JP4885085B2 - 電気式サスペンション装置 - Google Patents
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Description
本発明はまた、前記課題を解決するために、上記(a)のボールねじと、(b)の回転電気機械と、(c)の第1部材と、(d)の第2部材とを含む電気式サスペンション装置において、前記ねじ軸のねじ溝のリード角がそのねじ軸の長手方向の両方の端部近傍部において中間部に比較して小さくするとともに、前記ナットを、概して螺旋形状を成して軸方向に伸縮する弾性変形が可能な螺旋状部材の内周面に前記ねじ溝が形成された可変ねじ溝形成部材と、概して中空円筒状をなして前記可変ねじ溝形成部材をその可変ねじ溝形成部材の前記伸縮を許容しつつ保持するナット本体とを含み、前記可変ねじ溝形成部材の軸方向の中間部の1点が前記ナット本体に相対移動不能に連結することにより、前記ねじ軸から前記ボールを介して可変ねじ溝形成部材に伝達される力をナット本体が受けるようにしたことを特徴とする。
いずれにしても、本電気式サスペンション装置においては、ねじ軸とナットとの軸方向の相対移動により、ナットがねじ軸のリード角の小さい端部と係合するに到れば、リード角の大きい中央部と係合していた状態と比較して、回転電気機械の同じ回転トルクに対応する軸方向の力が大きくなる。本電気式サスペンション装置をアブソーバとして機能させる場合には、バネ上部とバネ下部との同じ相対移動速度に対して大きな減衰力を発生させることができ、アクチュエータとして機能させる場合には、回転電気機械の同じ駆動トルクにより大きな軸方向力を発生させることができるのである。
それによって、使用頻度が高い小ストローク領域では回転電気機械の制御性を高く保ちつつ、ストロークエンド近傍では回転電気機械の回転トルクを有効に軸方向力に変換することが可能となり、回転電気機械,バウンドストッパ,リバウンドストッパ等の少なくとも1つの小形化が可能となって、電気式サスペンション装置の実用性が向上する効果が得られる。
しかも、ねじ軸の長手方向の少なくとも一方の端部近傍部においてそのねじ軸のねじ溝を展開図において一円弧に沿って湾曲するリード角漸減部とするとともに、ナットを、内周面にねじ溝が形成されるとともに、軸方向に伸縮する弾性変形が可能な可変ねじ溝形成部材と、その可変ねじ溝形成部材をその可変ねじ溝形成部材の伸縮を許容しつつ保持し、かつ、ねじ軸から前記ボールを介して可変ねじ溝形成部材に伝達される力を受けるナット本体とを含むものとした態様においては、ねじ軸のリード角が変化する殆どの領域で、可変ねじ溝形成部材の弾性変形量が連続的に変化することとなり、可変ねじ溝形成部材を弾性変形させるために必要な回転部材の回転トルクも連続的に変化することとなって、電気式サスペンション装置の設計が容易となり、あるいは回転電気機械の制御が容易となる効果が得られる。
また、ナットを、概して螺旋形状を成して軸方向に伸縮する弾性変形が可能な螺旋状部材の内周面にねじ溝が形成された可変ねじ溝形成部材と、概して中空円筒状をなして可変ねじ溝形成部材をその可変ねじ溝形成部材の伸縮を許容しつつ保持するナット本体とを含むものとし、かつ、可変ねじ溝形成部材の軸方向の中間部の1点をナット本体に相対移動不能に連結することにより、ねじ軸からボールを介して可変ねじ溝形成部材に伝達される力をナット本体が受けるようにした態様においては、可変ねじ溝形成部材がナット本体に連結される一点の両側において弾性変形により伸縮することが可能となる効果が得られる。しかも、可変ねじ溝形成部材のナット本体に対する自由な移動は防止され、かつ、その連結点において、可変ねじ溝形成部材とナット本体との間の力の伝達が可能である。
前記ねじ軸と前記ナットとのいずれか一方である回転部材に接続され、その回転部材の回転と共に回転トルクを生じさせる回転電気機械と、
その回転電気機械を固定的に保持する第1部材と、
その第1部材と軸方向に相対移動可能であり、前記ねじ軸と前記ナットとの他方である非回転部材と接続された第2部材と
を含み、前記第1部材が車両のバネ上部とバネ下部との一方に連結され、前記第2部材がバネ上部とバネ下部との他方に連結され、バネ上部とバネ下部とにそれらの接近離間方向の力を加える電気式サスペンション装置であって、
前記ねじ軸のねじ溝のリード角がそのねじ軸の長手方向の少なくとも一方の端部近傍部において中間部に比較して小さくされるとともに、前記ナットが、内周面に前記ねじ溝が形成されるとともに、軸方向に伸縮する弾性変形が可能な可変ねじ溝形成部材と、その可変ねじ溝形成部材をその可変ねじ溝形成部材の前記伸縮を許容しつつ保持し、かつ、前記ねじ軸から前記ボールを介して可変ねじ溝形成部材に伝達される力を受けるナット本体とを含むものとされたことを特徴とする電気式サスペンション装置。
(2)前記ねじ軸の前記長手方向の少なくとも一方の端部近傍部において、前記ねじ溝が展開図において一円弧に沿って湾曲する形状とされた(1)項に記載の電気式サスペンション装置。
ねじ軸のねじ溝のリード角が段階的に小さくなるようにすることも可能である、例えば、ねじ軸の少なくとも一方の端部に最も近い部分においてリード角を小さくし、中央部において大きくし、それら両部分の間において中間の大きさとするというように、ねじ溝が展開図において概して折れ線を描き、各折れ点近傍部に丸味が付けられた状態となる形状とするのである。しかし、このようにすると、可変ねじ溝形成部材の先端部が折れ点近傍部に達するごとに可変ねじ溝形成部材を弾性変形させるために必要な回転トルクが段階的に変化することとなるため、回転電気機械の制御が複雑になる。
それに対し、本項の構成を採用すれば、ねじ軸のリード角が変化する殆どの領域で、可変ねじ溝形成部材の弾性変形量が連続的に変化することとなり、可変ねじ溝形成部材を弾性変形させるために必要な回転部材の回転トルクも連続的に変化することとなって、電気式サスペンション装置の設計が容易となり、あるいは回転電気機械の制御が容易となる効果が得られる。
(3)前記ねじ軸の前記長手方向の中間部において、前記ねじ溝のリード角が一定とされた(1)項または(2)項に記載の電気式サスペンション装置。
リード角が一定であれば、可変ねじ溝形成部材とねじ軸との係合位置の変化に関わらず、可変ねじ溝形成部材の弾性変形量が一定(0も含む)で済み、回転電気機械の特に微妙な制御が要求される電気式サスペンション装置の中立位置近傍(小ストローク領域)において、可変ねじ溝形成部材を弾性変形させるために必要な回転電気機械の回転トルクが不要となるか、必要な場合でもほぼ一定となり、回転電気機械の制御が容易となる効果が得られる。特に、可変ねじ溝形成部材を弾性変形させるために必要な回転電気機械の回転トルクが不要となる場合には、回転電気機械を作動させるための電気エネルギが少なくて済む効果も得られる。
(4)前記ナット本体が概して中空円筒状を成し、前記可変ねじ溝形成部材が概して螺旋形状を成す螺旋部材とされ、その螺旋部材が前記ナット本体の内周側に軸方向に相対移動可能に嵌合され、その螺旋部材の軸方向の中間部の1点が前記中空円筒状のナット本体に相対移動不能に連結された(1)項ないし(3)項のいずれかに記載の電気式サスペンション装置。
可変ねじ溝形成部材の軸方向の中間部の1点をナット本体に相対移動不能に連結すれば、可変ねじ溝形成部材はその一点の両側において弾性変形により伸縮することが可能である。しかも、可変ねじ溝形成部材のナット本体に対する自由な移動は防止され、かつ、その連結点において、可変ねじ溝形成部材とナット本体との間の力の伝達が可能である。
ただし、「1点」あるいは「連結点」と言っても、力の伝達が可能な大きさの連結構造は必要であって、幾何学的な意味での点ではない。
なお、前記特許文献2に記載されているように、可変ねじ溝形成部材の一端とナット本体とを相対移動不能に固定することも考えられる。しかし、ナット本体に固定された一端はナット本体に対して軸方向に相対移動不能であるのに対し、その一端から離れた部分は可変ねじ溝形成部材の弾性変形によって容易にナット本体に対して軸方向に相対移動し得るため、これら両部分を共にボールを介してねじ軸と係合させれば、軸方向の力の伝達は殆ど固定の一端の近傍部分に保持されたボールによって行われ、固定の一端から離れた部分をボール介してねじ軸に係合させる意味が殆ど失われてしまう。
この事態を回避するためには、可変ねじ溝形成部材のナット本体に固定される一端の近傍部においてはねじ溝の横断面形状を大きくする等により、ボールが余裕を持って収容され、可変ねじ溝形成部材とねじ軸との間の軸方向の力の伝達には関与しないようにし、固定された一端から離れた部分においてのみ、可変ねじ溝形成部材がボールを介してねじ軸と係合し、その部分のボールのみが力の伝達に寄与するようにすればよい。
本項の構成は、上記の、一端がナット本体に固定された可変ねじ溝形成部材に、同じ構造の可変ねじ溝形成部材を180度反転させたものを結合したものに相当する。このようにすれば、可変ねじ溝形成部材はナット本体への固定部(連結部)の両側でねじ軸とボールを介して係合することとなり、可変ねじ溝形成部材の姿勢を安定させることが容易となる。
(5)前記可変ねじ溝形成部材の前記軸方向の中間部に第1連結部が設けられ、前記ナット本体に第2連結部が設けられて、それら第1連結部と第2連結部との係合により、可変ねじ溝形成部材の前記ナット本体に対するナット本体の軸線に平行な方向の移動とその軸線まわりの相対回転とが阻止された状態で、前記可変ねじ溝形成部材が前記ナット本体に連結された(4)項に記載の電気式サスペンション装置。
(6)前記第2連結部が前記ナット本体の内周面から半径方向内向きに突出した2本のピンを含み、前記第1連結部がそれら2本のピンの各々と係合する2つの係合凹部を備えて前記可変ねじ溝形成部材に固定された係合凹部形成部材を含む(5)項に記載の電気式サスペンション装置。
本項の特徴によれば、可変ねじ溝形成部材をナット本体に固定するための連結部の構成が特に簡単となる。
(7)前記可変ねじ溝形成部材の内周面に横断面形状がほぼ半円形である半円溝が形成され、前記可変ねじ溝形成部材の外周面に横断面形状がU字形で、前記ボールの各々の全体を収容可能なU溝が形成され、かつ、それら半円溝とU溝との端同士を滑らかに接続する接続通路が形成された(1)項ないし(6)項のいずれかに記載の電気式サスペンション装置。
各ボールが半円溝内に位置する状態では、それらボールはねじ軸のねじ溝と可変ねじ溝形成部材の半円溝とに跨がって位置することとなる。ただし、半円溝はすべての部分においてボールに密に接触し、可変ねじ溝形成部材を正確にねじ軸のねじ溝に沿った形状に保つ形状とされる必要はない。例えば、次項におけるように、有効部と無効部とを含むものとされ、さらに後述のように弾性変形漸増部や遷移部を含むものとされてもよいのである。
(8)前記可変ねじ溝形成部材の前記ねじ溝が、
前記ボールをそれらボールに密に接触して収容し、それらボールを介して前記ねじ軸の前記ねじ溝と係合し、前記ねじ軸と前記ナット本体との間の力の伝達に寄与する有効部と、
前記ねじ軸の前記ねじ溝と共同して前記ボールの通路を形成するが、前記ボールを余裕を持って収容し、前記ねじ軸と前記ナット本体との間の力の伝達には寄与しない無効部と
を含む(1)項ないし(7)項のいずれかに記載の電気式サスペンション装置。
本項の構成によれば、可変ねじ溝形成部材の全体がボールを介してねじ軸と係合させられるわけではなくなり、ボールねじの設計の自由度が向上する。次項の態様がその一例である。
(9)前記可変ねじ溝形成部材が、その可変ねじ溝形成部材の軸方向の中央部の一点において前記ナット本体に相対移動不能に連結され、その連結された被連結部の軸方向における両側の、被連結部から離れた部分に前記有効部が設けられた(8)項に記載の電気式サスペンション装置。
(10)前記可変ねじ溝形成部材を軸方向に平行な方向から見た場合に、前記有効部と前記被連結部とが互いに重なり合う(9)項に記載の電気式サスペンション装置。
可変ねじ溝形成部材は有効部においてねじ軸との間で軸方向の力の伝達を行うが、その有効部と周方向の同じ位置に被連結部が設けられていれば、力の伝達時に可変ねじ溝形成部材に作用する回転モーメントが小さくて済み、可変ねじ溝形成部材の外周面とナット本体の内周面との摺動摩擦が0となるか、あるいは小さくて済む。
(11)前記可変ねじ溝形成部材の前記ねじ溝が、さらに、
前記可変ねじ溝形成部材が前記ねじ軸の前記リード角が変化するリード角変化部と前記ボールを介して係合し始める際、その可変ねじ溝形成部材の弾性変形量を徐々に増大させる弾性変形漸増部と、
前記有効部と前記無効部との間に設けられ、前記ねじ軸と前記ナット本体との間の力の伝達に寄与する度合いを徐々に低下させる遷移部と
の少なくとも一方を含む(8)項ないし(10)項のいずれかに記載の電気式サスペンション装置。
可変ねじ溝形成部材のねじ溝に弾性変形漸増部を設ければ、実施例の項において詳細に説明するように、可変ねじ溝形成部材がねじ軸のリード角変化部とボールを介して係合し始める際、1個のボールに集中的に大きな力が作用することを回避することができる。有効部と無効部との間に遷移部を設ける場合も同様である。
(12)前記回転電気機械に接続され、その回転電気機械を電動モータとして作動させる第1制御部と、その回転電気機械を発電機として作動させる第2制御部とを備えた制御装置を含む(1)項ないし(11)項のいずれかに記載の電気式サスペンション装置。
電気式サスペンション装置を、電気式アブソーバとして機能させることと、電動アクチュエータとして機能させることとの両方が可能となり、特に実用性に優れた電気式サスペンション装置が得られる。
(13)外周面に螺旋状のねじ溝が形成されたねじ軸、内周面に螺旋状のねじ溝が形成されたナット、およびそれらねじ軸とナットとの両ねじ溝に跨って係合する多数のボールを含むボールねじと、
前記ねじ軸と前記ナットとのいずれか一方である回転部材に接続され、その回転部材の回転と共に回転トルクを生じさせる回転電気機械と、
その回転電気機械を固定的に保持する第1部材と、
その第1部材と軸方向に相対移動可能であり、前記ねじ軸と前記ナットとの他方である非回転部材と接続された第2部材と
を含み、前記第1部材が車両のバネ上部とバネ下部との一方に連結され、前記第2部材がバネ上部とバネ下部との他方に連結され、バネ上部とバネ下部とにそれらの接近離間方向の力を加える電気式サスペンション装置であって、
前記ナットが、
内周面に前記ねじ溝が形成されるとともに、軸方向に伸縮する弾性変形が可能な可変ねじ溝形成部材と、
その可変ねじ溝形成部材をその可変ねじ溝形成部材の前記伸縮を許容しつつ保持し、かつ、前記ねじ軸から前記ボールを介して可変ねじ溝形成部材に伝達される力を受けるナット本体と
を含むことを特徴とする電気式サスペンション装置。
可変ねじ溝形成部材の弾性係数を適切に選定することによって、可変ねじ溝形成部材に比較的周波数の高い振動を吸収する振動吸収部材としての機能を果たさせることができる。
前記特許文献1に記載されているように、バネ上部とバネ下部との相対移動(振動)のうち比較的周波数の低いものは回転電気機械の制御により除去することができるが、比較的周波数の高い振動を除去することは困難である。そこで、特許文献1に記載の電気式サスペンション装置においては、アッパーサポートに振動吸収機能を果たさせることが行われているが、本項の構成を採用すれば、アッパーサポートの振動吸収機能の一部あるいは全部を可変ねじ溝形成部材に果たさせることができる。
(1)項の電気式サスペンション装置においても、可変ねじ溝形成部材に振動吸収機能を果たさせることが可能である。しかし、(1)項のものにおいては、可変ねじ溝形成部材がねじ軸のねじ溝のリード角変化に伴って弾性変形することを許容する必要があるため、この要求と、振動吸収部材として適切な弾性係数の要求との両方を同時に満たすことが必要であり、両要求を常に満たし得るとは限らない。しかし、本項の電気式サスペンション装置においては、可変ねじ溝形成部材をねじ軸のねじ溝のリード角変化に伴って弾性変形させる必要がないため、可変ねじ溝形成部材の振動吸収機能を高めることが容易である。
なお、前記(4)項ないし(10)項の何れかに記載の特徴、(11)項の遷移部、および(12)項に記載の特徴は本項の電気式サスペンション装置にも採用可能であり、有効である。
図1に一実施例としての電気式サスペンション装置を含む車両用サスペンションシステム10を模式的に示す。本サスペンションシステム10は、前後左右の4つ車輪12の各々に対応する独立懸架式の4つのサスペンション装置を備えており、それらサスペンション装置の各々は、図2に示すように、サスペンションスプリングの一種としてのエアスプリング14と電気式サスペンション装置16とを含んでいる。電気式サスペンション装置16は、車輪12を保持してバネ下部の一部分を構成するロアアーム17と、車体に設けられてバネ上部の一部分を構成するマウント部に図示を省略するマウントゴムを介して連結される連結板18との間に、それらを連結するようにして配設され、その電気式サスペンション装置16と並列的にエアスプリング14が設けられている。
なお、ナット本体52の内周面の代わりに、あるいはその内周面に加えて、螺旋部材54の外周面にライニングを設けることも可能である。
また、螺旋部材54の外周面がナット本体52の内周面上を摺動することが当初から予定された構成とすることも可能である。
その点、本電気式サスペンション装置16においては、ねじ軸44のねじ溝56および螺旋部材54のねじ溝58の形状や寸法が、前述の通り、1個のボール60に集中的に荷重が加えられることが可及的に回避されるように決定されているため、耐久性に優れており、その点で実用性の高いものとなっている。
Claims (10)
- 外周面に螺旋状のねじ溝が形成されたねじ軸、内周面に螺旋状のねじ溝が形成されたナット、およびそれらねじ軸とナットとの両ねじ溝に跨って係合する多数のボールを含むボールねじと、
前記ねじ軸と前記ナットとのいずれか一方である回転部材に接続され、その回転部材の回転と共に回転トルクを生じさせる回転電気機械と、
その回転電気機械を固定的に保持する第1部材と、
その第1部材と軸方向に相対移動可能であり、前記ねじ軸と前記ナットとの他方である非回転部材と接続された第2部材と
を含み、前記第1部材が車両のバネ上部とバネ下部との一方に連結され、前記第2部材がバネ上部とバネ下部との他方に連結され、バネ上部とバネ下部とにそれらの接近離間方向の力を加える電気式サスペンション装置であって、
前記ねじ軸の長手方向の少なくとも一方の端部近傍部においてそのねじ軸のねじ溝が展開図において一円弧に沿って湾曲するリード角漸減部とされることにより、そのねじ溝のリード角が中間部に比較して小さくされるとともに、前記ナットが、内周面に前記ねじ溝が形成されるとともに、軸方向に伸縮する弾性変形が可能な可変ねじ溝形成部材と、その可変ねじ溝形成部材をその可変ねじ溝形成部材の前記伸縮を許容しつつ保持し、かつ、前記ねじ軸から前記ボールを介して可変ねじ溝形成部材に伝達される力を受けるナット本体とを含むものとされたことを特徴とする電気式サスペンション装置。 - 外周面に螺旋状のねじ溝が形成されたねじ軸、内周面に螺旋状のねじ溝が形成されたナット、およびそれらねじ軸とナットとの両ねじ溝に跨って係合する多数のボールを含むボールねじと、
前記ねじ軸と前記ナットとのいずれか一方である回転部材に接続され、その回転部材の回転と共に回転トルクを生じさせる回転電気機械と、
その回転電気機械を固定的に保持する第1部材と、
その第1部材と軸方向に相対移動可能であり、前記ねじ軸と前記ナットとの他方である非回転部材と接続された第2部材と
を含み、前記第1部材が車両のバネ上部とバネ下部との一方に連結され、前記第2部材がバネ上部とバネ下部との他方に連結され、バネ上部とバネ下部とにそれらの接近離間方向の力を加える電気式サスペンション装置であって、
前記ねじ軸のねじ溝のリード角がそのねじ軸の長手方向の両方の端部近傍部において中間部に比較して小さくされるとともに、前記ナットが、概して螺旋形状を成して軸方向に伸縮する弾性変形が可能な螺旋状部材の内周面に前記ねじ溝が形成された可変ねじ溝形成部材と、概して中空円筒状をなして前記可変ねじ溝形成部材をその可変ねじ溝形成部材の前記伸縮を許容しつつ保持するナット本体とを含み、前記可変ねじ溝形成部材の軸方向の中間部の1点が前記ナット本体に相対移動不能に連結されることにより、前記ねじ軸から前記ボールを介して可変ねじ溝形成部材に伝達される力をナット本体が受けるようにされたことを特徴とする電気式サスペンション装置。 - 前記螺旋状部材が、横断面形状が四角形のばね鋼製線材が螺旋状に巻かれてコイルばね状を成す螺旋部材と、その螺旋部材の軸方向の中間部の内周面および外周面と共に前記四角形の断面形状を画定する2側面の各々に固定された2つの連結部材であって、前記2側面の側とは反対側の各側面にそれぞれ係合溝が形成されたものとを含み、前記ナット本体に、そのナット本体の内周面から半径方向に突出する2つの連結突起が設けられ、それら2つの連結突起の各々が、前記2つの連結部材の係合溝の各々に係合させられることにより、前記可変ねじ溝形成部材の軸方向の中間部の1点が前記ナット本体に相対移動不能に連結された請求項2に記載の電気式サスペンション装置。
- 前記ねじ軸の前記長手方向の両方の端部近傍部において、前記ねじ溝が展開図において一円弧に沿って湾曲するリード角漸減部とされることにより、そのねじ溝のリード角が中間部に比較して小さくされた請求項2または3に記載の電気式サスペンション装置。
- 前記可変ねじ溝形成部材の前記ねじ溝が、
前記ボールをそれらボールに密に接触して収容し、それらボールを介して前記ねじ軸の前記ねじ溝と係合し、前記ねじ軸と前記ナット本体との間の力の伝達に寄与する有効部と、
前記ねじ軸の前記ねじ溝と共同して前記ボールの通路を形成するが、前記ボールを余裕を持って収容し、前記ねじ軸と前記ナット本体との間の力の伝達には寄与しない無効部と
を含む請求項1ないし4のいずれかに記載の電気式サスペンション装置。 - 前記ねじ軸の前記長手方向の中間部において、前記ねじ溝のリード角が一定とされた請求項1ないし5のいずれかに記載の電気式サスペンション装置。
- 前記回転電気機械に接続され、その回転電気機械を電動モータとして作動させる第1制御部と、その回転電気機械を発電機として作動させる第2制御部とを備えた制御装置を含む請求項1ないし6のいずれかに記載の電気式サスペンション装置。
- 前記ねじ軸のねじ溝が、展開図において一円弧に沿って湾曲するリード角漸減部を有し、前記可変ねじ溝形成部材の前記ねじ溝が、
前記ねじ軸のねじ溝のリード角漸減部に対応して均一な曲率半径で弾性的に湾曲する均一曲率半径湾曲部と、
前記ねじ軸のねじ溝との共同で前記多数のボールの通過を許容する通路を形成するが、それらボールを拘束することがなく、前記可変ねじ溝形成部材が自由な形状に弾性変形することを許容する自由変形部と、
それら均一曲率半径湾曲部と自由変形部との間に形成されて前記ねじ軸から前記ボールを介して受ける軸方向の荷重が可及的に均等になる形状とされた均等荷重湾曲部と
を含む請求項1ないし6のいずれかに記載の電気式サスペンション装置。 - 前記ねじ軸のねじ溝が、展開図において一円弧に沿って湾曲するリード角漸減部を有し、前記可変ねじ溝形成部材の前記ねじ溝が、
前記ねじ軸の前記ねじ溝の前記リード角漸減部に対応して均一な曲率半径で弾性的に湾曲する均一曲率半径湾曲部と、
前記ねじ軸の前記ねじ溝との共同で前記多数ボールの通過を許容する通路を形成するが、それらボールを拘束することがなく、前記可変ねじ溝形成部材が自由な形状に弾性変形することを許容する自由変形部と、
それら均一曲率半径湾曲部と自由変形部との間に、前記均一曲率半径湾曲部において前記ねじ軸の前記ねじ溝との共同で前記ボールを拘束している状態から、前記自由変形部においてボールを拘束しない状態に滑らかに移行させるために設けられ、前記ボールの一部のものに集中的に荷重が加えられることを回避する機能を果たす遷移部と
を含む請求項1ないし6のいずれかに記載の電気式サスペンション装置。 - 前記可変ねじ溝形成部材が、横断面形状が四角形のばね鋼製線材が螺旋状に巻かれて、コイルばね状を成し、内周面に横断面形状が半円弱である半円溝が前記ねじ溝として形成される一方、外周面に横断面形状がU字形をなすU溝が形成された螺旋部材を含み、その螺旋部材の先端に接続通路形成部材が固定され、その接続通路形成部材により、前記半円溝と前記U溝とを接続する接続通路が形成された請求項1ないし9のいずれかに記載の電気式サスペンション装置。
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