JP6147719B2 - 電磁ダンパ - Google Patents

電磁ダンパ Download PDF

Info

Publication number
JP6147719B2
JP6147719B2 JP2014249013A JP2014249013A JP6147719B2 JP 6147719 B2 JP6147719 B2 JP 6147719B2 JP 2014249013 A JP2014249013 A JP 2014249013A JP 2014249013 A JP2014249013 A JP 2014249013A JP 6147719 B2 JP6147719 B2 JP 6147719B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nut
screw shaft
nuts
electromagnetic damper
screw
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2014249013A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016109250A (ja
Inventor
貴史 加藤
貴史 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
Priority to JP2014249013A priority Critical patent/JP6147719B2/ja
Publication of JP2016109250A publication Critical patent/JP2016109250A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6147719B2 publication Critical patent/JP6147719B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、ねじ軸に対する複数のナットの直線運動をねじ軸の回転運動に変換し、この回転運動を電動機に伝達して、電動機において振動減衰力を発生させる電磁ダンパに関する。
特許文献1では、リード角が軸方向に関して変化するねじ軸を含むボールねじを電気式サスペンション装置に適用することにより、電気式サスペンション装置の実用性を向上させることを課題としている([0004]、要約)。
当該課題を解決するため、特許文献1では、ボールねじ52のねじ軸44を、ねじ溝56のリード角がねじ軸44の両端部において漸減するものとする。一方、ボールねじ52のナット48を、ナット本体52と弾性変形可能な螺旋部材54とを含むものとし、ねじ軸44のねじ溝56と螺旋部材54のねじ溝58との間に多数のボール60を介在させる。ねじ軸44のリード角の変化を螺旋部材54の弾性変形により吸収させる。これにより、回転電気機械40に発生する回転モーメントの効き目を、バウンド限界又はリバウンド限界近傍において大きくすることを企図している(要約)。
特開2009−029246号公報
上記のように、特許文献1では、ねじ軸44の両端部においてリード角が激減するねじ溝56と、弾性変形可能な螺旋部材54とを組み合わせることにより、回転電気機械40に発生する回転モーメントの効き目を、バウンド限界又はリバウンド限界近傍において大きくすることを企図している(要約)。
しかしながら、電磁ダンパの振動減衰特性を向上する観点からすれば、特許文献1には、改善の余地がある。例えば、特許文献1では、螺旋部材54が弾性変形可能なものであるため、ナット本体52側の剛性が低下し、防音性能又は乗り心地に影響がでるおそれがある。
本発明は上記のような課題を考慮してなされたものであり、振動減衰特性を向上可能な電磁ダンパを提供することを目的とする。
本発明に係る電磁ダンパは、ねじ軸に対する第1ナット及び第2ナットの直線運動を前記ねじ軸の回転運動に変換し、前記回転運動を電動機に伝達して、前記電動機において振動減衰力を発生させるものであって、前記ねじ軸には、第1ねじ溝と、前記第1ねじ溝とリードが異なり且つ前記第1ねじ溝と交差せずに位相をずらして配置される第2ねじ溝とが形成され、前記第1ナットは、前記第1ねじ溝に対応して前記ねじ軸に螺合し、前記第2ナットは、前記第2ねじ溝に対応して前記ねじ軸に螺合し、前記電磁ダンパは、前記第1ナットと前記第2ナットとの相対回転角度の変化を規制する相対回転規制部材をさらに備えることを特徴とする。
本発明によれば、第1ナットに対応する第1ねじ溝と第2ナットに対応する第2ねじ溝とはリードが異なる。このため、相対回転規制部材により第1ナットと第2ナットの相対回転が規制された状態で、両ナットがねじ軸に対して軸方向に変位すると、両ナットは軸方向における互いの距離を変化させる。従って、第1ナットと第2ナットの距離が増加又は減少するに連れて、両ナットとねじ軸との間に作用する摩擦力が徐々に増大する。よって、両ナット側とねじ軸側との間に生じる衝撃を緩和することが可能となる。その結果、例えば、衝撃音の低減又は急激な振動を抑制することで、電磁ダンパの振動減衰特性を向上することが可能となる。
前記電磁ダンパは、前記第1ナットと前記第2ナットとを連結し、前記ねじ軸の軸方向における前記第1ナットと前記第2ナットとの間の距離の変化に応じて伸縮する弾性部材を有してもよい。これにより、第1ナットと第2ナットの距離が増加又は減少するに連れて、弾性部材からの反力が大きくなる。従って、両ナットとねじ軸との間に発生する摩擦力の増加を緩やかにすることで、両ナット側とねじ軸側との間に生じる衝撃をさらに緩和することが可能となる。加えて、摩擦力の増加を緩やかにすることは、両ナットのストローク範囲を拡大することにも寄与する。これらの結果、電磁ダンパの振動減衰特性をさらに向上することができる。
前記弾性部材は、前記第1ナットと前記第2ナットの間に配置されたばねであってもよい。これにより、例えば、ゴム等と比較して弾性力が大きいばねを用いることにより、ねじ軸側と両ナット側の間に生じる衝撃の緩和又は両ナットのストローク範囲の拡大を実現し易くなる。
前記相対回転規制部材は、前記第1ナット及び前記第2ナットのうち一方のナットにおいて前記ねじ軸の軸方向に沿って他方のナットに向かって延在する突出棒と、前記他方のナットにおいて前記軸方向に沿って形成されると共に前記突出棒が進退可能な凹部とを備えてもよい。これにより、ねじ軸の軸方向における第1ナットと第2ナットとの相対変位を許容しつつ、両ナットの相対回転を規制する構成を比較的簡易に実現することが可能となる。
前記弾性部材が、前記第1ナットと前記第2ナットの間に挟持されたコイルばねである場合、前記突出棒は、前記コイルばねを貫通するように配置されてもよい。これにより、コイルばねの位置決めを容易化することが容易となる。
本発明によれば、電磁ダンパの振動減衰特性を向上することが可能となる。
本発明の一実施形態に係る電磁ダンパの第1状態を簡略的に示す正面断面図である。 前記実施形態に係る前記電磁ダンパの第2状態を簡略的に示す正面断面図である。 前記実施形態のナット連結部を示す図である。 前記実施形態の前記ナット連結部の一部を拡大して示す図である。 前記実施形態におけるねじ軸の回転角と第1ナット及び第2ナットのストロークとの関係を示す図である。 変形例におけるねじ軸の回転角と第1ナット及び第2ナットのストロークとの関係を示す図である。
A.一実施形態
[1.電磁ダンパ10の構成]
(1−1.全体構成)
図1は、本発明の一実施形態に係る電磁ダンパ10(以下「ダンパ10」ともいう。)の第1状態を簡略的に示す正面断面図である。図2は、電磁ダンパ10の第2状態を簡略的に示す正面断面図である。ここにいう第1状態は、図示しない車輪側(図1中、下側)から外力が加わっていない一状態である。また、第2状態は、前記車輪側(図2中、下側)から上方向に(いわゆるダンプ方向に)外力Fwが加わっている一状態である。本実施形態のダンパ10は、車両のサスペンション装置の一部を構成する。従って、前記サスペンション装置には、ダンパ10に加え、図示しないばね(例えば、コイルばね)を一緒に設けることができる。
ダンパ10は、連結部20と、インナチューブ22とを車輪側の部材として備える。また、ダンパ10は、アウタチューブ30と、ねじ軸32と、軸受34と、モータ36とを車体側の部材として備える。さらに、ダンパ10は、インナチューブ22、ねじ軸32等から構成されるストッパ機構40を備える。以下では、連結部20、インナチューブ22、アウタチューブ30、ねじ軸32及び軸受34を備えるものを電磁ダンパ本体42ともいう。
(1−2.車輪側)
(1−2−1.概要)
連結部20は、サスペンション装置のナックル(図示せず)に固定されることで、車輪に連結される。
インナチューブ22は、アウタチューブ30の内部に配置された円筒状部材である。インナチューブ22の車輪側(図1中、下側)には下底部50が形成されて閉塞されている。下底部50には、連結部20が回転可能に連結されている。また、インナチューブ22の車体側(図1中、上側)には、第1ナット52と、第2ナット54と、ナット連結部56とが配置される。
第1ナット52(以下「ナット52」ともいう。)は、インナチューブ22に固定されているが、第2ナット54(以下「ナット54」ともいう。)は、ナット連結部56を介してインナチューブ22に連結される。これにより、第2ナット54は、軸方向X1、X2において第1ナット52及びインナチューブ22に対して進退可能である。反対に、車輪側(図1中、下側)の第1ナット52をインナチューブ22に固定せず、車体側の第2ナット54をインナチューブ22に固定することも可能である。なお、図1のナット52、54は基準位置にあり、ナット52、54それぞれのストロークS1、S2(X1、X2方向)がゼロである。
第1ナット52及び第2ナット54には、ねじ軸32の通過孔を形成する雌ねじ部60、62を除き閉塞されている。本実施形態においてナット52、54の雌ねじ部60、62のリード(ねじ軸32の回転角θsc[°]に対応する軸方向X1、X2における変位量)は異なる(詳細は、ねじ軸32との関係で後述する。)。雌ねじ部60、62(ナット52、54の内周面)には、複数の鋼球64a、64b(図4)が配置される。インナチューブ22の内部には、ねじ軸32の進退を許容する空間66が形成されている。
本実施形態のナット52、54はいずれも弾性を有さない部材(例えば、金属)であるが、特許文献1と同様、一部に弾性を持たせることも可能である。
インナチューブ22は、アウタチューブ30の内部において、アウタチューブ30に対してねじ軸32の軸方向X1、X2へ進退可能且つ回転可能に収容されている。
インナチューブ22の先端側(図1中、上側)の外周面には、円環状のメタルブッシュ70が固定されている。メタルブッシュ70は、アウタチューブ30の内周面に面して配置され、インナチューブ22がアウタチューブ30の内部を進退することを容易にする。
(1−2−2.ナット連結部56)
図3は、本実施形態のナット連結部56を示す図である。図4は、本実施形態のナット連結部56の一部を拡大して示す図である。図3及び図4に示すように、ナット連結部56は、回り止め機構80と、複数のコイルばね82(弾性部材)とを有する。
回り止め機構80は、第1ナット52と第2ナット54との相対回転を規制する。図3に示すように、回り止め機構80は、複数の突出棒90と、複数の凹部92とを有する。各突出棒90は、第2ナット54においてねじ軸32の軸方向X1、X2に沿って第1ナット52に向かって延在する。本実施形態の各突出棒90は、コイルばね82を貫通するように配置される。凹部92は、第1ナット52において軸方向X1、X2に沿って形成されると共に突出棒90が進退可能である。突出棒90及び凹部92の位置はこれに限らない(詳細は後述する。)。
コイルばね82は、軸方向X1、X2における第1ナット52及び第2ナット54の変位に応じて伸縮する。例えば、ねじ軸32の回転に伴って両ナット52、54が接近する方向に付勢された場合、コイルばね82は、両ナット52、54を離間させる方向に両ナット52、54を付勢する。これにより、コイルばね82が存在しない場合と比較して、両ナット52、54の距離Dn[m]は縮まらない。
また、ねじ軸32の回転に伴って両ナット52、54が離間する方向に付勢された場合、コイルばね82は、両ナット52、54を接近させる方向に両ナット52、54を付勢する。これにより、コイルばね82が存在しない場合と比較して、両ナット52、54の距離Dnは拡がらない。なお、ナット52、54を接近させる方向にナット52、54を付勢する観点からすれば、コイルばね82をナット52、54それぞれに固定することが好ましいが、コイルばね82をナット52、54に固定しないことも可能である。後述するように、コイルばね82は、その他の弾性部材としてもよい。
(1−3.車体側)
アウタチューブ30は、車体の一部を構成するハウジング100に固定された円筒状部材である。アウタチューブ30の車輪側(図1中、下側)には下底部102が形成され、インナチューブ22の通過孔104を除き閉塞されている。また、アウタチューブ30の車体側(図1中、上側)は、ハウジング100に固定されている。アウタチューブ30の内部には、インナチューブ22の進退を許容する空間106が形成されている。本実施形態のアウタチューブ30は、ハウジング100に固定されているため、回転不可である。
アウタチューブ30の先端側(図1中、下側)の内周面には、円環状のメタルブッシュ108が固定されている。メタルブッシュ108は、インナチューブ22の外周面に面して配置され、インナチューブ22がアウタチューブ30の内部を進退することを容易にしている。
ねじ軸32は、モータ36の出力軸110(以下「モータ出力軸110」ともいう。)と同軸上(軸Ax上)においてカップリング112を介してモータ出力軸110に連結されている。また、ねじ軸32は、ハウジング100内に配置された軸受34に支持される。これらにより、ねじ軸32が回転しても、軸方向X1、X2におけるねじ軸32の位置は変化しない。ねじ軸32は、モータ出力軸110自体であってもよい。或いは、ねじ軸32は、モータ出力軸110と平行に配置され、減速機を介してモータ出力軸110に連結されてもよい。
図1等に示すように、本実施形態のねじ軸32には、第1ねじ溝120(以下「ねじ溝120」ともいう。)と第2ねじ溝122(以下「ねじ溝122」ともいう。)が形成される。第2ねじ溝122は、第1ねじ溝120とリードが異なる。このため、例えば、図1において下側のピッチP1(第1ねじ溝120と第2ねじ溝122の間隔)は、上側のピッチP2と比較して狭くなっている。また、第2ねじ溝122は、第1ねじ溝120と交差せずに位相をずらして配置される。
なお、図1及び図2では、第1ナット52と第1ねじ溝120の組合せを視覚的に容易化するため、第1ナット52と第1ねじ溝120には同じ模様を付している。同様に、第2ナット54と第2ねじ溝122の組合せを視覚的に容易化するため、第2ナット54と第2ねじ溝122には同じ色(グレー)での色付けを行っている。これらの模様の付与又は色付けは、ナット52、54及びねじ溝120、122に実際に行われている訳ではないことに留意されたい。
本実施形態における軸受34は、アンギュラ玉軸受である。このため、ラジアル方向(径方向)のみでなく、スラスト方向(軸方向X1、X2)の荷重を受けることが可能である。従って、ねじ軸32にスラスト方向の荷重が発生しても、当該スラスト方向の荷重がモータ36に伝達することを防止することが可能となる。軸受34は、アンギュラ玉軸受以外の軸受であってもよい。
ねじ軸32の先端側(図1中、下側)には、ねじ軸32がインナチューブ22から抜けるのを防ぐ抜止め130が配置されている。
モータ36は、図示しないモータコントローラからの指令に応じて、ねじ軸32に動力(反力)を伝達可能である。例えば、モータコントローラは、図示しない横加速度センサが検出した横加速度[m/s/s]又は図示しないヨーレートセンサが検出したヨーレート[rad/s]に応じてモータ36の出力(又はモータ36への目標電流)を制御する。或いは、モータコントローラは、電磁ダンパ10のストローク速度Vd[mm/s]に応じてモータ36の出力を制御することもできる。或いは、モータコントローラは、ねじ軸32の回転速度[deg/s]が所定の閾値(回転速度閾値)以下となるようにモータ36をフィードバック制御してもよい。或いは、モータコントローラによる制御なしに単なる発電手段としてモータ36を機能させてもよい。
(1−4.ストッパ機構40)
(1−4−1.ストッパ機構40の構成)
ストッパ機構40は、車輪側(インナチューブ22等)から車体側(アウタチューブ30等)に対して加えられる衝撃力(外力Fw)を緩和する。本実施形態のストッパ機構40は、ねじ軸32、第1ナット52、第2ナット54及びナット連結部56により構成される。
上記のように、ねじ軸32には、第1ねじ溝120と第2ねじ溝122が形成される。第2ねじ溝122は、第1ねじ溝120とリードが異なり且つ第1ねじ溝120と交差せずに位相をずらして配置される。第1ナット52は、第1ねじ溝120に対応してねじ軸32に螺合し、第2ナット54は、第2ねじ溝122に対応してねじ軸32に螺合する。従って、ねじ軸32の回転角θsc[°]に対する第1ナット52及び第2ナット54のストロークS1、S2[m]は相違する。
このため、回り止め機構80により第1ナット52と第2ナット54の相対回転が規制された状態で、ナット52、54がねじ軸32に対して軸方向X1、X2に変位すると、ナット52、54は軸方向X1、X2における互いの距離Dnを変化させる。従って、両ナット52、54の距離Dnが基準値から拡がる又は縮むに連れて、ナット52、54とねじ軸32との間の摩擦力Ffが増大する。
例えば、ナット52、54の距離Dnが拡がる場合(ナット52、54が離間する場合)、第1ナット52に対応する鋼球64aは、下側(X2方向)に向かって第1ねじ溝120を付勢する(図4の矢印A2参照)。また、第2ナット54に対応する鋼球64bは、上側(X1方向)に向かって第2ねじ溝122を付勢する(図4の矢印A1参照)。このため、距離Dnが拡がるに連れて、ナット52、54からねじ溝120、122に対して付与される圧力は増大し、ナット52、54とねじ溝120、122との間の摩擦力Ffが増大する。
同様に、ナット52、54の距離Dnが縮まる場合(ナット52、54が接近する場合)、第1ナット52に対応する鋼球64aは、上側(X1方向)に向かって第1ねじ溝120を付勢する。また、第2ナット54に対応する鋼球64bは、下側(X2方向)に向かって第2ねじ溝122を付勢する。この場合も、距離Dnが縮まるに連れて、ナット52、54からねじ溝120、122に対して付与される圧力は増大し、ナット52、54とねじ溝120、122との間の摩擦力Ffが増大する。
よって、ナット52、54とねじ軸32との相対的な変位速度を低下させ、ナット52、54の距離Dnが最大値又は最小値になったときにねじ軸32側とナット52、54側の間に生じる衝撃を緩和することが可能となる。その結果、電磁ダンパ10の振動減衰特性を向上することができる。
本実施形態において、第1ナット52の鋼球64aと第2ナット54の鋼球64bは同じ大きさのものを用いる。或いは、第1ナット52の鋼球64aを、第2ナット54の鋼球64bよりも大きく又は小さくしてもよい。第1ナット52の鋼球64aを、第2ナット54の鋼球64bよりも大きくした場合、第2ナット54からねじ軸32に付与する圧力を、第1ナット52と比較して大きくすることが可能となる。
(1−4−2.回転角θscとストロークS1、S2との関係)
図5は、本実施形態におけるねじ軸32の回転角θscと第1ナット52及び第2ナット54のストロークS1、S2との関係を示す図である。図5の回転角θscは、いわゆるリバウンド方向(車輪が車体から離れる方向)を正とし、いわゆるバンプ方向(車輪が車体に近づく方向)を負としている。
図5に示すように、第1ナット52と第2ナット54とで回転角θscに対するストロークS1、S2の変化の度合いが異なっている。具体的には、回転角θscに対するストロークS1、S2の変化の度合いは、第1ナット52の方が大きい。例えば、回転角θscが0°から360°に変化した場合、第2ナット54のストロークS2の変化量よりも、第1ナット52のストロークS1の変化量の方が大きい。
第1ナット52と第2ナット54とで回転角θscに対するストロークS1、S2の変化の度合いが異なることにより、ねじ軸32の回転に応じてナット52、54間の距離Dnが増減する。また、本実施形態では、リバウンド方向とバンプ方向の両方について摩擦力Ffを増加させて、ナット52、54の変位速度(ストロークS1、S2の変化速度)を下げることができる。
図5では、ナット52、54間のピッチの基準位置Prefを、ねじ軸32の回転角θscの基準位置(=0°)に置いている。図5では、ストロークS1、S2の変化速度を低減可能な領域を速度低減領域Rdとして示している。図5の速度低減領域Rdは、ストロークS1、S2の変化速度が相対的に低い領域を視覚的に分かり易くすることを意図したものであり、厳密な範囲が定義づけられている訳ではないことに留意されたい。
[2.本実施形態における効果]
以上のような本実施形態によれば、第1ナット52に対応する第1ねじ溝120と第2ナット54に対応する第2ねじ溝122とはリードが異なる(図1)。このため、回り止め機構80(相対回転規制部材)によりナット52、54の相対回転が規制された状態で、ナット52、54がねじ軸32に対して軸方向X1、X2に変位すると、ナット52、54は軸方向X1、X2における互いの距離Dnを変化させる(図5参照)。従って、ナット52、54の距離Dnが増加又は減少するに連れて、ナット52、54とねじ軸32との間に作用する摩擦力Ffが徐々に増大する。よって、ナット52、54側とねじ軸32側との間に生じる衝撃を緩和することが可能となる。その結果、例えば、衝撃音の低減又は急激な振動を抑制することで、電磁ダンパ10の振動減衰特性を向上することが可能となる。
本実施形態において、電磁ダンパ10は、第1ナット52と第2ナット54とを連結し、ねじ軸32の軸方向X1、X2における両ナット52、54の距離Dnの変化に応じて伸縮するコイルばね82(弾性部材)を有する(図3)。これにより、ナット52、54の距離Dnが増加又は減少するに連れて、コイルばね82からの反力が大きくなる。従って、ナット52、54とねじ軸32との間に発生する摩擦力Ffの増加を緩やかにすることで、ナット52、54側とねじ軸32側との間に生じる衝撃をさらに緩和することが可能となる。加えて、摩擦力Ffの増加を緩やかにすることは、ナット52、54のストロークS1、S2の範囲を拡大することにも寄与する。これらの結果、電磁ダンパ10の振動減衰特性をさらに向上することができる。
本実施形態において、弾性部材としてのコイルばね82(図3)は、第1ナット52と第2ナット54の間に挟持されたばねである。これにより、例えば、ゴム等と比較して弾性力が大きいばねを用いることにより、ねじ軸32側と両ナット52、54側の間に生じる衝撃の緩和又は両ナット52、54のストロークS1、S2の範囲の拡大を実現し易くなる。
本実施形態において、回り止め機構80(相対回転規制部材)は、第2ナット54においてねじ軸32の軸方向X1、X2に沿って第1ナット52に向かって延在する突出棒90と、第1ナット52において軸方向X1、X2に沿って形成されると共に突出棒90が進退可能な凹部92とを備える(図3)。これにより、ねじ軸32の軸方向X1、X2における両ナット52、54の相対変位を許容しつつ、両ナット52、54の相対回転を規制する構成を比較的簡易に実現することが可能となる。
本実施形態において、突出棒90は、コイルばね82を貫通するように配置される(図3)。これにより、コイルばね82の位置決めを容易化することが容易となる。
B.変形例
なお、本発明は、上記実施形態に限らず、本明細書の記載内容に基づき、種々の構成を採り得ることはもちろんである。例えば、以下の構成を採用することができる。
[1.適用対象]
上記実施形態では、電磁ダンパ10を車両のサスペンション装置に適用した例を説明した。しかしながら、例えば、ストッパ機構40の機能に着目すれば、これに限らない。例えば、振動減衰性能を要するその他の装置(例えば、製造装置又はエレベータ)に電磁ダンパ10を適用することも可能である。
[2.電磁ダンパ10]
(2−1.全体構成)
上記実施形態では、車輪側にインナチューブ22及びナット52、54を設け、車体側にアウタチューブ30、ねじ軸32及びモータ36を設けた(図1)。しかしながら、例えば、ストッパ機構40の機能に着目すれば、これに限らない。例えば、車輪側にアウタチューブ30、ねじ軸32及びモータ36を設け、車体側にインナチューブ22及びナット52、54を設けることも可能である。
(2−2.ストッパ機構40)
(2−2−1.第1ナット52、第2ナット54、第1ねじ溝120及び第2ねじ溝122)
上記実施形態では、リバウンド方向及びバンプ方向のいずれについても速度低減領域Rdを設けた(図5)。しかしながら、例えば、複数のナット52、54及び複数のねじ溝120、122により振動減衰力Fdを変化させる観点からすれば、これに限らない。例えば、リバウンド方向又はバンプ方向の一方のみについて減衰力Fdを発生させることもできる。
図6は、変形例における第1ナット52及び第2ナット54の回転角θscとストロークS1、S2との関係を示す図である。図6の例では、ナット52、54間のピッチの基準位置Prefをバンプ方向に偏らせている。これにより、図6の例では、リバウンド方向のみについて摩擦力Ffを増加させて減衰力Fdを発生させる。
上記実施形態では、2本のねじ溝120、122それぞれについて回転角θscの変化に対するストロークS1、S2の変化量を一定にした(図5)。換言すると、図5における特性の傾きを一定とした。しかしながら、例えば、複数のナット52、54及び複数のねじ溝120、122により摩擦力Ff又は減衰力Fdを変化させる観点からすれば、これに限らない。例えば、ストロークS1、S2の基準位置付近は、第1ナット52及び第2ナット54で変化量(特性の傾き)を等しくし、バンプ方向及びリバウンド方向の両方又は一方において回転角θscの絶対値が大きくなるに連れて両者の変化量(特性の傾き)を相違させることも可能である。
上記実施形態では、2つのナット52、54及び2本のねじ溝120、122を用いた(図1)。しかしながら、複数のナット52、54及び複数のねじ溝120、122により摩擦力Ff又は減衰力Fdを変化させる観点からすれば、これに限らない。例えば、ナット52、54及びねじ溝120、122の数は、3、4又はそれ以上とすることもできる。ナット52、54及びねじ溝120、122の数が3以上である場合、全てのねじ溝120、122のリードを互いに相違させてもよい。或いは、2本以上のねじ溝120、122のリードを等しくし、残りのねじ溝120、122のリードを相違させることも可能である。
(2−2−2.回り止め機構80)
上記実施形態の回り止め機構80では、第2ナット54に突出棒90を、第1ナット52に凹部92を形成した(図3)。しかしながら、例えば、第1ナット52と第2ナット54の相対回転を規制する観点からすれば、これに限らない。例えば、突出棒90を第1ナット52に形成し、凹部92を第2ナット54に形成してもよい。或いは、複数の突出棒90のうち一部を第1ナット52に形成し、残りを第2ナット54に形成し、これらの突出棒90に対応する第1ナット52と第2ナット54の位置に凹部92を形成することも可能である。
上記実施形態の回り止め機構80は、突出棒90と凹部92を有していた(図3)。しかしながら、例えば、第1ナット52と第2ナット54の相対回転を規制しつつナット52、54の距離Dnを変化させる観点からすれば、これに限らない。例えば、コイルばね82又は板ばね等の弾性部材を回り止め機構80の一部として用いることも可能である。この場合、弾性部材は、ナット52、54に固定してもよい。或いは、第1ナット52及び第2ナット54の外周に案内用凸部又は凹部を設けると共に、アウタチューブ30の内周にこれらの凸部又は凹部に対応する案内用凹部又は凸部を形成することも可能である。
或いは、第1ナット52と第2ナット54の相対回転を規制する点のみに着目すれば、回り止め機構80自体は、ナット52、54の距離Dnの変化を許容しないものであってもよい。この場合、距離Dnを変化させる力(例えば、図4の矢印A1、A2参照)に対しては、特許文献1の螺旋部材54のような部材を設けることで対応することも可能である。
(2−2−3.コイルばね82(弾性部材))
上記実施形態では、第1ナット52と第2ナット54の間に介在させる弾性部材としてコイルばね82を用いた(図3)。しかしながら、例えば、第1ナット52と第2ナット54の接近又は離間を緩和させる観点からすれば、これに限らない。例えば、コイルばね82の代わりに、その他の種類のばね(板ばね等)を用いることも可能である。或いは、コイルばね82の代わりにゴムを用いてもよい。なお、弾性部材として板ばね等を用いる場合、ナット52、54間に挟持させるのではなく、ナット52、54の外周を連結するように配置することも可能である。
上記実施形態では、コイルばね82を複数設けたが(図3)、例えば、第1ナット52と第2ナット54の接近又は離間を緩和させる観点からすれば、これに限らず、コイルばね82は1つであってもよい。コイルばね82が1つである場合、コイルばね82の内部をねじ軸32が貫通するように配置してもよい。また、リードが異なるねじ溝120、122及びこれに対応するナット52、54を用いる観点からすれば、コイルばね82(弾性部材)を設けない構成も可能である。
上記実施形態では、コイルばね82を突出棒90が貫通した(図3)。しかしながら、例えば、第1ナット52と第2ナット54の接近又は離間を緩和させる観点からすれば、これに限らない。例えば、突出棒90をコイルばね82に貫通させないことも可能である。
10…電磁ダンパ 32…ねじ軸
36…モータ(電動機) 52…第1ナット
54…第2ナット
80…回り止め機構(相対回転規制部材)
82…コイルばね(弾性部材、ばね) 90…突出棒
92…凹部 120…第1ねじ溝
122…第2ねじ溝 Dn…第1ナットと第2ナットの距離
X1、X2…ねじ軸の軸方向 Fd…振動減衰力

Claims (5)

  1. ねじ軸に対する第1ナット及び第2ナットの直線運動を前記ねじ軸の回転運動に変換し、前記回転運動を電動機に伝達して、前記電動機において振動減衰力を発生させる電磁ダンパであって、
    前記ねじ軸には、第1ねじ溝と、前記第1ねじ溝とリードが異なり且つ前記第1ねじ溝と交差せずに位相をずらして配置される第2ねじ溝とが形成され、
    前記第1ナットは、前記第1ねじ溝に対応して前記ねじ軸に螺合し、
    前記第2ナットは、前記第2ねじ溝に対応して前記ねじ軸に螺合し、
    前記電磁ダンパは、前記第1ナットと前記第2ナットとの相対回転角度の変化を規制する相対回転規制部材をさらに備える
    ことを特徴とする電磁ダンパ。
  2. 請求項1に記載の電磁ダンパにおいて、
    前記第1ナットと前記第2ナットとを連結し、前記ねじ軸の軸方向における前記第1ナットと前記第2ナットとの間の距離の変化に応じて伸縮する弾性部材を有する
    ことを特徴とする電磁ダンパ。
  3. 請求項2に記載の電磁ダンパにおいて、
    前記弾性部材は、前記第1ナットと前記第2ナットの間に配置されたばねである
    ことを特徴とする電磁ダンパ。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の電磁ダンパにおいて、
    前記相対回転規制部材は、
    前記第1ナット及び前記第2ナットのうち一方のナットにおいて前記ねじ軸の軸方向に沿って他方のナットに向かって延在する突出棒と、
    前記他方のナットにおいて前記軸方向に沿って形成されると共に前記突出棒が進退可能な凹部と
    を備えることを特徴とする電磁ダンパ。
  5. 請求項2に従属する請求項4に記載の電磁ダンパにおいて、
    前記弾性部材は、前記第1ナットと前記第2ナットの間に挟持されたコイルばねであり、
    前記突出棒は、前記コイルばねを貫通するように配置される
    ことを特徴とする電磁ダンパ。
JP2014249013A 2014-12-09 2014-12-09 電磁ダンパ Expired - Fee Related JP6147719B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014249013A JP6147719B2 (ja) 2014-12-09 2014-12-09 電磁ダンパ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014249013A JP6147719B2 (ja) 2014-12-09 2014-12-09 電磁ダンパ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016109250A JP2016109250A (ja) 2016-06-20
JP6147719B2 true JP6147719B2 (ja) 2017-06-14

Family

ID=56123688

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014249013A Expired - Fee Related JP6147719B2 (ja) 2014-12-09 2014-12-09 電磁ダンパ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6147719B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6426785B2 (ja) * 2017-04-17 2018-11-21 本田技研工業株式会社 電磁サスペンション装置
CN113062486B (zh) * 2021-03-26 2022-08-02 华中科技大学 一种具有电磁阻尼的调谐粘滞惯质阻尼器
CN113464597B (zh) * 2021-08-02 2022-09-16 常州大学 一种刚度与阻尼解耦的变阻尼力金属隔振器

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH077832U (ja) * 1993-07-12 1995-02-03 黒田精工株式会社 ボールねじ式送り機構における振れ止め装置
JP2007255438A (ja) * 2006-03-20 2007-10-04 Nsk Ltd 送りねじ装置
JP4885085B2 (ja) * 2007-07-26 2012-02-29 トヨタ自動車株式会社 電気式サスペンション装置
JP5157861B2 (ja) * 2008-12-08 2013-03-06 日産自動車株式会社 電磁アクチュエータ装置および電磁アクチュエータの制御方法
JP2012170284A (ja) * 2011-02-16 2012-09-06 Toyota Motor Corp 電動シリンダ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016109250A (ja) 2016-06-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6556697B2 (ja) 広い剛性範囲を有する可変剛性アクチュエータ
JP2022023911A (ja) アクティブサスペンションシステム
JP6147719B2 (ja) 電磁ダンパ
US11945519B2 (en) Reaction force generating device and steering device
JP5497198B2 (ja) リニアアクチュエータ
US10247286B2 (en) Ball screw device
JP5315673B2 (ja) ボールねじ装置
JP2007154955A (ja) 直動アクチュエータ
WO2018211973A1 (ja) リーン車両
JP2017100672A (ja) ステアリング装置
JP6190769B2 (ja) 電磁ダンパ
JP2016008691A (ja) 電磁ダンパ
JP4985026B2 (ja) 緩衝装置
JP6455387B2 (ja) ギヤ伝動装置
JP4885085B2 (ja) 電気式サスペンション装置
JP2016008003A (ja) ステアリング装置
JP2009168098A (ja) ボールねじ装置
MX2012014960A (es) Estabilizador de longitud variable para vehiculo, y vehiculo con el estabilizador de longitud variable.
JP5839282B2 (ja) 回転慣性質量ダンパー
CN107429806B (zh) 分阶段关节凸轮
JP5358322B2 (ja) 制震装置及び制震装置の諸元設定方法
JP2016070281A (ja) ボールねじ機構
JP2018173138A (ja) 制振装置および制振システム
JP2006205851A (ja) 懸架シリンダ装置
JP5472742B2 (ja) 車両用操舵装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20161222

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170110

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170307

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170509

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170517

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6147719

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees