JP5854880B2 - シート給送装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、シート給送装置及び画像形成装置に関し、特に給送ローラにより送り出されるシートを1枚ずつ分離するシート分離部の構成に関するものである。
従来の画像形成装置においては、例えば電子写真画像形成方式を用いてシートに画像を形成するものがあり、このような画像形成装置は、給紙カセットに収納されたシートを画像形成部に向けて給送するためのシート給送装置を備えている。そして、このシート給送装置は、例えば分離パッド等の摩擦部材である分離部材を給送ローラに圧接させ、給送ローラと分離部材の圧接部にシートを通過させることによりシートの重送を防ぎ、シートを1枚ずつ給送するシート分離部を備えている。
さらに、このようなシート給送装置においては、特に厚紙や封筒等の剛性(こし)の強いシートを給送する際、シートを確実に分離することができるように分離部材の他に補助分離部材を設けるようにしたものがある(特許文献1及び2参照)。
図12は、このような従来のシート分離部を備えたシート給送装置の構成を示す図である。図12において、2は中板101に載置されたシートPを給送する給送ローラ、22は給送ローラ2の両側面に給送ローラ2と同軸上に設けられた給送コロ、21は分離部材である分離パッドである。この分離パッド21は、回動軸210aを支点として回動する分離パッドホルダ210の回動端に取り付けられており、この分離パッドホルダ210を分離パッドばね201によって給送ローラ側に付勢することにより、給送ローラ2又は給送コロ22に圧接する。3は搬送ローラ、31は搬送ローラ3と当接する搬送コロである。また、23は分離パッド21によるシートの分離を補助する補助分離部材であるサブパッドであり、このサブパッド23は図13に示すように分離パッド21の、シート給送方向と直交する幅方向の両側に配設されている。
そして、このような構成のシート給送装置において、給送ローラ2が回転すると、これに伴って中板101が上昇し、中板101に積載されたシートPが給送ローラ2に当接することにより、シートPが送り出されて分離パッド21に搬送される。ここで、このようにシートが送り出される際、例えば中板101から2枚のシートが給送ローラ2によって送り出される場合がある。
この場合、2枚のシートの先端が分離パッド21によってさばかれ、下側のシートの移動が阻止されて、図12に示すように、最上位シートP1が給送ローラ2により給送される。この後、最上位シートP1は給送ローラ2の回転によって搬送ローラ対3,31に達する。次に、給送ローラ2が所定量回転すると、図14の(a)及び(b)に示すように、給送コロ22が分離パッド21と共に最上位シートP1を挟持するようになる。そして、この後、最上位シートP1は給送コロ22と分離パッド21とにより挟持されつつ搬送ローラ対3,31による搬送力を受けて給送コロ22と分離パッド21とのニップ(圧接部)から引き抜かれるような状態で搬送される。
一方、分離パッド21によって捌かれて給紙されなかった2枚目のシートP2は分離パッド21上にその先端が載っている。このとき、分離パッド部の拡大図である図14の(c)に示すように、2枚目のシートP2は最上位シートP1によって給送方向の摺擦力を受ける。しかし、このときシート間の摩擦力より分離パッド21と2枚目のシートP2の摩擦力のほうが上回るため、2枚目のシートP2は、最上位シートP1によって連れ送りされず分離パッド21上に留まる。また、このときサブパッド部の拡大図である図14の(d)に示すように、サブパッド23は2枚目のシートP2の裏面に軽い力で当接して、分離動作を補助する。
一方、図15は従来のシート給送装置の、厚紙や封筒等の剛性が大きい(こしの強い)シートを給送するときの状態を示す図である。図15の(a)及び(b)は、剛性の強い最上位シートP1が給紙され、給送コロ22と分離パッド21のなすニップで挟持されつつ搬送されており、かつ2枚目のシートP2の先端部が分離パッド21上に載っている状態を示している。
このとき、剛性の強い最上位シートP1は搬送パスに沿って湾曲しているので、シートP1には元の形状に戻ろうとする曲げ応力が発生する。この曲げ応力は、分離パッド部の拡大図である図15の(c)に示すように2枚目のシートP2を介して分離パッド入り口ガイド部211に荷重Fsとして働く。なお、この分離パッド入り口ガイド部211は分離パッド21の端面にシートの先端が突入しないように分離パッドホルダ210に設けられたものであり、搬送面に対して分離パッド21よりも突出している。そして、この荷重Fsにより、分離パッドホルダ210は分離パッドばね201の付勢力に抗して押し下げられ、この結果、分離パッド21と給送コロ22との間隔が拡がる。
一方、2枚目のシートP2は最上位シートP1から給送方向の摺擦力を受ける。ここで、2枚目のシートP2と分離パッド入り口ガイド部211の摩擦係数はシート間の摩擦係数よりも小さいので、分離パッド入り口ガイド部211では最上位シートP1による2枚目のシートP2の連れ送りを防ぐことができない。さらに、最上位シートP1を搬送する際、分離パッド21と給送コロ22の間の間隔が拡がっているため、分離パッド21は強い力で2枚目のシートP2と当接することができず、分離パッド21の分離力は十分に発揮できない。
しかし、このように分離パッド21が押し下げられて給送コロ22との間隔が拡がったとき、サブパッド23は相対的に搬送面に突出し、図15の(d)に示すように2枚目のシートP2の裏面に当接する。これにより、分離パッド21による分離が補助され、2枚目のシートP2の最上位シートP1による連れ送り、又はニップから先端が突出するシートの連れ出しを防止することができる。このように分離パッド21の位置が給送コロ22と離れる方向に動き、分離パッド21の分離力が十分に発揮できなくなったときに、サブパッド23の効果が大きく現れる。
特開2008−213997号公報 特開平11−255363号公報
ところで、このようなサブパッドを備えた従来のシート給送装置において、例えばサブパッドの搬送面に対する突出量を小さく設定すると、分離補助能力が低下する。この結果、特に剛性の強いシートを給送する際、連れ出し量が大きくなったり、連れ送りが発生したりすることがあった。
しかし、サブパッドの搬送面に対する突出量を大きく設定すると、分離補助能力は向上するが、剛性の弱い薄紙等のシートを給送する際、シートがサブパッドと擦れることによりダメージを受けることがある。そして、このようにシートがダメージを受けると、画像の質が低下する恐れがある。
つまり、サブパッドの突出量に関しては、厚紙等の剛性の強いシートの連れ送りと、薄紙等の剛性の弱いシートへのダメージがトレードオフの関係にあり、同時に成り立たせることは困難である。さらに、近年、環境問題への配慮から紙資源の消費量削減が謳われており、今後開発されるシート給送装置として、従来のシートに加えてさらに薄いシートにも対応することが望まれている。
そこで、本発明は、このような現状に鑑みてなされたものであり、シートの連れ送り及びダメージの発生を防ぐことのできるシート給送装置及び画像形成装置を提供することを目的とするものである。
本発明は、シート給送装置において、シートを送り出す給送ローラと、前記給送ローラに圧接し、前記給送ローラにより送り出されるシートを分離する分離部材と、前記分離部材を前記給送ローラと圧接する方向に付勢する付勢部と、前記給送ローラのシート給送方向下流側に設けられた湾曲したシート搬送路と、前記分離部材の幅方向の両側に設けられ、前記シート搬送路に沿って湾曲しながら通過するシートにより前記分離部材が前記付勢部による付勢力に抗して押し下げられた際、シートと当接する補助分離部材と、前記補助分離部材の幅方向の両側に、前記補助分離部材よりも上方に突出するよう付勢して設けられてシートを支持すると共に、前記分離部材を押し下げながらシートが前記シート搬送路を通過する際、通過するシートにより押し下げられ、前記補助分離部材にシートが当接する位置に移動するリブ部材と、を備えたことを特徴とするものである。
本発明のように、補助分離部材の両側に、シートを支持すると共に通過するシートにより押し下げられ、補助分離部材にシートが当接する位置に移動するリブ部材を設けることにより、シートの連れ送り及びダメージの発生を防ぐことができる。
本発明の第1の実施の形態に係るシート給送装置を備えた画像形成装置の一例である電子写真方式のプリンタの概略構成を示す図。 上記シート給送装置の構成を説明する図。 上記シート給送装置に設けられたリブ部材の構成を説明する図。 上記シート給送装置の、剛性の強いシートの分離給送動作を説明する図。 上記シート給送装置の、剛性の弱いシートの分離給送動作を説明する図。 本発明の第2の実施の形態に係るシート給送装置の構成を説明する図。 上記シート給送装置の、剛性の強いシートの分離給送動作を説明する図。 上記シート給送装置の、剛性の弱いシートの分離給送動作を説明する図。 本発明の第3の実施の形態に係るシート給送装置の構成を説明する図。 上記シート給送装置の、剛性の強いシートの分離給送動作を説明する図。 上記シート給送装置の、剛性の弱いシートの分離給送動作を説明する図。 従来のシート給送装置の構成を説明する第1の図。 上記シート給送装置の構成を説明する第2の図。 上記シート給送装置の、剛性の弱いシートを分離給送する際の状態を説明する図。 上記シート給送装置の、剛性の強いシートを分離給送する際の状態を説明する図。
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて詳細に説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態に係るシート給送装置を備えた画像形成装置の一例である電子写真方式のプリンタの概略構成を示す図である。
図1において、1はプリンタ、1Aはプリンタ本体、1Bはプリンタ本体1Aに設けられ、電子写真方式により画像形成を行う画像形成部、1Cは画像形成部1BにシートPを給送するシート給送装置である。ここで、画像形成部1Bはトナー像を形成する感光体ドラム6、感光体ドラム6の表面を一様に帯電させる帯電ローラ61、現像スリーブ62等を備え、プリンタ本体1Aに着脱自在に装着されているプロセスカートリッジ60を備えている。また、レーザー露光装置4、感光体ドラム6に形成されたトナー像をシートPに転写する転写ローラ5等を備えている。
シート給送装置1Cは、プリンタ本体1Aに設けられた給紙トレイ10と、給紙トレイ10に上下方向に回動自在に設けられた中板101に積載収納されたシートPを給送する周面に切り欠き部2Aを有する半月状の給送ローラ2を備えている。このシート給送ローラ2は不図示の機構により間欠的に回転すると共に、給送ローラ2のシート給送方向と直交する幅方向の両側には給送ローラ2よりも小径の給送コロ22が同軸上に回転可能に設けられている。また、給送ローラ2により送り出されたシートPを分離するシート分離部1Dを備えている。
ここで、給送ローラ2は1回転制御により、不図示のバネによって給送ローラ側に付勢されている中板101から1枚ずつシートPを送り出すことができる。なお、給送ローラ2及び給送コロ22は不図示の支持部により回転自在に支持されている。また、図1において、Rは給送ローラ2のシート給送方向下流側に設けられた湾曲したシート搬送路、3、31はシート分離部54のシート搬送方向下流側に設けられた搬送ローラ及び搬送コロである。
シート分離部1Dは、給送ローラ2又は給送コロ22に圧接する分離部材である分離パッド21と、分離パッド21を給送ローラ2又は給送コロ22に圧接するように保持する分離パッドホルダ210を備えている。この分離パッドホルダ210は、分離パッド21よりもシート給送方向上流の回動軸210aによりプリンタ本体1Aに回動自在に支持されると共に、分離パッドばね201によって給送ローラ2に向けて付勢されている。
そして、この分離パッドホルダ210は、分離パッドばね201により、給送ローラ2によりシートを送り出すときは分離パッド21が給送ローラ2に圧接するように付勢される。また、給送ローラ2によりシートが送り出された後は、分離パッド21が給送コロ22に圧接するように付勢される。つまり、本実施の形態において、分離パッド21を給送ローラ2及び給送コロ22に圧接する方向に付勢する付勢部は、分離パッドホルダ210と分離パッドばね201とにより構成される。
次に、このような構成のプリンタ1における画像形成動作について説明する。トナーが転写されるシートPが給紙トレイ10の中板101上にセットされた後、プリント開始信号が入力されると、図示しない駆動ギア列によって駆動力を与えられ、給送ローラ2が1回転駆動されると共に、搬送ローラ3、感光体ドラム6等が駆動される。
ここで、給送ローラ2の軸2aには中板101の位置を規制する不図示の給紙カムが取り付けられており、給送ローラ2が回転すると、給紙カムも回転し、このような給紙カムの回転に連動して中板101は上方回動し、シートPを給送ローラ2に押し付ける。これにより、まず中板101上にセットされたシートPのうちの最上位シートP1が、給送ローラ2との摩擦により送り出される。
一方、給送ローラ2が回転すると同時に、分離パッドばね201によって付勢されている分離パッド21が給送ローラ2に圧接し、この分離パッド21により最上位シートP1が次のシートと分離される。これにより、最上位シートP1のみが搬送ローラ対3,31によって画像形成部1Bに搬送される。なお、給送ローラ2の1回転駆動終了直前には、給紙カムが中板101を給紙待機位置まで押し下げる。また、最上位シートP1が搬送ローラ対3,31に到達すると、給送ローラ2は、切り欠き部2AがシートP1に面する状態となってシートP1から離間すると共に、シートP1の重送を防ぐように給送コロ22に分離パッド21が当接する。
次に、シートP1が搬送ローラ対3,31により搬送されると、所定のタイミングでレーザー露光装置4が、帯電ローラ61によって表面が一様に帯電された感光体ドラム6にレーザー光を照射し、感光体ドラム6上に静電潜像を形成する。そして、この感光体ドラム6上の静電潜像は、現像スリーブ62が回転することにより現像され、トナー像として可視化される。この後、可視化された感光体ドラム6上のトナー像は転写ローラ5によりシートP1上に転写される。
次に、トナー像が転写されたシートP1は、加圧ローラ7と定着ローラ71とからなる定着装置1Eに搬送され、この定着装置1Eにおいて加熱、加圧されることにより、シートP1上にトナー像が永久定着される。そして、このように画像が定着された後、シートP1は排紙ローラ8と排紙コロ81に挟持、搬送され、排出積載トレイ80に排出される。
ところで、このシート給送装置1Cには、図2に示すように、分離パッド21によるシートの分離を補助する補助分離部材であるサブパッド23が分離パッド21の幅方向の両側に配設されている。
そして、この2つのサブパッド23の幅方向の両側にはリブ部材91が配設されている。ここで、このリブ部材91は、図3の(a)及び(b)に示すように、搬送面に対してサブパッド23の表面(上面)よりも上方に突出する位置と、サブパッド23の表面から突出しない位置の間で直線的に可動となっている。
なお、図3の(b)において、901はリブ部材91をサブパッド23の表面よりも上方に突出するよう付勢するバネ部材である。そして、このバネ部材901により、待機状態のとき、リブ部材91はサブパッド23の表面よりも上方に突出する第1位置に保持され、シートが給送される際は、このバネ部材901に抗してサブパッド23の表面から突出しない第2位置に移動する。
また、91aはリブ部材91の上面により構成されるリブ面であり、このリブ面91aはリブ部材91が第1位置に位置しているとき、給送コロ22の周面よりも上方に位置し、給送されるシートを支持する。ここで、この突出部を構成するリブ面91aのシート給送方向下流側にはリブ部材91が第1位置に位置しているとき、給送されるシートと当接する当接部を構成する突起面91bが設けられている。そして、リブ部材91が第1位置に位置しているとき、この突起面91bが給送されるシートと当接して押し下げられると、リブ部材91は第2位置に移動する。なお、本実施の形態において、給送ローラ2、分離パッド21及びサブパッド23はEPDMやエラストマーのような摩擦係数の高い弾性材料で形成される。
次に、このような構成のリブ部材91を備えたシート給送装置1Cの、剛性の強い厚紙等のシートPの分離給送動作について図4を用いて説明する。図4の(a)及び(b)は送り出されたシートPが、給送コロ22と分離パッド21の成す分離ニップよって挟持されつつ搬送ローラ対3,31によって分離ニップから引き抜かれているときの状態を示している。一方、分離パッド21によって捌かれた最上位シートP1の後続の2枚目のシートP2は分離パッド21上に、その先端が載っている。
このとき、剛性の強いシートPは湾曲したシート搬送路に沿って湾曲しているので、シートPには元の形状に戻ろうとする曲げ応力が発生する。その曲げ応力は、図4の(c)に示すようにシートPを介して分離パッド入り口ガイド部211に荷重Fsとして働く。なお、この分離パッド入り口ガイド部211は分離パッド21の端面にシートの先端が突入しないように分離パッドホルダ210に設けられたものであり、給送面に対して分離パッド21よりも突出している。そして、この荷重Fsにより、分離パッドホルダ210は分離パッドばね201の付勢力に抗して押し下げられ、この結果、分離パッド21と給送コロ22の間隔が拡がる。
一方、2枚目のシートP2は最上位シートP1から給送方向の摺擦力を受ける。ここで、2枚目のシートP2と分離パッド入り口ガイド部211の摩擦係数はシート間の摩擦係数よりも小さいので、分離パッド入り口ガイド部211では最上位シートP1による2枚目のシートP2の連れ送りを防ぐことができない。さらに、剛性の強いシートP1を給送する際、分離パッド21と給送コロ22の間の間隔が拡がっているため、分離パッド21は強い力で2枚目のシートP2と当接することができず、分離パッド21の分離力は十分に発揮できない。
ところで、このとき、図4の(d)に示すように、リブ部材91の突起面91bも、シートP1により押圧される。ここで、シートP1の剛性が強いため、突起面91bはバネ部材901の付勢力に抗して押圧方向に直線的に押し下げられる。このように突起面91bを介してリブ部材91が押し下げられることにより、突起面91bが押し下げられた分だけリブ面91aの位置がサブパッド23よりも給送面に対して低い位置となり、この結果、サブパッド23が給送面に露出する。そして、サブパッド23が給送面に露出すると、露出したサブパッド23はシートP2の裏面に当接する。これにより、分離パッド21による分離が補助され、2枚目のシートP2が最上位シートP1により連れ送りされるのを防止することができる。
次に、本実施の形態のシート給送装置1Cの、剛性の弱い薄紙等のシートPの分離給送動作について図5を用いて説明する。図5の(a)及び(b)はシートPが送り出された後、給送コロ22と分離パッド21の成す分離ニップよって挟持されつつ搬送ローラ対3,31によって分離ニップから引き抜かれているときの状態を示している。一方、分離パッド21によって捌かれた最上位シートP1の後続の2枚目のシートP2は分離パッド21上に、その先端が載っている。
このとき、剛性の弱いシートPはシート搬送路に沿って曲げられているが、大きな曲げ応力が発生することはない。このため、図5の(c)に示すように分離パッド21と給送コロ22の間隔が拡がることはない。従って、分離パッド21の分離力は低下せず、最上位シートP1による2枚目のシートP2の連れ送りを分離パッド21により防ぐことができる。
一方、リブ部材91は、最上位シートP1の大きな曲げ応力が発生しない場合、バネ部材901による付勢力により図5の(d)に示すように、サブパッド23の表面(上面)よりも上方に突出する第1位置から下がることはない。このため、最上位シートP1及び2枚目のシートP2はリブ面91aに支持されながら給送され、サブパッド23と当接することがない。このように、シートが薄紙であるときには、サブパッド23が当接することがなく、シートがサブパッド23からダメージを受けることはない。
以上説明したように、本実施の形態においては、サブパッド23の幅方向の両側に、リブ部材91をサブパッド23よりも上方に突出するよう付勢して設けている。そして、シートの剛性によって分離パッド21を押し下げながらシートがシート搬送路を通過する際には、通過するシートによりリブ部材91を押し下げて、サブパッド23にシートが当接する位置に移動させるようにしている。ここで、このようにシートの剛性によってリブ部材91の位置を変化させることにより、厚紙の連れ出しを防止すると共に、薄紙へのダメージの発生を防止することができる。
つまり、本実施の形態のように、サブパッド23の両側に、シートを支持すると共に通過するシートにより押し下げられ、サブパッド23にシートが当接する位置に移動するリブ部材を設けることにより、シートの連れ送り及びダメージの発生を防ぐことができる。
なお、リブ部材91を動かすシートの厚みあるいは剛性の強さの設定は、付勢力を発生させるバネ部材901の設定により調整可能である。また、本実施の形態においてサブパッド23はEPDMやエラストマーのような摩擦係数の高い弾性材料で形成しているが、シートの先端と当接してシートを係止するような段差形状、凸凹形状、爪形状等を有する樹脂からなる部材で構成しても良い。
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。図6は、本実施の形態に係るシート給送装置の構成を説明する図である。なお、図6において、既述した図3と同一符号は、同一又は相当部分を示している。
図6の(a)及び(b)において、92はリブ部材である。そして、本実施の形態において、このリブ部材92は、不図示のフレームに回動軸92cを支点として回動可能に設けられると共に、バネ部材902により付勢されている。そして、このバネ部材902により、待機状態のとき、リブ部材92はサブパッド23の表面よりも上方に突出する第1位置に保持され、シートが給送される際は、このバネ部材902に抗してサブパッド23の表面から突出しない第2位置に移動する。
また、このリブ部材92は、図6の(b)に示すように、リブ部材92が第1位置に位置しているとき、給送コロ22の周面よりも上方に位置し、給送されるシートを支持するリブ面92aを備えている。さらに、このリブ面92aのシート給送方向下流側にはリブ部材92が第1位置に位置しているとき、給送されるシートと当接する当接部を構成する突起面92bが設けられている。
そして、リブ部材92が第1位置に位置しているとき、この突起面92bが給送されるシートと当接して押し下げられると、リブ部材92は回動軸92cを中心に第2位置に移動する。なお、リブ部材92の回動軸92cは、突起面92bよりも給送方向下流側で、かつ分離パッド21側に配設されている。これにより、回動軸92cから突起面92bまでの距離よりも、回動軸92cからリブ面92aまでの距離を大きくとることができる。これにより、リブ部材92が回動する際に突起面92bの移動量に対してリブ面92aの移動量を大きくとることができる。
次に、このような構成のリブ部材92を備えたシート給送装置1Cの、剛性の強い厚紙等のシートPの分離給送動作について図7を用いて説明する。図7の(a)及び(b)は送り出されたシートPが、給送コロ22と分離パッド21の成す分離ニップよって挟持されつつ搬送ローラ対3,31によって分離ニップから引き抜かれているときの状態を示している。一方、分離パッド21によって捌かれた最上位シートP1の後続の2枚目のシートP2は分離パッド21上に、その先端が載っている。
このとき、剛性の強いシートPはシート搬送路によって湾曲しているので、シートPには元の形状に戻ろうとする曲げ応力が発生する。その曲げ応力は、図7の(c)に示すようにシートPを介して分離パッド入り口ガイド部211に荷重Fsとして働く。そして、この荷重Fsにより、分離パッドホルダ210は分離パッドばね201の付勢力に抗して押し下げられ、この結果、分離パッド21と給送コロ22の間隔が拡がる。
一方、2枚目のシートP2は最上位シートP1から給送方向の摺擦力を受ける。ここで、2枚目のシートP2と分離パッド入り口ガイド部211の摩擦係数はシート間の摩擦係数よりも小さいので、分離パッド入り口ガイド部211では最上位シートP1による2枚目のシートP2の連れ送りを防ぐことができない。さらに、剛性の強いシートP1を給送する際、分離パッド21と給送コロ22の間の間隔が拡がっているため、分離パッド21は強い力で2枚目のシートP2と当接することができず、分離パッド21の分離力は十分に発揮できない。
ところで、このとき、図7の(d)に示すように、リブ部材92の突起面92bも、シートP1により押圧される。ここで、シートP1の剛性が強いため、リブ部材92はバネ部材902の付勢力に抗して回動軸92cを中心として下方回動する。このように突起面92bを介してリブ部材92が下方回動することにより、下方回動分だけリブ面92aの位置がサブパッド23よりも給送面に対して低い位置となり、この結果、サブパッド23が給送面に露出する。そして、サブパッド23が給送面に露出すると、露出したサブパッド23はシートP2の裏面に当接する。これにより、分離パッド21による分離が補助され、2枚目のシートP2が最上位シートP1により連れ送りされるのを防止することができる。
次に、本実施の形態のシート給送装置1Cの、剛性の弱い薄紙等のシートPの分離給送動作について図8を用いて説明する。図8の(a)及び(b)はシートPが送り出された後、給送コロ22と分離パッド21の成す分離ニップよって挟持されつつ搬送ローラ対3,31によって分離ニップから引き抜かれているときの状態を示している。一方、分離パッド21によって捌かれた最上位シートP1の後続の2枚目のシートP2は分離パッド21上に、その先端が載っている。
このとき、剛性の弱いシートPはシート搬送路に沿って湾曲しているが、大きな曲げ応力が発生することはない。このため、図8の(c)に示すように分離パッド21と給送コロ22の間隔が拡がることはない。従って、分離パッド21の分離力は低下せず、最上位シートP1による2枚目のシートP2の連れ送りを分離パッド21により防ぐことができる。
一方、リブ部材92は、最上位シートP1の大きな曲げ応力が発生しない場合、バネ部材902による付勢力により図8の(d)に示すように、サブパッド23の表面(上面)よりも上方に突出する第1位置から下がることはない。このため、最上位シートP1及び2枚目のシートP2はリブ面92aに支持されながら給送され、サブパッド23と当接することがない。このように、シートが薄紙であるときには、サブパッド23が当接することがなく、シートがサブパッド23からダメージを受けることはない。
以上説明したように、本実施の形態においては、サブパッド23の幅方向の両側に、リブ部材92を、回動軸92cを中心として回動自在に設けている。そして、シートの剛性によって分離パッド21を押し下げながらシートがシート搬送路を通過する際には、通過するシートによりリブ部材92を回動させてサブパッド23にシートが当接する位置に移動させるようにしている。ここで、このようにシートの剛性によってリブ部材92の位置を変化させることにより、厚紙の連れ出しを防止すると共に、薄紙へのダメージの発生を防止することができる。
また、本実施の形態においては、既述したように回動軸92cから突起面92bまでよりも、回動軸92cからリブ面92aまでの距離を大きくとり、リブ部材92が回動する際に突起面92bの移動量に対してリブ面92aの移動量を大きくとるようにしている。これにより、シートの剛性に対して、敏感にリブ面92aの位置を変化させることができる。そして、このように構成することにより、例えばリブ面92aの位置に基づいて厚紙等の剛性の強いシートを機械的に検知する際、より敏感に剛性の強いシートを機械的に検出することができる。
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。図9は、本実施の形態に係るシート給送装置の構成を説明する図である。なお、図9において、既述した図3と同一符号は、同一又は相当部分を示している。
図9の(a)及び(b)において、93はリブ部材である。そして、本実施の形態において、このリブ部材93は、不図示のフレームに回動軸93cを支点として回動可能に設けられると共に、バネ部材902により付勢され、給送面に突出する位置に保持されている。そして、このバネ部材902により、待機状態のとき、リブ部材93はサブパッド23の表面よりも上方に突出する第1位置に保持され、シートが給送される際は、このバネ部材903に抗してサブパッド23の表面から突出しない第2位置に移動する。
また、このリブ部材93は、図9の(b)に示すように、リブ部材93が第1位置に位置しているとき、給送コロ22の周面よりも上方に位置し、給送されるシートを支持するリブ面93aを備えている。さらに、このリブ面93aのシート給送方向下流側にはリブ部材93が第1位置に位置しているとき、給送されるシートと当接する当接部を構成する突起面93bが設けられている。
そして、リブ部材93が第1位置に位置しているとき、この突起面93bが給送されるシートと当接して押し下げられると、リブ部材93は回動軸93cを中心に第2位置に移動する。なお、リブ部材93の回動軸93cは、突起面93bよりも給送方向下流側で、かつ分離パッド21側に配設されている。
また、図9において、931は検知部であるフォトインタラプタ、93dはリブ部材92の回動端部に延設されたセンサフラグである。そして、このフォトインタラプタ931は、センサフラグ93dの回動軌跡上に光軸が配置されており、リブ部材93が第1位置に位置しているとき、センサフラグ93dはフォトインタラプタ931の光軸を遮る位置にある。これにより、リブ部材93が回動すると、フォトインタラプタ931によりリブ部材93が動いたかどうか検知可能となっている。
次に、このような構成のリブ部材93を備えたシート給送装置1Cの、剛性の強い厚紙等のシートPの分離給送動作について図10を用いて説明する。図10の(a)及び(b)はシートPが送り出された後、給送コロ22と分離パッド21の成す分離ニップよって挟持されつつ搬送ローラ対3,31によって分離ニップから引き抜かれているときの状態を示している。一方、分離パッド21によって捌かれた最上位シートP1の後続の2枚目のシートP2は分離パッド21上に、その先端が載っている。
このとき、剛性の強いシートPはシート搬送路によって湾曲しているので、シートPには元の形状に戻ろうとする曲げ応力が発生する。その曲げ応力は、図10の(c)に示すようにシートPを介して分離パッド入り口ガイド部211に荷重Fsとして働く。そして、この荷重Fsにより、分離パッドホルダ210は分離パッドばね201の付勢力に抗して押し下げられ、この結果、分離パッド21と給送コロ22の間隔が拡がる。
一方、2枚目のシートP2は最上位シートP1から給送方向の摺擦力を受ける。ここで、2枚目のシートP2と分離パッド入り口ガイド部211の摩擦係数はシート間の摩擦係数よりも小さいので、分離パッド入り口ガイド部211では最上位シートP1による2枚目のシートP2の連れ送りを防ぐことができない。さらに、剛性の強いシートP1を給送する際、分離パッド21と給送コロ22の間の間隔が拡がっているため、分離パッド21は強い力で2枚目のシートP2と当接することができず、分離パッド21の分離力は十分に発揮できない。
ところで、このとき、図10の(d)に示すように、リブ部材93の突起面93bも、シートP1により押圧される。ここで、シートP1の剛性が強いため、リブ部材93はバネ部材902の付勢力に抗して回動軸93cを中心として下方回動する。そして、このようにリブ部材93が下方回動することにより、下方回動分だけリブ面93aの位置がサブパッド23よりも給送面に対して低い位置となり、この結果、サブパッド23が給送面に露出する。そして、このようにサブパッド23が給送面に露出すると、露出したサブパッド23はシートP2の裏面に当接する。これにより、分離パッド21による分離が補助され、2枚目のシートP2が最上位シートP1により連れ送りされるのを防止することができる。
次に、本実施の形態のシート給送装置1Cの、剛性の弱い薄紙等のシートPの分離給送動作について図8を用いて説明する。図11の(a)及び(b)はシートPが送り出された後、給送コロ22と分離パッド21の成す分離ニップよって挟持されつつ搬送ローラ対3,31によって分離ニップから引き抜かれているときの状態を示している。一方、分離パッド21によって捌かれた最上位シートP1の後続の2枚目のシートP2は分離パッド21上に、その先端が載っている。
このとき、剛性の弱いシートPはシート搬送路に沿って湾曲しているが、大きな曲げ応力が発生することはない。このため、図11の(c)に示すように分離パッド21と給送コロ22の間隔が拡がることはない。従って、分離パッド21の分離力は低下せず、最上位シートP1による2枚目のシートP2の連れ送りを分離パッド21により防ぐことができる。
一方、リブ部材93は、最上位シートP1の大きな曲げ応力が発生しない場合、バネ部材902による付勢力により図11の(d)に示すように、サブパッド23の表面(上面)よりも上方に突出する第1位置から下がることはない。このため、最上位シートP1及び2枚目のシートP2はリブ面93aに沿って搬送され、サブパッド23と当接することがない。このように、シートが薄紙であるときには、サブパッド23が当接することがなく、シートがサブパッド23からダメージを受けることはない。
ところで、本実施の形態において、剛性の強い厚紙等のシートPの分離給送を行う際、図10の(b)に示すようにセンサフラグ93dの位置はフォトインタラプタ931の光軸を遮らない位置になるため、フォトインタラプタ931はONになる。一方、剛性の弱い薄紙等のシートPの分離給送を行う際、図11の(b)に示すようにセンサフラグ93dの位置はフォトインタラプタ931の光軸を遮るようになるため、フォトインタラプタ931はOFFになる。
つまり、剛性の強い厚紙等のシートPの分離給送を行う際にはフォトインタラプタ931はONになり、剛性の弱い薄紙等のシートPの分離給送を行う際にはフォトインタラプタ931はOFFとなる。そして、このように構成することにより、フォトインタラプタ931のON・OFFに基づいてシートの種類を検知することができる。
以上説明したように、本実施の形態においては、リブ部材93にセンサフラグ93dを設け、このセンサフラグ93dをフォトインタラプタ931で検知することにより、給送されるシートが厚紙か、そうでないかを検知することができる。つまり、本実施の形態によれば、シートを給送する段階において、シートの厚みの検知が可能となる。
この結果、厚紙や薄紙それぞれに適した、転写バイアスの印加、加圧ローラ7と定着ローラ71の間に発生させる電圧のバイアス制御、定着ローラ71の温度制御、搬送ローラ3よりも下流に位置する加圧ローラ7や排紙ローラ8の速度等の制御が可能となる。この結果、より高画質の画像を形成することができる。
なお、これまでの説明においては、切り欠き部を有する給送ローラの両側に給送コロを備えた構成のシート給送装置について説明したが、本発明は、これに限らない。例えば、両側に給送コロを設けず、円筒形の給送ローラに分離パッド等の分離部材を圧接させてシートを分離給送するシート給送装置にも適用することができる。
1…プリンタ、1A…プリンタ本体、1B…画像形成部、1C…シート給送装置、1D…シート分離部、2…給送ローラ、2A…切り欠き部、10…分離パッドホルダ、21…分離パッド、22…給送コロ、23…サブパッド、91,92,93…リブ部材、91a,92a,93a…リブ面、91b,92b,93b…突起面、92c,93c…回動軸、93d…センサフラグ、201…分離パッドばね、901,902…バネ部材、931…フォトインタラプタ、P…シート、R…シート搬送路

Claims (9)

  1. シートを送り出す給送ローラと、
    前記給送ローラに圧接し、前記給送ローラにより送り出されるシートを分離する分離部材と、
    前記分離部材を前記給送ローラと圧接する方向に付勢する付勢部と、
    前記給送ローラのシート給送方向下流側に設けられた湾曲したシート搬送路と、
    前記分離部材の幅方向の両側に設けられ、前記シート搬送路に沿って湾曲しながら通過するシートにより前記分離部材が前記付勢部による付勢力に抗して押し下げられた際、シートと当接する補助分離部材と、
    前記補助分離部材の幅方向の両側に、前記補助分離部材よりも上方に突出するよう付勢して設けられてシートを支持すると共に、前記分離部材を押し下げながらシートが前記シート搬送路を通過する際、通過するシートにより押し下げられ、前記補助分離部材にシートが当接する位置に移動するリブ部材と、
    を備えたことを特徴とするシート給送装置。
  2. 前記リブ部材は、前記リブ部材が、前記補助分離部材よりも上方に突出する第1位置に位置するとき前記補助分離部材よりも上方に突出し、前記補助分離部材にシートが当接する第2位置に移動したとき前記補助分離部材よりも下方に位置する突出部、及び前記突出部よりもシート給送方向下流側に設けられ、前記リブ部材が前記第1位置に位置するとき給送されるシートと当接して押し下げられ、前記突出部を前記第2位置に移動させる当接部を有することを特徴とする請求項1記載のシート給送装置。
  3. 前記リブ部材は、前記第1位置及び前記第2位置に直線的に移動するよう支持されることを特徴とする請求項2記載のシート給送装置。
  4. 前記リブ部材は、前記突出部よりもシート給送方向下流側に設けられた回動軸を支点として前記第1位置及び前記第2位置に移動することを特徴とする請求項2記載のシート給送装置。
  5. 前記リブ部材にセンサフラグを設け、
    前記センサフラグを検知して前記リブ部材の移動を検知する検知部を備えたことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載のシート給送装置。
  6. 前記補助分離部材は、シートの先端を係止する段差形状又は爪形状を有していることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載のシート給送装置。
  7. 前記補助分離部材は、摩擦係数の高い弾性材料からなることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載のシート給送装置。
  8. 前記給送ローラと同軸上で、かつ前記給送ローラのシート給送方向と直交する幅方向の両側に回転可能に設けられ、前記給送ローラがシートから離間すると、シートと当接する給送コロを備え、
    前記分離部材は、前記給送ローラ又は前記給送コロに圧接して前記給送ローラにより送り出されるシートを分離することを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載のシート給送装置。
  9. 画像形成部と、前記画像形成部にシートを給送する請求項1乃至8の何れか1項に記載のシート給送装置と、を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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