JP2005120771A - レベル調整用建物構造、及びこの建物のレベル調整方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単な構造であるにも拘らず堅牢な梁構造により、生産コストの問題を解消することのできる。
【解決手段】地盤の沈下に追従して沈下する基礎1上に柱脚2の下端が取り付けられた建物であって、基礎1に油圧ジャッキ11を設置するための高さ空間9を設けて柱脚2を連結する梁部材3を備えており、この梁部材3と柱脚2との隅角部の下方側に脚部補剛部材6を設け、更に、梁部材3に少なくとも1つの補強リブ7を設けており、この補強リブ7の下方を、梁部材3をジャッキアップする際のジャッキの支持点とする。
【選択図】図1
【解決手段】地盤の沈下に追従して沈下する基礎1上に柱脚2の下端が取り付けられた建物であって、基礎1に油圧ジャッキ11を設置するための高さ空間9を設けて柱脚2を連結する梁部材3を備えており、この梁部材3と柱脚2との隅角部の下方側に脚部補剛部材6を設け、更に、梁部材3に少なくとも1つの補強リブ7を設けており、この補強リブ7の下方を、梁部材3をジャッキアップする際のジャッキの支持点とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、不同沈下によって建物が傾いた際、レベルを調整するための建物の構造、及び不同沈下によって傾いた建物のレベル調整方法に関する。
周知の通り、軟弱地盤上に建物を設置する際、基礎として杭を打設して、この杭によって建物を支持する。しかし、軟弱地盤内に埋蔵分化財があり杭を打設することができない場合や、杭だけでは所定の支持力を得ることができない場合などには、軟弱地盤上に基礎スラブを設置し、この基礎スラブの上に建物を構築する。
この種の建物は、地盤が沈下した場合、例えば特許文献1の工法によって、建物のレベルを調整する。即ち、先ず、基礎スラブ31の上面をはつり、基礎スラブ31と梁32との間に油圧ジャッキが設置できる程度の空間33を形成する(図5のA参照)。そして、この空間33に油圧ジャッキ34を設置し(図5のB参照)、梁32をジャッキアップすることにより、建物を水平状態にし、基礎スラブ31と梁32との間に金属板36などの支持材を設置して、アンカーボルト35を継ぎ足す(図5のC参照)。その後、これらの間にコンクリート37などを打設して、建物の水平状態を保持する(図5のD参照)。
しかし、この工法によれば、基礎スラブをはつったり、基礎スラブと梁とを連結するアンカーボルトを継ぎ足すなど施工が煩雑になったり、基礎スラブと梁との間隔が狭い所ではコンクリートの打設が困難であるなどの問題がある。これらの問題を解決するため、例えば特許文献2に示すような種々の方法が提供されている。
この方法によれば、基礎スラブに柱脚を設置し、隣接する柱脚に梁を設置するが、基礎スラブと梁との間に所定の空間を設ける。そして、基礎スラブが沈下した際、前記の空間に油圧ジャッキを設置し、梁をジャッキアップすることによって建物全体のレベルを調整する。
しかし、この方法でも問題がある。即ち、梁にジャッキを直接当接するため、ジャッキによって梁に負荷される応力が大きいので、この応力に耐え得るよう、梁の材料を大きくする必要がある。そのため、梁の材料コストが高くなり、建物全体としての生産コストが増加するという問題もある。
特開平5−106233号公報
特開2001−227000号公報
そこで、本発明は、簡単な構造であるにも拘らず堅牢な梁構造により、生産コストの問題を解消することのできる建物及び建物のレベル調整方法を提供する。
本発明に係るレベル調整用の建物構造は、地盤の沈下に追従して沈下する基礎上に柱脚の下端が取り付けられた建物であって、基礎に油圧ジャッキを設置するための高さ空間を設けて柱脚を連結する梁部材を備えており、この梁部材と柱脚との隅角部の下方側に脚部補剛部材を設け、更に、梁部材に少なくとも1つの補強リブを設けており、この補強リブの下方を、梁部材をジャッキアップする際のジャッキの支持点とすることを特徴とする。
好ましくは、前記柱脚の下端にベースプレートを設け、柱脚をこのベースプレートを介して基礎に植設したアンカーボルトに連結していることを特徴とする。
更に好ましくは、前記梁部材上に床面スラブを設け、この床面スラブに作業者が前記高さ空間内を出入するための点検口を設けたことを特徴とする。
本発明に係る建物のレベル調整方法は、地盤の沈下に追従して沈下する基礎上に柱脚の下端が取り付けられた建物であって、基礎から所定の高さ空間を設けて柱脚を連結する梁部材を備え、この梁部材と柱脚との隅角部の下方側に脚部補剛部材を設け、更に、梁部材に少なくとも一つの補強リブを設けた建物の構造において、地盤沈下の際、高さ空間に油圧ジャッキを設置し、この油圧ジャッキを補強リブの下方に配置し、この油圧ジャッキを用いて梁部材をジャッキアップして、建物のレベルを水平状態に保持した後、基礎と柱脚との空間をグラウトコンクリートで充填することを特徴とする。
本発明によれば、基礎をはつったり、アンカーボルトを継ぎ足すなどの煩雑な施工が不要であるので、施工期間の短縮を図ることができ、それによって経済性を向上させることができる。又、梁部材の油圧ジャッキが押し上げる箇所に、耐力を増す工夫が施されているので、梁の材料コストを下げることができ、建物全体としてのコストを低廉にすることができる。
以下、添付図面に基づいて、本発明の実施例について詳細に説明する。
図1は、本発明の建物について下部構造の一部を拡大して示す斜視図である。1は地盤の圧密沈下に追従して沈下する基礎スラブ等の基礎構造である。2は建物の柱脚であり、各柱脚2,・・・を梁部材3,・・・で連結している。この梁部材3は、断面H型の鋼材である。柱脚2を建て込む位置における基礎スラブ1には、柱脚2を基礎スラブ1に固定するためのアンカーボルト4,・・・が植設されており、柱脚2の下端に設けたベースプレート5に各アンカーボルト4を挿通し、アンカーボルト4に設けたねじ切りにナット10を締め付けることにより、基礎スラブ1と柱脚2とを固着している。
梁部材3は、基礎スラブ1から所定の高さ空間9を設けて設置されており、この梁部材3の上に建物の床面スラブ(図示略)を形成する。高さ空間9は、基礎スラブ1に油圧ジャッキ11(点線)を設置する際に、作業者が作業するためのものであって、約40〜60cmの高さを有する。
更に、柱脚2と梁部材3との隅角部には、脚部補剛部材6が設けられている。この脚部補剛部材6は、柱脚2と梁部材3との連結部分等に生じる応力を減少させるための方づえ部材である。この脚部補剛部材6によって、柱脚2、梁部材3、及び脚部補剛部材6が一体化し、且つ梁部材3の支点間距離が短くなるので建物全体の強度が増すことになる。そして、脚部補剛部材6を取り付けた梁部材3には、補強リブ7が設けられている。この補強リブ7は、油圧ジャッキ11が梁部材3を押し上げるジャッキアップの支持点、及びその附近に設けられており、ジャッキアップする際の梁部材3の破損や変形を防止するために、梁部材3を補強するものである。この脚部補剛部材6や補強リブ7は、ジャッキアップ時の補強だけではなく、常時の自重等によって生ずる応力に対する補強部材としても用いられる。
そして、二点鎖線で示す8は床面に設けた点検口であり、この点検口8は、油圧ジャッキ11を基礎スラブ1に設置する際に、作業者が空間9に出入するためのものであって、ジャッキアップの支持点の附近に設けられている。この点検口8は常時では閉じられており床面の一部を形成しているが、建物のレベルを調整する際に、作業者がこの点検口8を開けて空間9に入り油圧ジャッキ11の設置やジャッキアップ等の作業を行う。
図2は、本発明の建物において、不同沈下が生じた際のレベルを調整する方法についての説明図である。以下、図2に基づいて建物のレベルを調整する方法について説明する。不同沈下が生じた際、地盤の沈下に追従して基礎スラブ1が傾斜し、それに伴って柱脚2及び梁部材3が傾斜して建物全体が傾く。そして、この傾斜した建物を水平状態にするため、前記した点検口8を開けて作業者が空間9内に入り、基礎スラブ1に油圧ジャッキ11を設置する。
その際、油圧ジャッキ11のジャッキの支持点が、梁部材8の補強リブ7の下に位置するように設置する(図2のA参照)。そして、梁部材3が略水平状態になるまで油圧ジャッキ11で梁部材3を押し上げ、建物全体を水平状態にする(図2のB参照)。それによって、柱脚2のベースプレート5と基礎スラブ1との間に空間12が生じるので、この空間12にグラウトコンクリート13を充填する。そして、このグラウトコンクリート13が硬化したことを確認した後、油圧ジャッキ11を取り外すことにより、建物のジャッキアップが完了し、建物全体の初期の水平状態が保持される(図2のC参照)。
次に、図3に基づいて第2の実施例を説明する。この実施例は、軽量鉄骨製の柱部材を用いた本発明に係る建物を示す。1’は独立基礎であり、この独立基礎1’の下方は割栗石が敷設されていたり、表層地盤改良、柱状改良等がなされている。前記した実施例と同様に、柱脚2、梁部材3、脚部補剛部材6、及び補強リブ7等が基礎1’上に設けられているが、この実施例では、柱脚2が梁部材3の設置位置までの高さで、又運搬性を向上させるべく短尺の梁部材3を連結して構成されている。そして、柱脚2の上面に軽量鉄骨製の柱部材20を固定し、梁部材3の上面に所定間隔毎に軽量鉄骨製の間柱部材21を固定しており、柱部材20・間柱部材21間を鋼製ブレス22で補強している。その後、複数の木製の大引き23を各梁部材3間を架け渡すように平行に設置し、更にこの大引き23に直交する複数の木製の根太24を配置し、各根太24上に床面を形成するためのパネル(図示略)を敷設する。
更に、木製の柱部材を用いる第3の実施例について、図4に基づいて説明する。この実施例は、前記の第2実施例と略同様であるが、以下の点で相違する。先ず梁部材3の上に平行する木製土台25を設置し、更にこの土台25上に木製の柱部材20’及び間柱部材21’を起立させる。梁部材3に所定間隔毎にボルト26が植設され、更に土台25にこのボルト26に対応する固定孔25bが設けられており、この固定孔25bにボルト26を挿通させて土台25を梁部材3に固定する。又、柱部材20’及び間柱部材21’の下部にほぞ20a,21aを設け、更に土台25にこのほぞ20a,21aに対応するほぞ穴25aを設けて、このほぞ20a,21aとほぞ穴25aとを接合することにより土台25に柱部材20’・間柱部材21’を固定して起立するよう構成されている。そして、第2実施例と同様に、大引き23及び根太24を配置して床面を形成する。
1 基礎
2 柱脚
3 梁部材
4 アンカーボルト
5 ベースプレート
6 脚部補剛部材
7 補強リブ
8 点検口
2 柱脚
3 梁部材
4 アンカーボルト
5 ベースプレート
6 脚部補剛部材
7 補強リブ
8 点検口
Claims (4)
- 地盤の沈下に追従して沈下する基礎(1)上に柱脚(2)の下端が取り付けられた建物であって、前記基礎(1)に油圧ジャッキ(11)を設置するための高さ空間(9)を設けて前記柱脚を連結する梁部材(3)を備えており、この梁部材と柱脚との隅角部の下方側に脚部補剛部材(6)を設け、更に、前記梁部材に少なくとも1つの補強リブ(7)を設けており、この補強リブの下方を、前記梁部材をジャッキアップする際のジャッキの支持点とすることを特徴とするレベル調整用建物構造。
- 前記柱脚(2)の下端にベースプレート(5)を設け、前記柱脚をこのベースプレートを介して前記基礎(1)に植設したアンカーボルト(4)に連結していることを特徴とする請求項1に記載のレベル調整用建物構造。
- 前記梁部材上に床面スラブを設け、この床面スラブに作業者が前記高さ空間内を出入するための点検口(8)を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載のレベル調整用建物構造。
- 地盤の沈下に追従して沈下する基礎(1)上に柱脚(2)の下端が取り付けられた建物であって、前記基礎(1)から所定の高さ空間(9)を設けて前記柱脚を連結する梁部材(3)を備え、この梁部材と柱脚との隅角部の下方側に脚部補剛部材(6)を設け、更に、前記梁部材に少なくとも一つの補強リブ(7)を設けた建物の構造において、地盤沈下の際、前記高さ空間(9)に油圧ジャッキ(11)を設置し、この油圧ジャッキ(11)を前記補強リブ(7)の下方に配置し、この油圧ジャッキを用いて前記梁部材(3)をジャッキアップして、前記建物のレベルを水平状態に保持した後、前記基礎と柱脚との空間(12)をグラウトコンクリート(13)で充填することを特徴とする建物のレベル調整方法。
Priority Applications (1)
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JP2003358823A JP2005120771A (ja) | 2003-10-20 | 2003-10-20 | レベル調整用建物構造、及びこの建物のレベル調整方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2008303623A (ja) * | 2007-06-07 | 2008-12-18 | Sumitomo Forestry Co Ltd | 建物の沈下修正工法 |
JP2017115400A (ja) * | 2015-12-24 | 2017-06-29 | トヨタホーム株式会社 | べた基礎 |
CN114960787A (zh) * | 2022-05-31 | 2022-08-30 | 南京海骏绿建科技有限公司 | 一种厂房基础调平用施工装置及方法 |
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2003
- 2003-10-20 JP JP2003358823A patent/JP2005120771A/ja active Pending
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A80 | Written request to apply exceptions to lack of novelty of invention |
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