JP4877440B2 - カラー画像表示装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カラー画像表示装置に関し、特に、白色光源と1枚の光空間変調素子を用いてRGBの色分解像を順次表示してカラー画像表示可能な表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自家発光しないカラー画像表示装置、特に、投影カラー画像表示装置としては、1枚の光空間変調素子を用いるものと、複数枚の光空間変調素子を用いるものがある。また、そのための光空間変調素子としては、液晶表示パネル、DMD(デジタルマイクロミラーデバイス)等がある。表示装置としては、光空間変調素子の枚数が少ない方、すなわち、1枚の光空間変調素子を用いるものが、素子に要するコストが抑えられ、また、光学系が単純になるので望ましい。
【0003】
ところが、カラー画像を表示するためには、各画素から所望の色の光が出るようにするために吸収型カラーフィルターやホログラムカラーフィルターを光空間変調素子に設けるか、1枚の光空間変調素子を照明するのに白色光源からの光をR(赤色)、G(緑色)、B(青色)3色のカラーフィルターに分割されたカラーホイールを通して順次R、G、Bの光にして照明するものがある。
【0004】
図7に、1枚のDMDを用いた投影カラー画像表示装置を示す。白色光源22からの光をR、G、B3色のカラーフィルターに分割されたカラーホイール24を通して順次R、G、Bの光にして、DMD21の表示面に対して斜め方向から照明し、DMD21の微小ミラーで正面方向に反射された光のみを投影レンズ27に取り込んでDMD21の表示面をスクリーン28上に拡大投影し、カラーホイール24の回転と同期して時分割でDMD21にR、G、Bの色分解像を表示することにより、スクリーン28上にカラー像を表示するものである。なお、図7中、符号23は光源22からの光をカラーホイール24を通してインテグレータロッド25の入射面上に集光する集光レンズであり、インテグレータロッド25の射出面から出た光はコリメートレンズ26により平行光に変換されてDMD21の表示面を照明する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、吸収型カラーフィルターを設けた光空間変調素子や、カラーホイールを通して光空間変調素子を照明するものの場合、光の吸収により色を出すため、光利用効率が悪く明るい表示を行うことは容易ではない。
【0006】
一方、ホログラムカラーフィルターで入射光を分光して光空間変調素子の各画素を照明する場合は、光利用効率を高くすることは可能であるが、光空間変調素子の画素パターンに適合した微細構造が必要であり、また、光空間変調素子とのギャップや面方向の位置合わせが容易ではないという問題がある。
【0007】
本発明は従来技術のこのような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、白色光源と1枚の光空間変調素子とを用いて高い光利用効率で明るいカラー画像が表示可能なカラー画像表示装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明のカラー画像表示装置は、1枚の光空間変調素子と白色光源とからなるカラー画像表示装置において、
前記光空間変調素子は、時分割して周期的に異なる画面を表示可能なものからなり、前記画面各々は3つ以上の複数領域に分割され、各領域に異なる色分解像の対応する領域部分像が表示され、1周期内においてそれぞれの画面には他の画面と異なる分割パターンで異なる色分解像の部分像が並列して表示され、
前記光空間変調素子の各画面の色分解像配列パターンに対応する色配列パターンになるように、前記白色光源からの光を並列に色分離し配列して照射する照明光色分離配列照射手段を備えていることを特徴とするものである。
【0009】
この場合、照明光色分離配列照射手段は、白色光源からの光の異なる色成分を分離して、画面の転換に同期して異なる色配列パターンに変えて照射する色照射パターン可変手段を備えていることが望ましい。
【0010】
その色照射パターン可変手段としては、白色光源からの光を色分離する複数のダイクロミラーの組み合わせからなり、各ダイクロミラーの角度が、画面の転換に同期してそれぞれ変化するように構成されているものがある。
【0011】
この場合、白色光源から複数のダイクロミラーの組み合わせに至る光路中に開口が設けられ、その開口を光空間変調素子上に投影する投影光学系がその複数のダイクロミラーの組み合わせと光空間変調素子の間の光路中に設けられていることが望ましい。
【0012】
また、別の色照射パターン可変手段として、白色光源からの光を色分離する複数の体積ホログラムの積層体あるいは多重記録体からなり、画面の転換に同期してその体積ホログラムの積層体あるいは多重記録体を交換するように構成されているものとすることができる。
【0013】
この場合、複数の体積ホログラムの積層体あるいは多重記録体が、回転板の周囲の円周方向に等間隔に設けられたホログラム領域からなり、回転板の回転角に応じてその複数の体積ホログラムの積層体あるいは多重記録体が交換されるように構成されていることが望ましい。
【0014】
さらに、もう1つの色照射パターン可変手段として、外部からの信号により体積型ホログラムと透明体との切り換えが可能な体積型ホログラムであって、白色光源からの光を色分離する複数の体積ホログラムの積層体が、転換可能な画面の数に対応した数だけ白色光源からの光の光路中に配置されたものからなり、画面の転換に同期してその積層体中の1つのみ中の体積型ホログラムを体積型ホログラムとするものとすることができる。
【0015】
なお、光空間変調素子は、例えば何れかの辺方向に短冊状に領域分割がされているものとすることができる。
【0016】
本発明においては、光空間変調素子は、時分割して周期的に異なる画面を表示可能なものからなり、その画面各々は3つ以上の複数領域に分割され、各領域に異なる色分解像の対応する領域部分像が表示され、1周期内においてそれぞれの画面には他の画面と異なる分割パターンで異なる色分解像の部分像が並列して表示され、光空間変調素子の各画面の色分解像配列パターンに対応する色配列パターンになるように、白色光源からの光を並列に色分離し配列して照射する照明光色分離配列照射手段を備えているので、従来の吸収型カラーフィルターを設けた光空間変調素子やカラーホイールを通して光空間変調素子を照明するものと比べると、光の減衰がなく高い光利用効率で明るいカラー画像が表示可能となる。また、ホログラムカラーフィルターを設けた光空間変調素子と比べると、光空間変調素子の画素パターンに適合した微細構造のものが必要でなく、光空間変調素子とのギャップや面方向の精密な位置合わせが不要となる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のカラー画像表示装置の原理といくつかの実施例について説明する。
【0018】
図7に例示したような従来の白色光源と1枚の光空間変調素子とを用いたカラー画像表示装置は、表示しようとする1枚のカラー画像をR、G、Bの色分解像に分解して、人間の眼の残像期間中に、1枚の光空間変調素子に時分割してあるいは順次そのR、G、Bの色分解像を表示し、人間の眼がそのR、G、Bの3枚(場合によっては、それに白黒像を追加して4枚)の色分解像を加法混色して1枚のカラー画像として認識できるようにしたものである。
【0019】
本発明においては、時分割した1つの画面に、従来のようにR、G、Bの何れかの色分解像を表示するのではなく、その画面を3つ以上の複数領域に分割し、各領域にR、G、B(白黒像を追加してもよい)の異なる色分解像の対応する領域部分像を表示させ、次の画面には、前の画面と異なる分割パターンの複数領域に分割し、各領域に同様に異なる色分解像の対応する領域部分像を表示させ、さらにその次の画面に、前々画面、前画面と異なる分割パターンの複数領域に分割し、各領域に同様に異なる色分解像の対応する領域部分像を表示させ、このような時分割画面を3面以上周期的に繰り返させ、周期的な時分割表示の1周期において、表示面の何れの位置においても、R、G、Bの色分解像が重ねて表示されるようにする。
【0020】
そして、その場合の、各画面の色分解像分割パターンに対応する色配列パターンになるように、白色光源からの光を色成分に分離して並列に照射することにより、加法混色により明るい1枚のカラー画像として認識可能にするものである。
【0021】
以下、図面を用いて説明する。
【0022】
図1に、人間の眼の残像期間、例えば20分の1秒の間に、1枚の光空間変調素子に周期的に表示される6つの画面▲1▼〜▲6▼の例を示す。この残像期間中に等間隔で▲1▼→▲2▼→▲3▼→▲4▼→▲5▼→▲6▼(→▲1▼→・・・・・)と順次時分割で6つの画面▲1▼〜▲6▼が表示される。これら画面▲1▼〜▲6▼は3つあるいは4つの領域に分割され、各領域には、R、G、Bの異なる色分解像の対応する領域部分像が表示される。図1の例では、画面▲1▼で画面が縦方向に3分割され、上から順にR、G、Bの色分解像の対応する領域部分像が表示され、それらの領域が画面▲1▼から▲6▼にかけて、各画面毎に縦方向の6分の1の距離下方へ下がり再度上方から下方へ下がるように移動するような分割パターンでR、G、Bの色分解像の対応する領域部分像が表示される。そして、この順次移動するR、G、Bの色分解像領域に対応した色配列パターンに白色光源からの光を色成分に分離して並列に照射することにより、その光空間変調素子の表示面の何れの位置においても、図1の1周期の間にR→B→Gと色分解像が重ねて表示されるので、画面▲1▼〜▲6▼の画像が加法混色により明るい1枚のカラー画像として認識されることになる。
【0023】
なお、図1の場合は、1周期に▲1▼〜▲6▼の6つの異なる分割パターンの画面を順に表示する例であったが、この画面の数は3つ以上であれば他の数であってもよい。例えば、図1の画面▲1▼、▲3▼、▲5▼の3つにしてそれを上記のように周期的に表示するようにしてもよい。ただし、この画面の組み合わせの場合は、3分割パターンの境界が目立つ可能性がある。
【0024】
次に、このような画面の色分解像分割パターンに対応する色配列パターンになるように白色光源からの光の色成分を分離して配列する光学的構成について説明する。
【0025】
図2は、本発明による投影カラー画像表示装置の1実施例の構成を示す概念図であり、例えば透過型の液晶表示パネルのような光空間変調素子1とその照明側に配置された回転ホログラム板2と、その回転ホログラム板2に光学系7で集光させて所定の入射角で白色光ビーム6を照射するための光源5と、光空間変調素子1に表示された画像をスクリーン11上に投影する投影光学系10とからなる。
【0026】
回転ホログラム板2は、白色光ビーム6中のR成分を回折する体積型ホログラム2Rと、G成分を回折する体積型ホログラム2Gと、B成分を回折する体積型ホログラム2Bとが多重記録あるいは積層されてなるもので、図3に正面図を示すように、回転中心軸4の周囲の円周方向に等間隔にそれぞれの体積型ホログラム2R、2G、2Bに微小ホログラム3▲1▼、3▲2▼、3▲3▼、3▲4▼、3▲5▼、3▲6▼が周期的に記録されてなるものである。
【0027】
この回転ホログラム板2が回転中心軸4の周りで回転して、その微小ホログラム3▲1▼の領域に光源5からの白色光ビーム6が入射すると、図4(a)に示すように、体積型ホログラム2Rからは、光空間変調素子1の図1の画面▲1▼のRの色分解像領域にRの回折光8Rが入射するように回折され、体積型ホログラム2Gからは、光空間変調素子1の図1の画面▲1▼のGの色分解像領域にGの回折光8Gが入射するように回折され、体積型ホログラム2Bからは、光空間変調素子1の図1の画面▲1▼のBの色分解像領域にBの回折光8Bが入射するように回折される。したがって、回転ホログラム板2に入射する白色光ビーム6の全ての色成分が光空間変調素子1の全面の照明に利用され、無駄がない。
【0028】
次に、回転ホログラム板2がさらに回転して微小ホログラム3▲2▼の領域に光源5からの白色光ビーム6が入射するようになると、図4(b)に示すように、体積型ホログラム2Rからは、光空間変調素子1の図1の画面▲2▼のRの色分解像領域にRの回折光8Rが入射するように回折され、体積型ホログラム2Gからは、光空間変調素子1の図1の画面▲2▼のGの色分解像領域にGの回折光8Gが入射するように回折され、体積型ホログラム2Bからは、光空間変調素子1の図1の画面▲2▼のBの色分解像領域にBの回折光8Bが入射するように回折される。
【0029】
同様に、回転ホログラム板2がさらに回転して微小ホログラム3▲3▼、3▲4▼、3▲5▼、3▲6▼の領域に順に光源5からの白色光ビーム6が入射するようになると、対応した光空間変調素子1の図1の画面▲3▼、▲4▼、▲5▼、▲6▼のそれぞれの色分解像領域R、G、BにR、G、Bの回折光8R、8G、8Bが入射するように回折される。
【0030】
したがって、回転ホログラム板2の回転角と同期して光空間変調素子1に表示する色分解像分割パターンを周期的に変えることにより、明るく高い光利用効率のカラー画像をスクリーン11上に投影表示することができる。
【0031】
ホログラムの機能としては、少なくとも波長選択機能が必要であるが、光空間変調素子1上に色分解像分割パターンを結像するような結像機能を持たせることが、色分離を完全に行うために望ましい。
【0032】
図2の実施例の場合は、光空間変調素子1に表示された色分解像分割パターンに対応する色配列パターンを選択的可変的に照射するのに3枚の体積型ホログラム2R、2G、2Bの組からなる回転ホログラム板2を用いたが、その代わりにダイクロイックミラーを用いることもできる。その例を図5に示す。この場合は、例えば図1の画面▲1▼、▲3▼、▲5▼の3つを光空間変調素子1上に周期的に表示する場合に適用できる。
【0033】
図5において、可変ダイクロイックミラー装置12は、光源5からの白色光ビーム6中のR成分のみを反射するR反射ダイクロイックミラー12Rと、G成分のみを反射するG反射ダイクロイックミラー12Gと、B成分のみを反射するB反射ダイクロイックミラー12Bとからなる。この中、図5の配置では、B反射ダイクロイックミラー12Bは通常の白色反射ミラーであってもよい。これらのダイクロイックミラー12R、12B、12Gそれぞれに、紙面に垂直な軸の周りで角度を変化させる機構が設けられている。そして、光源5からの白色光ビーム6の光路中には、開口14が配置されており、また、各ダイクロイックミラー12R、12G、12Bからの反射光18R、12G、12Bは投影レンズ13により光空間変調素子1に向けられ、それぞれの反射光18R、12G、12Bにより開口14のR、G、Bの像が光空間変調素子1の面上に投影されるようになっている。
【0034】
したがって、光空間変調素子1に表示された色分解像分割パターンに対応して各ダイクロイックミラー12R、12G、12Bの角度を画面の転換に同期して変えることにより、光空間変調素子1に表示された画面のRの色分解像領域にRの反射光18Rが入射して開口14のRの像を結像し、画面のGの色分解像領域にGの反射光18Gが入射して開口14のGの像を結像し、画面のBの色分解像領域にBの反射光18Bが入射して開口14のBの像を結像するようにすることができる。このようにして、光空間変調素子1に表示する色分解像分割パターンに同期して可変ダイクロイックミラー装置12の各ダイクロイックミラー12R、12G、12Bの角度を変えることにより、明るく高い光利用効率のカラー画像をスクリーン11上に投影表示することができる。
【0035】
次に、図6の実施例は、図2の3枚の体積型ホログラムの組み合わせによりそれぞれの色成分の回折光を色分解像分割パターンの対応する色の色分解像領域に向ける実施例の変形であり、体積型ホログラムとして電圧の不印加、印加により体積型ホログラムとして機能したり単純な透明体になる外部からの信号により切り換え制御可能な体積型ホログラムを用いた例である。このような体積型ホログラムと透明体との切り換え制御可能な体積型ホログラムは、IDW’00,pp.1065〜1068に"Electrically Switchable Bragg Grating Technolgy for Projection Displays" として紹介されている。
【0036】
図6の実施例においては、例えば図1の画面▲1▼、▲3▼、▲5▼の3つを光空間変調素子1上に周期的に表示する場合の例であるが、画面の数に対応した3つの3層アクティブホログラム体15▲1▼、15▲3▼、15▲5▼が密接してあるいは若干間隔をおいて重ね合わされてなる切り換え制御可能ホログラム装置15が、光源5からの白色光ビーム6が入射する光路(図2)中に配置されており、その切り換え制御可能ホログラム装置15からの回折光8R、8G、8Bが入射する位置に光空間変調素子1が配置されている。
【0037】
各3層アクティブホログラム体15▲1▼、15▲3▼、15▲5▼は、それぞれ体積型ホログラムと透明体との切り換え制御可能な体積型ホログラムであって、白色光ビーム6中のR成分を回折する体積型ホログラム15Rと、G成分を回折する体積型ホログラム15Gと、B成分を回折する体積型ホログラム15とが積層されてなるもので、各3層アクティブホログラム体15▲1▼、15▲3▼、15▲5▼においては、外部からの信号により同時に体積型ホログラムとなったり透明体となる。そして、3層アクティブホログラム体15▲1▼は、体積型ホログラムになるように制御されたときには、画面▲1▼の色分解像分割パターンの対応する色配列パターンでR、G、Bの回折光8R、8G、8Bを光空間変調素子1に向けるように構成されており、同様に、3層アクティブホログラム体15▲3▼は、体積型ホログラムになるように制御されたときには、画面▲3▼の色分解像分割パターンの対応する色配列パターンでR、G、Bの回折光8R、8G、8Bを光空間変調素子1に向けるように、3層アクティブホログラム体15▲5▼は、体積型ホログラムになるように制御されたときには、画面▲5▼の色分解像分割パターンの対応する色配列パターンでR、G、Bの回折光8R、8G、8Bを光空間変調素子1に向けるように、それぞれ構成されている。
【0038】
したがって、光空間変調素子1に表示された色分解像分割パターンに対応して各3層アクティブホログラム体15▲1▼、15▲3▼、15▲5▼の何れか1つのみを選択して対応する特性の体積型ホログラムになるように同期制御することにより、明るく高い光利用効率のカラー画像をスクリーン11上に投影表示することができる。
【0039】
これら3層アクティブホログラム体15▲1▼、15▲3▼、15▲5▼に記録されるホログラムの機能は、波長分離機能だけではなく、結像機能を有することが望ましい。
【0040】
以上、本発明のカラー画像表示装置をその原理と実施例に基づいて説明してきたが、本発明はこれら実施例に限定されず種々の変形が可能である。また、体積型ホログラム2R、15R等は透過型として図示してあるが、反射型のものを用いてもよい。また、照射する色配列パターンの変化としては、間欠的に変化させる方法について示したが、連続的に変化する方法を採用してもよい。ただし、その場合は、その連続的変化に合わせて光空間変調素子に表示する色分解像分割パターンも連続的に変化させる必要がある。また、画面の分割は横方向に短冊状に分割するものとしたが、これ以外の分割方式でもよい。例えば、縦方向の分割でもよく、6分割や9分割であってもよく、また、市松模様状の分割であってもよい。さらに、光空間変調素子は透過型として図示してあるが、反射型のものを用いてもよい。さらに、ホログラムを用いる例においては、ホログラム単体で照射パターンを発生するものとしたが、レンズやプリズム等の光学部品と組み合わせて所望の照射パターンを発生させるようにしてもよい。また、カラー画像表示装置も投影型のものに限らず、直接目視するカラー画像表示装置として構成してもよい。
【0041】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明のカラー画像表示装置によると、光空間変調素子は、時分割して周期的に異なる画面を表示可能なものからなり、その画面各々は3つ以上の複数領域に分割され、各領域に異なる色分解像の対応する領域部分像が表示され、1周期内においてそれぞれの画面には他の画面と異なる分割パターンで異なる色分解像の部分像が並列して表示され、光空間変調素子の各画面の色分解像配列パターンに対応する色配列パターンになるように、白色光源からの光を並列に色分離し配列して照射する照明光色分離配列照射手段を備えているので、従来の吸収型カラーフィルターを設けた光空間変調素子やカラーホイールを通して光空間変調素子を照明するものと比べると、光の減衰がなく高い光利用効率で明るいカラー画像が表示可能となる。また、ホログラムカラーフィルターを設けた光空間変調素子と比べると、光空間変調素子の画素パターンに適合した微細構造のものが必要でなく、光空間変調素子とのギャップや面方向の精密な位置合わせが不要となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のカラー画像表示装置の光空間変調素子上に表示される周期的な画面の色分解像分割パターンの1例を示す図である。
【図2】本発明による投影カラー画像表示装置の1実施例の構成を示す概念図である。
【図3】回転ホログラム板の1例の正面図である。
【図4】図2の実施例の回転ホログラム板の作用を説明するための図である。
【図5】本発明のカラー画像表示装置の別の実施例の構成を示す概念図である。
【図6】本発明のカラー画像表示装置のさらに別の実施例の構成を示す概念図である。
【図7】従来のDMDを用いた投影カラー画像表示装置の構成を示す概念図である。
【符号の説明】
▲1▼、▲2▼、▲3▼、▲4▼、▲5▼、▲6▼…画面
1…光空間変調素子
2…回転ホログラム板
2R…R成分を回折する体積型ホログラム
2G…G成分を回折する体積型ホログラム
2B…B成分を回折する体積型ホログラム
3▲1▼、3▲2▼、3▲3▼、3▲4▼、3▲5▼、3▲6▼…微小ホログラム
4…回転中心軸
5…光源
6…白色光ビーム
7…光学系
8R…Rの回折光
8G…Gの回折光
8B…Bの回折光
10…投影光学系
11…スクリーン
12…可変ダイクロイックミラー装置
12R…R反射ダイクロイックミラー
12G…G反射ダイクロイックミラー
12B…B反射ダイクロイックミラー
13…投影レンズ
14…開口
15…切り換え制御可能ホログラム装置
15▲1▼、15▲3▼、15▲5▼…3層アクティブホログラム体
15R…R成分を回折する体積型ホログラム
15G…G成分を回折する体積型ホログラム
15B…B成分を回折する体積型ホログラム
18R…Rの反射光
18G…Gの反射光
18B…Bの反射光
21…DMD
22…白色光源
23…集光レンズ
24…カラーホイール
25…インテグレータロッド
26…コリメートレンズ
27…投影レンズ
28…スクリーン

Claims (3)

  1. 1枚の光空間変調素子と白色光源とからなるカラー画像表示装置において、
    前記光空間変調素子は、時分割して周期的に異なる画面を表示可能なものからなり、前記画面各々は3つ以上の複数領域に分割され、各領域に異なる色分解像の対応する領域部分像が表示され、1周期内においてそれぞれの画面には他の画面と異なる分割パターンで異なる色分解像の部分像が並列して表示され、
    前記光空間変調素子の各画面の色分解像配列パターンに対応する色配列パターンになるように、前記白色光源からの光を並列に色分離し配列して照射する照明光色分離配列照射手段を備えており、
    前記照明光色分離配列照射手段は、前記白色光源からの光の異なる色成分を分離して、前記画面の転換に同期して異なる色配列パターンに変えて照射する色照射パターン可変手段を備えており、
    前記色照射パターン可変手段が、前記白色光源からの光を色分離する複数の体積ホログラムの積層体あるいは多重記録体からなり、前記画面の転換に同期してその体積ホログラムの積層体あるいは多重記録体を交換するように構成されていることを特徴とするカラー画像表示装置。
  2. 前記複数の体積ホログラムの積層体あるいは多重記録体が、回転板の周囲の円周方向に等間隔に設けられたホログラム領域からなり、前記回転板の回転角に応じて前記複数の体積ホログラムの積層体あるいは多重記録体が交換されるように構成されていることを特徴とする請求項1記載のカラー画像表示装置。
  3. 前記光空間変調素子は、何れかの辺方向に短冊状に領域分割がされていることを特徴とする請求項1又は2記載のカラー画像表示装置。
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