JP4884308B2 - 建物の沈下修正工法 - Google Patents

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Description

本発明は、建物の沈下による傾き等を修正するための建物の沈下修正工法に関する。
例えば後背湿地、臨海埋立地、三角州低地、おぼれ谷、海岸砂州等を構成する地盤は、泥炭質の地盤や圧密の進行の遅い地盤等によって形成されていることから、軟弱地盤となっている場合が多い。このような軟弱地盤は、地盤支持力が小さく、また引き続き圧密沈下を生じ易いことから、軟弱地盤の上方に建物を構築する場合には、構築された建物に不同沈下(不等沈下)等の沈下が生じやすい。
建物に沈下が生じた際に、これを修正する手段としては、例えば建物の沈下した部分を基礎と共にジャッキを用いてリフトアップし、リフトアップすることにより生じた基礎と基礎基盤との間の隙間に、モルタルやグラウト等の固化材を充填固化する方法が採用されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2000−8398号公報
しかしながら、ジャッキを用いて建物の基礎をリフトアップする従来の方法では、ジャッキを基礎の下方に潜り込ませて設置する作業や、基礎の側方でジャッキを受けるジャッキ受け金具を基礎の側面に取り付ける作業が大掛かりになると共に、安定した状態で基礎を押し上げるためには、多くのジャッキやジャッキ受け金具を必要とし、さらに多くの手間を要することになる。
本発明は、このような従来の課題に着目してなされたものであり、多くの手間を要することなく、簡易な作業によって建物の沈下した部分の基礎を安定した状態で効果的にリフトアップして、建物の沈下修正を容易に行うことのできる建物の沈下修正工法を提供することを目的とする。
本発明は、沈下した部分の建物の基礎の下面と、基礎地盤の表層部分との間に隙間を形成して、該隙間に、扁平な断面形状から内部に流体圧力が負荷されて膨張変形する加圧膨張体を挿入配置し、該加圧膨張体に流体を圧送して膨張変形させることにより、前記沈下した部分の建物の基礎をリフトアツプする工程を含み、前記加圧膨張体が、扁平にプレスされた断面形状から内部に流体圧力が負荷されて膨張変形する膨張鋼管である建物の沈下修正工法を提供することにより、上記目的を達成したものである。
本発明の建物の沈下修正工法によれば、前記建物の基礎が、べた基礎であることが好ましい。
本発明の建物の沈下修正工法によれば、前記基礎地盤の表層部分が、表層改良工法によって形成された面状固結体であることが好ましい。
本発明の建物の沈下修正工法によれば、前記加圧膨張体に圧送される流体が、水であることが好ましい。
本発明の建物の沈下修正工法によれば、前記建物の基礎の下面及び/又は前記基礎地盤の表層部分と、前記加圧膨張体との間に反力受けプレートを介在させて前記加圧膨張体を膨張変形させることが好ましい。
そして、本発明の建物の沈下修正工法によれば、沈下した部分の建物の外周部分の基礎の下面と、基礎地盤の表層部分との間に隙間を形成して、該隙間に前記膨張鋼管である前記加圧膨張体を挿入配置し、流体を圧送して膨張させることにより、前記外周部分の基礎をリフトアップする第1工程と、該第1工程によって形成された建物の内側部分の基礎の下面と基礎地盤の表層部分との間の隙間を介して、扁平に畳まれた状態から内部に流体圧力が負荷されて膨張変形する膨張袋体である加圧膨張体を建物の内側部分に挿入配置し、流体を圧送して膨張させることにより、前記内側部分の基礎をリフトアップする第2工程とを含むことが好ましい。
さらに、本発明の建物の沈下修正工法によれば、該加圧膨張体を膨張変形させて、前記沈下した部分の建物の基礎をリフトアップすることにより形成された前記基礎の下面と基礎地盤の表層部分との間の隙間に、モルタル、グラウト、発泡ウレタン等の固化材を充填する工程を含むことが好ましい。
本発明の建物の沈下修正工法によれば、多くの手間を要することなく、簡易な作業によって建物の沈下した部分の基礎を安定した状態で効果的にリフトアップして、建物の沈下修正を容易に行うことができる。
図1〜図8に示す本発明の好ましい一実施形態に係る建物の沈下修正工法は、例えば軟弱地盤の上方に盛土を施して形成された埋立造成地に構築された建物として、例えば住宅建築物10が、建築後に例えば数ヶ月〜数十年経過して不同沈下を生じた際に、住宅建築物10の沈下した部分を押し上げて、住宅建築物10の傾き等を修正するための工法として採用されたものである。すなわち、本実施形態では、住宅建築物10は、西側の部分でその沈下量が大きく、西側に傾いているため、沈下量の大きな西側部分の基礎11を効率良くリフトアップして、住宅建築物10の沈下や傾きを修正する。なお、図1、図2、図3等においては、本実施形態によって沈下が修正される住宅建築物10の要部として、躯体部分を省略した基礎11の部分のみが示されている。
そして、本実施形態の建物の沈下修正工法は、例えば住宅建築物10の不同沈下による傾きを修正するための工法であって、図2、図3、図5、及び図6に示すように、沈下した部分の住宅建築物10の基礎11の下面と、基礎地盤12の表層部分12aとの間に隙間13a,13bを形成して、この隙間13a,13bに、扁平な断面形状から内部に流体圧力が負荷されて膨張変形する加圧膨張体14,15,16を挿入配置し、これらの加圧膨張体14,15,16に流体を圧送して膨張変形させることにより、沈下した部分の住宅建築物10の基礎11をリフトアツプする工程を含んでいる。
また、本実施形態では、沈下した部分の住宅建築物10の外周部分の基礎11の下面と、基礎地盤12の表層部分12aとの間に隙間13aを形成して、この隙間13aに第1加圧膨張体14を挿入配置し、流体を圧送して膨張させることにより、外周部分の基礎11をリフトアップする第1工程と(図3参照)、第1工程によって形成された住宅建築物11の内側部分の基礎11の下面と基礎地盤12の表層部分12aとの間の隙間13bを介して、第2加圧膨張体15を住宅建築物10の内側部分に挿入配置し、流体を圧送して膨張させることにより、内側部分の基礎11をリフトアップする第2工程(図6参照)とを含んでいる。
本実施形態では、住宅建築物10の基礎11は、外周立上り部11aの内側に基礎スラブ11bを配置したべた基礎となっている。また、外周立上り部11aによって周囲を囲まれる基礎11の内側部分にもまた、住宅建築物11の1階部分の間取りに応じて、仕切壁が配置される適宜の位置に、内側立上り部11cが基礎スラブ11bから立設して設けられている(図1参照)。
また、本実施形態では、基礎地盤12の表層部分12aは、表層改良工法によって形成された面状固結体として設けられている(図8(b)参照)。表層改良工法は、基礎地盤12の表層部分12aの土砂に、例えば石灰、セメント等のセメント系固化材を混合し、例えば30〜50cm程度の層厚毎に攪拌と転圧を繰り返すことによって、所望の厚さの面状固結体を、地盤改良層として形成する公知の工法である。本実施形態では、表層改良工法による面状固結体は、例えば住宅建築物10の基礎11よりも一回り大きな同様の平面形状を備えると共に、例えば0.8〜1.0m程度の厚さを有する、圧縮強度が例えば20〜500kN/m2程度の表層部分12aとして形成される。
そして、本実施形態では、住宅建築物10の沈下修正を行う際に、まず、第1工程によって、図2及び図3に示すように、外周部分の基礎11の下面と、基礎地盤12の表層部分12aとの間に隙間13aを形成して、この隙間13aに第1加圧膨張体14を挿入配置し、流体を圧送して膨張させることにより、基礎11の外周部分をリフトアップする。
すなわち、住宅建築物10の西側の部分における、基礎11の外周立上り部11aが配置される外周部分の適宜の位置を、第1加圧膨張体14の配設位置17aとして設定し(図1参照)、当該配設位置17aの周囲の地盤の表層土を必要に応じて掘り下げて作業スペース30とする。しかる後に、外周立上り部11aの直下部分における面状固結体による基礎地盤12の表層部分12aを切削して、図2(a)及び図3(a)に示すように、後述する膨張鋼管18による第1加圧膨張体14が挿入可能な、例えば30mm程度の厚さt1の隙間13aを、基礎11の下面と表層部分12aとの間に、基礎11の外周縁部に沿って部形成する。また、形成した隙間13aの基礎地盤12の表層部分12a側に、反力受けプレートとして例えば厚さが10mm程度の鉄板19を敷設した後に、住宅建築物10の外周部分に沿って第1加圧膨張体14を挿入配置する。
ここで、本実施形態では、第1工程において外周部分の基礎11の下面に配置される第1加圧膨張体14として、好ましくは扁平にプレスされた断面形状から内部に流体圧力が負荷されて膨張変形する膨張鋼管18が用いられる。膨張鋼管18は、トンネル工法として公知のナトム(NATM)工法において、地山を支持するために例えばコンクリートが吹き付けられたトンネルの内面から地山中に打ち込まれるロックボルトとして用いられる、例えば溶融亜鉛めっき鋼板や高耐食溶融めっき鋼板等からなるものが知られており(例えば、特開昭55−12300号公報、特開昭57−77798号公報参照)、これに適宜改良を加えて、住宅建築物10の沈下修正用の部材として使用することができる。より具体的には、膨張鋼管18として、商品名「RPEロックボルト」(日新鋼管(株)製)を用いることができる。
膨張鋼管18は、図4(a),(b)にも示すように、例えば外径φ54.0〜76.3mm程度、肉厚2〜3mm程度、長さ2〜6m程度の円管を、例えば厚さが20mm程度の扁平な断面形状となるようにプレスすると共に、端部をスエージング加工して注水スリーブ26に圧入した後に、例えばCO2アーク溶接により溶着接合して、当該端部に注水スリーブ26が取り付けられた状態で形成される。また本実施形態では、膨張鋼管18は、例えば20〜30MPa程度の高水圧が負荷されて膨張するようになっており、基礎11aを住宅建築物11と共に押し上げる際のリフトアップ力が、膨張鋼管18を扁平にプレスする際のプレス力と略等しくなるように設計されていることが好ましい。さらに、膨張鋼管18は、例えば20〜30mm程度のリフトアップ量h1(図3(a),(b)参照)を確保できる変形量で膨量変形できるように設定されていることが好ましい。
なお、第1工程において外周部分の基礎11の下面に配置される第1加圧膨張体14として、膨張鋼管18を用いることにより、当該膨張鋼管18の剛性によって、基礎11の外周部分の下面に沿って縁部分に形成された狭い幅の隙間13aに対しても、第1加圧膨張体14を容易且つ精度良く、安定した状態で設置することが可能になる。また、膨張鋼管18は、基礎11をリフトアップする際に、基礎11によって上方から押し付けられつつ膨張変形して、その略全長に亘って線状に基礎11と接触しながら当該基礎11を押し上げるので、広範囲な接触面積(接触延長)を確保し、押し上げ時に基礎11から負荷される住宅建築物10の荷重を分散して効率良く支持しつつ、安定した状態で住宅建築物10を押し上げることが可能になる。
そして、本実施形態では、住宅建築物10の外周部分の基礎11の下面と、基礎地盤12の表層部分12aとの間の隙間13aに膨張鋼管18による第1加圧膨張体14を挿入配置したら、膨張鋼管18に注水スリーブ26を介して水(流体)を圧送して膨張させることにより、基礎11の外周部分をリフトアップする。ここで、膨張鋼管18に水を圧送するには、例えばナトム工法において用いられている公知の注水システムを用いることができる。この注水システムは、核となる高水圧発生装置として、好ましくは圧縮空気を動力源とするエアコンバータが用いられ、エア用ピストンと水用ピストンとを直結して、双方の面積比により水を加圧して送り出すようになっている。
上述の第1工程によって、基礎11の外周部分をリフトアップすると、これに伴って、住宅建築物10の内側部分の基礎11の下面と基礎地盤12の表層部分12aとの間にも例えば20〜30mm程度の厚さt2の隙間13bが生じるので(図3(b)参照)、この内側部分の隙間13bを介して第2加圧膨張体15を基礎11の下方に挿入配置し、流体を圧送して膨張させることにより、内側部分の基礎11をリフトアップする第2工程を行う。
ずなわち、住宅建築物10の西側の部分の基礎11の、外周立上り部11aが配置される外周部分から内側部分に向かう適宜の位置を、第2加圧膨張体15の配設位置17bとして設定し(図1参照)、図5(a),(b)に示すように、基礎11の外側から内側に向けて、後述する膨張袋体20による第2加圧膨張体15を、例えば挿入補助板としての合板21によって上下から挟み込んだ状態で(図6(a),(b)参照)、住宅建築物10の内側部分の基礎11の下面と基礎地盤12の表層部分12aとの間の隙間13bに挿入配置する。
ここで、本実施形態では、第2工程において内側部分の基礎11の下面に配置される第2加圧膨張体15として、好ましくは扁平に畳まれた状態から内部に流体圧力が負荷されて膨張変形する膨張袋体20が用いられる。膨張袋体20は、例えば消防ホースに用いられるシート材料の材質と同様の材質のシート材料を用いて、内部に例えば0.2〜0.3MPa程度の高水力が負荷されても破断することがない状態で形成される。膨張袋体20は、図7(a)〜(c)に示すように、例えば塩化ビニル系材料によるターボリンからなる内層とポリエステル系材料からなる内層とを含むシート材料に各種の縫製を施すことにより、例えば幅300mm程度、長さ2000mm程度の縦長短冊状の平面形状を備えると共に、膨張時に例えば300mm程度の厚さまで膨張変形することが可能な、水密内袋と外袋とからなる二重構造の袋体として形成される。また膨張袋体20は、その一端部に注入口22が取り付けられると共に、上下の面20a,20bを密着させるようにして畳まれた膨張前の状態では、例えば10mm程度の厚さを有するように形成される。
さらに、本実施形態では、膨張袋体20は、基礎11aを住宅建築物11と共に押し上げる際のリフトアップ量として、例えば60〜100mm程度のリフトアップ量h2(図6(a),(b)参照)を確保できる変形量で膨量変形できるように設定されていることが好ましい。
なお、第2工程において基礎11の内側部分の下面に配置される第2加圧膨張体16として、膨張袋体20を用いることにより、当該膨張袋体20の可撓性によって、基礎11の下方の隙間13bに沿って当該隙間13bの奥まで広い範囲に亘って面状に第2加圧膨張体14を敷設設置することが可能になる。また、畳まれた膨張袋体20を合板21によって上下から挟み込んだ状態で、膨張袋体20を基礎11の下面と基礎地盤12の表層部分12aとの間の隙間13bに挿入配置することにより、挿入作業を容易にして、厚さの小さな隙間13bの奥まで、安定した状態で第2加圧膨張体14を面状に敷設することが可能になる。さらに、膨張袋体20は、基礎11をリフトアップする際に、基礎11によって上方から押し付けられつつ膨張変形して、その略全長に亘って面状に基礎11と接触しながら当該基礎11を押し上げるので、広範囲な接触面積を確保して、押し上げ時に基礎11から負荷される住宅建築物10の荷重を分散して効率良く支持しつつ、安定した状態で住宅建築物10を押し上げることが可能になる。
そして、本実施形態では、住宅建築物10の内側部分の基礎11の下面と、基礎地盤12の表層部分12aとの間の隙間13bに膨張袋体20による第2加圧膨張体15を挿入配置したら、膨張袋体20に注入口22を介して水(流体)を圧送して膨張させることにより、基礎11の内側部分をリフトアップする。ここで、膨張袋体20に水を圧送するには、上述の膨張鋼管18に用いたものと同様の注水システムを用いることができる。
本実施形態では、上述の第2工程によって基礎11の内側部分をリフトアップしたら、これに伴って、住宅建築物10の内側部分の基礎11の下面と基礎地盤12の表層部分12aとの間には、さらに奥まで、膨張袋体20を挿入することが可能な例えば30mm程度の厚さの隙間13bが住宅建築物10の基礎11の下方に生じるので、この隙間13bを介して第3加圧膨張体16を住宅建築物10の内側部分のさらに奥まで挿入配置し、流体を圧送して膨張させることにより、さらに奥の部分の基礎11をリフトアップする第3工程を行う。
すなわち、住宅建築物10の西側の部分の基礎11の、外周立上り部11aが配置される外周部分から内側部分に向かうさらに奥の適宜の位置を、第3加圧膨張体16の配設位置17cとして設定し(図1参照)、第2加圧膨張体15の場合と同様に、基礎11の外側から内側に向けて、第2加圧膨張体15と同様の膨張袋体20による第3加圧膨張体16を、挿入補助板としての合板21によって上下から挟み込んだ状態で、住宅建築物10の内側部分の基礎11の下面と基礎地盤12の表層部分12aとの間の隙間13bに挿入配置する。
ここで、本実施形態では、第3工程において住宅建築物10の内側部分の基礎11の下面に配置される第3加圧膨張体16として、好ましくは扁平に畳まれた状態から内部に流体圧力が負荷されて膨張変形する、第2工程に用いたものと同様の膨張袋体20が用いられる。第3加圧膨張体16として用いる膨張袋体20は、例えば4000〜5500mm程度の長さを備えており、第2工程で用いた第2加圧膨張体15の膨張袋体20よりも長くなっていることにより、第3加圧膨張体16は、住宅建築物10の基礎11のさらに内側部分まで配置することが可能になる。
そして、本実施形態では、住宅建築物10の内側部分の基礎11の下面と、基礎地盤12の表層部分12aとの間の隙間13に膨張袋体20による第3加圧膨張体16を挿入配置したら、第2加圧膨張体16の場合と同様に、膨張袋体20に注入口22を介して水(流体)を圧送して膨張させることにより、基礎11のさらに奥の部分をリフトアップすることが可能になる。
上述の第1工程、第2工程、及び第3工程によって、沈下量が大きい例えば西側の部分をリフトアップして、住宅建築物10の沈下の修正を行ったら、本実施形態では、図8(a),(b)に示すように、かかるリフトアップによって生じた住宅建築物10の基礎11の下面と基礎地盤12の表層部分12aとの間の隙間13に、モルタル、グラウト、発泡ウレタン等の固化材23を充填する作業を行う。
すなわち、好ましくは外周立上り部11aや内側立上り部11cが立設する部分の適宜箇所における基礎11の下面と基礎地盤12の表層部分12aとの間の隙間13の適宜箇所に、例えば隙間13の厚さに応じた高さに積層したスペーサ24を挟み込んで、沈下修正した基礎11の高さを保持した状態とする。スペーサ24を挟み込む作業は、例えば膨張袋体20を僅かに過大に膨張させた状態で、基礎11の下面と基礎地盤12の表層部分12aとの間の隙間13の適宜箇所に、積層したスペーサ24を挿入配置した後に、膨張変形させた膨張袋体20から圧力を僅かに抜いて基礎11の下面を下げることによって、容易に行うことができる。スペーサ24を挟み込んだら、第1加圧膨張体14、第2加圧膨張体15、及び第3加圧膨張体16から水を抜いて収縮変形させた後に、これらを基礎11の下方の隙間13から撤去すると共に、隙間13を囲うようにして住宅建築物10の西側の部分の基礎11の周囲に固化材注入用型枠25を設置した後に、当該隙間13に、固化材23として例えばモルタルを注入充填し、これを固化させることにより、住宅建築物10を沈下修正した状態を強固に保持することが可能になる。
そして、上述の構成を備える本実施形態の建物の沈下修正工法によれば、多くの手間を要することなく、簡易な作業によって住宅建築物10の沈下した部分の基礎11を安定した状態で効果的にリフトアップして、住宅建築物10の沈下修正を容易に行うことができる。すなわち、本実施形態によれば、沈下した部分の住宅建築物10の基礎11の下面と、基礎地盤12の表層部分12aとの間に形成した隙間13a,13bに、扁平な断面形状から内部に流体圧力が負荷されて膨張変形する加圧膨張体14,15,16を挿入配置し、これらの加圧膨張体14,15,16に流体を圧送して膨張変形させるだけの作業によって、手間のかかるジャッキやジャッキ受け金具の設置作業を要することなく、簡易且つ容易に住宅建築物10の沈下修正を行うことが可能になる。
また、本実施形態によれば、加圧膨張体14,15,16は、基礎11によって上方から押し付けられつつ膨張変形して、線状又は面状に基礎11と接触しながら当該基礎11を押し上げるので、広範囲な接触面積(接触延長)を確保して、安定した状態で住宅建築物10を押し上げることが可能になる。
さらに、本実施形態によれば、加圧膨張体14,15,16は、注水システムから圧送される加圧水の圧力や供給量を管理することにより、これらの膨張量を容易にコントロールすることができるので、基礎11のリフトアップ量を制御して、精度の良い住宅建築物10の沈下修正を行うことが可能になる。
さらにまた、本実施形態によれば、住宅建築物10の基礎11の下面や基礎地盤12の表層部分12と、加圧膨張体14,15,16との間に、鉄板19等による反力受けプレートを介在させて加圧膨張体を膨張変形させることができるので、これらの反力受けプレートによって、リフトアップ時に基礎地盤12の表層部分12や基礎11からの反力を安定して支持することが可能になると共に、特に基礎地盤12の表層部分12との間に介在して反力受けプレートが設けられていることにより、加圧膨張体14,15,16の表層部分12への食い込みを反力受けプレートによる大きな接地面積によって回避して、所望のリフトアップ量を容易に確保することが可能になる。
また、本実施形態によれば、加圧膨張体14,15,16を膨張させる流体として水を用いているので、油等を用いる場合と比較して、環境に与える影響がほとんどなく、加圧水を供給する公知の注水システムは、例えばライトバンに積載できる程度のコンパクトな形状を有しており、搬入が容易でスムーズに作業を行うことが可能になる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されることなく種々の変更が可能である。例えば、本発明の建物の沈下修正工法は、外周部分の基礎をリフトアップする第1工程と内側部分の基礎をリフトアップする第2工程とに分けて行う必要は必ずしもなく、第1工程のみで十分に沈下修正することが可能であれば、第2工程や第3工程をさらに行う必要はない。また、建物の基礎の下面と基礎地盤の表層部分との間に加圧膨張体を挿入配置するための隙間を形成する際に、ジャッキを使用することもできる。さらに、沈下修正される建物は、住宅建築物である必要は必ずしもなく、加圧膨張体に加圧供給される流体は、水以外の例えば油等であっても良い。
本発明の好ましい一実施形態に係る沈下修正工法における加圧膨張体の配設位置を説明する住宅建築物の基礎の部分透視上面図である。 外周部分の基礎をリフトアップする第1工程において、基礎の下面と、基礎地盤の表層部分との間の隙間に加圧膨張体を挿入配置した状況を説明する(a)は部分断面図、(b)は部分上面図である。 (a),(b)は、基礎の外周部分をリフトアップする第1工程を説明する部分断面図である。 (a)は膨張鋼管の斜視図、(b)は(a)のA−Aに沿った断面図である。 基礎の内側部分をリフトアップする第2工程において、基礎の下面と、基礎地盤の表層部分との間の隙間に加圧膨張体を挿入配置した状況を説明する(a)は部分断面図、(b)は部分平面図である。 (a),(b)は、基礎を内側部分をリフトアップする第2工程を説明する部分断面図である。 (a)は膨張袋体の断面図、(b)は底面図、(c)は(d)を右側から視た側面図である。 リフトアップにより形成された基礎と基礎地盤の表層部分との間の隙間に固化材を充填する工程を説明する(a)は部分透視上面図、(b)は断面図である。
符号の説明
10 住宅建築物(建物)
11 基礎
12 基礎地盤
12a 基礎地盤の表層部分
13,13a,13b 基礎の下面と基礎地盤の表層部分との間の隙間
14 第1加圧膨張体
15 第2加圧膨張体
16 第3加圧膨張体
17a 第1加圧膨張体の配設位置
17b 第2加圧膨張体の配設位置
17c 第3加圧膨張体の配設位置
18 膨張鋼管
19 鉄板(反力受けプレート)
20 膨張袋体
21 合板(挿入補助板)
22 注入口
23 固化材
24 固化材注入用型枠
26 注水スリーブ

Claims (7)

  1. 沈下した部分の建物の基礎の下面と、基礎地盤の表層部分との間に隙間を形成して、該隙間に、扁平な断面形状から内部に流体圧力が負荷されて膨張変形する加圧膨張体を挿入配置し、該加圧膨張体に流体を圧送して膨張変形させることにより、前記沈下した部分の建物の基礎をリフトアツプする工程を含み、
    前記加圧膨張体が、扁平にプレスされた断面形状から内部に流体圧力が負荷されて膨張変形する膨張鋼管である建物の沈下修正工法。
  2. 前記建物の基礎が、べた基礎である請求項1に記載の建物の沈下修正工法。
  3. 前記基礎地盤の表層部分が、表層改良工法によって形成された面状固結体である請求項1又は2に記載の建物の沈下修正工法。
  4. 前記加圧膨張体に圧送される流体が、水である請求項1〜3のいずれか1項に記載の建物の沈下修正工法。
  5. 前記建物の基礎の下面及び/又は前記基礎地盤の表層部分と、前記加圧膨張体との間に反力受けプレートを介在させて前記加圧膨張体を膨張変形させる請求項1〜4のいずれか1項に記載の建物の沈下修正工法。
  6. 沈下した部分の建物の外周部分の基礎の下面と、基礎地盤の表層部分との間に隙間を形成して、該隙間に前記膨張鋼管である前記加圧膨張体を挿入配置し、流体を圧送して膨張させることにより、前記外周部分の基礎をリフトアップする第1工程と、該第1工程によって形成された建物の内側部分の基礎の下面と基礎地盤の表層部分との間の隙間を介して、扁平に畳まれた状態から内部に流体圧力が負荷されて膨張変形する膨張袋体である加圧膨張体を建物の内側部分に挿入配置し、流体を圧送して膨張させることにより、前記内側部分の基礎をリフトアップする第2工程とを含む請求項1〜5のいずれか1項に記載の建物の沈下修正工法。
  7. 前記加圧膨張体を膨張変形させて、前記沈下した部分の建物の基礎をリフトアップすることにより形成された前記基礎と基礎地盤の表層部分との間の隙間に、モルタル、グラウト、発泡ウレタン等の固化材を充填する工程を含む請求項1〜6のいずれか1項に記載の建物の沈下修正工法。
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