JP4880244B2 - 切削装置 - Google Patents

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Description

本発明は,ダイシング装置などの切削装置に関し,特に,切削時に切削ブレードの外周部に付着したコンタミネーションを除去するためのコンタミネーション除去部材を備える切削装置に関する。
ダイシング装置等の切削装置を用いて,固体撮像素子用ガラス板を切断する場合,接着シートでカッティングテーブルに接着したガラス板を切削ブレードで固体撮像素子に適用可能な形状に切断する。切断時には加工精度を維持するために,切削ブレードに切削液を吹きつけて切削ブレードを冷却する。また,切削液は被加工物の切削粉や接着シートの切断片等の汚濁物(以下,「コンタミネーションまたはコンタミ」と言う)を加工点付近から除去している。
ところが,加工点付近に切削液を吹きつけるだけでは,切削ブレードの外周部に付着したコンタミを除去することができない。このような切削ブレードの外周部に付着したコンタミは,高速回転している切削ブレードと共に1回転して遠心力により被加工物の表面に強く叩きつけられて,被加工物の表面に付着する。したがって,被加工物の切削加工が完了した後に被加工物を洗浄しても,被加工物から付着したコンタミを除去できないので,生産性の歩留りが悪い,という問題があった。
特に,切削加工後のガラス板等の被加工物を固体撮像素子に使用する場合には,コンタミの付着は画像の不鮮明さに直接影響することから,付着量が少量でも不良品となる。
このような理由から,例えば,特許文献1に記載されているように,切削ブレードの外周の両側部に近接した位置に,板状のコンタミネーション除去部材を複数配置して,コンタミを被加工物の表面から離れた位置に搬出することが可能なダイシング装置が記載されている。
特開平5−121541号公報
しかしながら,切削ブレードの外周上ではコンタミを含んだ切削液が回流となっており,この回流により切削ブレードの外周部に付着したコンタミがブレードと共に1回転して被加工物の表面に付着してしまう。このような場合に,上記特許文献1に記載されたコンタミネーション除去部材では,切削ブレードの外周に接触させることはできないため,切削ブレードの外周上に存在する回流を完全に遮断させることはできず,結果的に切削ブレードの外周に付着したコンタミを剥離させて除去するには十分ではないことが現状であった。
そこで,本発明は,このような問題に鑑みてなされたもので,その目的は,切削ブレードの外周上におけるコンタミを含んだ切削液の回流を完全に遮断することにより,切削ブレードの外周部に付着したコンタミが切削ブレードと共に1回転して被加工物の表面に付着することを防止することが可能な,新規かつ改良された切削装置を提供することにある。
上記課題を解決するために,本発明のある観点によれば,被加工物を切削する切削ブレードと,切削ブレードの外周を覆うブレードカバーと,切削ブレードの一側面または両側面と対向配置されて切削ブレードに切削液を供給する切削液供給ノズルと,を備える切削装置が提供される。
上記切削装置において,前記ブレードカバーには,加工点における前記切削ブレードの回転方向側に,前記切削ブレードと対向配置されるコンタミネーション除去部材が設けられており,前記コンタミネーション除去部材は,前記切削ブレードの外周部を囲むように形成された溝部と,前記溝部に高さ方向に複数箇所配置され,前記加工点における前記切削ブレードの回転方向側の前記切削ブレードの外周の両側面に対して切削液を噴射する複数の切削液噴射口とを有し,前記切削液供給ノズルの支持部材と一体的に構成され,更に,前記コンタミネーション除去部材の内部には,隔壁で区切られた排出経路が形成されており,前記排出経路は,前記切削液噴射口からの切削液の噴射により,前記溝部に形成された隙間から前記コンタミネーション除去部材の内部に流入した切削液を,前記隔壁で受け止めて,前記コンタミネーション除去部材の外部に排出することを特徴としている。

上記溝部の形状は,例えば略コの字型,略円弧状等,特に限定はされないが,溝部を略V字形状に形成した場合には,噴射口から噴射された切削液が切削ブレードに当たって,溝部と切削ブレードとの間の空間に切削液が満たされた場合に,コンタミが溝部の壁面に衝突して後述する排出経路からコンタミネーション除去部材の外部に排出し易いと考えられるため,好ましい。
また,噴射口は,上記溝部に,切削ブレードの外周部の正面および背面に対して切削液を直接当てるように噴射することが可能なように設けられている。さらに,噴射口と切削ブレードとの距離は,1〜5mmの範囲になるようにすることが好ましい。1mm未満の場合には,噴射口から噴射された切削液が切削ブレードに衝突して跳ね返ってくることにより噴射口が詰まる場合があり,効果的に切削液を噴射することができないため,好ましくない。一方,5mmを超える場合には,切削液が切削ブレードに当たるときの水圧が弱くなり,回流遮断効果が十分に得られないと考えられるため,好ましくない。
このようにして切削ブレードの外周部に切削液を供給することによって,切削時に切削ブレードの外周上に存在するコンタミを含んだ切削液の回流を,切削ブレードに近接した位置から回流に対して切削液を直接噴射させて回流の流れを遮断させることができる。
また,噴射口から切削液が切削ブレードの正面と背面の回流に当たることによって渦流が発生し,切削液に含まれるコンタミが噴射口のある溝部に衝突しやすい状態となるので,コンタミの除去を促すこととなる。
さらに,切削液噴射口から供給された切削液により,溝部の壁面と切削ブレードとから形成される狭い空間が満たされりことになるため,この空間内に満たされた切削液によって回流が妨げられ,一層回流の遮断効果が高まる。
また,上記切削装置においては,コンタミネーション除去部材は,切削液供給ノズルの支持部材と一体的に構成されるようにしてもよい。
このように,従来のブレードクーラノズルが取り付けられた支持部材を改良し,コンタミネーション除去部材を取り付けることにより,コンタミネーション除去部材を設けるための余分なスペースをほとんど必要としないため,切削ブレードカバーの大きさを変えずにすむ。
また,上記切削装置においては,コンタミネーション除去部材の内部には,噴射口からの切削液の噴射により内部に流入した切削液を外部に排出する排出経路が形成されていてもよい。
かかる排出経路は,コンタミネーション除去部材の内部に形成された複数の隔壁と,コンタミネーション除去部材の上部とで区切られた空間として構成されている。
具体的には,切削ブレードの外周上で回流となっているコンタミを含んだ切削液は,切削液噴射口から噴射された切削液によって切削ブレードに接触した後に,切削液噴射口の周囲の溝部の壁面に接触して,排出経路を介してコンタミネーション除去部材の外部に排出される。このとき,コンタミネーション除去部材の内部に上記隔壁が設けられていることにより,コンタミネーション除去部材の内部に流入した切削液を受け止めて,周囲にコンタミを含んだ切削液を拡散しないようにさせることができる。
このように,切削液噴出口から切削ブレードの外周部(加工点における切削ブレードの回転方向側)に切削液を噴射して,切削ブレード外周上の回流を遮断することによって,コンタミを含んだ切削液は,切削ブレードと共に1回転せずに,コンタミ除去部材が配置された位置で,切削ブレード回転方向に排出される。
本発明によれば,切削時に切削ブレード外周上に存在するコンタミを含んだ切削液の回流を,切削ブレードに近接した位置から切削ブレードに対して切削液を直接噴射させて回流の流れを遮断させることにより,切削ブレードの外周部に付着したコンタミが切削ブレードと共に1回転して被加工物の表面に付着することを防止することが可能な切削装置を提供することができる。
以下に添付図面を参照しながら,本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお,本明細書及び図面において,実質的に同一の機能構成を有する構成要素については,同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
(第1の実施形態)
まず,図1に基づいて,本発明の第1の実施形態に係る切削装置の一例であるダイシング装置10の全体構成について説明する。なお,図1は,本実施形態に係るダイシング装置10を示す全体斜視図である。
図1に示すように,ダイシング装置10は,例えば,半導体ウェハなどの被加工物12を切削加工する切削手段である切削ユニット20と,被加工物12を保持する被加工物保持手段であるチャックテーブル15と,切削ユニット移動機構(図示せず。)と,チャックテーブル移動機構(図示せず。)とを備える。
切削ユニット20は,スピンドル(図示せず)に装着された切削ブレード22を備えている。この切削ユニット20は,切削ブレード22を高速回転させながら被加工物12に切り込ませることにより,被加工物12を切削して極薄のカーフ(切溝)を形成する。
また,チャックテーブル15は,例えば,その上面が略平坦な円盤状のテーブルであり,その上面に真空チャック(図示せず。)等を具備している。このチャックテーブル15上には,例えば,ウェハテープ13を介してフレーム14に支持された状態の被加工物12が載置される。チャックテーブル15は,かかる被加工物12を真空吸着して安定的に保持する。
切削ユニット移動機構は,切削ユニット20をY軸方向に移動させる。このY軸方向は,切削方向(X軸方向)に対して直交する水平方向であり,切削ユニット20内に延設されたスピンドルの軸方向と一致する。切削ユニット20をY軸方向に移動させることにより,切削ブレード22の刃先を被加工物12の切削位置(切削ライン)に位置合わせすることができる。また,切削ブレード22の交換作業等のメンテナンス時には,切削ユニット20をY軸正方向側(オペレータ側),即ち,ダイシング装置10の前面(正面)側に前進させて,切削ユニット20をオペレータが作業しやすい位置に配置することができる。さらに,この切削ユニット移動機構は,切削ユニット20をZ軸方向(垂直方向)にも移動させる。これにより,被加工物12に対する切削ブレード22の切り込み深さを調整することができる。
チャックテーブル移動機構は,切削加工時に,被加工物12を保持したチャックテーブル15を切削方向(X軸方向)に往復移動させて,被加工物12に対し切削ブレード22の刃先を直線的な軌跡で作用させる。
かかる構成のダイシング装置10は,高速回転する切削ブレード22を被加工物12に切り込ませながら,切削ユニット20とチャックテーブル15とを相対移動させることにより,被加工物12の格子状に配置された複数の切削ラインを切削する。これによって,被加工物12をダイシング加工して,複数のチップに分割することができる。
次に,図2に基づいて,本実施形態に係る切削ユニット20の構成について詳細に説明する。なお,図2は,本実施形態に係る切削ユニット20を示す左側面図(a)および正面図(b)である。
図2に示すように,切削ユニット20は,例えば,切削ブレード22と,スピンドル(図示せず)と,スピンドルハウジング(図示せず)と,ブレードカバーと,切削液供給ノズル(ブレードクーラノズル)28と,を主に備える。
切削ブレード22は,例えば,略リング形状を有する極薄の切削砥石である。かかる切削ブレード22は,例えば,フランジおよびナット(いずれも図示せず)などによって,スピンドルの先端部に装着される。本実施形態に係る切削ブレード22は,例えば,外周部に配される切削砥石部と,当該切削砥石部をスピンドルに軸着するための基体部とが一体構成されたハブブレードで構成されている。しかし,かかる例に限定されず,切削ブレード22は,所謂ワッシャーブレードで構成されており,その両側をフランジで挟持してナットで固定することによって,スピンドルに軸着される構成であってもよい。
また,スピンドルは,例えば,モータ(図示せず。)の回転駆動力を切削ブレード22に伝達するための回転軸であり,装着された切削ブレード22を例えば30,000rpmで高速回転させることができる。このスピンドルの大部分は,スピンドルハウジング(図示せず)に覆われているが,その先端部は,スピンドルハウジングから露出しており,かかる先端部に切削ブレード22等が装着される。なお,このスピンドルは,切削方向(X軸方向)と直交するY軸方向に延設されている。
また,スピンドルハウジングは,スピンドルの外周を覆うようにして設けられたハウジングである。このスピンドルハウジングは,内部に設けられたエアベアリング(図示せず。)等によって,スピンドルを回転可能に支持する。
また,本実施形態に係るブレードカバーは,切削ブレード22の外周を覆うようにして配設され,スピンドルハウジングの先端部に固定される。このブレードカバーは,切削ブレード22を保護するとともに,切削加工に伴う切削液や切削屑,破損したブレード片などが,切削ユニット20外部に飛散することを防止する。
具体的には,このブレードカバーは,ブレードカバー支持部24と,上部ブレードカバー26と,コンタミネーション除去部材30とから構成されている。上部ブレードカバー26およびコンタミネーション除去部材30は,ブレードカバー支持部24にネジ等により固定支持されている。上部ブレードカバー26は,切削ブレード22の上側(Z軸正方向側)に切削ブレード22を覆うように配設されている。なお,コンタミネーション除去部材30の詳細な構成については,後述する。
また,本実施形態に係るブレードカバーには,切削ブレード22の側面側から切削液を供給する一対の切削液供給ノズル(ブレードクーラノズル)28が設けられている。切削液供給ノズル28は,切削ブレード22の側面(切削ブレード22のY軸方向側の平坦面をいう)の下部に隣接して配設されており,後述する図6等で示すように,切削ブレード22の正面側および背面側と対向配置されている。なお,切削ブレード22の正面とは,スピンドルの軸方向先端側(Y軸正方向側)の側面であり,切削ブレード22の背面とは,スピンドルの軸方向奥側(Y軸負方向側)の側面である。かかる切削液供給ノズル28は,切削ブレード22の側面下部および加工点に向けて,切削液(例えば,切削水)を噴射する。このようにして切削液を供給することによって,切削ブレード22および加工点を冷却して,切削加工時に被加工物にチッピングが発生することを防止できる。
次に,図2および図3に基づいて,本実施形態に係る特徴的構成要素であるコンタミネーション除去部材30の外観構成について詳細に説明する。なお,図3は,本実施形態に係るコンタミネーション除去部材30の外観構成を示す斜視図である。
図2および図3に示すように,上記ブレードカバーには,切削ブレード22による被加工物の加工点Sにおける切削ブレード22の回転方向(図2(b)の矢印F方向)側,すなわち,図2(b)の矢印Fの方向側(X軸負方向側)に,コンタミネーション除去部材30が設けられている。このコンタミネーション除去部材30は,切削時に切削ブレード22の外周上を回流するコンタミの除去を目的としてブレードカバーに取り付けられており,例えば,ステンレス等の金属で形成された部材である。
また,コンタミネーション除去部材30は,基体部31の切削ブレード22と対向する側(X軸正方向側)に,切削ブレード22の外周部を覆うように略V字形状の溝部32が形成されている。さらに,この溝部32には,切削ブレード22の外周の両側面(切削ブレード22の外周の正面および背面)に対して切削液を噴射する複数の切削液噴射口34が形成されている。
さらに,本実施形態においては,上記切削液供給ノズル(ブレードクーラノズル)28は,コンタミネーション除去部材30の基体部31に取り付けられて支持されている。言い換えると,複数の噴射口34は,基体部31に取り付けられたブレードクーラノズル28と一体的に構成されており,着脱自在に構成されてはいない。具体的には,図2(b)等に示すように,基体部31の上部側(Z軸正方向側)に複数の噴射口34が形成され,基体部31の下部側(Z軸負方向側)にブレードクーラノズル28が取り付けられている。
このように,コンタミネーション除去部材30は,ブレードクーラノズル28が取り付けられた基体部31と,複数の噴射口34とを一体的に構成することにより,従来のブレードクーラノズルが取り付けられた支持部材(本実施形態に係る基体部31に相当)を改良し,この支持部材に溝部32や複数の噴射口34を形成するだけでよい。すなわち,本実施形態に係るコンタミネーション除去部材30を適用する際には,従来のブレードクーラノズルが取り付けられた支持部材の代わりにコンタミネーション除去部材30を設ければよい。したがって,コンタミネーション除去部材30を設けるための余分なスペースをほとんど必要としないため,切削ブレードカバーの大きさを変えずにすむ。
ここで,図4および図5に基づいて,溝部32および切削液供給口34の構成について詳細に説明する。なお,図4は,本実施形態に係るコンタミネーション除去部材30に形成された溝部32および切削液供給口34の構成を示す拡大斜視図であり,図5は,図3の切削ブレードおよびコンタミネーション除去部材のXY平面に平行な平面で切断した断面図であって,(a)は切削液の噴射方向を説明するための図であり,(b)は溝部32と切削ブレード22との距離を説明するための図である。
図4に示すように,溝部32は,基体部31の切削ブレード22と対向する側(X軸正方向側)に,略V字形状に形成されており,この溝部32の複数箇所(図4では3箇所)に,切削ブレード22の外周部の正面および背面に対して切削液を直接当てるように噴射することが可能な1対の噴射口34C,34D(以下,まとめて「噴射口34」という場合もある)が設けられている。この1対の噴射口34C,34Dは,図5(a)に示すように,切削ブレード22外周部の正面および背面に対して略垂直方向(略Y軸方向)から切削液を噴射できる位置に配置されており,高さ方向に複数箇所配置される。この噴射口34は,図4では合計6個設けられているが,噴射口34の数は特に限定はされず,切削条件によって自由に選択することができる。例えば,切削ブレード22の回転数を高くする場合には,回流の遮断効果をより高める必要があるため,噴射口34の数を多くすることが望ましい。
また,噴射口34と切削ブレード22との距離(図5(b)に示すL,L)は,1〜5mmの範囲になるようにすることが好ましい。L,Lが1mm未満となり,噴射口34と切削ブレード22との距離があまりに近くなり過ぎると,噴射口34から噴射された切削液が切削ブレード22に衝突して跳ね返ってくることにより噴射口34が詰まる場合があり,効果的に切削液を噴射することができないため,好ましくない。一方,L,Lが5mmを超えて,噴射口34と切削ブレード22との距離が遠くなりすぎると,切削液が切削ブレード22に当たるときの水圧が弱くなり,回流遮断効果が十分に得られないと考えられるため,好ましくない。
さらに,噴射口34から噴射する切削液の流量は,例えば,1対の噴射口34C,34Dを図4に示すように,高さ方向(Z軸方向)に3箇所設けた場合には,例えば,全体の流量を1.2L/分としたときに,下の段では0.5L/分,中段では0.4L/分,上の段では0.3L/分とすることが好ましい。このように,加工点に近い噴射口34ほど流量を多くして大量の切削液を噴射することにより,コンタミを含む切削液の回流を効果的に遮断することができる。
また,噴射口34が設けられる溝部32は,本実施形態においては略V字形状に形成されているが,その形状は特に限定はされず,例えば,略コの字形状,略円弧状等であってもよい。ただし,噴射口34から噴射された切削液が切削ブレード22に当たって,溝部32と切削ブレード22との間の空間に切削液が満たされた場合に,本実施形態に係る溝部32にように略V字形状に形成すると,コンタミが溝部32の壁面に衝突して後述する排出経路(図7等参照)からコンタミネーション除去部材30の外部に排出し易い,と推察される。なお,本実施形態に係る溝部32は,溝の奥側(X軸負方向側)が閉じられた構造となっているが,このような場合に限られず,溝の奥側が開放されて溝部32が基体部31に貫通形成されている場合であってもよい。
次に,図2および図6に基づいて,本実施形態に係るコンタミネーション除去部材30の内部に形成された切削液の供給経路について説明する。なお,図6は,本実施形態に係るコンタミネーション除去部材30内部に形成された切削液の供給経路を示す斜視図である。
図2および図6に示すように,切削ブレード22の外周上の回流を遮断するために切削ブレード22外周部の正面および背面に噴射される切削液のノズルは,切削液を噴射する例えば略円形の噴射口34C,34D(図4ではそれぞれ3箇所ずつ)と,この噴射口34C,34Dに連通される流路362C,362Dとを有する。噴射口34は,上述したように,基体部31の切削ブレード22と対向する側に形成された溝部32に,切削ブレード22外周部の正面および背面に対して略垂直方向から切削液を噴射できる位置に配置されている。また,流路362C,362Dは,一方が噴射口34に連通しており,他方が,基体部31の奥側(X軸負方向側)の上部に設けられてホース連結部37(図2参照)が設置される凹部36C,36Dに連通している。この流路362C,362Dは,凹部36C,36Dの底面から垂直方向下方(Z軸負方向)に向かって延び,所定の高さ(例えば,下段の噴出口34がある高さ)の位置で折曲し,水平方向(X軸正方向)に延設されている。流路362C,362Dは,さらに,所定の位置で複数箇所(図6では3箇所)ある噴射口34に連通するように分岐している。
また,ホース連結部37には,コンタミネーション除去部材30の外部に設けられた切削液供給手段(図示せず)に連通された給液ホース(図示せず)が連結される。かかる構成により,切削液供給手段から給液ホースを介して供給された切削液は,基体部31の内部に形成された流路362C,362Dを通り,噴射口34から切削ブレード22外周部の正面および背面,より詳しくは,加工点Sにおける切削ブレード22の回転方向F側の切削ブレード22の外周面に向けて噴射される。
このようにして切削液を供給することによって,切削時に切削ブレード22の外周上に存在するコンタミを含んだ切削液の回流を,切削ブレード22に近接した位置から回流に対して切削液を直接噴射させて回流の流れを遮断させることができる。また,噴射口34から切削液が切削ブレード22の正面と背面の回流に当たることによって渦流が発生し,切削液に含まれるコンタミが噴射口34のあるV字形状の溝部32に衝突しやすい状態となるので,コンタミの除去を促すこととなる。さらに,1対の噴射口34があるエリアを複数設けることによって回流遮断効果をより高めることができる。加えて,供給された切削液は,溝部32の壁面と切削ブレード22とから形成される狭い空間を満たすことになるため,一層回流の遮断効果が高まる。
また,切削液噴射ノズル28は,切削液を噴射する噴射口(図示せず)と,この噴射口に連通される流路362A,362Bとを有する。この流路362A,362Bは,基体部31の内部に形成され,凹部36C,36Dよりもさらに奥側(X軸負方向側)に形成された凹部36A,36Bの底面から垂直方向下方に向かって延び,所定の位置で折曲した後,切削ブレード22の下部に沿って水平方向に延設されている。この切削液供給ノズル28の水平部分には,例えばスリット状または微細孔状の噴射口(図示せず)が複数形成されている。
また,凹部36A,36Bにもホース連結部37が設置され,コンタミネーション除去部材30の外部の切削液供給手段から給液ホースを介して供給された切削液は,基体部31の内部に形成された流路362A,362Bを通り,噴射口から切削ブレードの外周面に向けて噴射される。
このようにして切削液を供給することによって,切削ブレード22および加工点を冷却して,切削加工時に被加工物12にチッピングが発生することを防止できる。
次に,図7に基づいて,本実施形態に係るコンタミネーション除去部材30の内部に形成された排出経路39について説明する。なお,図7は,本実施形態に係るコンタミネーション除去部材30内部に形成された切削液の排出経路39を示す断面斜視図である。
図7に示すように,コンタミネーション除去部材30の基体部31の内部には,水平方向(切削ブレード22の切削方向,すなわちX軸方向)に延設された3つの隔壁38が配設されている。そして,排出経路39は,上記3つの隔壁38および基体部31の上部(図7の略クの字上の部分)により区切られた空間として構成されている。なお,上記基体部31の上部,上段の隔壁38および中段の隔壁38の切削ブレード22と対向する側に上述した溝部32が形成されている。基体部31の溝部32が形成されていない部分については,隙間(開口部)となっており,ここからコンタミを含んだ切削液が外部に排出される。
具体的には,切削ブレード22の外周上で回流となっているコンタミを含んだ切削液は,噴射口34から噴射された切削液によって切削ブレード22に接触した後に,噴射口34の周囲の略V字形状の溝部32の壁面に接触して,図7の矢印で示すように,溝部32の上または下にある隙間を通って,基体部31の内部の空間,すなわち排出経路39を介してコンタミネーション除去部材の外部に排出される。このとき,基体部31の内部に隔壁38が設けられていることにより,上記隙間から流入した切削液を受け止めて,周囲にコンタミを含んだ切削液を拡散しないようにさせることができる。
さらに,図示していないが,この排出経路39の下流側(X軸負方向側)に,流された切削液を強制的に吸引する吸引機構を設けて,切削液を回収することも可能である。このように構成することにより,コンタミが排出され易くなるため,切削ブレード22の外周上の回流により被加工物の表面に付着しにくくなる。
以上,添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが,本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば,特許請求の範囲に記載された範疇内において,各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり,それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば,上述した実施形態では,切削装置としてダイシング装置10の例を挙げて説明したが,本発明はかかる例に限定されない。例えば,スピンドル25により高速回転する切削ブレード22を用いて被加工物12を切削加工する装置であれば,例えば,ダイシング加工以外の切削加工を行う各種の切削装置であってもよい。
また,上述した実施形態では,噴射口34の形状が略円形状である例を挙げて説明したが,本発明はかかる例に限定されない。切削ブレード22外周部の正面および背面に切削液を噴射して回流を遮断できるものであれば,例えば,噴射口の形状は略矩形状,スリット状などであってもよい。
また,上述した実施形態では,コンタミネーション除去部材30の材質はステンレス等の金属であったが,本発明はかかる例に限定されず,プラスチック等の合成樹脂など任意の材質であってもよい。
本発明は,ダイシング装置などの切削装置に適用可能であり,特に,切削時に切削ブレードの外周部に付着したコンタミネーションを除去するためのコンタミネーション除去部材を備える切削装置に適用可能である。
本発明の第1の実施形態に係るダイシング装置を示す全体斜視図である。 同実施の形態における切削ユニットの構成を示しており,(a)は左側面図であり,(b)は正面図である。 同実施の形態における切削ブレードおよびコンタミネーション除去部材の外観構成を示す斜視図である。 同実施の形態におけるコンタミネーション除去部材に形成された溝部および切削液供給口の構成を示す拡大斜視図である。 図3の切削ブレードおよびコンタミネーション除去部材のXY平面に平行な平面で切断した断面図である。 同実施の形態におけるコンタミネーション除去部材内部に形成された切削液の供給経路を示す斜視図である。 同実施の形態におけるコンタミネーション除去部材内部に形成された切削液の排出経路を示す断面斜視図である。
符号の説明
10 ダイシング装置
20 切削ユニット
22 切削ブレード
28 切削液供給ノズル
30 コンタミネーション除去部材
32 溝部
34 切削液噴射口
38 隔壁
39 排出経路

Claims (1)

  1. 被加工物を切削する切削ブレードと,前記切削ブレードの外周を覆うブレードカバーと,前記切削ブレードの一側面または両側面と対向配置されて前記切削ブレードに切削液を供給する切削液供給ノズルと,を備える切削装置において:
    前記ブレードカバーには,加工点における前記切削ブレードの回転方向側に,前記切削ブレードと対向配置されるコンタミネーション除去部材が設けられており,
    前記コンタミネーション除去部材は,前記切削ブレードの外周部を囲むように形成された溝部と,前記溝部に高さ方向に複数箇所配置され,前記加工点における前記切削ブレードの回転方向側の前記切削ブレードの外周の両側面に対して切削液を噴射する複数の切削液噴射口とを有し,前記切削液供給ノズルの支持部材と一体的に構成され,
    更に,前記コンタミネーション除去部材の内部には,隔壁で区切られた排出経路が形成されており,前記排出経路は,前記切削液噴射口からの切削液の噴射により,前記溝部に形成された隙間から前記コンタミネーション除去部材の内部に流入した切削液を,前記隔壁で受け止めて,前記コンタミネーション除去部材の外部に排出することを特徴とする切削装置。
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