JP4880323B2 - 定着装置 - Google Patents

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本発明は、定着面を備えた定着体と、前記定着面に向けて押圧される押圧面を備えた押圧体とを回動自在に設けて、前記定着面と前記押圧面との間に挟持した記録紙を、その記録紙の定着側紙面に担持させてある未定着トナーを定着させながら搬送可能に構成し、前記記録紙の定着側紙面が摺接可能な摺接面を備えた分離板を、前記摺接面が前記記録紙の搬送経路側に臨むように、記録紙搬送方向で前記定着体よりも下流側に設けて、前記記録紙を前記定着面から分離可能に構成してある定着装置に関する。
上記定着装置は、定着ニップ部を通過した記録紙部分の定着側紙面が定着面側に張り付くことによる紙詰まりの発生などを防止するために、定着側紙面が摺接可能な摺接面を備えた分離板を、摺接面が記録紙の搬送経路側に臨むように、記録紙搬送方向で定着体よりも下流側に設けて、定着側紙面が定着面に張り付いても、記録紙を定着面から分離できるように構成してあり、記録紙の定着側紙面を分離板の摺接面に摺接させるので、記録紙の定着処理枚数が増えるに伴って、定着側紙面の定着直後や未定着のトナーが摺接面に少しずつ付着し易く、長期使用のうちにトナーが摺接面に溜まって、摺接面に摺接した定着側紙面にそのトナーが付着して出力画像が汚れたり、記録紙の定着面からの分離性能が低下して紙詰まりが発生し易くなるなどの問題がある。
このため、従来の定着装置では、トナーが摺接面に溜まると、分離板全体を交換して、出力画像の汚れや紙詰まりの発生を防止しているが、分離板全体を交換することから、メンテナンスコストが高くなる問題がある。
そこで、このメンテナンスコストが高くなる問題を解決するために、摺接面を形成するシートの複数枚を、一枚ずつ剥離できるように分離板に積層しておき、トナーが摺接面に溜まると、そのトナーが摺接面に溜まっているシートを剥がして、下側のシートの摺接面を露出させることにより、分離板を交換することなく、安いメンテナンスコストで出力画像の汚れや紙詰まりの発生を防止する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−280440号公報
しかしながら、シートの複数枚を分離板に積層しておいて、トナーが摺接面に溜まると、そのシートを剥がして、出力画像の汚れや紙詰まりの発生を防止する技術は、シートを一枚剥がす毎に、摺接面と、定着面及び押圧面との相対位置が微妙に変化して、記録紙の定着面からの分離性能が低下し、紙詰まりが発生し易くなるおそれがある。
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであって、安いメンテナンスコストで、出力画像の汚れや紙詰まりの発生を防止できるようにしながら、記録紙の定着面からの分離性能も維持できるようにすることを目的とする。
本発明の第1特徴構成は、定着面を備えた定着体と、前記定着面に向けて押圧される押圧面を備えた押圧体とを回動自在に設けて、前記定着面と前記押圧面との間に挟持した記録紙を、その記録紙の定着側紙面に担持させてある未定着トナーを定着させながら搬送可能に構成し、前記記録紙の定着側紙面が摺接可能な摺接面を備えた分離板を、前記摺接面が前記記録紙の搬送経路側に臨むように、記録紙搬送方向で前記定着体よりも下流側に設けて、前記記録紙を前記定着面から分離可能に構成してある定着装置であって、前記分離板の表裏夫々に前記摺接面を設け、前記分離板を記録紙搬送方向に直交する方向に長い矩形帯板状に形成すると共に、当該分離板の取り付け基板を機枠側に固定し、前記取り付け基板に対する取り付け用ビスの嵌入孔を、前記分離板の長手方向両端部における幅方向中央位置に形成して、択一的に選択した前記摺接面を前記搬送経路側に臨ませて、その分離板を取り付け自在に構成してある点にある。
〔作用及び効果〕
分離板の表裏夫々に、記録紙の定着側紙面が摺接可能な摺接面を設けて、択一的に選択した摺接面を記録紙の搬送経路側に臨ませて、その分離板を取り付け自在に構成してあるので、一方の摺接面が記録紙の搬送経路側に臨むように分離板を取り付けておいて、その摺接面にトナーが溜まると、分離板を外して、トナーが溜まっていない他方の摺接面が記録紙の搬送経路側に臨むように分離板を取り付けることにより、安いメンテナンスコストで、出力画像の汚れや紙詰まりの発生を防止でき、しかも、摺接面と、定着面及び押圧面とが所定の相対位置になるように分離板を取り付けることができるので、記録紙の定着面からの分離性能も維持できる。
本発明の第2特徴構成は、前記摺接面の夫々を、前記未定着トナーに対する接着性が弱い材料で形成してある点にある。
〔作用及び効果〕
摺接面の夫々を、未定着トナーに対する接着性が弱い材料で形成してあるので、定着側紙面に残っている未定着トナーが摺接面に付着し難くなり、出力画像の汚れや紙詰まりの発生を長期に亘って防止できる。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明による定着装置Aを備えた電子写真式画像形成装置の一例としてのカラーレーザープリンタを示し、給紙トレイ1と排紙トレイ2とに亘る記録紙3の挟持搬送経路4に沿って、定着装置Aと複数の画像転写ユニットBとを設けてある。
前記定着装置Aは、図2に示すように、定着面5を外周面に形成してある定着体としての円筒状の定着ローラ6と、定着面5に向けて弾性的に押圧される押圧面7を外周面に形成してある押圧体としての円筒状の押圧ローラ8とを回動自在に設け、定着ローラ6と押圧ローラ8の内側の夫々にヒータ9を装着し、定着面5の温度を検出するサーミスタ10と、定着面5に付着している未定着トナーなどを除去するクリーニング装置11と、押圧面7をクリーニングするクリーニングローラ12とを設けてある。
そして、定着ローラ6の駆動回動で、定着面5と押圧面7との間に挟持した記録紙3を、その記録紙3の定着側紙面13に担持させてある未定着トナーを定着面5と押圧面7との間の定着ニップ部14で加圧加熱して定着させながら搬送可能に構成してある。
前記押圧ローラ8を挟んで記録紙搬送方向の前後位置に、定着ニップ部14を通過する記録紙3の搬送姿勢をその下面側から案内するガイド部材15を設け、定着ニップ部14を通過した記録紙部分の定着側紙面13が定着面5に張り付いたようなときに、その記録紙3を定着面5から分離可能な厚さ0.2mm程度のステンレス鋼製矩形帯板状の分離板16を、記録紙搬送方向で定着ローラ6よりも下流側に設けてある。
前記分離板16は、図3に示すように、記録紙3の定着側紙面13が摺接可能な矩形帯板状の二つの摺接面17を分離板16の長手方向に沿って備え、図4にも示すように、機枠側に固定してある取り付け基板18にその長手方向両端部をビス止めして、いずれか一方の摺接面17が記録紙3の挟持搬送経路4側に臨むように取り付けてある。
前記摺接面17は、未定着トナーに対する接着性が弱い材料、例えば、フッ素樹脂(テフロン)で形成してある厚さ0.1mm程度のシート19の二枚を、一方のシート19は分離板16の一側縁部に近接するように沿わせ、他方のシート19は分離板16の他側縁部に近接するように沿わせて、分離板16の表裏に貼着して、分離板16の表裏夫々に設けてある。
そして、取り付け用ビス20の嵌入孔21を、分離板16の長手方向両端部における幅方向中央位置に形成して、択一的に選択した摺接面17を定着ローラ6側に近接させて、かつ、記録紙3の挟持搬送経路4側に臨ませて、分離板16を取り付け基板18に取り付け自在に構成してある。
前記取り付け基板18は、補強リブ22と固定用舌片23とを側辺部に折り起こしてある平板状に形成してあり、定着ローラ6の外周面のうちの、記録紙3を挟持しない回動軸芯方向左右両側の非通紙領域に夫々接当させる左右一対の接当部24を設けて、各接当部24がその非通紙領域に接当するように機枠側に固定することにより、その取り付け基板18に固定した分離板16の一側縁部を定着面5から0.1〜1.0mm程度の一定間隔で離間させて取り付けることができるように構成してある。
〔第2実施形態〕
図5は、本発明による定着装置Aの別実施形態を示し、定着ニップ部14を通過した記録紙3の先端側がシート19の端部に引っ掛からないように、分離板16の表裏に貼着してある二枚のシート19の夫々を、分離板16の側縁部に沿わせ、かつ、その側縁部を一連に覆うように分離板16の表裏に亘って貼着して、摺接面17を分離板16の表裏夫々に設けてある。
その他の構成は第1実施形態と同様である。
〔第3実施形態〕
図6は、本発明による定着装置Aの別実施形態を示し、一枚のシート19を、分離板16の一側縁部に沿わせ、かつ、その一側縁部を一連に覆うように分離板16の表裏に亘って貼着して、二つの摺接面17を分離板16の表裏夫々に設けてある。
その他の構成は第1実施形態と同様である。
〔第4実施形態〕
図7は、本発明による定着装置Aの別実施形態を示し、未定着トナーに対する接着性が弱い材料、例えば、フッ素樹脂25を、分離板16の表裏両面に亘ってコーティングして、分離板16の表裏夫々に摺接面17を設けてある。
その他の構成は第1実施形態と同様である。
〔その他の実施形態〕
1.本発明による定着装置は、未定着トナーに対する接着性が弱い材料で形成してあるシートを、分離板の表面を覆うように巻き付けて、分離板の表裏夫々に摺接面を設けてあっても良い。
2.本発明による定着装置は、駆動回動自在な無端帯状体で定着体を構成して、その外周面側を定着面に形成してあっても良い。
3.本発明による定着装置は、駆動回動自在な無端帯状体で押圧体を構成して、その外周面側を押圧面に形成してあっても良い。
4.本発明による定着装置は、複写機やファックスなどの画像形成装置に装備するものであっても良い。
カラーレーザープリンタの内部を示す概略側面図 定着装置の側面図 (イ)要部の平面図,(ロ)要部の側面図 (イ)要部の平面図,(ロ)要部の側面図 第2実施形態を示す要部の断面図 第3実施形態を示す要部の断面図 第4実施形態を示す要部の断面図
3 記録紙
4 搬送経路
5 定着面
6 定着体
7 押圧面
8 押圧体
13 定着側紙面
17 摺接面
16 分離板
18 取り付け基板
20 取り付け用ビス
21 嵌入孔

Claims (2)

  1. 定着面を備えた定着体と、前記定着面に向けて押圧される押圧面を備えた押圧体とを回動自在に設けて、前記定着面と前記押圧面との間に挟持した記録紙を、その記録紙の定着側紙面に担持させてある未定着トナーを定着させながら搬送可能に構成し、
    前記記録紙の定着側紙面が摺接可能な摺接面を備えた分離板を、前記摺接面が前記記録紙の搬送経路側に臨むように、記録紙搬送方向で前記定着体よりも下流側に設けて、前記記録紙を前記定着面から分離可能に構成してある定着装置であって、
    前記分離板の表裏夫々に前記摺接面を設け
    前記分離板を記録紙搬送方向に直交する方向に長い矩形帯板状に形成すると共に、当該分離板の取り付け基板を機枠側に固定し、
    前記取り付け基板に対する取り付け用ビスの嵌入孔を、前記分離板の長手方向両端部における幅方向中央位置に形成して、択一的に選択した前記摺接面を前記搬送経路側に臨ませて、その分離板を取り付け自在に構成してある定着装置。
  2. 前記摺接面の夫々を、前記未定着トナーに対する接着性が弱い材料で形成してある請求項1記載の定着装置。
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