JP2006160110A - 車両用電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 外部から磁歪式操舵トルクセンサに与える磁気的な影響を抑制して、センサの検出精度を高め、安定したセンサ故障検出をする。
【解決手段】 車両用電動パワーステアリング装置10は、ステアリングハンドル21から操舵車輪29に至るステアリング系20に、ステアリングハンドルに連結したピニオン軸24と操舵車輪に連結したラック軸26とからなるラックアンドピニオン機構25を備え、ステアリングハンドルに加えた操舵トルクを磁歪式操舵トルクセンサ41で検出し、操舵トルクに応じた補助トルクを電動モータ43で発生し、補助トルクをピニオン軸に伝達したものである。磁歪式操舵トルクセンサをピニオン軸に設けた。ピニオン軸及びラック軸をハウジング51に収納した。ハウジングよりも下位に磁性材料の磁気シールド80を配置することで、ハウジングの下部のみを遮蔽した。
【選択図】 図1

Description

本発明は、磁歪式操舵トルクセンサを備えた車両用電動パワーステアリング装置の改良技術に関する。
車両用電動パワーステアリング装置は、ステアリングハンドルで発生したステアリング系の操舵トルクを操舵トルクセンサにて検出し、操舵トルクに応じた補助トルクを電動モータにて発生し、操舵トルクに補助トルクを付加することによって、運転者の負担を軽減するものである。近年は、このような車両用電動パワーステアリング装置の構成を簡略化するために、操舵トルクセンサとして磁歪式トルクセンサを採用した技術の開発が進められている(例えば、特許文献1−2参照。)。
特開平5−26746号公報(図2) 特開2001−296193公報(図3−図4)
磁歪式トルクセンサを採用した車両用電動パワーステアリング装置の例として、特許文献2に示す技術を、次の図5に基づいて説明する。
図5(a),(b)は従来の車両用電動パワーステアリング装置の構成図であり、(a)は車両用電動パワーステアリング装置の断面構成を示し、(b)は磁歪式操舵トルクセンサの要部を断面した構成を示す。
図5(a)に示すように、従来の車両用電動パワーステアリング装置200は、ステアリングシャフト201に磁歪式操舵トルクセンサ202のユニットを介してピニオン軸203を連結し、ピニオン軸203にラックアンドピニオン機構204を介してラック軸205を連結し、ラック軸205に操舵車輪(図示せず)を連結したというものである。
さらに車両用電動パワーステアリング装置200は、操舵トルクを磁歪式操舵トルクセンサ202にて検出し、操舵トルクに応じた補助トルクを電動モータ206にて発生し、補助トルクをギヤ機構207を介してピニオン軸203に伝達することで、操舵トルクに補助トルクを付加することができる。
図5(b)に示すように、磁歪式操舵トルクセンサ202は、ステアリングシャフト201とピニオン軸203との間を連結するセンサ軸(回転軸)211を設け、センサ軸211の表面に軸長手方向で一対の磁気異方性部材212,213を設け、これら磁気異方性部材212,213の周囲に隙間を有してそれぞれ励磁コイル214,215及び検出コイル216,217を巻いたというものである。操舵トルクに応じてセンサ軸211に発生した捩れを検出コイル216,217にて磁気的に検出することで、その検出信号を操舵トルク信号として発することができる。
このような磁歪式操舵トルクセンサ202は、アルミニウム合金製ケーシング本体221、磁気シールド効果を有するパネル222及びシールドパネル223で囲った空間内に、磁気異方性部材212,213、励磁コイル214,215及び検出コイル216,217を収納することで、これらの部材を磁気的に遮蔽するとともに、ユニット化した構成である。この結果、外部からの磁気的な影響をある程度抑制することができる。
ところで、上記図5に示すような一般的な磁歪式操舵トルクセンサ202の回路としては、次の図6に示すような構成が採用される。
図6は一般的な磁歪式操舵トルクセンサの模式的回路図である。磁歪式操舵トルクセンサは、回転軸の表面に軸長手方向で一対の磁気異方性部材を設けたものである。これらの磁気異方性部材は、回転軸の軸長手方向に互いに逆方向の残留歪みが付与された磁歪膜からなる。以下、これらの磁歪膜を第1残留歪み部、第2残留歪み部と言うことにする。
第1残留歪み部の周囲に隙間を有して巻いた第1検出コイルと、第2残留歪み部の周囲に隙間を有して巻いた第2検出コイルとを設けることで、操舵トルクに応じて回転軸に発生した捩れを、第1・第2検出コイルにて磁気的に検出することができる。これらの検出信号は、それぞれ第1変換回路及び第2変換回路で整流・増幅・変換されて、検出電圧VT1,VT2として出力される。これらの検出電圧VT1,VT2は、トルク信号出力回路で演算されて、トルク検出電圧VT3として出力される。トルク検出電圧VT3は、操舵トルク信号のことである。
ここで、第1検出コイルで検出され第1変換回路から出力された検出電圧VT1のことを、第1検出電圧VT1と言う。第2検出コイルで検出され第2変換回路から出力された検出電圧VT2のことを、第2検出電圧VT2と言う。
トルク検出電圧VT3は、次の(1)式によって求めることができる。但し、kは係数、Voは基準電圧である(例えば、全範囲が0〜5ボルトの場合には2.5ボルト)。
VT3=k×(VT1−VT2)+Vo ・・・・・・(1)
なお、磁歪式操舵トルクセンサの故障の有無については、次の(2)式で求められた故障検出電圧VTFの絶対値によって判断すればよい。
|VTF|=|VT1+VT2|−Vo ・・・・・・(2)
ところで、磁歪式操舵トルクセンサは、車両用電動パワーステアリング装置に備えたものであるから、センサだけを磁気シールドで磁気的に遮蔽しても、外部から他の部材を通してセンサに磁気的な影響を強く与えることがあり得る。例えば、車両が走行する路面に磁石が有る等の原因により、車外からラック軸やピニオン軸を介して、磁歪式操舵トルクセンサに磁気的な影響を強く与えることが考えられる。この点について、図7及び図8により説明する。
図7(a),(b)は一般的な磁歪式操舵トルクセンサの特性図である。
図7(a)は、横軸を操舵トルクとし縦軸を電圧として、磁歪式操舵トルクセンサが外部から磁気的な影響を受けていない通常時における、第1・第2検出電圧VT1,VT2の特性を表したものである。
第1検出電圧VT1の特性直線は図右上がりの特性を有し、第2検出電圧VT2の特性直線は図左上がりの特性を有する。トルク原点0を通る垂直な基準線に対して、第1検出電圧VT1の特性直線と第2検出電圧VT2の特性直線とは対称である。
磁歪式操舵トルクセンサの故障検出しきい値は、2本の破線にて示す範囲である。故障検出電圧VTFは、上記(2)式から明らかなように水平又はほぼ水平な特性である。故障検出しきい値の範囲内に故障検出電圧VTFが入っている場合には、磁歪式操舵トルクセンサが正常であると判定する。一方、故障検出しきい値の範囲から外れている場合には、磁歪式操舵トルクセンサが故障しているとの判定になる。
図7(b)は、横軸を操舵トルクとし縦軸を電圧として、磁歪式操舵トルクセンサが外部から磁気的な影響を強く受けている、いわゆる磁場変動時における第1・第2検出電圧VT1,VT2の特性を表したものである。
外部からラック軸やピニオン軸を介して、磁歪式操舵トルクセンサが磁気的な影響を強く受けるので、第1・第2検出電圧VT1,VT2の特性直線は、全体的に検出電圧が増大する方向に変化する。このため、上記(2)式で求められる故障検出電圧VTFも増大する方向に変化する。この結果、故障検出電圧VTFが故障検出しきい値の範囲から外れるので、磁歪式操舵トルクセンサが正常であるにもかかわらず、故障していると判定してしまう。
図8は一般的な磁歪式操舵トルクセンサの操舵トルク検出例を示すグラフであり、横軸を時間とし縦軸をトルクとして、時間経過に対する操舵トルクの変化の一例を表したものである。なお、トルクについては、上記図6に示す各電圧VT1,VT2及び上記(2)式で求めた電圧TrFに基づき、所定の演算式によってそれぞれ換算した値である。
このグラフによれば、通常状態においては、第1・第2検出電圧VT1,VT2に相当する操舵トルクTr1,Tr2が正常な値で推移していることが判る。
さらにグラフによれば、時点t1からt2までの時間だけ、操舵トルクTr1,Tr2が一時的に且つ急激に増大したことが判る。これは、磁歪式操舵トルクセンサが外部から強い磁気的な影響を受けたことによる。この結果、故障検出電圧VTFに相当する故障検出トルクTrFも、一時的に且つ急激に増大することによって、故障検出しきい値Toを超えている。
このことからも、磁歪式操舵トルクセンサが外部から強い磁気的な影響を受けたときには、磁歪式操舵トルクセンサが正常であるにもかかわらず、故障していると誤った判定をしてしまうことが判る。従って、このような磁気的な影響を受けないための配慮が必要である。
本発明は、外部から磁歪式操舵トルクセンサに与える磁気的な影響を抑制することで、磁歪式操舵トルクセンサの検出精度を高めるとともに、安定したセンサ故障検出をすることができる技術を提供することを課題とする。
請求項1に係る発明は、車両のステアリングハンドルから操舵車輪に至るステアリング系に、ステアリングハンドルに各々磁性体からなるステアリングシャフト及びその連結部材を介して連結した磁性体のピニオン軸と、操舵車輪に連結した磁性体のラック軸と、からなるラックアンドピニオン機構を備え、ステアリングハンドルに加えたステアリング系の操舵トルクを磁歪式操舵トルクセンサにて検出し、操舵トルクに応じた補助トルクを電動モータにて発生し、補助トルクをピニオン軸又はラック軸に伝達するようにした車両用電動パワーステアリング装置において、磁歪式操舵トルクセンサを、ピニオン軸、ラック軸、連結部材又はステアリングシャフトに設け、ピニオン軸及びラック軸をハウジングに収納し、このハウジングの周囲に、磁性材料からなる磁気シールドを配置したことを特徴とする。
請求項2に係る発明は、磁気シールドをハウジングよりも下位に配置することで、ハウジングの下部のみを遮蔽したことを特徴とする。
請求項1に係る発明では、磁歪式操舵トルクセンサを、各々磁性体からなるピニオン軸、ラック軸、連結部材又はステアリングシャフトに設け、車両用電動パワーステアリング装置のうちピニオン軸及びラック軸をハウジングに収納し、このハウジングの周囲に、磁性材料からなる磁気シールドを配置したので、車両用電動パワーステアリング装置のうち、磁歪式操舵トルクセンサを除く他の部材(ピニオン軸やラック軸等)を通して外部から磁歪式操舵トルクセンサに与える磁気的な影響を極力抑制することができる。
このため、磁歪式操舵トルクセンサの検出精度を高め且つ安定させるとともに、磁歪式操舵トルクセンサの故障検出の精度に与える磁気的な影響を排除して、安定した故障検出をすることができる。
請求項2に係る発明では、操舵トルクセンサに与える磁気的な影響を抑制するのに、磁気シールドをハウジングよりも下位に配置することによる、ハウジングの下部のみを遮蔽するだけの、より簡単な構成ですむ。
しかも、磁気シールドをハウジングよりも下位に配置したので、特に、車両が走行する路面に磁石が有る等、最も影響が大きい、車両の下方からラック軸やピニオン軸を介して、磁歪式操舵トルクセンサに与える磁気的な影響を極力抑制することができる。
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。
図1は本発明に係る車両用電動パワーステアリング装置の模式図である。車両用電動パワーステアリング装置10は、車両11のステアリングハンドル21から車両11の操舵車輪(例えば前輪)29,29に至るステアリング系20と、このステアリング系20に補助トルクを加える補助トルク機構40とからなる。
ステアリング系20は、ステアリングハンドル21にステアリングシャフト22及び自在軸継手23,23を介してピニオン軸24を連結し、ピニオン軸24にラックアンドピニオン機構25を介してラック軸26を連結し、ラック軸26の両端に左右のタイロッド27,27及びナックル28,28を介して左右の操舵車輪29,29を連結したものである。
このように、ステアリングハンドル21に、各々磁性体からなるステアリングシャフト22及びその連結部材(ステアリングシャフト22とピニオン軸24とを連結する自在軸継手23,23や中間軸等)を介してピニオン軸24を連結することができる。
ラックアンドピニオン機構25は、ピニオン軸24に形成したピニオン31に、ラック軸26に形成したラック32を噛み合わせた、ラックアンドピニオン歯車である。このようにして、ピニオン31を車両のステアリングハンドル21に連結し、ラック32を車両の操舵車輪29,29に連結することができる。すなわち、ステアリングハンドル21に連結したピニオン31と操舵車輪29,29に連結したラック軸26とからなるラックアンドピニオン機構25をステアリング系20に備える。
運転者がステアリングハンドル21を操舵することで、この操舵トルクによりラックアンドピニオン機構25及び左右のタイロッド27,27を介して、左右の操舵車輪29,29を操舵することができる。
補助トルク機構40は、ステアリングハンドル21に加えたステアリング系20の操舵トルクを磁歪式操舵トルクセンサ41で検出し、このトルク検出信号に基づき制御部42で制御信号を発生し、この制御信号に基づき操舵トルクに応じた補助トルクを電動モータ43で発生し、補助トルクを伝動機構44を介してピニオン軸24に伝達し、さらにピニオン軸24からラックアンドピニオン機構25に伝達し、このラックアンドピニオン機構25及び左右のタイロッド27,27によって、左右の操舵車輪29,29を操舵することができる。
このようにして、電動モータ43の出力軸46とピニオン31との間に伝動機構44を介在させ、この伝動機構44とステアリングハンドル21との間に磁歪式操舵トルクセンサ41を介在させた。
すなわち、ステアリング系20に、ステアリングハンドル21で発生した操舵トルクを検出する磁歪式操舵トルクセンサ41と、この磁歪式操舵トルクセンサ41の検出信号に応じた補助トルクを発生してステアリング系20のうちステアリングハンドル21とピニオン31との間に付加する電動モータ43とを備える。
図2は本発明に係る車両用電動パワーステアリング装置の全体構成図であり、左端部及び右端部を断面して表したものである。図2は、車両用電動パワーステアリング装置10のラック軸26を、車幅方向(図左右方向)に延びるハウジング51に軸方向へスライド可能に収容したことを示す。
ラック軸26は、ハウジング51から突出した長手方向両端にボールジョイント52,52を介してタイロッド27,27を連結した軸である。53,53はダストシール用ブーツである。
図3は図2の3−3線断面図であり、車両用電動パワーステアリング装置10の縦断面構造を示す。
車両用電動パワーステアリング装置10は、ピニオン軸24、ラックアンドピニオン機構25、磁歪式操舵トルクセンサ41及び伝動機構44をハウジング51に収納し、このハウジング51の上部開口を上部カバー部54で塞いだものである。磁歪式操舵トルクセンサ41は、上部カバー部54に取付けたものである。
本出願においては、上部カバー部54もハウジング51の一部であるとする。従って、磁歪式操舵トルクセンサ41はハウジング51に収納されていると、いうことができる。
ピニオン軸24は、例えば鉄鋼(ニッケルクロムモリブデン鋼鋼材を含む)等の強磁性の材料、すなわち磁性体からなる。ラック軸26は、例えば鉄鋼等の磁性材料(磁性体)からなる。ハウジング51及び上部カバー54は、例えば鉄鋼等の磁性材料や、アルミニウム合金鋳造品など非鉄金属等の非磁性材料からなる。
伝動機構44は、電動モータ43で発生した補助トルクをピニオン軸24に伝達するウォームギヤ機構、すなわち倍力機構である。詳しく述べると伝動機構44は、電動モータ43の出力軸46に設けたウォーム47と、ピニオン軸24に結合するとともにウォーム47に噛み合わせたウォームホイール48(以下、単に「ホイール48」と言う。)とからなる。
ハウジング51は、上下に延びるピニオン軸24の上部、長手中央部及び下端を3個の軸受55〜57を介して回転可能に支承したものであり、さらに電動モータ43を取付けるとともに、ラックガイド70を備える。図中、58はロックナット、59はオイルシールである。
ラックガイド70は、ラック32と反対側からラック軸26に当てるガイド部71と、このガイド部71を圧縮ばね72を介して押す調整ボルト73と、からなる押圧手段である。ピニオン31に対して、ラック32を互いに噛み合う方向にラックガイド70で押すことができる。74はロックナットである。
ところで、磁歪式操舵トルクセンサ41は、ピニオン軸24(回転軸)に、残留歪みが付与され作用トルクに応じて磁歪特性が変化する第1残留歪み部61及び第2残留歪み部62を設け、これら第1・第2残留歪み部61,62の周囲に、第1・第2残留歪み部61,62に生じた磁歪効果を電気的に検出する検出部63を設け、検出部63の検出信号をトルク検出信号として出力するようにした、トルクセンサである。
第1・第2残留歪み部61,62は、ピニオン軸24の軸長手方向に互いに逆方向の残留歪みが付与された一対の磁気異方性部材であり、例えば、ピニオン軸24の表面に形成された磁歪膜からなる。
すなわち、磁歪膜は、歪みの変化に対して磁束密度の変化の大きい材料からなる膜であり、例えば、ピニオン軸24の外周面に気相メッキ法で形成したNi−Fe系の合金膜である。
検出部63は、ピニオン軸24を通した筒状のコイルボビン64,65と、コイルボビン64,65に巻いた第1多層ソレノイド巻きコイル66並びに第2多層ソレノイド巻きコイル67と、第1・第2多層ソレノイド巻きコイル66,67の周囲を囲う磁気シールド用バックヨーク68と、からなる。
第1・第2多層ソレノイド巻きコイル66,67は、検出コイルである。以下、第1多層ソレノイド巻きコイル66のことを第1検出コイル66と言い換え、第2多層ソレノイド巻きコイル67のことを第2検出コイル67と言い換えることにする。
第1残留歪み部61の周囲に隙間を有して巻いた第1検出コイル66と、第2残留歪み部62の周囲に隙間を有して巻いた第2検出コイル67とを設けることで、操舵トルクに応じてピニオン軸24(回転軸)に発生した捩れを、第1・第2検出コイル66,67にて磁気的に検出することができる。
すなわち、歪みが付与された第1・第2残留歪み部61,62をピニオン軸24に設けたので、ピニオン軸24を介して磁歪膜にトルクが作用したときに、このトルクに応じて磁歪膜の透磁率が変化し、このときの第1・第2検出コイル66,67におけるインピーダンス(誘導電圧、検出電圧)の変化を検出することで、トルクの方向とトルクの値とを検出することができる。
これらの検出信号は、上記図6に示すように、それぞれ第1変換回路及び第2変換回路で整流・増幅・変換されて、検出電圧VT1,VT2として出力される。これらの検出電圧VT1,VT2は、トルク信号出力回路で演算されて、トルク検出電圧VT3(操舵トルク信号)として出力される。さらには、上記図7に示すトルク信号出力回路にて故障検出電圧VTFを出力する。
本発明は、このような磁歪式操舵トルクセンサ41に対する、外部の磁気的な影響を抑制するために、図1〜図3に示すようにピニオン軸24、ラックアンドピニオン機構25、ラック軸26、磁歪式操舵トルクセンサ41、伝動機構44及びラックガイド70をハウジング51に収納し、このハウジング51の周囲に磁気シールド80を配置したことを特徴とする。磁気シールド80は、けい素鋼板等の磁性材料からなる。
より具体的には、磁気シールド80をハウジング51よりも下位に配置することで、ハウジング51の下部のみを、一定の隙間を有して遮蔽したものである。例えば、磁気シールド80はラックアンドピニオン機構25の位置及びその周辺において、ハウジング51の少なくとも下半分を、一定の隙間を有して覆った構成である。このようにすることで、ピニオン軸24の下部、ラックアンドピニオン機構25、ラック軸26の一部及びラックガイド70を磁気シールド80にて囲うことができる。
図4は本発明に係る磁気シールドの斜視図である。図2〜図4に示すように、磁気シールド80は、ハウジング51の長手方向に沿って細長い樋状を呈した部材であって、板材のプレス成形等によって形成したカバーである。
このような磁気シールド80は、細長いシールド本体81と、シールド本体81から下方へ膨出した下部シールド部82と、シールド本体81から側方へ膨出した側部シールド部83(図3参照)と、シールド本体81の上端から上方へ延びた複数の取付部84・・・とからなる一体成形品である。
下部シールド部82は、ラックアンドピニオン機構25の位置でハウジング51の下端部を覆う部分である。側部シールド部83は、ラックガイド70(図3参照)周りを覆う部分である。
例えば、ハウジング51の側部に突出した複数の取付ボス91(図3参照)に、複数の取付部84・・・をボルト92・・・にて取付けることで、ハウジング51に磁気シールド80を取り外し可能に取付けることができる。
以上の説明から明らかなように、磁歪式操舵トルクセンサ41を、各々磁性体からなるピニオン軸24、ラック軸26、連結部材(ステアリングシャフト22とピニオン軸24とを連結する自在軸継手23,23や中間軸等)又はステアリングシャフト22に設け、車両用電動パワーステアリング装置10のうちピニオン軸24及びラック軸26をハウジング51に収納し、このハウジング51の周囲に、磁性材料からなる磁気シールド80を配置したので、車両用電動パワーステアリング装置10のうち、磁歪式操舵トルクセンサ41を除く他の部材(ピニオン軸24、ラックアンドピニオン機構25、ラック軸26、ラックガイド70等)を通して外部から磁歪式操舵トルクセンサ41に与える磁気的な影響を極力抑制することができる。
このため、磁歪式操舵トルクセンサ41の検出精度を高め且つ安定させるとともに、磁歪式操舵トルクセンサ41の故障検出の精度に与える磁気的な影響を排除して、安定した故障検出をすることができる。
さらには、操舵トルクセンサ41に与える磁気的な影響を抑制するのに、磁気シールドをハウジング51よりも下位に配置することによる、ハウジング51の下部のみを遮蔽すだけの、より簡単な構成ですむ。
しかも、磁気シールド80をハウジング51よりも下位に配置したので、特に、図1に示すように、車両11が走行する路面Grに磁石Mgが有る等、最も影響が大きい、車両11の下方からラック軸26、ラックアンドピニオン機構25やピニオン軸24を介して、磁歪式操舵トルクセンサ41に与える磁気的な影響を極力抑制することができる。
なお、本発明は請求項1では、ハウジング51の周囲に磁気シールド80を配置することで、ハウジング51の全体又は一部を磁気的に遮蔽する構成を包含する。また、外部から磁気的な影響を受ける電動モータ43や伝動機構44等の周囲にも磁気シールド80を配置することで、磁気的に遮蔽する構成を包含する。
また、本発明は請求項2では、磁気シールド80をハウジング51よりも下位に配置する構成であればよく、ハウジング51の下半分を磁気シールド80にて覆う構成に限定されるものではない。さらにまた、ハウジング51のうち、ラックアンドピニオン機構25の位置及びその周辺のみを磁気シールド80にて覆う構成に限定されるものではない。
また、本発明は実施の形態では、磁歪式操舵トルクセンサ41の周囲をも磁気シールドで磁気的に遮蔽することは、より好ましいが、本発明では任意である。
また、磁歪式操舵トルクセンサ41は、ステアリングハンドル21に加えたステアリング系20の操舵トルクを検出する構成であればよく、ピニオン軸24における操舵トルクを検出する構成に限定されるものではない。
例えば、磁歪式操舵トルクセンサ41を、各々磁性体からなるピニオン軸24、ラック軸26、連結部材(ステアリングシャフト22とピニオン軸24とを連結する自在軸継手23,23や中間軸等)又はステアリングシャフト22に設け、その部位における操舵トルクを検出する構成であってもよい。
また、磁歪式操舵トルクセンサ41を電動モータ43や伝動機構44の周囲に配置してもよい。
さらにまた、操舵トルクセンサ41は磁歪式の構成であればよく、上記構成に限定されるものではない。
また、ハウジング51の周囲に磁気シールド80を配置する車両用電動パワーステアリング装置10としては、電動モータ43が発生した補助トルクを、ピニオン軸24に伝達する構成の他にラック軸26に伝達する構成であってもよい。補助トルクをラック軸に伝達する方式の車両用電動パワーステアリング装置としては、例えば特開平7−165089号公報の技術がある。
また、本発明における、ハウジング51の周囲に磁気シールド80を配置する構成は、「ステアリングハンドルから転舵機構を機械的に分離し、操舵量に応じて電動モータが転舵用動力を発生し、この転舵用動力を転舵機構へ伝えることで操舵車輪を転舵させる」方式の、いわゆる、ステア・バイ・ワイヤ式(steer-by-wire、略称「SBW」)の構成にも適用できる。ステア・バイ・ワイヤ式の車両用電動パワーステアリング装置としては、例えば特開平11−5550号公報の技術がある。
本発明の車両用電動パワーステアリング装置10は、ステアリングハンドル21で発生した操舵トルクを磁歪式操舵トルクセンサ41にて検出し、この磁歪式操舵トルクセンサ41の検出信号に応じて電動モータ43が補助トルクを発生するようにしたものに好適である。
本発明に係る車両用電動パワーステアリング装置の模式図である。 本発明に係る車両用電動パワーステアリング装置の全体構成図である。 図2の3−3線断面図である。 本発明に係る磁気シールドの斜視図である。 従来の車両用電動パワーステアリング装置の構成図である。 一般的な磁歪式操舵トルクセンサの模式的回路図である。 一般的な磁歪式操舵トルクセンサの特性図である。 一般的な磁歪式操舵トルクセンサの操舵トルク検出例を示すグラフである。
符号の説明
10…車両用電動パワーステアリング装置、20…ステアリング系、21…ステアリングハンドル、24…ピニオン軸、25…ラックアンドピニオン機構、26…ラック軸、29…操舵車輪、41…磁歪式操舵トルクセンサ、43…電動モータ、51…ハウジング、80…磁気シールド、Gr…路面、Mg…磁石。

Claims (2)

  1. 車両のステアリングハンドルから操舵車輪に至るステアリング系に、ステアリングハンドルに各々磁性体からなるステアリングシャフト及びその連結部材を介して連結した磁性体のピニオン軸と、操舵車輪に連結した磁性体のラック軸と、からなるラックアンドピニオン機構を備え、前記ステアリングハンドルに加えたステアリング系の操舵トルクを磁歪式操舵トルクセンサにて検出し、前記操舵トルクに応じた補助トルクを電動モータにて発生し、前記補助トルクを前記ピニオン軸又は前記ラック軸に伝達するようにした車両用電動パワーステアリング装置において、
    前記磁歪式操舵トルクセンサを、前記ピニオン軸、前記ラック軸、前記連結部材又は前記ステアリングシャフトに設け、
    前記ピニオン軸及びラック軸をハウジングに収納し、このハウジングの周囲に、磁性材料からなる磁気シールドを配置したことを特徴とする車両用電動パワーステアリング装置。
  2. 前記磁気シールドは、前記ハウジングよりも下位に配置することで、ハウジングの下部のみを遮蔽したことを特徴とする請求項1記載の車両用電動パワーステアリング装置。
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