JP2006056462A - 車両懸架システム - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の車輪のうちの1輪以上ずつに対応する複数の車高を調整する車高調整装置を備えた車両懸架システムにおいて、複数の車輪のいずれかの接地状態が不十分になることを防止する。
【解決手段】目標車高が「高」に設定されている状態で(S1)、車高センサの検出値に基づいて、いずれかの懸架装置がフルリバウンド状態にあること(S3)、エア圧センサの検出値に基づいて、いずれかのエアばねのエア圧が設定値以下であること(S5)、車輪速センサの検出値に基づいて、左右駆動輪の車輪速差が設定値以上であること(S7)、トラクション制御中であること(S8)のいずれかが検出された場合に、接地状態が不十分である車輪が存在するとして、車両全体の車高を低下させる(S10)。
【選択図】 図3

Description

本発明は、車高調整装置を備えた車両懸架システムに関するものであり、特に、複数の車輪のいずれかの接地が不十分である状態の発生防止に関するものである。
車両懸架システムは、複数の車輪と車体とを、両者の上下方向の相対移動を許容しつつ連結するものであり、すべての車輪と路面との接触状態を適切に保ち得るものであることが理想である。しかし、この要求を常に満たすことは容易ではなく、条件によってはいずれかの車輪の接地状態が不十分となることがある。下記特許文献1には、接地状態不十分の一種を解消する手段が開示されている。車体の前側に2対、後側に1対の車輪が設けられる形式の車両において、路面の形状によって、後側の1対である後輪の接地が不十分となる場合がある問題を解決する手段が開示されているのである。2対の前輪のうち後方側の前輪によって多くの荷重が支持され状態となった結果、後輪の接地が不十分となるのを、車高検出装置により後方側の前輪の上方への移動を検出し、その検出に応じて車高調整装置を作動させ、後輪に対応する車高を大きくする(後輪を下げる)ことにより後輪の接地状態を良くするのである。また、特許文献2には、スタック発生時に、駆動輪の接地荷重を一時的に増大させることにより、タイヤのグリップ力を高め、車両のスタック状態からの脱出を可能にする技術が記載されている。
特開平10−157431号公報 特開平10−305717号公報
本発明は、上記特許文献に記載の原因とは別の原因による車輪接地不十分の問題を解決することを課題としてなされたものである。
そして、本発明は、複数の車輪のうちの1輪以上ずつに対応する複数の車高を調整する車高調整装置を備えた車両懸架システムに、前記複数の車輪のいずれかの接地が不十分であることを検知する接地不十分検知部と、その接地不十分検知部による検知に応じて前記車高調整装置に前記複数の車高を低下させるべきことを指令する車高低下指令部とを設けることを要旨とする。
複数の車輪のうちのいずれかが接地不十分となる原因の一つが、懸架装置が伸長限界に達して車輪がそれ以上下降不可能になることであることが判明した。この問題は、例えば、車高調整装置を備えた車両懸架システムにおいて、車高が高く設定されている場合に発生し易い。車両が不整地を走行する際には、車体が路面の突部と干渉することを回避するために、車高が高く設定されるのが普通であるが、その状態で車輪の一つが接地不十分になり、その車輪に対応する懸架装置を伸長させる制御が行われようとしても、懸架装置が伸長限界(フルリバウンド状態)に達してそれ以上伸長させることができず、車輪の接地不十分の状態は解消されないからである。それに対し、本発明に従って、車両全体としての車高、すなわちその車両の複数の車高の平均値を低下させる制御を行えば、すべての車輪が不整地の凹凸に従って昇降し得る状態となり、いずれかの車輪が接地不十分な状態となることが回避される。
発明の態様
以下に、本願において特許請求が可能と認識されている発明(以下、「請求可能発明」という場合がある。請求可能発明は、少なくとも、請求の範囲に記載された発明である「本発明」ないし「本願発明」を含むが、本願発明の下位概念発明や、本願発明の上位概念あるいは別概念の発明を含むこともある。)の態様をいくつか例示し、それらについて説明する。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまでも請求可能発明の理解を容易にするためであり、請求可能発明を構成する構成要素の組み合わせを、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、各項に付随する記載,実施例の記載等を参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要素を付加した態様も、また、各項の態様から構成要素を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得るのである。
なお、以下の各項において、(1)項が請求項1に相当し、(2)項が請求項2に、(4)項が請求項3に、(5)項が請求項4に、(9)項が請求項5にそれぞれ相当する。
(1)複数の車輪のうちの1輪以上ずつに対応する複数の車高を調整する車高調整装置を備えた車両懸架システムであって、
前記複数の車輪のいずれかの接地が不十分であることを検知する接地不十分検知部と、
その接地不十分検知部による検知に応じて前記車高調整装置に前記複数の車高を低下させるべきことを指令する車高低下指令部と
を含むことを特徴とする車両懸架システム。
上記車高調整装置は、エア式車高調整装置,液体式車高調整装置等とすることができ、形式は問わない。
(2)前記接地不十分検知部が、
前記1輪以上ずつに対応する複数の車高の各々を検出する複数の車高検出装置と、
それら複数の車高検出装置のいずれかが、対応する懸架装置がフルリバウンド状態にあることを検出した場合に、その懸架装置に対応する車輪の接地状態が不十分であると検知する懸架装置状態依拠検知部と
を含む(1)項に記載の車両懸架システム。
前述のように、いずれかの懸架装置が伸長限界状態(フルリバウンド状態)にあれば、その懸架装置に対応する車輪はそれ以上下降することができず、接地不十分となる可能性が高い。そこで、いずれかの車輪に対応する懸架装置がフルリバウンド状態にあれば接地が不十分であると検知する懸架装置状態依拠検知部を設け、それの検知に応じて車高低下司令部により車高調整装置に車両全体の車高を低下させるべきことが指令されるようにすれば、いずれかの車輪が接地不十分な状態となることを良好に回避することができる。
(3)前記接地不十分検知部が、
前記複数の車輪の各々に対応する懸架装置の荷重を検出する荷重検出装置と、
それら荷重検出装置の検出荷重が、各懸架装置に対して設定されている設定荷重以下となった場合に、その設定荷重以下となった懸架装置に対応する車輪の接地状態が不十分であると検知する荷重依拠検知部と
を含む(1)項または(2)項に記載の車両懸架システム。
ある車輪の接地荷重とその車輪に対応する懸架装置が受けている荷重とは1対1に対応している。したがって、各懸架装置の荷重が設定荷重以下となった場合には、その懸架装置に対応する車輪の接地荷重が不足の状態になっているとすることは妥当なことである。
(4)前記接地不十分検知部が、
懸架装置において圧力が前記車輪の接地荷重と対応する個所における流体圧を検出する圧力検出装置と、
その圧力検出装置による検出流体圧が設定流体圧以下となった場合に、その設定流体圧以下となった圧力検出装置に対応する車輪の接地状態が不十分であると検知する流体圧依拠検知部と
を含む(1)項ないし(3)項のいずれかに記載の車両懸架システム。
懸架装置は、内部の流体圧が、その懸架装置が受けている荷重と1対1に対応する部分を備えるのが普通である。例えば、ショックアブソーバ内の液室の液圧、エアばね内のエア圧等は、懸架装置が受けている荷重に対応する。そして、流体圧は圧力検出装置によって容易に検出することができるため、接地不十分検知部を安価に構成することができる。
懸架装置が受けている荷重と1対1に対応する部分の流体圧を検出することは、荷重を検出するに等しいことであるため、圧力検出装置を荷重検出装置の一種と考えることもできる。また、(3)項における荷重検出装置を、懸架装置において圧力が前記車輪の接地荷重と対応する個所における流体圧を検出する圧力検出装置と、検出流体圧に基づいて懸架装置に加えられている加重を演算する荷重演算部とを含むものとすることもできる。
(5)前記接地不十分検知部が、
前記複数の車輪の回転速度である車輪速を検出する複数の車輪速検出装置と、
それら複数の車輪速検出装置による複数の検出車輪速の相違状態が設定相違状態以上である場合に、いずれかの車輪の接地状態が不十分であると検知する車輪速依拠検知部と
を含む(1)項ないし(4)項のいずれかに記載の車両懸架システム。
複数の車輪のうちの一部のものの接地状態が不十分となれば、その一部の車輪の車輪速が他の車輪速とは明瞭に異なるものとなる。接地状態が不十分となったものが駆動中の駆動輪である場合には他の車輪の車輪速より明瞭に大きくなり、従動輪である場合には明瞭に小さくなる。駆動輪でも従動輪でも制動中であれば、他の車輪の車輪速より明瞭に小さくなる。したがって、例えば、複数の車輪の車輪速の差の絶対値(例えば、最大車輪速から最小車輪速を引いた差)が設定値以上であるとか、複数の車輪の車輪速の差の絶対値の平均車輪速に対する比率が設定比率以上であるとかというように、複数の検出車輪速の相違状態が設定相違状態以上である場合に、いずれかの車輪の接地状態が不十分であると検知されるようにすることは妥当なことである。しかも、車輪速検出装置は、近年の車両においては標準装備されているのが普通であるため、その場合には接地不十分を検知するために必要なことは、コンピュータにその検知のためのプログラムを追加することで済み、安価に目的を達し得る。
(6)前記複数の検出車輪速の相違状態が左右駆動輪の車輪速差であり、前記設定相違状態が設定速度差である(5)項に記載の車両懸架システム。
接地不十分となる車輪が駆動輪である場合には、車両の操縦安定性が損なわれ、甚だしい場合には走行不能となるため、本項の態様は実益が特に大きい。
(7)前記接地不十分検知部が、車輪スリップ制御装置の作動状態を監視し、車輪スリップ制御装置が作動した場合にいずれかの車輪の接地状態が不十分であると検知する車輪スリップ制御状態依拠検知部を含む(1)項ないし(6)項のいずれかに記載の車両懸架システム。
接地状態が不十分となった車輪においてはスリップが大きくなるため、スリップ制御装置が設けられていればそれが作動を開始するのが普通である。したがって、前記接地不十分検知部としては、コンピュータのプログラムの追加で済むこととなり、安価に構成することができる。
(8)前記車輪スリップ制御装置が、駆動輪に加えられる駆動トルクがその駆動輪と路面との間の摩擦力に対して過大であるために過大なスリップが発生することを防止するトラクション制御装置を含む(7)項に記載の車両懸架システム。
前述のように駆動輪の接地状態が不十分となることは車両の走行に重大な影響を与えるため、本項の態様は実益が特に大きい。
(9)前記車高調整装置による調整車高の目標値である目標車高を2段階以上に設定する目標車高設定部と、
その目標車高設定部により設定されている目標車高が設定段階以上ではない場合には、前記接地不十分検知部と前記車高低下指令部との少なくとも一方の作動を禁止する作動禁止部と
を含む(1)項ないし(8)項のいずれかに記載の車両懸架システム。
前述のように、目標車高が高く設定されている場合には、車高の比較的小さな変動によっても懸架装置が伸長限界に達するため、目標車高が設定段階以上である場合に接地不十分検知部および車高低下指令部を作動させればよいことが多い。目標車高が設定段階以上ではない場合には、最終的に車高低下指令部を作動させなければよいのであるが、そのためには、車高低下指令部の作動を禁止しても、接地不十分検知部の作動を禁止しても、両方の作動を禁止してもよい。
以下、請求可能発明のいくつかの実施例を、図面を参照しつつ説明する。なお、請求可能発明は、下記実施例の他、上記〔発明の態様〕の項に記載された態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更を施した態様で実施することができる。
図1に請求可能発明の一実施例である車両懸架システムを示す。この車両懸架システムは車両の前後左右の4車輪の各々に対応して、車体側部材10と車輪側部材12との間に配設された4つの懸架装置14を含んでいる。各懸架装置14はショックアブソーバ16とエアばね18とを並列に備えている。4つのエアばね18は車体を弾性的に支持する弾性部材として機能するものであるが、同時に車高調整装置30の一構成要素としても機能する。車高調整装置30は、上記エアばね18と、エア給排装置32と、車輪近傍における車高を検出する車高検出装置たる車高センサ34と、車高センサ34の検出結果に基づいてエアばね18に供給されるエアの量を制御することにより車高を自動で制御する制御装置36とを備えている。エア給排装置32は4つのエアばね18に共通に設けられている。
エアばね18は、図2に示すように、ショックアブソーバ16と共に設けられている。ショックアブソーバ16は、本実施例においてはツインチューブ式のものであり、その本体48を構成する外筒50においてばね下部材(図示省略)に連結され、ピストンロッド52の上端部において前記車体側部材10に連結される。ピストンロッド52は、本体48の内筒54内に液密かつ摺動可能に嵌合されたピストン56から延び出させられており、ピストン56が移動するとき、ピストン56内に設けられたオリフィスを作動液たるオイルが流れることにより減衰力が得られる。
バウンド方向(車体と車輪とが接近する方向であって、ピストンロッド52の収縮方向)のピストン56の移動限度は、ピストンロッド52の上端部であって、本体48からの突出端部に設けられたストッパ部材58が外筒50の上端部に設けられたストッパ部60に当接することにより規定され、リバウンド方向(車体と車輪とが離間する方向であって、ピストンロッド52の伸長方向)のピストン56の移動限度は、ピストンロッド52のピストン近傍部であって、内筒54内に位置する部分に設けられたストッパ部材62が、内筒54と外筒50とに保持されたストッパ部材64に当接することにより規定される。
ピストンロッド52の上端部と、外筒50の外側とにはそれぞれ、エア室形成部材としてのカップ状部材70,72が取り付けられるとともに、それらカップ状部材70,72の間にローリングダイアフラム74が設けられ、ショックアブソーバ16の外側に気密のエア室76が形成されている。符号78はダストカバーを示す。
エア室76には、前記エア給排装置32によって圧縮エアが供給され、あるいは大気に排出される。エア給排装置32は、図1に示すように、コンプレッサ80,フロント制御バルブ82およびリヤ制御バルブ84,排気バルブ86等を含む。コンプレッサ80は電動モータ88を駆動源とし、大気とエアばね18のエア室76とを接続する通路90に接続され、フィルタ91を経て空気を吸入し、圧縮してエアばね18に供給する。
フロント制御バルブ82は、通路90のコンプレッサ80と左右前輪にそれぞれ設けられたエアばね18との間の部分にそれぞれ設けられ、また、リヤ制御バルブ84は、通路90のコンプレッサ80と左右後輪にそれぞれ設けられたエアばね18との間の部分にそれぞれ設けられている。フロント制御バルブ82およびリヤ制御バルブ84は、本実施例においては、電磁制御弁たる常閉の電磁開閉弁とされており、通常は通路90を閉じてコンプレッサ80とエアばね18のエア室76との連通を遮断している。
通路90のコンプレッサ80とフロント制御バルブ82およびリヤ制御バルブ84との間の部分には、ドライヤ96が設けられている。ドライヤ96は、コンプレッサ80で作られた圧縮エアの水分を除去する。
排気バルブ86は、通路90のコンプレッサ80が設けられた部分とドライヤ96が設けられた部分との間の部分に接続されるとともに大気に開放された通路100に設けられている。排気バルブ86は、本実施例においては、電磁制御弁たる常開の電磁開閉弁とされており、ソレノイドの励磁により閉状態に切り換えられて通路100を閉じ、エアの大気への流出を阻止する。
制御装置36は、コンピュータを主体として構成されており、車高センサ34および通路90内のエア圧を検出する検出装置たるエア圧センサ118等が接続されるとともに、駆動回路を介して、コンプレッサ80の電動モータ88,フロント制御バルブ82,リヤ制御バルブ84,排気バルブ86等が接続されている。
本実施例における車高調整装置30は、エアばね18を備えたショックアブソーバ16の、エアばね18内のエア量を制御することにより前後左右の4車輪と車体との間の距離を調整するものである。ただし、前輪側は左右前輪近傍における車高を独立に制御(2つの車高の各々に基づいて2つのフロント制御バルブ82の各々を互いに独立に制御)し、後輪については、左右後輪近傍における車高の平均値に基づいて、左右後輪近傍の車高をそれぞれ調整する2つのリヤ制御バルブ84を同時制御(同時に開閉)する。前側の2点と後側の中央の1点との3点で路面に対する車体の高さを決めるのである。
車高を高くする場合、例えば、車体の左右前後輪に対する車高を高くする場合には、コンプレッサ80が作動させられるとともに、フロント制御バルブ82あるいはリヤ制御バルブ84が開、排気バルブ86が閉の状態とされ、圧縮エアがドライヤ96およびフロント制御バルブ82あるいはリヤ制御バルブ84を経てエアばね18のエア室76に供給される。それにより、エアばね18およびピストンロッド52が伸長させられて、車輪側部材12に保持された車輪と車体側部材10が取り付けられた車体との間の距離が増大させられ、車高が高くされる。
車高を低くする場合、すなわち車体の左右前後輪に対する車高を低くする場合には、コンプレッサ80は作動させられず、バルブ82,84,86のいずれかが開かれる。それにより、エアばね18のエア室76内のエアがバルブ82,84,ドライヤ96およびバルブ86を通って外部に流出させられ、エアばね18およびピストンロッド52が収縮させられる。それにより、車輪と車体との間の距離が減少させられ、車高が低くされる。この際、エア室76からのエアの流出は絞り112により制限され、車高が急激に低下することが防止される。車高を維持する場合には、バルブ82,84,86がいずれも閉じられ、コンプレッサ80は作動させられない。
車高調整装置30による車高の調整可能範囲は、車高を高くする側においては、ストッパ部材62がストッパ部材64に当接することにより規定され、低くする側においては、ストッパ部材58がストッパ部60に当接することにより規定される。これらストッパ部材58,62,64およびストッパ部60がストッパ装置を構成している。
図1に示すように、制御装置36には、前記車高センサ34、前記エアばね18内のエア室76のエア圧を検出するエア圧センサ118、前後左右の車輪の回転速度である車輪速を検出する車輪速検出装置としての車輪速センサ120、トラクション制御装置124、目標車高設定装置126等が接続されるとともに、前記フロント制御バルブ82,リヤ制御バルブ84,排気バルブ86等のバルブや、コンプレッサ80を駆動する電動モータ88等が接続されている。目標車高設定装置126は、運転者により手動操作されることによって、車高調整装置30による車高調整の目標値となる目標車高を高,標準および低の3段階に設定するものである。
上記制御装置36はコンピュータを主体とするものであり、そのコンピュータのROMには、通常の車高調整プログラム、図3のフローチャートで表される車高低下制御プログラム等、種々のプログラムおよびデータが記憶されている。車高調整プログラムは、4つの車高センサ34によりそれぞれ検出される4つの車高を、目標車高設定装置126の操作により設定されている目標車高(「高」,「標準」,「低」の3段階のいずれか)に調整するためのプログラムであるが、よく知られたものであるので詳細な説明は省略し、車高低下制御プログラムについて説明する。
本車高低下制御プログラムは車両の走行中、一定短時間毎に繰り返し実行される。まず、ステップ1(以下、S1で表す。他のステップについても同様とする。)において、目標車高設定装置126により目標車高が「高」に設定されているか否かが判定され、判定の結果がNOであれば、S2以下が実行されることなく1回の実行が終了する。本車高低下制御プログラムは、目標車高が「高」に設定されており、実際の車高が「高」に相当する目標車高に調整されている状態においてのみ事実上の実行が行われるようになっているのである。S1の判定がYESであれば、S2で4車輪の各々に対応する車高センサ34の検出値が読み取られ、S3でいずれかの検出車高がフルリバウンドに相当する最高車高であるか否かが判定される。
この判定結果がNOであれば、S4で4車輪の各々に対応するエア圧センサ118の検出値が読み取られ、S5でいずれかの検出エア圧が設定エア圧以下であるか否かが判定される。S5の判定結果がNOであれば、S6で駆動輪の車輪速センサ120の検出値が読み取られるが、本実施例においては車両が4輪駆動車であるため、4つの車輪すべての車輪速が読み取られる。そして、S6で左右前輪の車輪速差と左右後輪の車輪速差とのいずれか一方でも、設定値以上であるか否かが判定される。この判定結果もNOであれば、S8で、トラクション制御装置124においてトラクション制御が実際に行われているか否かが判定される。トラクション制御は、車両駆動源(エンジンあるいは電動モータ)の駆動力を、運転者のアクセル操作に対応した大きさより小さく抑制することと、ブレーキ装置を自動で作動させることとの少なくとも一方により、駆動輪の有効駆動トルクを低下させる制御であり、本実施形態では、上記いずれか一方が実行中であるか否かが判定される。判定の結果がNOであれば、本車高低下制御プログラムの1回の実行が終了する。
それに対し、上記S3,S5,S7、S8のいずれか1つでも判定結果がYESとなれば、S9で、実際の車高が「標準」の目標車高以上であるか否かが判定され、判定結果がYESであれば、S10で4輪の車高が設定量ずつ低下させられる。S9の判定結果がNOであればS10は実行されない。本実施例においては、不整地を走行するために車高が「高」に設定されている状態において、いずれかの車輪がフルリバウンド状態となることにより、その車輪の接地状態が不十分となることを防止することが目的とされており、不整地において車高が「標準」以下まで低下させられれば、車体が路面と接触する恐れがあるため、本車高低下制御プログラムによる車高低下の限界が「標準」の目標車高とされているのである。
なお、S10が最初に実行される際には通常の車高調整制御が停止させられ、一旦S10が実行された後は、車高低下制御終了条件が満たされるまで停止状態に保たれる。車高低下制御終了条件は、例えば、車高センサ34の検出値に基づいて、車両が不整地から脱出したことが検出されることと、運転者による車高低下制御終了指示スイッチ128の手動操作により、車高低下制御プログラムの実行が終了させられることとの少なくとも一方を含むものとすることができる。
上記のように、車高が設定量低下させられることにより、S3,S5,S7,S8のすべての判定結果がNOとなれば、実際に車高を低下させる動作は終了するが、いずれかの判定結果が未だYESであれば、4車輪に対応する車高が再び設定量低下させられる。以上の繰り返しにより、4車輪のすべてに対する車高が「高」より低く「標準」より高い大きさに制御され、いずれかの車輪の接地状態が不十分となることと、車体が路面と接触することとの両方が適切に回避されることとなる。
以上の説明から明らかなように、本実施例においては、制御装置36のコンピュータのコンピュータのS10を実行する部分が、接地不十分検知部による検知に応じて車高調整装置に複数の車高を低下させるべきことを指令する車高低下指令部を構成している。また、目標車高設定装置126が目標車高を2段階以上に設定する目標車高設定部を構成し、コンピュータのS9を実行する部分が、目標車高設定部により設定されている目標車高が設定段階以上ではない場合には、車高低下指令部の作動を禁止する作動禁止部を構成している。
また、コンピュータのS2およびS3を実行する部分が懸架装置状態依拠検知部を構成し、S4およびS5を実行する部が流体圧依拠検知部を構成し、S6およびS7を実行する部分が車輪速依拠検知部を構成し、S8を実行する部分が車輪スリップ制御状態依拠検知部の一例としてのトラクション制御状態依拠検知部を構成している。
そして、これら懸架装置状態依拠検知部,流体圧依拠検知部,車輪速依拠検知部等がそれぞれ車高センサ34,エア圧センサ118,車輪速センサ120と共同して接地不十分検知部を構成している。また、トラクション制御状態依拠検知部も接地不十分検知部の一例である。
上記実施例においては、懸架装置状態依拠検知部,流体圧依拠検知部,車輪速依拠検知部およびトラクション制御状態依拠検知部がすべて設けられているため、車輪の接地不十分を確実に検知できる利点がある。しかし、これらすべてを設けることは不可欠ではなく、これらの一部のみを設けることも可能である。最も単純な例を図4ないし図7に示す。
これらは、それぞれ懸架装置状態依拠検知部,流体圧依拠検知部,車輪速依拠検知部およびトラクション制御状態依拠検知部を単独で備えた車両懸架装置の実施例であり、それぞれの実施例の作動は、図3の実施例の説明から容易に理解されるため、それぞれ対応するステップに図3と同じ符号を付して詳細な説明は省略する
上記の実施例においては、車高調整がエアばね18内のエア量の制御により行われるようになっていたが、ショックアブソーバ16等、懸架シリンダ内の作動液量を制御することにより車高を調整する形式の車両懸架システムに請求可能発明を適用することも可能である。また、車高調整装置が手動操作で設定される目標車高に調整するものとされていたが、その他の形態で目標車高が設定される車両懸架システムに適用することも可能である。例えば、不整地走行時におけるように車輪が比較的短い周期で昇降する場合に、その昇降の振幅(設定時間内における最大値と最小値との差,設定時間内における複数周期の振幅の平均値等)が大きいほど目標車高が自動的に高く設定されるようにすることが可能であり、その構成の車高調整装置を含む車両懸架システムに請求可能発明を適用することができるのである。このように目標車高が自動設定される車両懸架システムにおいて、いずれかの車輪の接地状態不十分が検出された場合には、上記目標車高を目指した車高調整装置の作動が停止させられ、例えば、前記実施例のいずれかの車高低下制御が実行されるようにするのである。
請求可能発明の一実施例である車両懸架システムを概念的に示す図である。 上記車両懸架システムの構成要素であるエアばねとショックアブソーバとを示す正面図(一部断面)である。 上記車両懸架システムの制御プログラムの一つを表すフローチャートである。 請求可能発明の別の実施例である車両懸架システムの制御プログラムの一つを表すフローチャートである。 さらに別の実施例である車両懸架システムの制御プログラムの一つを表すフローチャートである。 さらに別の実施例である車両懸架システムの制御プログラムの一つを表すフローチャートである。 さらに別の実施例である車両懸架システムの制御プログラムの一つを表すフローチャートである。
符号の説明
10:車体側部材 12:車輪側部材 14:懸架装置 16:ショックアブソーバ 18:エアばね 30:車高調整装置 32:エア給排装置 34:車高センサ 36:制御装置 52:ピストンロッド 56:ピストン 58,62,64:ストッパ部材 60:ストッパ部 76:エア室 80:コンプレッサ 82:フロント制御バルブ 84:リヤ制御バルブ 86:排気バルブ 118:エア圧センサ 120:車輪速センサ 124:トラクション制御装置 126:目標車高設定装置 128:車高低下制御終了指示スイッチ

Claims (5)

  1. 複数の車輪のうちの1輪以上ずつに対応する複数の車高を調整する車高調整装置を備えた車両懸架システムであって、
    前記複数の車輪のいずれかの接地が不十分であることを検知する接地不十分検知部と、
    その接地不十分検知部による検知に応じて前記車高調整装置に前記複数の車高を低下させるべきことを指令する車高低下指令部と
    を含むことを特徴とする車両懸架システム。
  2. 前記接地不十分検知部が、
    前記1輪以上ずつに対応する複数の車高の各々を検出する複数の車高検出装置と、
    それら複数の車高検出装置のいずれかが、対応する懸架装置がフルリバウンド状態にあることを検出した場合に、その懸架装置に対応する車輪の接地状態が不十分であると検知する懸架装置状態依拠検知部と
    を含む請求項1に記載の車両懸架システム。
  3. 前記接地不十分検知部が、
    懸架装置において圧力が前記車輪の接地荷重と対応する個所における流体圧を検出する圧力検出装置と、
    その圧力検出装置による検出流体圧が設定流体圧以下となった場合に、その設定流体圧以下となった圧力検出装置に対応する車輪の接地状態が不十分であると検知する流体圧依拠検知部と
    を含む請求項1または2に記載の車両懸架システム。
  4. 前記接地不十分検知部が、
    前記複数の車輪の回転速度である車輪速を検出する複数の車輪速検出装置と、
    それら複数の車輪速検出装置による複数の検出車輪速の相違状態が設定相違状態以上である場合に、いずれかの車輪の接地状態が不十分であると検知する車輪速依拠検知部と
    を含む請求項1ないし3のいずれかに記載の車両懸架システム。
  5. 前記車高調整装置による調整車高の目標値である目標車高を2段階以上に設定する目標車高設定部と、
    その目標車高設定部により設定されている目標車高が設定段階以上ではない場合には、前記接地不十分検知部と前記車高低下指令部との少なくとも一方の作動を禁止する作動禁止部と
    を含む請求項1ないし4のいずれかに記載の車両懸架システム。
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