JP4882447B2 - 溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 - Google Patents
溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4882447B2 JP4882447B2 JP2006087438A JP2006087438A JP4882447B2 JP 4882447 B2 JP4882447 B2 JP 4882447B2 JP 2006087438 A JP2006087438 A JP 2006087438A JP 2006087438 A JP2006087438 A JP 2006087438A JP 4882447 B2 JP4882447 B2 JP 4882447B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- steel sheet
- heating
- plating
- treatment
- steel
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Coating With Molten Metal (AREA)
- Heat Treatment Of Sheet Steel (AREA)
Description
また合金化溶融亜鉛めっき鋼板は、溶融亜鉛めっき後、引き続き、鋼板を合金化炉内で熱処理することで製造される。
鋼板の高強度化にはSi、Mn、P等の固溶強化元素の添加が行われる。中でもSiは鋼の延性を損なわずに高強度化できる利点があり、Si含有鋼板は高強度鋼板として有望である。しかし、Siを多量に含有する高強度鋼板を母材とし溶融亜鉛めっき鋼板および合金化溶融亜鉛めっき鋼板を製造しようとする場合、以下の問題がある。
前述のように溶融亜鉛めっき鋼板は還元雰囲気中で600〜900℃程度の温度で加熱焼鈍を行った後に、溶融亜鉛めっき処理を行う。しかし、鋼中のSiは易酸化性元素であり、一般的に用いられる還元雰囲気中でも選択表面酸化されて表面に濃化し、酸化物を形成する。このような酸化物はめっき処理時の溶融亜鉛との濡れ性を低下させて不めっきを生じさせるので、鋼中Si濃度の増加とともに濡れ性が急激に低下し不めっきが多発する。また、不めっきに至らなかった場合でも、めっき密着性に劣るという問題がある。
さらに鋼中のSiが選択表面酸化されて表面に濃化すると、溶融亜鉛めっき後の合金化過程において著しい合金化遅延が生じる。その結果、生産性を著しく阻害する。生産性を確保するために過剰に高温で合金化処理しようとすると、耐パウダリング性の劣化を招くという問題もあり、高い生産性と良好な耐パウダリング性を両立させることは困難である。
予め酸化性雰囲気中で鋼板を加熱して表面に酸化鉄を形成した後加熱し還元焼鈍を行うことで、溶融亜鉛との濡れ性を改善する技術が特許文献1に開示されている。
特許文献2は、鋼板表面に形成させた硫化物層により溶融亜鉛との濡れ性を改善する技術である。しかしながら、鋼中Si濃度の高い鋼板に適用した場合、硫化物層による効果のみではSi表面濃化を充分抑制できないため、溶融亜鉛との濡れ性を改善することはできず不めっきが発生したり、著しい合金化遅延が生じるという問題が依然としてある。また、予熱工程を弱酸化性雰囲気で行った場合についても、鋼中Si濃度の高い鋼板に適用した場合、溶融亜鉛との濡れ性を充分に改善することはできず、不めっき、合金化遅延を完全に解消するには至っていない。
さらに、硫黄または硫黄化合物を鋼板に付着させたのみでは、鋼板搬送中に付着させた硫黄または硫黄化合物が脱落し、過度に脱落した場合にはロールピックアップや炉内汚染等を引き起こす。そのため、ロール手入れや炉内清掃等を頻繁に行う必要がありメンテナンス費が増大するので実用化に至っていないのが現状である。
特許文献3は、鋼板表面にFe系めっきを施すので、前記した付着物の脱落による問題はない。しかしながら、Fe系めっきを行った後、酸化して鋼板表面に酸化鉄を形成すると、炉内搬送用ロールに酸化鉄が剥離・付着して堆積し、いわゆる酸化鉄のロールピックアップの問題がある。このような場合、頻繁なロールメンテナンスが必要となりメンテナンスコストが増大するだけでなく、鋼板に押し疵を発生させてめっき外観を損ない、実用上問題となっている。
[1]mass%で、C≦0.25%、Si:0.1〜3.0%、Mn:0.5〜5.0%、Al:0.005〜3.0%を含有する鋼板に溶融亜鉛めっき処理を施すに際し、まず、Fe,Ni,C,S、Cu、Coからなる群から選ばれた少なくとも1種の成分を含む前めっき処理を該鋼板表面に施し、次いで、前記前めっき処理後の鋼板をO2≧0.1%を含有する雰囲気中で、400〜800℃の温度で加熱(A帯加熱)し、次いで、O2<0.1%を含有する雰囲気中で、550〜900℃の温度で加熱(B帯加熱)し、次いで、水素を含む還元性雰囲気中で、700〜900℃の温度で加熱(C帯加熱)した後、
溶融亜鉛めっき処理を施すことを特徴とする溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
[2]前記[1]において、前記A帯加熱を直火加熱炉(DFF)もしくは無酸化炉(NOF)により、バーナーの燃焼空気比≧1の条件で行い、前記B帯加熱を直火加熱炉(DFF)もしくは無酸化炉(NOF)により、バーナーの燃焼空気比<1の条件で行うことを特徴とする溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
[3]前記[1]または[2]において、溶融亜鉛めっき処理後に合金化処理することを特徴とする溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
まず、本発明に使用される鋼板について説明する。本発明の鋼板の成分組成は以下の通りである。
C:0.25%以下
Cは鋼中に含有される元素であり、0.0001〜0.25%の範囲で一般的に含有される。本発明においても下地鋼鈑中にこの範囲でCを含有することができる。また、Cは、高強度化に対して有用なだけでなく、強度−延性バランスを向上させるために残留オーステナイトを生成させる等、組織制御を行う場合に有用な元素である。これらの作用を発現させるには、0.05%以上含有されていることが好ましい。しかしながら、含有量が0.25%を超えると、溶接性が劣化する。以上より、0.25%以下、好ましくは0.05%以上0.25%以下とする。
Mn:0.5〜5.0%
Mnは、鋼の高強度化に有用な元素であり、5.0%以下の範囲で通常鋼中に含有される。本発明においても下地鋼鈑中にこの範囲でMnを含有することができる。特に、0.5%以上含有させることによってその効果を発揮することができる。しかしながら、Mnも、Siと同様に、焼鈍時に酸化膜を形成する元素であり、その含有量が5.0%を超えて多量に含有されるとめっき密着性が劣化する傾向がある。また、溶接性や強度−延性バランスの確保にも悪影響を及ぼす。よって、Mnは0.5%以上5.0%以下とする。
Al:0.005〜3.0%
Alは、Siと補完的に添加される元素であり、0.005%以上含有させることが好ましい。しかしながら、3.0%を超えるとめっき密着性が劣化する傾向がある。また、溶接性や強度−延性バランスの確保にも悪影響を及ぼす。よって、Alは0.005%以上3.0%以下とする。
Ti(1%以下)、Nb(1%以下)、V(1%以下)、Cr(3%以下)、S(0.1%以下)、Mo(1%以下)、Cu(3%以下)、Ni(3%以下)、B(0.1%以下)、Ca(0.1%以下)、N(0.1%以下)、O(0.1%以下)、P(1%以下)、Sb(0.5%以下)を添加することができる。なお、上記以外の残部はFeおよび不可避的不純物である。
上記化学成分範囲に調整された鋼板に溶融亜鉛めっきを施す。なお、本発明においては、溶融亜鉛めっき処理を施す前に、Fe、Ni、C、S、Cu、Coからなる群から選ばれた少なくとも1種の成分を含む前めっき処理を鋼板表面に施し、次いで、鋼板に以下の3工程からなる加熱を行うものとする。この前めっき処理および加熱は本発明において重要な要件である。前めっき処理を行うことで鋼板の酸化を促進する。また、3工程の中でも特にB帯加熱を以下の条件にて、A帯加熱とC帯加熱の間に加えて行うことで、C帯加熱における表面酸化物量を、ピックアップの原因とならない量まで低減し、かつ、表面のSi系酸化物の生成を防止するのに十分な量に調整することが可能となり、結果として、良好なめっき外観を確保したまま、酸化強化が図れることになる。
A帯加熱:O2≧0.1%を含有する雰囲気中で、550〜750℃の温度で加熱
B帯加熱:O2<0.1%を含有する雰囲気中で、550〜900℃℃の温度で加熱
C帯加熱:水素を含む還元性雰囲気中で、700〜900℃の温度で加熱
まず、前めっき処理について説明する。
本発明では下地鋼板の表面に、Fe、Ni、C、S、Cu、Coからなる群から選ばれた少なくとも1種の成分を含む前めっき処理を施すことで、酸化処理時、良好かつ必要量の酸化鉄が鋼板表面に形成される。前述したように、高Si含有鋼板を母材とした場合に、鋼中のSi濃度の増加に伴い鋼板表面における酸化速度が大きく低下するため、従来技術による酸化手段のみでは酸化が進まず、Si表面濃化を抑制するために必要な量の酸化鉄を得ることが困難である。高Si含有鋼板の場合、酸化過程で酸化鉄/地鉄界面にSi酸化物が層状に形成し、これがバリヤー層となって地鉄からのFe外方拡散を抑制するため酸化が進まないものと考えられる。一方、前めっき処理を行い酸化処理した場合、前記酸化鉄/地鉄界面での層状のSi酸化物が抑制され、その結果、Fe外方拡散が促進されて酸化が促進するものと考えられる。
前めっき処理方法について説明する。特許文献2に記載のように、例えば化合物を水または有機溶剤に溶解して鋼板表面に物理的に付着させた場合、鋼板搬送中に付着物が脱落し、ロールピックアップや炉内汚染の原因となり問題となる場合がある。そこで、本発明では、このように鋼板搬送中に脱落しないような方法にて前めっき処理を行うことが重要である。具体的には、電気めっき法、置換めっき法、無電解めっき等の前めっき処理法が好適である。
また、前めっきの組成としては、Fe、Ni、C、S、Cu、Coからなる群から選ばれた少なくとも1種の成分を含むこととする。なお、成分が異なる複数のめっきを前めっき処理し、複数回の前めっき処理を施してもよい。また、複数成分を複合してなる溶液で前めっき処理を施してもよい。また、不可避的に含有される程度の量で、B、N、O、F、Na、Mg、Al、Si、P、Cl、K、Ca、Ti、V、Cr、Mn、Zn、Nb、Mo、Sn、Sb、Pb、Bi等の成分が前めっき処理によるめっき層中に含まれていても本発明の効果は変わらない。
また、前めっき処理を行う前に必要に応じて脱脂や酸洗等の従来から用いられている前処理を施してもよい。
前めっき処理によるめっき付着量は、0.01〜10g/m2が好ましい。0.01g/m2未満では酸化促進効果が不充分で、鋼中Si濃度の高い鋼板の場合にSi表面濃化を抑制することができない。一方、10g/m2超えでは、本発明の効果が飽和して経済的に不利になる場合がある。より好ましくは0.1〜5g/m2である。
A帯加熱
A帯での加熱は鋼板を積極的に酸化させ鋼板表面に酸化鉄を形成させる。よって、O2は酸化を行うのに十分な量が必要であり0.1%以上とする。0.1vol%未満では鋼板表面への酸素の供給が律速するので酸化鉄量がばらついたり、あるいは酸化鉄量が不充分で、鋼中Si濃度の高い鋼板の場合にSi表面濃化を抑制することができない。一方、上限は特に限定するものではないが、経済的な理由から大気レベルの21%が好ましい。その他、不可避的に含まれるH2O等の成分が含まれていても本発明の効果を得ることができるが、H2O≧1%であると酸化鉄量が安定するので好適である。酸化性雰囲気として酸素を使用するのは、経済的だからである。大気中には約21%の酸素が含まれており、大気を希釈して使用すれば大規模な設備を導入することもなく酸化性雰囲気を得ることができるからである。
加熱温度は400℃以上800℃以下とする。400℃未満では酸化鉄量が不充分で、鋼中Si濃度の高い鋼板の場合にSi表面濃化を抑制することができない。一方、800℃超えでは、酸化しずぎて押し疵が発生する場合がある。よって400℃以上800℃以下、好ましくは550℃以上750℃以下である。
鋼板を加熱する手段としては、バーナー加熱、誘導加熱、放射加熱、通電加熱等の従来から使用されている加熱方式でよく、特に限定するものではない。
但し、鋼板の加熱能力を考えると燃焼バーナーを使用した直火加熱炉、または無酸化炉が好適である。これはバーナー加熱の場合、他法に比べ昇温速度が速いので炉長を短くしたり、あるいは鋼板速度を速くすることが可能になるからである。
直火加熱炉または無酸化炉を使用する場合、バーナーの燃焼空気比≧1で加熱すると前記のO2≧0.1vol%の雰囲気を達成することができ、必要充分量の酸化鉄量を確保することができる。
前記により得られた酸化鉄は、酸素量として0.01〜5g/m2の酸化鉄であることが好適である。この酸素量が0.01g/m2未満の場合、酸化鉄量が不足してSiの表面濃化を抑制することが難しくなり、一方酸素量が5g/m2を超えると、Si表面濃化抑制効果が飽和する一方で、焼鈍時の還元を充分行うことができないために、未還元酸化皮膜として残存する結果、めっき後の合金化処理過程で著しい合金化遅延を引き起こすおそれがある。
B帯での加熱は、押し疵を抑制して美麗な外観を確保するために行う。そのため、B帯加熱では、一旦酸化された鋼板表面を還元処理することが可能で、かつ、ピックアップが起こらない条件、すなわち低O2濃度雰囲気で低温還元加熱の条件で加熱を行い、加熱帯前段〜中段で一旦酸化された鋼板表面を、次のC帯加熱内でロールと反応しピックアップが起こらない範囲まで還元処理する。O2<0.1vol%の酸素供給律速領域で加熱することで、酸化鉄の表層を改質し耐ロールピックアップ性が改善するものと考えている。O2≧0.1vol%では酸化鉄表層の改質が不充分で耐ロールピックアップ性に劣る。一方、下限は特に限定するものではない。その他、不可避的に含まれるH2O等の成分が含まれていても本発明の効果を得ることができる。
加熱温度は550℃以上900℃以下とする。550℃未満では前記酸化鉄表層の改質が不充分となり、耐ロールピックアップ性に劣る。一方、上限は特に限定するものではないが、続く還元処理で必要とされる鋼板温度である900℃以下であれば実用上経済的なので好ましい。
鋼板を加熱する手段としては、バーナー加熱、誘導加熱、放射加熱、通電加熱等の従来から使用されている加熱方式でよく、特に限定するものではない。
但し、鋼板の加熱能力を考えると燃焼バーナーを使用した直火加熱炉、または無酸化炉が好適である。これはバーナー加熱の場合、他法に比べ昇温速度が速いので炉長を短くしたり、あるいは鋼板速度を速くすることが可能になるからである。
直火加熱炉または無酸化炉を使用する場合、バーナーの燃焼空気比<1で加熱すると前記のO2<0.1vol%の雰囲気を達成することができ、酸化鉄表層を改質し耐ロールピックアップ性が改善する。
加熱帯の直後に設置され、還元処理を行う。そのため、還元帯における雰囲気は水素を含む還元性雰囲気とする。この条件をはずれると加熱帯で生成した酸化スケールが還元しにくいため、めっき密着性を確保するに十分な酸化スケールや、内部酸化、窒化物が生成しても、かえってめっき特性が劣化する傾向が見られる。還元方法は従来から使用されている方法に準じて行えばよく、特に限定するものではない。例えば放射加熱方式の焼鈍炉で水素:1〜50%を含む還元性雰囲気中で700〜900℃の温度で還元処理すると好適である。
加熱温度は、700℃以上900℃以下とする。700℃未満では酸化鉄の還元が不充分となる場合があり、未還元酸化皮膜として残存する結果、めっき後の合金化処理過程で著しい合金化遅延を引き起こすおそれがある。また、700℃未満では再結晶焼鈍が不充分なため、伸びやr値の低下を引き起こし所望の機械的特性が得られないという問題がある。
一方、上限は900℃とする。これ以上では本発明の効果が飽和するので経済的に不利である。
また、前記還元性雰囲気中の露点は0℃以下が好ましい。0℃超では酸化鉄の還元が不充分となるからである。一方、下限は特に限定しないが、実用上−50℃以上が好ましい。
前記還元処理後に非酸化性あるいは還元性雰囲気中でめっきに適した温度まで鋼板を冷却し、めっき浴中に浸漬してめっき処理する。溶融亜鉛めっき処理は従来から行われている方法に従えばよい。例えば、めっき浴温は440〜520℃程度、鋼板のめっき浴浸漬温度はほぼめっき浴温に等しくし、亜鉛めっき浴中のAl濃度は0.1〜0.2%とするのが一般的ではあるが、特に限定するものではない。
あるいは、製品の使用用途によってはめっき温度、めっき浴組成等の上記めっき条件を変更する場合があるが、めっき条件の違いは本発明の効果を害するものではなく、特に限定するものではない。例えば、めっき浴中にAl以外にPb、Sb、Fe、Mg、Mn、Ni、Ca、Ti、V、Cr、Co、Sn等の元素が混入していても本発明の効果は何ら変わらない。
さらに、めっき後のめっき層の厚さを調整する方法についても、特に限定するものではないが、一般的にはガスワイピングが使用され、ガスワイピングのガス圧、ワイピングノズル/鋼板間距離等を調節することによって、めっき層の厚さを調整する。このとき、めっき層の厚さは特に限定されるものではないが、3〜15μm程度とするのが好ましい。3μm未満では十分な防錆性が得られず、一方、15μm超えでは防錆性が飽和するだけでなく、加工性や経済性が損なわれるからである。但し、めっき層の厚さの違いは本発明の効果を妨げるものではなく、特に限定するものではない。
JIS 2241に記載の方法にて全伸び(El)を測定し、焼鈍時の鋼板温度:850℃での測定値に対する変化率(当該El/鋼板温度:850℃でのEl)を求めた。
×:変化率<0.9
<めっき外観>
目視および光学顕微鏡にて外観観察を行い、不めっきが全くなく、かつその他ロールピックアップ等による表面欠陥のない場合を良好とし、目視にて不めっきが観察できる場合、あるいはロールピックアップ等による表面欠陥のある場合を不合格とした。
×:不合格
<めっき密着性>
合金化溶融亜鉛めっき鋼板から幅:25mm、長さ:80mmの試験片を2枚切り出し供試材とした。供試材を接着剤を塗布した重なり部の長さが20mmになるように重ね合わせる。接着剤はE−56(サンライズ MSI製)を使用し、スペーサー(φ0.15mmのSUS304ワイヤー)を使用して接着剤厚さを試験片毎で一定に保つようにした。接着剤塗布後、乾燥炉で170℃の熱処理を20分実施した後、オートグラフで引張り試験を実施し、引張剪断強度および剥離形態を測定して、下記の基準に応じて評価した。なお、引張剪断強度は、同じ鋼成分、サイズを有する冷延鋼板を用いて上記引張り試験を実施した際の強度に対する比率で評価した。
・引張剪断強度
○:良好(強度:70%超え)
×:不良(強度:70%以下)
・剥離形態
○:良好(接着剤内凝集剥離)
×:不良(一部または全面めっき層/鋼板界面剥離)
なお、ここで言うめっき層/鋼板界面剥離とは、めっき層と鋼板の界面で剥離することであるが、剥離形態によっては均一にめっき層/鋼板界面で剥離しない場合もあるので、めっき層/鋼板界面からめっき層側に2μm以下、あるいはめっき層/鋼板界面から鋼板側に2μm以下の範囲内で剥離した場合もめっき層/鋼板界面剥離とする。
また、溶融亜鉛めっき鋼板を用い、デュポン衝撃試験(1/2インチ、1.8kgf錘、1m高さ)を行い、テープ剥離した際のめっき剥離状態を評価した。
○:めっき剥離・亀裂なし
×:めっき剥離あり、あるいは亀裂あり
<合金化速度>
合金化完了温度を測定し、下記の基準により評価した。
○:合金化温度:520℃以下で合金化完了
×:合金化温度:520℃超で合金化完了
<耐パウダリング性>
合金化溶融亜鉛めっき鋼板から幅:25mm、長さ:40mmの試験片を切出し、セロハンテープ(登録商標)(ニチバン製、幅:24mm)を長さ:20mmの位置に貼り、テープ面を90°内側に曲げた後、曲げ戻しを行ってセロハンテープ(登録商標)(ニチバン製、幅:24mm)を剥がした時に付着したZn量を蛍光X線によりカウント数として測定した。測定したZnカウント数を試験片幅:単位長さ(1m)当りのカウント数に補正して、下記の基準に応じて評価した。
○:良好(カウント数:0〜5000)
×:不良(カウント数:5000以上)
結果を表3に示す。
Claims (3)
- mass%で、C≦0.25%、Si:0.1〜3.0%、Mn:0.5〜5.0%、Al:0.005〜3.0%を含有する鋼板に溶融亜鉛めっき処理を施すに際し、
まず、Fe,Ni,C,S、Cu、Coからなる群から選ばれた少なくとも1種の成分を含む前めっき処理を該鋼板表面に施し、
次いで、前記前めっき処理後の鋼板を
O2≧0.1%を含有する雰囲気中で、400〜800℃の温度で加熱(A帯加熱)し、
次いで、O2<0.1%を含有する雰囲気中で、550〜900℃の温度で加熱(B帯加熱)し、
次いで、水素を含む還元性雰囲気中で、700〜900℃の温度で加熱(C帯加熱)した後、
溶融亜鉛めっき処理を施すことを特徴とする溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。 - 前記A帯加熱を直火加熱炉(DFF)もしくは無酸化炉(NOF)により、バーナーの燃焼空気比≧1の条件で行い、前記B帯加熱を直火加熱炉(DFF)もしくは無酸化炉(NOF)により、バーナーの燃焼空気比<1の条件で行うことを特徴とする請求項1に記載の溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
- 溶融亜鉛めっき処理後に合金化処理することを特徴とする請求項1または2に記載の溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006087438A JP4882447B2 (ja) | 2006-03-28 | 2006-03-28 | 溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006087438A JP4882447B2 (ja) | 2006-03-28 | 2006-03-28 | 溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007262464A JP2007262464A (ja) | 2007-10-11 |
JP4882447B2 true JP4882447B2 (ja) | 2012-02-22 |
Family
ID=38635727
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2006087438A Expired - Fee Related JP4882447B2 (ja) | 2006-03-28 | 2006-03-28 | 溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4882447B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102016453B (zh) * | 2008-04-30 | 2012-07-04 | 大金工业株式会社 | 热交换器及空调系统 |
Families Citing this family (12)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4972775B2 (ja) * | 2006-02-28 | 2012-07-11 | Jfeスチール株式会社 | 外観性とめっき密着性に優れる高強度溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 |
KR101027250B1 (ko) * | 2008-05-20 | 2011-04-06 | 주식회사 포스코 | 고연성 및 내지연파괴 특성이 우수한 고강도 냉연강판,용융아연 도금강판 및 그 제조방법 |
JP5444752B2 (ja) * | 2009-02-23 | 2014-03-19 | Jfeスチール株式会社 | 高強度溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法および高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 |
JP5667363B2 (ja) * | 2009-11-02 | 2015-02-12 | 株式会社神戸製鋼所 | 溶融亜鉛めっき鋼板および合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 |
KR101353701B1 (ko) * | 2011-12-23 | 2014-01-21 | 주식회사 포스코 | 극저온 접합성이 우수한 용융아연도금강판 및 그 제조방법 |
KR20130076589A (ko) * | 2011-12-28 | 2013-07-08 | 주식회사 포스코 | 도금표면 품질 및 도금밀착성이 우수한 고강도 용융아연도금강판 및 그 제조방법 |
JP5982905B2 (ja) | 2012-03-19 | 2016-08-31 | Jfeスチール株式会社 | 高強度溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 |
WO2014136412A1 (ja) | 2013-03-04 | 2014-09-12 | Jfeスチール株式会社 | 高強度鋼板及びその製造方法並びに高強度溶融亜鉛めっき鋼板及びその製造方法 |
JP5920249B2 (ja) * | 2013-03-05 | 2016-05-18 | Jfeスチール株式会社 | めっき密着性に優れた高強度溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法 |
JP5884196B2 (ja) | 2014-02-18 | 2016-03-15 | Jfeスチール株式会社 | 高強度溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 |
KR101500282B1 (ko) * | 2014-09-04 | 2015-03-09 | 주식회사 포스코 | 도금표면 품질 및 도금밀착성이 우수한 고강도 용융아연도금강판 제조방법 |
JP6740973B2 (ja) * | 2017-07-12 | 2020-08-19 | Jfeスチール株式会社 | 溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2705390B2 (ja) * | 1991-09-10 | 1998-01-28 | 住友金属工業株式会社 | Si含有鋼板の溶融亜鉛めっき方法 |
JPH05140712A (ja) * | 1991-11-18 | 1993-06-08 | Nippon Steel Corp | 溶融亜鉛系めつき鋼板の製造方法 |
JP2707928B2 (ja) * | 1992-10-20 | 1998-02-04 | 住友金属工業株式会社 | 珪素含有鋼板の溶融亜鉛めっき方法 |
JP2964911B2 (ja) * | 1995-04-21 | 1999-10-18 | 住友金属工業株式会社 | P添加高張力鋼材の合金化溶融亜鉛めっき方法 |
JP3598889B2 (ja) * | 1999-07-15 | 2004-12-08 | Jfeスチール株式会社 | 溶融亜鉛めっき鋼板および合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 |
-
2006
- 2006-03-28 JP JP2006087438A patent/JP4882447B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102016453B (zh) * | 2008-04-30 | 2012-07-04 | 大金工业株式会社 | 热交换器及空调系统 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2007262464A (ja) | 2007-10-11 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4882447B2 (ja) | 溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 | |
JP5206705B2 (ja) | 高強度溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法 | |
JP4972775B2 (ja) | 外観性とめっき密着性に優れる高強度溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 | |
JP5907221B2 (ja) | めっき濡れ性及びめっき密着性に優れた合金化溶融亜鉛めっき層を備えた鋼板とその製造方法 | |
JP5513216B2 (ja) | 合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 | |
JP5417797B2 (ja) | 高強度溶融亜鉛系めっき鋼板およびその製造方法 | |
JP5982905B2 (ja) | 高強度溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 | |
JP5799819B2 (ja) | めっき濡れ性及び耐ピックアップ性に優れる溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 | |
WO2015037242A1 (ja) | 外観性とめっき密着性に優れる溶融亜鉛めっき鋼板および合金化溶融亜鉛めっき鋼板ならびにそれらの製造方法 | |
JP4882446B2 (ja) | 溶融亜鉛めっき鋼板および合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 | |
JP5564784B2 (ja) | 高強度溶融亜鉛めっき鋼板及び高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 | |
JP5552859B2 (ja) | 高強度溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法 | |
JP5444752B2 (ja) | 高強度溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法および高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 | |
JP5552862B2 (ja) | 高強度溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法 | |
JP4264373B2 (ja) | めっき欠陥の少ない溶融Al系めっき鋼板の製造方法 | |
JP5555992B2 (ja) | 表面外観とめっき密着性に優れる高強度溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 | |
JP4816068B2 (ja) | めっき密着性に優れた溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 | |
JP5626324B2 (ja) | 溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 | |
KR101115741B1 (ko) | 도금성이 우수한 고망간강 용융아연도금강판의 제조방법 | |
WO2017110054A1 (ja) | Mn含有合金化溶融亜鉛めっき鋼板およびその製造方法 | |
JP4702974B2 (ja) | 加工性に優れた合金化溶融亜鉛めっき高張力鋼板及びその製造方法 | |
JP5556033B2 (ja) | 高強度溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 | |
JP5103759B2 (ja) | 溶融亜鉛めっき鋼板および合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 | |
JP5115154B2 (ja) | 高強度合金化溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 | |
JP6777045B2 (ja) | 高強度溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20090213 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20110815 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20110823 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20111014 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20111108 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20111121 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141216 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 4882447 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |