JP3071402B2 - 構造物の持ち上げ方法、その方法に用いるジャッキ係合構造およびブラケット - Google Patents

構造物の持ち上げ方法、その方法に用いるジャッキ係合構造およびブラケット

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JP3071402B2 JP9106599A JP10659997A JP3071402B2 JP 3071402 B2 JP3071402 B2 JP 3071402B2 JP 9106599 A JP9106599 A JP 9106599A JP 10659997 A JP10659997 A JP 10659997A JP 3071402 B2 JP3071402 B2 JP 3071402B2
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  • Consolidation Of Soil By Introduction Of Solidifying Substances Into Soil (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は構造物の持ち上げ方
法、その方法に用いるジャッキ係合構造およびブラケッ
トに関する。さらに詳しくは、地盤沈下に伴って不等沈
下した構造物・建築物、あるいは地震などにより不等沈
下した構造物・建築物などを、もとの水平状態に復元す
る場合などに採用しうる、地上に建っている構造物をそ
のまま部分的ないし全体的に持ち上げる方法、およびそ
の方法に好適に用いることができるジャッキ係合構造お
よびブラケットに関する。
【0002】
【従来の技術】構造物の基礎には、一般にべた基礎、布
基礎、独立基礎の3種があり、土質には大きく分けて、
粘性土、砂質土、砂礫質土などがある。従来、建築物な
どを部分的ないし全体的に持ち上げる場合、対象物件の
それらの基礎形状・土質性状に基づき、種々の工法が採
用されている。さらに建物荷重、べた基礎の厚さ、布基
礎の幅などの条件により、復元工事に使用する材料、機
器を選定する。
【0003】たとえば、べた基礎の場合は建物全体が基
礎の上に乗っているので、超瞬結性のグラウトを基礎下
部の土中に強制的に注入し、そのときに発生する液体楔
効果による強大な上昇力を利用して建物を持ち上げるグ
ラウト注入工法が採用される。その場合、建物の剛性や
外力に対する応力度および上載荷重の大きさより判断し
て、適当な位置および間隔に注入管を配置し、それらの
注入管から同時にグラウトを低吐出圧で注入する。その
とき、1セットの送圧設備(ポンプ)と多数の特殊ブラ
ンチノズルを使用し、多点において均等な圧で同時注入
を行う。注入材としては、グラウト注入工法用に開発し
た懸濁型の超瞬結タイプを主に使用するが、土質によっ
ては、溶液型を使用する場合もある。
【0004】他方、独立基礎の場合は、持ち上げるべき
基礎部分が点状に分散配置しているので、主として各基
礎にジャッキを介在させ、水平度を見ながら徐々にジャ
ッキアップするジャッキ工法を採用している。ジャッキ
アップした後は、再び沈下を生じないように、通常の工
法により地盤改良を行い、持ち上げた基礎を改良地盤で
支えるようにする。しかし独立基礎の面積が大きい場合
は、前述のグラウト注入工法を採用する場合もある。
【0005】布基礎の場合は、持ち上げるべき基礎の下
部に複数個のジャッキを介在させ、それぞれのジャッキ
を少しずつ操作して基礎全体を持ち上げ、最後に地盤改
良する工法を採用している。また、布基礎の場合でも、
その幅が大きい場合は、グラウト注入工法も採用するこ
ともできる。布基礎と独立基礎が混在している場合、さ
らに部分的にべた基礎が混在している場合は、一般的に
複数個のジャッキを用いて基礎の傾斜を復元する工法が
採用される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前記グラウト工法は、
土質が粘着力のない砂質土(たとえば、海砂など)の場
合、グラウトの周辺への散逸が大きい。散逸は独立基礎
や布基礎はもちろんのこと、べた基礎であっても生ず
る。このような散逸により、薬剤が無駄になるだけでな
く、散逸したグラウトが隣家建物や周囲構造物を持ち上
げるなどの悪影響を及ぼすおそれが大きい。
【0007】他方、ジャッキ工法は基礎の強度があまり
高くない場合、あるいは持ち上げる高さが大きい場合に
は困難である。すなわち強度が弱い独立基礎や布基礎を
ジャッキで持ち上げようとすると、復元時の基礎と土に
クリアランスが生じたり、基礎下部の土が緩んだりする
ため、基礎自体の崩壊を惹き起こすことがある。とくに
布基礎の場合で、土に粘性土が混入している場合は、基
礎に付着している土の粘着力が大きので、土と基礎の縁
を切る前に布基礎が耐えられず崩壊する。とくに多数の
ジャッキを用いる場合は、不静定の荷重がかかり、部分
的に過大な応力がかかる。またジャッキ工法の場合は、
建物を持ち上げた後、最終的に地盤改良工をする必要が
ある。
【0008】本発明は、粘着力のない砂質土でもグラウ
トをあまり周囲に散逸させず、それにより隣家などに対
する悪影響が少なく、しかも布基礎の場合でも崩壊のお
それが少なく、最終的に地盤改良工を追加する必要がな
い構造物の持ち上げ方法を提供することを技術課題とし
ている。さらに本発明はその方法に好適に用いるジャッ
キ係合構造およびブラケットを提供することを技術課題
としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の構造物の持ち上
げ方法は、構造物ないしその基礎に上向きの力を加える
ことにより基礎の下方の地盤に掛かっている構造物の荷
重を軽減させながら、その地盤内に瞬間硬化型のグラウ
トを加圧注入し、その加圧力および前記上向きの力で構
造物を持ち上げることを特徴としている。このような方
法では、コンクリート構造物ないしその基礎の外面にブ
ラケットを固着し、そのブラケットにジャッキで上向き
の力を加えるのが好ましい。さらに基礎の側方の下方の
地盤を地盤改良しておき、ついでブラケットと地盤の間
にジャッキを介在させて上向きの力を加えるのが好まし
い。また前記改良した地盤に補強杭を打設し、その補強
杭とブラケットとの間にジャッキを介在させて基礎を持
ち上げ、その後にジャッキを外し、補強杭とブラケット
とを連結するのが一層好ましい。
【0010】本発明の不等沈下構造物の復元工法は、不
等沈下している構造物の沈下している側の基礎を、前記
の持ち上げ方法で持ち上げて構造物を水平にすることを
特徴としている。
【0011】本発明のジャッキ係合構造の第1の態様
は、前記の持ち上げ方法に用いるジャッキ係合構造であ
って、コンクリート構造物ないしその基礎の側面に横向
きに形成されるアンカーボルトを挿入するための孔と、
その孔内に隙間を残して挿入されるアンカーボルトと、
その隙間に充填される硬化性接着剤と、それらのアンカ
ーボルトおよびナットによって構造物ないしその基礎の
側面に、側方に突出するように締め付け固定される、ジ
ャッキの上端が係合されるべきブラケットと、そのブラ
ケットと構造物ないしその基礎との間に介在される接着
層とからなることを特徴としている。
【0012】本発明のジャッキ係合構造の第2の態様
は、構造物ないしその基礎の側面に横向きに埋め込み固
定されるアンカーボルトと、それらのアンカーボルトお
よびナットによって構造物ないしその基礎の側面に、ス
ぺーサを介して締め付け固定されるベースプレートと、
そのベースプレートと構造物の側面との間に充填され、
硬化される接着層と、ベースプレートの表面に、側方に
突出するように固定される、ジャッキの上端が係合され
るべきブラケットとからなることを特徴としている。
【0013】上記の第2の態様では、ブラケットが上側
のアンカーボルトによって固定されており、さらに、前
記構造物の基礎の下面と係合するL字プレートが、下側
のアンカーボルトを利用してベースプレートに固定され
ているものが好ましい。また第2の態様のジャッキ支持
構造は、構造物の側壁にアンカーボルトを横向きに埋め
込んで固定し、ついでアンカーボルトに嵌挿したスぺー
サによって側壁との間隔を保持しながらベースプレート
を構造物の側壁に配置し、アンカーボルトにナットを締
めつけてベースプレートおよびブラケットを固定し、前
記側壁とベースプレートとの間に硬化性の接着剤を充填
し、硬化させることにより製造することができる。
【0014】本発明の構造物持ち上げ用ブラケットは、
前述の係合構造に用いるブラケットであって、コンクリ
ート構造物ないしその基礎の側面に固定させる縦板と、
ジャッキの上端を当接させるべく前記縦板の高さ方向に
おける中間部から横向きに突出する横板と、縦板の上部
と横板の間に渡される複数枚のリブとを備えており、か
つ、前記縦板の上部のリブの間および下部に、構造物な
いしその基礎に固定したアンカーボルトを貫通させて結
合させるためのボルト穴が設けられていることを特徴と
している。
【0015】
【作用】構造物ないしその基礎に上向きの力を加える
と、基礎の直下の地盤中に、いわば楔状の道ができる。
その状態で基礎の下方にグラウトを加圧注入すると、グ
ラウトは楔状の道に集中的に引き入れられる。そして液
状のグラウトの注入による加圧効果で基礎全体が持ち上
がる。さらに注入されたグラウトが硬化すると、そのグ
ラウトを支持盤として液状のグラウトが加圧作用を奏す
る。このように本発明の工法においては、基礎に加える
上向きの力と、基礎下部に注入されるグラウトの上向き
の圧力とが相互に協調的に作用して、構造物が基礎ごと
持ち上がっていく。
【0016】上記のように本発明の方法ではグラウトは
楔状の道に集中的に引き入れられるので、他の部分への
無駄な散逸を防ぐことができ、周辺地盤にも影響を及ぼ
すことが少ない。さらに基礎は液体であるグラウトの楔
効果で持ち上げるので、基礎に加わる集中荷重が少なく
て済み、そのため基礎が崩壊することが少ない。さらに
本発明の工法では、沈下復元工事の完了と同時に基礎下
の地盤改良、すなわち地盤強化工事が完了しており、二
次的な地盤改良工事をする必要がない。
【0017】また構造物ないし基礎の外面にブラケット
を固着し、そのブラケットにジャッキで上向きの力を加
える場合は、基礎の下方がフリーになるので、グラウト
の加圧注入作業が容易になる。またブラケットの下方の
地盤を地盤改良し、ついでブラケットと地盤の間にジャ
ッキを介在させて上向きの力を加えると、ジャッキは改
良された地盤でしっかりと支えられ、ブラケットを安定
して上向きに付勢することができる。改良地盤に補強杭
を打設し、その補強杭とブラケットとの間にジャッキを
介在させ、構造物を持ち上げた後に、ジャッキを外し、
補強杭とブラケットとを連結する場合は、基礎が補強杭
および改良地盤によってしっかりと支持される。
【0018】本発明の不等沈下構造物の復元工法は、前
述の持ち上げ方法を採用しているので、その作用効果を
すべて奏することができる。
【0019】本発明の第1の態様に関わるジャッキ係合
構造は、コンクリート構造物ないしその基礎の側面に側
方に突出するようにブラケットを配置し、アンカーボル
トで固着しているので、基礎の下方がフリーになってお
り、そのためグラウトの注入作業が容易である。またア
ンカーボルトは構造物ないし基礎に硬化性接着剤を介し
て埋め込み固定されており、ブラケットと構造物ないし
基礎の間にも接着剤層が介在されているので、ブラケッ
トに加わる力は接着層の全体で構造物などに伝えられ、
ブラケットに局部的な力がかかりにくく、捻じれや撓み
が生じにくい。さらに第2の態様のジャッキ係合構造で
は、構造物ないしその基礎の側面とブラケットの間にベ
ースプレートを介在させ、そのベースプレートと構造物
などの側面の間に接着層を介在しているので、ベースプ
レートの広い面積でブラケットに加わる力を構造物に分
散して伝えることができる。そのため一層ブラケットが
撓んだり捻じれたりしにくい。また、ベースプレートを
上下の2ヶ所でアンカーボルトで固定する場合は、ブラ
ケットが1段だけの場合でも、ジャッキで持ち上げると
きにその力をしっかりと基礎などに伝えることができ、
基礎の崩壊などを防ぐことができる。しかも地盤の掘削
深さを浅くすることができ、注入グラウトの流出が少な
い利点がある。本発明のジャッキ係合構造の製造法によ
れば、第2の態様の係合構造を容易に製造することがで
きる。
【0020】本発明の沈下復元用のブラケットは、縦板
を構造物ないしその基礎の側面に当接させ、基礎などに
貫通ないし埋め込んだアンカーボルトを利用して、基礎
と縦板とを結合する。そしてジャッキで横板を上向きに
押し上げるように付勢して用いる。このようにすれば、
ジャッキを基礎の直下よりも外側の範囲に配置すること
ができるので、基礎の直下にグラウトを注入する妨げに
ならず、かつ、基礎を広い範囲でしっかりと保持するこ
とができる。さらに縦板の高さ方向における中間部から
横板が突出し、縦板の上部と横板の間にリブが渡され、
かつ横板の上下にボルト穴を備えているので、捻れや撓
みを生じにくく、しかも基礎に固定するときの作業性が
よい。
【0021】なお縦板の上端および下端からそれぞれ横
向きに突出する上板を備えているものは、ブラケットの
上にさらに他のブラケットを重ねて基礎の側面に固定す
ることができる。それにより、上側のブラケットで下側
のブラケットの撓みや捻れを抑制することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】つぎに図面を参照しながら本発明
の持ち上げ方法、不等沈下構造物の復元工法およびそれ
らに用いるブラケットを説明する。図1は本発明の持ち
上げ方法の一実施形態を模式的に示す立断面図である。
図2は図1の持ち上げ方法の対象となる建築物の基礎部
分の平面図である。図3は図1の方法を一工程として含
む不等沈下構造物の復元工法全体のフローチャートであ
る。図4および図5はその復元工法の概略工程図であ
る。図6は本発明の復元工法の他の実施形態を示す基礎
部分の平面図である。図7はその復元工法の概略工程図
である。図8はその工法における持ち上げ工程の概略側
断面図である。図9はその持ち上げ工程の正面図であ
る。図10aおよび図10bはそれぞれ本発明のブラケ
ットの実施形態を示す斜視図である。図11は図1の要
部拡大図である。図12は本発明のジャッキ係合構造の
一実施形態を示す側面図である。図13はその正面図で
ある。図14は本発明のジャッキ係合構造の他の実施形
態を示す側面図である。図15aおよび図15bは図1
4のジャッキ係合構造の製造法を示す工程図である。図
16aおよび図16bはそれぞれ本発明のジャッキ係合
構造のさらに他の実施形態を示す断面図およびそれを用
いた持ち上げ方法を示す断面図である。図17aおよび
図17bはそれぞれ本発明のジャッキ係合構造のさらに
他の実施形態を示す断面図およびそれを用いた持ち上げ
方法を示す断面図である。
【0023】図1において符号1はコンクリート製の建
築物であり、その基礎2はいわゆるべた基礎であり、地
下室を兼ねている。基礎2は、たとえば1〜2m程度、
地盤3内に埋まっている。符号4は地表を示す。建築物
1は、地盤3が軟弱なため、地震などにより図面に現れ
ている側、たとえば図2の右前部分がかなり沈下してお
り、反対側が沈下していない不等沈下状態にあるものと
する。
【0024】建築物1の本体部分の下方の地盤内、たと
えば深さ2〜3mの範囲には、あらかじめ超瞬結性のグ
ラウトを注入した一次注入層5を形成しており、その部
分では地盤強度が高くなっている。基礎2の基礎ベース
2aの張出し部6の下方の地盤内には、柱状に地盤改良
した反力グラウト7を形成しており、その部分でも地盤
強度が高くなっている。また基礎2の側方の地盤3aは
基礎ベース2aまで掘削し、基礎2の側壁8および張り
出し部6を露出させている。張り出し部6には垂直方向
にコア抜きして貫通孔6aを形成し、その部分から反力
グラウト7内に、鋼管杭9を打ち込んでいる。さらに貫
通孔6aには鋼管杭9に直接力を伝えるように反力盤1
0を挿入し、その上に油圧ジャッキ11を載置してい
る。
【0025】基礎2の側壁8の外面には、断面U字状の
第1のブラケット12がアンカーボルト13により固定
されている。アンカーボルト13と基礎2の孔の間に
は、エポキシ樹脂などの充填接合剤が充填されて、いわ
ゆるケミカルアンカー13aなどとしている。第1のブ
ラケット12の上には、第1のブラケット12と同形状
の第2のブラケット14がアンカーボルト15およびケ
ミカルアンカー・樹脂アンカーなどで固着されている。
またブラケット12、14と基礎2の間にもエポキシ樹
脂など充填接合剤が充填されている。第2のブラケット
14は第1のブラケット12に曲がりやねじれが生じな
いように上側から押えるためのものである。第2のブラ
ケット14の上にさらに第3のブラケットを取り付ける
ようにしてもよい。充填接合剤はアンカーボルトと基礎
の間、あるいはブラケットと基礎の間で集中荷重がかか
らず、分布荷重(分散荷重)でしっかりと支えるための
ものである。
【0026】前記ブラケット12、14は、図2に示す
ように、所定の長さを有し、ジャッキ11はその長手方
向に複数個、たとえば2〜10個程度配列している。各
ジャッキ11は油圧ポンプ(図示していない)で同時に
操作できるように配管連結する。ブラケット12の配置
位置は、通常は建築物1の沈下が大きい側のコーナー部
であり、図2の場合は右前側がもっとも低くなるように
対角方向に傾斜しているので、右前、左前および右の後
方寄りの各位置に配置している。なお図2の符号P1お
よび符号P2はそれぞれグラウトを注入して建築物1を
復元するためのSPGポイントである。それらのSPG
ポイントP1、P2は、建築物1の持ち上げ時に移動し
たり、またはポイントを変えることもある。
【0027】図1の状態で油圧ジャッキ11を作動さ
せ、ブラケット12を介して基礎2を上向きに付勢しな
がら一次注入層5の上部にグラウトを土質に応じた所定
の圧力で注入する。グラウトは注入管を地盤内に打ち込
み、その先端から噴出させ、注入管をしだいに上方に引
き揚げて所定の厚さだけ注入する。それによりグラウト
は地盤内の砂や土と結合し、二次注入層16が形成され
る。油圧ジャッキ11の加圧力は通常は構造物の重量の
一部を支える程度とするが、ほぼ全体を支える程度で合
ってもよい。ただし基礎2を地盤から浮かすほど持ち上
げず、グラウトの注入時の圧力で持ち上げるようにす
る。グラウトには通常のセメント系または懸濁型の地盤
改良剤が用いられるが、いわゆる瞬結性、もしくは超瞬
結性のものが好ましく用いられる。
【0028】油圧ジャッキ11が受ける反力は、反力盤
10および鋼管杭9を介して反力グラウト7が支える。
したがって基礎2の下方の土圧が減少し、液状のグラウ
トを導く楔道ができる。そのためグラウトを注入しても
周辺部分に散逸せず、一次注入層5の上に集中的に積層
される。そしてグラウトが注入される面積に応じた圧力
で、そのうえの土、基礎2および建築物1を持ち上げて
いく。その間、注入したグラウトが順次硬化していく
が、新たに注入される液状のグラウトが加圧力を発揮
し、硬化したグラウトを支持基板としながら順次建築物
1を上昇させていく。
【0029】なお建物が上昇するにつれて油圧ジャッキ
11も順次ジャッキアップさせ、常時基礎2に上向きの
付勢力が加わり続けるようにする。そしてこのような油
圧ジャッキ11による上向きの付勢力と注入グラウトの
基礎2の下部からの加圧作用とが相まって、建築物1の
沈下している基礎2を持ち上げていく。そしてその結
果、二次注入層16が形成される。なお図2の建築物1
では、まず右前部分の油圧ジャッキで付勢しながらグラ
ウトを注入し、右前部が右後ろ部と同じ高さまで持ち上
がると、右前部と右後ろ側のジャッキで付勢して建築物
を左側に起こすようにするなど、所定の順序で持ち上げ
ていくことにより、建築物を水平に復元する。
【0030】つぎに図3〜5を参照しながら不等沈下建
物の復元工事の全体を順を追って説明する。図3のフロ
ーチャートに従い、最初に建物の沈下レベル、傾斜角
度、地盤強度、土質、基礎の形状・強度などの状態を測
定する測量工(ステップS1)を行なう。そしてその結
果に基づき、建築物のどの部位をどれだけ、どのような
順序で持ち上げるか、さらに必要な地盤改良の程度、方
法を設計する。
【0031】ついで図4の左上に示すように、所定の複
数個所から基礎2の周辺および基礎の下方に注入管を打
ち込み、グラウトを注入し、柱状の反力グラウト7を形
成すると共に、一次注入層5を形成する一次注入工(ス
テップS2)を行なう。それにより基礎下部約2〜3m
の間を地盤改良する。
【0032】ついでブラケット設置個所を基礎ベース2
aまで掘削する掘削工(ステップS3)を行ない、基礎
ベース2aの張り出し部6に杭打設位置に垂直方向にコ
アー抜きして貫通孔6aを形成し、同時に基礎壁8にア
ンカーボルト用のコアー抜きを行なうコアー抜き工(ス
テップS4)を行なう。さらに貫通孔6aから反力グラ
ウト7内に鋼管杭9をチャックハンマーなどで打設する
(ステップS5)。さらに基礎2の側壁8にアンカーボ
ルト13、15を設置し(ステップS6)、エポキシ樹
脂などの充填接合剤を充填する(ステップS7)。つぎ
にアンカーボルト13、15にブラケット12、14を
取り付ける(ステップS8)。ついでブラケット12、
14の周囲をエポキシ樹脂などでシールした上で、側壁
8とブラケット12、14との間にエポキシ樹脂などの
充填接合剤を充填してブラケット12、14を基礎2に
固定する。
【0033】ついで基礎ベース2aの張り出し部6の貫
通孔6a内に反力盤10を設置し(ステップ10)、反
力盤10の上に油圧ジャッキ11を載置する(ステップ
S11)。この状態で二次注入工を行なって図1の持ち
上げ方法を実施する(ステップ12)。このときグラウ
トを地盤内に導く注入管は、建築物1の剛性や外力によ
る応力度および上載荷重の大きさより判断して、適切な
位置および間隔で配置する。そして建築物1が所定の位
置まで復元した後、グラウトを基礎2のすぐ下に注入す
る三次注入工を施工し基礎下地盤の安定化を計る(ステ
ップS13)。それにより図5の左上の三次注入層17
が形成される。
【0034】その後、ブラケット12、14と、張り出
し部6および鋼管杭9を溶接やプレートなどを用いたボ
ルト固定によって連結し、固定する(ステップS1
4)。さらにジャッキ11その他を撤去し(ステップS
15)、コンクリートを打設する(ステップS16)。
最後に、掘削した部分(図5の符号3a)に土を埋め戻
し(ステップS17)、工事が完了する。なお大略は以
上のように進行するが、基礎の形状や種類に応じて、た
とえば以下に説明するように種々の変更がある。
【0035】図6〜9に示す不等沈下構造物の復元工法
では、建築物1の基礎2が独立基礎である。そのため独
立基礎の下部にのみグラウトを積層する。なお本実施形
態では、一次注入の前に建築物1の基礎2を囲むように
反力グラウトを兼ねたカーテングラウト18をほぼ隙間
なく配列施工している。このカーテングラウト18は図
7〜8に示すように、一次注入層5の下端に達する深さ
まで設け、一次、二次および三次注入工のグラウトの散
逸を防ぐと共に、建物の基礎下へ限定的にグラウトを注
入させる作用がある。
【0036】なお図6における円19は一次注入の位置
を示している。各円19の中心が注入管を打ち込む位
置、すなわちグラウトを注入する位置であり、半径の大
きさがグラウトの拡がりの予定範囲を示している。図6
では二次注入および三次注入の位置を示していないが、
円の大きさ、中心位置および個数が異なるものの、独立
基礎の下方である点では同じである。さらにカーテング
ラウト18も同じような円で注入位置を示している。図
7は一次注入層5、二次注入層16および三次注入層1
7の施工状態を、それぞれの場合の注入管20を挿し込
む方向の例と共に示している。
【0037】図8に示すように、この実施形態では基礎
ベース2aの張り出し部6が大きく、その上面が傾斜し
ている。そのため、張り出し部6の先端に第1ブラケッ
ト12を固定すると共に、図9に示すようにそれぞれL
字形状の3本の第2ブラケット21を張り出し部6の上
面の傾斜面から側壁8にかけて放射状に配置し、固定す
ることにより、それらの先端の水平部22で第1ブラケ
ット12の上面を押さえている。他の点、および施工順
序などは、図2〜4の場合と同じである(図7参照)。
【0038】図10aおよび図10bはそれぞれ前述の
持ち上げ方法に用いるブラケットの一例を示している。
図10aのブラケット12Aは、厚さ12〜32mmの鋼
板をC字状に折り曲げて縦板24および上下の横板25
を形成し、それらの間に複数枚のリブ26を溶接により
固定したものである。また図10bのブラケット12B
では、鋼板をL字状に折り曲げて縦板24および下側の
横板25を形成し、それらの間に複数枚の三角形のリブ
26を溶接により固定している。いずれの場合も縦板2
4にはアンカーボルト13に取り付けるためのボルト穴
27を、それぞれ同じ高さの位置に複数個、1列で形成
している。なお持ち上げ力が弱い場合は縦板24の上下
端または下端に横板25を溶接することもできるが、コ
ーナー部に大きい力がかかるので、通常は1枚の厚鋼板
を折り曲げて形成する。
【0039】図10aのブラケット12Aおよび図10
bのブラケット12Bはそれぞれ1段だけでも使用する
ことができるが、ジャッキによる持ち上げ力が強い場合
は、ブラケット12と基礎2の間の充填接合材が剥がれ
たり、アンカーボルトが抜けることがある。その場合
は、図1に示すように、図10aのブラケット12Aを
2段積んで第1ブラケット12および第2ブラケット1
4としたジャッキ係合構造として使用する。図11はそ
のジャッキ係合構造30の部分を拡大して示している。
【0040】すなわち図11のジャッキ係合構造30
は、基礎2に埋め込んだアンカーボルト13、15で前
述の図10aのブラケット12Aを2段に重ねて固定
し、下側の第1ブラケット12の下方に油圧ジャッキ1
1を係合させ、そのジャッキ11を反力盤10で支持し
たものである。このようにすると第1ブラケット12が
受ける曲げモーメントを第2ブラケット14が抑えるの
で、一層強い持ち上げ力に耐えうる。図10aのブラケ
ット12Aは、そのジャッキ係合構造30における第1
ブラケット12および第2ブラケット14の両方に使用
することができる。また図10bの三角形状のブラケッ
ト12Bは、第1ブラケット12の上に重ねる第2ブラ
ケット14として使用することができる。
【0041】ところで図11のようにブラケット12、
14を2段に積むと、油圧ジャッキ11の位置が低くな
り、したがって場合により反力盤10も基礎2より深く
沈める必要がある。その場合は基礎2の下部に充填した
グラウト31が基礎2と反力盤10の隙間から矢印Qの
ように流出するおそれがある。また2段のブラケット1
2、14は互いに密接して、しかもそれぞれ硬化性樹脂
などからなる樹脂アンカーで基礎2の側面に密着するよ
うに固定するので、設置作業が煩雑である。図12のブ
ラケット12Cおよび後述するベースプレートはこのよ
うな問題を解消するものである。
【0042】図12および図13に示すブラケット12
Cは、縦板24の上下方向の中心部に横板25の端部を
直角に溶接し、横板25の上面と縦板24との間に三角
形状のリブ26を固定している。そして縦板24には、
横板25を挟んで上下の部分にアンカーボルト取付用の
ボルト穴27を形成している。したがってこのブラケッ
ト12Cを、上下2列のアンカーボルト13、15に固
定したブラケット係合構造30Aは、上下の撓みや捻れ
が生じにくく、曲げモーメントをしっかりと受けること
ができる。そのためその上面を押さえるための第2ブラ
ケットを設ける必要がない。またブラケット12Cの上
下が開放しているので、アンカーボルト13、15への
取付作業が容易である。なお図12の符号28aはスペ
ーサ用のナット、符号28bは締め付け用のナットであ
る。
【0043】図12および図13の実施形態では、縦板
24の中心部に横板25を溶接しているが、図14に示
すように、厚板からなるベースプレート33と図10b
の曲げ形成したブラケット12Bとを用いる方が好まし
い。すなわち溶接した部位は比較的強度が弱いので、曲
げ形成したブラケット12Bの縦板24全体をベースプ
レート33で背後から支えるようにするのが好ましい。
それにより当接面全体で分散して力を伝達することがで
きる。なおブラケット12Bはあらかじめベースプレー
ト33に接着ないし溶接しておいてもよく、施工現場で
ベースプレート33をナットで止める時に同時に止める
ようにしてもよい。もちろん施工現場で直前に接着ない
し溶接で仮接合することもできる。
【0044】このものはたとえば図15aに示すよう
に、まずアンカーボルト13、15を基礎2の側壁8に
貫通させて両側を座板33aや座金33bなどでシール
し、ナット28aで固定し、隙間Uにエポキシ系など硬
化性接着剤をポンプで加圧充填し、硬化させる。それに
より図15bのように接着剤U1がいわゆるケミカルア
ンカーとして作用する。なおアンカーボルト13、15
は側壁8に対して貫通させずに埋め込んでもよい。つぎ
に図15bのようにそれぞれのアンカーボルト13、1
5の先端にベースプレート33を取りつけ、外側のナッ
ト28bで固定する。それによりベースプレート33は
側壁8との間に隙間Gをあけて保持される。そしてベー
スプレート33の周辺、とくに側方や下側の部分をエポ
キシ樹脂などのシール材29でシールする。なお図12
および図13のブラケット12Cを用いる場合は、縦板
24をアンカーボルト13、15の先端に同様に固定す
る。
【0045】さらにベースプレート33(あるいは縦板
24)と側壁8の間にエポキシ樹脂などの充填接合材
(接着層)32を充填し、硬化させることにより、ベー
スプレート33およびブラケット12B(12C)を基
礎2に固着する。これにより図14のジャッキ係合構造
30Bや図12のジャッキ係合構造30Aが得られる。
ベースプレート33や縦板24と基礎2の間に充填接合
材32を充填するのは、アンカーボルト13、15だけ
では点荷重となるので、壁面8と鋼板とを接着すること
により点荷重を面荷重とするためである。なお内側のナ
ット28aに代えてリング状またはU字状のスぺーサや
座金などを介在させてもよい。請求項7にいう「スぺー
サ」にはナットや座金なども含まれる。
【0046】上記のようにこのジャッキの係止構造30
A、30Bでは、上下に長いベースプレート33や縦板
24と基礎2の側面とを充填接合材32で接合し、さら
に上下2列のアンカーボルト13、15でベースプレー
ト33やブラケット12Cを固定しているので、ブラケ
ット12B、12Cの固着力が強く、1段でもジャッキ
11の力に基づく曲げモーメントをしっかりと受けるこ
とができる。したがって図11のような基礎の場合で
も、ジャッキ11を支持する反力盤10は基礎より深く
する必要がなく、グラウトが反力盤と基礎の間から流出
するおそれが少ない。
【0047】図16aは基礎2の側面にベースプレート
33を上下2列のアンカーボルト13、15で固着し、
上側の列のアンカーボルト15を利用して、図10aの
コ字状のブラケット12Aをベースプレート33に固定
したジャッキ係合構造30Cを示している。このもの
は、ベースプレート33と基礎2の側面との間に充填接
合材32を充填し、ベースプレート33とブラケット1
2Aとは直接当接させて上側のアンカーボルト15で一
緒に締め付けている。なお符号33cはシール兼用のス
ペーサである。このものも広い面積のベースプレート3
3でブラケット12Aに加わるモーメントを支持させる
ので、図12のジャッキ係合構造30Bと同じように、
充填接合材32が崩れたり、剥がれたりすることが少な
い。そのため図16bに示すように、ジャッキ11を支
持する反力盤10を浅く設置することができ、基礎2の
下に充填したグラウト31が流出しにくい。
【0048】図16aのジャッキ係合構造30Cは、図
14のジャッキ係合構造30Bと同じ方法で取りつける
ことができる。なおアンカーボルト13、15および充
填接合材32によりベースプレート33だけを基礎2の
側面に取り付けて充填接合材32を硬化させ、充填接合
材32が充分に硬化した後に、上側のアンカーボルト1
5のナット28bを外してブラケット12Aを取り付け
るようにしてもよい。なお図16aのジャッキ係合構造
30Cでは、縦板24の上下端にそれぞれ横板25を設
けたブラケット12Aを用いているので、必要であれば
その上にもう1個のブラケットを重ねて、2段以上にブ
ラケットを設けることもできる。
【0049】図17aのジャッキ係合構造30Dは、ア
ンカーボルト13、15を側壁8に貫通させずに埋め込
んでいるほかは図14のジャッキ係合構造30Bと同じ
であり、実質的に同じ作用効果を奏し、同じ方法で製造
することができる。
【0050】図17bのジャッキ支持構造30Eは、図
16aのジャッキ係合構造30Cに対し、ベースプレー
ト33を固定する下側のアンカーボルト13を利用し
て、L字状のブラケット34を取り付けたものである。
L字状のブラケット34は縦板35とその下端から側方
に突出する横板36とからなり、その横板36は、基礎
2の下側に係合している。このものも1枚の鋼板を曲げ
て成形するのが好ましい。この係合構造では、ジャッキ
11の上向きの付勢力が上側のアンカーボルト15に直
接伝えられ、さらにベースプレート33を介して基礎2
および下側のアンカーボルト13に伝えられると共に、
L字状のブラケット34により基礎2の下面に伝えられ
る。したがってジャッキ11による力が広く分散され、
一箇所に加わる圧力が少なくて済む。そのため基礎2が
崩壊するおそれが一層低くなる。なお図17bのように
L字状のブラケット34の縦板35と基礎2の側面との
間にも充填接合材32を充填し硬化させるのが好まし
い。その場合はこの部分でもジャッキの力を分散できる
ので、一層確実にジャッキの力を支持することができ
る。
【0051】以上、本発明の持ち上げ方法を、ベタ基礎
および独立基礎の建築物を例にあげて説明したが、本発
明の持ち上げ方法はジャッキでは崩壊しやすく、また、
グラウト注入工法ではグラウトが散逸しやすい布基礎に
もっとも効果的に採用することができる。また、布基礎
と、独立基礎やベタ基礎とが混在している場合にも、好
適に採用することができる。さらに本発明の方法は、不
等沈下構造物を復元する場合だけでなく、等沈下した建
築物を単に所定のレベルまで持ち上げたり、周辺道路の
レベルに合わすために持ち上げたりする場合など、種々
の建築物の持ち上げに採用することができる。また本発
明の持ち上げ方法は、建築物のほか、橋、道路、その他
の土木構造物の持ち上げにも使用することができる。
【0052】前記実施形態ではジャッキの例として油圧
ジャッキを示しているが、複数個のジャッキを均等に上
昇させるなど、所定の機能を有するものであればネジ式
などの機械式ジャッキなどを採用することもできる。ま
た図面に示したブラケットや地盤改良領域の形状はいず
れも例であって、すべてに当てはまるものではなく、そ
の基礎、土質などを各々計算し、設計した上で施工す
る。
【0053】
【発明の効果】本発明の建造物の持ち上げ方法は、構造
物ないしその基礎に加える上向きの力で基礎の下方にグ
ラウトを侵入させる通路を形成するので、注入したグラ
ウトは周辺に散逸しない。そのため、隣家などに迷惑を
かけない。また、布基礎を持ち上げる場合でも崩壊しに
くい。しかもグラウトを充填することにより地盤が改良
されるので、最終的に基礎下方を地盤改良する追加工事
の必要が少ない。
【0054】本発明のジャッキ係合構造ならびにブラケ
ットは、ジャッキの力を広く分散させて基礎に伝えるの
で、上記の持ち上げ方法に使用するときに基礎をしっか
りと支持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の持ち上げ方法の一実施形態を模式的
に示す立断面図である。
【図2】 図1の持ち上げ方法の対象となる建築物の基
礎部分の平面図である。
【図3】 図1の方法を一工程として含む不等沈下構造
物の復元工法全体のフローチャートである。
【図4】 その復元工法の概略工程図である。
【図5】 図4に続く概略工程図である。
【図6】 本発明の復元工程の他の実施形態を示す基礎
部分の平面図である。
【図7】 その復元工法の概略工程図である。
【図8】 その工法における持ち上げ工程の概略側断面
図である。
【図9】 その持ち上げ工程の正面図である。
【図10】 図10aおよび図10bはそれぞれ本発明
のブラケットの一実施形態を示す斜視図である。
【図11】 図1の要部拡大図である。
【図12】 本発明のジャッキ係合構造の一実施形態を
示す側面図である。
【図13】 図12のブラケットの正面図である。
【図14】 本発明のジャッキ係合構造の他の実施形態
を示す側面図である。
【図15】 図15aおよび図15bは図14のジャッ
キ係合構造の製造法を示す工程図である。
【図16】 図16aおよび図16bはそれぞれ本発明
のジャッキ係合構造のさらに他の実施形態を示す断面図
およびそれを用いた持ち上げ方法を示す断面図である。
【図17】 図17aおよび図17bはそれぞれ本発明
のジャッキ係合構造のさらに他の実施形態を示す断面図
である。
【符号の説明】
1 建築物 2 基礎 5 一次注入層 7 反力グラウト 8 側壁 9 鋼管杭 10 反力盤 11 油圧ジャッキ 12 第1ブラケット 13 アンカーボルト 14 第2ブラケット 15 アンカーボルト 16 二次注入層 17 三次注入層 18 カーテングラウト 24 縦板 25 横板 26 リブ 27 ボルト穴 12A ブラケット 12B ブラケット 12C ブラケット 30 ジャッキ係合構造 30A ジャッキ係合構造 30B ジャッキ係合構造 32 充填結合材 33 ベースプレート 30C ジャッキ係合構造 30D ジャッキ係合構造 30E ジャッキ係合構造 34 L字状ブラケット

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 構造物ないしその基礎に上向きの力を加
    えることにより基礎の下方の地盤に掛かっている構造物
    の荷重を軽減させながら、その地盤内に瞬間硬化型のグ
    ラウトを加圧注入し、その加圧力および前記上向きの力
    で構造物を持ち上げる、構造物の持ち上げ方法。
  2. 【請求項2】 構造物ないしその基礎の外面にブラケッ
    トを固着し、そのブラケットにジャッキで上向きの力を
    加える請求項1記載の持ち上げ方法。
  3. 【請求項3】 基礎の側方の下方の地盤を地盤改良して
    おき、ついでブラケットと地盤の間にジャッキを介在さ
    せて上向きの力を加える請求項2記載の持ち上げ方法。
  4. 【請求項4】 前記改良した地盤に補強杭を打設し、そ
    の補強杭とブラケットとの間にジャッキを介在させて基
    礎を持ち上げ、その後にジャッキを外し、補強杭とブラ
    ケットとを連結する請求項3記載の持ち上げ方法。
  5. 【請求項5】 不等沈下している構造物の沈下している
    側の基礎を、請求項1、2、3または4記載の方法で持
    ち上げて構造物を水平にする、不等沈下構造物の復元工
    法。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の持ち上げ方法に用いるジ
    ャッキ係合構造であって、コンクリート構造物ないしそ
    の基礎と、それらの側面に横向きに形成されるアンカー
    ボルトを挿入するための孔と、その孔内に隙間を残して
    挿入されるアンカーボルトと、その隙間に充填される硬
    化性接着剤と、それらのアンカーボルトおよびナットに
    よって構造物ないしその基礎の側面に、側方に突出する
    ように締め付け固定される、ジャッキの上端が係合され
    るべきブラケットと、そのブラケットと構造物ないしそ
    の基礎との間に介在される接着層とからなる、構造物持
    ち上げ用のジャッキ係合構造。
  7. 【請求項7】 構造物ないしその基礎を持ち上げるため
    の、ジャッキを係合させる構造であって、構造物ないし
    その基礎の側面に横向きに埋め込み固定されるアンカー
    ボルトと、それらのアンカーボルトおよびナットによっ
    て構造物ないしその基礎の側面に、スぺーサを介して締
    め付け固定されるベースプレートと、そのベースプレー
    トと構造物の側面との間に充填され、硬化される接着層
    と、ベースプレートの表面に、側方に突出するように固
    定される、ジャッキの上端が係合されるべきブラケット
    とからなる、構造物持ち上げ用のジャッキ係合構造。
  8. 【請求項8】 前記ブラケットが上側のアンカーボルト
    によって固定されており、さらに、前記構造物の基礎の
    下面と係合するL字プレートが、下側のアンカーボルト
    を利用してベースプレートに固定されている請求項7記
    載のジャッキ係合構造。
  9. 【請求項9】 請求項7記載のジャッキ係合構造を製造
    する方法であって、構造物の側壁にアンカーボルトを横
    向きに埋め込んで固定し、ついでアンカーボルトに嵌挿
    したスぺーサによって側壁との間隔を保持しながらベー
    スプレートを構造物の側壁に配置し、アンカーボルトに
    ナットを締めつけてベースプレートおよびブラケットを
    固定し、前記側壁とベースプレートとの間に硬化性の接
    着剤を充填し、硬化させるジャッキ係合構造の製造法。
  10. 【請求項10】 請求項6または7記載の係合構造に用
    いるブラケットであって、コンクリート構造物ないしそ
    の基礎の側面に固定させる縦板と、ジャッキの上端を当
    接させるべく前記縦板の高さ方向における中間部から横
    向きに突出する横板と、縦板の上部と横板の間に渡され
    る複数枚のリブとを備えており、かつ、前記縦板上部の
    リブの間および下部に、構造物ないしその基礎に固定し
    たアンカーボルトを貫通させて結合させるためのボルト
    穴が設けられている構造物持ち上げ用のブラケット。
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