JPH09166506A - 磁歪式歪センサー - Google Patents

磁歪式歪センサー

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Publication number
JPH09166506A
JPH09166506A JP34870295A JP34870295A JPH09166506A JP H09166506 A JPH09166506 A JP H09166506A JP 34870295 A JP34870295 A JP 34870295A JP 34870295 A JP34870295 A JP 34870295A JP H09166506 A JPH09166506 A JP H09166506A
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JP
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detector
magnetostrictive
strain
transmitting member
magnetostrictive film
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JP34870295A
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English (en)
Inventor
Koji Kamimura
浩司 上村
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Yaskawa Electric Corp
Original Assignee
Yaskawa Electric Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁歪膜パターンの差異に起因する温度ドリフ
トを低減させた磁歪式歪センサーを提供する。 【解決手段】 歪伝達部材1の表面に設けた磁歪膜2
と、前記磁歪膜に対向させた第1検出器3と第2検出器
4をそなえ、検出器3、4の一方の検出器4を所定の位
置で歪伝達部材に対抗させ、他方の検出器3の位置を、
歪伝達部材1の磁歪膜2の端から、温度ドリフトが小さ
くなる位置に調整して歪伝達部材1に加わる歪の値を磁
歪膜2の透磁率の変化に基づく検出器3、4のインピー
ダンス変化として検出するようにしてある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁性体の逆磁歪効
果を利用した磁歪式歪センサーに関し、とくに、磁歪式
歪センサーにおける温度ドリフトを低減させるものに関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、圧力センサーや張力センサーにお
いて、逆磁歪効果を利用して圧力や張力を検出する方法
として、歪が加わる軸や電線などの歪伝達部材の表面に
真空技術を利用して磁歪膜を付着させ、歪伝達部材に加
わる張力や圧力に応じて生じる磁歪膜の透磁率の変化を
検出することにより、歪伝達部材に加わる圧力や張力を
検出する歪センサーが用いられている。(例えば、特開
昭59−164931、特開平6−269755な
ど)。
【0003】このような磁歪センサーは、図13に示す
ように、軸などの歪伝達部材1の表面の一部に真空技術
による磁歪膜2を均一に付着させ、この磁歪膜2に空隙
を介して対向するソレノイド状の第1励磁コイル31と
第1検出コイル32をそなえた第1検出器3を設け、磁
歪膜2が付着していない軸部分に空隙を介して対向する
第2励磁コイル41と第2検出コイル42を、前記第1
検出器と同様に構成させた第2検出器4を設けている。
50は励磁回路で、第1励磁コイル31と第2励磁コイ
ル41を直列に接続している。60は信号処理回路で、
第1検出コイル32の検出値と第2検出コイル42の検
出値とを比較して出力信号70を送出するようにしてい
る。第1検出器3および第2検出器4の各コイルは、図
には示されていないが、それぞれ歪伝達部材1に対向す
る側を開口させた断面が凹状のヨーク内に収納してい
る。第2検出器は温度補償のためのものであり、軸1に
張力あるいは圧力が加わると、磁歪膜2の透磁率が変化
し、この変化を第1および第2の検出コイル32、42
のインピーダンス変化として検出し、信号処理回路60
で差動を取り、出力信号70を得ている。また、モータ
のトルクや、ロボットなどを駆動する回転軸のトルクを
検出する場合は、回転軸の軸方向に適当な間隔で離れた
2か所の位置にシェブロン状の磁歪膜を形成し、磁歪膜
のそれぞれに空隙を介して第1検出器および第2検出器
を対向させ、軸にトルクが加わった時に、2か所のの磁
歪膜に生じる透磁率の差によりトルクを検出するように
している。
【0004】このように歪伝達部材に磁歪膜を設けて透
磁率の変化を検出する歪センサーにおいては、一定の歪
のもとで温度が変わると検出コイルのインピーダンスが
変わることによって温度ドリフトが発生し、精度を著し
く損ねる欠点がある。すなわち、歪を受ける軸の表面に
磁歪膜を形成した場合、軸と磁歪膜の熱膨張係数が異な
るため、温度変化で磁歪膜に歪が発生する。磁歪定数が
正の磁歪膜の場合、温度上昇により引っ張り応力がかか
ると膜の磁気特性(透磁率μ)は低下するので自己イン
ダクタンスLは、 L=μS/lm ・・・(1式) S:磁性体の断面積 lm:磁気回路長 により低下し、その結果インピーダンスは低下する。一
方、コイルの抵抗は増加するので、インピーダンスは増
加する。ここで、コイルの抵抗Rは、 R=ρl/s ・・・(2式) l:コイル長 s:コイル断面積 で表される。したがって、温度ドリフトに関連する二つ
の項は互いに反対のインピーダンス変化を示すことにな
り、双方の差が温度ドリフトとして現れることになる。
この温度ドリフト防止の対策として、従来は第1検出器
と第2検出器を設けて差動させることにより防ぐように
している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、圧力・張力
センサにおいては膜の有無により、またトルクセンサー
においては、作製する際に2つのパターン形状を同じよ
うに作ろうとしても、実際は不揃いとなることから、両
方の検出器が同一の条件にならず、図14に示すよう
に、各パターンの形状が同じであった場合の特性曲線a
に対して、パターン形状が異なっているために特性曲線
bのように温度ドリフトが現れる。さらに、たとえパタ
ーンが揃っていても、膜厚を目標通りに均一にすること
は実際には困難であり、前述したように温度ドリフトが
現れ、検出精度を低下させる。すなわち、一方の検出器
と対向する磁性体の断面積をS1、自己インダクタンス
をL1、磁路長をlm1、他方の検出器と対向する磁性
体の断面積をS2、自己インダクタンスをL2、磁路長
をlm2とすると、△t℃の温度変化で磁歪膜の透磁率
が△μ変化するとき、それぞれの自己インダクタンスの
変動△L1、△L2は、 △L1=△μS1/lm1 ・・・(3式) △L2=△μS2/lm2 ・・・(4式) となる。ここで、Sは磁歪膜の膜厚と磁歪膜の幅の積で
あるから、磁歪膜の膜厚や幅が異なると、S1≠S2と
なり、△L1≠△L2になることから検出電圧に差が生
じる。したがって、差動後の温度ドリフトとして現れ、
精度を低下させることになる。このため本発明は、製造
時に生じるパターンの不揃いや膜厚の差異により温度ド
リフトが大きくなっても、検出時における検出器に対向
する磁歪膜の断面積すなわち磁歪膜の幅や厚さ、あるい
は検出器に対向する磁歪膜の透磁率の大きさや組成を調
整することによって各検出電圧の温度ドリフト差を極め
て小さくし、差動後の温度ドリフトを極めて小さくする
ことで、高精度で実用性が高く、適用範囲の広い磁歪式
歪センサーを提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】温度ドリフトは前述した
ように、温度変化に対する各々の自己インダクタンス変
動の差に基づく検出電圧差に起因するので、温度ドリフ
トを小さくするためには、温度変化に対する各検出器の
自己インダクタンス変動が等しくなるようにすればよ
い。すなわち、温度がt℃変化したときの各検出器の透
磁率の変化を△μ1、△μ2とすると、S1≠S2のと
き、△L1=△L2にするためには、(3式)(4式)
より、 △μ1×S1/lm1=△μ2×S2/lm2 ・・・(5式) とすればよい。したがって、検出器を歪伝達部材の軸方
向にスライドさせることによって、励磁および検出する
磁歪膜の軸方向の膜幅lmを変えて、断面積Sあるいは
透磁率の変化△μを、(5式)が成り立つように調節し
て両方のインダクタンス変動を等しくすれば、差動後の
温度ドリフトは極めて小さくなり、歪センサーの精度を
向上させることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】上記問題を解決するため、本発明
は、表面の少なくとも一部に磁歪膜を有する歪伝達部
材、あるいは磁歪を有する材料で構成されシェブロン状
の溝をそなえた歪伝達部材をそなえ、この歪伝達部材の
周囲に、それぞれ励磁コイルと検出コイルをそなえて同
様に構成された少なくとも2個の検出器を、励磁コイル
相互の励磁を等しくするため直列に接続して歪伝達部材
の軸方向に適当な間隔で設け、歪伝達部材に加わる歪の
値を検出器のインピーダンス変化として検出する歪セン
サーにおいて、前記検出器の少なくとも1個を、温度ド
リフトが小さくなる位置に調整して設置するようにして
いる。このため、前記磁歪膜と対向する少なくとも1個
の検出器を、磁歪膜または溝との対向面が、歪伝達部材
の磁歪膜または溝を有する部分と、磁歪膜または溝を有
しない部分にまたがって温度ドリフトが小さくなる位置
に調整して設置させるようにしてある。なお、検出器位
置の調整のため、前記検出器の少なくとも1個を軸方向
に移動させるため、支持棒に沿って摺動させ、あるいは
支持体に螺合させたねじに沿って移動させるなどの移動
手段をそなえることができる。また、磁歪膜には、歪伝
達部材の表面に所定の幅で周方向に付着させた帯状や、
帯状に付着させその一方の端縁から他方の端縁に向かう
複数個の平行なスリットをそなえもの、またはシェブロ
ン状に設けられたパターン膜を用いることができ、磁歪
膜の厚さ、または透磁率、あるいは組成を軸方向に次第
に変化させて形成させ、厚さ、または透磁率、あるいは
組成の適切な位置に検出器を設置させることにより温度
ドリフトが小さくなるようにしてもよい。また、磁歪を
有する歪伝達部材の一部に、軸方向の一方端から他方端
に平行な溝を設けて、歪みによるインピーダンス変化を
生じさせるものでもよく、溝の深さや溝部分の透磁率、
組成を変化させるものにも適用できる。
【0008】
【実施例】以下、本発明を図に示す実施例について説明
する。 (実施例1)図1は圧力センサーや張力センサーとして
もちいられる磁歪式センサーを示す構成図の実施例であ
り、1は歪伝達部材で、SUS304からなる直径27
mmの軸である。2はこの歪伝達部材1の表面の一部に
設けた磁歪膜で、90wt%Ni−Fe合金を厚さ6μ
m、軸方向幅20mmでスパッタ法によって、歪伝達部
材1の周囲に均一な厚さで付着させている。3は一方の
磁歪膜2を囲む位置に設けた第1検出器で、前記磁歪膜
の周囲に空隙を介して200ターンの第1励磁コイル3
1と、400ターンの第1検出コイル32をそなえ、コ
イルの外側に歪伝達部材1に面する側を除いて断面が凹
字状に形成された3%Si−Feの材質からなる幅20
mmのヨーク33をそなえている。4は歪伝達部材1の
磁歪膜を付着させていない位置に設けた第2検出器で、
第2励磁コイル41、第2検出コイル42およびヨーク
43を前記第1検出器と同様に構成している。5は図示
しない固定部に取り付けられ、歪伝達部材1と平行に複
数本設けた支持棒で、検出器3、4の支持片34、44
を摺動自由に挿通させてある。6は止めねじである。こ
のように構成した磁歪式歪センサーについて、第2検出
器4を磁歪膜のない位置に固定し、第1検出器3を磁歪
膜2に対向させてヨーク33の端と磁歪膜2の端との距
離gが0の位置から第2検出器に近づく方へ移動させて
温度特性を調べた。歪伝達部材1に加わる張力が0の時
と、3000kgの張力を加えた時について張力−出力
特性を測定し、温度を20℃〜60℃の範囲で変動させ
て、第1検出器の各位置における温度ドリフトを調べた
結果を表1に示す。
【表1】 この結果から、検出器3のヨーク端と磁歪膜2の端との
距離gが、1.5mmのときに温度ドリフトが0.5%
と極めて小さくなっている。なお、ヨーク初期位置の時
に比べて非直線性やヒステリシスに変化は見られなかっ
た。また、第1検出器3を第2検出器4から遠ざかる方
向に移動させた場合も、同様な結果が得られた。なお、
歪伝達部材1に圧縮力が加わる場合も同様に温度ドリフ
トを低減できることは明らかである。
【0009】(実施例2)図2は、磁歪膜にスリットを
設けた場合の実施例で、図1と同一の部分に同じ符号を
付している。1はSUS304からなる直径27mmの
軸で構成された歪伝達部材で、その表面の1か所に、9
0wt%Ni−Fe合金を厚さ6μm、軸方向幅20m
mでスパッタ法によって帯状に形成し、一方の端縁から
他方の端縁に向かって複数個の平行なスリット20をそ
れぞれ設けた磁歪膜2aをそなえている。3、4は図1
の実施例と同じ構成の第1検出器、第2検出器で、いず
れか一方たとえば第2検出器4を、歪伝達部材1の磁歪
膜を付着させていない部分に対向させて固定し、他方の
第1検出器3を磁歪膜2aに対向させてヨーク33の端
と磁歪膜2の端との距離gが0の位置から第2検出器に
近づく方へ移動させて温度特性を調べた。歪伝達部材1
に加わる張力が0の時と、3000kgの張力を加えた
時について張力−出力特性を測定し、温度を20℃〜6
0℃の範囲で変動させて、第1検出器の各位置における
温度ドリフトを調べた結果を表2に示してある。
【表2】 この結果から、検出器3のヨーク端と磁歪膜2aの端と
の距離gが、1.5mmのときに温度ドリフトが0.5
%と極めて小さくなっている。なお、ヨーク初期位置の
時に比べて非直線性やヒステリシスに変化は見られなか
った。なお、第1検出器を第2検出器から遠ざかる方向
に移動させた場合も同様の効果が得られ、歪伝達部材1
に圧縮力が加わる場合も同様に温度ドリフトを低減でき
ることは明らかである。
【0010】(実施例3)図3はトルクセンサーとして
構成した実施例を示す構成図である。SUS304から
なる直径27mmの歪伝達部材1の表面に、90wt%
Ni−Fe合金を厚さ6μm、軸方向幅20mmにスパ
ッタ法によってシェブロン状に形成した磁歪膜2b、2
cを適当な間隔で2か所に付着させている。第1検出器
3および第2検出器4は図1の場合と同じ構成である。
移動手段は図1とは異なる構造を示しており、7は検出
器を囲むガイドケースで、図示しない固定部に支持され
ており、このガイドケース7の内周面に設けたねじ71
と、検出器3、4を支持する環状の支持片34、44の
外周面に設けたねじ35、45を螺合させ、支持片3
4、44を介して検出器3、4を回動させることによっ
て磁歪膜2b、2cとの対向位置を変えるようにしてい
る。この磁歪式トルクセンサーについて温度特性を調べ
た。第2検出器4を磁歪膜2cの中央位置に固定し、歪
伝達部材1に±5kgfmのトルクを加えた状態で、第
1検出器3をヨーク33の端と磁歪膜2bの端との距離
gが0の位置から第2検出器4に近づく方へ移動させて
特性を測定し、温度を20℃〜60℃の範囲で変動させ
て、第1検出器3の各移動位置における温度ドリフトを
調べた。その結果を表3に示す。
【表3】 表3から、検出器のヨーク端と磁歪膜の端との距離g
が、1.0mmのときに温度ドリフトが0.5%と極め
て小さくなっていることが明らかである。なお、ヨーク
初期位置の時に比べ、非直線性やヒステリシスに変化は
見られなかった。磁歪膜の膜厚の変更等により磁気特性
が変わり、各検出電圧の温度に対する変動率が逆転した
場合でも、磁歪膜2cの周囲に設けたコイルの位置を調
節することにより同様な効果を得ることができる。ま
た、第1検出器を第2検出器から遠ざかる方向に移動さ
せた場合も、同様な結果が得られた。なお、第1検出器
3を固定し、第2検出器4を移動させるようにしてもよ
い。
【0011】(実施例4)図4に示す実施例は、検出器
に対向する帯状の磁歪膜の厚さを、磁歪膜の一方端から
軸方向に次第に厚くするように形成させた張力や圧力な
どを検出するセンサーの例で、移動手段を省略し、磁歪
膜の厚さを誇大に示している。1は歪伝達部材で、SU
S304からなる直径27mmの軸、2dは磁歪膜で、
90wt%Ni−Fe合金を軸方向幅20mmでスパッ
タ法により形成し、成膜部位とターゲット間の距離を調
節して、膜厚さが軸方向に2μmから10μmになるよ
う次第に変えて付着させている。3、4は第1検出器お
よび第2検出器で、いずれも200ターンの第1励磁コ
イル31および第2励磁コイル41、400ターンの第
1検出コイル32および第2検出コイル42をそなえ、
3%Si−Feの材質からなるヨーク33、43を設け
ており、ヨークの軸方向の幅を10mmにしている。こ
の構成による磁歪式歪センサーの温度特性を、図1の場
合と同様に、歪伝達部材1に加わる張力が0の時と、3
000kgの張力を加えた時について、第1検出器3を
ヨーク両端間の平均膜厚さが4μmから8μmになる範
囲で移動させて張力−出力特性を測定し、温度を20℃
〜60℃の範囲で変動させて、第1検出器の各位置にお
ける温度ドリフトを調べた結果を表4に示す。
【表4】 この表から平均膜厚さが6μmのときに温度ドリフトが
最も小さくなっていることがわかる。なお、ヨーク初期
位置の時に比べて非直線性やヒステリシスに変化は見ら
れなかった。また、これらの磁歪膜にスリットを設けた
場合も、検出器の位置を調整して同様に温度ドリフトを
低減させることができる。なお、歪伝達部材に圧縮力が
加わる圧力センサーにも適用できることは明らかであ
る。
【0012】(実施例5)また、図5はトルクセンサー
として構成した実施例を示す構成図で、SUS304か
らなる直径27mmの歪伝達部材1の表面に、90wt
%Ni−Fe合金を軸方向幅20mmにスパッタ法によ
ってシェブロン状に形成し、膜厚が軸方向に2μmから
10μmに次第に厚くなるように付着させた磁歪膜2
e、2fを適当な間隔で2か所に付着させている。第1
検出器3および第2検出器4は図4の場合と同じであ
る。この磁歪式トルクセンサーについて温度特性を調べ
た。第2検出器4を磁歪膜2fの中央位置に固定し、歪
伝達部材1に±5kgfmのトルクを加えた状態で、第
1検出器3の中央位置の膜厚さが4μmから8μmにな
る範囲で移動させて張力−出力特性を測定し、温度を2
0℃〜60℃の範囲で変動させて、温度特性を測定し
た。その結果を表5に示す。
【表5】 表5から、ヨーク両端間の平均膜厚さが6μmのときに
温度ドリフトが0.5%と極めて小さくなっていること
がわかる。なお、第1形成3を固定して第2検出器4の
位置を移動させるようにしても同様の効果が得られるこ
とは明らかである。この実施例では磁歪膜2e、2fの
膜厚さをいずれも軸方向に変えているが、固定させた検
出器に対向する磁歪膜を均一な膜厚さに形成してもよ
い。
【0013】(実施例6)上述した実施例は、検出器に
対向する磁歪膜の断面積Sを調節して、温度ドリフトを
小さくするようにしてあるが、(5)式からもわかるよ
うに透磁率の変化△μを調節するようにしてもよい。こ
のため、図6に示すように、SUS304からなる直径
27mmの歪伝達部材1の表面に、90wt%Ni−F
e合金により軸方向幅20mmにスパッタ法によって6
μmの厚さの磁歪膜2hを形成し、この磁歪膜より一方
端側の歪伝達部材1に、蓄熱しないように熱伝導によっ
て熱を搬出するようにした装置、たとえば冷却水を通し
て余分な熱を奪うようにした治具11を取り付け、他方
端側の歪伝達部材にヒーター12を設置して、磁歪膜の
ヒーター側が400℃になるように加熱した。このとき
磁歪膜の治具側の温度を360℃に保持させ、この状態
で20分加熱した。このように軸方向に温度を変えて加
熱した後の磁歪膜2hを、ピックアップ型のコイルで軸
方向に1mmごとの透磁率を測定したところ、ヒーター
側端の透磁率に対して、反対側端の透磁率は1/2に連
続的に傾斜して漸減していることが確認された。この歪
伝達部材1の磁歪膜2hを用いて、図示していないが、
図4と同様のヨーク幅10mmの第1検出器を対向さ
せ、磁歪膜のない部分に同様の第2検出器を固定させ
て、第1検出器を磁歪膜端から第2検出器の方へ0〜4
mmの範囲で移動させ、歪伝達部材1に加わる張力が0
の時と、3000kgの張力を加えた時について、張力
−出力特性を測定し、温度を20℃〜60℃の範囲で変
動させて温度特性を測定した結果を表6に示している。
【表6】 この結果から、第1検出器のヨーク端と磁歪膜2の端と
の距離gが、2mmのときに温度ドリフトが0.5%と
極めて小さくなっていることがわかる。なお、ヨークの
移動による非直線性やヒステリシスに変化は見られなか
った。なお、磁歪膜にスリットをそなえた場合、あるい
は歪伝達部材1に圧縮力が加わる場合も、検出器位置を
調整することにより同様に温度ドリフトを低減できるこ
とは明らかである。
【0014】(実施例7)図7は、磁歪膜の組成を軸方
向に変化させて磁歪膜の透磁率を次第に変えた歪伝達部
材を用いたもので、SUS304からなる直径27mm
の歪伝達部材1の磁歪膜を形成させる表面に、まず、N
i層21を軸方向に20mmの範囲で0から0.1μm
の厚さに傾斜させて付着させ、この上に88wt%Ni
−Fe合金層22をスパッタ法によって6μmの厚さに
重ねて付着させ、成膜温度を3時間保持させて拡散を行
わせた。このようにして形成させた磁歪膜2kの組成を
調べたところ、Ni層の厚さを0.1μmにした側の端
部の組成は90Ni−Feになっており、他方の端部の
組成は88Ni−Feであった。この磁歪膜2kを形成
した歪伝達部材1を用いて、実施例4と同様の磁歪式歪
センサーを構成して第1検出器3を移動させて温度特性
を調べた。歪伝達部材1の磁歪膜を設けていない部分に
対向させた第2検出器4を固定した状態で、磁歪膜2h
に対向させた第1検出器3をヨーク端と磁歪膜の端との
距離gが0の位置から4mmの位置まで移動させて、歪
伝達部材に加わる張力が0のときと3000kgのとき
について、張力−出力特性を測定し、温度を20℃〜6
0℃の範囲で変動させて温度特性を測定した結果を表7
に示す。
【表7】 この表7から、ヨーク端と磁歪膜端間の距離gが2mm
のときに温度特性が最も小さくなっている。ヨークの移
動による非直線性やヒステリシスに変化は見られなかっ
た。また、磁歪膜にあらかじめスリットを設けた場合や
圧縮力が加わる場合も、同様にして温度ドリフトを低減
できることは明らかである。磁歪膜を2か所に設ける場
合は、磁歪膜のそれぞれ軸端側に治具11を取り付け、
磁歪膜相互間にヒーター12を設けて透磁率を変えるよ
うにすればよい。
【0015】(実施例8)図8は、実施例7と同様に磁
歪膜の組成を軸方向に変化させてトルクセンサーを構成
した歪伝達部材を用いた場合の実施例で、歪伝達部材の
断面で示した部分に、磁歪膜の傾斜方向に沿った断面を
示している。1はSUS304からなる直径27mmの
歪伝達部材で、2か所に適当な間隔で磁歪膜2n、2p
をシェブロン状に形成してある。一方の磁歪膜2nは歪
伝達部材の表面に、あらかじめ、Ni層21を軸方向幅
20mmの範囲で0から0.1μmの厚さに傾斜させて
設け、この上に88wt%Ni−Fe合金層22をスパ
ッタ法によって6μmの厚さで付着させ、成膜温度を3
時間保持させて拡散を行わせた。この磁歪膜の組成は、
Ni層の膜厚さが0.1μmであった側の端部は90N
i−Feになっており、他方の端部は88Ni−Feで
あった。なお、他方の磁歪膜2pを形成させる部分に
は、88wt%Ni−Fe合金をスパッタ法によって6
μmの厚さに付着させた。この歪伝達部材の前記一方の
磁歪膜2nに第1検出器3を、他方の磁歪膜2pに第2
検出器4を対向させた。第1検出器3および第2検出器
4は、いずれも200ターンの励磁コイルと400ター
ンの検出コイルをそなえ、3%Si−Feの材質からな
る幅10mmの凹字状ヨークに収納してある。この構成
による磁歪式歪トルクセンサーの第2検出器4を磁歪膜
2pの中央位置に固定した状態で、第1検出器3をヨー
ク端と磁歪膜の端との距離gが0mmから4mmの範囲
で移動させ、歪伝達部材にトルク±5kgfmを加えた
ときのトルク−出力特性を測定し、温度を20℃〜60
℃の範囲で変動させて温度特性を測定した。その結果は
表8のとおりであった。
【表8】 この表8から、ヨーク端と磁歪膜端間の距離gが2mm
のときに温度特性が最も小さくなっており、ヨークの移
動による非直線性やヒステリシスに変化は見られなかっ
た。なお、磁歪膜2n、2pの両方の組成を変化させ、
一方の検出器を適当な対向位置に固定させ、他方の検出
器を移動調整させても同様な効果が得られ、固定側の位
置により、温度ドリフトが小さくなるときの他方の検出
器の調整位置gが変わってくる。
【0016】(実施例9)図9は別の歪伝達部材を用い
た実施例を示すもので、歪伝達部材10は磁歪をそなえ
たマルエージング鋼からなる直径27mmの軸で、その
表面の軸方向の長さ20mmの部分に、この部分の一方
端から他方端に向かって、深さ0.5mm、幅3mmの
溝23を平行に複数個設けている。3は溝23を囲む第
1検出器で、200ターンの第1励磁コイル31と、4
00ターンの第1検出コイル32をそなえ、コイルの外
側に歪伝達部材1に面する側を開口させた除いて断面が
凹字状に形成された3%Si−Feの材質からなる幅2
0mmのヨーク33をそなえている。4aは歪伝達部材
1の溝のない部分に対向させた第2検出器で、200タ
ーンの第2励磁コイル41、400ターンの第2検出コ
イル42および3%Si−Feの材質からなる幅20m
mの閉磁路のヨーク43aを設けている。この構成の磁
歪式歪センサーの第2検出器4aを固定し、第1検出器
3のヨーク33の端と溝23の端との距離gが0の位置
から第2検出器に近づく方へ移動させて温度特性を調べ
た。歪伝達部材1に加わる張力が0の時と、3000k
gの張力を加えた時について張力−出力特性を測定し、
温度を20℃〜60℃の範囲で変動させて、第1検出器
の各位置における温度ドリフトを調べた結果を表9に示
す。
【表9】 この結果から、検出器3のヨーク端と溝23の端との距
離gが、1.5mmのときに温度ドリフトが0.5%と
極めて小さくなっている。なお、ヨーク初期位置の時に
比べて非直線性やヒステリシスに変化は見られなかっ
た。なお、第1検出器3を第2検出器から遠ざかる方向
に移動させた場合や。歪伝達部材に圧縮力が加わった場
合も同様な効果が得られる。
【0017】(実施例10)図10は磁歪式トルクセン
サーにおける別の実施例を示すもので、磁歪をそなえた
マルエージング鋼からなる直径27mmの棒状の歪伝達
部材10の表面に適当な間隔でシェブロン状に刻んだ深
さ0.5mm、軸方向幅20mmの溝23a、23bを
形成している。第1検出器3および第2検出器4は、そ
れぞれ200ターンの励磁コイル31、41と、400
ターンの検出コイル32、42をそなえ、3%Si−F
eの材質からなるヨーク33、43に収納しており、ヨ
ークの幅は10mmにしてある。このように構成した磁
歪式トルクセンサーの第2検出器4を溝23bに対向さ
せた位置に固定して、第1検出器3を第2検出器4の方
へ近づけるように、ヨーク33の端と溝23aの端との
距離gが0〜2mmの範囲で移動させ、歪伝達部材1に
±5kgfmのトルクを加えた時について検出器の出力
を測定し、温度を20℃〜60℃の範囲で変動させて、
温度特性を測定した。その結果を表10に示す。
【表10】 この結果から、検出器端とシェブロン状溝端との距離g
が0.5mmのときに温度ドリフトが0.5%と極めて
小さくなっていることがわかる。また、ヨーク初期位置
の時に比べ、非直線性やヒステリシスに変化は見られな
かった。また、第1検出器を第2検出器から遠ざかる方
向に移動させても、同様な結果が得られた。なお、シェ
ブロン状溝の形状や軸の材質の変更により磁気特性が変
わり、各検出電圧の温度に対する変動率が逆転した場合
でも、シェブロン状溝24の周囲に設けた第2検出器の
位置を調節すれば同様な効果が得られた。なお、検出器
のヨーク幅は実施例に限られるものではなく、第1検出
器3を固定して第2検出器4を移動するようにしてもよ
い。
【0018】なお、図示していないが、実施例9や実施
例10における溝部分23、23a、23bの深さや透
磁率あるいは組成を、実施例4、実施例6あるいは実施
例7のように、軸方向に次第に変化させて透磁率を変え
た磁歪式センサーにおいても同様に検出器位置を調整す
ることによって、温度ドリフトを低減させる効果が得ら
れる。
【0019】(実施例11)図1および図2には、検出
器の位置を調整するための移動手段として、伝達部材1
と平行に設けた複数本の支持棒5に検出器3、4の支持
片34、44を摺動自由に挿通させ、止めねじ6で所定
の位置に固定させるようにした実施例が示されている
が、前記支持棒5をねじ棒で構成して、一方の支持棒は
検出器3に螺合させて検出器4とは摺動するようにし、
他方の支持棒は検出器3を摺動自由に挿通して検出器4
と螺合させることにより、それぞれの支持棒の回転によ
り螺合する検出器の位置を調整できる。
【0020】(実施例12)検出器を歪伝達部材の軸方
向に移動させる手段の他の実施例として、図3には固定
部に支持され検出器3、4を囲むガイドケース7の内周
面にねじ71を設け、第1検出器3と第2検出器4をそ
れぞれ支持する環状の支持片34、44の外周面にねじ
35、45を設けて前記ガイドケース7のねじ71に螺
合させ、支持片34または44を回動させることによっ
て、検出器3または4を回動させて磁歪膜2b、2cと
の対向位置を調整するようにした移動装置が示されてい
るが、図11は別の実施例を示すもので、図3と同様の
トルクセンサーに適用した場合を示しており、第1検出
器3、第2検出器4を支持する支持片を省いている。第
1検出器3および第2検出器4のヨーク33、43の外
周にねじを設け、図示されていない固定部に支持された
ガイドケース7の内周面のねじ71にそれぞれ螺合させ
て、螺合位置によって歪伝達部材1の磁歪膜2q、2r
に対向させている。したがって、検出器を回動させるこ
とにより磁歪膜との対向位置を調整させることができ、
たとえば一方の第2検出器4を磁歪膜2rの位置に固定
させた状態で、他方の第1検出器3を図示しない治具な
どにより回動させることによって、第2検出器4を移動
させ、磁歪膜2qとの対向位置を調整させる。
【0021】(実施例13)また図12に示す移動手段
は、第2検出器4が歪伝達部材1の磁歪膜を有しない部
分のみに対向する場合に適用できる実施例を示すもの
で、ガイドケース8の内側に第1検出器3および第2検
出器4を所定の間隔で固定させて取り付け、歪伝達部材
1に取り付けたガイド9の外周面のねじに、ガイドケー
ス8の両端部分のねじを螺合させ、ガイドケース8を回
転させることによって第1検出器3と磁歪膜2との対向
位置を調整させることができる。
【0022】なお、図1、3、11に示された移動手段
は、前述の実施例に示すような各種の磁歪膜または溝を
設けた磁歪式センサーのいずれにも適用でき、図12の
移動手段は、磁歪膜を1か所に設けた磁歪式センサーに
適用することができる。
【0023】
【発明の効果】このように本発明によれば、歪伝達部材
の周囲に設けた検出器のうち少なくとも1個を、温度ド
リフトが小さくなる位置に調整して設置するようにして
おり、このため、前記検出器を磁歪膜との対向面が歪伝
達部材の磁歪膜を有する部分と磁歪膜を有しない部分に
またがる位置に設置し、あるいは磁歪膜の厚さや透磁率
あるいは組成を軸方向に次第に変化させて調整位置を選
択させ、透磁率の変化を調整するようにしており、各検
出電圧の温度特性が改善され、製造時に磁歪膜の厚さや
パターン形状がばらついていても、差動後の温度ドリフ
トを極めて小さくし、歪センサーの精度を向上させ得る
効果がある。また、磁歪膜に替えて、磁歪を有する歪伝
達部材に溝を設けた磁歪式センサーにおいても同様の効
果を得ることができる。なお、検出器を支持して、少な
くとも1個の検出器の位置を軸方向に調整する移動手段
をそなえることにより、検出器の歪伝達部材の磁歪膜と
の対向位置を確実容易に調整して温度ドリフトが小さく
なるようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明をそなえた張力センサーの実施例を示す
構成図である。
【図2】別の磁歪膜をそなえた張力センサーの実施例を
示す構成図である。
【図3】トルクセンサーとして構成した実施例を示す構
成図である。
【図4】磁歪膜の厚さを過大に示した張力センサーの概
略構成図である。
【図5】磁歪膜の厚さを過大に示したトルクセンサーの
概略構成図である。
【図6】磁歪膜の透磁率を変化させる装置の実施例を示
す概略図である。
【図7】磁歪膜の組成を変化させるための膜の構成を示
した実施例で、磁歪膜を過大に示し一部を断面にしてい
る。
【図8】磁歪膜の組成を変化させたトルクセンサーの構
成を示す実施例で、磁歪膜を過大に示し、一部を磁歪膜
の傾斜方向の断面にしてある。
【図9】異なる張力センサーに適用する例を示す実施例
で、一部を溝の傾斜方向の断面にしてある。
【図10】異なるトルクセンサーに適用する例を示す実
施例の概略構成図である。
【図11】他の移動手段をそなえたトルクセンサーの実
施例を示す構成図である。
【図12】さらに別の移動手段をそなえた張力センサー
の実施例を示す構成図である。
【図13】従来の磁歪式張力センサーの構成を示す説明
図である。
【図14】パターン形状に差が有る場合と無い場合のセ
ンサー温度と検出電圧の関係を示す特性曲線図である。
【符号の説明】
1、10 歪伝達部材 2 磁歪膜 2a、2b、2c、2d、2e、2f 磁歪膜 2h、2k、2n、2p、2q、2r 磁歪膜 20 スリット 21 Ni層 22 Ni−Fe層 23、23a、23b 溝 3 第1検出器 31 第1励磁コイル 32 第1検出コイル 33 ヨーク 34 支持片 4、4a 第2検出器 41 第2励磁コイル 42 第2検出コイル 43、43a ヨーク 44 支持片 5 支持棒 6 止めねじ 7、8 ガイドケース 9 ガイド 11 治具 12 ヒーター 71 ねじ

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面の少なくとも一部に磁歪膜を有する
    歪伝達部材と、励磁コイルと検出コイルをそなえて歪伝
    達部材を囲む少なくとも2個の検出器とを設け、前記検
    出器の少なくとも1個を前記磁歪膜に対向させ、前記磁
    歪膜と対向する少なくとも1個の検出器を、温度ドリフ
    トが小さくなる位置に調整して、歪伝達部材に加わる歪
    の値を、検出器のインピーダンス変化として検出するこ
    とを特徴とする磁歪式歪センサー。
  2. 【請求項2】 前記磁歪膜と対向する少なくとも1個の
    検出器を、歪伝達部材の磁歪膜を有する部分と磁歪膜を
    有しない部分にまたがって、温度ドリフトが小さくなる
    位置に調整して設置させる請求項1の磁歪式歪センサ
    ー。
  3. 【請求項3】 前記検出器の少なくとも1個が、軸方向
    に移動させる手段をそなえ、前記手段により磁歪膜との
    対向位置を、温度ドリフトを小さくする位置に調整して
    設置させる請求項1または2の磁歪式歪センサー。
  4. 【請求項4】 前記磁歪膜が、歪伝達部材の表面を囲ん
    で帯状に形成され、この磁歪膜を囲む検出器を設け、少
    なくとも前記検出器の1個を、磁歪膜に対して温度ドリ
    フトが小さくなる位置に調整して設置させる請求項1ま
    たは2または3の磁歪式歪センサー。
  5. 【請求項5】 前記磁歪膜が、歪伝達部材の表面を囲ん
    で帯状に形成され、その一方の端縁から他方の端縁に向
    かう複数個の平行なスリットをそなえ、この磁歪膜を囲
    む検出器を設け、少なくとも前記検出器の1個を、磁歪
    膜に対して温度ドリフトが小さくなる位置に調整して設
    置させる請求項1または2または3の磁歪式歪センサ
    ー。
  6. 【請求項6】 前記磁歪膜が歪伝達部材の表面を囲んで
    シェブロン状に形成され、この磁歪膜を囲む検出器を設
    け、少なくとも前記検出器の1個を、磁歪膜に対して温
    度ドリフトが小さくなる位置に調整して設置させる請求
    項1または2または3の磁歪式歪センサー。
  7. 【請求項7】 前記歪伝達部材に設けた少なくとも1つ
    の磁歪膜の厚さを、歪伝達部材の軸方向に次第に変化さ
    せ、この磁歪膜に対向して設けた検出器を、温度ドリフ
    トが小さくなる位置に調整して設置させる請求項1ない
    し6のいずれかの磁歪式歪センサー。
  8. 【請求項8】 前記歪伝達部材に設けた少なくとも1つ
    の磁歪膜の透磁率の大きさを、歪伝達部材の軸方向に次
    第に変化させ、この磁歪膜に対向して設けた検出器を、
    温度ドリフトが小さくなる位置に調整して設置さる請求
    項1ないし6のいずれかの磁歪式歪センサー。
  9. 【請求項9】 前記歪伝達部材に設けた少なくとも1つ
    の磁歪膜の組成を、歪伝達部材の軸方向に次第に変化さ
    せ、この磁歪膜に対向して設けた検出器を、温度ドリフ
    トが小さくなる位置に調整して設置させる請求項1ない
    し6のいずれかの磁歪式歪センサー。
  10. 【請求項10】 磁歪を有する材料で構成された歪伝達
    部材の表面の少なくとも一部に、その部分の軸方向に一
    方端から他方端に向かう複数個の平行な溝を設け、励磁
    コイルと検出コイルをそなえて歪伝達部材を囲む少なく
    とも2個の検出器をそなえ、前記検出器の少なくとも1
    個を前記溝に対向させ、前記溝に対向する少なくとも1
    個の検出器を、温度ドリフトが小さくなる位置に調整し
    て、歪伝達部材に加わる歪の値を、検出器のインピーダ
    ンス変化として検出することを特徴とする磁歪式歪セン
    サー。
  11. 【請求項11】 前記溝と対向する少なくとも1個の検
    出器を、溝との対向面が歪伝達部材の溝を設けた部分と
    溝を有しない部分にまたがって、温度ドリフトが小さく
    なる位置に調整して設置させる請求項10の磁歪式歪セ
    ンサー。
  12. 【請求項12】 前記検出器の少なくとも1個が、軸方
    向に移動させる手段をそなえ、前記手段により溝との対
    向位置を、温度ドリフトを小さくする位置に調整して設
    置させる請求項10または11の磁歪式歪センサー。
  13. 【請求項13】 前記溝が歪伝達部材の表面を囲んでシ
    ェブロン状に形成され、この溝を囲む検出器を設け、前
    記検出器の少なくとも1個を、温度ドリフトが小さくな
    る位置に調整して設置させる請求項10または11また
    は12の磁歪式歪センサー。
  14. 【請求項14】 前記歪伝達部材に設けた溝の深さを、
    歪伝達部材の軸方向に次第に変化させ、この溝に対向さ
    せた検出器の少なくとも1個を、温度ドリフトが小さく
    なる位置に調整して設置させる請求項10ないし13の
    いずれかの磁歪式歪センサー。
  15. 【請求項15】 前記歪伝達部材の溝を設けた部分の透
    磁率を、軸方向に次第に変化させ、この溝を囲む検出器
    を設け、前記検出器の少なくとも1個を、温度ドリフト
    が小さくなる位置に調整して設置させるている請求項1
    0または11または12の磁歪式歪センサー。
  16. 【請求項16】 前記歪伝達部材の溝を設けた部分の組
    成を、軸方向に次第に変化させ、この溝を囲む検出器を
    設け、前記検出器の少なくとも1個を、温度ドリフトが
    小さくなる位置に調整して設置させるている請求項10
    または11または12の磁歪式歪センサー。
  17. 【請求項17】 前記検出器を軸方向に移動させる手段
    が、歪伝達部材と平行に支持棒を設け、各検出器を前記
    支持棒に摺動可能に支持させ、それぞれの検出器の軸方
    向位置を調整して固定させるようにした請求項3または
    12の磁歪式歪センサー。
  18. 【請求項18】 前記検出器を軸方向に移動させる手段
    が、検出器の外側を囲むガイドケースをそなえ、ガイド
    ケースの内周面と検出器の外周部にねじを設けて螺合さ
    せ、検出器を回転させて検出器の軸方向位置を調整する
    ようにした請求項3または12の磁歪式歪センサー。
  19. 【請求項19】 前記検出器を軸方向に移動させる手段
    が、検出器の外側を囲むガイドケースをそなえ、各検出
    器を外周面で前記ガイドケースに取り付け、ガイドケー
    スの両端部の内周面と、歪伝達部材に取り付けたガイド
    の外周面にねじを設けて螺合させ、ガイドケースを回転
    させて検出器の軸方向位置を調整するようにした請求項
    3または12の磁歪式歪センサー。
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