JP4876515B2 - リチウム二次電池用電極及びその製造方法並びにリチウム二次電池 - Google Patents

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Description

本発明は、リチウム二次電池用電極及びその製造方法並びにリチウム二次電池に関し、詳しくは、低温時に高出力を発揮するリチウム二次電池用電極及びその製造方法並びにこれらの電極を正極に用いたリチウム二次電池に関する。
近年、ノート型コンピューター、小型携帯機器、あるいは自動車のクリーンなエネルギー源(車載用の電源)として高性能なリチウム二次電池が開発されている。車載用の電源は、ノート型コンピューターなどの民生用途と比較して使用条件が厳しくなる。具体的には、車載用の電源には、(1)高エネルギー密度の要求に加えて、(2)室温下での出力特性が高いこと、さらには寒冷地でのエンジン始動の必要性から、(3)低温下(−30℃程度)での数秒間の短時間出力特性まで要求されている。
従来では、例えば、上記(1)の要求を満たすために、活物質の組成を最適化したり、上記(2)の要求を満たすために、電極薄膜化による低抵抗化等が試みられ、ある程度、電池特性が改善されたリチウム二次電池が提供されるようになっている。
しかしながら、上記従来技術のリチウム二次電池では、低温下においては、電池材料自体に起因した大きな内部抵抗増加(特に固液界面での電荷移動抵抗の増加が著しい)が生じる。このため、充分な短時間出力特性が得られず、要求される上記(3)の特性を満足することは難しかった。
そこで、上記(3)の特性を満足させるため、電気二重層容量を有する材料(例えば高比表面積のカーボン)と、Li含有遷移金属酸化物を有する活物質とを正極に用い、さらに、リチウムイオンを吸蔵・脱離しうるカーボンを含む負極と、リチウム塩を含む有機電解液とを用いるリチウム二次電池が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
ここで、電気二重層容量を有する材料は、高速に放電できるコンデンサ成分として機能するので、時定数増加に伴う電池電圧の降下スピードが鈍くなる。その結果、このリチウム二次電池用電極を用いたリチウム二次電池は、低温下での短時間出力特性を向上できる。
上記した正極は、活物質と電気二重層容量を有する材料とバインダとを有機溶剤に溶解又は懸濁させて、スラリーを作製した後、このスラリーを金属箔などからなる集電体の表面に塗布することで作製される。しかし、有機溶剤は環境負荷が大きく、コストもかかるため、有機溶剤を用いることは好ましくない。
これに対して、電気二重層容量を有する材料を含まないが、有機溶剤の代わりに、水を用いて、活物質と水で分散可能なバインダとにより、スラリーを作製し、このスラリーを用いて電極を作製する方法がある(例えば、特許文献2参照)。この方法によれば、水を用いているため、環境負荷がなく、また、有機溶剤を用いた場合に必要な装置が不要となるので、有機溶剤を用いた場合と比較して、簡便、かつ、安価に電極を形成することができる。
上記した2つの従来技術から、活物質と、電気二重層容量を有する材料と、水とを用いて、リチウム二次電池用電極を作製する方法が考えられる。
特開2003−234099号公報 特開2002−42817号公報
本発明は、上記点に鑑み、高エネルギー密度を維持し、有機溶剤を用いた場合と比較して、簡便、安価に電極を作製でき、かつ、低温での短時間出力特性(以後、低温出力と称する)に優れている、かつ、高温での充放電サイクル後の出力低下率が抑制されたリチウム二次電池用電極及びその製造方法並びにそれらの電極を用いたリチウム二次電池を提供することを目的とする。
本発明のリチウム二次電池用電極は、Liイオンを吸蔵・放出できる活物質と、電気二重層容量又は擬似電気二重層容量を有する電気二重層材料と、水溶性有機化合物と、を含む合材層を有する。また、本発明のリチウム二次電池用電極の製造方法は、(1)Liイオンを吸蔵・放出できる活物質と、電気二重層容量又は擬似電気二重層容量を有する電気二重層材料と、水溶性有機化合物と、を含む合材を水に分散乃至溶解して合材ペーストを調製する工程と、(2)前記合材ペーストを金属薄膜に塗布後、乾燥する工程と、を有する。
本発明者らは、水を用いた場合に、活物質、電気二重層容量を有する材料、水溶性有機化合物を分散させるために、電気二重層容量を有する材料に親水性の表面官能基を与えてスラリー作製を容易にする方法を完成したが、高温での充放電サイクルにより、電気二重層容量を有する材料の表面の親水性官能基が分解し、室温出力を低下する可能性が考えられた。
そこで、電気二重層容量を有する材料の表面の親水性官能基を除去し、水溶性有機化合物の親水性官能基を増加させた発明を完成した。これにより界面活性剤としての機能を向上して、活物質、電気二重層容量を有する材料を分散させ、スラリー作製を試みる方法である。しかし、スラリー作製後に行う乾燥により、完全に水分を除去することが困難になるおそれがあった。つまり、親水性官能基を増加させた水溶性有機化合物は、吸着水分量が多く、その水分の除去が難しい。そのため、高温での充放電サイクルにより、吸着水分と電解液が反応し、室温出力を低下させるおそれがあった。
本発明者らは上記課題を解決する目的で更に鋭意研究を重ねた結果、前記電気二重層材料として、ボロンが固溶したボロン固溶カーボンにより表面を被覆するものを採用することで望ましい性能を有するリチウム二次電池用電極及びその製造方法を提供できることを見いだした。特に、前記ボロン固溶カーボンのボロン含有量は、カーボン100質量部に対してボロンが0.5質量部以上、2.0質量部以下である。そして前記合材層における前記電気二重層材料の含有量は、前記合材層全体を100質量%としたときに、13.3質量%以下である。
ここで、表面のカーボンに対するボロンの存在量は走査型電子顕微鏡と、その走査型電子顕微鏡に付属のエネルギー分散型X線分析装置とを用いることで測定できる。具体的には、電気二重層材料の見かけ表面を境界として0.1μm外側もしくは内側の少なくとも一方の部分で□0.1μm×0.1μmの範囲でカーボン存在量及びボロン存在量を測定することで算出できる。
本発明のリチウム二次電池用電極又は本発明方法にて製造されたリチウム二次電池用電極をリチウム二次電池の電極に採用することにより、高エネルギー密度を維持しながら、簡便かつ安価に、低温出力を満足することができる。電気二重層容量又は擬似電気二重層容量を有する電気二重層材料は、活物質の低温時の急激な放電電位降下を抑制できる。
本発明のリチウム二次電池用電極では、低温出力の向上する手段として、活物質に加え、電極合材内に電気二重層材料を含有させている。
電気二重層材料は、水に混合させるために、ボロンが固溶したボロン固溶カーボンを表面にもつようにしている。ボロンが表面に存在することで、電気二重層材料の表面を親水性にしている。
これはカーボンにボロンを含有させることにより、カーボンの不対電子が増加するため、水の極性と引き合うためである。その結果、活物質と電気二重層材料とは水に良く分散できるので、電気二重層材料を含有させた効果を充分に発揮できると共に、溶媒に水が採用できたことによる環境負荷及びコストの低減が実現できる。
また、本発明のリチウム二次電池は、上述のリチウム二次電池用電極を採用することで上述の効果を有するリチウム二次電池が提供できる。
なお、本明細書においては、電気二重層容量又は擬似電気二重層容量を有する材料を、「電気二重層材料」と称している。
(リチウム二次電池用電極)
本発明のリチウム二次電池用電極は、Liイオンを吸蔵・放出できる活物質と、少なくとも1種の電気二重層材料と、水溶性有機化合物とを含有する合材層を有する。
電気二重層材料は電気二重層容量をもつ材料又は擬似電気二重層容量をもつ材料であり、ボロンが固溶したボロン固溶カーボンにより表面が被覆される。ここで、ボロンのカーボンへの固溶は置換型、侵入型を問わない。
特に、ボロン固溶カーボンにおけるボロン含有量は、カーボン100質量部に対してボロンが0.5質量部以上、2.0質量部以下である。カーボンに対してボロンの固溶量を増加させるに従ってカーボンの不対電子は増加し、0.5質量部以上において飽和する。これにより、ボロン固溶カーボンは十分な親水性が得ることができるので、電気二重層材料をスラリー中に充分に分散できる。一方、2.0質量部以下にすることで、電気的絶縁性を示す炭化ホウ素の形成が抑制でき、電池の出力低下を抑えることができる。
電気二重層材料としては、カーボン、多孔質セラミックス、金属クラスター粒子、導電性高分子材料が例示される。
例えば、カーボンにおいて実用的な電気二重層容量を得るには、高い比表面積を有することが求められる。高い比表面積を有するカーボンとしては、活性炭、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、カーボンエアロジェルが例示できる。また、多孔質セラミックスにおいても同様に、実用的な電気二重層容量を得るには、高い比表面積を有することが求められる。高い比表面積を有する多孔質セラミックスとしては、ゼオライト、FSM、AlPO4、Al23、TiO2等が例示できる。
ここで、カーボンの出発原料は有機化合物であり、ボロンを含む有機化合物を炭化、さらに高比表面積を得るために賦活することにより、ボロン固溶カーボンを得ることができる。例えば、ボロンを含む有機化合物として、HF/BF3触媒で工業用ナフタリンを重合し、BF3が残存した粗ピッチ、ベンゼンボロン酸、ナフタレンボロン酸、アントラセンボロン酸、ジボランとアセチレンの混合気体、9−クロロボラフルオレン、ボロン置換フェニルアセチリド等をあげることができる。
また、ボロンを含有した有機化合物を出発原料としないカーボンにボロンを含有させてボロン固溶カーボンを製造する方法として、ボロンやボロン化合物をイオン化して注入する方法がある。
ボロン固溶カーボン以外のカーボン(例えば、ボロンを含有した有機化合物を出発原料とせず、かつ、ボロンをイオン注入していないカーボン)、多孔質セラミックス、導電性高分子材料の表面にボロン固溶カーボンをコーティングすることでも、電気二重層材料を得ることができる。
電気二重層材料の表面にボロン固溶カーボンをコートする方法は、特に限定されるものではない。例えば、粉末状の電気二重層材料と粉末状のボロン変性アセチレンブラックを所定量配合し、この配合物に圧縮剪断応力を加えボロン変性アセチレンブラックを電気二重層材料の表面に擦り込むことにより得られる。この圧縮剪断応力を加える装置としては図3の断面図に示す装置が使用できる。ボロン固溶カーボンを電気二重層材料に擦り込むことにより電気二重層材料の表面にボロン変性アセチレンブラック(ボロン固溶カーボン)の被覆膜を形成できる。
また、例えば、粉末状の電気二重層材料と粉末状のボロン変性アセチレンブラックを所定量配合し、この配合物を液相で圧縮剪断応力を加えて混合し、乾燥処理により液層を除去することにより得られる。この圧縮剪断応力を加える装置としてはポンプ作用とローター・ステータ型ホモジナイザーと循環経路を供えた装置(例えばIKA社製:Master Plant)を使用できる。さらに液層での混合時に粉末状の金属酸化物を加えることにより、その金属酸化物が粉末状の電気二重層材料と粉末状のボロン変性アセチレンブラックにさらに圧縮剪断応力を与えるため、効果的である。
電気二重層材料としての導電性高分子材料は、電池作動電圧範囲の一部又は全てにおいてレドックス反応により擬似的な電気二重層容量を有する材料である。例えば、導電性高分子材料としては、ポリアニリン、ポリ(P−フェニレン)、ポリ(2,5−ピリジンジイル)、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンオキシド、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアセン、ポリアズレン、ポリフェニレンビニレン及びこれらの誘導体を挙げることができる。誘導体としては導電性を損なわない範囲で選択できる。好ましい導電性高分子材料は正極、負極にそれぞれに対して用いる場合によって異なる。正負極に採用した活物質との電圧マッチングの良好な(すなわち、高容量充放電の電位がLi系の電位に近い)ものを選択すればよい。
電気二重層材料は、比表面積1200m2/g以上であるカーボン、多孔質セラミックス又は導電性高分子材料のいずれかであることが望ましい。比表面積は窒素ガスを用いたBET法にて測定できる。カーボン及び多孔質セラミックスにおいて、比表面積が1200m2/g以上にすると、電解質イオンの充分な吸着が実現できるので、充分な電池特性が達成できる。更に、比表面積は3000m2/g以下にすることで、電極作成時の取り扱い性が向上する(かさ密度の向上などによる)。
電気二重層材料は上述のような比表面積を実現するために細孔をもつことが望ましい。電気二重層材料がもつ細孔は、低温出力の向上のためには細孔径が大きいことが好ましい。細孔径が大きいと、低温時の電解液粘度の増加によるイオン移動度の低下や電解液の濡れ性低下が効果的に防止できる結果、低温出力が向上する。
電気二重層材料は、エネルギー密度と低温出力特性との両立のために、細孔径が2nm以上(細孔径の上限として50nmを規定することが好ましい)の細孔の細孔容積が0.418mL/g以上の電気二重層材料をリチウム二次電池用電極の合材層中に含有することが好ましい。なお、細孔容積は、窒素ガス吸着によって細孔分布を計算する方法であり、かつ2nm以上の細孔を解析するのに適するBJH(Barrett-Joyner-Halenda)法で測定できる。
電気二重層材料は正負極のいずれかに採用するのみであっても充分な低温出力向上の効果が発揮できる。活物質の反応抵抗の大きい電極に採用することが好ましい。一般的には、正極に適用することが好ましい。正極、負極の両極に上記構成を適用すれば更に効果的であることはいうまでもない。
合材層における電気二重層材料の含有量は、合材層全体を100質量%としたときに、13.3質量%以下である。
水溶性有機化合物は、アニオン性又はHLBが4以上のノニオン性であることが望ましく、バインダとしても機能する高分子材料から選択することが好ましい。HLBは親水性親油性バランスを意味し、親水基や親油基毎に定められるDavisの基数に基づき算出される値である〔HLB=7+Σ(親水性基の基数)+Σ(親油性基の基数)〕。水溶性有機化合物としての高分子材料としては、メチルセルロース(MC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、エチルセルロース(EC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシエチルメチルセルロース(HEMC)等のセルロース類、ポリアクリル酸塩、ポリエチレンオキサイド(PEO)、ポリビニルアルコール(PVA)が例示できる。その他、各種アニオン系分散剤、各種ノニオン系分散剤等をあげることができる。これら材料を一種類以上あわせて使用することが望ましい。
このリチウム二次電池用電極は、例えば、活物質と電気二重層材料と水溶性有機化合物と必要に応じて含有する導電剤やバインダとを水系の溶媒(水など)に溶解もしくは懸濁させた合材スラリーを作製し、その合材スラリーを適正な集電体などの表面に塗布・乾燥させることで製造されるものである。
(正極への適用)
本発明のリチウム二次電池用電極が正極に用いられる場合には、活物質としては正極活物質を採用する。
正極は、正極活物質、電気二重層材料、バインダより構成させる。本発明のリチウム二次電池用電極が正極に用いられる場合には、電気二重層材料としては、ボロン変性カーボンブラック、活性炭、カーボンエアロジェル、膨張化炭素、発泡炭素、ハードカーボン、カーボンナノチューブ等の炭素質材料、また導電性高分子材料において電池材料との電圧マッチングが良好なポリアニリン及びその誘導体、ゼオライト、FSM、AlPO4、Al23、TiO2等の多孔質セラミックを用いることができる。電気二重層材料は、容易かつ低コストで高比表面積なボロン含有炭素を得る事のできるボロン変性カーボンブランクの一種であるボロン変性アセチレンブラックを液相法(適正な分散媒中にて活性炭とボロン変性アセチレンブラックとを混合・分散する方法)により被覆した活性炭が好ましい。
活性炭の賦活方法としては特に限定されるものではない。水蒸気賦活、CO2賦活、薬品賦活等が挙げることができる。また、これらの賦活方法を2種類以上組み合わせてもよい。しかしながら、効率よい(肥大したマクロ孔の存在が少なくてすみ、体積効率が良好である)薬品賦活が少なくとも施されることが好ましい。また、賦活する薬品としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、塩化亜鉛等を用いると原料の一部を侵食溶解する作用があるため、低温で高電気二重層容量を有するメソ孔以上の細孔を作りやすく好ましい。中でも高比表面積かつメソ孔容積を多くする点で、水酸化カリウムを用いることが望ましい。
活性炭の原料は、特に限定されるものではない。例えば、フェノール系、木質(木屑、ヤシ殻等のセルロース質あるいは栗等の澱粉質等)、HF/BF3触媒で工業用ナフタリンを重合し、BF3が残存した粗ピッチ、有機ホウ酸(フェニルボロン酸、ベンゼンボロン酸、ナフタレンボロン酸、アントラセンボロン酸等)、ジボランとアセチレンの混合気体、9−クロロボラフルオレン、ボロン置換フェニルアセチリド等を炭化、賦活したカーボンを挙げることができる。木質材料は、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、塩化亜鉛等の薬品が浸透しやすくメソ孔を作るため好ましい。
細孔の大きさは、IUPAC(International Union of Pure and Applied Chemistry)によって、主に以下の分類がなされている。
ミクロ孔 :2nm以下(従来の電気二重層キャパシタ用の材料として主に注目されている領域)
メソ孔 :2nm〜50nm(本発明において細孔容積を規定した領域)
マクロ孔 :50nm以上
正極活物質は、式LixNi1-yy2(MはCo、Mn、Al、B、Ti、Mg、Feの中から選ばれる少なくとも一種の元素、0<x≦1.2、0<y≦0.25)で表される化合物からなる正極活物質を用いることが好ましい。更には、X線回折を用いた結晶構造解析による006面に起因する回折強度I006と102面に起因する回折強度I102との和を101面に起因する回折強度I101で除した値(I006+I102)/ I101が0.36〜0.42である正極活物質を用いることが好ましい。活物質合成時の原材料の配合比、焼成温度、雰囲気(酸素濃度、露点、CO2含有量等)を変えることにより、この強度比(I006+I102)/I101のみを変えたLiNi0.82Co0.15Al0.032を作製した結果、強度比が0.42よりも大きくなると、サイクル評価後の内部抵抗が急激に増加した。これは初期における結晶欠陥が、リチウムイオンの拡散を阻害し抵抗成分となることや、更に充放電サイクルに伴う不純物層の生成や、活物質の膨張収縮による歪みの増加によると考えられる。また、ピーク強度比(I006+I102)/ I101が0.36よりも小さくなると結晶欠陥が少なくなり、リチウムイオンの拡散の阻害は小さくなると考えられるが、内部抵抗増加率は大きくなった。この原因は定かではないが、少量の結晶欠陥は歪みのピン止め効果のような状態で活物質の結晶構造変化をある程度抑制しているとためと思われる。また、正極活物質として、他のリチウム酸化物等の正極活物質を任意の割合で混合して、リチウム二次電池としても、この効果が損なわれるものではない。
正極活物質は、平均粒径が2〜15μmであることが望ましい。平均粒径が2μm以下では電解液との反応性が高くなり、充放電サイクルでの放電容量劣化や内部抵抗増加が大きくなることがある。また、平均粒径が15μm以上では電極への充填性が悪く、電池容量の低下を招くことがある。
正極活物質は、窒素ガス吸着により測定されるBET比表面積が0.2m/g〜1.5m/gであることが望ましい。BET比表面積が0.2m/g以下の場合は電解液との濡れ性が悪く、実効放電容量の低下を招く。また、BET比表面積が1.5m/g以上の場合は電解液との反応性が高くなり、充放電サイクルでの放電容量劣化や内部抵抗増加が大きくなる。
活性炭などの電気二重層材料が正極合材層中に占める量は、リチウム二次電池の充分なエネルギー密度を達成するために13.3質量%以下にする。これ以上添加すると、電極密度の低下により室温でのリチウム二次電池のエネルギー密度が低下する。
水溶性有機化合物としては、本発明における電極を構成する水溶性有機化合物であるアニオン性又はHLBが4以上のノニオン性の高分子から選ばれる、分散剤としての機能に優れ、かつ接着性の高いCMC、PEOが望ましい。CMC及びPEOはバインダとしての作用も発揮する。
更に、可撓性を有し、かつ耐電解液性に優れている水性ディスパージョン樹脂をバインダとして加えることが望ましい。該水性ディスパージョン樹脂を加えることにより、製造時において、電極が可とう性を有するため、取り扱い時やシート状の正極を捲回させるときの合材層のひび割れや脱落等による電極の損傷を防止することができる。
また、耐電解液性に優れることで、電解液に対して膨潤や溶解を防止し、電極としてもその損傷を防止することができる。
この水性ディスパージョン樹脂としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレンーヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフロオロエチレン−エチレン共重合体(ETFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(EPE)等のフッ素樹脂系樹脂、、アクリル系樹脂、ポリエチレン、ポリオレフィン等のオレフィン類、ポリイミド樹脂等の耐有機溶媒性に優れる水分散タイプの樹脂を挙げることができる。特に耐電解液性に優れ、乾燥時の熱によって偏析を起こしにくいPTFE又はアクリル系樹脂を用いることが望ましい。
(負極への適用)
本発明のリチウム二次電池用電極が負極に用いられる場合には、活物質としては負極活物質を採用する。
本発明のリチウム二次電池用電極が負極に用いられる場合には、電気二重層材料としては、Liイオンがインターカレートせず、負極電位で還元されない、擬似電気二重層容量をもつ導電性高分子材料を採用することが好ましい。Liイオンがインターカレートする活性炭等のカーボンでは、不可逆容量が大きくなる傾向があるからである。特に還元され難いn型導電性高分子材料であるポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリ(2,5−ピリジンジイル)、ポリ−p−フェニレン等が好ましい。
負極活物質は、リチウムイオンを吸蔵・放出することができる材料であれば特に限定されない。例えば、リチウム金属、グラファイト、非晶質炭素等の炭素質材料等をあげることができる。そして、リチウムをショート不良等の発生原因となるデンドライト状リチウムの析出を生じさせることなく、電気化学的に吸蔵・放出し得るインターカレート材料である炭素質材料がより好ましい。炭素質材料は比表面積が比較的大きく、リチウムイオンの吸蔵・放出速度が速いため、特に室温での出力・回生密度を向上させる効果を示す。
負極活物質は、BET比表面積が3.5m2/g以下であることが好ましい。負極活物質のBET比表面積は、3.0m2/g以下であることがより好ましい。負極活物質の比表面積を3.5m2/g以下とすることで、負極活物質と電解液による副反応を抑制することができる。この結果、リチウム二次電池の長寿命化が可能となる。
負極活物質の製造方法は、特に制限されるものではない。比表面積は原材料の比表面積に大きく影響をうけるため、所定の条件で原材料を粉砕及び/又は分級した後に焼成することが好ましい。また、焼成した後に粉砕及び/又は分級してもよい。
(リチウム二次電池)
本発明のリチウム二次電池は、上記リチウム二次電池用電極を正極又は負極に用いたリチウム二次電池である。特に正極に対して適用することが効果的であり好ましい。本発明のリチウム二次電池用電極については前述した通りなので更なる説明は省略する。本発明のリチウム二次電池用電極を採用しない電極については公知の電極がそのまま採用できる。更に、前述の本発明の正負極から電気二重層材料を省略した電極を採用することもできる。
本発明のリチウム二次電池は、上記リチウム二次電池用電極を採用した電池であり、それ以外の要素例えば、電解液及びセパレータには、従来公知のものを用いることができる。また、本発明のリチウム二次電池は、その形状には特に制限を受けず、コイン型、円筒型、角型等、種々の形状の電池とすることができる。
電解液は、支持塩を溶媒に溶解させてなることが好ましい。溶媒としては、例えば、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネートなどの単独又は2種以上の混合溶媒が挙げられる。支持塩としては、LiCF3SO3、LiC49SO3、LiClO4、LiPF6、LiBF4、LiN(CF3SO2)(CF3SO2)、LiN(C49SO2)(CF3SO2)、LiN(C25SO2)(C25SO2)などの支持塩を単独又は2種以上混合したものが例示できる。
セパレータは、厚さ10〜50(μm)で、開孔率30〜70%の微多孔性ポリプロピレンフィルム、微多孔性ポリエチレンフィルム又はポリメチルペンテン不織布セパレータなどを用いることができる。
本発明のリチウム二次電池の1つの形態として、円筒型のリチウム二次電池の構成をあげる。
円筒型のリチウム二次電池は、正極及び負極をシート形状として両者をセパレータを介して積層し渦巻き型に多数回巻き回した巻回体と空隙を満たす電解液とともに所定の円筒状ケース内に収納したものである。また、正極とケースの正極端子部とについて、そして負極とケースの負極端子部とについては、それぞれ電気的に接合されている。
本発明のリチウム二次電池の製造方法は、特に限定されない。例えば、上記円筒型リチウム二次電池においては、シート状の正負極を製造し、その正極及び負極をセパレータを介した状態で巻回して電極体を製造した後、あらかじめ調製しておいた電解液とともにケース内に封入する。このような手順により円筒型リチウム二次電池を製造することができる。
本発明のリチウム二次電池は、時定数増加に伴う電池電圧の降下スピードが鈍くなっており、本発明のリチウム二次電池用電極を用いたリチウム二次電池は、低温下での短時間出力が向上したリチウム二次電池となる効果を示す。本発明のリチウム二次電池は、低温出力特性に優れたリチウム二次電池であり、車載用電源として好適に用いることができる。
以下、実施例を用いて本発明を説明する。
本発明の実施例として、リチウム二次電池用電極及びリチウム二次電池を作製した。なお、リチウム二次電池の正極に用いた電気二重層材料の静電容量、粒径、比表面積、及び細孔分布の測定は、以下に示した手順により行われた。
《静電容量測定》
電気化学キャパシタを作製し、作製された電気化学キャパシタを−30℃の一定温度中で、ポテンショ・ガルバノスタット(北斗電工株式会社製HA−501G)を用いて印加電圧2.0Vで5分間充電、2分間の休止時間の後、0.3mAにて放電した。静電容量は充電電圧から1.0Vにおいて、図1に示す放電カーブの電圧と時間の関係から図中に示す傾きdV/dtを最小二乗法によって求め、下記式(1)により単極の活性炭質量当たりの静電容量を求めた。
Figure 0004876515
ここで、Cは活性炭質量当たりの静電容量、Iは電流、dV/dtは図1中の傾き、Wは単極当たりの活性炭質量である。
《粒径の測定》
日機装株式会社製「HRA9320−X100型マイクロトラック」を用いて、粒度分布を測定し、平均粒径D50を求めた。
《比表面積の測定》
カンタークローム社製「NOVA2000型BET比表面積測定装置」を用いて窒素吸着BET法による比表面積を測定した。
《細孔分布測定》
日本ベル株式会社製「BELSORP 36 高精度全自動ガス吸着装置」を用いて、下記条件にて測定した。吸着ガス:N2、死容積:He、吸着温度:液体窒素温度(77K)、測定前処理:150℃真空脱気、測定モード:等温での吸着・脱離、測定範囲:相対圧(P/P0)=0.00〜0.99、平衡時間:各平衡相対圧につき180sec、解析法:BJH法、細孔径範囲:20.0Å〜400Å(P/P0の最小変化幅0.05のため下限20.0Åは19.2Å或は21.6Åとなるためより近い19.2Åとした)。
《電気二重層材料の表面付近のボロン量の測定》
日立製作所製の走査型電子顕微鏡「S−3000N」と、該走査型電子顕微鏡に付属の堀場製作所製のエネルギー分散型X線分析装置「EMAX ENERGY 7021−H」とを用いて、電気二重層材料の見かけ表面を境界として0.1μm外側もしくは内側の少なくとも一方の部分で□0.1μm×0.1μmの範囲におけるカーボン存在量(質量基準)を100とした場合のボロン存在比を求めた。
《粒径の測定》
日機装株式会社製「HRA9320−X100型マイクロトラック」を用いて、粒度分布を測定し、平均粒径D50を求めた。
《剥離強度測定》
電極を長さ55mm、幅30mmで打ち抜いた後、打ち抜いた電極の幅中央に長さ100mm、幅6mmのポリエステルテープ(株式会社 寺岡製作所製 612S)を、7kg重のロールにて充分付着させる。これにより、ポリエステルテープが45mm長さ方向にはみ出した、剥離強度測定用電極(図2参照:テープつき電極)を得た。
得られた前記テープつき電極において、テープが付着していない電極部分を治具にて固定し、長さ方向に電極よりはみ出たテープをロードセルによりはさむ。図2に示す−X方向、速さ200mm/minにてロードセルを移動させることにより、剥離強度を測定した。
(実施例1)
(活性炭)
まず、電気二重層材料としての活性炭を、ヤシ殻を原料として炭化した後、アルカリ溶液を含ませて、水蒸気賦活法を施した。その後、得られた活性炭のBJH法による細孔径20Å以上の細孔容量は1.501mL/g、BET比表面積は1900m2/gであった。
(静電容量測定用正極)
製造された活性炭を35質量部、ボロン変性アセチレンブラック(電気化学工業製:デンカブラックBMAB)50質量部、バインダとしてポリフッ化ビニリデン15質量部からなる混合物にN−メチル−2−ピロリドンを加えて図3の装置を用いて剪断圧縮応力を加えて混練し、15μmのアルミ箔上に塗布した後、60℃にて3時間大気中で乾燥し、ボロン変性アセチレンブラックを被覆した活性炭をアルミ箔上に得た。乾燥後、このシートを直径15mmに打ち抜き、打ち抜いたシートをプレスし、アルミ箔を除いた厚さが50μm(アルミ箔を含むシート全体の厚さが65μm)、アルミ箔を除いた質量が2.0mgの分極性電極を得た。
(静電容量測定用負極)
鱗片状グラファイトを98質量部、アニオン性の水溶性有機化合物としてのカルボキシメチルセルロースナトリウム粉末1質量部となるように所定の量の水と混練した。つづいて、水性ディスパージョン樹脂としてSBR1質量部からなる混合物を加えて混練し、10μmの銅箔上に塗布した後、60℃にて3時間大気中で乾燥した。乾燥後、このシートを直径15mmに打ち抜き、打ち抜いたシートをプレスし、銅箔を除いた厚さが50μm(アルミ箔を含むシート全体の厚さが65μm)、銅箔を除いた質量が2.0mgの負極を得た。
これら正極、負極を120℃で真空乾燥した後、アルゴン雰囲気としたグローブボックス中に移し、微多孔性セパレータ(商品名:UP3025、宇部興産製)を介して対向させて素子を形成し、1mol/LのLiPF6を含むエチレンカーボネート30質量部、エチルメチルカーボネート30質量部、及びジメチルカーボネート40質量部からなる混合溶液を含浸させてセルを作製した。これをステンレス(SUS316)とポリプロピレン製絶縁ガスケットからなるコイン型ケースの中に上記セルを挿入し、上記コイン型ケースをかしめ封口し、コイン型電気化学キャパシタを得た。得られた電気化学キャパシタの−30℃における静電容量を測定したところ、110F/gであった。すなわち、製造された活性炭の−30℃における静電容量は110F/gであった。
この電気二重層材料を用いてリチウム二次電池を、以下の手順で作製した。
(正極の製造)
正極活物質としてのリチウムニッケル酸化物87質量部、電気二重層材料としての上記活性炭2質量部、カーボン中にボロンを1質量%固溶したボロン変性アセチレンブラック(電気化学工業製:デンカブラックBMAB)8質量部に、アニオン性の水溶性有機化合物としてのカルボキシメチルセルロースナトリウム粉末1質量部、更にノニオン性の水溶性有機化合物としてのポリエチレンオキサイド粉末(HLB20)1質量部と所定量の水を混合し、図3に示す剪断圧縮応力を与える攪拌機にて30分間攪拌した。その後、水性ディスパージョン樹脂としての固形分比率約40%のアクリル樹脂(日本ゼオン製:AY−1031)をアクリル樹脂の固形分が1.0質量部となるように添加し、剪断圧縮応力を与える循環経路とポンプとを備えたローター・ステータ型攪拌機(IKA社製:Master Plant)を使い10分間攪拌した。なお、正極の製造時の固形分の合計は100.0質量部であった。このようにして得られたスラリーをコンマコータにてアルミ箔上に片面あたり目付量6.41(mg/cm2)で両面塗布し、乾燥し、ボロン変性アセチレンブラックが満遍なく被覆された活性炭を含んだ正極合材と、該正極合材を担持した正極シートを得た。次にこの正極シートをロールプレス機を通し、電極密度を2.10(g/cm3)まで上げた。次にこの電極を幅5.4(cm)、長さ90(cm)にカットし、電流取り出し用のリードタブ溶接部として長さ2.5(cm)分の電極合材を掻き取った。この電極の有効反応面積は5.4(cm)×87.5(cm)×2=945(cm2)である。ここで、電極の剥離強度は53mNであった。
(負極の製造)
負極は、負極活物質としての鱗片状グラファイト98質量部、アニオン性の水溶性有機化合物としてのカルボキシメチルセルロースナトリウム粉末1質量部となるように所定の量の水と混練した。つづいて、水性ディスパージョン樹脂としてSBR1質量部からなる混合物を加えて混練し、グラファイトを分散させたスラリーを正極と同様にコンマコータを使い銅箔上に片面あたりの目付量4.28(mg/cm2)で両面塗布した。その後ロールプレス機を通し、電極密度を1.28(g/cm3)まで上げた電極を作製した。次にこの電極を幅5.6(cm)、長さ94(cm)にカットし、電極取り出し用のリードタブ溶接部として長さ0.5(cm)分の電極合材を掻き取った。この電極の有効反応面積は、5.6(cm)×93.5(cm)×2=1047.2(cm2)である。
(電池の組立)
以上で得られたシート状正極及びシート状負極を、セパレータを介した状態で巻回して、巻回型電極体を形成した。セパレ−タにはポリエチレン製厚み25μmのものを用いた。得られた巻回型電極体は、ケースの内部に挿入し、ケース内に保持した。このとき、シート状正極及びシート状負極のリードタブ溶接部に一端が溶接された集電リードは、ケースの正極端子あるいは負極端子に接合した。その後、巻回型電極体が保持されたケース内に電解液を注入した後に、ケースを密閉、封止した。
以上の手順により、φ18mm、軸方向の長さ65mmの本実施例の円筒型リチウム二次電池を製造した。
(実施例2)
ボロンを0.5質量%固溶したボロン変性アセチレンブラック(電気化学工業製:デンカブラックBMAB)を用いた以外は、実施例1と同様に電極を作製した。液相でボロン変性アセチレンブラックを活性炭に被覆して乾燥後に、活性炭表面付近のカーボン質量100に対するボロン質量比を測定したところ0.5質量%であった。また、剥離強度は10mNであった。
(実施例3)
ボロンを2.0質量%固溶したボロン変性アセチレンブラック(電気化学工業製:デンカブラックBMAB)を用いた以外は、実施例1と同様に電極を作製した。液相でボロン変性アセチレンブラックを活性炭に被覆して乾燥後に、活性炭表面付近のカーボン質量100に対するボロン質量比を測定したところ0.5であった。また、剥離強度は50mNであった。
(比較例1)
ボロン変性アセチレンブラックの代わりにアセチレンブラック(AB:電気化学工業製:デンカブラックHS−100)を用いた以外は、実施例1と同様に電極を作製した。液相でアセチレンブラックを活性炭に被覆して乾燥後に、活性炭表面付近のボロン量を測定したところ観測できなかった。
この後、実施例1と同様に正極を作製しようとしたが、プレス工程後の剥離強度が極端に弱いため、巻回時に合材が滑落を起こし、電池を作製できなかった。
(比較例2)
ボロンを3.0質量%固溶したボロン変性アセチレンブラック(電気化学工業製:デンカブラックBMAB)を用いた以外は、実施例1と同様に電極を作製した。液相でボロン変性アセチレンブラックを活性炭に被覆して乾燥後に、活性炭表面付近のカーボン質量100に対するボロン質量比を測定したところ3.0であった。また、剥離強度は62mNであった。
(実施例4)
実施例4は、以下に示したボロン変性アセチレンブラック0.2質量部を被覆した活性炭2質量部とアセチレンブラック7.8質量部を用いた以外は、実施例1と同様に製造したリチウム二次電池である。
活性炭にボロン変性アセチレンブラックを被覆する方法として、図3に示すメカノケミカル反応を利用する皮膜形成装置を用いて行った。
この皮膜形成装置の内部空間10に、活性炭とボロン変性アセチレンブラックとを入れ、回転ドラム1を所定回転数で所定時間(処理時間)回転させた。回転ドラム1内では押圧剪断ヘッド3と回転ドラム1の内周面との間の押圧剪断力により混合粉にメカノケミカル作用が生じて活性炭の各粒子の表面にボロン変性アセチレンブラックを被覆することができた。回転ドラム1内部では爪5により混合粉を適宜描き落としているので、混合粉は全体的に被覆作用が進行した。
以上のボロン変性アセチレンブラックで被覆された活性炭の表面のカーボン質量100に対するボロン質量比は1.0であった。
以上のボロン変性アセチレンブラックで被覆された活性炭2.2質量部に、7.8質量部の導電剤として比較例1で使用したアセチレンブラック、アニオン性の水溶性有機化合物としてのカルボキシメチルセルロースナトリウム粉末1質量部、更にノニオン性の水溶性有機化合物としてのポリエチレンオキサイド粉末1質量部と所定量の水を混合し、攪拌機にて30分間攪拌する。その後、水性ディスパージョン樹脂としての固形分比率約40%のアクリル樹脂をアクリル樹脂の固形分が1質量部となるように添加し、撹拌機を使い10分間攪拌する。なお、正極の製造時の固形分の合計は100質量部である。このようにして得られたスラリーをコンマコータにてアルミ箔上に片面あたり目付量6.41(mg/cm2)で両面塗布した。また、剥離強度は45mNであった。
(実施例5)
実施例5は、以下に示した活性炭2質量部にボロン変性アセチレンブラック(ボロン1.0質量%含有)0.2質量部を被覆するために、炭化されたカルボキシメチルセルロースナトリウム0.2質量部と、アセチレンブラック7.6質量部とを用いた以外は、実施例1と同様に製造したリチウム二次電池である。
活性炭にボロン変性アセチレンブラックを被覆する方法として、メカニカルミリングを利用して、活性炭とボロン変性アセチレンブラックとバインダとを混合し、熱処理する方法を用いて行った。
攪拌機に、活性炭2質量部、ボロン変性アセチレンブラック0.2質量、カルボキシメチルセルロースナトリウム0.2質量部とを水に入れ、所定回転数で所定時間(処理時間)回転させ、スラリーを作製した。その後得られたスラリーを乾燥し、上記粉体が均一に混ざった混合粉体を得た。その後900℃、1時間、真空加熱を行い、ボロン変性アセチレンブラックで被覆された活性炭を得た。
以上のボロン変性アセチレンブラックで被覆された活性炭2.4質量部に、7.8質量部の導電剤として比較例1で使用したアセチレンブラック、アニオン性の水溶性有機化合物としてのカルボキシメチルセルロースナトリウム粉末0.8質量部、更にノニオン性の水溶性有機化合物としてのポリエチレンオキサイド粉末1質量部と所定量の水を混合し、攪拌機にて30分間攪拌する。その後、水性ディスパージョン樹脂としての固形分比率約40%のアクリル樹脂をアクリル樹脂の固形分が1質量部となるように添加し、撹拌機を使い10分間攪拌する。なお、正極の製造時の固形分の合計は100質量部である。このようにして得られたスラリーをコンマコータにてアルミ箔上に片面あたり目付量6.41(mg/cm2)で両面塗布した。また、電極の剥離強度は30mNであった。
(実施例6)
実施例6は、電気二重層材料として、原料であるBF3が残存した粗ピッチを炭化した後、アルカリ溶液を含ませて、水蒸気賦活法を施した活性炭を用いた以外は、実施例1と同様なリチウム二次電池である。
なお、本実施例において用いられた活性炭の表面のカーボン質量100に対するボロン質量比は1.0、細孔径20Å以上の細孔容量は0.490mL/g、BET比表面積は1200m2/g、−30℃における静電容量は93F/g、電極の剥離強度は13mNであった。
(実施例7)
実施例7は、電気二重層材料として、フェニルボロン酸を炭化した後、アルカリ溶液を含ませて、水蒸気賦活法を施した活性炭を用いた以外は、実施例1と同様なリチウム二次電池である。
なお、本実施例において用いられた活性炭の表面のカーボン質量100に対するボロン質量比は1.0、細孔径20Å以上の細孔容量は0.450mL/g、BET比表面積は1250m2/g、−30℃における静電容量は95F/g、電極の剥離強度は22mNであった。
(実施例8)
実施例8は、電気二重層材料として、木屑を原料として水蒸気賦活法によって得られた活性炭を用いた以外は、実施例1と同様なリチウム二次電池である。
なお、本実施例において用いられた活性炭の表面のカーボン質量100に対するボロン質量比は1.0、細孔径20Å以上の細孔容量は0.418mL/g、BET比表面積は1200m2/g、−30℃における静電容量は93F/g、電極の剥離強度は62mNであった。
(実施例9)
実施例9は、電気二重層材料としての活性炭を、木屑原料を炭化と同時に薬品賦活を施し、900℃の窒素雰囲気中で3hrs熱処理することによって得られた活性炭を用いた以外は、実施例1と同様なリチウム二次電池である。
なお、本実施例において用いられた活性炭の表面のカーボン質量100に対するボロン質量比は1.0、細孔径2nm以上の細孔容量は1.407mL/g、BET比表面積は1730m2/g、−30℃における静電容量は110F/g、電極の剥離強度は60mNであった。
(実施例10)
実施例10は、電気二重層材料として、ポリフッ化ビニリデンを超臨界乾燥によりカーボンエアロジェル(MarkeTech International Inc.)を原料として炭化、水蒸気賦活、酸素雰囲気にて熱処理を施すことによって得られたカーボンを用いた以外は、実施例1と同様なリチウム二次電池である。
なお、本実施例において用いられた活性炭の表面のカーボン質量100に対するボロン質量比は1.0、BJH法による細孔径20Å以上の細孔容量は1.650mL/g、BET比表面積は1200m2/g、−30℃における静電容量は105F/g、電極の剥離強度は60mNであった。
(実施例11)
実施例11は、電気二重層材料として、導電性高分子材料であるポリアニリンを用いた以外は、実施例1と同様なリチウム二次電池である。
なお、本実施例において用いられたポリアニリンの活性炭の表面のカーボン質量100に対するボロン質量比は1.0、−30℃における静電容量は130F/g、電極の剥離強度は220mNであった。
(実施例12)
実施例12は、水性ディスパージョン樹脂として、PTFE(ダイキン工業製:D−2CE)を用いた以外は、実施例1と同様なリチウム二次電池である。
(実施例13)
実施例13は、電気二重層材料としての活性炭を5質量部にした以外は実施例1と同様にリチウム二次電池を製造した。なお、正極の製造時の固形分の合計は104質量部であり、目付け量は6.60(mg/cm2)とした。
(実施例14)
実施例14は、電気二重層材料としての活性炭を10質量部にし、剥離強度を向上するためアクリル樹脂の固形分が4質量部となるように添加した以外は実施例1と同様にリチウム二次電池を製造した。なお、正極の製造時の固形分の合計は111質量部であり、目付け量は7.12(mg/cm2)とした。
(実施例15)
実施例15は、電気二重層材料としての活性炭を16質量部にし、剥離強度を向上するためアクリル樹脂の固形分が7質量部となるように添加した以外は実施例1と同様にリチウム二次電池を製造した。なお、正極の製造時の固形分の合計は120.0質量部であり、目付け量は7.69(mg/cm2)とした。
(比較例3)
比較例3は、電気二重層材料としての活性炭を20質量部にし、剥離強度を向上するためアクリル樹脂の固形分が8質量部となるように添加した以外は実施例1と同様にリチウム二次電池を製造した。なお、正極の製造時の固形分の合計は125.0質量部であり、目付け量は8.14(mg/cm2)とした。
(実施例16)
実施例16は、以下に示した正極を用いた以外は、実施例1と同様に製造したリチウム二次電池である。正極活物質としてのリチウムニッケル酸化物86.9質量部、導電剤としてのケッチェンブラック(品番:ECP−600JD)4.1質量部を用いて、正極活物質に導電剤を被覆した。
活物質に導電剤を被覆する方法として、図3に示すメカノケミカル反応を利用する皮膜形成装置を用いて行った。この皮膜形成装置は、内部空間10をもつ回転ドラム1を有し、その内部空間10に、押圧剪断ヘッド3と固定軸2と第1アーム4と爪5と第2アーム6とが内設されている。
押圧剪断ヘッド3は回転ドラム1の内周面に対して僅かな隙間を介して設けられている。押圧剪断ヘッド3は、回転ドラム1の半径方向外方に向けて設けられ且つ回転ドラム1の内周面よりも曲率の大きい面をもち、その面と反対側が第1アーム4の先端部に固定されている。第1アーム4の他端部は回転ドラム1内部の固定軸2に固定されている。
固定軸2は、回転ドラム1を回転したとき際の第1アーム4の回転後方(つまり、回転ドラム1は図3上で時計回りに回転している)に、所定角度を隔てて第2アーム6の一端部が固定されている。第2アーム6の他端部には回転ドラム1の内周面近くにまで延びる爪5が固定されている。
この皮膜形成装置の内部空間10に、上記混合粉を入れ、回転ドラム1を所定回転数で所定時間(処理時間)回転させた。回転ドラム1内では押圧剪断ヘッド3と回転ドラム1の内周面との間の押圧剪断力により混合粉にメカノケミカル作用が生じてリチウムニッケル酸化物の各粒子の表面にケッチェンブラックを被覆することができた。回転ドラム1内部では爪5により混合粉を適宜描き落としているので、混合粉は全体的に被覆作用が進行した。
以上のケッチェンブラックで被覆された活物質に、3質量部の活性炭(実施例1使用と同じ)、6質量部のカーボン中にボロンを1質量%固溶したボロン変性アセチレンブラック、2質量部濃度のカルボキシメチルセルロースナトリウム塩水溶液をアニオン性の水溶性有機化合物としてのカルボキシメチルセルロースナトリウムの固形分が1質量部となるように混合し、更にノニオン性の水溶性有機化合物としてのポリエチレンオキサイド粉末1質量部と所定量の水を混合し、循環型攪拌機にて30分間攪拌する。その後、水性ディスパージョン樹脂としての固形分比率約40%のアクリル樹脂をアクリル樹脂の固形分が1質量部となるように添加し、循環型撹拌機を使い10分間攪拌する。なお、正極の製造時の固形分の合計は103質量部である。このようにして得られたスラリーをコンマコータにてアルミ箔上に片面あたり目付量6.60(mg/cm2)で両面塗布した。
(実施例17)
実施例17は、以下に示した負極を用いた以外は、実施例1と同様に製造したリチウム二次電池である。
(負極の製造)
擬似電気二重層材料としての1.8質量部のポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)にボロン変性アセチレンブラック(ボロン1質量%含有)0.2を被覆する方法として、図3に示すメカノケミカル反応を利用する皮膜形成装置を用いて行った。
この皮膜形成装置の内部空間10に、粉末状のポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)とボロン変性アセチレンブラックとを入れ、回転ドラム1を所定回転数で所定時間(処理時間)回転させた。回転ドラム1内では押圧剪断ヘッド3と回転ドラム1の内周面との間の押圧剪断力により混合粉にメカノケミカル作用が生じてポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)の各粒子の表面にボロン変性アセチレンブラックを被覆することができた。回転ドラム1内部では爪5により混合粉を適宜描き落としているので、混合粉は全体的に被覆作用が進行した。
以上のボロン変性アセチレンブラックで被覆されたポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)の表面のカーボン質量100に対するボロン質量比は1.0であった。
負極活物質として鱗片状グラファイト98質量部、擬似電気二重層材料としてボロン変性アセチレンブラックで被覆されたポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)が2質量部、アニオン性の水溶性有機化合物としてのカルボキシメチルセルロースナトリウム粉末1質量部となるように所定の量の水と混練した。つづいて、水性ディスパージョン樹脂としてSBR1質量部からなる混合物を加えて混練し、グラファイトを分散させたスラリーを調製した。調製されたスラリーをコンマコータを使い銅箔上に片面あたりの目付量4.37(mg/cm2)で両面塗布し、その後ロールプレス機を通し、電極密度を1.28(g/cm3)まで上げた電極を作製した。なお、負極の製造時の固形分の合計は102質量部であった。
なお、本実施例において用いられたポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)の−30℃における静電容量は105F/gであった。
(評価)
実施例及び比較例の各電池の評価として、電池初期容量、室温出力、低温出力、サイクル後の室温出力の低下率を測定した。測定結果を表1及び2に示した。それぞれの容量、出力、及びサイクル後の室温出力低下率の測定は、以下に示した測定手順により行った。
《電池初期容量》
初回は充電電流250(mA)で4.1(V)までCC−CV充電し、放電電流333(mA)で3.0(V)までCC放電を行った。次に充電電流1000(mA)で4.1(V)までCC−CV充電、放電電流1000(mA)で3.0(V)までCC放電を4回行った後、充電電流1000(mA)で4.1(V)までCC−CV充電、放電電流333(mA)で3.0(V)までCC放電し、この時の放電容量を電池初期容量とした。なお、測定は25℃の雰囲気で行った。
《室温出力》
初期放電容量測定後、25℃に保ち、充電電流1000mAで3.750V(SOC60%)までCC−CV充電した。その後、300mA、900mA、2.7A、5.4A、8.1Aの順にそれぞれ10秒間放電、10秒間充電を繰り返し、それぞれの電流値及び閉回路電池電圧を直線近似し、その直線が3.0Vと交差する点の電流値を読み取り、その電流値に3Vを乗ずることにより出力を求めた。なお、測定はすべて25℃で行った。
《低温出力》
初期放電容量測定後、25℃に保ち、充電電流1000mAで3.618V(SOC40%)までCC−CV充電した。
その後、100mA、200mA、300mA、400mA、600mA、1000mAの順に2点をそれぞれ2秒間放電、2秒間充電を繰り返し、それぞれの点の電流値、閉回路電池電圧を測定し、3.0V前後の2点を結んだ直線が3.0Vと交差する点の電流値を読み取り、その電流値に3Vを乗ずることにより出力を求めた。なお、測定はすべて−30℃で行った。
《サイクル後の室温出力低下率》
60℃の雰囲気にて充電電流1000(mA)で4.1(V)までCC−CV充電、放電電流333(mA)で3.0(V)までCC放電し、500サイクル行った。その後、室温出力を測定し、その出力の低下率を求めた。
表1、表2及び表3に結果を示す。
Figure 0004876515
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表1、表2及び表3より、各実施例の電池は、電池容量、低温及び室温での出力にすぐれた電池であることが明らかになった。特に、ボロン固溶カーボンを含有しない比較例1は、活性炭の分散状態が悪いため、剥離強度が非常に低いことが明らかになった。また、ボロン固溶カーボンにおけるボロンの含有量が3.0と大きい比較例2は剥離強度は高いものの、低温出力が他の実施例の電池と比較して低いことが判った。
また、実施例1及び12の比較から、双方共に高い電池性能が実現できることが判ったが、特にバインダーとしてアクリル樹脂を採用した実施例1の方が高い剥離強度を示した。更に正極において活性炭の含有量を16質量%とした比較例3は、容量、室温出力、サイクル後の室温出力の低下率共に、他の実施例の電池と比較して充分ではなかった。
各実施例のリチウム二次電池は、−30℃の低温においても充分な出力特性を有することから、電気自動車などの車載用の二次電池として用いることが可能となることが明らかになった。
静電容量の測定における放電カーブの電圧と時間の関係を示した図である。 実施例において剥離強度を測定する様子を示した模式図である。 実施例で用いた固相の皮膜形成装置の構成の概略を示した断面図である。
符号の説明
1…回転ドラム 10…内部空間
2…固定軸
3…押圧剪断ヘッド
4…第1アーム
5…爪
6…第2アーム

Claims (7)

  1. Liイオンを吸蔵・放出できる活物質と、電気二重層容量又は擬似電気二重層容量を有する電気二重層材料と、水溶性有機化合物と、を含む合材層を有するリチウム二次電池用電極であって、
    前記電気二重層材料は、ボロンが固溶したボロン固溶カーボン表面が被覆され、
    前記ボロン固溶カーボンのボロン含有量は、カーボン100質量部に対してボロンが0.5質量部以上、2.0質量部以下であり、
    前記合材層における前記電気二重層材料の含有量は、前記合材層全体を100質量%としたときに、13.3質量%以下であることを特徴とするリチウム二次電池用電極。
  2. 前記電気二重層材料は、比表面積が1200m/g以上である請求項1に記載のリチウム二次電池用電極。
  3. 前記電気二重層材料は、2nm以上の細孔径をもつ細孔容積が0.418mL/g以上であるカーボンを主要成分とする請求項1又は2に記載のリチウム二次電池用電極。
  4. Liイオンを吸蔵・放出できる活物質と、電気二重層容量又は擬似電気二重層容量を有する電気二重層材料と、水溶性有機化合物と、を含む合材を水に分散乃至溶解して合材ペーストを調製する工程と、
    前記合材ペーストを金属薄膜に塗布後、乾燥する工程と、を有するリチウム二次電池用電極の製造方法であって、
    前記電気二重層材料は、ボロンが固溶したボロン固溶カーボン表面が被覆され、
    前記ボロン固溶カーボンのボロン含有量は、カーボン100質量部に対してボロンが0.5質量部以上、2.0質量部以下であり、
    前記合材層における前記電気二重層材料の含有量は、前記合材層全体を100質量%としたときに、13.3質量%以下であることを特徴とするリチウム二次電池用電極の製造方法。
  5. 前記電気二重層材料は、比表面積が1200m/g以上である請求項に記載のリチウム二次電池用電極の製造方法。
  6. 前記電気二重層材料は、2nm以上の細孔径をもつ細孔容積が0.418mL/g以上であるカーボンを主要成分とする請求項4又は5に記載のリチウム二次電池用電極の製造方法。
  7. 請求項1〜のいずれかに記載のリチウム二次電池用電極又は請求項6のいずれかに記載のリチウム二次電池用電極の製造方法にて製造されたリチウム二次電池用電極を正極に用いたことを特徴とするリチウム二次電池。
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