JP4329659B2 - 車両懸架システム - Google Patents

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Description

本発明は、スタビライザ装置と車高調整装置とを含む車両懸架システムに関するものであり、特に、スタビライザ装置がスタビライザバーの弾性力を変更するアクチュエータを有するものである車両懸架システムに関するものである。
下記特許文献1には、スタビライザバーの弾性力を変更するアクチュエータを有するスタビライザ装置の一例が記載されている。また、下記特許文献2には、エアばね内のエア量を制御することにより車高を制御する車高調整装置が記載されており、特許文献3には、液圧シリンダ内の作動液量を制御することにより車高を制御する車高調整装置が記載されている。後者の車高調整装置は自動の車高調整が可能なものである。
特表2002−518245 特開平2−106419号公報 特開平3−176219号公報
上記特許文献1に例示されているスタビライザバーの弾性力を変更可能なスタビライザ装置と、上記特許文献3に例示されている自動車高調整装置とを共に設けることは望ましいことであるが、自動車高調整装置が無駄に作動する事態が生じ易い。車高調整は、スタビライザ装置のアクチュエータが中立位置へ復帰させられ、スタビライザバーの弾性力が基準値(例えば0)となっている状態において行われることが望ましい。しかし、スタビライザ装置のアクチュエータは中立位置への復帰が許容されても、必ずしも中立位置へ復帰するとは限らない。その原因の一つは、アクチュエータ各部の摩擦抵抗が中立位置への復帰を妨げることである。そして、アクチュエータが中立位置へ復帰し切っていない状態では、スタビライザバーに基準値から外れた弾性力が作用しており、それによって車体に予定外の傾きが生じる。左右の車高が設定車高から外れるのであり、その外れを、自動車高調整装置が作動して解消する。しかし、車両の走行等に伴う振動がアクチュータに加えられることにより摩擦抵抗が減少すれば、アクチュータが中立位置へ復帰し、左右の車高が設定車高から外れることとなり、再び自動車高調整装置が作動して車高調整を行うこととなるのである。
本発明は、以上のように、スタビライザバーの弾性力を変更可能なスタビライザ装置と、自動車高調整装置とを共に設けた場合に、自動車高調整装置が無駄に作動することがある問題を解消することを課題としてなされたものである。
この課題は、車両懸架システムを、(a)左側車輪と右側車輪とをそれぞれ保持する2つの車輪保持装置と車体との間に設けられたスタビライザバーと、そのスタビライザバーの弾性力を変更する第一アクチュエータと、その第一アクチュエータを制御することにより車体の傾きを制御する第一制御装置とを備えたスタビライザ装置と、(b)前記2つの車輪保持装置と車体との間に設けられてそれら2つの車輪保持装置と車体との間の距離である車高を変更する第二アクチュエータと、前記車高を検出する車高検出装置と、その車高検出装置の検出結果に基づいて前記第二アクチュエータを制御することにより車高を制御する第二制御装置とを備えた車高調整装置と、(c)遅くともその車高調整装置による車高調整の終了前に前記第一制御装置に前記第一アクチュエータを基準位置へ復帰させる車高調整時第一アクチュエータ復帰部とを含むものとすることによって解決される。
このように、遅くとも車高調整装置による車高調整の終了前に第一制御装置により第一アクチュエータが基準位置へ復帰させられているようにすれば、スタビライザ装置が基準状態にない状態で車高調整が行われ、後にスタビライザ装置が基準状態に復帰した場合に、再び車高調整が行われるという無駄を回避することができる。
なお、第一アクチュエータの基準位置は、スタビライザバーを弾性力が生じていない中立状態にする中立位置とされるのが普通であるが、例えば、車両の一時的な積載状態や恒久的な装置搭載状態等に応じて、スタビライザバーに一定の弾性力を生じさせる位置を第一アクチュエータの基準位置とし、その基準位置において車高調整が行われるようにすることも可能である。
発明の態様
以下に、本願において特許請求が可能と認識されている発明(以下、「請求可能発明」という場合がある。請求可能発明は、少なくとも、請求の範囲に記載された発明である「本発明」ないし「本願発明」を含むが、本願発明の下位概念発明や、本願発明の上位概念あるいは別概念の発明を含むこともある。)の態様をいくつか例示し、それらについて説明する。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまでも請求可能発明の理解を容易にするためであり、請求可能発明を構成する構成要素の組み合わせを、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、各項に付随する記載,実施例の記載等を参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要素を付加した態様も、また、各項の態様から構成要素を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得るのである。
なお、以下の各項において、(1)項が請求項1に相当し、(2)項が請求項2に、(3)項が請求項3に、(4)項と(5)項とを合わせたものが請求項4に、それぞれ相当する。
(1)左側車輪と右側車輪とをそれぞれ保持する2つの車輪保持装置と車体との間に設けられたスタビライザバーと、そのスタビライザバーの弾性力を変更する第一アクチュエータと、その第一アクチュエータを制御することにより車体の傾きを制御する第一制御装置とを備えたスタビライザ装置と、
前記2つの車輪保持装置と車体との間に設けられてそれら2つの車輪保持装置と車体との間の距離である車高を変更する第二アクチュエータと、前記車高を検出する車高検出装置と、その車高検出装置の検出結果に基づいて前記第二アクチュエータを制御することにより車高を制御する第二制御装置とを備えた車高調整装置と、
遅くとも前記車高調整装置による車高調整の終了前に前記第一制御装置に前記第一アクチュエータを基準位置へ復帰させる車高調整時第一アクチュエータ復帰部と
を含む車両懸架システム。
(2)前記車高調整時第一アクチュエータ復帰部が、前記車高調整装置の車高調整作動の、前記第一アクチュエータの前記基準位置への復帰作動との並行を許容するが、車高調整作動の少なくとも一部は第一アクチュエータの基準位置への復帰終了後に行わせる車高調整並行許容型復帰部を含む (1)項に記載の車両懸架システム。
(3)前記車高調整時第一アクチュエータ復帰部が、原則として、まず前記第一アクチュエータを前記基準位置へ復帰させ、その復帰後に前記車高調整装置に車高調整作動を開始させる復帰後車高調整開始部を含む (1)項に記載の車両懸架システム。
(4)前記第二アクチュエータが、前記2つの車輪保持装置の各々と前記車体の各車輪保持装置に対応する部分である2つの対応部分との間の距離である2つの車高をそれぞれ変更すべく、それら2つの車輪保持装置の各々と2つの対応部分との間にそれぞれ設けられ、前記車高検出装置が前記2つの車高をそれぞれ検出するものであり、前記第二制御装置が、検出された2つの車高に基づいて前記2つの第二アクチュエータを制御することにより前記2つの車高を制御するものである(1)項ないし(3)項のいずれかに記載の車両懸架システム。
このように、第二アクチュエータおよび車高検出装置を左側車輪と右側車輪との各々に対応して設け、第二制御装置を2つの第二アクチュエータをそれぞれ制御するものとすることは、不可欠ではないが、車体の左側と右側との両方において適切に車高を調整する上で望ましい。特に、四輪自動車においては、左右前輪と左右後輪との間にぞれぞれスタビライザ装置を設けることが望ましく、また、前輪側と後輪側との少なくとも一方(多くの場合、少なくとも前輪側)について、左側車輪と右側車輪とについて独立に車高調整を行う車高調整装置を設けることが望ましい。
(5)前記2つの車高検出装置により検出された2つの車高の差が予め定められた設定車高差より大きい場合には、前記第一アクチュエータの前記基準位置への復帰作動を禁止する復帰作動禁止部を含む(4)項に記載の車両懸架システム。
復帰作動禁止部は、第一制御装置による基準位置復帰制御を禁止するものでも、第一アクチュエータの作動を禁止するものでもよい。
例えば、一輪が突部に乗り上げた状態において、スタビライザ装置において第一アクチュエータを基準位置に戻す制御と、車高調整装置による車高調整とが行われれば、車体に不自然な動き(例えば、車体の急な動き)が生じることが多いので、2つの車高差が大きい場合には、第一アクチュエータを基準位置へ復帰させる制御が行われないようにする方がよい。まず、車高検出装置により検出された車高に基づいて車高調整が行われ、その車高調整の結果、2つの車高差が上記設定車高差あるいはそれより小さい値に設定された別の設定車高差より小さくなった後に、第一アクチュエータが基準位置へ復帰させられるようにすることが望ましい。
(6)前記車高調整時第一アクチュエータ復帰部が、
前記2つの車高検出装置により検出された2つの車高の差が予め定められた第一設定車高差より大きい場合に、前記第一アクチュエータの前記基準位置への復帰作動を禁止した状態で前記車高調整装置を作動させる第一段階車高調整部と、
その第一段階車高調整部の作動により前記2つの車高検出装置により検出された2つの車高の差が予め定められた第二設定車高差以下となった場合に、少なくとも前記スタビライザ装置に、前記第一アクチュエータの前記基準位置への復帰作動をさせる復帰作動部と、
その復帰作動部により前記第一アクチュエータの前記基準位置への復帰が終了した後に、前記車高調整装置を作動させる第二段階車高調整部と
を含む(4)項に記載の車両懸架システム。
上記復帰作動部は、車高調整装置の作動を停止させて第一アクチュエータの基準位置への復帰作動を行わせる車高調整禁止型復帰作動部とすることも、車高調整装置の並行作動を許容しつつ第一アクチュエータの基準位置への復帰作動を行わせる車高調整並行許容型復帰部とすることも可能である。また、第二設定車高差は第一設定車高差と同じ大きさとすることも、第一設定車高差より小さくすることも可能である。
本項の構成によれば、2つの車高検出装置により検出された2つの車高の差が大きい状態から、第一アクチュエータの基準位置への復帰と車高調整との両方を円滑に実現することができる。特に、復帰作動部を車高調整並行許容型復帰部とした場合には、基準位置への復帰と車高調整との両方を迅速に実現することができる。
(7)前記スタビライザバーが第一部分と第二部分との二部分から成り、それら第一部分と第二部分との基部が互いに同軸に配置され、前記第二アクチュエータがそれら第一部分と第二部分との各基部の端部間に設けられて、それら端部を相対回転させる回転アクチュエータである(1)項ないし(6)項のいずれかに記載の車両懸架システム。
本項に記載の構成を採用すれば、スタビライザバーは基部を単純に回転可能に車体に支持させればよく、回転アクチュエータも単純に回転可能とすればよいこととなって、構成を単純化し得る。しかし、これ以外の構成を採用することも可能である。例えば、スタビライザバーを、直線部の両端から一対のアーム部が互いにほぼ平行に延び出し、概してコの字形を成す一体のものとし、一対のアーム部の各自由端部を車輪保持部材にボールジョイント等により一点まわりに相対回動可能に連結する一方、直線部の中央を車体に一点まわりに相対回動可能に保持させ、かつ、少なくとも一方のアーム部と直線部との境界部付近と車体との間に、液圧シリンダ等、直線的に作動する直線的アクチュエータを連結して、直線的アクチュエータの制御によりスタビライザバーのねじり量および曲げ量を制御する構成のスタビライザ装置の採用も可能である。
(8)前記第一,第二部分がそれぞれ、前記車体の左右方向に延びる基部と、その基部の先端部から前記車体の前後方向の成分を含む方向に延びるアーム部とを備えた(7)項に記載の車両懸架システム。
アーム部は、平面視において、概して車体の前後方向に延びるものとすることも、前後方向に対して傾斜した方向に延びるものとすることも可能である。
(9)前記回転アクチュエータが、電動モータと、その電動モータの回転を減速して前記基端部の各々に伝達する減速装置とを含む(7)項または(8)項に記載の車両懸架システム。
本項の回転アクチュエータは、制御の容易性,コスト等の観点から好適なものであるが、減速装置の存在によって摩擦抵抗が比較的大きくなり易く、前記 (1)項に係る発明適用の効果が特に大きい。
(10)左側車輪と右側車輪とをそれぞれ保持する2つの車輪保持装置と車体との間に設けられたスタビライザバーと、そのスタビライザバーの弾性力を変更する第一アクチュエータと、その第一アクチュエータを制御することにより車体の傾きを制御する第一制御装置とを備えたスタビライザ装置と、
前記2つの車輪保持装置と車体との間に設けられてそれら2つの車輪保持装置と車体との間の距離である車高を変更する第二アクチュエータと、前記車高を検出する車高検出装置と、その車高検出装置の検出結果に基づいて前記第二アクチュエータを制御することにより車高を制御する第二制御装置とを備えた車高調整装置と、
前記第一アクチュエータの基準位置(例えば、中立位置)への復帰を確認する復帰確認部と
を含む車両懸架システム。
復帰確認部が基準位置への復帰を確認していない場合にはその事実が報知されるようにしたり、車高調整装置の作動が禁止されるようにしたり、車高調整装置の作動が終了させられないようにしたり、積極的に第一アクチュエータが作動させられて基準位置へ復帰させられるようにしたりすることができる。
上記(1)項ないし(9)項の各々に記載の特徴は、本項の車両懸架システムにも採用可能である。
以下、請求可能発明の実施例を、図面を参照しつつ説明する。なお、請求可能発明は、下記実施例の他、上記〔発明の態様〕の項に記載された態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更を施した態様で実施することができる。
図1には、請求可能発明の実施例である車両懸架システムの中央部と右側の部分とが概略的に示されている。本車両懸架システムは、スタビライザ装置10と車高調整装置12(図4参照)とを含む。スタビライザ装置10は、左側と右側との車輪20をそれぞれ保持する2つの車輪保持装置22と車体24との間に設けられた一対のスタビライザバー26と、スタビライザバー26の弾性力を変更する第一アクチュエータたるスタビライザアクチュエータ28と、スタビライザアクチュエータ28を制御する制御装置30(図4参照)とを備えている。スタビライザ装置10については、後に詳しく説明する。
車高調整装置12は、図2および図4に示すように、上記2つの車輪保持装置22と車体24の2つの対応する部分との間に設けられて、それら車輪保持装置22と車体24との間の距離である車高を変更する第二アクチュエータとして機能するエアばね40およびエア給排装置42と、車輪近傍における車高を検出する車高検出装置たる車高センサ44と、車高センサ44の検出結果に基づいてエアばね40に供給されるエアの量を制御することにより車高を自動で制御する制御装置30とを備えている。制御装置30は、スタビライザ装置10の制御装置である第一制御装置として機能するとともに、車高調整装置12の制御装置である第二制御装置としても機能するものなのである。なお、本実施例では、図4に示すように、左右前後輪の4輪について、それぞれエアばね40と車高センサ44とが設けられ、また、それらエアばね40に共通にエア給排装置42が設けられている。
エアばね40は、本実施例においては、図2に示すように、ショックアブソーバ46と共に設けられている。ショックアブソーバ46は、本実施例においてはツインチューブ式のものであり、その本体48を構成する外筒50においてばね下部材(図示省略)に連結され、ピストンロッド52の上端部において車体24に連結されている。ピストンロッド52は、本体48の内筒54内に液密かつ摺動可能に嵌合されたピストン56から延び出させられており、ピストン56が移動するとき、ピストン56内に設けられたオリフィスをオイルが流れることにより減衰力が得られる。
バウンド方向(車体と車輪とが接近する方向であって、ピストンロッド52の収縮方向)のピストン56の移動限度は、ピストンロッド52の上端部であって、本体48からの突出端部に設けられたストッパ部材58が外筒50の上端部に設けられたストッパ部60に当接することにより規定され、リバウンド方向(車体と車輪とが離間する方向であって、ピストンロッド52の伸長方向)のピストン56の移動限度は、ピストンロッド52のピストン近傍部であって、内筒54内に位置する部分に設けられたストッパ部材62が、内筒54と外筒50とに保持されたストッパ部材64に当接することにより規定される。
ピストンロッド52の上端部と、外筒50の外側とにはそれぞれ、エア室形成部材としてのカップ状部材70,72が取り付けられるとともに、それらカップ状部材70,72の間にローリングダイアフラム74が設けられ、ショックアブソーバ46の外側に気密のエア室76が形成されている。符号78はダストカバーを示す。
エア室76には、前記エア給排装置42によって圧縮エアが供給され、あるいは大気に排出される。エア給排装置42は、本実施例においては、図4に示すように、コンプレッサ80,フロント制御バルブ82およびリヤ制御バルブ84,排気バルブ86等を含む。コンプレッサ80は電動モータ88を駆動源とし、大気とエアばね40のエア室76とを接続する通路90に接続され、フィルタ91を経て空気を吸入し、圧縮してエアばね40に供給する。
フロント制御バルブ82は、通路90のコンプレッサ80と左右前輪にそれぞれ設けられたエアばね40との間の部分にそれぞれ設けられ、また、リヤ制御バルブ84は、通路90のコンプレッサ80と左右後輪にそれぞれ設けられたエアばね40との間の部分にそれぞれ設けられている。フロント制御バルブ82およびリヤ制御バルブ84は、本実施例においては、電磁制御弁たる常閉の電磁開閉弁とされており、通常は通路90を閉じてコンプレッサ80とエアばね40のエア室76との連通を遮断している。
通路90のコンプレッサ80とフロント制御バルブ82およびリヤ制御バルブ84との間の部分には、ドライヤ96が設けられている。ドライヤ96は、コンプレッサ80で作られた圧縮エアの水分を除去する。
排気バルブ86は、通路90のコンプレッサ80が設けられた部分とドライヤ96が設けられた部分との間の部分に接続されるとともに大気に開放された通路100に設けられている。排気バルブ86は、本実施例においては、電磁制御弁たる常開の電磁開閉弁とされており、ソレノイドの励磁により閉状態に切り換えられて通路100を閉じ、エアの大気への流出を阻止する。
制御装置30は、コンピュータを主体として構成されており、車高センサ44および通路90内のエア圧を検出する検出装置たるエア圧センサ110等が接続されるとともに、駆動回路を介して、コンプレッサ80の電動モータ88,フロント制御バルブ82,リヤ制御バルブ84,排気バルブ86等が接続されている。
本実施例における車高調整装置12は、エアばね40を備えたショックアブソーバ46の、エアばね40内のエア量を制御することにより前後左右の4車輪と車体との間の距離を調整するものである。ただし、前輪側は左右前輪近傍における車高を独立に制御(2つの車高の各々に基づいて2つのフロント制御バルブ82の各々を互いに独立に制御)し、後輪については、左右後輪近傍における車高の平均値に基づいて、左右後輪近傍の車高をそれぞれ調整する2つのリヤ制御バルブ84を同時制御(同時に開閉)する。前側の2点と後側の中央の1点との3点で路面に対する車体の高さを決めるのである。
車高を高くする場合、例えば、車体24の左右前後の車輪20に対応する車高を高くする場合には、コンプレッサ80が作動させられるとともに、フロント制御バルブ82あるいはリヤ制御バルブ84が開、排気バルブ86が閉の状態とされ、圧縮エアがドライヤ96およびフロント制御バルブ82あるいはリヤ制御バルブ84を経てエアばね40のエア室76に供給される。それにより、エアばね40およびピストンロッド52が伸長させられて、ばね下部材に保持された車輪20と車体24との間の距離が増大させられ、車高が高くされる。
車高を低くする場合、すなわち車体24の左右前後輪に対する車高を低くする場合には、コンプレッサ80は作動させられず、バルブ82,84,86のいずれかが開かれる。それにより、エアばね40のエア室76内のエアがバルブ82,84,ドライヤ96およびバルブ86を通って外部に流出させられ、エアばね40およびピストンロッド52が収縮させられる。それにより、車輪20と車体24との間の距離が減少させられ、車高が低くされる。この際、エア室76からのエアの流出は絞り108により制限され、車高が急激に低下することが防止される。車高を維持する場合には、バルブ82,84,86がいずれも閉じられ、コンプレッサ80は作動させられない。
車高調整装置12による車高の調整可能範囲は、車高を高くする側においては、ストッパ部材62がストッパ部材64に当接することにより規定され、低くする側においては、ストッパ部材58がストッパ部60に当接することにより規定される。これらストッパ部材58,62,64およびストッパ部60がストッパ装置を構成している。
スタビライザ装置10の詳細な構成について図1および図3に基づいて説明する。スタビライザバー26は、第一部分120と第二部分122との二部分から成る。第一部分120と第二部分122とはそれぞれ、車体24の左右方向に延びる基部126と、基部126の先端部から車体24のほぼ前後方向に延びるアーム部128とを備える。第一部分120と第二部分122との各基部126は互いに同軸に配置され、それら基部126の上記先端部とは反対側の端部129間に、前記スタビライザアクチュエータ28が設けられている。本実施例において、スタビライザアクチュエータ28は回転アクチュエータであり、上記第一,第二部分120,122の各端部129を相対回転させる。
図1に示すように、基部126とアーム部128とは一体をなし、基部126のアーム部128に近い部分(前記先端部)において、車体24に固定的に設けられた支持部材130によって回転可能に支持されている。アーム部128の基部126側とは反対側の端部132は、車輪保持装置22に連結されている。詳しくは、アーム部128は、車輪保持装置22のアーム保持部材134に、若干の傾斜が許容される軸線のまわりに回転可能に保持されている。なお、スタビライザバー26の第一部分120側について図1に基づいて説明したが、第二部分122側についても同じ構成である。
スタビライザアクチュエータ28は、図3に示すように、電動モータ140と、電動モータ140の回転を減速して基部126の端部129に伝達する減速装置142とを含む。これら電動モータ140および減速装置142は、スタビライザアクチュエータ28のハウジング144内に設けられており、ハウジング144は、車体24に固定的に設けられたハウジング保持部材146に回転可能かつ軸方向に移動不能に保持されている。スタビライザバー26の一方の部分(ここでは第一部分120)の基部126の端部129は、ハウジング144に固定され、ハウジング支持部材146に対して回転可能にハウジング144に保持されている。また、スタビライザバー26の他方の部分(ここでは第二部分122)の基部126の端部129は、ハウジング144内の減速装置142に接続されている。
電動モータ140は、ハウジング144に軸方向に移動不能かつ回転不能に保持されたステータ150と、ハウジング144に回転可能に保持されたロータ152とを含むものである。ハウジング144内には、同軸にかつ回転可能に中空円筒状の回転軸156が保持され、その回転軸156の外周側にロータ152が固定されている。
減速装置142は、本実施例では波動歯車装置とされている。波動歯車装置は、波動発生器160,フレキシブルギヤ162およびリングギヤ164を備えている。波動歯車装置は公知のものであるため、詳細な図示は省略する。波動発生器160は、楕円状カムの外周にボール・ベアリングがはめられたものであり、入力軸たる回転軸156の外周部に固定されている。フレキシブルギヤ162は、容器状の弾性体であり、容器状の開口部外周に複数の歯が形成されている。フレキシブルギヤ162の底部には、第二部分122の基部126の端部129が固定されている。基部126の端部129は、ハウジング144内の回転軸156内を貫通してハウジング144に回転可能かつ軸方向に移動不能に保持されており、フレキシブルギヤ162は、上記端部129の回転軸156からの突出端部に固定されている。リングギヤ164は、概してリング状をなし、その内周に複数(フレキシブルギヤ162よりやや多い(例えば2つ多い)数の歯が形成されており、ハウジング144に固定されている。フレキシブルギヤ162は波動発生器160によって楕円状に弾性変形させられ、楕円の長軸の部分では、リングギヤ164と歯が噛み合い、短軸の部分では、歯が完全に離れた状態となる。波動発生器160が時計方向に1回転(360度)すると、フレキシブルギヤ162はリングギヤ164との歯数の差分だけ反時計方向に回転させられる。以上の構成から、スタビライザアクチュエータ28が作動する場合には、スタビライザバー26の第一部分120と第二部分122の各基部126が相対回転させられ、第一,第二部分120,122が捻られる。この捻りにより生じる力は、車輪保持装置22を押し下げるあるいは持ち上げる力として作用する。
回転軸156の、電動モータ140に対して減速装置142とは反対側には、回転位置検出装置たる回転位置センサ170が設けられている。回転位置センサ170は、ハウジング144に対するロータ152の回転位置を検出するものであり、この回転位置から、リングギヤ164とフレキシブルギヤ162との相対回転位置がわかり、結局、ハウジング144(スタビライザバー26の第一部分120)と第二部分122との相対回転位置がわかる。
図4に示すように、制御装置30には、上記回転位置センサ170と共に操舵角検出装置,車速検出装置および横加速度検出装置としての操舵角センサ180、車速センサ182および横加速度センサ184が接続されるとともに、スタビライザアクチュエータ28の電動モータ140が接続されている。制御装置30のコンピュータのROMには、図5にフローチャートで示す車高調整ルーチン等、種々のプログラムおよびデータ等が記憶されている。
このように、本実施例のスタビライザ装置10によれば、スタビライザアクチュエータ28の作動によって、車両旋回時における車体24のローリングモーメントに対抗するモーメントを発生させ、車体24のローリングを抑制することができる。操舵角センサ180と車速センサ182との検出結果に基づいて横加速度が推定され、その推定横加速度に基づいてローリングモーメントが演算され、そのローリングモーメントに対抗して車体24のローリングを防止するに必要なスタビライザバー26の捻り角度が決定される。横加速度が0の間は、スタビライザアクチュエータ28には電流が供給されず、スタビライザアクチュエータ28はスタビライザバー26からの回転モーメントにより中立位置へ復帰することを許容される。ただし、スタビライザアクチュエータ28の内部摩擦等の影響で中立位置へ復帰しないこともある。
なお、上記推定横加速度に代えて、横加速度センサ184により検出された検出横加速度を使用することも可能である。
スタビライザアクチュエータ28は、迅速に作動し、ローリングをほぼ完全に防止するが、車高調整装置12の作動速度は遅く、直進状態において車高が適正であり、スタビライザ装置10が適正にローリング防止機能を果たす限り、旋回時においても、左右輪車高差が車高調整が必要なほど大きくなることはなく、車高調整装置12は作動しない。
次に、一輪乗上げ時を例として、本車両懸架システムにおけるスタビライザ装置10および車高調整装置12の作動を説明する。まず、理解を容易にするために、エアばね40は線形のばね特性を有するものと仮定して説明する。図6は1輪(図示の例では左前の車輪20)が路面の突部190に乗り上げた状態を示す図である。ローリングモーメントは作用しないので、前後のスタビライザアクチュエータ28は共に作動しない。左前の車輪20およびそれと対角位置の右後の車輪20は荷重が増大するためエアばね40が収縮し、別の対角輪対である右前の車輪20および左後の車輪20の荷重が減少してエアばね40が伸長する。その結果、少なくとも1つの車輪20(ここではすべての車輪20とする)に対応する車高が許容範囲から外れて変化するため、車高調整装置12が作動する。前後のスタビライザアクチュエータ28は、スタビライザバー26を介して加えられる回転モーメントにより、共に中立位置から外れた状態とされており、車高調整装置12の作動に伴って中立位置に向かって回転させられるが、必ずしも中立位置まで復帰させられるとは限らない。そこで、左右の車輪20の車高差が設定車高差A以下となった後にスタビライザアクチュエータ28が中立位置へ復帰させられる。このように、スタビライザアクチュエータ28が中立位置へ復帰させられることと、車高調整装置12が作動することとにより、前輪側においては、左右の車高がそれぞれ設定車高となり、車体24が路面の傾斜と同じ角度で傾斜する状態となる。
上記のように、前輪側の車高調整の結果、車体の傾きが大きくなれば、後輪側においても車体の傾きが大きくなるが、ここではエアばね40のばね特性が線形であると仮定しているため、右後の車輪20に対応する車高の減少量と左後の車輪20に対応する車高の増大量とが互いに等しく、平均値は変化しない。後輪側においては、車高として、左右後輪近傍の車高(左後と右後との車輪20にそれぞれ対応する2つの車高)の平均値が使用され、この平均車高は前記車体の傾きによっては変化しないため、車高調整装置12が作動する必要はない。
以上は、単純化のためにエアばね40のばね特性が線形であると仮定した場合の説明であるが、実際にはエアばね40のばね特性が非線形であるため、前輪側の車高調整に伴って後輪側の平均車高も変化する。したがって、この車高変化を打ち消すための車高調整が行われる。ただし、スタビライザアクチュエータ28が中立位置にないことは左右の後輪に対応する車高センサ44により検出された車高に差があることから判るため、中立位置復帰は行われない。
以上のように車高調整が行われた状態で、車両が移動し、左前輪20が突部190から降りれば、車両は平坦な路面を直進している場合と同じ状態に復帰する。前輪側においては、左右の車高が設定車高になっており、かつ、スタビライザアクチュエータ28も中立位置にあるため、何らの作動も必要ない。
また、後輪側においては、左前の車輪20が突部190に乗り上げた状態では、前述のように、左右の車高が変化し、それに伴って生じた平均車高の変化を打ち消す車高調整が行われているため、左前の車輪20が突部190から降りた際、その車高調整分を元に戻すための車高調整が行われる。さらに、突部乗上げ状態では、スタビライザアクチュエータ28が中立位置からずれているが、上記のように左前輪20が突部190から降りて車体24の傾きが解消されれば、左右の車高の差が解消され、スタビライザアクチュエータ28もほぼ中立位置へ復帰させられる。しかし、必ずしも中立位置へ復帰させられるとは限らないため、車速センサ182,車高センサ44および操舵角センサ180の検出結果に基づいて、停車していた車両が平坦な路面上を直進し始めたことが検出されたならば、スタビライザアクチュエータ28の中立位置復帰制御が行われる。
なお、左右後輪のいずれか一方が突部に乗り上げた場合は、後輪側ではエアばね40の非線形性に基づいて必要になる車高調整およびスタビライザアクチュエータ28の中立位置復帰が行われ、前輪側では左右の車高の各変化を打ち消すための車高調整およびスタビライザアクチュエータ28の中立位置復帰が行われる。
以上の車高調整およびスタビライザアクチュエータ28の制御は、図5のフローチャートで表される車高調整ルーチンの実行により行われる。この車高調整ルーチンは、前輪側についてのものである。
まず、ステップ1(以下、S1と略称する。他のステップについても同じ。)において、左右輪のいずれかにおいて車高調整を開始すべきであるか否かが判定される。左右輪のいずれかにおいて車高が設定車高の許容範囲から外れて変化しているために車高調整が必要な状態となれば(その他に車高調整許容条件が設定される場合もあり、その場合にはその許容条件も満たされていれば)、S1の判定はYESとなり、S2が実行される。S2では、2つの車高センサ44により検出された左右輪の車高差が予め定められた比較的大きい設定車高差A以下であるか否かが判定される。S2の判定がYESであれば、S3が実行され、スタビライザアクチュエータ28が中立位置に復帰させられる。回転位置センサ170が中立位置を検出するまで、積極的に電動モータ140が回転させられるのである。なお、本実施例では、S3の1回の実行における電動モータ140の回転量は一定量に予め定められており、後に説明するように中立位置(設定範囲内を含む)が検出されるまでS3以下が繰り返し実行されるのが普通である。
S2の判定がNOであって、左右輪の車高差が設定車高差Aより大きい場合には、S3がスキップされて、スタビライザアクチュエータ28を中立位置に復帰させる制御は行われない。例えば一輪が突部に乗り上げた状態において、スタビライザアクチュエータ28の中立位置への復帰作動が行われれば、車体に急な動きが生じ、乗員に違和感を与えるので、左右輪の車高差が設定車高差Aより大きい場合には、制御装置30によって中立位置への復帰作動が禁止されるのである。以下に説明する車高調整の結果、左右輪の車高差が設定車高差A以下となった後に、スタビライザアクチュエータ28を中立位置に復帰させる制御が車高調整作動と並行して行われるのである。
S4においては、左右輪のいずれか一方において車高調整が行われる。車高調整作動はS4が繰り返し実行される間継続して行われ、左右輪のうち早く目標車高に達した側においては目標車高を維持する制御が行われることとなる。また、一旦目標車高に達しても、S3におけるスタビライザアクチュエータ28の中立位置復帰制御の実行により車高が目標車高から外れ、再び実質的な車高調整作動が必要になることもある。S4に続いてS5が実行され、車高調整される車輪が変更される。したがって、次にS2を経て(以下に説明するようにS7を経る場合もある)S4が実行される際には、左右輪の他方の側において車高調整が行われる。そして、S6において、スタビライザアクチュエータ28の中立位置への復帰が終了しているか否かが判定される。ただし、丁度中立位置にある場合のみではなく、中立位置から比較的狭い設定範囲内の位置まで復帰していれば、復帰が終了しているものとみなされる。上記設定範囲内の位置を含む中立位置を基準位置と称することもできる。中立位置への復帰が終了していなければ、判定がNOとなって、再びS2に戻され、中立位置へ復帰するまでS2以降が繰り返し実行される。復帰作動が終了すれば、S7において、左右輪共に目標車高となったか否かが判定され、左右輪共が目標車高(厳密には目標車高を中心に設定されている比較的狭い範囲内の車高)となっていれば、本ルーチンの1回の実行が終了する。S7の判定がNOであれば、目標車高となるまで再びS4以降が繰り返し実行される。このように、本実施例では、左右輪が共に目標車高となるまで交互に左右輪の車高調整が実行される。
このように、本実施例では、スタビライザアクチュエータ28の中立位置への復帰作動と、上記車高調整作動とが並行して行われることが許容されている。ただし、中立位置への復帰作動の終了後に、必ずS7のステップが実行されるようになっており、車高調整作動の少なくとも一部(左右輪共に目標車高となったことの確認も車高調整作動の一部であると考える)は中立位置への復帰終了後に行われるように制御される。
なお、前輪側と後輪側との両方にスタビライザ装置10と車高調整装置12とが共に設けられている場合(本実施例もその一例である)には、前輪側と後輪側とのそれぞれにおいて図5に示す車高調整ルーチンが並行して実行される。ただし、本実施例では、後輪側においては、2つのリヤ制御バルブ84を同時制御するものであるため、S5は不要である。
スタビライザ装置10と車高調整装置12とを共に設けることは望ましいことであるが、車高調整装置12が無駄に作動する事態が生じ易い。それに対し、本実施例のように、スタビライザ装置10と車高調整装置12とが共に設けられた車両懸架システムにおいて、遅くとも車高調整装置12による車高調整の終了前にスタビライザアクチュエータ28が中立位置(許容範囲内を含む)へ復帰させられているようにすれば、スタビライザ装置10が中立位置にない状態で車高調整が行われ、後にスタビライザ装置10が中立状態に復帰した場合に、再び車高調整が行われるという無駄を回避することができる。
本実施例においては、制御装置30の車高調整ルーチンを実行する部分のうち、特にS3を実行する部分が車高調整時第一アクチュエータ復帰部の一例である車高調整並行許容型復帰部を構成している。また、制御装置30において車高調整ルーチンのS2を実行する部分が復帰作動禁止部を構成している。車高調整ルーチンにおける設定車高差Aは、第一設定車高差であるとともに第二設定車高差としても設定されている。制御装置30において、車高調整ルーチンのS2のNO判定に応じてS4を実行する部分が第一段階車高調整部を構成し、S3を経てS4を実行する部分が復帰作動部を構成し、S6のYES判定およびS7のNO判定に応じてS4を実行する部分が第二段階車高調整部を構成している。また、制御装置30において、車高調整ルーチンのS6を実行する部分が復帰確認部を構成している。
上記実施例においては、一方の車輪側における車高が目標車高となっても、他方の車輪側において目標車高になるまでは、両方の車輪側の車高調整が交互に行われる(先に車高が目標車高となった側においては、実質的に目標車高を維持する制御が行われる)ようになっていたが、一方の車輪側の車高調整が終了したら、そちらは調整を行わず、車高調整の終了していない車輪側のみ車高調整を実行するように制御することも可能である。例えば、図7に示す車高調整ルーチンに従う制御を採用することができる。なお、本実施例では、図1〜図6に示す実施例と同じ構成部分については図示,説明は省略する。本車高調整ルーチンについても、図5のルーチンと同じ部分については同じステップ番号を使用して図示を省略する。本車高調整ルーチンのS3において、スタビライザアクチュエータ28の中立位置への復帰作動が行われた後、もしくは、S2の判定がNOであってS3がスキップされた後、S10において、左の車輪側において車高調整が終了しているか否かが判定される。判定がNOであれば、S11において左の車高調整が行われる。また、S10の判定がYESであって車高調整が終了していれば、S11がスキップされてS12以降が実行される。
S12において、右側において車高調整が終了しているか否かが判定される。判定がNOであれば、S13において右の車高調整が行われる。また、S12の判定がYESであって車高調整が終了していれば、S12がスキップされてS6以降が実行される。本実施例によれば、車高調整が終了している側の車輪については、無駄に車高調整の指令がなされることが回避され、未だ終了していない側における車高調整が速やかに行われる。
スタビライザアクチュエータ28が中立位置に復帰するまでは、車高調整が禁止されるようにすることも可能である。つまり、スタビライザアクチュエータ28を中立位置へ復帰させ、その復帰後に車高調整装置12で車高調整作動が開始されるようにするのである。その一例を図8に示す。本実施例においても、図1〜図6に示す実施例と同じ構成部分については図示,説明は省略する。
S20において、左右輪のいずれかにおいて車高調整を開始すべきであるか否かが判定される。左右輪の少なくとも一方において車高が設定車高の許容範囲から外れて車高調整が必要な状態となれば、S20の判定がYESとなり、S21が実行される。S21では、2つの車高センサ44により検出された左右輪の車高差が予め定められた設定車高差A以下であるか否かが判定される。S21の判定がYESであれば、S22が実行される。
S22の判定がNOであって、左右輪の車高差が設定車高差Aより大きい場合には、S23において車高調整の作動が禁止され、S24においてスタビライザアクチュエータ28を中立位置に復帰させる制御が行われる。スタビライザアクチュエータ28が中立位置(許容範囲内を含む)に復帰するまで、S22〜S24が繰り返し実行される。なお、スタビライザアクチュエータ28は、通常は迅速に中立位置への復帰作動を行うものであるが、本実施例においては、運転者に違和感を与えないようにゆっくりした速度で作動するように制御される。
スタビライザアクチュエータ28が中立位置に復帰してS22の判定がYESになれば、S25において左右輪のいずれか一方において車高調整が行われる。続いて、S26において車高調整される車輪が変更され、S27において左右輪共に目標車高となったか否かが判定される。左右輪共目標車高となっていれば、本ルーチンの1回の実行が終了するが、S27の判定がNOであれば、目標車高となるまで再びS25以降が繰り返し実行される。
本実施例において、制御装置30の車高調整ルーチンのS22を実行する部分が復帰確認部を構成し、S22〜S24を実行する部分が車高調整時第一アクチュエータ復帰部の一例としての復帰後車高調整開始部を構成している。
本実施例においても、図7に示す実施例のように、一方の車輪側の車高調整が終了したならば、そちらは調整を行わず、車高調整の終了していない車輪側のみ車高調整を行うようにしてもよい。
また、前記実施例においては、前輪側と後輪側とにおいて、それぞれの車高調整ルーチンの実行により車高調整が行われるようになっていたが、左右前後の車輪にそれぞれ対応する4個所の車高が、一つの車高調整ルーチンの実行により調整されるようにすることも可能である。
第一アクチュエータとしてのスタビライザアクチュエータは、図3のものに限定されるわけではない。例えば、図9に概念的に示すスタビライザアクチュエータの採用も可能である。なお、スタビライザアクチュエータ以外の構成は図1〜図6に示す実施例と同じであり、同一部分については同じ符号を付して図示,説明を省略する。
図9のスタビライザアクチュエータ200は、電動モータ202と、電動モータ202の回転を減速して基部126の端部129に伝達する減速装置204と、ブレーキ206と、回転位置センサ207とを含む。これら電動モータ202,減速装置204,ブレーキ206および回転位置センサ207は、スタビライザアクチュエータ200のハウジング208内に設けられており、ハウジング208は、車体24に固定的に設けられたハウジング保持部材146に回転可能かつ軸方向に移動不能に保持されている。スタビライザバー26の一方の部分(図示の例では第二部分122)の基部126の端部129は、ハウジング208に固定されている。また、スタビライザバー26の他方の部分(図示の例では第一部分120)の基部126の端部129は、ハウジング208内の減速装置204に接続されている。減速装置204と電動モータ202との間の位置にはブレーキ206が設けられている。
電動モータ202は、ハウジング208に軸方向に移動不能かつ回転不能に保持されたステータ210と、回転可能に保持されたロータ212とを含むものである。減速装置204は、本実施例では複数段(図示の例では3段)の遊星歯車装置220を備えるものである。減速装置204の入力軸222はブレーキ206に接続され、出力軸224は第一部分122の端部129と一体に構成されている。
本実施例のブレーキ206は電磁クラッチであり、通常はロータ230のステータ232に対する回転が阻止された状態にあり、励磁によりロータ230の回転が許容される。ロータ230の両側には、減速装置204の入力軸222と、電動モータ202の出力軸240とがそれぞれ固定されている。したがって、ブレーキ206が励磁により解除状態とされた状態で電動モータ206が駆動されれば、電動モータ206の回転が減速装置204により減速されてスタビライザバー26の第一部分120に伝達される。スタビライザバー26の第一部分120と第二部分122の端部129同士が相対回転させられ、第一,第二部分120,122が捻られる。この捻りにより生じる力は、車輪保持装置22を押し下げるあるいは持ち上げる力として作用する。また、ブレーキ206が消磁により作用状態とされるとともに、電動モータ206が非駆動状態とされれば、スタビライザバー26の第一部分120と第二部分122との端部129同士の相対回転位置が保持される。
回転位置センサ207は、第一部分120の端部129の、ハウジング208に対する相対回転位置を検出するものであり、前記図1〜図6に示す実施例で説明したように、車高調整の際にスタビライザアクチュエータ200を中立位置に復帰させる場合には、ブレーキ206の解除状態で、回転位置センサ207が中立位置を検出するまで、積極的に電動モータ202が回転させられる。
本発明の一実施例である車両懸架システムのスタビライザ装置と車高調整装置とが車両に設けられた状態を示す要部平面図である。 上記車両懸架システムの車高調整装置の構成要素であるエアばねをショックアブソーバと共に示す正面図(一部断面)である。 上記スタビライザ装置の構成要素である第一アクチュエータを概念的に示す正面断面図である。 上記車高調整装置の回路図である。 上記車高調整装置の構成要素である制御装置の主体を成すコンピュータに記憶された車高調整ルーチンを表すフローチャートである。 図1ないし図5に示す車両懸架システムにおいて、一輪乗上げ時におけるスタビライザ装置および車高調整装置の制御について説明するための図である。 本発明の別の実施例における車高調整ルーチンを表すフローチャートである。 本発明のさらに別の実施例における車高調整ルーチンを表すフローチャートである。 本発明のさらに別の実施例である車両懸架システムのスタビライザ装置の構成要素である第一アクチュエータを概念的に示す正面断面図である。
符号の説明
10:スタビライザ装置 12:車高調整装置 20:(左側,右側)車輪 22:車輪保持装置 24:車体 26:スタビライザバー 28:スタビライザアクチュエータ 30:制御装置 40:エアばね 42:エア給排装置 44:車高センサ 140:電動モータ 142:減速装置 200:スタビライザアクチュエータ

Claims (4)

  1. 左側車輪と右側車輪とをそれぞれ保持する2つの車輪保持装置と車体との間に設けられたスタビライザバーと、そのスタビライザバーの弾性力を変更する第一アクチュエータと、その第一アクチュエータを制御することにより車体の傾きを制御する第一制御装置とを備えたスタビライザ装置と、
    前記2つの車輪保持装置と車体との間に設けられてそれら2つの車輪保持装置と車体との間の距離である車高を変更する第二アクチュエータと、前記車高を検出する車高検出装置と、その車高検出装置の検出結果に基づいて前記第二アクチュエータを制御することにより車高を制御する第二制御装置とを備えた車高調整装置と、
    遅くとも前記車高調整装置による車高調整の終了前に前記第一制御装置に前記第一アクチュエータを基準位置へ復帰させる車高調整時第一アクチュエータ復帰部と
    を含む車両懸架システム。
  2. 前記車高調整時第一アクチュエータ復帰部が、前記車高調整装置の車高調整作動の、前記第一アクチュエータの前記基準位置への復帰作動との並行を許容するが、車高調整作動の少なくとも一部は第一アクチュエータの基準位置への復帰終了後に行わせる車高調整並行許容型復帰部を含む請求項1に記載の車両懸架システム。
  3. 前記車高調整時第一アクチュエータ復帰部が、原則として、まず前記第一アクチュエータを前記基準位置へ復帰させ、その復帰後に前記車高調整装置に車高調整作動を開始させる復帰後車高調整開始部を含む請求項1に記載の車両懸架システム。
  4. 前記第二アクチュエータが、前記2つの車輪保持装置の各々と前記車体の各車輪保持装置に対応する部分である2つの対応部分との間の距離である2つの車高をそれぞれ変更すべく、それら2つの車輪保持装置の各々と2つの対応部分との間にそれぞれ設けられ、前記車高検出装置が前記2つの車高をそれぞれ検出するものであり、前記第二制御装置が、検出された2つの車高に基づいて前記2つの第二アクチュエータを制御することにより前記2つの車高を制御するものであり、かつ、当該車両懸架システムが、前記2つの車高検出装置により検出された2つの車高の差が予め定められた設定車高差より大きい場合には、前記第一アクチュエータの前記基準位置への復帰作動を禁止する復帰作動禁止部を含む請求項1ないし3のいずれかに記載の車両懸架システム。
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