JP4884872B2 - 熱可塑性ウレタン組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、熱可塑性ポリウレタンと、特定の構造を有するポリエチレンワックスとを含む熱可塑性ポリウレタン組成物、およびその製造方法に関する。より詳細には、特定の重量平均分子量を有する熱可塑性ポリウレタンと、特定の構造を有するポリエチレンワックスとを含む熱可塑性ポリウレタン組成物、および該熱可塑性ポリウレタン組成物の製造方法、ならびに成形体に関する。
熱可塑性ポリウレタン(以下、TPUとも略する)の溶融過程における流動性、ならびに金型および成形加工機などからの離型性を向上させるため、TPUにワックスを添加する方法が知られている。例えば、流動性、離型性を向上するために、TPUに特定のワックス混合物を添加したTPU組成物が検討されている。この組成物に使用されるワックス混合物として、ステアリン酸エステル、モンタン酸エステルなどの脂肪族エステル、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミドなどの脂肪族アミド、脂肪族エステルアミドおよびポリエチレンワックスからなる群から選択される化合物が検討されている(例えば、特許文献
1、特許文献2参照)。また、射出成形したTPUの金型からの離型性を向上させるため
、脂肪族アミド、モンタン系ワックスに加えて、特定範囲の平均分子量を有するポリエチレンワックスを使用する方法が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
これら特許文献1〜3には、流動性および金型からの離型性を向上させるために、ポリエチレンワックスの使用が例示されている。しかし、これら文献に具体的に記載される従来のポリエチレンワックスを用いて、例えばTダイ成形、インフレーション成形などによ
りTPUを成形したとしても、その成形性自体は改善される傾向にあるが、得られる成形体の力学物性は低下する場合があった。また、時間とともに成形品からブリードアウトが生じる場合があり、フィルム、シート等の成形体にして使用しようとしても、用途によっては問題となる場合があった。
特開平10−158502号公報 特開2002−179907号公報 特開2002−336382号公報
本発明の目的は、Tダイ成形、インフレーション成形などの成形を行う際の生産性を改
善しつつ、力学物性および意匠性を損なうことなく成形体を提供し得る熱可塑性ポリウレタン組成物および該組成物の製造方法を提供することにある。
本発明者らは上記課題を検討し、特定の重量平均分子量を有する熱可塑性ポリウレタンに特定の構造を有するポリエチレンワックスを特定量含む熱可塑性ポリウレタン組成物を用いることにより、Tダイ成形、インフレーション成形などの成形を行う際の生産性を改
善しつつ、得られる成形体の力学物性および意匠性を損なわないことを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明の熱可塑性ポリウレタン組成物は、
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が、5.0×104〜40×104の範囲である熱可塑性ポリウレタン(A)100重量部と、
JIS K7112の密度勾配管法に従って測定した密度が890〜980(kg/m3
)の範囲にあり、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリエチレン換算の数平均分子量(Mn)が700〜4,000の範囲にあり、かつ下記式(I
)で表される関係を満たすポリエチレンワックス(B)0.01〜5重量部とを含む点に特徴がある。
B≦0.0075×K ・・・(I)
(上記式(I)中、Bは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した場合の、上記ポリエチレンワックス中のポリエチレン換算の分子量が20,000以上となる成分の含有割合(重量%)であり、Kは上記ポリエチレンワックスの140℃における溶融粘度(mPa・s)である。)
上記ポリエチレンワックス(B)はさらに下記式(II)で表される関係を満たしていることが好ましい。
A≦230×K(-0.537) ・・・(II)
(上記式(II)中、Aは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した場合の、上記ポリエチレンワックス中のポリエチレン換算の分子量が1,000以下となる成分の含有割合(重量%)であり、Kは上記ポリエチレンワックスの140℃における溶融粘度(mPa・s)である。)
上記ポリエチレンワックス(B)は、メタロセン系触媒を用いて製造できる。
上記熱可塑性ポリウレタン組成物は、熱可塑性ポリウレタン(A)とポリエチレンワックス(B)とを含むワックスマスターバッチ(C)に、熱可塑性ポリウレタン(A)を溶融混練して製造することが好ましい。
このような上記熱可塑性ポリウレタン組成物を成形することにより、成形体が得られる。
本発明の熱可塑性ポリウレタン組成物によれば、射出および押出成形時の成形機の負荷電力を低減しつつ、得られる成形体の力学物性および意匠性が損なわれない。
****
以下、本発明を詳細に説明する。
以下本発明の組成物の原料をまず説明する。
<熱可塑性ポリウレタン(A)>
本発明で用いる熱可塑性ポリウレタン(TPU)(A)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した際のポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が、5.0×104〜40×104の範囲にある点に特徴がある。
TPU(A)の重量平均分子量が上記範囲未満である場合には、得られる組成物の力学物性が低下してしまう傾向にあり、TPUの分子量が上記範囲より大きい場合には、後述するポリエチレンワックス(B)を添加したとしても、成形の際の流動性が改善されにくくなる傾向にある。
得られる組成物の力学物性の低下をより一層抑制し、しかも流動性がより一層改善する観点からは、上記TPU(A)の重量平均分子量は、好ましくは、8.0×104〜30
×104であり、最も好ましくは、10×104〜28×104である。
TPUの硬度は、shoreAおよびDタイプのデュロメーターで測定した値として、55A〜75Dが好ましく、さらに好ましくは、75A〜96Aである。
本発明に用いるTPU(A)は、数平均分子量が500〜9000程度のポリオール、イソシアネート化合物および分子量が40〜600程度のポリオール、ポリアミンである鎖延長剤を重合させることにより、調製される。その形態はペレット、フレークおよびパウダー状が例示できる。目的とする用途によって、最適な形状に加工することが好ましい。
<ポリオール>
上記TPU(A)の調製に用いるポリオールは、1分子中に水酸基を2個以上有する重合体であり、ポリオキシアルキレンポリオール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンジオール、およびポリカーボネートジオール等が例示できる。これらポリオールは単独で用いても良いし、2種以上混合して用いても良い。
<ポリオキシアルキレンポリオール>
上記ポリオキシアルキレンポリオールとしては、例えば、比較的低分子量の2価アルコールの1種、または2種以上の化合物にプロピレンオキサイド、エチレンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加重合したポリオキシアルキレングリコール等が挙げられる。特に、上記アルキレンオキサイドとしては、プロピレンオキサイド、エチレンオキサイドが好ましく用いられる。
上記TPU(A)の製造に用いるポリオキシアルキレンポリオールの数平均分子量は、200〜8000の範囲が好ましく、500〜5000の範囲がさらに好ましい。
<ポリテトラメチレンエーテルグリコール>
上記ポリテトラメチレンエーテルグリコール(以下、PTMEGという)は、テトラヒドロフランを開環重合して得られる。PTMEGの数平均分子量としては、250〜4000程度のものが好ましい。特に好ましくは250〜3000程度の数平均分子量である。
<ポリエステルポリオール>
上記ポリエステルポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールF等の低分子ポリオールの1種または2種以上と、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ダイマー酸等、或いはその他の低分子ジカルボン酸やオリゴマー酸の1種または2種以上との縮合重合により得られるポリエステルポリオール等が挙げられる。具体的には、ポリ(エチレンブチレンアジペート)ポリオール、ポリ(エチレンアジペート)ポリオール、ポリ(エチレンプロピレンアジペート)ポリオール、ポリ(プロピレンアジペート)ポリオール、ポリ(ブチレンヘキサンアジペート)ポリオール、ポリ(ブチレンアジペート)ポリオール等が例示できる。
また、ε−カプロラクトンを開環重合して得られるポリカプロラクトンポリオール等も例示できる。本発明に用い得るポリエステルポリオールの数平均分子量としては、500〜4000程度のものが好ましい。特に好ましくは800〜3000程度の数平均分子量である。
<ポリカーボネートジオール>
上記ポリカーボネートジオールとしては、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等の2価アルコールと、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジフェ
ニルカーボネート等の縮合反応より得られるポリカーボネートジオールが挙げられる。本発明に用いうるポリカーボネートジオールの数平均分子量としては、500〜3000程度のものが好ましい。特に好ましくは800〜2000程度の数平均分子量である。
<イソシアネート化合物>
次に、TPU(A)の調製に用いるイソシアネート化合物について説明する。イソシアネート化合物としては、イソシアネート基を1分子中に2個以上有する芳香族系、脂肪族系、脂環族系等の化合物が使用できる。例えば、芳香族系ポリイソシアネートとしては、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、これらトリレンジイソシアネートの異性体混合物、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、これらジフェニルメタンジイソシアネートの任意の異性体混合物、トルイレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、パラフェニレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネートなどが挙げられる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、エチレンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、オクタメチレンジイソシアネート、ノナメチレンジイソシアネート、2,2’−ジメチルペンタンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、ブテンジイソシアネート、1,3−ブタジエン−1,4−ジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,6,11−ウンデカメチレントリイソシアネート、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、1,8−ジイソシアネート−4−イソシアネートメチルオクタン、2,5,7−トリメチル−1,8−ジイソシアネート−5−イソシアネートメチルオクタン、ビス(イソシアネートエチル)カーボネート、ビス(イソシアネートエチル)エーテル、1,4−ブチレングリコールジプロピルエーテル−ω,ω’−ジイソシアネート、リジンイソシアネートメチルエステル、リジントリイソシアネート、2−イソシアネートエチル−2,6−ジイソシアネートヘキサノエート、2−イソシアネートプロピル−2,6−ジイソシアネートヘキサノエート、ビス(4−イソシアネート−n−ブチリデン)ペンタエリスリトールなどが挙げられる。
脂環族系ポリイソシアネートとしては、例えば、イソホロンジイソシアネート、ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、2,2’−ジメチルジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、2,5−ジイソシアネートメチル−ビシクロ〔2,2,1〕−ヘプタン、その異性体である2,6−ジイソシアネートメチル−ビシクロ〔2,2,1〕−ヘプタン、2−イソシアネートメチル−2−(3−イソシアネートプロピル)−5−イソシアネートメチル−ビシクロ−〔2,2,1〕−ヘプタン、2−イソシアネートメチル−2−(3−イソシアネートプロピル)−6−イソシアネートメチル−ビシクロ−〔2,2,1〕−ヘプタン、2−イソシアネートメチル−3−(3−イソシアネートプロピル)−5−(2−イソシアネートエチル)−ビシクロ−〔2,2,1〕−ヘプタン、2−イソシアネートメチル−3−(3−イソシアネートプロピル)−6−(2−イソシアネートエチル)−ビシクロ−〔2,2,1〕−ヘプタン、2−イソシアネートメチル−2−(3−イソシアネートプロピル)−5−(2−イソシアネートエチル)−ビシクロ−〔2,2,1〕−ヘプタン、2−イソシアネートメチル−2−(3−イソシアネートプロピル)−6−(2−イソシアネートエチル)−ビシクロ−〔2,2,1〕−ヘプタンなどが挙げられる。
上記したポリイソシアネートのうち、好ましくは、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、キシリレンジイソシアナート(XDI)、ジシクロヘキシルメタ
ンジイソシアネート(水添MDI)、ナフタレンジイソシアネート(NDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、2,5−ジイソシアネートメチル−ビシクロ〔2,2,1〕−ヘプタン、その異性体である2,6−ジイソシアネートメチル−ビシクロ〔2,2,1〕−ヘプタン(NBDI)、ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン(水
添XDI)およびその異性体などが挙げられる。
<鎖延長剤>
鎖伸長剤としては、1分子中に水酸基を2個以上有する、脂肪族、芳香環、複素環または脂環式環の低分子量のポリオールが好ましい。脂肪族のポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパンなどが挙げられる。
また、芳香環、複素環または脂環式環のポリオールとしては、例えば、パラキシレングリコール、ビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレート、ビス(2−ヒドロキシエチル)イソフタレート、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,3−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、レゾルシン、ヒドロキノン、2,2’−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカン、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジオールなどが挙げられる。尚、これら鎖伸長剤は、単独で用いてもよく、また、二種以上併用してもよい。
上記した化合物のうち、好ましくは、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジオールが挙げられる。
<TPUの製造>
上記したイソシアネート化合物、ポリオールおよび鎖延長剤を主原料として、熱可塑性ポリウレタンを製造する。熱可塑性ポリウレタンの製造において、予め、ポリオールとイソシアネート化合物とを反応させたイソシアネート基末端プレポリマー(以下、プレポリマーと略する)と鎖延長剤とを反応させる方法(以下、プレポリマー法と略する)、あるいは、予めポリオールと鎖延長剤との混合物とイソシアネート化合物とを同時に反応させる方法(以下、ワンショット法と略する)のいずれを用いても構わない。また、いずれの方法においても、ポリオールは加熱減圧脱水処理を十分に行ない、水分量を低下させておくことが好ましい。これらポリオールの好ましい水分量としては、0.05質量%以下、より好ましくは、0.03質量%以下、更に好ましくは、0.02質量%以下である。
プレポリマー法およびワンショット法において、イソシアネート化合物中のイソシアネート基とポリオールおよび/または鎖延長剤中のヒドロキシル基との当量比(NCO/O
H比)は、0.9〜1.2が好ましく、さらに好ましくは0.95〜1.1、最も好ましくは0.98〜1.08である。
通常、プレポリマー法においては、不活性ガス存在下、ポリオールとイソシアネート化合物とを反応温度40〜150℃で、30秒間〜8時間程度、攪拌混合し、プレポリマーを製造する。次いで、プレポリマーと鎖延長剤とを秤量し、両者を混合する。混合方法に関して、特に限定はないが、通常、ディゾルバーのような混合槽や循環式の低圧、高圧衝突混合装置、高速撹拌ミキサー、スタティックミキサー、ニーダー、或いは単軸、二軸回転式の押出機のような装置を用いるのが好ましい。特に、高速撹拌ミキサーで活性水素化合物とイソシアネート基含有化合物を十分に混合した後、スタティックミキサーや単軸式
押出機もしくは混練機で混合する方法がフィッシュアイを減少させる観点から好ましい。前記した原料の混合温度は特に限定されないが、通常、40℃〜280℃が好ましく、より好ましくは100℃〜270℃、最も好ましくは、120〜260℃で、0.5〜10分間程度、攪拌混合を行なう。ワンショット法についても同様、予め、混合、脱泡したヒドロキシル基を有する化合物とイソシアネート化合物とを、40℃〜280℃、より好ましくは100℃〜260℃の範囲で、30秒間〜1時間程度、攪拌混合を行なう。
ポリオールおよび鎖延長剤などの活性水素化合物とイソシアネート基含有化合物を十分に混合した後の熱可塑性ポリウレタンの重合温度は、150〜280℃が好ましく、さらに好ましくは170〜260℃である。熱可塑性ポリウレタンの製造時に金属系、アミン系など公知の触媒を添加しても構わない。その使用量は、ポリオール100重量部に対して、0.001〜0.5重量部が好ましい。さらに好ましくは0.01〜0.3重量部である。
上記方法により、重合した熱可塑性ポリウレタンは、カッターやペレタイザーなどを用いて粉砕、細粒化した後、押出機などを用いて、ペレットなどの所望の形状に成形することもできる。
また、本発明に係わるTPUには、その製造時あるいは製造後に、耐熱安定剤、耐光安定剤を添加しておくことが好ましい。これらの安定剤を予め、TPUの原料に溶解しておくことが好ましい。また、必要に応じて、加水分解防止剤、防錆剤、充填剤等を添加しても構わない。耐熱安定剤としては、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、リン系熱安定剤、ラクトン系熱安定剤、イオウ系熱安定剤等が挙げられる。好ましくは、例えば、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製の商品名、IRGANOX1010、同1
035、同1076、同1098、同1135、同1222、同1425WL、同1520L、同245、同3790、同5057、IRGAFOS168、同126、HP−136等が例示される。耐光安定剤としては、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾエート系光安定剤、ヒンダードアミン系光安定剤等が挙げられる。好ましくは、例えば、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ株式会社製の商品名、TINUVIN P、同234、同326、同32
7、同328、同329、同571、同144、同765、同B75等が例示される。これら耐熱安定剤、耐光安定剤はTPUに対して、各々、0.01〜1重量%添加することが好ましく、更に好ましくは、0.1〜0.8重量%である。
<ポリエチレンワックス(B)>
本発明でポリエチレンワックス(B)とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリエチレン換算の数平均分子量(Mn)が700〜4,000の範囲にあるエチレンの単独重合体またはエチレンとα−オレフィンとの共重合体、またはそれらのブレンド物をいう。上記ポリエチレンワックスのポリエチレン換算の数平均分子量(Mn)は、以下の条件でゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定から求めたものである。
(数平均分子量(Mn))
数平均分子量は、GPC測定から求めた。測定は以下の条件で行った。また、数平均分子量は、市販の単分散標準ポリスチレンを用いて検量線を作成し、下記の換算法に基づいて求めた。
装置 : ゲル浸透クロマトグラフAlliance GPC2000型(Waters社製)
溶剤 : o−ジクロロベンゼン
カラム: TSKgelカラム(東ソー社製)×4
流速 : 1.0 ml/分
試料 : 0.15mg/ml o−ジクロロベンゼン溶液
温度 : 140℃
分子量換算 : PE換算/汎用較正法
なお、汎用較正の計算には、以下に示すMark−Houwink粘度式の係数を用いた。
ポリスチレン(PS)の係数 : KPS=1.38×10-4, aPS=0.70
ポリエチレン(PE)の係数 : KPE=5.06×10-4, aPE=0.70
上述のような分子量にあるポリエチレンワックスを添加すると、ポリエチレンワックスを添加しない場合と比較してより低温での成形が可能となる傾向、あるいはポリエチレンワックスを添加しない場合と比較して、同一の温度で成形しても樹脂圧力が下がる傾向にあるので成形時の生産性が改善される傾向にある。
また上述のような分子量にあるポリエチレンワックスを添加して得られるポリウレタン熱可塑性樹脂組成物では、成形工程において成形機のモーター負荷電力の低減されるなど生産性が改善され、また、射出成形する場合には金型からの離型性が向上する傾向にある。
本発明で用いるポリエチレンワックスは、密度が890〜980(kg/m3)の範囲
にある。上記ポリエチレンワックスの密度は、JISK7112の密度勾配管法で測定した値である。ポリエチレンワックスの密度が上記範囲にある場合には、成形時の生産性が改善される傾向にある。
本発明のポリエチレンワックスはその分子量と、溶融粘度との間に下記式(I)で示さ
れる特定の関係がある点に特徴がある。
B≦0.0075×K ・・・(I)
ここで上記式(I)中、Bは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した場合の、上記ポリエチレンワックス中のポリエチレン換算の分子量が20,000以上となる成分の重量基準での含有割合(重量%)である。また、Kはブルックフィールド(B型)粘度計で測定した上記ポリエチレンワックスの140℃における溶融粘度(mPa・s)である。
上記(I)式の条件を満たすポリエチレンワックスを用いた場合には、成形時の生産性が改善され、また、射出成形する場合には金型からの離型性が向上する傾向にあるだけでなく、熱可塑性ポリウレタン組成物が本来有する力学物性、特に圧縮永久歪を損なわれず、しかも、その組成物から得られる成形体の意匠性を維持される傾向にある。
通常、ポリウレタンに溶融粘度が低いポリエチレンワックスを混合して組成物を製造すると、生産性が改善され、また、その組成物を射出成形する場合には、金型からの離型性が向上する傾向にはある。
本発明者らが検討した結果、ポリウレタンにポリエチレンワックスを混合して得られる熱可塑性ポリウレタン組成物では、使用するポリエチレンワックスのうち、分子量が20,000以上の成分の割合が溶融粘度との関係で極めて重要であることが分かった。その詳細なメカニズムは明らかではないが、ポリエチレンワックスとポリウレタンとを溶融混練する場合には、ポリエチレンワックス全体の中でも、分子量20,000以上の成分は、その溶融挙動がワックス全体の中でも特異的であり、ポリエチレンワックス全体の溶融粘度という観点から見て、分子量20,000以上の成分一定割合以下としないと、ポリエチレンワックスが熱可塑性ポリウレタンに対して良好に分散することができず、最終的な成形体の力学物性にも影響を与えるものと推定される。
B値が上記範囲のポリエチレンワックスは、メタロセン触媒を用いて調製できる。メタ
ロセン触媒の中でも、配位子が非架橋であるメタロセン触媒が好ましい。このようなメタロセン触媒としては、後述する一般式(1)で表されるメタロセン化合物を例示できる。
さらに、上記B値は重合温度によっても制御できる。例えば、後述するメタロセン触媒
によりポリエチレンワックスを製造する場合には、重合温度は通常100〜200℃の範囲であるが、上述したB値を有するポリエチレンワックスを製造する観点からは、重合温度は、好ましくは、100〜180℃の範囲、より好ましくは、100〜170℃の範囲である。
本発明のポリエチレンワックスはその分子量と、溶融粘度との間にさらに、下記式(II)で示される特定の関係があることが好ましい。
A≦230×K(-0.537) ・・・(II)
ここで上記式(II)中、Aは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した場合の、上記ポリエチレンワックス中のポリエチレン換算の分子量が1,000以下となる成分の重量基準での含有割合(重量%)である。また、Kは上記ポリエチレンワックスの140℃における溶融粘度(mPa・s)である。
上記(II)式の条件を満たすポリエチレンワックスを用いた場合には、上記熱可塑性ポリウレタン組成物からペレットを作製した場合には、得られたペレットはブロッキングが無く、作業性に優れる傾向にある。また、上記熱可塑性ポリウレタン組成物から得られる成形体からのブリードアウトもほとんど見られない傾向にある。
前述のように、通常、ポリウレタンに溶融粘度が低いポリエチレンワックスを混合して熱可塑性樹脂組成物を製造する場合には、生産性が改善され、また、その組成物を射出成形する場合には、金型からの離型性が向上する傾向にはある。しかし、これら従来のポリエチレンワックスを含む熱可塑性樹脂組成物からペレットを製造すると、得られたペレットはブロッキングがある場合があり、またその熱可塑性樹脂から成形体を製造した場合には、得られた成形体はブリードアウトが見られる場合があった。
本発明者らが検討した結果、ポリウレタンにポリエチレンワックスを混合して得られる熱可塑性ポリウレタン組成物では、使用するポリエチレンワックスのうち、分子量が1,000以下の成分の割合が溶融粘度との関係で極めて重要であることが分かった。その詳細なメカニズムは明らかではないが、ポリエチレンワックスとポリウレタンとを溶融混練する場合には、ポリエチレンワックス全体の中でも、分子量1,000以下の成分は、その溶融挙動がワックス全体の中でも特異的であり、表面へ染み出し、場合によってはその染み出したものが劣化等を引き起こし最終的な成形体の力学物性、ブロッキング性にも影響を与えるものと推定される。
A値が上記範囲のポリエチレンワックスは、メタロセン触媒を用いて調製できる。メタ
ロセン触媒の中でも、配位子が非架橋であるメタロセン触媒が好ましい。このようなメタロセン触媒としては、後述する一般式(1)で表されるメタロセン化合物を例示できる。
さらに、上記A値は重合温度によっても制御できる。例えば、後述するメタロセン触媒
によりポリエチレンワックスを製造する場合には、重合温度は通常100〜200℃の範囲であるが、上述したA値を有するポリエチレンワックスを製造する観点からは、重合温
度は、好ましくは、100〜180℃の範囲、より好ましくは、100〜170℃の範囲である。
上記ポリエチレンワックスの数平均分子量(Mn)は、700〜4,000の範囲であり、1,500〜4,000の範囲が好ましい。
ポリエチレンワックスの数平均分子量(Mn)が700〜4,000の範囲にあると、成形する際に熱可塑性ポリウレタンに対するポリエチレンワックスの分散が良好となる。また、押出量が向上し、押出し時の負荷が低減し、生産性がより向上する。さらに、ポリエチレンワックスを添加せずに得られる成形体と比較しても、得られる成形体の力学物性が損なわれない傾向にあり、熱可塑性ポリウレタン組成物が本来有する力学物性、特に圧縮永久歪を損なわれず、しかも、その組成物から得られる成形体の意匠性を維持される傾向にある。
さらに、ポリエチレンワックスの数平均分子量(Mn)が1,500〜4,000の範囲にあると、圧縮永久歪が殆んど損なわれない。
ポリエチレンワックスのMnは、重合温度などにより制御できる。例えば、後述するメ
タロセン触媒によりポリエチレンワックスを製造する場合には、重合温度は通常100〜200℃の範囲であるが、上述した好適範囲のMnを有するポリエチレンワックスを製造
する観点からは、重合温度は、好ましくは100〜180℃の範囲、より好ましくは100〜170℃の範囲である。
また、ポリエチレンワックスの密度(D(kg/m3))は890〜980(kg/m3)の範囲である。
ポリエチレンワックスの密度は、ポリエチレンワックスがエチレンの単独重合体である場合には、ポリエチレンワックスの数平均分子量(Mn)に依存する。例えば、ポリエチレンワックスの分子量を低くすれば、得られる重合体の密度を低く制御できる。ポリエチレンワックスがエチレンとα−オレフィンとの共重合体である場合には、ポリエチレンワックスの密度は、数平均分子量(Mn)の大きさに依存するとともに、重合時のエチレンに対するα−オレフィンの使用量、およびその種類により制御できる。例えば、エチレンに対するα−オレフィンの使用量を増加すると、得られる重合体の密度を低くできる。
ポリエチレンワックスの密度の観点からは、エチレン単独共重合体、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとの共重合体、またはこれらの混合物が好ましい。
上記エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとの共重合体の製造に使用するα−オレフィンとしては、炭素数が3〜10のα−オレフィンが好ましく、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテンがより好ましく、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテンが特に好ましい。
上記エチレンとα−オレフィンとの共重合体の製造に使用するα−オレフィンは、使用する全単量体に対して0〜20mol%の範囲にあることが好ましい。
また、ポリエチレンワックスの密度は、重合温度によっても制御できる。例えば、後述するメタロセン触媒によりポリエチレンワックスを製造する場合には、重合温度は通常100〜200℃の範囲であるが、上述した好適範囲の密度を有するポリエチレンワックスを製造する観点からは、重合温度は、好ましくは、100〜180℃の範囲、より好ましくは、100〜170℃の範囲である。
このようなポリエチレンワックスは、常温で固体であり、65〜130℃で低粘度の液体となる。
さらに上記ポリエチレンワックスは、示差走査熱量計(DSC)で測定した上記結晶化温度〔Tc(℃)〕と、上記密度勾配法で測定した密度(D(kg/m3))とが、好ま
しくは下記式(III)
0.501×D−366 ≧ Tc …(III)
より好ましくは、下記式(IIIa)
0.501×D−366.5 ≧ Tc …(IIIa)
さらに好ましくは、下記式(IIIb)
0.501×D−367 ≧ Tc …(IIIb)
の関係を満たす。
ポリエチレンワックスにおいて結晶化温度(Tc)と密度(D)とが上記式の関係を満たしている場合には、熱可塑性ポリウレタンに対するポリエチレンワックスの分散性がより良好となる傾向にある。
上記式の関係を満たすポリエチレンワックスは、メタロセン触媒を用いて調製できる。メタロセン触媒の中でも、配位子が非架橋であるメタロセン触媒が好ましい。このようなメタロセン触媒としては、後述する一般式(1)で表されるメタロセン化合物が例示できる。
さらに、上記式の関係を満たすポリエチレンワックスは、重合温度を制御することによっても製造できる。例えば、後述するメタロセン触媒によりポリエチレンワックスを製造する場合には、重合温度は通常100〜200℃の範囲であるが、上述したB値を有するポリエチレンワックスを製造する観点からは、重合温度は、好ましくは、100〜180℃の範囲、より好ましくは、100〜170℃の範囲である。
本発明において好適なメタロセン系触媒としては、例えば、
(A) 周期表第4族から選ばれる遷移金属のメタロセン化合物、並びに
(B)(b-1)有機アルミニウムオキシ化合物、
(b-2)前記架橋メタロセン化合物(A)と反応してイオン対を形成する化合物および
(b-3)有機アルミニウム化合物
とから選ばれる少なくとも1種以上の化合物とからなるオレフィン重合用触媒を
挙げることができる。
以下にこれらについて詳細に説明する。
<メタロセン化合物>
(A) 周期表第4族から選ばれる遷移金属のメタロセン化合物
メタロセン系触媒を形成するメタロセン化合物は、周期表第4族から選ばれる遷移金属のメタロセン化合物であり、具体的な例としては下記一般式(1)で表される化合物が挙げられる。
1Lx …(1)
ここで、M1は周期表第4族から選ばれる遷移金属、xは遷移金属M1の原子価、Lは配位子である。M1で示される遷移金属の例としては、ジルコニウム、チタン、ハフニウムな
どがある。Lは遷移金属M1に配位する配位子であって、そのうち少なくとも1個の配位
子Lはシクロペンタジエニル骨格を有する配位子であって、このシクロペンタジエニル骨格を有する配位子は置換基を有していてもよい。シクロペンタジエニル骨格を有する配位子Lとしては、例えばシクロペンタジエニル基、メチルシクロペンタジエニル基、エチルシクロペンタジエニル基、n−またはi−プロピルシクロペンタジエニル基、n−、i−、sec−またはt−ブチルシクロペンタジエニル基、ジメチルシクロペンタジエニル基、メチルプロピルシクロペンタジエニル基、メチルブチルシクロペンタジエニル基、メチルベンジルシクロペンタジエニル基等のアルキルまたはシクロアルキル置換シクロペンタジエニル基;さらにインデニル基、4,5,6,7−テトラヒドロインデニル基、フルオレ
ニル基などが挙げられる。このシクロペンタジエニル骨格を有する配位子の水素は、ハロゲン原子またはトリアルキルシリル基などで置換されていてもよい。
上記のメタロセン化合物が、配位子Lとしてシクロペンタジエニル骨格を有する配位子を2個以上有する場合には、そのうち2個のシクロペンタジエニル骨格を有する配位子同士が、エチレン、プロピレン等のアルキレン基;イソプロピリデン、ジフェニルメチレン等の置換アルキレン基;シリレン基またはジメチルシリレン基、ジフェニルシリレン基、メチルフェニルシリレン基等の置換シリレン基などを介して結合されていてもよい。
シクロペンタジエニル骨格を有する配位子以外の配位子(シクロペンタジエニル骨格を有しない配位子)Lとしては、炭素原子数1〜12の炭化水素基、アルコキシ基、アリーロキシ基、スルフォン酸含有基(−SO31)、ハロゲン原子または水素原子(ここで、R1はアルキル基、ハロゲン原子で置換されたアルキル基、アリール基、ハロゲン原子で
置換されたアリール基またはアルキル基で置換されたアリール基である。)などが挙げられる。
<メタロセン化合物の例−1>
上記一般式(1)で表されるメタロセン化合物が、例えば遷移金属の原子価が4である場合、より具体的には下記一般式(2)で表される。
2 k3 l4 m5 n1 …(2)
ここで、M1は周期表第4族から選ばれる遷移金属、R2はシクロペンタジエニル骨格を有する基(配位子)、R3、R4およびR5はそれぞれ独立にシクロペンタジエニル骨格を有
するかまたは有しない基(配位子)である。kは1以上の整数であり、k+l+m+n=4である。
1がジルコニウムであり、かつシクロペンタジエニル骨格を有する配位子を少なくと
も2個含むメタロセン化合物の例を次に挙げる。ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムモノクロリドモノハイドライド、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(1−メチル−3−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムビス(トリフルオロメタンスルホナト)、ビス(1,3−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウ
ムジクロリドなど。
上記の化合物の中で、1,3−位置換シクロペンタジエニル基を1,2−位置換シクロペンタジエニル基に置き換えた化合物も用いることができる。
またメタロセン化合物の別の例としては、上記一般式(2)において、R2、R3、R4
およびR5の少なくとも2個、例えばR2およびR3がシクロペンタジエニル骨格を有する
基(配位子)であり、この少なくとも2個の基がアルキレン基、置換アルキレン基、シリレン基または置換シリレン基などを介して結合されているブリッジタイプのメタロセン化合物を使用することもできる。このときR4およびR5は、それぞれ独立に、前述したシクロペンタジエニル骨格を有する配位子以外の配位子Lと同様である。
このようなブリッジタイプのメタロセン化合物としては、エチレンビス(インデニル)ジメチルジルコニウム、エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、メチルフェニルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリドなどが挙げられる。
<メタロセン化合物の例−2>
またメタロセン化合物の例としては、下記一般式(3)で表される特開平4−268307号公報記載のメタロセン化合物が挙げられる。
Figure 0004884872
ここで、M1は周期表第4族遷移金属であり、具体的にはチタニウム、ジルコニウム、ハ
フニウムが挙げられる。
11およびR12は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子;炭素原子数1〜10のアルキル基;炭素原子数1〜10のアルコキシ基;炭素原子数6〜10のアリール基;炭素原子数6〜10のアリーロキシ基;炭素原子数2〜10のアルケニル基;炭素原子数7〜40のアリールアルキル基;炭素原子数7〜40のアルキルアリール基;炭素原子数8〜40のアリールアルケニル基;またはハロゲン原子であり、R11およびR12は、塩素原子であることが好ましい。
13およびR14は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子;ハロゲン原子;ハロゲン化されていてもよい炭素原子数1〜10のアルキル基;炭素原子数6〜10のアリール基;−N(R20)2、−SR20、−OSi(R20)3、−Si(R20)3または−P(R20)2基である。ここで、R20はハロゲン原子、好ましくは塩素原子;炭素原子数1〜10、好ましくは1〜3のアルキル基;または炭素原子数6〜10、好ましくは6〜8のアリール基である。R13およびR14は、特に水素原子であることが好ましい。
15およびR16は、水素原子が含まれないことを除きR13およびR14と同じであって、互いに同じでも異なっていてもよく、好ましくは同じである。R15およびR16は、好ましくはハロゲン化されていてもよい炭素原子数1〜4のアルキル基、具体的にはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、トリフルオロメチル等が挙げられ、特にメチルが好ましい。
上記一般式(3)において、R17は次の群から選ばれる。
Figure 0004884872
=BR21、=AlR21、−Ge−、−Sn−、−O−、−S−、=SO、=SO2、=N
21、=CO、=PR21、=P(O)R21など。M2はケイ素、ゲルマニウムまたは錫、
好ましくはケイ素またはゲルマニウムである。ここで、R21、R22およびR23は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子;ハロゲン原子;炭素原子数1〜10のアルキル基;炭素原子数1〜10のフルオロアルキル基;炭素原子数6〜10のアリール基;炭素原子数6〜10のフルオロアリール基;炭素原子数1〜10のアルコキシ基;炭素原子数2〜10のアルケニル基;炭素原子数7〜40のアリールアルキル基;炭素原子数8〜40のアリールアルケニル基;または炭素原子数7〜40のアルキルアリール基である。「R21とR22」または「R21とR23」とは、それぞれそれらが結合する原子と一緒になって環を形成してもよい。また、R17は、=CR2122、=SiR2122、=GeR2122、−O−、−S−、=SO、=PR21または=P(O)R21であることが好ましい。R18およびR19は互いに同一でも異なっていてもよく、R21と同じものが挙げられる。mおよびnは互いに同一でも異なっていてもよく、それぞれ0、1または2、好ましくは0または1であり、m+nは0、1または2、好ましくは0または1である。
上記一般式(3)で表されるメタロセン化合物の例としては、次の化合物が挙げられる。rac−エチレン(2−メチル−1−インデニル)2−ジルコニウム−ジクロライド、
rac−ジメチルシリレン(2−メチル−1−インデニル)2−ジルコニウム−ジクロラ
イドなど。これらのメタロセン化合物は、例えば、特開平4−268307号公報に記載の方法で製造することができる。
<メタロセン化合物の例−3>
また、メタロセン化合物としては、下記一般式(4)で表されるメタロセン化合物を用いることもできる。
Figure 0004884872
式(4)中、M3は、周期表第4族の遷移金属原子を示し、具体的にはチタニウム、ジル
コニウム、ハフニウムなどである。R24およびR25は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基、ケイ素含有基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基またはリン含有基を示す。R24は炭化水素基であることが好ましく、特にメチル、エチルまたはプロピルの炭素原子数1〜3のアルキル基であることが好ましい。R25は水素原子または炭化水素基が好ましく、特に水素原子、またはメチル、エチルもしくはプロピルの炭素原子数1〜3のアルキル基であることが好ましい。R26、R27、R28およびR29は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基を示す。これらの中では水素原子、炭化水素基またはハロゲン化炭化水素基であることが好ましい。R26とR27、R27とR28、R28とR29のうち少なくとも1組は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、単環の芳香族環を形成していてもよい。また芳香族環を形成する基以外に、炭化水素基またはハロゲン化炭化水素基が2個以上ある場合には、これらが互いに結合して環状になっていてもよい。なおR29が芳香族基以外の置換基である場合、水素原子であることが好ましい。X
1およびX2は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素原子含有基またはイオウ原子含有基を示すYは、炭素原子数1〜20の2価の炭化水素基、炭素原子数1〜20の2価のハロゲン化炭化水素基、2価のケイ素含有基、2価のゲルマニウム含有基、2価のスズ含有基、−O−、−CO−、−S−、−SO−、−SO2−、−NR30
、−P(R30)−、−P(O)(R30)−、−BR30−または−AlR30−(ただし、R30は水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基)を示す。
式(4)において、R26とR27、R27とR28、R28とR29のうち少なくとも1組が互いに結合して形成する単環の芳香族環を含み、M3に配位する配位子としては、次式で表さ
れるものなどが挙げられる。
Figure 0004884872
(式中、Yは前式に示したものと同じである。)
<メタロセン化合物の例−4>
メタロセン化合物としては、また下記一般式(5)で表されるメタロセン化合物を用いることもできる。
Figure 0004884872
式(5)中、M3、R24、R25、R26、R27、R28およびR29は、上記一般式(4)と同
じである。R26、R27、R28およびR29のうち、R26を含む2個の基がアルキル基であることが好ましく、R26とR28、またはR28とR29がアルキル基であることが好ましい。このアルキル基は、2級または3級アルキル基であることが好ましい。またこのアルキル基は、ハロゲン原子、ケイ素含有基で置換されていてもよく、ハロゲン原子、ケイ素含有基としては、R24、R25で例示した置換基が挙げられる。R26、R27、R28およびR29のうち、アルキル基以外の基は、水素原子であることが好ましい。またR26、R27、R28およびR29は、これらから選ばれる2種の基が互いに結合して芳香族環以外の単環あるいは多環を形成していてもよい。ハロゲン原子としては、上記R24およびR25と同様のものが挙げられる。X1、X2およびYとしては、上記と同様のものが挙げられる。
上記一般式(5)で表されるメタロセン化合物の具体的な例を次に示す。rac−ジメチルシリレン−ビス(4,7−ジメチル−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、r
ac−ジメチルシリレン−ビス(2,4,7−トリメチル−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス(2,4,6−トリメチル−1−インデニル
)ジルコニウムジクロリドなど。
これらの化合物において、ジルコニウム金属を、チタニウム金属、ハフニウム金属に置換えた遷移金属化合物を用いることもできる。遷移金属化合物は、通常ラセミ体として用いられるが、R型またはS型を用いることもできる。
<メタロセン化合物の例−5>
メタロセン化合物として、下記一般式(6)で表されるメタロセン化合物を使用することもできる。
Figure 0004884872
式(6)中、M3、R24、X1、X2およびYは、上記一般式(4)と同じである。R24
炭化水素基であることが好ましく、特にメチル、エチル、プロピルまたはブチルの炭素原子数1〜4のアルキル基であることが好ましい。R25は、炭素原子数6〜16のアリール基を示す。R25はフェニル、ナフチルであることが好ましい。アリール基は、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基または炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基で置換されていてもよい。X1およびX2としては、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基であることが好ましい。
上記一般式(6)で表されるメタロセン化合物の具体的な例を次に示す。rac−ジメチルシリレン−ビス(4−フェニル−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス(2−メチル−4−フェニル−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス(2−メチル−4−(α−ナフチル)−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス(2−メチル−4−(β−ナフチル)−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス(2−メチル−4−(1−アントリル)−1−インデニル)ジルコニウムジクロリドなど。またこれら化合物において、ジルコニウム金属をチタニウム金属またはハフニウム金属に置き換えた遷移金属化合物を用いることもできる。
<メタロセン化合物の例−6>
またメタロセン化合物として、下記一般式(7)で表されるメタロセン化合物を用いることもできる。
LaM43 2 …(7)
ここで、M4は周期表第4族またはランタニド系列の金属である。Laは非局在化π結合基の誘導体であり、金属M4活性サイトに拘束幾何形状を付与している基である。X3は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数20以下の炭化水素基、20以下のケイ素を含有するシリル基または20以下のゲルマニウムを含有するゲルミル基である。
この化合物の中では、次式(8)で示される化合物が好ましい。
Figure 0004884872
式(8)中、M4は、チタン、ジルコニウムまたはハフニウムである。X3は上記一般式(7)で説明したものと同様である。CpはM4にπ結合しており、かつ置換基Zを有する
置換シクロペンタジエニル基である。Zは酸素、イオウ、ホウ素または周期表第4族の元素(例えばケイ素、ゲルマニウムまたは錫)である。Yは窒素、リン、酸素またはイオウを含む配位子であり、ZとYとで縮合環を形成していてもよい。このような式(8)で表されるメタロセン化合物の具体的な例を次に示す。(ジメチル(t−ブチルアミド)(テト
ラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シラン)チタンジクロリド、((t−ブチルアミ
ド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)−1,2−エタンジイル)チタンジクロ
リドなど。またこのメタロセン化合物において、チタンをジルコニウムまたはハフニウムに置き換えた化合物を挙げることもできる。
<メタロセン化合物の例−7>
またメタロセン化合物としては、下記一般式(9)で表されるメタロセン化合物を使用することもできる。
Figure 0004884872
式(9)中、M3は周期表第4族の遷移金属原子であり、具体的には、チタニウム、ジル
コニウムまたはハフニウムであり、好ましくはジルコニウムである。R31は互いに同一でも異なっていてもよく、そのうち少なくとも1個が炭素原子数11〜20のアリール基、炭素原子数12〜40のアリールアルキル基、炭素原子数13〜40のアリールアルケニル基、炭素原子数12〜40のアルキルアリール基またはケイ素含有基であるか、またはR31で示される基のうち隣接する少なくとも2個の基が、それらの結合する炭素原子とともに、単数または複数の芳香族環または脂肪族環を形成している。この場合、R31により形成される環は、R31が結合する炭素原子を含んで全体として炭素原子数が4〜20である。アリール基、アリールアルキル基、アリールアルケニル基、アルキルアリール基および芳香族環、脂肪族環を形成しているR31以外のR31は、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜10のアルキル基またはケイ素含有基である。R32は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数2〜10のアルケニル基、炭素原子数7〜40のアリールアルキル基、炭素原子数8〜40のアリールアルケニル基、炭素原子数7〜40のアルキルアリール基、ケイ素含有基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基またはリン含有
基である。また、R32で示される基のうち隣接する少なくとも2個の基が、それらの結合する炭素原子とともに、単数または複数の芳香族環または脂肪族環を形成していてもよい。この場合、R32により形成される環は、R32が結合する炭素原子を含んで全体として炭素原子数が4〜20であり、芳香族環、脂肪族環を形成しているR32以外のR32は、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜10のアルキル基またはケイ素含有基である。なお、R32で示される2個の基が、単数または複数の芳香族環または脂肪族環を形成して構成される基にはフルオレニル基が次式のような構造になる態様も含まれる。
Figure 0004884872
32は、水素原子またはアルキル基であることが好ましく、特に水素原子またはメチル、エチル、プロピルの炭素原子数1〜3の炭化水素基であることが好ましい。このような置換基としてR32を有するフルオレニル基としては、2,7−ジアルキル−フルオレニル基
が好適な例として挙げられ、この場合の2,7−ジアルキルのアルキル基としては、炭素
原子数1〜5のアルキル基が挙げられる。また、R31とR32は、互いに同一でも異なっていてもよい。R33およびR34は互いに同一でも異なっていてもよく、上記と同様の水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数2〜10のアルケニル基、炭素原子数7〜40のアリールアルキル基、炭素原子数8〜40のアリールアルケニル基、炭素原子数7〜40のアルキルアリール基、ケイ素含有基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基またはリン含有基である。これらのうち、R33およびR34は、少なくとも一方が炭素原子数1〜3のアルキル基であることが好ましい。X1およびX2は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基もしくは窒素含有基、またはX1とX2とから形成された共役ジエン残基である。X1とX2とから形成された共役ジエン残基としては、1,3−ブタジエン、
2,4−ヘキサジエン、1−フェニル−1,3−ペンタジエン、1,4−ジフェニルブタジ
エンの残基が好ましく、これらの残基はさらに炭素原子数1〜10の炭化水素基で置換されていてもよい。X1およびX2としては、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基またはイオウ含有基であることが好ましい。Yは、炭素原子数1〜20の2価の炭化水素基、炭素原子数1〜20の2価のハロゲン化炭化水素基、2価のケイ素含有基、2価のゲルマニウム含有基、2価のスズ含有基、−O−、−CO−、−S−、−SO−、−SO2−、−NR35−、−P(R35)−、−P(O)(R35)−、−BR35−または−AlR35−(
ただし、R35は水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基)を示す。これらの2価の基のうちでも、−Y−の最短連結部が1個または2個の原子で構成されているものが好ましい。また、R35は、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基である。Yは、炭素原子数1〜5の2価の炭化水素基、2価のケイ素含有基または2価のゲルマニウム含有基であることが好ましく、2価のケイ素含有基であることがより好ましく、アルキルシリレン、アルキルアリールシリレンまたはアリールシリレンであることが特に好ましい。
<メタロセン化合物の例−8>
またメタロセン化合物としては、下記一般式(10)で表されるメタロセン化合物を用いることもできる。
Figure 0004884872
式(10)中、M3は周期表第4族の遷移金属原子であり、具体的にはチタニウム、ジル
コニウムまたはハフニウムであり、好ましくはジルコニウムである。R36は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数6〜10のアリール基、炭素原子数2〜10のアルケニル基、ケイ素含有基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基またはリン含有基である。なお、上記アルキル基およびアルケニル基は、ハロゲン原子で置換されていてもよい。R36はこれらのうち、アルキル基、アリール基または水素原子であることが好ましく、特にメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピルの炭素原子数1〜3の炭化水素基、フェニル、α−ナフチル、β−ナフチルなどのアリール基または水素原子であることが好ましい。R37は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数2〜10のアルケニル基、炭素原子数7〜40のアリールアルキル基、炭素原子数8〜40のアリールアルケニル基、炭素原子数7〜40のアルキルアリール基、ケイ素含有基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基またはリン含有基である。なお、上記アルキル基、アリール基、アルケニル基、アリールアルキル基、アリールアルケニル基、アルキルアリール基は、ハロゲンが置換していてもよい。R37はこれらのうち、水素原子またはアルキル基であることが好ましく、特に水素原子またはメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、tert−ブチルの炭素原子数1〜4の炭化水素基であることが好ましい。また、上記R36とR37は、互いに同一でも異なっていてもよい。R38およびR39は、いずれか一方が炭素原子数1〜5のアルキル基であり、他方は水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数2〜10のアルケニル基、ケイ素含有基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基またはリン含有基である。これらのうち、R38およびR39は、いずれか一方がメチル、エチル、プロピルなどの炭素原子数1〜3のアルキル基であり、他方は水素原子であることが好ましい。X1およびX2は互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基もしくは窒素含有基、またはX1とX2とから形成された共役ジエン残基である。これらのうち、ハロゲン原子または炭素原子数1〜20の炭化水素基であることが好ましい。Yは、炭素原子数1〜20の2価の炭化水素基、炭素原子数1〜20の2価のハロゲン化炭化水素基、2価のケイ素含有基、2価のゲルマニウム含有基、2価のスズ含有基、−O−、−CO−、−S−、−SO−、−SO2−、−NR40−、−P(R40)−、−P(O)(R40)−、−BR40−または−AlR40−(ただし、R40は水素原子、
ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基)を示す。これらのうちYは、炭素原子数1〜5の2価の炭化水素基、2価のケイ素含有基または2価のゲルマニウム含有基であることが好ましく、2価のケイ素含有基であることがより好ましく、アルキルシリレン、アルキルアリールシリレンまたはアリールシリレンであることが特に好ましい。
<メタロセン化合物の例−9>
またメタロセン化合物としては、下記一般式(11)で表されるメタロセン化合物を用いることもできる。
Figure 0004884872
式(11)において、Yは炭素、ケイ素、ゲルマニウムおよびスズ原子から選ばれ、MはTi、ZrまたはHfであり、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11およびR12
は水素、炭化水素基、ケイ素含有基から選ばれ、それぞれ同一でも異なっていてもよく、R5からR12までの隣接した置換基は互いに結合して環を形成してもよく、R13、R14は炭化
水素基およびケイ素含有基から選ばれ、それぞれ同一でも異なっていてもよく、R13およ
びR14が互いに結合して環を形成してもよい。Qはハロゲン、炭化水素基、アニオン配位子または孤立電子対で配位可能な中性配位子から同一または異なる組合せで選んでもよく、jは1〜4の整数である。)
以下、本発明に関わる架橋メタロセン化合物の化学構造上の特徴であるシクロペンタジエニル基、フルオレニル基、架橋部、およびその他特徴について順次説明した後に、これらの特徴を併せ持つ好ましい架橋メタロセン化合物を説明する。
シクロペンタジエニル基
シクロペンタジエニル基は置換されていてもいなくてもよい。置換されていてもいなくてもよいシクロペンタジエニル基とは、上記一般式(11)におけるシクロペンタジエニル基部分が保有するR1、R2、R3およびR4が全て水素原子であるか、またはR1、R2、R3およびR4の内のいずれか一つ以上が炭化水素基(f1)、好ましくは総炭素数1から20の炭化水素基(f1')、またはケイ素含有基(f2)、好ましくは総炭素数1から20のケイ素含有基(f2')で置換されたシクロペンタジエニル基であることを意味する。R1、R2、R3およびR4の内の二つ以上が置換されている場合は、それらの置換基は相互に同一でも異なっていてもよい。また、総炭素数1から20の炭化水素基とは、炭素および水素のみから構成されるアルキル、ア
ルケニル、アルキニル、アリール基である。この中には、隣接する任意の二つの水素原子が同時に置換されて脂環族あるいは芳香族環を形成しているものも含む。総炭素数1から20の炭化水素基(f1')としては、炭素および水素のみから構成されるアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール基以外に、これらの炭素に直結した水素原子の一部がハロゲン原子、酸素含有基、窒素含有基、ケイ素含有基で置換されたヘテロ原子含有炭化水素基や、隣接する任意の二つの水素原子が脂環族を形成しているものも含む。このような基(f1')
としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、アリル(allyl)基、n-ブチル基、n-ペン
チル基、n-ヘキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基、n-ノニル基、n-デカニル基などの直鎖状炭化水素基;イソプロピル基、t-ブチル基、アミル基、3-メチルペンチル基、1,1-ジエチルプロピル基、1,1-ジメチルブチル基、1-メチル-1-プロピルブチル基、1,1-プロ
ピルブチル基、1,1-ジメチル-2-メチルプロピル基、1-メチル-1-イソプロピル-2-メチル
プロピル基などの分岐状炭化水素基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、ノルボルニル基、アダマンチル基などの環状飽和炭化水素基;フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、フェナントリル基、アントラセニル基などの環状不飽和炭化水素基およびこれらの核アルキル置換体;ベンジル基、クミル基などのアリール基の置換した飽和炭化水素基; メトキシ基、エトキシ基、フェノキシ基N-メチルアミノ基、トリフルオロメチル基、トリブロモメチル基、ペンタフルオロエチル基、ペンタフルオロフェニル基などのヘテロ原子含有炭化水素基を挙げることができる。
ケイ素含有基(f2)とは、例えば、シクロペンタジエニル基の環炭素がケイ素原子と直接共有結合している基であり、具体的にはアルキルシリル基やアリールシリル基である。総炭素数1から20のケイ素含有基(f2')としては、トリメチルシリル基、トリフェニルシリル基等を例示することができる。
フルオレニル基
フルオレニル基は置換されていてもいなくてもよい。置換されていてもいなくてもよいフルオレニル基とは、上記一般式(11)におけるフルオレニル基部分が保有するR5、R6、R7、R8、R9、R10、R11およびR12が全て水素原子であるか、またはR5、R6、R7、R8、R9、R10、R11およびR12の内のいずれか一つ以上が炭化水素基(f1)、好ましくは総炭素数1から20の炭化水素基(f1')、またはケイ素含有基(f2)、好ましくは総炭素数1から20のケイ素含
有基(f2')で置換されたフルオレニル基であることを意味する。R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11およびR12の内の二つ以上が置換されている場合は、それらの置換基は相互に同一でも異なっていてもよい。また、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11およびR12は、隣接する基
が互いに結合して環を形成していてもよい。触媒のその製造上の容易性からR6とR11、お
よびR7とR10が相互に同一であるものが好んで使用される。
炭化水素基(f1)の好ましい基は、前記した総炭素数1から20の炭化水素基(f1')であり、ケイ素含有基(f2)の好ましい例は、前記した総炭素数1から20のケイ素含有基(f2')である。共有結合架橋
シクロペンタジエニル基とフルオレニル基を結ぶ結合の主鎖部は、炭素、ケイ素、ゲルマニウムおよびスズ原子を一つ含有する2価の共有結合架橋である。本発明の高温溶液重合
において重要な点は、共有結合架橋部の架橋原子Yが、相互に同一でも異なっていてもよ
いR13とR14を有することである。炭化水素基(f1)の好ましい基は、前記した総炭素数1か
ら20の炭化水素基(f1')であり、ケイ素含有基(f2)の好ましい例は、前記した総炭素数1から20のケイ素含有基(f2')である。
架橋メタロセン化合物のその他の特徴
前記一般式(11)において、Qはハロゲン、炭素数が1〜10の炭化水素基、または炭素数が10以下の中性、共役または非共役ジエン、アニオン配位子または孤立電子対で配位可能な中性配位子から同一または異なる組み合わせで選ばれる。ハロゲンの具体例としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素であり、炭化水素基の具体例としては、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、2-メチルプロピル、1,1-ジメチルプロピル、2,2-ジメチルプロピル、1,1-ジエチルプロピル、1-エチル-1-メチルプロピル、1,1,2,2-テトラメチルプロ
ピル、sec-ブチル、tert-ブチル、1,1-ジメチルブチル、1,1,3-トリメチルブチル、ネオ
ペンチル、シクロヘキシルメチル、シクロヘキシル、1-メチル-1-シクロヘキシル等が挙
げられる。炭素数が10以下の中性、共役または非共役ジエンの具体例としては、s-シス-
またはs-トランス-η4-1,3-ブタジエン、s-シス-またはs-トランス-η4-1,4-ジフェニル-1,3-ブタジエン、s-シス-またはs-トランス-η4-3-メチル-1,3-ペンタジエン、s-シス-またはs-トランス-η4-1,4-ジベンジル-1,3-ブタジエン、s-シス-またはs-トランス-η4-2,4-ヘキサジエン、s-シス-またはs-トランス-η4-1,3-ペンタジエン、s-シス-またはs-ト
ランス-η4-1,4-ジトリル-1,3-ブタジエン、s-シス-またはs-トランス-η4-1,4-ビス(ト
リメチルシリル)-1,3-ブタジエン等が挙げられる。アニオン配位子の具体例としては、メトキシ、tert-ブトキシ、フェノキシ等のアルコキシ基、アセテート、ベンゾエート等の
カルボキシレート基、メシレート、トシレート等のスルホネート基等が挙げられる。孤立電子対で配位可能な中性配位子の具体例としては、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、ジフェニルメチルホスフィンなどの有機リン化合物、またはテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン、1,2-ジメトキシエタン等のエーテル類が挙げられる。jは1〜4の整数であり、jが2以上の時は、Qは互いに同一でも異なっていてもよい。
<メタロセン化合物の例−10>
またメタロセン化合物としては、下記一般式(12)で表されるメタロセン化合物を用いることもできる。
Figure 0004884872
式中、R1、R2、R3、R 4、R 5、R 6、R 7、R 8、R 9、R 10、R 11、R 12、R 13、R 14は水素、炭化水素基、ケイ素含有基から選ばれ、それぞれ同一でも異なっていてもよく、R 1からR 14までの隣接した置換基は互いに結合して環を形成してもよく、MはTi、Zr
またはHfであり、Yは第14族原子であり、Qはハロゲン、炭化水素基、炭素数が10以下の中性、共役または非共役ジエン、アニオン配位子、および孤立電子対で配位可能な中性配位子からなる群から同一または異なる組合せで選ばれ、nは2〜4の整数、jは1〜4の整数である。
上記一般式(12)において、炭化水素基としては、好ましくは炭素数1〜20のアルキル基、炭素数7〜20のアリールアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、または炭素数7〜20のアルキルアリール基であり、1つ以上の環構造を含んでいてもよい。
その具体例としては、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、2-メチルプロピル、1,1-ジメチルプロピル、2,2-ジメチルプロピル、1,1-ジエチルプロピル、1-エチル-1-
メチルプロピル、1,1,2,2-テトラメチルプロピル、sec-ブチル、tert-ブチル、1,1-ジメ
チルブチル、1,1,3-トリメチルブチル、ネオペンチル、シクロヘキシルメチル、シクロヘキシル、1-メチル-1-シクロヘキシル、1-アダマンチル、2-アダマンチル、2-メチル-2-アダマンチル、メンチル、ノルボルニル、ベンジル、2-フェニルエチル、1-テトラヒドロナフチル、1-メチル-1-テトラヒドロナフチル、フェニル、ナフチル、トリル等が挙げられ
る。
上記一般式(12)において、ケイ素含有炭化水素基としては、好ましくはケイ素数1〜4、炭素数3〜20のアルキルまたはアリールシリル基であり、その具体例としては、トリメチルシリル、tert-ブチルジメチルシリル、トリフェニルシリル等が挙げられる。
本発明において、上記一般式(12)のR1からR14は水素、炭化水素基、ケイ素含有
炭化水素基から選ばれ、それぞれ同一でも異なっていてもよい。好ましい炭化水素基、ケイ素含有炭化水素基の具体例としては、上記と同様のものを挙げることができる。
上記一般式(12)のシクロペンタジエニル環上のR 1からR 14までの隣接した置換基
は、互いに結合して環を形成してもよい。
一般式(12)のMは、周期律表第4族元素、すなわちジルコニウム、チタンまたはハ
フニウムであり、好ましくはジルコニウムである。
Yは第14族原子であり、好ましくは炭素原子または珪素原子である。nは2〜4の整
数であり、好ましくは2または3、特に好ましくは2である。
Qはハロゲン、炭化水素基、炭素数が10以下の中性、共役または非共役ジエン、アニ
オン配位子および孤立電子対で配位可能な中性配位子からなる群から同一または異なる組み合わせで選ばれる。Qが炭化水素基であるとき、より好ましくは炭素数が1〜10の炭
化水素基である。
ハロゲンの具体例としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素であり、炭化水素基の具体例としては、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、2-メチルプロピル、1,1-ジメチルプロピル、2,2-ジメチルプロピル、1,1-ジエチルプロピル、1-エチル-1-メチルプロピ
ル、1,1,2,2-テトラメチルプロピル、sec-ブチル、tert-ブチル、1,1-ジメチルブチル、1,1,3-トリメチルブチル、ネオペンチル、シクロヘキシルメチル、シクロヘキシル、1-メ
チル-1-シクロヘキシル等が挙げられる。炭素数が10以下の中性、共役または非共役ジ
エンの具体例としては、s-シス-またはs-トランス-η4-1,3-ブタジエン、s-シス-またはs-トランス-η4-1,4-ジフェニル-1,3-ブタジエン、s-シス-またはs-トランス-η4-3-メチ
ル-1,3-ペンタジエン、s-シス-またはs-トランス-η4-1,4-ジベンジル-1,3-ブタジエン、s-シス-またはs-トランス-η4-2,4-ヘキサジエン、s-シス-またはs-トランス-η4-1,3-ペンタジエン、s-シス-またはs-トランス-η4-1,4-ジトリル-1,3-ブタジエン、s-シス-またはs-トランス-η4-1,4-ビス(トリメチルシリル)-1,3-ブタジエン等が挙げられる。アニオン配位子の具体例としては、メトキシ、tert-ブトキシ、フェノキシ等のアルコキシ基
、アセテート、ベンゾエート等のカルボキシレート基、メシレート、トシレート等のスルホネート基等が挙げられる。孤立電子対で配位可能な中性配位子の具体例としては、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、ジフェニルメチルホスフィンなどの有機リン化合物、またはテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジオキサン、1、2−ジメトキシエタン等のエーテル類が挙げられる。jが2以上の整数である場合は、複数のQは同一でも異なっていてもよい。
式(12)において、Yは2〜4の複数個存在するが、複数のYは相互に同一であっても異なっていてもよい。Yに結合する複数のR13および複数のR14は、それぞれ相互に同一で
あっても異なっていてもよい。例えば同一のYに結合する複数のR13が相互に異なっていてもよいし、異なるYに結合する複数のR13が相互に同一であってもよい。また、R13もしく
はR14同士が環を形成していてもよい。
式(12)で表される第4族遷移金属化合物の好ましい例として、下記式(13)で表される化合物を挙げることができる。
Figure 0004884872
式(13)中、R 1、R 2、R 3、R 4、R 5、R 6、R 7、R 8、R 9、R 10、R 11、R 12
水素原子、炭化水素基、ケイ素含有基から選ばれ、それぞれ同一でも異なっていてもよく、R 13、R 14、R 15、R 16は水素原子または炭化水素基であり、nは1〜3の整数であり
、n=1のときは前記R 1からR 16は同時に水素原子ではなく、それぞれ同一でも異なっていてもよい。R 5からR 12までの隣接した置換基は互いに結合して環を形成してもよく、R
13とR 15は互いに結合して環を形成してもよく、またR 13とR 15は互いに結合して環を
形成すると同時にR 14とR 16は互いに結合して環を形成してもよく、Y1およびY2は第14族原子であり相互に同一でも異なっていてもよく、MはTi、ZrまたはHfであり、Qはハロゲン、炭化水素基、アニオン配位子または孤立電子対で配位可能な中性配位子から同一または異なる組合せで選んでもよく、jは1〜4の整数である。
このようなメタロセン化合物の例−9、10のような化合物は特開2004−175707号公報WO2001/027124、WO2004/029062、WO2004/083265等に挙げられている。
以上に説明したメタロセン化合物は、単独であるいは2種以上組み合せて用いられる。またメタロセン化合物は、炭化水素またはハロゲン化炭化水素などに希釈して用いてもよい。
触媒成分は、(A)前記で表される架橋メタロセン化合物、並びに(B)(b-1) 有機アルミニウムオキシ化合物、(b-2) 前記架橋メタロセン化合物(A)と反応してイオン対を形成する化合物、および(b-3)有機アルミニウム化合物から選ばれる少なくても1種の化合
物から構成される。
以下、(B)成分について具体的に説明する。
<(b-1) 有機アルミニウムオキシ化合物>
本発明で用いられる(b-1) 有機アルミニウムオキシ化合物は、従来公知のアルミノキサンをそのまま使用できる。具体的には、下記一般式(14)
Figure 0004884872
および/または一般式(15)
Figure 0004884872
(ここで、Rは炭素数1〜10の炭化水素基、nは2以上の整数を示す。)で代表される化合物を挙げることができ、特にRがメチル基であるメチルアルミノキサンでnが3以上、好まし
くは10以上のものが利用される。これらアルミノキサン類に若干の有機アルミニウム化合物が混入していても差し支えない。本発明の高温溶液重合において特徴的な性質は、特開平2-78687号公報に例示されているようなベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合
物をも適用できることである。また、特開平2-167305号公報に記載されている有機アルミニウムオキシ化合物、特開平2-24701号公報、特開平3-103407号公報に記載されている二
種類以上のアルキル基を有するアルミノキサンなども好適に利用できる。なお、本発明の高温溶液重合で用いられる「ベンゼン不溶性の」有機アルミニウムオキシ化合物とは、60℃のベンゼンに溶解するAl成分がAl原子換算で通常10%以下、好ましくは5%以下、特に好
ましくは2%以下であり、ベンゼンに対して不溶性または難溶性であることをいう。
また、本発明で用いられる有機アルミニウムオキシ化合物としては下記(16)のような修飾メチルアルミノキサン等も挙げられる。
Figure 0004884872
(ここで、Rは炭素数1〜10の炭化水素基、m,nは2以上の整数を示す。)
この修飾メチルアルミノキサンはトリメチルアルミニウムとトリメチルアルミニウム以外のアルキルアルミニウムを用いて調製されるものである。このような化合物[V]は一般にMMAOと呼ばれている。このようなMMAOはUS4960878およびUS5041584で挙げられている方法
で調製することが出来る。また、東ソー・ファインケム社等からもトリメチルアルミニウムとトリイソブチルアルミニウムを用いて調製したRがイソブチル基であるものがMMAOやTMAOといった名称で商業生産されている。このようなMMAOは各種溶媒への溶解性および保
存安定性を改良したアルミノキサンであり、具体的には上記(14)、(15)のようなベンゼンに対して不溶性または難溶性のものとは違い、脂肪族炭化水素や脂環族炭化水素に溶解するものである。
さらに、本発明で用いられる有機アルミニウムオキシ化合物としては、下記一般式(1
7)で表されるボロンを含んだ有機アルミニウムオキシ化合物を挙げることもできる。
Figure 0004884872
(式中、Rcは炭素原子数が1〜10の炭化水素基を示す。Rdは、互いに同一でも異なってい
てもよく、水素原子、ハロゲン原子または炭素原子数が1〜10の炭化水素基を示す。)
<(b-2) 架橋メタロセン化合物(A)と反応してイオン対を形成する化合物>
架橋メタロセン化合物(A)と反応してイオン対を形成する化合物(b-2)(以下、「イオン性化合物」と略称する場合がある。)としては、特開平1-501950号公報、特開平1-502036号公報、特開平3-179005号公報、特開平3-179006号公報、特開平3-207703号公報、特開平3-207704号公報、USP5321106号などに記載されたルイス酸、イオン性化合物、ボラン化合物およびカルボラン化合物などを挙げることができる。さらに、ヘテロポリ化合物およびイソポリ化合物も挙げることができる。
本発明において、好ましく採用されるイオン性化合物は下記一般式(18)で表される化合物である。
Figure 0004884872
式中、Re+としては、H+、カルベニウムカチオン、オキソニウムカチオン、アンモニウ
ムカチオン、ホスホニウムカチオン、シクロヘプチルトリエニルカチオン、遷移金属を有するフェロセニウムカチオンなどが挙げられる。Rf〜Riは、互いに同一でも異なっていてもよく、有機基、好ましくはアリール基である。
前記カルベニウムカチオンとして具体的には、トリフェニルカルベニウムカチオン、トリス(メチルフェニル)カルベニウムカチオン、トリス(ジメチルフェニル)カルベニウムカチオンなどの三置換カルベニウムカチオンなどが挙げられる。
前記アンモニウムカチオンとして具体的には、トリメチルアンモニウムカチオン、トリエチルアンモニウムカチオン、トリ(n-プロピル)アンモニウムカチオン、トリイソプロピルアンモニウムカチオン、トリ(n-ブチル)アンモニウムカチオン、トリイソブチルアンモニウムカチオンなどのトリアルキルアンモニウムカチオン、N,N-ジメチルアニリニウムカチオン、N,N-ジエチルアニリニウムカチオン、N,N-2,4,6-ペンタメチルアニリニウムカチオンなどのN,N-ジアルキルアニリニウムカチオン、ジイソプロピルアンモニウムカチオン、ジシクロヘキシルアンモニウムカチオンなどのジアルキルアンモニウムカチオンなどが挙げられる。
前記ホスホニウムカチオンとして具体的には、トリフェニルホスホニウムカチオン、トリス(メチルフェニル)ホスホニウムカチオン、トリス(ジメチルフェニル)ホスホニウムカチオンなどのトリアリールホスホニウムカチオンなどが挙げられる。
上記のうち、Re+としては、カルベニウムカチオン、アンモニウムカチオンなどが好ま
しく、特にトリフェニルカルベニウムカチオン、N,N-ジメチルアニリニウムカチオン、N,N-ジエチルアニリニウムカチオンが好ましい。
カルベニウム塩として具体的には、トリフェニルカルベニウムテトラフェニルボレート、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルカルベニウムテトラキス(3,5-ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリス(4-メ
チルフェニル)カルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリス(3,5-
ジメチルフェニル)カルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどを挙
げることができる。
アンモニウム塩としては、トリアルキル置換アンモニウム塩、N,N-ジアルキルアニリニウム塩、ジアルキルアンモニウム塩などを挙げることができる。
トリアルキル置換アンモニウム塩として具体的には、たとえばトリエチルアンモニウムテトラフェニルボレート、トリプロピルアンモニウムテトラフェニルボレート、トリ(n-
ブチル)アンモニウムテトラフェニルボレート、トリメチルアンモニウムテトラキス(p-トリル)ボレート、トリメチルアンモニウムテトラキス(o-トリル)ボレート、トリ(n-ブチル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリエチルアンモニウム
テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリプロピルアンモニウムテトラキス(
ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリプロピルアンモニウムテトラキス(2,4-ジメチルフェニル)ボレート、トリ(n-ブチル)アンモニウムテトラキス(3,5-ジメチルフェニル)ボ
レート、トリ(n-ブチル)アンモニウムテトラキス(4-トリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリ(n-ブチル)アンモニウムテトラキス(3,5-ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリ(n-ブチル)アンモニウムテトラキス(o-トリル)ボレート、ジオクタデシルメチルアンモニウムテトラフェニルボレート、ジオクタデシルメチルアンモニウムテトラキス(p-トリル)ボレート、ジオクタデシルメチルアンモニウムテトラキス(o-トリル)ボレート、ジオクタデシルメチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジオクタデシルメチルアンモニウムテトラキス(2,4-ジメチルフェニル)ボレート、ジオクタデシルメチルアンモニウムテトラキス(3,5-ジメチルフェニル)ボレート、ジオクタデシルメチルアンモニウムテトラキス(4-トリフルオロメチルフェニル)ボレート、ジオクタデシルメチルアンモニウムテトラキス(3,5-ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、ジオクタデシルメチルアンモニウムなどが挙げられる。
N,N-ジアルキルアニリニウム塩として具体的には、たとえばN,N-ジメチルアニリニウムテトラフェニルボレート、 N,N-ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、 N,N-ジメチルアニリニウムテトラキス(3,5-ジトリフルオロメチルフェニ
ル)ボレート、N,N-ジエチルアニリニウムテトラフェニルボレート、N,N-ジエチルアニリ
ニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、 N,N-ジエチルアニリニウムテト
ラキス(3,5-ジトリフルオロメチルフェニル)ボレート、N,N-2,4,6-ペンタメチルアニリニウムテトラフェニルボレート、N,N-2,4,6-ペンタメチルアニリニウムテトラキス(ペンタ
フルオロフェニル)ボレートなどが挙げられる。
ジアルキルアンモニウム塩として具体的には、たとえばジ(1-プロピル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジシクロヘキシルアンモニウムテトラフェニルボレートなどが挙げられる。
その他、本出願人によって開示(特開2004-51676号公報)されているイオン性化合物も制限無く使用が可能である。
尚、上記のようなイオン性化合物(b-2)は、2種以上混合して用いることができる。
<(b-3) 有機アルミニウム化合物>
オレフィン重合触媒を形成する(b-3)有機アルミニウム化合物としては、例えば下記
一般式[X]で表される有機アルミニウム化合物、下記一般式(19)で表される第1族金属とアルミニウムとの錯アルキル化物などを挙げることができる。
Ra mAl(ORb)nHpXq------ (19)
(式中、RaおよびRbは、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数が1〜15、好
ましくは1〜4の炭化水素基を示し、Xはハロゲン原子を示し、mは0<m≦3、nは0≦n<3、pは0≦p<3、qは0≦q<3の数であり、かつm+n+p+q=3である。)で表される有機アルミ
ニウム化合物。このような化合物の具体例として、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリn-ブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウムなどのトリn-アルキルアルミニウム;トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリsec-ブチルアルミニウム、トリtert-ブチルアルミニウム、
トリ2-メチルブチルアルミニウム、トリ3-メチルヘキシルアルミニウム、トリ2-エチルヘキシルアルミニウムなどのトリ分岐鎖アルキルアルミニウム;トリシクロヘキシルアルミニウム、トリシクロオクチルアルミニウムなどのトリシクロアルキルアルミニウム;トリフェニルアルミニウム、トリトリルアルミニウムなどのトリアリールアルミニウム;ジイソプロピルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライドなどのジアルキルアルミニウムハイドライド;一般式(i-C4H9)xAly(C5H10)z(式中、x、y、zは正
の数であり、z≦2xである。)
などで表されるイソプレニルアルミニウムなどのアルケニルアルミニウム;イソブチルアルミニウムメトキシド、イソブチルアルミニウムエトキシドなどのアルキルアルミニウムアルコキシド;ジメチルアルミニウムメトキシド、ジエチルアルミニウムエトキシド、ジブチルアルミニウムブトキシドなどのジアルキルアルミニウムアルコキシド;エチルアルミニウムセスキエトキシド、ブチルアルミニウムセスキブトキシドなどのアルキルアルミニウムセスキアルコキシド;一般式Ra 2.5Al(ORb)0.5などで表される平均組成を有する部
分的にアルコキシ化されたアルキルアルミニウム;ジエチルアルミニウムフェノキシド、ジエチルアルミニウム(2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノキシド)などのアルキルアルミニウムアリーロキシド;ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、ジブチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムブロミド、ジイソブチルアルミニウムクロリドなどのジアルキルアルミニウムハライド;エチルアルミニウムセスキクロリド、ブチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムセスキブロミドなどのアルキルアルミニウムセスキハライド;エチルアルミニウムジクロリドなどのアルキルアルミニウムジハライドなどの部分的にハロゲン化されたアルキルアルミニウム;ジエチルアルミニウムヒドリド、ジブチルアルミニウムヒドリドなどのジアルキルアルミニウムヒドリド;エチルアルミニウムジヒドリド、プロピルアルミニウムジヒドリドなどのアルキルアルミニウムジヒドリドなどその他の部分的に水素化されたアルキルアルミニウム;エチルアルミニウムエトキシクロリド、ブチルアルミニウムブトキシクロリド、エチルアルミニウムエトキシブロミドなどの部分的にアルコキシ化およびハロゲン化されたアルキルアルミニウムなどを挙げることができる。
M2AlRa 4 -----------(20)
(式中、M2はLi、NaまたはKを示し、Raは炭素原子数が1〜15、好ましくは1〜4の炭化水素基を示す。)
で表される周期律表第1族金属とアルミニウムとの錯アルキル化物。このような化合物としては、LiAl(C2H5)4、LiAl(C7H15)4などを例示することができる。
また、上記一般式(20)で表される化合物に類似する化合物も使用することができ、例えば窒素原子を介して2以上のアルミニウム化合物が結合した有機アルミニウム化合物を挙げることができる。このような化合物として具体的には、(C2H5)2AlN(C2H5)Al(C2H5)2などを挙げることができる。
入手容易性の点から、(b−3)有機アルミニウム化合物としては、トリメチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムが好んで用いられる。
<重合>
本発明で用いられるポリエチレンワックスは、上記メタロセン系触媒の存在下に、エチレンを通常液相で単独重合するか、またはエチレンおよびα−オレフィンを共重合させることにより得られる。重合の際には、各成分の使用法、添加順序は任意に選ばれるが、以下のような方法が例示される。
[q1] 成分(A)を単独で重合器に添加する方法。
[q2] 成分(A)および成分(B)を任意の順序で重合器に添加する方法。
上記[q2]の方法においては、各触媒成分の少なくとも2つ以上は予め接触されていても
よい。この際、一般に炭化水素溶媒が用いられるが、α−オレフィンを溶媒として用いてもよい。なお、ここで用いる各モノマーは、前述した通りである。
重合方法は、ポリエチレンワックスがヘキサン等の溶媒中に粒子として存在する状態で重合する懸濁重合、溶媒を用いないで重合する気相重合、そして140℃以上の重合温度で、ポリエチレンワックスが溶剤と共存または単独で溶融した状態で重合する溶液重合が可能であり、その中でも溶液重合が経済性と品質の両面で好ましい。
重合反応は、バッチ法あるいは連続法いずれの方法で行ってもよい。重合をバッチ法で実施するに際しては、前記の触媒成分は次に説明する濃度下で用いられる。
上記のようなオレフィン重合用触媒を用いて、オレフィンの重合を行うに際して、成分(A)は,反応容積1リットル当り、通常10-9〜10-1モル、好ましくは10-8〜10-2モルに
なるような量で用いられる。
成分(b−1)は、成分(b−1)と、成分(A)中の全遷移金属原子(M)とのモル比
〔(b−1)/M〕が通常0.01〜5,000、好ましくは0.05〜2,000となるような量で用いられる。成分(b−2)は、成分(b−2)中のイオン性化合物と、成分(A)中の全遷移金属(M)とのモル比〔(b−2)/M〕が、通常0.01〜5,000、好ましくは1〜2,000となるような量で用いられる。成分(b−3)は、成分(b−3)と、成分(A)中の遷移金属原子(M)とのモル比〔(b−3)/M〕が、通常1〜1
0000、好ましくは1〜5000となるような量で用いられる。
重合反応は、温度が通常−20〜+200℃、好ましくは50〜180℃、さらに好ましくは70〜180℃で、圧力が通常0を超えて7.8MPa(80kgf/cm2、ゲ
ージ圧)以下、好ましくは0を超えて4.9MPa(50kgf/cm2、ゲージ圧)以
下の条件下に行われる。
重合に際して、エチレンおよび必要に応じて用いられるα−オレフィンは、前記した特定組成のポリエチレンワックスが得られるような量割合で重合系に供給される。また重合に際しては、水素などの分子量調節剤を添加することもできる。
このようにして重合させると、生成した重合体は通常これを含む重合液として得られるので、常法により処理するとポリエチレンワックスが得られる。
本発明においては、特に<メタロセン化合物の例−1>で示したメタロセン化合物を含む触媒の使用が好ましい。
このような触媒を用いると上述した特性を有するポリエチレンワックスが容易に得られる。
本発明のポリエチレンワックスの形状は特に制限はないが、通常、ペレット状、またはタブレット状の粒子である。
<TPU組成物>
本発明は、熱可塑性ポリウレタン(A)100重量部に対して、ポリエチレンワックス(B)が0.01〜5重量部からなる熱可塑性ポリウレタン組成物である。ポリエチレンワックス(B)が上記重量部未満になると、成形過程におけるトルクの低減効果が見られなくなる傾向にある。一方、ポリエチレンワックス(B)が上記重量部より多くなると、熱可塑性ポリウレタン組成物の成形体の力学物性が低下する傾向にある。成形時のトルク
をより一層低減し、得られる成形体の力学物性の低下をより一層抑制する観点からは、熱可塑性ポリウレタン(A)100重量部に対して、ポリエチレンワックス(B)は0.05〜2重量部が好ましく、さらに好ましくは、0.08〜1重量部である。
また、本発明の目的に差し支えない範囲で、ステアリン酸アミド、エチレンビスステアリルアミド、オレイン酸アミドなどの脂肪族アミド化合物やステアリン酸エステル、モンタン酸エステルなどの化合物を1つまたは2つ以上さらに添加してもよい。熱可塑性ポリウレタン(A)100重量部に対して、これらの化合物総量が0.01〜1重量部の範囲が好ましい。
本発明では、上記熱可塑性ポリウレタン(A)およびポリエチレンワックス(B)に加えて、さらに必要に応じて、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤等の安定剤、金属石鹸、顔料、充填剤、難燃剤、抗菌剤、防カビ剤等の添加剤を原料に加えて使用してもよい。
上記安定剤としては、ヒンダードフェノール系化合物、フォスファイト系化合物、チオエーテル系化合物などの酸化防止剤;
ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物などの紫外線吸収剤;
ヒンダードアミン系化合物などの光安定剤が挙げられる。
上記金属石鹸としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸亜鉛などのステアリン酸塩等が挙げられる。
上記充填剤としては、炭酸カルシウム、酸化チタン、硫酸バリウム、タルク、クレー、カーボンブラックなどが挙げられる。
上記顔料としては、フタロシアニン系、アゾ系、縮合アゾ系、アントラキノン系、キナクリドン系、インジゴ系、ペリレン系等有機顔料、及び酸化チタン、カ−ボンブラック、弁柄、群青等無機顔料が挙げられる。
上記難燃剤としては、デガブロムジフェニルエーテル、オクタブロムジフェニルエーテル等のハロゲン化ジフェニルエーテル、ハロゲン化ポリカーボネイトなどのハロゲン化合物;三酸化アンチモン、四酸化アンチモン、五酸化アンチモン、ピロアンチモン酸ソーダ、水酸化アルミニウムなどの無機化合物;リン系化合物などが挙げられる。
また、ドリップ防止のため難燃助剤としてはテトラフルオロエチレン等の化合物を添加することができる。
上記抗菌剤、防カビ剤としては、イミダゾール系化合物、チアゾール系化合物、ニトリル系化合物、ハロアルキル系化合物、ピリジン系化合物などの有機化合物;
銀、銀系化合物、亜鉛系化合物、銅系化合物、チタン系化合物などの無機物質、無機化合物などが挙げられる。
これら化合物のなかでも、熱的に安定で性能の高い銀、銀系化合物が好ましい。
上記銀系化合物としては、銀錯体、脂肪酸、リン酸等銀塩を挙げることができる。
銀および銀系化合物を抗菌剤、防カビ剤として用いる場合には、これら物質はゼオライト、シリカゲル、リン酸ジルコニウム、リン酸カルシュウム、ハイドロタルサイト、ヒドロキシアパタイト、ケイ酸カルシウムなどの多孔性構造体に担持させて使用する場合もある。
その他添加剤としては、染料、着色剤、可塑剤、老化防止剤、オイルなどが挙げられる。
<TPU組成物の製造方法>
本発明に係わる熱可塑性ポリウレタン(TPU)(A)とポリエチレンワックス(B)を含むワックスマスターバッチ(C)に、熱可塑性ポリウレタン(A)を溶融混練することにより、熱可塑性ポリウレタン組成物を製造する。
押出機にTPU(A)とポリエチレンワックス(B)とを直接添加して、目的とするポリエチレンワックス(B)の濃度範囲で成形加工を行うことも可能である。しかし、単軸押出機を使用した長時間にわたる押出成形においては、サージングが発生することがある。そのため、予め、ワックスマスターバッチを調製後、成形時に熱可塑性ポリウレタン(A)を添加して、熱可塑性ポリウレタン組成部を調製する方法が好ましい。また、ワックスマスターバッチと熱可塑性ポリウレタンとを溶融混練しながら、目的とする成形体に加工することもできる。
TPU(A)とポリエチレンワックス(B)を含むワックスマスターバッチ(C)の製造方法としては、二軸押出機あるいは連続式のニーダー等の撹拌混練機を用いる方法が好ましい。例えば、予め、除湿乾燥したTPU(A)とポリエチレンワックス(B)とをドライブレンドしたペレット、もしくはTPU(A)とポリエチレンワックス(B)とを別々に定量供給可能なフィーダーを用いて、連続的に二軸押出機に装入し、溶融混練することにより、ポリエチレンワックス(B)を高濃度に調整したワックスマスターバッチ(C)を製造することができる。
この際、TPU(A)100重量部に対して、ポリエチレンワックス(B)の融点にもよるが、15重量部程度添加し、ワックスマスターバッチ(C)を調製することができる。
例えば、二軸押出機を用いて溶融混練する際の温度としては、TPUの重量平均分子量および硬度にもよるが、通常、50〜220℃程度が好ましく、さらに好ましくは55〜215℃程度である。
TPU(A)とポリエチレンワックス(B)とを溶融混練する際には、TPUの熱による劣化を抑制する目的で、混練装置内に窒素を通気する方法が好ましい。
TPU(A)とポリエチレンワックス(B)とを溶融混練した後、カッターやペレタイザーなどを用いて粉砕、細粒化する方法、あるいは押出機などを用いて、ペレットなどの所望の形状に成形することもできる。
上記した方法により、ワックスマスターバッチ(C)を調製後、例えば、TPU(A)とワックスマスターバッチ(C)とをドライブレンドし、目的とする成形体に成形加工する。
<成形体>
本発明の成形体は、上記熱可塑性樹脂組成物を成形して得られる。
成形方法としては、例えば、射出成形、押出成形、その他公知の成形方法が挙げられる。
射出成形する場合には、射出成形時のシリンダー温度は、通常160〜225℃、好ましくは170〜220℃、より好ましくは175〜210℃の範囲であり、射出圧力は通常10〜400MPa、好ましくは50〜350MPaの範囲であり、金型温度は通常10〜50℃、好ましくは15〜40℃、より好ましくは15〜35℃の範囲である。
Tダイ押出機等により、押出シート成形またはフィルム成形する場合には、通常160〜225℃、好ましくは170〜220℃、より好ましくは175〜210℃の範囲で押
出成形することにより成形体が得られる。また押出機より押出したフィルムを、例えばテンター法(縦横延伸、横縦延伸)、同時二軸延伸法、一軸延伸法により延伸することにより、延伸フィルムが得られる。
〔発泡成形〕
また、成形の際に本発明の熱可塑性樹脂組成物に発泡剤を混ぜることにより発泡成形を行うことができる。上記発泡剤としては、蒸発型発泡剤、化学分解発泡剤が挙げられる。
蒸発型発泡剤としては、ブタン、ペンタン、ネオペンタンなどの脂肪族炭化水素化合物;二塩化メチレン、フレオンなどのハロゲン化炭化水素化合物、ジメチルエーテルなどのエーテル類;アルコール、ケトンなどが挙げられる。
また、ガスにより発泡する場合には、窒素、二酸化炭素などのガスを発泡剤として用いる場合がある。さらに、水蒸気により発泡させる場合には、水を発泡剤として用いる場合もある。
化学分解型発泡剤としては、重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、亜硝酸アンモニウムなどの無機化合物;アゾジカルボン酸アミド、(ADCA)、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、アゾシクロヘキシルニトリル、アゾジアミノベンゼン、バリウムアゾジカルボキシレートなどのアゾ化合物;N,N’
−ジニトロソペンタメチレンテトラミン(DPT)、N,N’−ジメチル−N,N’−ジニトロソテレフタルアミドなどのニトロソ化合物;ベンゼンスルホニルヒドラジド、トルエンスルホニルヒドラジド、p,p’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)(OBSH)、ジフェニルスルホン−3,3’−ジスルホニルヒドラジドなどのスルホニルヒドラジド化合物;4,4’−オキソビスベンゼンスルホニルカルバジド、p−トルエンスルホルニルアジドなどのアゾ化合物を挙げられる。
また、熱可塑性ポリウレタン組成物の溶融温度に応じて、発泡剤の分解温度を適合させるために例えば、尿素などの助剤を用いてもよい。
さらに、取り扱い性を改良した発泡剤のマスターバッチを用いてもよい。
また、発泡成形時にポリウレタン組成物を化学架橋する場合には、架橋剤をさらに添加することもできる。架橋剤としては、ジクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイドなどを挙げられる。また架橋剤を使用する際には、トリアリルシアヌレートなどの架橋助剤を併用してもよい。
また、発泡剤の使用量は、後述する発泡成形方法、使用する発泡剤等の種類に応じて適宜選択できるが、熱可塑性ポリウレタン組成物100重量部に対して、通常0.1〜20
重量部の範囲で使用する。
上記発泡剤にさらに発泡助剤を併用する場合、その使用量は、後述する発泡成形方法、使用する発泡剤等の種類に応じて適宜選択できるが、発泡剤100重量部に対して、通常0.01〜10重量部の範囲で使用する。
また、架橋剤を併用して発泡する場合には、架橋剤の使用量は、後述する発泡成形方法、使用する架橋剤の種類等に応じて適宜選択できるが、熱可塑性ポリウレタン100重量部に対して、通常0.01〜10重量部の範囲使用する。
発泡成形の方法については、特に制限はない。発泡成形の方法としては、例えば、常圧加熱法、押出発泡法、加圧発泡法、射出発泡法などが挙げられる。
常圧加熱法で製造する場合には、通常、原料となる混合物を、例えば加熱ロールミルを
用いて発泡剤の分解温度以下で溶融混練して、未発泡成形体を作製し、得られた未発泡成形体を、加熱炉、あるいはコンベヤー式炉で加熱して、発泡剤の分解反応を起こさることにより行う。架橋剤を添加した場合には、未発泡成形体の加熱の際に架橋反応を伴うことが通常である。
押出発泡法で製造する場合には、通常、発泡剤を除く原料となる混合物を、押出機のホッパーより投入して、押出機で溶融混練した後に、押出機中の加圧状態にあるこの溶融混練物に、蒸発型発泡剤を注入してさらに混練し、これを大気中に押し出すことにより行う。架橋剤を添加した場合には、溶融混練の際に架橋反応を伴うことが通常である。なお、発泡押出の場合、ダイとサイジングダイの設計は発泡倍率等を勘案して作成されなければならない。
加圧発泡法で製造する場合には、通常、原料となる混合物を、発泡剤の分解温度以下で溶融混練して、得られた溶融混練物を金型内に入れ、加圧下で加熱して発泡剤の分解反応を進め除圧することにより製造する。また、場合によっては、さらに金型内で常圧加熱してさらに発泡させる場合もある。架橋剤を添加した場合には、加圧下で加熱した際に架橋反応を伴うことが通常である
射出発泡法で製造する場合には、通常、原料となる混合物を、発泡剤の分解温度以下で溶融混練してこの溶融混練物を金型内に射出し、放圧することにより製造する。また、表面の外観をよくする観点からは、ガス・カウンター・プレッシャー法、USM法、コ・イン
ジェクション法などの低発泡成形法を用いることもできる。
本発明の発泡成形においては、使用する熱可塑性ポリウレタン組成物、成形方法に応じて、発泡成形条件は、適宜、適切な条件を設定できる。
本発明で得られる熱可塑性ポリウレタン組成物を溶融して成形すると、樹脂の溶融粘度が低下するため、成形時の負荷、例えば、押出成形時のモーター負荷が低減されるだけでなく、流動性が改良され、成形速度が向上する傾向にある。また、成形体の表面が改質され、なめらかな表面を持つ成形体を得ることができる。さらに、低い成形温度で成形できるので、冷却時間が短縮され、成形サイクルが向上するだけでなく、樹脂の熱劣化、樹脂の焼け焦げ、および黒点を抑制でき、成形体の力学強度も優れたものとなる。
このようにして、例えば自動車内装部品などの自動車部品、パッキン、ガスケット、精密機器保護材、各種テープ基材などの産業資材、断熱材、防水材、防露材などの建築資材、インテリア材、玩具等に用いることができる成形体が得られる。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例において、熱可塑性ポリウレタン、熱可塑性ポリウレタン組成物、およびポリエチレンワックスの物性は以下の方法により測定した。
(1)熱可塑性ポリウレタンの重量平均分子量(Mw)
GPC測定システム(東ソー(株)製HLC−8220GPC)を使用して測定した。測定条件は、0.01mol/lの濃度でLiBrを溶解したDMF(液体クロマトグラフィー用ジメチルホルムアミド)を溶離液として用いた。昭和電工株式会社製GPCカラム KD−804、KD−8025、KD−802を直列に装着し、東ソー社製HLC−
8220GPCを用いた。カラム温度40℃、流速0.6ml/min、UV検出器(波長264nm)の条件で測定した。予め作成した標準ポリスチレンの検量線から、重量平均分子量(Mw)を求めた。
(2)熱可塑性ポリウレタン組成物の機械物性
硬さ、引張強度(単位:MPa)、耐磨耗性(単位:mg)は、JIS K−7311記載の方法に準拠して測定した。硬さは、ショアA型デュロメーターを用いて測定した。圧縮永久歪み(単位:%)は、JIS K−6262記載の方法により、70℃、22時間後の値を測定した。なお、熱可塑性ポリウレタン組成物の機械物性は、該組成物を射出成形した試料を80℃、12時間の条件でアニール処理した後の測定値である。
(3)熱可塑性ポリウレタン組成物の成形加工性
4ゾーンの温度制御が可能な40mmφの単軸押出機を用いて、回転数30rpmの条件にて熱可塑性ポリウレタン組成物をストランドダイから押出した時の負荷電力を測定することにより、熱可塑性ポリウレタン組成物の成形加工性を評価した。押出機のシリンダー温度はC1、C2、C3、C4の順に、それぞれ180℃、190℃、200℃、195℃とした。なお、ストランドを連続的にペレタイザーで切断し、ペレットを調製した。得られたペレットを室温で5日間静置後、80℃に調整した除湿乾燥器内で乾燥した。その後、ペレットの重量平均分子量を上記(1)の方法により、測定した。乾燥したペレットを射出成形し、上記(2)の方法により機械物性を測定した。
(4)熱可塑性ポリウレタンペレットのブロッキング性
上記(3)の方法により調製したペレットを用いて、80℃に調整した除湿乾燥器内で乾燥し、目視でペレットの外観を観察した。TPUにポリエチレンワックスを添加した試料において、ペレットの融着が観察された試料は「ブロッキング有り」と、ポリエチレンワックスを添加していない試料と同等の外観の場合は、「ブロッキング無し」と評価した。
(5)熱可塑性ポリウレタン組成物の意匠性
上記(3)の方法により調製したペレットを用いて、リップ幅250mmのTダイを装着したφ20mm単軸押出機にて、0.05mmのフィルムを作製した。スクリュー回転数を35rpmとし、シリンダー温度を190℃、ダイス温度を200℃とした。作製したフィルムをテフロン(登録商標)製板上に載せ、窒素雰囲気下、80℃のオーブン中で12時間アニール処理を行った。その後、23℃、相対湿度55%のオーブン中に1週間静置後、目視でフィルムの外観を観察した。TPUにポリエチレンワックスを添加した試料において、白濁成分が観察された試料は「ブリード有り」と、ポリエチレンワックスを添加していない試料と同等の外観の場合は、「ブリード無し」と評価した。
以下の実施例においてポリエチレンワックスの物性は次のようにして測定した。
(1)数平均分子量(Mn)
数平均分子量(Mn)は、GPC測定から求めたものである。測定は以下の条件で行った。また、数平均分子量(Mn)は、市販の単分散標準ポリスチレンを用いて検量線を作成し下記の換算法に基づいて分子量を求めた。
装置 : ゲル浸透クロマトグラフAlliance GPC2000型(Waters社製)
溶剤 : o−ジクロロベンゼン
カラム: TSKgelカラム(東ソー社製)×4
流速 : 1.0 ml/分
試料 : 0.15mg/ml o−ジクロロベンゼン溶液
温度 : 140℃
分子量換算 : PE換算/汎用較正法
なお、汎用較正の計算には、以下に示すMark−Houwink粘度式の係数を用いた。
ポリスチレン(PS)の係数 : KPS=1.38×10-4, aPS=0.70
ポリエチレン(PE)の係数 : KPE=5.06×10-4, aPE=0.70
(2)密度
JIS K7112の密度勾配法に従って測定した。
(3)融点
示差走査型熱量計(DSC)〔DSC−20(セイコー電子工業社製)〕を用いて測定した。まず測定試料を、一旦200℃まで昇温して、5分間保持した後、直ちに室温まで冷却した。この試料約10mgを−20℃から200℃の温度範囲で、昇温速度10℃/分の条件でDSC測定した。測定結果から得られたカーブの吸熱ピークの値を融点とした。
<調製例1>
TPU(1)の調製
4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(三井化学ポリウレタン株式会社製、商品名:
コスモネートPH、MDI)280.3重量部をイソシアネート化合物の貯蔵タンク(以下、タンクAと言う)に、窒素雰囲気下で装入し、気泡が混入しない程度に攪拌しながら45℃に調整した。次いで、数平均分子量1000のポリエステルポリオールであるタケラックU2410(三井化学ポリウレタン株式会社製)219.8重量部、数平均分子
量2000のポリエステルポリオールであるタケラックU2420(三井化学ポリウレタン株式会社製)439.7重量部、および2.97重量部のビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)カルボジイミド(RASCHIG GmbH社、商品名:スタビライザー7000)、並びに2.22重量部のヒンダードフェノール系酸化防止剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製、商品名:イルガノックス1010)、2.22重量部のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(城北化学株式会社製、商品名:JF−83)をポリオール貯蔵タンク(以下、タンクBと言う)に窒素雰囲気下で仕込み、攪拌しながら90℃に調整した。前記した混合物を以下、ポリオール溶液と言う。
また、鎖延長剤である1,4−ブタンジオール(三菱化学株式会社製)60.2重量部を窒
素雰囲気下、鎖延長剤タンク(以下、タンクCと言う)に仕込み、50℃に調整した。ハードセグメント量は34重量%である。
ギアーポンプ、流量計を介した送液ラインにて、MDIを16.69kg/hの流速で、ポリオール溶液を39.72kg/hの流速で120℃に調整した高速攪拌機(株式会社櫻プラント製、型式:SM40)に各原料を定量的に通液し、十分に攪拌混合した後、120℃に調整した攪拌機を付属した反応ポットに送液した。更に、反応ポットから56.41kg/hの流速で、タンクCより、1,4−ブタンジオールを3.59kg/hの流速で120℃に調整した高速攪拌機(SM40)に定量的に通液し、十分に攪拌混合した後、テフロンでコーティング、あるいはテフロンのチューブを装入したスタティックミキサーに通液した。尚、スタティックミキサー部は、第1〜第3スタティックミキサーa〜c(管長0.5m、内径20mmφのスタティックミキサーを3本接続した状態、温度200℃)、第4〜第6スタティックミキサーd〜f(管長0.5m、内径20mmφのスタティックミキサーを3本接続した状態、温度220℃)、第7〜第12スタティックミキサーg〜l(管長1.0m、内径34mmφのスタティックミキサーを6本接続した状態、温度210℃)、第13〜第15スタティックミキサーm〜o(管長0.5m、内径38mmφのスタティックミキサーを3本接続した状態、温度200℃)として構成した。
第15スタティックミキサーoから流出した反応物を、ギヤーポンプを介して、単軸押出機(直径65mmφ、温度200〜215℃)に圧入し、ストランドダイから押出し、水
冷後、ペレタイザーにて連続的にペレット化した。次いで、得られたペレットを乾燥機に装入し、85〜90℃、8時間乾燥することにより、水分値65ppmのTPU(1)を得た。TPU(1)の重量平均分子量(Mw×10-3)は、198であった。
<調製例2>
メタロセン触媒を用いて、次のようにしてポリエチレンワックス(1)を合成した。
充分に窒素置換し、25℃に保持した内容積2lのステンレス製オートクレーブにヘキサン1lを装入し、水素を0.08MPa(ゲージ圧)導入した。次いで、系内の温度を145℃に昇温した後、全圧が2.8MPa(ゲージ圧)になるまでエチレンを導入した。次いで、トリイソブチルアルミニウムを0.3ミリモル、ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートを0.04ミリモル、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライドを0.00005ミリモル、エチレンで圧入することにより重合を開始した。その後、エチレンを連続的に供給することにより全圧を3.0MPa(ゲージ圧)に保ち、150℃で30分間重合を行った。
少量のエタノールを系内に添加することにより重合を停止した後、未反応のエチレンをパージした。得られたポリマー溶液を、100℃減圧下で一晩乾燥してポリエチレンワックス(1)58gを得た。得られたポリエチレンワックス(1)は、数平均分子量(Mn)が2,400、重量平均分子量(Mw)が7,000、溶融粘度が600mPa・s、密
度が980kg/m3、融点が127.7℃であり、ポリエチレンワックス(1)に使用
された全単量体に対してエチレンの占める割合(以下、エチレン含量とも記す。)は100mol%であった。また、A値が7.3重量%、B値が4.2重量%であった。結果を表1に示す。
<調製例3>
メタロセン触媒を用いて、次のようにしてポリエチレンワックス(2)を合成した。
充分に窒素置換し、25℃に保持した内容積2lのステンレス製オートクレーブにヘキサン600mlおよび1−ブテン200gを装入した。次いで、系内の温度を140℃に昇温した後、トリイソブチルアルミニウムを0.3ミリモル、ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートを0.04ミリモル、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライドを0.0001ミリモル、エチレンで圧入することにより重合を開始した。その後、エチレンのみを連続的に供給することにより全圧を3.0MPa(ゲージ圧)に保ち、145℃で30分間重合を行った。
少量のエタノールを系内に添加することにより重合を停止した後、未反応のエチレンをパージした。得られたポリマー溶液を、100℃減圧下で一晩乾燥してポリエチレンワックス(1)58gを得た。得られたポリエチレンワックス(2)は、数平均分子量(Mn)が2,000、重量平均分子量(Mw)が5,000、溶融粘度が300mPa・s、密
度が913kg/m3、融点が98.2℃であり、ポリエチレンワックス(2)に使用さ
れた全単量体に対してエチレンの占める割合(以下、エチレン含量とも記す。)は94mol%であった。また、A値が9.3重量%、B値が2.2重量%であった。結果を表1に示す。
<調製例4>
メタロセン触媒を用いて、次のようにしてポリエチレンワックス(3)を合成した。
充分に窒素置換し、25℃に保持した内容積2lのステンレス製オートクレーブにヘキサン1lを装入し、水素を0.15MPa(ゲージ圧)導入した。次いで、系内の温度を145℃に昇温した後、全圧が2.8MPa(ゲージ圧)になるまでエチレンを導入した。次いで、トリイソブチルアルミニウムを0.3ミリモル、ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートを0.04ミリモル、ビス(シクロペンタジエ
ニル)ジルコニウムジクロライドを0.00005ミリモル、エチレンで圧入することにより重合を開始した。その後、エチレンを連続的に供給することにより全圧を3.0MPa(ゲージ圧)に保ち、150℃で30分間重合を行った。
少量のエタノールを系内に添加することにより重合を停止した後、未反応のエチレンをパージした。得られたポリマー溶液を、100℃減圧下で一晩乾燥してポリエチレンワックス(1)48gを得た。得られたポリエチレンワックス(3)は、数平均分子量(Mn)が700、重量平均分子量(Mw)が1,300、溶融粘度が18mPa・s、密度が960kg/m3、融点が119.6℃であり、ポリエチレンワックス(3)に使用された
全単量体に対してエチレンの占める割合(以下、エチレン含量とも記す。)は100mol%であった。また、A値が47.8重量%、B値が0.0重量%であった。結果を表1に示す。
<調製例5>
メタロセン触媒を用いて、次のようにしてポリエチレンワックス(4)を合成した。
充分に窒素置換し、25℃に保持した内容積2lのステンレス製オートクレーブにヘキサン770mlおよびプロピレン115gを装入した。次いで、系内の温度を150℃に昇温した後、トリイソブチルアルミニウムを0.3ミリモル、ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートを0.04ミリモル、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライドを0.0005ミリモル、エチレンで圧入することにより重合を開始した。その後、エチレンのみを連続的に供給することにより全圧を3.0MPa(ゲージ圧)に保ち、155℃で30分間重合を行った。
少量のエタノールを系内に添加することにより重合を停止した後、未反応のエチレンをパージした。得られたポリマー溶液を、100℃減圧下で一晩乾燥してポリエチレンワックス(4)46gを得た。得られたポリエチレンワックス(4)は、数平均分子量(Mn)が800、重量平均分子量(Mw)が1,500、溶融粘度が40mPa・s、密度が897kg/m3、融点が78.8℃であり、ポリエチレンワックスに使用された全単量体
に対してエチレンの占める割合(以下、エチレン含量とも記す。)は90mol%であった。また、A値が31.7重量%、B値が0.01重量%であった。結果を表1に示す。
<調製例6>
メタロセン触媒を用いて、次のようにしてポリエチレンワックス(5)を合成した。
充分に窒素置換し、25℃に保持した内容積2lのステンレス製オートクレーブにヘキサン930mlおよびプロピレン35gを装入した。次いで、系内の温度を150℃に昇温した後、トリイソブチルアルミニウムを0.3ミリモル、ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートを0.04ミリモル、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライドを0.0005ミリモル、エチレンで圧入することにより重合を開始した。その後、エチレンのみを連続的に供給することにより全圧を3.0MPa(ゲージ圧)に保ち、155℃で30分間重合を行った。
少量のエタノールを系内に添加することにより重合を停止した後、未反応のエチレンをパージした。得られたポリマー溶液を、100℃減圧下で一晩乾燥してポリエチレンワックス(5)42gを得た。得られたポリエチレンワックス(5)は、数平均分子量(Mn)が1,300、重量平均分子量(Mw)が3,300、溶融粘度が90mPa・s、密度が948kg/m3、融点が115.4℃でありエチレン含量は96mol%であった。
また、A値が19.8重量%、B値が0.3重量%であった。結果を表1に示す。
<実施例1>
ストランドダイを装着したφ40mmの二軸押出機に、TPU(1)100重量部に対
して、ポリエチレンワックス(1)0.5重量部となるように、各々のペレットを別々に定量フィーダーを用いて添加して、上述した「(3)熱可塑性ポリウレタン組成物の成形性」の項に記載の条件でペレットを調製した。溶融混練時の押出機の負荷電圧は35Aであった。その後、得られたペレットを、80℃の除湿乾燥器内で4時間乾燥した後、スクリューの直径が40mmである射出成形機を用いて、その中心部分にゲートが設置された長さ200mm、幅150mmおよび厚み2mmの金型に、射出成形して、機械物性測定用の試料を作製した。この射出成形は、シリンダー内部のホッパーからスクリュー先端までの4つのブロックの温度を、それぞれ、180℃、200℃、200℃および200℃に設定、金型の温度を30℃に設定し、射出圧力200MPaの条件で行った。また、上記ペレットを、リップ幅250mmのTダイを装着したφ20mm単軸押出機に添加して、スクリュー回転数35rpm、シリンダー温度190℃、ダイス温度200℃の条件で押出成形し、0.05mmのフィルムを作製した。
このようにして、得られた、ペレット、射出成形物、押出成形物の評価を行った。評価結果を表2に示す。
<実施例2>
実施例2以降の実施例は、以下の方法で、まず、ワックスマスターバッチを調製後、ワックスマスターバッチとTPUとをドライブレンドして、単軸押出機にて熱可塑性ポリウレタン組成物のペレットを調製した。
〔ワックスマスターバッチ(1)の調製〕
ストランドダイを装着したφ40mmの二軸押出機に、ホッパーを介して、TPU(1)のペレットとポリエチレンワックス(1)のペレットとを別々に、TPU(1)を9kg/h、ポリエチレンワックスAを1kg/hの速度となるように、定量フィーダーを用いて、添加した。このように添加することで、10重量%のポリエチレンワックスの濃度となるワックスマスターバッチ(1)のペレットを連続的に調製できる。
二軸押出機のシリンダー温度は、ホッパーの下のバレルから順に50℃、80℃、140℃、180℃、190℃、190℃、190℃、185℃に設定し、回転数15rpmで溶融混練し、ストランドダイから溶融混練物を押し出し、得られたストランドを連続的にペレタイザーで切断し、ワックスマスターバッチ(1)のペレットを調製した。
〔熱可塑性ポリウレタン組成物の調整〕
TPU(1) 100重量部に対して、ワックスマスターバッチ(1)を5重量部混合し、上記した評価方法「(3)熱可塑性ポリウレタン組成物の成形加工性」に従い、TPU(1)100重量部に対して、ポリエチレンワックス(B)が0.5重量部となる熱可塑性ポリウレタン組成物を調製した。
その後、実施例1と同様にして、得られたペレット、射出成形物、押出成形物の評価を行った。評価結果を表2に示す。
<実施例3>
ポリエチレンワックス(1)を、ポリエチレンワックス(2)に代える以外は実施例2のワックスマスターバッチ(1)の製造に記載と同様の方法でワックスマスターバッチ(2)を製造した。このワックスマスターバッチ(2)を、TPU(1) 100重量部に対して5重量部混合し、上記した評価方法「(3)熱可塑性ポリウレタン組成物の成形加工性」に従い、TPU(1)100重量部に対して、ポリエチレンワックス(B)が0.5重量部となる熱可塑性ポリウレタン組成物のペレットを調製した。
その後、実施例1と同様にして、得られたペレット、射出成形物、押出成形物の評価を行った。評価結果を表2に示す。
参考例4
ポリエチレンワックス(1)を、ポリエチレンワックス(3)に代える以外は実施例2のワックスマスターバッチ(1)の製造に記載と同様の方法でワックスマスターバッチ(3)を製造した。このワックスマスターバッチ(3)を、TPU(1) 100重量部に対して5重量部混合し、上記した評価方法「(3)熱可塑性ポリウレタン組成物の成形加工性」に従い、TPU(1)100重量部に対して、ポリエチレンワックス10500が0.5重量部となる熱可塑性ポリウレタン組成物のペレットを調製した。
その後、実施例1と同様にして、得られたペレット、射出成形物、押出成形物の評価を行った。評価結果を表2に示す。
参考例5
ポリエチレンワックス(1)を、ポリエチレンワックス(4)に代える以外は実施例2のワックスマスターバッチ(1)の製造に記載と同様の方法でワックスマスターバッチ(4)を製造した。このワックスマスターバッチ(4)を、TPU(1) 100重量部に対して5重量部混合し、上記した評価方法「(3)熱可塑性ポリウレタン組成物の成形加工性」に従い、TPU(1)100重量部に対して、ポリエチレンワックス(1)が0.5重量部となる熱可塑性ポリウレタン組成物のペレットを調製した。
その後、実施例1と同様にして、得られたペレット、射出成形物、押出成形物の評価を行った。評価結果を表2に示す。
参考例6
ポリエチレンワックス(1)を、ポリエチレンワックス(5)に代える以外は実施例2のワックスマスターバッチ(1)の製造に記載と同様の方法でワックスマスターバッチ(5)を製造した。このワックスマスターバッチ(5)を、TPU(1) 100重量部に対して5重量部混合し、上記した評価方法「(3)熱可塑性ポリウレタン組成物の成形加工性」に従い、TPU(1)100重量部に対して、ポリエチレンワックス(2)が0.5重量部となる熱可塑性ポリウレタン組成物のペレットを調製した。
その後、実施例1と同様にして、得られたペレット、射出成形物、押出成形物の評価を行った。評価結果を表2に示す。
<比較例1>
上記した評価方法「(3)熱可塑性ポリウレタン組成物の成形加工性」に従い、TPU(1)のペレットを調製した。
その後、実施例1と同様にして、得られたペレット、射出成形物、押出成形物の評価を行った。評価結果を表2に示す。
<比較例2>
ポリエチレンワックス(1)を、ポリエチレンワックス420P(三井ハイワックスTM、チーグラー系ポリエチレンワックス、三井化学株式会社社製)に代える以外は実施
例2のワックスマスターバッチ(1)の製造に記載と同様の方法でワックスマスターバッチ(6)を製造した。このワックスマスターバッチ(6)を、TPU(1) 100重量部に対して5重量部混合し、上記した評価方法「(3)熱可塑性ポリウレタン組成物の成形加工性」に従い、TPU(1)100重量部に対して、ポリエチレンワックス420Pが0.5重量部となる熱可塑性ポリウレタン組成物のペレットを調製した。
その後、実施例1と同様にして、得られたペレット、射出成形物、押出成形物の評価を行った。評価結果を表2に示す。
<比較例3>
ポリエチレンワックス(1)を、ポリエチレンワックスA−C6(高圧法ポリエチレン、ハネウエル社製)に代える以外は実施例2のワックスマスターバッチ(1)の製造に記
載と同様の方法でワックスマスターバッチ(7)を製造した。このワックスマスターバッチ(7)を、TPU(1) 100重量部に対して5重量部混合し、上記した評価方法「(3)熱可塑性ポリウレタン組成物の成形加工性」に従い、TPU(1)100重量部に対して、ポリエチレンワックスA−C6が0.5重量部となる熱可塑性ポリウレタン組成物のペレットを調製した。
その後、実施例1と同様にして、得られたペレット、射出成形物、押出成形物の評価を行った。評価結果を表2に示す。
Figure 0004884872
Figure 0004884872

Claims (6)

  1. ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が、5.0×104〜40×104の範囲である熱可塑性ポリウレタン(A)100重量部と、
    JIS K7112の密度勾配管法に従って測定した密度が890〜980(kg/m3)の範囲にあり、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリエチレン換算の数平均分子量(Mn)が1,500〜4,000の範囲にあり、かつ下記式(I)で表される関係を満たすポリエチレンワックス(B)0.01〜5重量部とを含む熱可塑性ポリウレタン組成物。
    B≦0.0075×K ・・・(I)
    (上記式(I)中、Bは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した場合の、上記ポリエチレンワックス中のポリエチレン換算の分子量が20,000以上となる成分の含有割合(重量%)であり、Kは上記ポリエチレンワックスの140℃における溶融粘度(mPa・s)である。)
  2. 上記ポリエチレンワックス(B)がさらに下記式(II)で表される関係を満たす、請求項1に記載の熱可塑性ポリウレタン組成物。
    A≦230×K(-0.537) ・・・(II)
    (上記式(II)中、Aは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した場合の、上記ポリエチレンワックス中のポリエチレン換算の分子量が1,000以下となる成分の含有割合(重量%)であり、Kは上記ポリエチレンワックスの140℃における溶融粘度(mPa・s)である。)
  3. ポリエチレンワックス(B)がメタロセン系触媒を用いて得られるポリエチレンワックスである請求項1に記載の熱可塑性ポリウレタン組成物。
  4. 熱可塑性ポリウレタン(A)とポリエチレンワックス(B)とを含むワックスマスターバッチ(C)に、熱可塑性ポリウレタン(A)を溶融混練することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱可塑性ポリウレタン組成物の製造方法。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱可塑性ポリウレタン組成物から成形体を製造する方法。
  6. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱可塑性ポリウレタン組成物から得られる成形体。
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