JP4878076B2 - スロットマシン - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、通常遊技よりメダル獲得枚数期待値の大きい特定遊技を行っているときに、遊技者に対し、特別役に当選しているか否かの期待感を与えることができるスロットマシンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、通常遊技時に特別役に当選し、特別役の図柄の組合せが有効ラインに停止することにより特別役が入賞したことを条件として、遊技者にとって有利となる特別遊技に移行させるものが知られている。この特別遊技では、多くのメダル獲得が期待できるようになる。
【0003】
さらに、特別遊技の終了後は、通常遊技に移行させるものの他、通常遊技よりメダル獲得枚数期待値の大きい特定遊技に移行させるものが知られている。
特定遊技の一例としては、小役の当選を遊技者に報知することにより、当選した小役の入賞率を通常遊技時より高めることで、通常遊技よりメダル獲得枚数期待値を大きくしたものが知られている。また、特定遊技の終了条件としては、例えば特別役(ビックボーナス)に当選したときや、遊技回数が予め定められた規定回数に到達したことが挙げられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前述の従来の技術では、以下の問題がある。
通常遊技中には、遊技者は、各種の演出の出現頻度等によって、特別役に当選しているか否かを推測しつつ遊技を行うことができる。しかし、特定遊技中は、特別役(ビックボーナス)に当選すると、その時点で特定遊技が終了してしまうので、遊技者は、直ちに特別役に当選していることを知ってしまう。一方、特定遊技が継続しているということは、特別役に当選していないことを意味してしまう。このため、特定遊技中は、特別役に当選しているか否かの期待感を遊技者に与えることができないという問題がある。
【0005】
また、メダルの増加が期待できる特定遊技に移行した後、すぐに特別役に当選して特定遊技が終了してしまう場合があった。このときは、すぐに特別遊技に移行することができ、特別遊技にて多くのメダル獲得が期待できることは確かである。しかし、特定遊技を規定回数だけ継続することによって、特定遊技で本来獲得できるはずのメダルが獲得できないことにもなる。このため、特定遊技に移行した後、すぐに特別役に当選して特定遊技が終了してしまうと、損をした印象を遊技者に与えてしまうという問題がある。
【0006】
したがって、本発明が解決しようとする課題は、特定遊技中に、遊技者に対し、特別役の当選の期待を与えることができるようにすることである。
また、特定遊技中に特別役に当選したときであっても、特定遊技で得られる利益を確保可能にすることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以下の解決手段によって、上述の課題を解決する。
(請求項1)
請求項1の発明は、役の抽選を行う役抽選手段と、前記役抽選手段の抽選結果と、ストップスイッチの操作タイミングとに基づいて、リールの停止位置を決定するとともに、その決定された位置にリールを停止制御するリール停止制御手段と、前記役抽選手段による役の抽選で特別役に当選し、特別役の図柄の組合せが有効ラインに停止することにより特別役が入賞したことを条件として、遊技者にとって有利となる特別遊技に移行させ、特別遊技を行わせる特別遊技実行手段と、所定の条件を満たしたときに、通常遊技時よりリプレイの当選確率を高く設定した特定遊技に移行させ、特定遊技を行わせる特定遊技実行手段と、前記役抽選手段で特別役に当選した後、特別役が入賞するまで、特別役の当選を持ち越すようにする特別役当選持越し手段とを備え、前記特定遊技実行手段は、特定遊技に移行すると、特定遊技の遊技回数が所定回数に到達するか、又は特定遊技中に前記役抽選手段による役の抽選で特別役に当選したときには特別役が入賞するまで、特定遊技を継続するように制御し、かつ、特定遊技の遊技回数が所定回数に到達するか、又は特別役が入賞すると、特定遊技を終了するように制御し、リールの停止時の図柄の組合せとして、特別役に当選していないことを意味する図柄の組合せであるハズレ目と、必ずしも特別役に当選していることを意味するものではないが、特別役の当選可能性を有することを意味する図柄の組合せであるチャンス目と、特別役に当選していることを意味する図柄の組合せであるリーチ目とを有し、前記リール停止制御手段は、通常遊技において、前記役抽選手段による役の抽選で特別役に当選していないときは、前記ハズレ目又は前記チャンス目を出現させるとともに前記リーチ目を出現させないように制御し、前記役抽選手段による役の抽選で特別役に当選しているときは、前記チャンス目又は前記リーチ目を出現させるとともに前記ハズレ目を出現させないように制御し、前記特定遊技実行手段により特定遊技を実行している場合において、前記役抽選手段による役の抽選で特別役に当選していないときは、前記チャンス目を出現させるとともに前記ハズレ目及び前記リーチ目を出現させないように制御し、前記役抽選手段による役の抽選で特別役に当選しているときは、前記チャンス目又は前記リーチ目を出現させるとともに前記ハズレ目を出現させないように制御することにより、特定遊技中は、特別役の当選の有無にかかわらず、ハズレ目を出現させないようにして、特別役に当選していないときであっても特別役に当選していないことが遊技者にわからないようにし、前記特定遊技実行手段により特定遊技を実行している場合において、前記役抽選手段による役の抽選でリプレイに当選したときは、前記特別役当選持越し手段により特別役の当選を持ち越しているときであっても、当選したリプレイの入賞を優先することで、特別役の入賞率が低くなるように制御することを特徴とする。
【0008】
請求項1の発明においては、特別役の入賞により、遊技者にとって有利な特別遊技に移行する。また、所定の条件を満たしたとき、例えば特別遊技の終了後に一定条件下で、通常遊技時よりリプレイの当選確率の高い特定遊技に移行する。この特定遊技は、通常遊技時よりメダル獲得枚数期待値が大きくなる遊技、例えばメダル所有枚数を減らすことなく継続できる遊技や、所定の割合でメダルが増加していく遊技である。また、この特定遊技は、特定遊技の遊技回数が所定回数に到達するか、又は特定遊技中に特別役に当選したときには特別役が入賞するまで、継続される。
【0009】
したがって、特定遊技中に特別役に当選したときでも、特定遊技を継続して行うことが可能となる。特に、遊技者は、特定遊技中に特別役に当選していることを知った場合であっても、その特別役が入賞しないように操作しつつ特定遊技を継続することができる。これにより、特別役の当選の状態を維持しつつ、例えば特定遊技で定められた上限遊技回数まで遊技を行うことで、特定遊技で得られる利益を確保することができる。
【0010】
また、特定遊技中の特別役に当選していない遊技では、特別役に当選していないことを意味する図柄の組合せであるハズレ目、及び特別役に当選していることを意味する図柄の組合せであるリーチ目は出現せず、必ずしも特別役に当選していることを意味するものではないが、特別役の当選可能性を有することを意味する図柄の組合せであるチャンス目が出現する。
一方、特定遊技中の特別役に当選している遊技では、ハズレ目は出現せず、チャンス目、又はリーチ目が出現する。
これにより、特定遊技中は、特別役の当選の有無にかかわらず、ハズレ目が出現しないので、特別役に当選していないときであっても、特別役に当選していないことが遊技者にわからない。
さらにまた、通常遊技中の特別役に当選していない遊技では、リーチ目は出現せず、ハズレ目、又はチャンス目が出現する。
これに対し、通常遊技中の特別役に当選している遊技では、ハズレ目は出現せず、チャンス目、又はリーチ目が出現する。
【0011】
したがって、特定遊技中は、リールの停止時の図柄の組合せによっても特別役に当選しているか否かの判断が困難になる。これにより、特定遊技中は、特別役の当選の期待を遊技者に与えつつ、遊技を行うことができる。
さらに、特定遊技では、リプレイの当選確率が高くなることから、リプレイの入賞率が高まるので、結果として、特別役の当選を持ち越しているときの特別役の入賞率が低くなる。
【0012】
(請求項2)
請求項2の発明は、請求項1に記載のスロットマシンにおいて、前記役抽選手段は、前記特定遊技実行手段により特定遊技を実行している場合において、前記特別役当選持越し手段により特別役の当選を持ち越しているときであっても、特別役が入賞するまでは、特別役を含めた役の抽選を継続し、前記特別役当選持越し手段は、特別役の当選を持ち越している特定遊技中に再度特別役に当選したときは、最初に当選した特別役及び再度当選した特別役の双方を持ち越すようにすることを特徴とする。
【0013】
請求項2の発明においては、特別役の当選が持ち越されているときであっても、特別役を含めて役の抽選が行われる。この場合において、再度特別役に当選したときは、最初に当選した特別役、及び再度当選した特別役の双方が持ち越される。
【0014】
したがって、特定遊技の遊技回数が多い場合であっても、特別役の当選の機会が確保されるので、遊技者の利益を損ねることがなくなる。また、通常遊技時よりもメダル獲得枚数期待値の大きい特定遊技を行いつつ、特別役の複数回の当選を期待することができる。
【0015】
(請求項3)
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載のスロットマシンにおいて、特別役の当選を報知する特別役当選報知手段と、前記特定遊技実行手段により特定遊技を実行している場合において、前記役抽選手段による役の抽選で特別役に当選しているときは、前記特別役当選報知手段による報知を中止する当選報知中止手段とを備えることを特徴とする。
【0016】
請求項3の発明においては、例えば通常遊技中に特別役に当選したときは、特別役当選報知手段により、特別役の当選が遊技者に報知される。しかし、特定遊技中に特別役に当選したときは、その当選の報知が中止される。
したがって、特定遊技中には特別役の当選を遊技者に知らせないようにし、例えば特定遊技の終了後に報知することにより、特定遊技中には、遊技者に対し、特別役の当選の期待を与えておくことができる。
【0017】
(請求項4)
請求項4の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のスロットマシンにおいて、それぞれ各役の当選確率を定めた第1抽選テーブル及び第2抽選テーブルを備え、前記第2抽選テーブルは、少なくとも1種類の役の当選確率が前記第1抽選テーブルより高く設定されており、前記役抽選手段は、通常遊技時には前記第1抽選テーブルを用いて役の抽選を行うとともに、前記特定遊技実行手段により特定遊技を実行しているときは前記第2抽選テーブルを用いて役の抽選を行うことを特徴とする。
【0018】
請求項4の発明においては、特定遊技中は、少なくとも1種類の役の当選確率が通常遊技で用いられる第1抽選テーブルより高く設定された第2抽選テーブルを用いて役の抽選が行われる。
したがって、第1抽選テーブルより当選確率が高く設定された役の入賞率を高めることで、特定遊技でのメダル獲得枚数期待値を大きくすることができる。また、その役の入賞率を高めることで、結果として、特別役に当選しているときの特別役の入賞率を低くすることができる。
【0019】
(請求項5)
請求項5の発明は、請求項4に記載のスロットマシンにおいて、前記第2抽選テーブルでのいずれかの役に当選する確率は、いずれの役にも当選しない確率より高く設定されていることを特徴とする。
【0020】
請求項5の発明においては、特定遊技中に第2抽選テーブルが用いられることで、特定遊技中は、いずれかの役に当選する確率の方がいずれの役にも当選しない確率より高くなる。すなわち、いずれの役も入賞しない遊技より、いずれかの役が入賞する遊技の方が多くなる。
したがって、特定遊技中は、いずれの役も入賞しない遊技回数を少なくすることができる。よって、特別役に当選しているときの特別役の入賞率を低くすることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面等を参照して、本発明の一実施形態について説明する。
図1は、本発明によるスロットマシンの一実施形態の概略を示すブロック図である。
スロットマシン10の遊技制御手段60は、スロットマシン10の遊技の進行や演出等を含むスロットマシン10全体を統括制御する手段である。遊技制御手段60は、演算等を行うCPUと、遊技の進行等に必要なプログラムや演出用のデータ等を記憶しておくROMと、CPUが各種の制御を行うときに、取り込んだデータ等を一時的に記憶しておくRAM等とを備える。
【0022】
遊技制御手段60の出力側(図1中、右側)には、以下に示すモータ32等の周辺機器が電気的に接続されている。
モータ32は、リール31を回転させるためのものであり、リール31の回転中心部に連結され、遊技制御手段60によって制御される。
【0023】
リール31は、リング状のものであり、その外周面に複数種類の図柄(入賞役を構成する図柄等)を印刷したリールテープを貼付したものである。1つのリール31には、例えば21図柄が等間隔で設けられる。
リール31は、本実施形態では並列に3つ設けられている。また、各リール31は、スロットマシン10のフロントパネルに設けられた表示窓(図示せず)から、上下に連続する3図柄が見えるように配置されている。よって、スロットマシン10の表示窓から、合計9個の図柄が見えるように配置されている。
そして、リール31がモータ32によって回転されることで、リール31上の図柄は、所定の速度で表示窓内で上下方向に移動表示される。
【0024】
リール31の図柄の組合せに対応する各種の役が予め定められている。全てのリール31の停止時に、有効ライン(後述)に停止した図柄の組合せが予め定められた役の図柄の組合せと一致するときは、その役の入賞となる。
入賞役としては、例えば特別役、複数種類の小役、及びリプレイ(再遊技役)が挙げられる。
【0025】
特別役とは、通常遊技から特別遊技(遊技者にとって有利となる遊技)に移行させる役である。特別役の種類としては、ビックボーナス(以下、BBと略称する。)、レギュラーボーナス(以下、RBと略称する。)、及びシングルボーナス(以下、SBと略称する。)等が挙げられる。これらのBB、RB及びSBの各特別役の入賞により、それぞれ、通常遊技からBBゲーム、RBゲーム及びSBゲームの各特別遊技に移行する。
【0026】
小役とは、予め定めた枚数のメダルが払い出される役であり、通常、複数種類設けられている。
また、リプレイとは、当該遊技でのメダルの投入枚数(ベット枚数)を維持した再遊技が行えるようにした役である。
【0027】
例えば、BBの図柄の組合せが「7」−「7」−「7」に設定されているとすると、全てのリール31の停止時に、いずれかの有効ライン上に、各リール31の「7」の図柄が停止したときは、BBの入賞となる。
【0028】
ここで、図示しないが、フロントパネルの表示窓を含む部分には、例えば5本の有効ラインが設定されている。この有効ラインは、水平方向の上段、中段及び下段の3本と、右下がり及び左下がりの斜め方向の2本とから構成されている。
そして、各表示窓から見えるリール31の上下に連続する3図柄は、水平方向の上段、中段及び下段の3本の有効ライン上に位置している。
また、この有効ラインは、投入されたメダル枚数に応じて有効化される。投入されたメダルが1枚のときは水平方向中段の1本の有効ライン、2枚のときは水平方向の3本の有効ライン、3枚のときは5本の全ての有効ラインが有効化される。
【0029】
小役当選報知手段24は、一定条件下で、特に本実施形態では後述する特定遊技中に特定小役に当選したときに、それを遊技者に報知するためのものである。本実施形態では、小役当選報知手段24は、特定小役に当選したときに、どの種類の特定小役に当選しているかを報知する。例えば、小役当選報知手段24は、液晶画像表示装置やドットディスプレイ等から構成されており、これらによって、当選した特定小役の種類を画像表示する。また、画像表示とともに、ランプの特定パターンでの点灯や、スピーカからの特定のサウンドの出力等を行うようにする。
【0030】
特別役当選報知手段25は、特別役に当選したときに、一定条件下で、遊技者に対してその旨を報知するものである。特別役当選報知手段25は、例えばランプ等から構成されており、このランプは通常消灯しているが、このランプが点灯することにより、特別役に当選していることを遊技者に報知する。なお、遊技制御手段60は、特別役に当選したときは、必ず特別役当選報知手段25により特別役の当選を報知するのではなく、一定条件下で(例えば抽選によって)、報知するか否かを決定する。
【0031】
さらに、遊技制御手段60の入力側(図1中、左側)には、以下に示す周辺機器が電気的に接続されている。
スタートスイッチ41は、遊技者がリール31の回転をスタートさせるときに操作するスイッチである。
ストップスイッチ42は、各リール31ごとに独立して3つ並設され、遊技者がそれぞれのリール31の回転を停止させるときに操作するスイッチである。
【0032】
次に、本実施形態におけるスロットマシン10でのゲームの概要を説明する。
先ず、通常遊技では、遊技者は、メダル投入口(図示せず)からメダルを投入するか、又は貯留されているメダルを投入するためのベットスイッチ(図示せず)を操作して有効ラインを有効化し、スタートスイッチ41をオンする。これにより、全リール31が始動される。そして、遊技者は各ストップスイッチ42を押すことで各リール31の回転を停止させる。全てのリール31の停止時に、有効ライン上のリール31の図柄の組合せが予め定められた何らかの役の図柄の組合せと一致するときは、その役の入賞となり、成立役に応じてメダルの払出し等が行われる。
【0033】
そして、BBに入賞したときは、通常遊技からBBゲームに移行する。
BBゲームは、第1態様遊技と第2態様遊技とを有するものであり、通常遊技からBBゲームに移行したときは、最初に第1態様遊技に移行する。この第1態様遊技では、小役、及び第2態様遊技に移行するための移行役の抽選のみが行われる。そして、第1態様遊技において移行役が入賞したときは、BBゲームの第1態様遊技から第2態様遊技(ボーナスゲーム)に移行する。
【0034】
第2態様遊技とは、所定役が高確率で入賞する遊技を、規定入賞回数又は規定遊技回数だけ行うものである。この第2態様遊技において、規定入賞回数又は規定遊技回数に到達したときは、再度、第1態様遊技に戻るようにする。そして、第1態様遊技の遊技回数が規定回数に到達するか、又は第1態様遊技から第2態様遊技への移行回数が規定回数に到達するまで、第1態様遊技と第2態様遊技とを繰り返す。第1態様遊技から第2態様遊技への移行回数が規定回数目であるときは、その第2態様遊技の終了によって、BBゲームが終了する。
【0035】
また、RBが入賞したときは、通常遊技からRBゲームに移行する。RBゲームは、上記のBBゲームでの第2態様遊技(ボーナスゲーム)を1セット、すなわち所定役が高確率で当選する遊技を規定入賞回数又は規定遊技回数だけ行うものである。
さらにまた、SBが入賞したときは、通常遊技からSBゲームに移行する。SBゲームは、上記のBBゲームの第2態様遊技又はRBゲームでの所定役が高確率で当選する遊技を、1遊技だけ行うものである。
以上の各特別遊技の終了後は、原則として、通常遊技に戻る。
【0036】
しかし、BBに当選したときは、BBゲームの終了後の遊技を、通常遊技とするか又は特定遊技とするかが抽選によって決定される。特定遊技に移行することに決定されたときは、そのBBゲームの終了後は、通常遊技ではなく特定遊技に移行する。ここで、特定遊技とは、通常遊技時よりメダル獲得枚数期待値の大きい遊技である。
【0037】
BBゲームの終了後に特定遊技に移行すると、その特定遊技は、本実施形態では、所定遊技回数として設定されている100回に到達するまで、又はBBが入賞するまで行われる。特定遊技の終了後は再度、通常遊技に戻る。また、特定遊技中にRBに当選したときは、特定遊技を中断し、通常遊技に移行させる。そして、通常遊技からRBゲームに移行し、RBゲームが終了したときは、再度、特定遊技の続きを行わせるようにする。
【0038】
本実施形態における特定遊技は、第1に、リプレイが頻繁に当選する遊技となる。したがって、非当選の割合が少なくなりリプレイの入賞割合が多くなる。これにより、遊技を継続しても、メダル所有枚数がほとんど減らない状態となる。
さらに第2に、特定遊技中は、特定小役に当選したときは、上述した小役当選報知手段24によってその当選が遊技者に報知される。したがって、遊技者は、当選した特定小役を容易に入賞させることができるようになる。これにより、メダル所有枚数を増加させつつ遊技を行うことができるようになる。
【0039】
続いて、遊技制御手段60をより詳細に説明する。
遊技制御手段60は、図1に示すように、以下の各手段を備える。なお、本実施形態における以下の各手段は例示であり、遊技制御手段60は、本実施形態で示した手段に限定されるものではない。
(役抽選手段)
役抽選手段61は、役(特別役、小役又はリプレイ等)の抽選を行うものである。役抽選手段61は、例えば、役抽選用の乱数発生手段(ハード乱数等)と、この乱数発生手段が発生する乱数を抽出する乱数抽出手段と、乱数抽出手段が抽出した乱数値に基づいて、役の当選の有無及び当選役を判定する判定手段とを備えている。
【0040】
役抽選手段61の乱数発生手段は、所定の領域(例えば10進法で0〜65535)の乱数を発生させる。乱数抽出手段は、乱数発生手段によって発生した乱数を、所定の時、本実施形態では遊技者によりスタートスイッチ41がオンされた時に抽出する。判定手段は、乱数抽出手段により抽出された乱数値を、後述する抽選テーブル62と照合することにより、その乱数値が属する領域に対応する役を決定する。例えば、抽出した乱数値が特別役当選領域に属する場合は、特別役の当選と判定し、非当選領域に属する場合は、非当選と判定する。
【0041】
なお、役抽選手段61は、特別役に当選した後であっても、特別役が入賞するまでは、特別役以外の少なくとも1種類の役、特に本実施形態では、通常遊技中は特別役以外の全ての役の抽選を継続する。さらに、役抽選手段61は、特定遊技中は、BBに当選したときは、そのBBが入賞するまでは、BBを含む全ての役の抽選を継続する。
【0042】
(抽選テーブル)
抽選テーブル62は、それぞれ各役の当選確率を定めたものである。本実施形態では、抽選テーブル62は、通常遊技中に使用される第1抽選テーブル62aと、特定遊技中に使用される第2抽選テーブル62b等とを備えている。
図2は、本実施形態の第1抽選テーブル62a及び第2抽選テーブル62bにおける各役の当選確率を示す図である。
【0043】
図2において、役は、上述したように、特別役であるBB及びRB、特定小役A〜C、小役1及び小役2の各小役、並びにリプレイを備え、それぞれ当選確率が定められている。なお、役の当選確率は、通常、メダルの投入枚数(1〜3枚)ごと、及び出玉率の設定値ごとに定められているが、本実施形態では、説明の便宜上、省略している。
【0044】
第1抽選テーブル62aと第2抽選テーブル62bとでは、特別役及び各種の小役の当選確率は、等しく設定されており、リプレイの当選確率のみが異なる。リプレイの当選確率は、第1抽選テーブル62aでは、1/7.3(約13.7%)に設定されているのに対し、第2抽選テーブル62bでは、1/1.6(62.5%)に設定されており、第1抽選テーブル62aのリプレイの当選確率より大幅に高く設定されている。
【0045】
ここで、確率1/1(100%)から、全ての役の当選確率を合計したものを引いた確率が、いずれの役にも当選しない非当選確率である。第1抽選テーブル62aの非当選確率は、1/1.49(約67%)である。
これに対し、第2抽選テーブル62bの非当選確率は、1/5.5(約18.2%)である。これにより、第1抽選テーブル62aでは、非当選の確率が最も高い値を有するが、第2抽選テーブル62bでは、リプレイの当選確率は、非当選確率よりも高く設定されている。
【0046】
なお、図示を省略するが、抽選テーブル62には、これらの第1抽選テーブル62a及び第2抽選テーブル62b以外に、特別遊技用抽選テーブルが設けられている。例えば、BBゲーム用の抽選テーブルには、第1態様遊技用抽選テーブル及び第2態様遊技用抽選テーブルが設けられている。第1態様遊技用抽選テーブルは、各種の小役及び移行役がそれぞれ所定の当選確率を有するように定められている。また、第2態様遊技用抽選テーブルは、所定役が高い当選確率を有するように定められている。
【0047】
そして、各抽選テーブル62は、それぞれ所定の範囲の抽選領域を有するとともに、この抽選領域は、各役の当選領域及び非当選領域に分けられている。例えば第1抽選テーブル62a及び第2抽選テーブル62bでは、抽選領域中の各役の当選領域は、それぞれ図2で示した当選確率となるように、所定の割合に設定されている。
【0048】
続いて、抽選テーブル62の傾斜値について説明する。
図3は、第1抽選テーブル62a及び第2抽選テーブル62bの傾斜値を説明する図である。なお、この傾斜値は、メダル投入枚数が3枚のときの値であって、リプレイの当選確率を含む値である。
図3に示すように、横軸に遊技回数をとり、縦軸にメダルの払出し枚数と投入枚数との差枚数(差枚数=払出し枚数−投入枚数)をとったとき、特別遊技でない遊技では、遊技回数の増加とともに、差枚数は次第に減少していく。この差枚数の減少率を示すものが傾斜値である。
そして、第2抽選テーブル62bの傾斜値は、第1抽選テーブル62aの傾斜値より高く設定されている。
【0049】
第1抽選テーブル62aは、従来より広く用いられている一般的な傾斜値を有するが、第2抽選テーブル62bは、100%に近い傾斜値を有する。すなわち、第2抽選テーブル62bが使用されると、BBやRB、各種の小役が所定の確率で当選するとともに、リプレイが頻繁に(62.5%の確率で)当選し、遊技の継続によっても、第1抽選テーブル62aが使用されたときよりも所有メダル枚数が減少しない状態となる。
【0050】
通常遊技では、第1抽選テーブル62aを使用して役抽選手段61による役の抽選が行われる。これにより、通常遊技中は、一定の比率でメダルが減少していく。
これに対し、特定遊技では、第2抽選テーブル62bを使用して役抽選手段61による役の抽選が行われる。これにより、特定遊技中は、リプレイが頻繁に当選する状態となる。
【0051】
さらに、特定遊技は、役抽選手段61により特定小役A〜Cのいずれかが当選したときに、その当選が遊技者に報知されるようになる。これに対し、通常遊技では、特定小役に当選した場合であっても、特定小役の当選が遊技者に報知されることはない。したがって、通常遊技では、遊技者は、特定小役の当選を知り得ないので、当選した特定小役が入賞するとは限らない。
これに対し、特定遊技では、特定小役が当選したときは、その旨が報知されるので、遊技者は、当選した特定小役が入賞するようにストップスイッチ42を操作することができる。
【0052】
図2で示したように、特定小役A〜Cのいずれかが当選する確率は、3/19.5である。例えば、3枚のメダルが投入されて遊技が行われる場合において、特定小役A〜Cの入賞時のメダル払出し枚数を9枚としたとき、1遊技での特定小役A〜Cに基づくメダル獲得枚数期待値は、0.92枚となる。さらに、他の小役1及び2は、図2で示した確率に基づき当選し、さらには、1/1.6の確率でリプレイが当選するので、全ての役を合算したときの1遊技でのメダル獲得枚数期待値は、1を超えるようになる。すなわち、遊技回数の増加に従い、メダル獲得枚数も増加することとなる。
【0053】
図4は、通常遊技と特定遊技との各遊技における傾斜値を説明する図である。なお、この傾斜値は、図3と同様に、メダル投入枚数が3枚のときの値であって、リプレイの当選確率を含む値である。また、特定遊技では、当選した特定小役の入賞率が100%の場合、すなわち、遊技者は、特定小役の当選時は、ストップスイッチ42の操作によって、その当選した特定小役を確実に入賞させた場合を示す。
【0054】
図4に示すように、横軸に遊技回数をとり、縦軸に差枚数をとったとき、通常遊技では、図3に示した第1抽選テーブル62aの使用時と同様に、遊技回数の増加とともに、差枚数は次第に減少していく。
これに対し、特定遊技では、第2抽選テーブル62bが使用されることによって最低でも図3の第2抽選テーブル62bの傾斜値になるとともに、さらに、当選した特定小役を確実に入賞させれば、遊技回数の増加とともに、差枚数は次第に増加していく。
【0055】
これにより、特定遊技では、当選した特定小役を全く入賞させることができない初級者であっても、図3の第2抽選テーブル62bの傾斜値で示したように、メダル所有枚数がほとんど減らない遊技を行うことができる。さらに、当選した特定小役を確実に入賞させることができる上級者にあっては、図4の特定遊技の傾斜値で示すように、メダル所有枚数を増加させつつ遊技を行うことができる。
【0056】
説明を図1に戻す。
(特別役当選持越し手段、フラグ)
特別役当選持越し手段63は、役抽選手段61による役の抽選において特別役に当選した後、有効ラインに停止した図柄の組合せが予め定められた特別役の図柄の組合せと一致するまでの遊技、すなわち特別役が入賞するまでの遊技において、特別役の当選を持ち越すようにするものである。
【0057】
ここで、役抽選手段61による役の抽選において、小役(特定小役A〜C、小役1〜2)又はリプレイに当選したときは、その小役等の当選は、当該遊技でのみ有効となり、次遊技以降には、その小役等の当選は持ち越されない。すなわち、小役等に当選した遊技で、その当選した小役等の図柄の組合せが有効ラインに停止して、小役等が入賞しなければ、小役等の当選は、その遊技の終了時に無効となる。
【0058】
これに対し、特別役に当選したときは、その特別役の当選は、特別役が入賞するまで、次遊技以降に持ち越される。本実施形態では、特別役に当選しているか否かを判別するためのフラグ63aが設けられている。フラグ63aは、役抽選手段61による役の抽選において特別役に当選したときは、オフからオンにされ、そのオンの状態は、特別役の図柄の組合せが有効ラインに停止するまで、すなわち特別役が入賞するまで維持される。
【0059】
さらに本実施形態では、特定遊技中は、特別役当選持越し手段63によりBBの当選が持ち越されているときでも、役抽選手段61は、BBを含めた役の抽選を継続する。
ここで、従来では、特別役に当選し、特別役の当選が持ち越されている遊技中は、役抽選手段61による役の抽選で、仮に抽出した乱数値が特別役当選領域に属する場合であっても、特別役の当選とは判定しないようにしていた。したがって、特別役が再度当選することはなかった。
【0060】
しかし、本実施形態では、特定遊技中は、役抽選手段61による役の抽選においてBBに当選し、特別役当選持越し手段63によりBBの当選を持ち越しているときに、役抽選手段61による役の抽選においてBBに再度当選したときは、最初に当選したBB及び再度当選したBBの双方を持ち越すようにする。
【0061】
上記のBBの当選の持越しに対応して、BB当選用のフラグ63aは複数設けられている。すなわち、BBの当選の持越し中に再度BBに当選したときは、2つのBB当選用のフラグ63aがオンにされる。
なお、BB当選用のフラグ63aを1つだけ設け、そのフラグ63aに対応するカウンタを設け、BBの当選の持越し中に再度BBに当選したときは、カウンタ値を加算するようにしても良い。
【0062】
また、特別役当選持越し手段63により複数のBBの当選が持ち越されている場合において、BBの図柄の組合せが有効ラインに停止したときは、1つのBBの当選の持ち越しが解除される。例えば、特別役当選持越し手段63により、2つのBBの当選が持ち越されているときに、BBの図柄の組合せが有効ラインに停止したとき、すなわちBBの入賞時は、1つのBBの当選の持越しが解除され、他の1つのBBの当選の持越しは維持される。
【0063】
(リール停止制御手段)
リール停止制御手段64は、遊技状態(通常遊技状態、特別遊技状態、特定遊技状態)と、役抽選手段61の抽選結果と、ストップスイッチ42がオンされたときのタイミング等とから、リール31の停止位置を決定するとともに、その決定された位置にリール31を停止制御するものである。リール停止制御手段64は、後述する複数の停止位置決定テーブル65及び停止位置決定テーブル選択手段66を備える。
【0064】
リール停止制御手段64は、停止位置決定テーブル選択手段66によりいずれかの停止位置決定テーブル65を選択し、選択した停止位置決定テーブル65を参照してリール31の停止位置を決定する。そして、リール31の停止位置が決定されると、モータ32を駆動制御して、その決定した位置にリール31を停止制御する。
【0065】
(停止位置決定テーブル)
停止位置決定テーブル65は、遊技状態と、役抽選手段61による役の抽選結果と、ストップスイッチ42が操作された瞬間のリール31の位置とから、リール31の停止位置を定めたものであり、本実施形態では、停止位置決定テーブル65a〜65hの8つ設けられている。
【0066】
(停止位置決定テーブル選択手段)
停止位置決定テーブル選択手段66は、遊技状態と、役抽選手段61での役の抽選で特別役に当選しているか否かに基づき、いずれかの停止位置決定テーブル65を、抽選等により選択するものである。
【0067】
図5は、これらの停止位置決定テーブル65と、停止位置決定テーブル選択手段66による停止位置決定テーブル65の選択について説明する図である。
図5において、「ハズレ目」とは、特別役に当選していないことを意味する図柄の組合せ、すなわち特別役の当選可能性を有さない(当選期待度が0の)図柄の組合せをである。
また、「チャンス目」とは、必ずしも特別役に当選していることを意味するものではないが、特別役の当選可能性を有することを意味する図柄の組合せである。
さらにまた、「リーチ目」とは、特別役に当選していることを意味する図柄の組合せ、すなわち特別役の当選確定を意味するものである。
【0068】
また、「特別役非入賞制御」とは、ストップスイッチ42の操作タイミングに基づいて、特別役の図柄の組合せが有効ラインに停止しないように(特別役が入賞しないように)リール31の停止位置を定めたものである。
これに対し、「特別役入賞制御」とは、ストップスイッチ42の操作タイミングに基づいて、リール31の停止制御の可能範囲内で、特別役の図柄の組合せができる限り有効ラインに停止するように(特別役が入賞するように)リール31の停止位置を定めたものである。
【0069】
停止位置決定テーブル65a〜65cは、それぞれ、リール31の停止時にハズレ目を出現させるものである。ハズレ目として3つのパターンを設けておき、3つのパターンに分類して停止位置決定テーブル65a〜65cとしたものである。
また、停止位置決定テーブル65d及び65eは、リール31の停止時にチャンス目を出現させるものである。
さらに、停止位置決定テーブル65f〜65hは、リール31の停止時にリーチ目を出現させるものである。
【0070】
さらにまた、停止位置決定テーブル65a〜65dは、特別役非入賞制御、すなわちストップスイッチ42の操作タイミングに基づいて、特別役の図柄の組合せが有効ラインに停止しないように(特別役が入賞しないように)リール31の停止位置を定めたものである。
これに対し、停止位置決定テーブル65e〜65hは、特別役入賞制御、すなわちストップスイッチ42の操作タイミングに基づいて、特別役の図柄の組合せができる限り有効ラインに停止するように(特別役が入賞するように)リール31の停止位置を定めたものである。
【0071】
以上により明らかであるが、停止位置決定テーブル65dと65eとは、ともにチャンス目を出現させる点で共通するが、停止位置決定テーブル65dは、特別役非入賞制御を行い、停止位置決定テーブル65eは、特別役入賞制御を行う点で、両者は相違する。
【0072】
通常遊技中において、特別役非当選時の遊技では、停止位置決定テーブル選択手段66は、停止位置決定テーブル65a〜65dのうち、いずれかを選択する。選択方法としては、例えば乱数を用いた抽選によるものが挙げられる。
また、通常遊技中又は特定遊技中において、特別役当選時の遊技では、停止位置決定テーブル選択手段66は、停止位置決定テーブル65e〜65hのうち、いずれかを選択する。
さらにまた、特定遊技中の特別役非当選時の遊技では、停止位置決定テーブル選択手段66は、必ず停止位置決定テーブル65dを選択する。
【0073】
これにより、特定遊技中では、特別役に当選しているときは、チャンス目又はリーチ目が出現するようになり、特別役に当選していないときは、チャンス目が出現するようになる(ハズレ目は出現しない)。したがって、遊技者は、特定遊技中には、特別役に当選しているか否かを判断することが困難になる。
【0074】
なお、以上の停止位置決定テーブル65a〜65hにおいて、役抽選手段61で特別役以外の役に当選したときは、その当選した役を優先的に入賞させるように、リール31の停止位置が定められている。
【0075】
説明を図1に戻す。
(特別遊技実行手段)
特別遊技実行手段67は、役抽選手段61で特別役(BB、RB又はSB)に当選し、かつ特別役の図柄の組合せが有効ライン上に停止して入賞したときは、通常遊技から特別遊技(BBゲーム、RBゲーム又はSBゲーム)に移行させ、特別遊技を行わせるものである。
特別遊技実行手段67は、特別遊技への移行時には、特別遊技に移行する旨を遊技者に知らせるために、各種の演出を行うように制御する。
【0076】
また、特別遊技中は、特別遊技実行手段67は、特別遊技中の遊技の進行等を制御する。例えば、BBゲームにおける第2態様遊技での所定役の入賞回数や、第1態様遊技及び第2態様遊技の遊技回数をカウントする手段、第1態様遊技から第2態様遊技への移行回数をカウントする手段、特別遊技の終了条件を満たしたか否かを判別する手段、特別遊技の終了条件を満たしたと判別したときは特別遊技を終了するように制御する手段等、各種の手段を備える。
【0077】
(遊技態様決定手段)
遊技態様決定手段68は、特別遊技(特に本実施形態ではBBゲーム)の終了後の遊技を、通常遊技又は特定遊技のいずれにするかを決定するものである。
遊技態様決定手段68は、役抽選手段61で説明したものと同様の乱数発生手段等を用いる。そして、BBの当選時に、遊技態様決定手段68の乱数発生手段で発生した乱数を抽出し、その乱数値に基づいて、通常遊技又は特定遊技のいずれかに決定する。本実施形態では、それぞれ1/2の確率で、通常遊技又は特定遊技に決定される。
【0078】
したがって、遊技態様決定手段68の乱数発生手段において、例えば、10進法で0〜65535の乱数を発生させるとすると、抽出された乱数値が0〜32767の範囲にあるときは通常遊技に決定し、抽出された乱数値が32768〜65535の範囲にあるときは特定遊技に決定する。
なお、この決定は、役抽選手段61でBBが当選した時以降で、BBゲームの終了後の第1遊技の開始直前までの間のうち、いつ行っても良い。
【0079】
また、役抽選手段61による抽選とともに、遊技態様決定手段68による遊技態様の決定を行うことも可能である。例えば役抽選手段61の上記抽選テーブル62において、BB当選領域を2つに区分し、一方の領域を通常遊技に決定される領域とし、他方を特定遊技に決定される領域とすれば良い。
【0080】
(特定遊技実行手段)
特定遊技実行手段69は、所定の条件を満たしたとき、特に本実施形態では、BBに当選し、かつ遊技態様決定手段68により特定遊技を行うことに決定されたときに、BBゲームの終了後に特定遊技に移行させ、特定遊技を行わせるものである。
本実施形態において、特定遊技の終了条件は、遊技回数が100回に到達したとき、又はBBに入賞したときである。よって、役抽選手段61による役の抽選においてBBに当選しただけでは、特定遊技は終了せず、BBが入賞するまで特定遊技が継続される。なお、上述したように、RBに当選したときは、特定遊技を中断して通常遊技に移行させ、この通常遊技でRBが入賞したらRBゲームに移行させる。そして、RBゲームの終了後、再度特定遊技に戻り、特定遊技の続きを行うようにする。
【0081】
ここで、特定遊技中にBBに当選したときは、直ちに通常遊技に移行せず、BBが入賞するまで特定遊技を行うようにしている。また、BBに当選しているか否かの判断を困難にするため、特定遊技中は、チャンス目又はリーチ目しか出現させないようにしている。よって、特定遊技中は、BBに当選している場合であっても、遊技者は、それに気づかない場合が多くなることが考えられる。
【0082】
しかし、本実施形態では特定遊技中にBBに当選したときは、フラグ63aがオンになり、BBが入賞するまでは、BBを含めて役の抽選を行っている。このため、BBに当選した後、特定遊技を継続している間に、再度BBに当選する場合もあり得る。そして、再度BBに当選したときは、その当選に基づいて再度フラグ63aがオンになり、複数のBBの当選を持ち越すようにしている。以上により、特定遊技中に、BBに当選しているか否かの判断が困難になるようにしたとしても、遊技者に不利になることはない。
【0083】
特定遊技実行手段69は、以下の各手段を備える。
(特定遊技中遊技回数カウント手段)
特定遊技中遊技回数カウント手段69aは、BBゲームの終了後に特定遊技に移行したときに、その特定遊技での遊技回数をカウントするものであり、カウンター等が使用される。このように、特定遊技の遊技回数をカウントするのは、特定遊技の遊技回数に上限を設けているためである。本実施形態では、特定遊技中遊技回数カウント手段69aにより遊技回数が100回カウントされたときに、特定遊技を終了し、通常遊技に戻るようにする。
【0084】
(小役当選報知制御手段)
小役当選報知制御手段69bは、特定遊技中に、小役、特に本実施形態では特定小役A〜Cのいずれかに当選したときは、当選した特定小役を遊技者に対して報知するように制御するものである。小役当選報知制御手段69bは、スタートスイッチ41がオンされた直後に報知するように制御する。これは、以下の理由による。
【0085】
特定小役に当選したときは、その当選は当該遊技でのみ有効であり、その当選を次遊技に持ち越すことはできないように設定されている。いいかえると、特定小役に当選した遊技でその特定小役が入賞しなかったときは、当選により発生した入賞の権利も消滅する。このため、特定小役の当選時には、遊技者がその特定小役を入賞させることができるように、ストップスイッチ42がオンされる前に報知するようにしている。
【0086】
また、小役当選報知制御手段69bによる当選した特定小役の報知は、図1で示した小役当選報知手段24により行われる。また、各特定小役A〜Cごとに異なる態様で、例えば異なる画像表示により当選を報知するようにする。当選した特定小役A〜Cごとに異なる態様で遊技者に報知すれば、遊技者は、当選した特定小役の種類を判別することができるからである。
【0087】
(特別役当選報知中止手段)
特別役当選報知中止手段69cは、特定遊技実行手段69により特定遊技を実行している場合において、役抽選手段61による役の抽選でBBに当選しているときは、特別役当選報知手段25によるBBの報知を中止するものである。
このように制御するのは、以下の理由による。特定遊技中は、BBに当選していないときでもハズレ目を出現させないように制御して、BBが当選しているか否かの判断が困難になるようにしている。しかし、特別役当選報知手段25によりBBの当選を報知してしまうと、遊技者は、BBに当選していることを知ってしまうことになるからである。
【0088】
次に、フローチャートに基づき、本実施形態における遊技の流れを説明する。
図6及び図7は、通常遊技からBBゲームに移行し、さらに通常遊技に戻るか特定遊技に移行するまでの流れを示すフローチャートである。図7は、図6に続くフローチャートである。
先ず、遊技者は、メダルを投入して有効ラインを有効化し、スタートスイッチ41をオンする。これにより、各リール31が始動する。ステップS1において、遊技制御手段60は、スタートスイッチ41がオンされたか否かを検知し続ける。オンが検知されたときは、次のステップS2に進み、役抽選手段61による役の抽選を行う。この役の抽選において用いられる抽選テーブル62は、第1抽選テーブル62aである。
【0089】
次のステップS3では、特別役であるBBが当選しているか否かが判別され、当該遊技で特別役に当選したと判別されたときは、フラグ63aがオンにされた後、ステップS4に進む。ステップS4では、遊技態様決定手段68は、BBゲームの終了後における遊技を、通常遊技又は特定遊技のいずれにするかを抽選により決定する。そして、ステップS5に進む。一方、ステップS3でBBに当選していないと判別されたときは、ステップS6に進む。
なお、ステップS3において、前遊技までに特別役に当選しているとき(前遊技までにフラグ63aがオンになっているとき)は、ステップS4の処理をとばしてステップS5に進む(図6中、破線部)。
【0090】
ステップS5では、停止位置決定テーブル選択手段66は、停止位置決定テーブル65e〜65hから、抽選等によっていずれかの停止位置決定テーブル65を選択する。また、ステップS6では、停止位置決定テーブル選択手段66は、停止位置決定テーブル65a〜65dから、抽選等によっていずれかの停止位置決定テーブル65を選択する。
【0091】
ステップS7では、遊技制御手段60は、ストップスイッチ42がオンされたか否かをストップスイッチ42からの出力信号により検知し続ける。オンが検知されると、ステップS8に進み、リール停止制御手段64は、役抽選手段61による役の抽選結果と、ストップスイッチ42がオンされたときのタイミングとから、ステップS5又はステップS6で選択した停止位置決定テーブル65を参照してリール31の停止位置を決定し、その決定した位置にリール31を停止制御する。
【0092】
次のステップS9では、全リール31が停止したか否かを判別し、全リール31が未だ停止していないと判別したきはステップS7に戻り、停止したと判別したときは、図7のステップS10に進む。ステップS10では、遊技制御手段60は、BBの図柄の組合せが有効ライン上に停止したか否か、すなわちBBが入賞したか否かを判別する。BBが入賞したと判別されたときは、ステップS11に進む。
【0093】
一方、ステップS10でBBが入賞していないと判別されたときは、図中「A」に進む。図中「A」に進んだ後は、非入賞時は何ら入賞処理をすることなく、図6のステップS1に戻る。また、小役の入賞時はメダルの払出し等の所定の処理を行った後でステップS1に戻る。さらにまた、リプレイの入賞時は、当該遊技で投入されたメダル枚数を自動投入した後、ステップS1に戻る。なお、RBの入賞時はRBゲームに移行するが、ここでは説明を省略する。
【0094】
ステップS11では、特別遊技実行手段67は、通常遊技からBBゲームに移行させ、BBゲームを開始させる。
そして、次のステップS12では、特別遊技実行手段67は、BBゲームの終了条件を満たしたか否かを判別し続け、満たしたと判別したときはステップS13に進む。ステップS13では、遊技制御手段60は、ステップS4の抽選によって特定遊技に決定されたか否かを判別する。特定遊技に決定されているときは、ステップS14に進んで、特定遊技実行手段69は、特定遊技に移行するように制御する。
一方、特定遊技に決定されていないときは、ステップS15に進んで通常遊技に移行するように制御する。
【0095】
図8及び図9は、特定遊技に移行したときの遊技の流れを示すフローチャートである。図9は、図8に続くフローチャートである。図7のステップS14に進んだときは、図8のステップS21以降の処理に進む。
先ず図8において特定遊技が開始されると、ステップS21において、特定遊技中遊技回数カウント手段69aは、特定遊技での遊技回数Gを初期化(G=0)する。
【0096】
そして、次のステップS22において、遊技制御手段60は、スタートスイッチ41がオンされたか否かを検知し続ける。オンが検知されたときは、次のステップS23に進み、役抽選手段61による役の抽選を行う。なお、ステップS23では、第2抽選テーブル62bを用いて役の抽選を行う。さらに、既にBBに当選しているときでも、BBを含めた役の抽選を行う。
【0097】
次のステップS24では、遊技制御手段60は、特別役であるBBが当選しているか否かを判別し、特別役に当選していると判別したときは、ステップS25に進む。なお、当該遊技で特別役に当選したと判別されたときは、フラグ63aをオンにした後、ステップS25に進む。ステップS25では、停止位置決定テーブル選択手段66は、停止位置決定テーブル65e〜65hから、抽選等によっていずれかの停止位置決定テーブル65を選択する。
これに対し、ステップS24でBBに当選していないと判別されたときは、ステップS26に進んで、停止位置決定テーブル選択手段66は、停止位置決定テーブル65dを選択する。
【0098】
ステップS27では、遊技制御手段60は、ストップスイッチ42がオンされたか否かをストップスイッチ42からの出力信号により検知し続ける。オンが検知されると、ステップS28に進み、リール停止制御手段64は、役抽選手段61による役の抽選結果と、ストップスイッチ42がオンされたときのタイミングとから、ステップS25又はステップS26で選択した停止位置決定テーブル65を参照してリール31の停止位置を決定し、その決定した位置にリール31を停止制御する。
【0099】
次のステップS29では、全リール31が停止したか否かを判別し、全リール31が未だ停止していないときはステップS27に戻り、停止したときは図9のステップS30に進む。ステップS30では、遊技制御手段60は、BBの図柄の組合せが有効ライン上に停止したか否か、すなわちBBが入賞したか否かを判別する。BBが入賞したと判別されたときは、ステップS35に進んで特定遊技を終了し、特別遊技実行手段67は、BBゲームに移行させる。
【0100】
ステップS30でBBが入賞していないと判別されたときは、ステップS31に進み、小役等が当選したか否かが判別される。小役等が入賞したと判別されたときはステップS32に進み、その入賞した役に応じた払出し等の処理を行う。具体的には、小役の入賞時は、その小役に応じた枚数のメダルの払出し処理を行う。また、リプレイの入賞時は、当該遊技で投入されたメダル枚数を自動投入する処理を行う。そしてステップS33に進む。一方、ステップS31でいずれの役も入賞していないと判別されたときは、ステップS32の処理を行うことなくステップS33に進む。
【0101】
ステップS33では、特定遊技中遊技回数カウント手段69aは、遊技回数Gに1を加算する。そして、次のステップS34で、特定遊技実行手段69は、遊技回数Gが規定回数(本実施形態では100回)に到達したか否かを判別する。規定回数に到達したと判別されたときは、ステップS35に進んで、特定遊技を終了し、通常遊技に移行する。
一方、ステップS34で遊技回数Gが規定回数に到達していないと判別されたときは、図8のステップS22に戻って、特定遊技を継続する。
【0102】
なお、以上のフローチャートにおいては図示しないが、BBに当選してフラグ63aがオンにされた後、BBが入賞する前に再度BBに当選したときは、フラグ63aが2つオンにされる。
また、ステップS23での役の抽選において特定小役に当選したときは、小役当選報知制御手段69bは、小役当選報知手段24によりその特定小役の当選を報知する。
【0103】
さらにまた、ステップS23での役の抽選においてBBに当選しているときは、特別役当選報知中止手段69cは、特別役当選報知手段25によるBBの当選の報知を中止する。
さらに、ステップS23での役の抽選においてRBに当選したときは、一旦、特定遊技を中断して通常遊技に移行する。そして、通常遊技でRBが入賞したらRBゲームに移行させる。このRBゲームが終了したら、再度、ステップS22に戻り、特定遊技を継続する。このときの特定遊技の遊技回数は、特定遊技の中断前までの遊技回数がそのまま継承される。
【0104】
特定遊技中にBBに当選していたが、特定遊技中にはBBが入賞しなかった場合は、特定遊技の終了後は、以下のようになる。
先ず、特別役当選報知中止手段69cにより中止されていた特別役当選報知手段25によるBBの当選の報知が解除される。そして、特別役当選報知手段25による報知を無条件で行うときは、最初の遊技で、特別役当選報知手段25によりBBの当選を報知する。一方、抽選等により演出パターンを選択し、その演出パターンに従い特別役当選報知手段25によるBBの当選の報知を行う場合は、その演出パターンに従って、特別役の当選の報知を行う。
【0105】
また、BBに当選している状態で特定遊技から通常遊技に移行したときは、停止位置決定テーブル選択手段66は、停止位置決定テーブル65e〜65hから、抽選等によっていずれかの停止位置決定テーブル65を選択する。そして、リール停止制御手段64は、選択した停止位置決定テーブル65を用いてリール31の停止制御を行う。これにより、BBの非入賞時には、チャンス目の他、リーチ目が出現するようになる。
【0106】
さらに、特定遊技中に複数のBBの当選が持ち越されている場合は、最初にBBが入賞したら、1つのBBの当選の持越しを解除し、他のBBの当選の持越しを維持する。これにより、通常遊技からBBゲームに移行し、BBゲームが終了して再度通常遊技に戻ったときでも、特別役当選持越し手段63によりBBの当選が持ち越されている状態となる。よって、この場合は、通常遊技の第1遊技目から、再度のBBの入賞が可能となる。
【0107】
ここで、特定遊技の終了後に複数のBBの当選が持ち越されている場合には、遊技者にさらなる特典を与えることも可能である。
例えば、持ち越されている全てのBBが入賞し、これらのBBゲームが終了したときは、必ず特定遊技に移行させるようにしても良い。
また、BBに入賞したときに、他のBBの当選が持ち越されている場合には、全てのBBの当選の持越しを解除するとともに、そのBBゲームの第1態様遊技を、特定遊技中と同様に、特定小役の当選を報知するような遊技状態としても良い。これにより、遊技者は、BBゲームの第1態様遊技においては、当選した特定小役を取りこぼすことなく遊技者の技量に応じて入賞させることが可能となる。よって、遊技者は、より多くのメダルを獲得することができる。
【0108】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されることなく、例えば以下のような種々の変形が可能である。
(1)本実施形態では、特定遊技は、リプレイの当選確率が通常遊技時より高まるとともに、特定小役に当選したときはその当選を報知する遊技とした。しかし、これに限らず、いずれか一方のみからなる特定遊技としても良い。
例えば、特定遊技を、リプレイの当選確率が通常遊技時よりも高まる遊技(小役の当選は報知しない遊技)とすれば、特定遊技中は、メダルがほとんど減らない状態、いいかえればメダル枚数が現状維持される状態で遊技を継続することができる。そして、この状態で特別役の当選を待つことができる。
【0109】
ここで、この特定遊技中に特別役に当選したときは、メダルが減らない特定遊技を継続するよりすぐに特別役が入賞するようにして特別遊技に移行させた方が有利であるとも考えられる。しかし、特定遊技では、特別役に複数回当選する機会を与えるとともに、特別役に複数回当選したときはその複数の当選を持ち越すようにしている。これにより、メダルが減らない遊技状態で、複数回の特別役の当選を期待できるようになるので、遊技者にとって有利であるといえる。
【0110】
また、特定遊技を、特定小役の当選時にその当選を報知する遊技(リプレイの当選確率は通常遊技と同じ)とすれば、特定小役の当選確率及び払出し枚数を調整することにより、メダルがほとんど減らない遊技状態とすることもでき、また、メダルが微増する遊技状態、あるいはメダルが所定の割合で増加する遊技状態とすることができる。
【0111】
さらに、特定遊技を、遊技者のストップスイッチ42の操作によって任意に特定小役を入賞させることができる遊技としても良い。この場合は、例えば特定遊技の遊技回数及び特定遊技中のメダルの純増枚数に規定値を設ける。そして、遊技者は、特定遊技に移行したときは特定小役を入賞させることでメダルを規定値近傍まで獲得することができる。さらにその後は、遊技者は、特定小役の入賞と非入賞とを調整することで、遊技回数が規定値に到達するまで特定遊技を継続することができる。そして、この特定遊技中に特別役の当選を期待することができる。
このように、本発明における特定遊技は、通常遊技時よりメダル獲得枚数期待値が大きくなる遊技であれば、どのような態様の遊技であっても良い。
【0112】
(2)本実施形態では、特定遊技中の特別役に当選している遊技では、チャンス目又はリーチ目を出現させる停止位置決定テーブル65e〜65hのうち、いずれかを選択するようにした。
しかし、これに限らず、特定遊技中は、特別役の当選の有無に応じて、停止位置決定テーブル65d又は65eを選択し、チャンス目のみを出現させるようにしても良い。このようにすれば、特別役に当選しているか否かの判断を、さらに困難にすることができる。
【0113】
(3)本実施形態では、8つの停止位置決定テーブル65a〜65hを設け、いずれかの停止位置決定テーブル65を選択し、その停止位置決定テーブル65を参照して、リール31の停止位置を決定するようにした。これに限らず、停止位置決定テーブル65を用いることなくリール31の停止制御を行うものであっても良い。例えば、ストップスイッチ42がオンされたときにリール31の停止可能位置を検索し、その停止可能位置の範囲内で、役抽選手段61での役の抽選結果と、遊技状態とに基づいて、適切な停止位置を決定する停止制御を行うことも可能である。
【0114】
(4)本実施形態では、特定遊技中にBBに当選したときは、複数のBBの当選を持ち越すようにしたが、このようにするかは任意である。また、複数のBBの当選を持ち越したときに、どのような遊技に移行させるかについても任意に設定することができる。例えば、複数のBBの当選を持ち越しているときは、特定遊技の終了後に、複数回連続でBBゲームに移行させるようにしても良い。あるいは、特定遊技の終了後に、一般のBBゲームよりさらに有利なBBゲームに移行させるようにしても良い。
【0115】
(5)本実施形態では、特定遊技中にRBに当選したときは特定遊技を中断して通常遊技に移行するようにした。しかし、これに限らず、RBの当選についてもBBの当選と同様に持ち越すようにしても良い。
【0116】
【発明の効果】
(請求項1)
請求項1の発明によれば、特定遊技中に特別役に当選したときでも、特定遊技の遊技回数が所定回数に到達するか、又は特別役が入賞するまで、特定遊技を継続して行うことが可能となる。特に、遊技者は、特定遊技中に特別役に当選していることを知った場合であっても、その特別役が入賞しないように操作しつつ特定遊技を継続することができる。これにより、特別役の当選の状態を維持しつつ、特定遊技で定められた所定の上限遊技回数まで遊技を行うことで、特定遊技で得られる利益を確保することができる。
また、特定遊技中は、リールの停止時の図柄の組合せによっても特別役に当選しているか否かの判断が困難になる。特に、特定遊技中は、特別役の当選の有無にかかわらず、ハズレ目が出現しないので、特別役に当選していないときであっても、特別役に当選していないことが遊技者にわからない。これにより、特定遊技中は、特別役の当選の期待を遊技者に与えつつ、遊技を行うことができる。
さらに、特定遊技では、特別役の当選を持ち越しているときであっても、リプレイの入賞を優先することで、特別役の入賞率を低くすることができる。
【0117】
(請求項2)
請求項2の発明によれば、特定遊技の遊技回数が多い場合であっても、特別役の当選の機会が確保されるので、遊技者の利益を損ねることがなくなる。また、通常遊技時よりもメダル獲得枚数期待値の大きい特定遊技を行いつつ、特別役の複数回の当選を期待することができる。
【0118】
(請求項3)
請求項3の発明によれば、特定遊技中には特別役の当選を遊技者に知らせないようにし、例えば特定遊技の終了後に報知することにより、特定遊技中には、遊技者に対し、特別役の当選の期待を与えておくことができる。
【0119】
(請求項4)
請求項4の発明によれば、第1抽選テーブルより当選確率が高く設定された役の入賞率を高めることで、特定遊技でのメダル獲得枚数期待値を大きくすることができる。また、その役の入賞率を高めることで、結果として、特別役に当選しているときの特別役の入賞率を低くすることができる。
【0120】
(請求項5)
請求項5の発明によれば、特定遊技中は、いずれの役も入賞しない遊技回数を少なくすることができる。よって、特別役に当選しているときの特別役の入賞率を低くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明によるスロットマシンの一実施形態の概略を示すブロック図である。
【図2】 第1抽選テーブル及び第2抽選テーブルにおける各役の当選確率を示す図である。
【図3】 第1抽選テーブル及び第2抽選テーブルの傾斜値を説明する図である。
【図4】 通常遊技と特定遊技との各遊技における傾斜値を説明する図である。
【図5】 停止位置決定テーブル、及び停止位置決定テーブル選択手段による停止位置決定テーブルの選択を説明する図である。
【図6】 通常遊技からBBゲームに移行し、さらに通常遊技に戻るか特定遊技に移行するまでの流れを示すフローチャートである。
【図7】 通常遊技からBBゲームに移行し、さらに通常遊技に戻るか特定遊技に移行するまでの流れを示すフローチャートであり、図6に続くフローチャートである。
【図8】 特定遊技に移行したときの遊技の流れを示すフローチャートである。
【図9】 特定遊技に移行したときの遊技の流れを示すフローチャートであり、図8に続くフローチャートである。
【符号の説明】
10 スロットマシン
24 小役当選報知手段
25 特別役当選報知手段
31 リール
32 モータ
41 スタートスイッチ
42 ストップスイッチ
60 遊技制御手段
61 役抽選手段
62 抽選テーブル
62a 第1抽選テーブル
62b 第2抽選テーブル
63 特別役当選持越し手段
63a フラグ
64 リール停止制御手段
65(65a〜65h) 停止位置決定テーブル
66 停止位置決定テーブル選択手段
67 特別遊技実行手段
68 遊技態様決定手段
69 特定遊技実行手段
69a 特定遊技中遊技回数カウント手段
69b 小役当選報知制御手段
69c 特別役当選報知中止手段
Claims (5)
- 役の抽選を行う役抽選手段と、
前記役抽選手段の抽選結果と、ストップスイッチの操作タイミングとに基づいて、リールの停止位置を決定するとともに、その決定された位置にリールを停止制御するリール停止制御手段と、
前記役抽選手段による役の抽選で特別役に当選し、特別役の図柄の組合せが有効ラインに停止することにより特別役が入賞したことを条件として、遊技者にとって有利となる特別遊技に移行させ、特別遊技を行わせる特別遊技実行手段と、
所定の条件を満たしたときに、通常遊技時よりリプレイの当選確率を高く設定した特定遊技に移行させ、特定遊技を行わせる特定遊技実行手段と、
前記役抽選手段で特別役に当選した後、特別役が入賞するまで、特別役の当選を持ち越すようにする特別役当選持越し手段とを備え、
前記特定遊技実行手段は、特定遊技に移行すると、特定遊技の遊技回数が所定回数に到達するか、又は特定遊技中に前記役抽選手段による役の抽選で特別役に当選したときには特別役が入賞するまで、特定遊技を継続するように制御し、かつ、特定遊技の遊技回数が所定回数に到達するか、又は特別役が入賞すると、特定遊技を終了するように制御し、
リールの停止時の図柄の組合せとして、
特別役に当選していないことを意味する図柄の組合せであるハズレ目と、
必ずしも特別役に当選していることを意味するものではないが、特別役の当選可能性を有することを意味する図柄の組合せであるチャンス目と、
特別役に当選していることを意味する図柄の組合せであるリーチ目と
を有し、
前記リール停止制御手段は、
通常遊技において、前記役抽選手段による役の抽選で特別役に当選していないときは、前記ハズレ目又は前記チャンス目を出現させるとともに前記リーチ目を出現させないように制御し、前記役抽選手段による役の抽選で特別役に当選しているときは、前記チャンス目又は前記リーチ目を出現させるとともに前記ハズレ目を出現させないように制御し、
前記特定遊技実行手段により特定遊技を実行している場合において、前記役抽選手段による役の抽選で特別役に当選していないときは、前記チャンス目を出現させるとともに前記ハズレ目及び前記リーチ目を出現させないように制御し、前記役抽選手段による役の抽選で特別役に当選しているときは、前記チャンス目又は前記リーチ目を出現させるとともに前記ハズレ目を出現させないように制御することにより、
特定遊技中は、特別役の当選の有無にかかわらず、ハズレ目を出現させないようにして、特別役に当選していないときであっても特別役に当選していないことが遊技者にわからないようにし、
前記特定遊技実行手段により特定遊技を実行している場合において、前記役抽選手段による役の抽選でリプレイに当選したときは、前記特別役当選持越し手段により特別役の当選を持ち越しているときであっても、当選したリプレイの入賞を優先することで、特別役の入賞率が低くなるように制御する
ことを特徴とするスロットマシン。 - 請求項1に記載のスロットマシンにおいて、
前記役抽選手段は、前記特定遊技実行手段により特定遊技を実行している場合において、前記特別役当選持越し手段により特別役の当選を持ち越しているときであっても、特別役が入賞するまでは、特別役を含めた役の抽選を継続し、
前記特別役当選持越し手段は、特別役の当選を持ち越している特定遊技中に再度特別役に当選したときは、最初に当選した特別役及び再度当選した特別役の双方を持ち越すようにする
ことを特徴とするスロットマシン。 - 請求項1又は請求項2に記載のスロットマシンにおいて、
特別役の当選を報知する特別役当選報知手段と、
前記特定遊技実行手段により特定遊技を実行している場合において、前記役抽選手段による役の抽選で特別役に当選しているときは、前記特別役当選報知手段による報知を中止する当選報知中止手段と
を備えることを特徴とするスロットマシン。 - 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のスロットマシンにおいて、
それぞれ各役の当選確率を定めた第1抽選テーブル及び第2抽選テーブルを備え、
前記第2抽選テーブルは、少なくとも1種類の役の当選確率が前記第1抽選テーブルより高く設定されており、
前記役抽選手段は、通常遊技時には前記第1抽選テーブルを用いて役の抽選を行うとともに、前記特定遊技実行手段により特定遊技を実行しているときは前記第2抽選テーブルを用いて役の抽選を行う
ことを特徴とするスロットマシン。 - 請求項4に記載のスロットマシンにおいて、
前記第2抽選テーブルでのいずれかの役に当選する確率は、いずれの役にも当選しない確率より高く設定されている
ことを特徴とするスロットマシン。
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