JP4881647B2 - 電動ステアリング装置 - Google Patents

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Description

本発明は、磁歪式トルクセンサを備えた電動ステアリング装置に関する。
電動ステアリング装置は、磁歪式トルクセンサで検出された操舵トルクに基づいて、電動モータが発生したトルクを転舵用車輪に伝達することで、車両の転舵を行うものである。電動ステアリング装置には、例えば、運転者がステアリングハンドルを操舵することで、その操舵トルクを回転軸からラックアンドピニオン機構を介してラック軸に伝えるとともに、磁歪式トルクセンサで検出した操舵トルクに応じて発生した補助トルクをも、ラック軸に伝えるようにしたものがある。このような電動ステアリング装置が各種知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2004−245636公報
図12は従来の電動ステアリング装置の概要図である。
図12に示すように、特許文献1による従来の電動ステアリング装置200は、図示せぬステアリングハンドルにステアリングシャフト及び自在軸継手201を介して回転軸202を連結し、この回転軸202の一端部202aにラックアンドピニオン機構203を介してラック軸204を連結し、このラック軸204に操舵用車輪(図示せず)を連結したというものである。
さらに電動ステアリング装置200は、磁歪式トルクセンサ210を備えている。磁歪式トルクセンサ210は、ステアリングハンドルに加えられた操舵トルクを検出するものであり、回転軸202の一部の表面に設けられた磁歪膜211,212と、この磁歪膜211,212の近傍に配置された検出コイル213,214と、磁歪膜211,212及び検出コイル213,214を収納するセンサハウジング215と、からなる。216,217はバックヨークである。
電動ステアリング装置200によれば、回転軸202に伝達された操舵トルクを磁歪式トルクセンサ210にて検出し、操舵トルクに応じた補助トルクを電動モータ(図示せず)にて発生し、補助トルクをウォームギヤ機構221を介して回転軸202に伝達することで、操舵トルク及び補助トルクの両トルクによって車両の転舵を行うことができる。
回転軸202のうち、ピニオン208の両端部分は、軸受222,223を介してギヤハウジング224にて回転可能に支持されている。このように、回転軸202には、一端部202a側から他端部202b側へ、第1軸受222、ラックアンドピニオン機構203のピニオン208、第2軸受223、ウォームギヤ機構221のウォームホイール225、及び磁歪膜212,211が、この順に設けられている。
回転軸202、ラックアンドピニオン機構203、軸受222,223、及びウォームホイール225は、ギヤハウジング224に収納されている。
ギヤハウジング224は、回転軸202を第2軸受223を介して軸方向への移動を規制して支承するとともに、センサハウジング215を取り付けるものである。
ところで、電動ステアリング装置200を構成する各部材には、当然のことながら加工精度を有する。このため、回転軸202の軸方向において、ギヤハウジング224の基準点P21に対する、各部材の高さにも組立精度を有する。
ここで、基準点P21は、ギヤハウジング224に対する回転軸202の軸方向における取付け基準位置である。
また、ギヤハウジング224にはラックアンドピニオン機構203が収納され、その上方には、場合により、ウォームとウォームホイール225とからなるウォームギヤ機構221が配置されることもある。これらのラックアンドピニオン機構203やウォームギヤ機構221における、各ギヤの噛み合いを保障するために、回転軸202の位置決めについては、ギヤハウジング224に対する精度が優先されていた。この結果、磁歪式トルクセンサ210の軸方向位置がずれる場合が生じていた。
例えば、基準点P21から磁歪膜212,211までの高さH21,H22は、基準点P21から検出コイル214,213までの高さと同一に設定される。しかしながら、精度の関係上、これらの高さは必ずしも互いに合致するとは限らない。特に、ギヤハウジング224は複雑な形状を呈しているので、他の部材に比べて加工が容易でない。このため、加工精度を高めることは容易でない。
基準点P21から磁歪膜212,211までの高さH21,H22に対して、検出コイル214,213の高さのバラツキが過大であると、磁歪式トルクセンサ210で検出される操舵トルクの値の誤差が大きくならざるを得ない。電動モータが発生するトルクを、より適切な値にするためには、磁歪式トルクセンサ210の検出精度を高めることが求められる。
本発明は、電動ステアリング装置における磁歪式トルクセンサのトルク検出精度を、より高めることができる技術を提供することを課題とする。
請求項に係る発明では、回転軸の一部の表面に設けられ操舵トルクに応じて磁歪特性が変化する第1磁歪部および第2磁歪部と、第1磁歪部に対し所定の距離を有して対向して配置され、第1磁歪部に生じた磁歪効果を検出する第1検出コイルおよび第2検出コイルと、第1検出コイルおよび第2検出コイルの周囲を囲う第1バックヨークと、第2磁歪部に対し所定の距離を有して対向して配置され、第2磁歪部に生じた磁歪効果を検出する第3検出コイルおよび第4検出コイルと、第3検出コイルおよび第4検出コイルの周囲を囲う第2バックヨークと、回転軸の第1磁歪部、第2磁歪部、第1検出コイル、第2検出コイル、第3検出コイル、第4検出コイル、およ第1バックヨークと、第2バックヨークとを収納するセンサハウジングと、からなる磁歪式トルクセンサを有し、この磁歪式トルクセンサの出力に応じて電動モータを駆動する電動ステアリング装置において、回転軸には、一端部側から他端部側へ、ラックアンドピニオン機構のピニオン、軸受、ウォームギヤ機構のウォームホイール、およ第2磁歪部、第1磁歪部が、この順に設けられており、センサハウジングには、第1検出コイル、第2検出コイル、第3検出コイル、第4検出コイルが軸方向に順に配置され、第1検出コイルと第3検出コイルの中間出力と、第2検出コイルと第4検出コイルの中間出力との加算値に基づいてセンサ異常を検出し、第1検出コイルの一端と第3検出コイルの一端が接続されることにより第1検出コイルと第3検出コイルとが直列に接続され、第2検出コイルの一端と第4検出コイルの一端が接続されることにより第2検出コイルと第4検出コイルとが直列に接続され、直列に接続された第1検出コイルおよび第3検出コイルは、直列に接続された第2検出コイルおよび第4検出コイルと並列に接続され、第1検出コイルの他端と第4検出コイルの他端が接続され、第2検出コイルの他端と第3検出コイルの他端が接続されており、ラックアンドピニオン機構、軸受及びウォームホイールは、ギヤハウジングに収納されたものであり、ギヤハウジングは、回転軸を軸受を介して回転可能に且つ軸方向への移動を規制して支承するとともに、センサハウジングを取り付けるものであり、第1磁歪部の幅寸法および第1バックヨークの幅寸法を、回転軸における軸方向の長さとしたときに、第1磁歪部の幅寸法は、第1バックヨークの幅寸法よりも大きく設定され、かつ、第2磁歪部の幅寸法および第2バックヨークの幅寸法を回転軸における軸方向の長さとしたときに、第2磁歪部の幅寸法は、第2バックヨークの幅寸法よりも大きく設定されていることを特徴とする。
請求項に係る発明では、回転軸の端部には、ラックと噛み合うピニオンが設けられ、これらのラックおよびピニオンは、ギヤハウジングに収納されたものであり、ギヤハウジングは、中間固定部材を介してセンサハウジングを取り付けるものであり、中間固定部材は、ギヤハウジングに対するセンタハウジングの位置決めをするとともに、回転軸を軸受を介して回転可能に、かつ軸方向への移動を規制して支承する部材であることを特徴とする。
請求項に係る発明では、回転軸に設けられた磁歪部及び検出コイルをセンサハウジングに収納したものにおいて、磁歪部の幅寸法を、バックヨークの幅寸法よりも大きく設定したものである。このため、加工精度や組立精度の関係で、磁歪部に対して、検出コイル及びバックヨークの中心が、ある程度ずれた場合であっても、磁歪部から検出コイル及びバックヨークが、はみ出ることはない。
このため、複雑な形状のギヤハウジングで、軸受を介して回転軸を回転可能に且つ軸方向への移動を規制して支承するとともに、ギヤハウジングにセンサハウジングを取付けた構成であるにもかかわらず、磁歪部の位置に対して、検出コイル及びバックヨークの位置を確実に合わせることができる。従って、磁歪式トルクセンサのトルク検出精度を、より高めることができる。しかも、簡単な構成によって達成することができる。
磁歪式トルクセンサのトルク検出精度が高まるので、磁歪式トルクセンサの出力に応じて電動モータが発生するトルクは、より適切な値になる。例えば、電動モータが発生するトルクが、操舵トルクを補助する補助トルクである場合には、操舵トルクに対して、より適切な補助トルクを付加することができる。この結果、より円滑で良好な操舵感(操舵フィーリング)を得ることができる。また、請求項1に係る発明では、磁歪部の1つ当たり検出コイルを複数設けるとともに、これら複数の検出コイルを回転軸の軸方向に配置したので、外部から磁歪式トルクセンサに与える磁気的な影響や温度変化の影響を極力抑制することができる。このため、磁歪式トルクセンサの検出精度を高め且つ安定させるとともに、磁歪式トルクセンサの故障検出の精度に与える磁気的な影響を排除して、安定した故障検出をすることができる。
請求項に係る発明では、回転軸に設けられた磁歪部及び検出コイルをセンサハウジングに収納したものにおいて、ギヤハウジングに中間固定部材を介してセンサハウジングを取り付け、ギヤハウジングに対して中間固定部材でセンサハウジングの位置決めをし、回転軸を軸受を介して中間固定部材で回転可能に且つ軸方向への移動を規制して支承したものである。このため、中間固定部材を基準として、磁歪部の位置と検出コイルの位置の両方を、精度良く設定することができる。磁歪部の位置に対して、検出コイルの位置を精度良く合わせることができる。従って、磁歪式トルクセンサのトルク検出精度を、より高めることができる。しかも、簡単な構成によって達成することができる。
また、磁歪式トルクセンサのトルク検出精度が高まるので、磁歪式トルクセンサの出力に応じて電動モータが発生するトルクは、より適切な値になる。例えば、電動モータが発生するトルクが、操舵トルクを補助する補助トルクである場合には、操舵トルクに対して、より適切な補助トルクを付加することができる。この結果、より円滑で良好な操舵感(操舵フィーリング)を得ることができる。
また、従来においては、車種が異なることによって回転軸の軸長が長くなるような場合に、ピニオン軸に対する磁歪式トルクセンサの軸方向位置を保障するために、電動ステアリング装置の機種に対応したギヤハウジングを製作しなければならなかった。これに対し、回転軸の軸長が異なる、つまり磁歪部の位置に対して、検出コイルの位置が大きくずれてしまうような場合であっても、寸法の異なる中間固定部材に交換するだけで、十分に対応することができる。このため、同一のギヤハウジングを多機種の電動ステアリング装置に用いることができるので、コストの低減に繋がる。
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。先ず、第1実施例について図1〜図7に基づいて説明する。
図1は本発明に係る第1実施例の電動ステアリング装置の模式図である。
電動ステアリング装置10は、車両のステアリングハンドル21から車両の転舵用車輪(例えば前輪)31,31に至るステアリング系20と、このステアリング系20に補助トルクを加える補助トルク機構40とからなる。
ステアリング系20は、ステアリングハンドル21にステアリングシャフト22及び自在軸継手23,23を介してピニオン軸24(つまり、回転軸24)を連結し、ピニオン軸24にラックアンドピニオン機構25を介してラック軸26を連結し、ラック軸26の両端にボールジョイント27,27、タイロッド28,28及びナックル29,29を介して左右の転舵用車輪31,31を連結したものである。
ラックアンドピニオン機構25は、ピニオン軸24に形成されたピニオン32と、ラック軸26に形成されたラック33とからなる。
ステアリング系20によれば、運転者がステアリングハンドル21を操舵することにより、その操舵トルクによりラックアンドピニオン機構25、ラック軸26及び左右のタイロッド28,28を介して、左右の転舵用車輪31,31を操舵することができる。
補助トルク機構40は、ステアリングハンドル21に加えたステアリング系20の操舵トルクを磁歪式トルクセンサ41で検出し、このトルク検出信号に基づき制御部42で制御信号を発生し、この制御信号に基づき操舵トルクに応じた補助トルク(つまり、モータトルク)を電動モータ43で発生し、補助トルクをボールねじ44を介してラック軸26に伝達するようにした機構である。
電動モータ43のモータ軸43aは、ラック軸26を囲う中空軸である。ボールねじ44は、ラック軸26のうちラック33を除く部分に形成したねじ部45と、ねじ部45に組付けたナット46と、多数のボールとからなる、トルク伝達機構である。ナット46は、モータ軸43aに連結したものである。
電動ステアリング装置10によれば、ピニオン軸24に伝わる操舵トルクを磁歪式トルクセンサ41にて検出するとともに、ステアリングハンドル21を操舵する操舵トルクをピニオン軸24並びにラックアンドピニオン機構25を介して、ラック軸26に伝達することができる。そして、運転者の操舵トルクに電動モータ43の補助トルクを加えた複合トルクにより、ラック軸26で転舵用車輪31,31を操舵することができる。
図2は本発明に係る第1実施例の電動ステアリング装置の全体構成図であり、左端部及び右端部を断面して表した。図3は図2の3−3線断面図である。
図2及び図3に示すように、電動ステアリング装置10は、ピニオン軸24、ラックアンドピニオン機構25、電動モータ43及びボールねじ44を、車幅方向(図2の左右方向)へ延びるギヤハウジング51に収納したものである。
ギヤハウジング51は、概ね管状の第1ハウジング52並びに第2ハウジング53の一端面同士をボルト結合することで、1つの細長いボックスに組立てたものである。第2ハウジング53は、電動モータ43におけるモータケースの役割を兼ねる。
図3に示すように、第1ハウジング52は、上部開口に中間固定部材61を介してセンサハウジング86を取付けたものである。
さらに詳しく述べると、図3に示すように、ピニオン軸24は、一端部24a(下端部)側から他端部24b側へ、第1軸受62、ピニオン32、第2軸受63及び磁歪式トルクセンサ41の磁歪部82,81が、この順に設けられている。
ギヤハウジング51は、ピニオン軸24を第1軸受62を介して回転可能に支承することになる。なお、ピニオン軸24は、ギヤハウジング51に収納された第1軸受62に対して、軸方向への移動が可能である。CLはピニオン軸24の中心線である。
中間固定部材61は、ギヤハウジング51に対するセンサハウジング86の位置決めをするとともに、ピニオン軸24を第2軸受63を介して回転可能に且つ軸方向への移動を規制して支承する、中空平板状の部材である
詳しくは、図3に示すように、ギヤハウジング51の上部開口におけるフランジ54に平板状の中間固定部材61を重ね合わせてボルト止めし、中間固定部材61の上端のフランジ面61aにセンサハウジング86の下端のフランジ面86aを重ね合わせてボルト止めした構成である。
なお、ギヤハウジング51に対して、中間固定部材61は径方向への移動が規制されている。また、中間固定部材61に対して、センサハウジング86は径方向への移動が規制されている。
図4は図3に示される磁歪式トルクセンサ周りの拡大図である。
図3及び図4に示すように、磁歪式トルクセンサ41は、ピニオン軸24の一部の表面に設けられトルクに応じて磁歪特性が変化する上下一対の磁歪部81,82と、この磁歪部81,82に対し所定の距離を有して対向して配置され磁歪部81,82に生じた磁歪効果を検出する検出コイル85A〜85Dと、一対の検出コイル85A,85B又は検出コイル85C,85Dの周囲を囲う磁気シールド用のバックヨーク87、87と、ピニオン軸24の磁歪部81,82、検出コイル85A〜85D及びバックヨーク87、87を収納するセンサハウジング86とからなる。
言い換えると、トルクセンサ41は、ピニオン軸24に設けられた一対の磁歪部81,82と、磁歪部81,82の周囲に設けられた一対の検出部83,83と、磁歪部81,82及び検出部83,83を収納するセンサハウジング86とからなる。
さらにセンサハウジング86は、図3に示すように、検出部83,83にて検出された検出信号を処理するセンサ回路部90を収納している。
図4に示すように、磁歪部81,82は、ピニオン軸24の軸長手方向に互いに逆方向の残留歪みが付与された磁歪膜からなる。以下、磁歪部81,82のことを、適宜、磁歪膜81,82と言い換えて説明する。
磁歪膜81,82は、歪みの変化に対して磁束密度の変化の大きい材料からなる膜であり、例えば、ピニオン軸24の外周面に気相メッキ法で形成したNi−Fe系の合金膜である。この合金膜の厚みは望ましくは20〜50μm程度である。なお、合金膜の厚みは、これ以下又はこれ以上であってもよい。第1磁歪膜81の磁歪方向に対して、第2磁歪膜82の磁歪方向は異なっている(磁歪異方性を有する)。なお、2つの磁歪膜81,82は、軸長手方向に所定の間隔を有して配列したものである。
Ni−Fe系の合金膜は、Niを概ね20重量%含んだ場合と概ね50重量%含んだ場合に、磁歪定数が大きくなるので磁歪効果が高まる傾向にあり、このようなNi含有率の材料を使用することが好ましい。例えば、Ni−Fe系の合金膜として、Niを50〜60重量%含み、残りがFeである材料を使用する。なお、磁歪膜81,82は強磁性体の膜であればよく、パーマロイ(Ni;約78重量%、Fe;残り)やスーパーマロイ(Ni;78重量%、Mo;5重量%、Fe;残り)の膜であってもよい。ここで、Niはニッケル、Feは鉄、Moはモリブデンである。
図4に示すように、一対の検出部83,83は、磁歪部81,82に生じた磁歪効果を電気的に検出し、その検出信号をトルク検出信号として出力するものである。
検出部83は、ピニオン軸24が通された上下一対の筒状のコイルボビン84,84と、コイルボビン84,84にそれぞれ巻かれた検出コイル85A,85B(又は、検出コイル85C,85D)と、コイルボビン84,84及び検出コイル85A,85B(又は、検出コイル85C,85D)を収納する磁性を有したヨーク87とからなる。コイルボビン84,84及び検出コイル85A,85B(又は、検出コイル85C,85D)をヨーク87で囲うことができる。
検出コイル85A〜85Dは、ピニオン軸24を包囲するように配置されることになる。磁歪部81,82の1つ当たりに、検出コイル85A〜85Dが複数設けられている。これら複数の検出コイル85A〜85Dは、ピニオン軸24の軸方向に並べて配置されている。
具体的には、上部の第1磁歪部81に対して、第1検出コイル85A及び第2検出コイル85Bが配置される。下部の第2磁歪部82に対して、第3検出コイル85C及び第4検出コイル85Dが配置される。
ヨーク87は、一対の検出コイル85A,85B(又は、一対の検出コイル85C,85D)の周囲を囲う磁気シールド用バックヨーク、つまり、磁路を形成するコイルヨークであり、磁性材料からなる。このヨーク87は、上下一対のヨーク本体88,88と、これらのヨーク本体88,88の開口を塞ぐ1つのヨーク底板89とからなる。なお、ヨーク87は、センサハウジング86内に径方向移動及び軸方向移動が規制されて、収納されることになる。
図3及び図4に示すように、磁歪部81,82の幅寸法W1及びヨーク87,87の幅寸法W2を、ピニオン軸24における軸方向の長さとしたときに、磁歪部81,82の幅寸法W1は、ヨーク87,87の幅寸法W2よりも大きく設定されている。
ここで、中間固定部材61に対する、ピニオン軸24の軸方向における取付け基準位置P1のことを、「基準点P1」と言うことにする。基準点P1から下の磁歪部82における幅中央の位置P2までの高さはH1である。下の磁歪部82における幅中央の位置P2から上の磁歪部81における幅中央の位置P3までの高さはH2である。基準点P1から磁歪部82,81までの高さH1,H2は、基準点P1からヨーク87,87までの高さと同一に設定されている。すなわち、基準点P1から下のヨーク87における幅中央の位置P2までの高さはH1である。下のヨーク87における幅中央の位置P2から上のヨーク87における幅中央の位置P3までの高さはH2である。
ところで、図3に示すように、中間固定部材61は上記各高さH1,H2を正確に設定するための、基準となる部材である。このため、中間固定部材61において、上側のフランジ面61aから基準点P1までの奥行き寸法H3(ピニオン軸24における軸方向の寸法。高さH3とも言う。)は、高精度に設定される。しかも、奥行き寸法H3の精度を高めるために、中間固定部材61の形状は、比較的簡素に設定されている。例えば、中間固定部材61は、上下面が互いに平行な平坦面である、概ね円盤状の形状に形成されている。
一方、中間固定部材61に重ねられるセンサハウジング86の形状も、比較的簡素に設定されている。このため、センサハウジング86の下端のフランジ面86aからヨーク87,87における幅中央の位置P2,P3までの高さも、高精度に設定することができる。
従って、基準点P1から磁歪部82,81までの高さH1,H2と、基準点P1からヨーク87,87の位置P2,P3までの高さH1,H2との、両方を極めて精度良く設定することができる。しかも、簡単な構成によって達成することができる。
次に、上記構成の電動ステアリング装置10の、組立手順について説明する。
図3に示すように、(1)先ず、ピニオン軸24を第2軸受63を介して中間固定部材61に組付け、(2)次に、検出部83,83をセンサハウジング86に組付け、(3)次に、センサハウジング86をピニオン軸24に通しつつ中間固定部材61の上に重ねてボルト止めすることにより、磁歪式トルクセンサ41を組み立てる。
これで、基準点P1から磁歪部82,81までの高さH1,H2、及び、基準点P1から検出コイル85A〜85Dやヨーク87,87までの高さH1,H2は、自動的に且つ容易に決まる。しかも、磁歪部81,82の位置に対して、検出コイル85A〜85Dやヨーク87,87の位置を精度良く合わせることができる。
次に、ピニオン軸24をギヤハウジング51内に位置合わせしつつ、中間固定部材61をギヤハウジング51の上に重ねてボルト止めすることにより、電動ステアリング装置10の組立作業を完了する。
以上の説明をまとめると、次の通りである。
すなわち、図3及び図4に示すように第1実施例では、ピニオン軸24に設けられた磁歪部81,82及び検出コイル85A〜85Dをセンサハウジング86に収納したものにおいて、ギヤハウジング51に中間固定部材61を介してセンサハウジング86を取り付け、ギヤハウジング51に対して中間固定部材61でセンサハウジング86の位置決めをし、ピニオン軸24を第2軸受63を介して中間固定部材61で回転可能に且つ軸方向への移動を規制して支承したものである。
このため、中間固定部材61を基準として、磁歪部81,82の位置と、検出コイル85A〜85D及びヨーク87,87の位置との、両方を精度良く設定することができる。磁歪部81,82の位置に対して、検出コイル85A〜85D及びヨーク87,87の位置を精度良く合わせることができる。従って、磁歪式トルクセンサ10のトルク検出精度を、より高めることができる。しかも、簡単な構成によって達成することができる。
磁歪式トルクセンサ41のトルク検出精度が高まるので、磁歪式トルクセンサ41の出力に応じて電動モータ43(図1参照)が発生するトルクは、より適切な値になる。第1実施例のように、電動モータ43が発生するトルクが、操舵トルクを補助する補助トルクである場合には、操舵トルクに対して、より適切な補助トルクを付加することができる。この結果、より円滑で良好な操舵感(操舵フィーリング)を得ることができる。
また、従来においては、車種が異なることによってピニオン軸24の軸長が長くなるような場合に、ピニオン軸24に対する磁歪式トルクセンサ41の軸方向位置を保障するために、電動ステアリング装置10の機種に対応したギヤハウジング51を製作しなければならなかった。
これに対して第1実施例では、ピニオン軸24の軸長が異なる、つまり磁歪部81,82の位置に対して、検出コイル85A〜85Dの位置が大きくずれてしまうような場合であっても、寸法(特に奥行き寸法H3)の異なる中間固定部材61に交換するだけで、十分に対応することができる。このため、同一のギヤハウジング51を多機種の電動ステアリング装置10に用いることができるので、コストの低減に繋がる。
さらには、磁歪部81,82の幅寸法W1が、ヨーク87,87の幅寸法W2よりも大きく設定されているので、磁歪部81,82の位置に対してヨーク87,87の位置が若干ずれていても、寸法誤差を容易に吸収することができる。
すなわち、加工精度や組立精度の関係で、磁歪部81,82に対して、検出コイル85A〜85D及び磁気シールド用のバックヨーク87,87の中心が、ある程度ずれた場合であっても、磁歪部81,82から検出コイル85A〜85D及びバックヨーク87,87が、はみ出ることはない。
図5は本発明に係る第1実施例の磁歪式トルクセンサのセンサ回路部の模式的回路図である。
図5に示すように、磁歪式トルクセンサ41のセンサ回路部90は、励磁回路91、第1変換回路92、第2変換回路93及びトルク信号出力回路94からなる。
励磁回路91は、Hブリッジに結線された4つの検出コイル85A〜85Dに励磁電圧を印加するものである。第1変換回路92は、第1検出コイル85Aと第3検出コイル85Cとの接続点に接続され、検出信号を整流・増幅・変換して第1検出電圧VT1として出力するものである。第2変換回路93は、第2検出コイル85Bと第4検出コイル85Dとの接続点に接続され、検出信号を整流・増幅・変換して第2検出電圧VT2として出力するものである。トルク信号出力回路94は、第1変換回路92及び第2変換回路93の第1・第2検出電圧VT1,VT2を演算してトルク検出電圧VT3として出力するものである。トルク検出電圧VT3は、操舵トルク信号のことである。
トルク検出電圧VT3は、次の(1)式によって求めることができる。但し、kは係数、Voは基準電圧である。
VT3=k×(VT1−VT2)+Vo ・・・・・・(1)
また、磁歪式トルクセンサの故障の有無については、次の(2)式で求められた故障検出電圧VTFによって判断することになる。
VTF=(VT1+VT2)/2 ・・・・・・(2)
このように、磁歪式トルクセンサ41は、上部の第1磁歪部81に対して一対の検出コイル85A,85Bを設け、下部の第2磁歪部82に対して一対の検出コイル85C,85Dを設け、これら4つの検出コイル85A〜85Dを、ピニオン軸24の軸方向に並べて配置するとともにHブリッジに結線したものである。
すなわち、磁歪部81,82の1つ当たりに検出コイル85A〜85Dを複数設けるとともに、これら複数の検出コイル85A〜85Dをピニオン軸24の軸方向に配置したものである。
第1・第3検出コイル85A,85C間の第1検出電圧VT1と、第2・第4検出コイル85B,85D間の第2検出電圧VT2とに基づいて、トルク検出電圧VT3及び故障検出電圧VTFを求めることができる。
従って、外部から磁歪式トルクセンサ41に与える磁気的な影響や温度変化の影響を極力抑制することができる。このため、磁歪式トルクセンサ41の検出精度を高め且つ安定させるとともに、磁歪式トルクセンサ41の故障検出の精度に与える磁気的な影響を排除して、安定した故障検出をすることができる。
図5を参照しつつ、磁歪式トルクセンサ41の特性を説明する。
図6は本発明に係る第1実施例の磁歪式トルクセンサのトルク検出電圧特性図であり、横軸を操舵トルクとし縦軸を検出電圧として、第1・第2検出電圧VT1,VT2及びトルク検出電圧VT3の特性を表したものである。
図6において、実線にて示す第1検出電圧VT1の特性直線は図右上がりの特性を有し、実線にて示す第2検出電圧VT2の特性直線は図左上がりの特性を有する。トルク原点0を通る垂直な基準線に対して、第1検出電圧VT1の特性直線と第2検出電圧VT2の特性直線とは線対称である。トルク検出電圧VT3は、第1・第2検出電圧VT1,VT2の各値に応じて、実線にて示す直線の特性となる。
ところで、例えば、磁歪部81に対して第1検出コイル85Aがピニオン軸24の軸方向にずれていた場合には、実線にて示す第1検出電圧VT1は、想像線にて示す第1検出電圧VT1aのように緩やかな勾配の特性に変化する。この結果、実線にて示すトルク検出電圧VT3は、想像線にて示すトルク検出電圧VT3aのように緩やかな勾配の特性に変化する。従って、トルク検出電圧VT3の値が低下する。これでは、実際の操舵トルクに対して、検出される操舵トルクが小さいので、適切な補助トルクを発生させることができない。
これに対して、第1実施例においては、磁歪部81,82に対して検出コイル85A〜85Dがピニオン軸24の軸方向にずれないように設定されている。このため、実線にて示す第1・第2検出電圧VT1,VT2の特性を確保できるので、トルク検出電圧VT3を実線にて示す適切な特性に維持することができる。
図7は本発明に係る第1実施例の磁歪式トルクセンサの故障検出電圧特性図であり、横軸を操舵トルクとし縦軸を検出電圧として、第1・第2検出電圧VT1,VT2及び故障検出電圧VTFの特性を表したものである。
図7において、実線にて示す第1検出電圧VT1の特性直線は図右上がりの特性を有し、実線にて示す第2検出電圧VT2の特性直線は図左上がりの特性を有する。トルク原点0を通る垂直な基準線に対して、第1検出電圧VT1の特性直線と第2検出電圧VT2の特性直線とは線対称である。実線にて示す故障検出電圧VTFの特性直線は、上記(2)式から明らかなように水平又はほぼ水平な特性である。
磁歪式トルクセンサ41の故障検出しきい値は、水平な2本の破線にて示す範囲である。故障検出しきい値の範囲内に故障検出電圧VTFが入っている場合には、磁歪式トルクセンサ41が正常であると判定する。一方、故障検出しきい値の範囲から外れている場合には、磁歪式トルクセンサ41が故障しているとの判定になる。
上述のように、例えば、磁歪部81に対して第1検出コイル85Aがピニオン軸24の軸方向にずれていた場合には、実線にて示す第1検出電圧VT1は、想像線にて示す第1検出電圧VT1aのように緩やかな勾配の特性に変化する。この結果、実線にて示す故障検出電圧VTFは水平ではなく、想像線にて示す故障検出電圧VTFaのように緩やかな勾配の特性に変化する。想像線にて示す故障検出電圧VTFaでは、正常であるにもかかわらず、故障検出しきい値の範囲から外れて故障の判定となる場合があり得る。
これに対して、第1実施例においては、磁歪部81,82に対して検出コイル85A〜85Dがピニオン軸24の軸方向にずれないように設定されている。このため、実線にて示す第1・第2検出電圧VT1,VT2の特性を確保できるので、故障検出電圧VTFを実線にて示す適切な特性に維持することができる。
次に、第2実施例について図8〜図11に基づいて説明する。なお、上記図1〜図7に示す第1実施例と同様の構成については同一符号を付し、その説明を省略する。
図8は本発明に係る第2実施例の電動ステアリング装置の模式図である。図9は本発明に係る第2実施例の電動ステアリング装置の全体構成図であり、左端部及び右端部を断面して表した。図10は図9の10−10線断面図である。
図8〜図9に示すように、第2実施例の電動ステアリング装置100は、基本的な構成が上記図1に示す第1実施例と同じであり、補助トルク機構40Aの構成を変更したものである。
すなわち、第2実施例の補助トルク機構40Aは、ステアリングハンドル21に加えたステアリング系20の操舵トルクを磁歪式トルクセンサ41で検出し、この検出信号に基づき制御部42で制御信号を発生し、この制御信号に基づき操舵トルクに応じた補助トルクを電動モータ111で発生し、補助トルクをウォームギヤ機構112を介してピニオン軸24に伝達するものである。
図9及び図10に示すように、電動ステアリング装置100は、ピニオン軸24、ラックアンドピニオン機構25及びウォームギヤ機構112を、車幅方向(図9の左右方向)へ延びるギヤハウジング51に収納したものである。
図10に示すように、ピニオン軸24は、一端部24a(下端部)側から他端部24b側へ、第1軸受121、ピニオン32、第2軸受122、ウォームギヤ機構112のトルク伝達用ウォームホイール115、第3軸受123及び磁歪式トルクセンサ41の磁歪部82,81が、この順に設けられている。
ギヤハウジング51は、ピニオン軸24を第1軸受121を介して回転可能に支承するとともに、ピニオン軸24を第2軸受122を介して回転可能に且つ軸方向への移動を規制して支承することになる。なお、ピニオン軸24は、ギヤハウジング51に収納された第1軸受121に対して、軸方向への移動が可能である。
ギヤハウジング51は、上部開口におけるフランジ54に、センサハウジング86の下端のフランジ面86aを重ね合わせてボルト止めした構成である。なお、ギヤハウジング51に対して、センサハウジング86は径方向への移動が規制されている。
電動モータ111(図8参照)のモータ軸111aは、図10における紙面の向こう側から手前のギヤハウジング51内に水平に延びたものである。モータ軸111aは、ウォームギヤ機構112のウォーム軸113を連結した出力軸である。ウォーム軸113は、一体に形成したウォーム114を備える。ギヤハウジング51は、水平に延びるウォーム軸113の両端部を、軸受を介して回転可能に支承することになる。
ウォームギヤ機構112は、駆動側のウォーム114にトルク伝達用ウォームホイール115を噛合わせることで、ウォーム114からトルク伝達用ウォームホイール115を介して負荷側にトルクを伝達するようにした構成である。さらにウォームギヤ機構112は、トルク伝達用ウォームホイール115の他に補助ウォームホイール116を備える。補助ウォームホイール116は、ウォーム114とトルク伝達用ウォームホイール115との間の、バックラッシを除去するために設けた補助的な歯車である。なお、補助ウォームホイール116の有無は任意である。
センサハウジング86は、ピニオン軸24を第3軸受123を介して回転可能に支承することになる。なお、ピニオン軸24は、センサハウジング86に収納された第3軸受123に対して、軸方向への移動が可能である。
図11は図10に示される磁歪式トルクセンサ周りの拡大図である。
図10及び図11に示すように、ピニオン軸24のうち上下の磁歪部81,82間は、第4軸受124と、第4軸受124を保持する軸受保持部材125と、軸受保持部材125の外周面に取り付けられた弾性体126とを介してセンサハウジング86で支持されている。
このため、ピニオン軸24は、センサハウジング86と軸受保持部材125との隙間の分だけ径方向へ変位することができる。つまり、ピニオン軸24に撓みが発生したときには、径方向に作用する力に応じて、弾性体126は弾性変形し得る。
ここで、ギヤハウジング51に対する、ピニオン軸24の軸方向における取付け基準位置P11のことを、「基準点P11」と言うことにする。基準点P11から下の磁歪部82における幅中央の位置P12までの高さはH11である。下の磁歪部82における幅中央の位置P12から上の磁歪部81における幅中央の位置P13までの高さはH12である。基準点P11から磁歪部82,81までの高さH11,H12は、基準点P11からヨーク87,87までの高さと同一に設定されている。すなわち、基準点P11から下のヨーク87における幅中央の位置P12までの高さはH11である。下のヨーク87における幅中央の位置P12から上のヨーク87における幅中央の位置P13までの高さはH12である。
第2実施例の説明をまとめると、次の通りである。
すなわち、図10及び図11に示すように第2実施例では、ピニオン軸24に設けられた磁歪部81,82及び検出コイル85A〜85Dをセンサハウジング86に収納したものにおいて、上記第1実施例と同様に、磁歪部81,82の幅寸法W1を、ヨーク87,87の幅寸法W2よりも大きく設定したものである。
従って、磁歪部81,82の位置に対してヨーク87,87の位置が若干ずれていても、寸法誤差を容易に吸収することができる。
すなわち、加工精度や組立精度の関係で、磁歪部81,82に対して、検出コイル85A〜85D及び磁気シールド用のバックヨーク87,87の中心が、ある程度ずれた場合であっても、磁歪部81,82から検出コイル85A〜85D及びバックヨーク87,87が、はみ出ることはない。
このため、複雑な形状のギヤハウジング51で、第2軸受122を介してピニオン軸24を回転可能に且つ軸方向への移動を規制して支承するとともに、ギヤハウジング51にセンサハウジング86を取付けた構成であるにもかかわらず、磁歪部81,82の位置に対して、検出コイル85A〜85D及び磁気シールド用のバックヨーク87,87の位置を確実に合わせることができる。従って、磁歪式トルクセンサ41のトルク検出精度を、より高めることができる。しかも、簡単な構成によって達成することができる。
磁歪式トルクセンサ41のトルク検出精度が高まるので、磁歪式トルクセンサ41の出力に応じて電動モータ111(図8参照)が発生するトルクは、より適切な値になる。第2実施例のように、電動モータ111が発生するトルクが、操舵トルクを補助する補助トルクである場合には、操舵トルクに対して、より適切な補助トルクを付加することができる。この結果、より円滑で良好な操舵感(操舵フィーリング)を得ることができる。
このように、路面反力や電動モータ111等の影響による振動の発生を防止し、耐久性の向上を図りつつ、滑らかな操舵感を有する、電動ステアリング装置100を得ることができる。
なお、本発明の実施の形態において、電動ステアリング装置10,100は、「ステアリングハンドルから転舵機構を機械的に分離し、操舵量に応じて電動モータが転舵用動力を発生し、この転舵用動力を転舵機構へ伝えることで操舵車輪を転舵させる」方式の、いわゆる、ステア・バイ・ワイヤ式(steer-by-wire、略称「SBW」)の構成にも適用できる。
本発明の電動ステアリング装置10,100は、ステアリングハンドル21で発生した操舵トルクを磁歪式トルクセンサ41にて検出し、この磁歪式トルクセンサ41の検出信号に応じて電動モータ43,111が補助トルクを発生するようにしたものに好適である。
本発明に係る第1実施例の電動ステアリング装置の模式図である。 本発明に係る第1実施例の電動ステアリング装置の全体構成図である。 図2の3−3線断面図である。 図3に示される磁歪式トルクセンサ周りの拡大図である。 本発明に係る第1実施例の磁歪式トルクセンサのセンサ回路部の模式的回路図である。 本発明に係る第1実施例の磁歪式トルクセンサのトルク検出電圧特性図である。 本発明に係る第1実施例の磁歪式トルクセンサの故障検出電圧特性図である。 本発明に係る第2実施例の電動ステアリング装置の模式図である。 本発明に係る第2実施例の電動ステアリング装置の全体構成図である。 図9の10−10線断面図である。 図10に示される磁歪式トルクセンサ周りの拡大図である。 従来の電動ステアリング装置の概要図である。
符号の説明
10…電動ステアリング装置、21…ステアリングハンドル、24…回転軸(ピニオン軸)、24a…回転軸の一端部、24b…回転軸の他端部、25…ラックアンドピニオン機構、31…転舵用車輪、32…ピニオン、33…ラック、41,41A…磁歪式トルクセンサ、43…電動モータ、51…ギヤハウジング、61…中間固定部材、63…軸受(第2軸受)、81,82…磁歪部(磁歪膜)、84…コイルボビン、86…センサハウジング、85…検出コイル、87…バックヨーク、100…電動ステアリング装置、111…電動モータ、112…ウォームギヤ機構、115…ウォームホイール、W1…磁歪部の幅寸法、W2…バックヨークの幅寸法。

Claims (2)

  1. 回転軸の一部の表面に設けられ操舵トルクに応じて磁歪特性が変化する第1磁歪部および第2磁歪部と、
    前記第1磁歪部に対し所定の距離を有して対向して配置され前記第1磁歪部に生じた磁歪効果を検出する第1検出コイルおよび第2検出コイルと、前記第1検出コイルおよび前記第2検出コイルの周囲を囲う第1バックヨークと、
    前記第2磁歪部に対し所定の距離を有して対向して配置され、前記第2磁歪部に生じた磁歪効果を検出する第3検出コイルおよび第4検出コイルと、前記第3検出コイルおよび前記第4検出コイルの周囲を囲う第2バックヨークと、
    前記回転軸の前記第1磁歪部、前記第2磁歪部、前記第1検出コイル、前記第2検出コイル、前記第3検出コイル、前記第4検出コイル、および前記第1バックヨークと、前記第2バックヨークとを収納するセンサハウジングと、からなる磁歪式トルクセンサを有し、この磁歪式トルクセンサの出力に応じて電動モータを駆動する電動ステアリング装置において、
    前記回転軸には、一端部側から他端部側へ、ラックアンドピニオン機構のピニオン、軸受、ウォームギヤ機構のウォームホイール、および前記第2磁歪部、前記第1磁歪部が、この順に設けられており、
    前記センサハウジングには、前記第1検出コイル、前記第2検出コイル、前記第3検出コイル、前記第4検出コイルが軸方向に順に配置され、
    前記第1検出コイルと前記第3検出コイルの中間出力と、前記第2検出コイルと前記第4検出コイルの中間出力との加算値に基づいてセンサ異常を検出し、
    前記第1検出コイルの一端と前記第3検出コイルの一端が接続されることにより前記第1検出コイルと前記第3検出コイルとが直列に接続され、
    前記第2検出コイルの一端と前記第4検出コイルの一端が接続されることにより前記第2検出コイルと前記第4検出コイルとが直列に接続され、
    直列に接続された前記第1検出コイルおよび前記第3検出コイルは、直列に接続された前記第2検出コイルおよび前記第4検出コイルと並列に接続され、
    前記第1検出コイルの他端と前記第4検出コイルの他端が接続され、
    前記第2検出コイルの他端と前記第3検出コイルの他端が接続されており
    前記ラックアンドピニオン機構、前記軸受及び前記ウォームホイールは、ギヤハウジングに収納されたものであり、前記ギヤハウジングは、前記回転軸を前記軸受を介して回転可能に且つ軸方向への移動を規制して支承するとともに、前記センサハウジングを取り付けるものであり、
    前記第1磁歪部の幅寸法および前記第1バックヨークの幅寸法を、前記回転軸における軸方向の長さとしたときに、前記第1磁歪部の幅寸法は、前記第1バックヨークの幅寸法よりも大きく設定され、かつ、前記第2磁歪部の幅幅寸法および前記第2バックヨークの幅寸法を前記回転軸における軸方向の長さとしたときに、前記第2磁歪部の幅寸法は、前記第2バックヨークの幅寸法よりも大きく設定されていることを特徴とした電動ステアリング装置。
  2. 前記回転軸の端部には、ラックと噛み合うピニオンが設けられ、これらのラックおよびピニオンは、ギヤハウジングに収納されたものであり、前記ギヤハウジングは、中間固定部材を介して前記センサハウジングを取り付けるものであり、前記中間固定部材は、前記ギヤハウジングに対する前記センタハウジングの位置決めをするとともに、前記回転軸を前記軸受を介して回転可能に、かつ軸方向への移動を規制して支承する部材であることを特徴とした請求項1記載の電動ステアリング装置。
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