)が1以下、導電率については30%IACS以上(好ましくは35%IACS以上、特に好ましくは40%IACS以上)を満足するものであり、さらには、耐応力緩和特性については後述する150℃に1000時間保持する測定方法によって応力緩和率(SR)30%以下(好ましくは25%以下)を満たすこともできる、という良好な特性を実現することができる。
以下に、実施例に基づき本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
実施例1
表1−1の合金成分の欄の組成に示すように、少なくともNiとCoの中から1種または2種を合計で0.5〜5.0mass%、Siを0.1〜1.5mass%含有し、残部がCuと不可避不純物から成る合金を高周波溶解炉により溶解し、これを鋳造して鋳塊を得た。この状態を提供材とし、下記A〜Fのいずれかの工程にて、本発明例1−1〜1−19及び比較例1−1〜1−9の銅合金板材の供試材を製造した。
(工程A)
1020〜700℃で10分〜10時間の均質化熱処理、1020〜(P+30)℃の温度範囲で25%以上の加工率で3パスの熱間圧延、空冷、(P−30)〜400℃の温度範囲で25%以下の加工率で3パスの熱間圧延、水冷、50〜99%の冷間圧延、600〜900℃で10秒〜5分間保持する熱処理、5〜55%の加工率の冷間加工、750〜1000℃において5秒〜1時間保持する最終溶体化熱処理を行う。その後、350〜600℃において5分間〜20時間の時効析出熱処理、2〜45%の加工率の仕上げ圧延、300〜700℃で10秒〜2時間保持する調質焼鈍を行う。
(工程B)
1020〜700℃で10分〜10時間の均質化熱処理、1020〜(P+30)℃の温度範囲で25%以上の加工率で3パスの熱間圧延、空冷、(P−30)〜400℃の温度範囲で25%以下の加工率で3パスの熱間圧延、水冷、50〜99%の冷間圧延、600〜900℃で10秒〜5分間保持する熱処理、5〜55%の加工率の冷間加工、750〜1000℃において5秒〜1時間保持する最終溶体化熱処理を行う。その後、2〜45%の加工率の圧延、350〜600℃において5分間〜20時間の時効析出熱処理、2〜45%の加工率の仕上げ圧延、300〜700℃で10秒〜2時間保持する調質焼鈍を行う。
(工程C)
1020〜700℃で10分〜10時間の均質化熱処理、1020〜(P+30)℃の温度範囲で25%以上の加工率で3パスの熱間圧延、空冷、(P−30)〜400℃の温度範囲で25%以下の加工率で3パスの熱間圧延、水冷、50〜99%の冷間圧延、600〜900℃で10秒〜5分間保持する熱処理、5〜55%の加工率の冷間加工、750〜1000℃において5秒〜1時間保持する最終溶体化熱処理を行う。その後、350〜600℃において5分間〜20時間の時効析出熱処理を行う。
(工程D)
1020〜700℃で10分〜10時間の均質化熱処理、1020〜(P+30)℃の温度範囲で25%以上の加工率で3パスの熱間圧延、空冷、(P−30)〜400℃の温度範囲で25%以下の加工率で3パスの熱間圧延、水冷、50〜99%の冷間圧延、600〜900℃で10秒〜5分間保持する熱処理、5〜55%の加工率の冷間加工、750〜1000℃において5秒〜1時間保持する最終溶体化熱処理を行う。その後、2〜45%の加工率の圧延、350〜600℃において5分間〜20時間の時効析出熱処理を行う。
(工程E)
1020〜700℃で10分〜10時間の均質化熱処理、1020〜(P+30)℃の温度範囲で25%以上の加工率で3パスの熱間圧延、空冷、(P−30)〜400℃の温度範囲で25%以下の加工率で3パスの熱間圧延、水冷、50〜99%の冷間圧延、750〜1000℃において5秒〜1時間保持する最終溶体化熱処理を行う。その後、350〜600℃において5分間〜20時間の時効析出熱処理、2〜45%の加工率の仕上げ圧延、300〜700℃で10秒〜2時間保持する調質焼鈍を行う。
(工程F)
1020〜700℃で10分〜10時間の均質化熱処理、1020〜(P+30)℃の温度範囲で25%以上の加工率で3パスの熱間圧延、水冷、50〜99%の冷間圧延、600〜900℃で10秒〜5分間保持する熱処理、5〜55%の加工率の冷間加工、750〜1000℃において5秒〜1時間保持する最終溶体化熱処理を行う。その後、350〜600℃において5分間〜20時間の時効析出熱処理、2〜45%の加工率の仕上げ圧延、300〜700℃で10秒〜2時間保持する調質焼鈍を行う。
なお、各熱処理や圧延の後に、材料表面の酸化や粗度の状態に応じて酸洗浄や表面研磨を、形状に応じてテンションレベラーによる矯正を行った。
この供試材について下記の特性調査を行った。ここで、供試材の厚さは0.15mmとした。本発明例の結果を表1−1に、比較例の結果を表1−2に、それぞれ示す。
a.BR方位、RDW方位、Cube方位、Copper方位、S方位、Brass方位の領域の面積率:
EBSD法により、約500μm四方の測定領域で、スキャンステップが0.5μmの条件で測定を行った。測定面積は結晶粒を200個以上含むことを基準として調整した。上述したように、各理想方位から10°以下のずれ角度を有する結晶粒の原子面について、各方位を有する原子面の面積を求めて、さらに面積率(R)を下記式
R=([BR]+[RDW]+[W])/([C]+[S]+[B])
によって算出した。
b.曲げ加工性:
圧延方向に垂直に幅10mm、長さ25mmに切出し、これに曲げの軸が圧延方向に直角になるようにW曲げしたものをGW(Good Way)、圧延方向に平行になるようにW曲げしたものをBW(Bad Way)とし、曲げ部を50倍の光学顕微鏡で観察し、クラックの有無を調査した。
曲げ加工部にクラックがなく、シワも軽微なものを「良(◎)」、クラックがないがシワが大きいものの実用上問題ないものを「可(○)」、クラックのあるものを「不可(×)」と判定した。各曲げ部の曲げ角度は90°、曲げ部の内側半径は0.15mmとした。
c.0.2%耐力 [YS]:
圧延平行方向から切り出したJIS Z 2201−13B号の試験片をJIS Z 2241に準じて3本測定しその平均値を示した。
d:導電率 [EC]:
20℃(±0.5℃)に保たれた恒温漕中で四端子法により比抵抗を計測して導電率を算出した。なお、端子間距離は100mmとした。
e.応力緩和率 [SR]:
日本伸銅協会 JCBA T309:2001(これは仮規格である。旧規格は「日本電子材料工業会標準規格 EMAS−3003」であった。)に準じ、以下に示すように、150℃で1000時間保持後の条件で測定した。片持ち梁法により耐力の80%の初期応力を負荷した。
図1は耐応力緩和特性の試験方法の説明図であり、(a)は熱処理前、(b)は熱処理後の状態である。図1(a)に示すように、試験台4に片持ちで保持した試験片1に、耐力の80%の初期応力を付与した時の試験片1の位置は、基準からδの距離である。これを150℃の恒温槽に1000時間保持(前記試験片1の状態での熱処理)し、負荷を除いた後の試験片2の位置は、図1(b)に示すように基準からHの距離である。3は応力を負荷しなかった場合の試験片であり、その位置は基準からHの距離である。この関係から、応力緩和率(%)は(H−H)/(δ−H)×100と算出した。式中、δは、基準から試験片1までの距離であり、Hは、基準から試験片3までの距離であり、Hは、基準から試験片2までの距離である。
表1―1に示すように、本発明例1−1〜1−19は、曲げ加工性、耐力、導電率、耐応力緩和特性に優れた。
一方、表1−2に示すように、本発明の規定を満たさない場合は、特性が劣る結果となった。
すなわち、比較例1−1は、NiとCoの総量が少ないために、析出硬化に寄与する化合物(析出物)の密度が低下し強度が劣った。また、NiまたはCoと化合物を形成しないSiが金属組織中に過剰に固溶し導電率が劣った。比較例1−2は、NiとCoの総量が多いために、導電率が劣った。比較例1−3は、Siが少ないために強度が劣った。比較例1−4は、Siが多いために導電率が劣った。比較例1−5〜1−9はRが低く、曲げ加工性が劣った。
実施例2
表2の合金成分の欄に示す組成で、残部がCuと不可避不純物からなる銅合金について、実施例1と同様にして、本発明例2−1〜2−17および比較例2−1〜2−3の銅合金板材の供試材を製造し、実施例1と同様に特性を調査した。結果を表2に示す。
表2に示すように、本発明例2−1〜本発明例2−17は、曲げ加工性、耐力、導電率、耐応力緩和特性に優れた。
一方、本発明の規定を満たさない場合は、特性が劣った。すなわち、比較例2−1、2−2、2−3(いずれも、前記(3)項に係る発明の比較例)は、Ni、CoおよびSi以外のその他の元素の添加量が多いために、導電率が劣った。
実施例3
表3に示す組成で、残部がCuと不可避不純物からなる銅合金について、鋳塊を1020〜700℃で10分〜10時間の均質化熱処理後、表4に示す熱間圧延の後に水冷し、面削、50〜99%の冷間圧延、600〜900℃で10秒〜5分間保持する熱処理、5〜55%の加工率の冷間加工、750〜1000℃において5秒〜1時間保持する最終溶体化熱処理を行う。その後、350〜600℃において5分間〜20時間の時効析出熱処理、2〜45%の加工率の仕上げ圧延、300〜700℃で10秒〜2時間保持する調質焼鈍を行い、供試材を製造した。実施例1と同様に特性を調査した。結果を表4に示す。
表4に示すように、本発明例3−1〜本発明例3−4は、曲げ加工性、耐力、導電率、耐応力緩和特性に優れた。
一方、本発明の規定を満たさない場合は、特性が劣った。すなわち、比較例3−1〜3−4は、熱間加工の条件が本発明で規定する条件を外れたために本発明で規定するRが所定の値を満足せず、曲げ性が劣った。
このように、本発明により、例えばコネクタ材などの車載部品や電気・電子機器の材料(特にその基体材料)として非常に好適な特性が実現可能である。
つづいて、従来の製造条件により製造した銅合金板材について、本願発明に係る銅合金板材との相違を明確化するために、その条件で銅合金板材を作製し、上記と同様の特性項目の評価を行った。なお、各板材の厚さは特に断らない限り上記実施例と同じ厚さになるように加工率を調整した。
(比較例101)・・・特開2009−007666号公報の条件
上記本発明例1−1と同様の金属元素を配合し、残部がCuと不可避不純物から成る合金を高周波溶解炉により溶解し、これを0.1〜100℃/秒の冷却速度で鋳造して鋳塊を得た。これを900〜1020℃で3分から10時間の保持後、熱間加工を行った後に水焼き入れを行い、酸化スケール除去のために面削を行った。この後の工程は、次に記載する工程A−3、B−3の処理を施すことによって銅合金c01を製造した。
製造工程には、1回または2回以上の溶体化熱処理を含み、ここでは、その中の最後の溶体化熱処理の前後で工程を分類し、中間溶体化までの工程でA−3工程とし、中間溶体化より後の工程でB−3工程とした。なお、熱間加工の加工率及びパス回数は、本願出願当時に一般的であった、800〜1020℃、1パス加工率35〜40%、パス回数2〜5回という条件を採用した。
工程A−3:断面減少率が20%以上の冷間加工を施し、350〜750℃で5分〜10時間の熱処理を施し、断面減少率が5〜50%の冷間加工を施し、800〜1000℃で5秒〜30分の溶体化熱処理を施す。
工程B−3:断面減少率が50%以下の冷間加工を施し、400〜700℃で5分〜10時間の熱処理を施し、断面減少率が30%以下の冷間加工を施し、200〜550℃で5秒〜10時間の調質焼鈍を施す。
得られた試験体c01は、上記実施例とは製造条件について熱間圧延条件の本願における第二熱間圧延ステップの有無の点で異なり、Rが低いために曲げ加工性について要求特性を満たさない結果となった。
(比較例102)・・・特開平11−335756号公報の条件
上記本発明例1−1と同じ成分組成の銅合金を、クリプトル炉にて木炭被覆下で大気溶解し、ブックモールドに鋳造し、50mm×80mm×200mmの鋳塊を作製した。この鋳塊を930℃に加熱して厚さ15mmまで熱間圧延後、直ちに水中急冷した。この熱延材の表面の酸化スケールを除去するため、表面をグラインダで切削した。これを冷間圧延した後、750℃で20秒の熱処理、30%の冷間圧延、480℃で2時間の析出焼鈍を施し、板厚を調整した材料を得て、試験に供した(c02)。なお、熱間圧延の加工率及びパス回数は、本願出願当時に一般的であった、加工率35〜40%、パス回数2〜5回という条件を採用した。
得られた試験体c02は、上記実施例とは製造条件について本願における熱処理[工程7]と冷間加工[工程8]の有無及び熱間圧延条件の本願における第二熱間圧延ステップの有無の点で異なり、Rが低いために曲げ加工性を満たさない結果となった。
(比較例103)・・・特開2008−223136号公報の条件
実施例1に示す銅合金を溶製し、縦型連続鋳造機を用いて鋳造した。得られた鋳片(厚さ180mm)から厚さ50mmの試料を切り出し、これを950℃に加熱したのち抽出して、熱間圧延を開始した。その際、950〜700℃の温度域での圧延率が60%以上となり、かつ700℃未満の温度域でも圧延が行われるようにパススケジュールを設定した。熱間圧延の最終パス温度は600〜400℃の間にある。鋳片からのトータルの熱間圧延率は約90%である。熱間圧延後、表層の酸化層を機械研磨により除去(面削)した。
次いで、冷間圧延を行った後、溶体化処理に供した。試料表面に取り付けた熱電対により溶体化処理時の温度変化をモニターし、昇温過程における100℃から700℃までの昇温時間を求めた。溶体化処理後の平均結晶粒径(双晶境界を結晶粒界とみなさない)が10〜60μmとなるように到達温度を合金組成に応じて700〜850℃の範囲内で調整し、700〜850℃の温度域での保持時間を10sec〜10minの範囲で調整した。続いて、上記溶体化処理後の板材に対して、圧延率で中間冷間圧延を施し、次いで時効処理を施した。時効処理温度は材温450℃とし、時効時間は合金組成に応じて450℃の時効で硬さがピークになる時間に調整した。このような合金組成に応じて最適な溶体化処理条件や時効処理時間は予備実験により把握してある。次いで、圧延率で仕上げ冷間圧延を行った。仕上げ冷間圧延を行ったものについては、その後さらに、400℃の炉中に5min装入する低温焼鈍を施した。このようにして供試材c03を得た。なお、必要に応じて途中で面削を行い、供試材の板厚は0.2mmに揃えた。主な製造条件は下記に記載してある。
[特開2008−223136 実施例1の条件]
700℃未満〜400℃での熱間圧延率: 56%(1パス)
溶体化処理前 冷間圧延率: 92%
中間冷間圧延 冷間圧延率: 20%
仕上げ冷間圧延 冷間圧延率: 30%
100℃から700℃までの昇温時間: 10秒
得られた試験体c03は、上記実施例1とは製造条件について 本願における熱間圧延中の第一ステップと第二ステップの冷却工程の有無及び、第二ステップの加工率及び、本願における熱処理[工程7]と冷間加工[工程8]の有無の点で異なり、Rが低いために曲げ加工性 を満たさない結果となった。
(比較例104)・・・特開2008−223136号公報の比較例の条件
前記比較例103に対して、下記項目の加工条件を下記のとおり変えた以外同様にして、供試材c04を得た。
[特開2008−223136 比較例1の条件]
700℃未満〜400℃での熱間圧延率: 17%(1パス)
溶体化処理前 冷間圧延率: 90%
中間冷間圧延 冷間圧延率: 20%
仕上げ冷間圧延 冷間圧延率: 30%
100℃から700℃までの昇温時間: 10秒
得られた試験体c04は、上記実施例1とは製造条件について本願における熱間圧延中の第一ステップと第二ステップの冷却工程の有無及び、本願における熱処理[工程7]と冷間加工[工程8]の有無の点で異なり、Rが低いために曲げ加工性を満たさない結果となった。
1 初期応力を付与した時の試験片
2 負荷を除いた後の試験片
3 応力を負荷しなかった場合の試験片
4 試験台

Claims (6)

  1. NiとCoのいずれか1種または2種を合計で0.5〜5.0mass%、Siを0.1〜1.5mass%含有し、残部が銅及び不可避不純物からなる合金組成を有する銅合金板材であって、
    EBSD(Electron Back Scatter Diffraction:電子後方散乱回折)測定における結晶方位解析において、BR方位{3 6 2}<8 5 3>、RD−Rotated−Cube方位{0 1 2}<1 0 0>、Cube方位{1 0 0}<0 0 1>、Copper方位{1 2 1}<1 1 1>、S方位{2 3 1}<3 4 6>、Brass方位{1 1 0}<1 1 2>のそれぞれの集合組織方位成分の面積率を[BR]、[RDW]、[W]、[C]、[S]、[B]とした時に、
    R=([BR]+[RDW]+[W])/([C]+[S]+[B])
    と定義されるRが、1以上であり、耐力が500MPa以上、導電率が30%IACS以上であることを特徴とする銅合金板材。
  2. さらに、Sn、Zn、Ag、Mn、B、P、Mg、Cr、Fe、Ti、ZrおよびHfからなる群から選ばれる少なくとも1種を合計で0.005〜2.0mass%含有する請求項に記載の銅合金板材。
  3. コネクタ用材料であることを特徴とする請求項1又は2に記載の銅合金板材。
  4. 請求項1〜のいずれか1項に記載の銅合金板材からなるコネクタ。
  5. 請求項1〜のいずれか1項に記載の銅合金板材を製造する方法であって、前記銅合金を与える合金組成の銅合金に、鋳造[工程1]、均質化熱処理[工程2]、熱間加工[工程3]、冷間圧延[工程6]、熱処理[工程7]、冷間圧延[工程8]、最終溶体化熱処理[工程9]をこの順に施し、その後に、時効析出熱処理[工程10]を施すに当たり、
    上記熱間加工[工程3]は、溶質原子の完全固溶温度をP℃とした場合に、まず1020℃以下で(P+30)℃以上の温度において1パス加工率が25%以上の熱間圧延を2パス以上行った後に、(P−30)℃以下まで冷却し、(P−30)℃以下で400℃以上の温度において、1パス加工率が25%以下の熱間圧延を2パス以上行うことからなり、
    上記冷間圧延[工程6]は加工率50〜99%の冷間圧延を行うことからなり、
    上記熱処理[工程7]は600〜900℃で10秒〜5分間保持する熱処理を行うことからなり、
    上記冷間圧延[工程8]は加工率5〜55%の冷間圧延を行うことからなる
    ことを特徴とする銅合金板材の製造方法。
  6. 前記時効析出熱処理[工程10]の後に、冷間圧延[工程11]、及び調質焼鈍[工程12]をこの順に施すことを特徴とする請求項に記載の銅合金板材の製造方法。
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