JP4883435B2 - バックトリム付自動車用シート - Google Patents
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Description
このようにトリムカバーによりシートバックの背部全面を覆うには、トリムカバーを位置合わせしつつ縫合する作業が必要であるため、トリムカバーの装着作業に手間を要していた。
そのため、予め樹脂等を用いて所定形状に成形された樹脂製のバックカバーによりシートバックの背面を覆うものが提案されている。
例えば、下記特許文献1では、ワイヤー部材をインサート成形したバックパッドをシートバックフレームの前部側に組付け、予め成形された樹脂製のバックカバーをバックパッドのワイヤー部材に係止することにより組み立てられている。
しかも、外部から各種の応力を受けた際、変形し難く、破断等を生じ易いため、バックカバーの全面において所定の肉厚に形成すると共に、多数のリブを配置するなどにより、強度を確保しなければならず、バックカバー自体の重量が重くなり易いという問題点も有していた。
バックトリムは、シートバックフレームの枠部に沿って環状に配置されて内側に開口を有するトリム枠背部と、トリム枠背部の両側部からシートバックの側部側に延びるトリム枠側部とが一体に成形された樹脂製のトリム枠本体を備えると共に、トリム枠背部の開口を覆うトリムシート材を備え、
トリム枠背部のシートバックフレーム側には、開口に沿って環状に配置されるトリム補強部材が固着されており、
トリム補強部材は、トリム枠背部のシートクッション側の下部横辺部と、車幅方向両側の側部縦辺部の少なくとも一部とに連続して固着される下部樹脂プレートと、下部樹脂プレートの両端間に連続して固着される上部樹脂プレートとからなることを特徴とする。
しかも、トリムシート材が軽量であり、変形容易でリブ等の補強も不要であるため、樹脂成形品により覆う場合に比べて、バックトリムの重量の増加を抑えることができる。同時に、トリム枠背部のシートバックフレーム側に、開口に沿って環状に配置されるトリム補強部材が固着されているので、樹脂製のトリム枠本体に大きな開口を設けていても、樹脂製のトリム枠本体の強度を確保できる。そのため、バックトリムの強度を確保しつつ重量の増加を抑えることが可能である。
シートバック13は、シートバックフレーム17にバックパッド19が組付けられ、このバックパッド19の車内に露出される外表面がトリムカバー21で覆われると共に、背部側の広い範囲がバックトリム23で覆われて構成されている。シートバックフレーム17の車幅方向外側となる側部側にはエアバッグ装置25が配置され、その少なくとも一部が外側からバックトリム23により覆われている。
枠部27は、シートクッション11のフレーム後部上に近接して車幅方向に配置されるアンダー部27aと、アンダー部27aの車幅方向両端部に接合されて互いに平行に伸びる一対のサイド部27bと、一対のサイド部27bの頂部間に接合され、ヘッドレスト29のホルダー部29aが設けられたアッパー部27cを有する。
横桟バー28は、両サイド部27b間に掛け渡されている。この横桟バー28には、支持プレート31が保持されて背部側に弾性変形可能となっている。そのため、横桟バー28及び支持プレート31は、両サイド部27bの背部側の縁部27eより前部側に配置されており、枠部27の内側には、中空部分49が形成されている。
これらの上下部横辺部33a、33c及び側部縦辺部33bの幅方向断面形状は、それぞれ前部側に湾曲した弧状を呈している。
固定状態では、図3に示すように、下部樹脂プレート51及び上部樹脂プレート53の内縁側51e、53eは、全周にわたり、トリム枠背部33の開口35の内縁33eより内側に配置されている。各内縁側51e、53eには、全周にわたり、背部側に突出した突出部51f、53fが形成されている。
そのため、下部樹脂プレート51及び上部樹脂プレート53を、トリムシート材41を挟持した状態でトリム枠背部33に固定すると、トリムシート材41が開口35の内縁33eに隙間なく密着するようになっている。
更に、シートバック13の背部側表面付近に配置されるシートバックフレーム17の枠部27を樹脂製トリム枠本体39で被覆しつつ、シートバックフレーム17の枠部27の内側の広い範囲の中空部分49を軟質のトリムシート材41で覆うことができ、トリムシート材41により外観品質や触感品質を確保し易い。
しかも、中空部分49を樹脂製トリム枠本体39で覆う場合に比べて、トリムシート材が軽量であり、変形容易で全面にわたる補強なども不要であるため、従来の樹脂により成形されたバックカバー等のように重くなることがなく、バックトリム23の重量の増加を抑え易い。同時に、樹脂製トリム枠本体39に大きな開口35を設けていても、トリム枠背部33のシートバックフレーム17側に、開口35に沿って環状に配置されるトリム補強部材43が固着されているので、樹脂製トリム枠本体39の強度を確保することが可能である。
ここでは、下部樹脂プレート51及び上部樹脂プレート53が樹脂製トリム枠本体39とは別体に樹脂により成形して固定されているため、下部樹脂プレート51や上部樹脂プレート53の成形時、更には、薄肉の樹脂製トリム枠本体39の成形時において、それぞれの成形不良を生じ難くすることができる。
特に、リクライニング機構15を有するため、トリム枠背部33の下部横辺部33aが細く、その軸線が直線的に形成されているが、下部樹脂プレート51により補強されているため、エアバッグ装置25の作動時であっても、破損を防止することができる。
また、トリム枠側部37の上部側の幅が下部側の幅より狭く形成されていると、乗員の足等が当接し易いトリム枠本体39の下部側の強度をトリム枠側部37の幅に応じて確保でき、同時に、トリム枠本体39の上部側の幅を狭くすることで外観品質や触感品質をも確保できる。
また、シートバックフレーム、バックパッド、トリムカバー、エアバッグ装置の形状等も、何ら上記のものに限定されるものではない。例えば、シートバックフレームは、シートバックの周縁に沿って配置される枠部を備えるものであれば、適宜変更可能であり、エアバッグ装置は、開閉部を不織布等の布により形成してもよい。
11 シートクッション
12 シートバック
15 リクライニング機構
17 シートバックフレーム
19 バックパッド
21 トリムカバー
23 バックトリム
25 エアバッグ装置
27 枠部
33 トリム枠背部
33a 下部横辺部
33b 側部縦辺部
33c 上部横辺部
35 開口
37 トリム枠側部
39 樹脂製トリム枠本体
41 トリムシート材
43 トリム補強部材
45 逃げ部
51 下部樹脂プレート
53 上部樹脂プレート
Claims (4)
- リクライニング機構を介してシートクッションに連結されたシートバックを有し、シートバックは、シートバックの周縁部に沿って配置される枠部を備えたシートバックフレームと、シートバックフレームに組付けられたバックパッドと、バックパッドの外表面を覆うトリムカバーと、バックパッドの背部側を覆うバックトリムとを有するところの自動車用シートであって、
バックトリムは、シートバックフレームの枠部に沿って環状に配置されて内側に開口を有するトリム枠背部と、トリム枠背部の両側部からシートバックの側部側に延びるトリム枠側部とが一体に成形された樹脂製のトリム枠本体を備えると共に、トリム枠背部の開口を覆うトリムシート材を備え、
トリム枠背部のシートバックフレーム側には、開口に沿って環状に配置されるトリム補強部材が固着されており、
トリム補強部材は、トリム枠背部のシートクッション側の下部横辺部と、車幅方向両側の側部縦辺部の少なくとも一部とに連続して固着される下部樹脂プレートと、下部樹脂プレートの両端間に連続して固着される上部樹脂プレートとからなることを特徴とするバックトリム付自動車用シート。 - シートバックフレームへの接合部が、トリム補強部材に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のバックトリム付自動車用シート。
- トリムシート材が、トリム枠背部とトリム補強部材との間に挟持されていることを特徴とする請求項1または2に記載のバックトリム付自動車用シート。
- トリム補強部材の内縁側全周が、背面カバー枠部の開口縁より内側に配置されると共に、背部側に突出していることを特徴とする請求項3に記載のバックトリム付自動車用シート。
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