JP4876370B2 - 貼着シートの組合せ体の使用方法、及び貼着シートの組合せ体 - Google Patents

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Description

本発明は、文字や絵柄が記録された面に被覆される表面被覆用粘着シート、離型シート付き表面被覆用粘着シート及び貼着シートの組合せ体に関し、更に詳しくは、耐光性、外観性及び環境安全性に優れた表面被覆用粘着シート、離型シート付き表面被覆用粘着シート及び貼着シートの組合せ体に関するものである。
屋外での宣伝や広告等には、文字や絵柄が記録され、看板又は車体等に貼着されるシートが利用されている。このようなシートは、多くの種類の商品やサービスの宣伝や広告に使用されたり、個人商店等の宣伝や広告に使用されたりするので、一般に、多くの種類のシートが必要な数だけ短納期で納品される必要がある。そのようなシートとしては、受像基材の一方の面に文字や絵柄を記録できる受像層が形成され、その他方の面に粘着剤層が形成された受像用粘着シートが用いられている。受像用粘着シートは、受像層に所望の文字や絵柄が印刷等され、粘着剤層を介して看板や車体等の被着体に簡便に貼着される。
しかし、文字や絵柄が記録された受像用粘着シートは、文字や絵柄が記録された面を露出したまま被着体に貼着されて屋外で使用されると、その文字や絵柄が傷付いたり汚染されたりしてしまうことがある。そのため、文字や絵柄が記録された受像用粘着シートには、通常、その文字や絵柄を保護するために、基材である樹脂層の片面に粘着剤層が形成された透明な表面被覆用粘着シートが貼着されている。
この受像用粘着シートと表面被覆用粘着シートとは、それぞれの粘着剤層上に離型シートが設けられて、通常1セットの貼着シートの組合せ体として流通している。このような貼着シートの組合せ体は、貼着シートの組合せ体を購入した使用者が、例えば、受像用粘着シートに所望の印刷方法により所望の文字や絵柄を印刷し、看板や車体等の被着体にこの受像用粘着シートを貼着した後、その上に表面被覆用粘着シートを貼着することにより使用されている。そして、広告表示期間等が終了した後に、不要になった貼着シートの組合せ体は看板や車体等から剥離されて処分される。
通常、貼着シートの組合せ体は、短期の宣伝・広告であれば数ヶ月間、長期の宣伝・広告であれば約1年間、屋外で使用されて太陽光に曝露される。したがって、上記の表面被覆用粘着シートは、屋外で約1年間太陽光に曝露されても劣化しない耐光性が要求される。
このような要求に応えるために、上記の表面被覆用粘着シートの基材である樹脂層は、従来より、耐光性の高い塩化ビニル系樹脂で形成されていた。しかし、樹脂層が塩化ビニル系樹脂で形成された表面被覆用粘着シートは、剥離された後等に焼却処分されると、ダイオキシン等の塩素化合物系のガスが発生することがあるので、環境安全性が低いという問題があった。
このような問題を解決するために、特許文献1には、塩化ビニル系樹脂に代えて、焼却しても塩素化合物系のガスが発生しないオレフィン系樹脂で樹脂層を形成することが記載されている。
特開2002−241712号公報
しかしながら、オレフィン系樹脂は紫外線及び赤外線の照射により収縮し易いので、樹脂層がオレフィン系樹脂で形成された表面被覆用粘着シートは、太陽光に曝露される屋外で長期間使用された場合に樹脂層が収縮しようとする。一方、この樹脂層は、粘着剤層により受像用粘着シート(受像用粘着シートは被着体に貼着されている。)に接着されているので自由に収縮することができず、樹脂層に面内方向の引張応力が発生する。その結果、樹脂層がオレフィン系樹脂で形成された表面被覆用粘着シートは、屋外で使用された場合に1年が経過する前に樹脂層にひび割れ(クラックという。)が発生することがあり、耐光性及び外観性が悪いという問題があった。
本発明は、上述の問題を解決するためになされたものであって、その目的は、耐光性、外観性及び環境安全性に優れた表面被覆用粘着シート、離型シート付き表面被覆用粘着シート及び貼着シートの組合せ体を提供することにある。
(1)本発明に係る貼着シートの組合せ体の使用方法は、文字や絵柄が記録される受像層又は文字や絵柄が記録された受像層、受像基材、粘着剤層及び離型シートを少なくとも有し、当該各層がこの順に形成された離型シート付き受像用粘着シートと、300MPa以上600MPa以下の弾性率を有する透明なオレフィン系樹脂層、当該オレフィン系樹脂層の片面に形成された粘着剤層及び離型シートを少なくとも有し、前記受像用粘着シートを被覆するための離型シート付き表面被覆用粘着シートと、からなる貼着シートの組合せ体の使用方法であって、
前記離型シート付き表面被覆用粘着シート及び前記離型シート付き受像用粘着シートを準備し、
前記文字や絵柄が記録された離型シート付き受像用粘着シートの離型シートを剥離し、露出した粘着剤層を介して受像用粘着シートを、屋外で使用される看板や車体等の被着体に貼着し、
前記離型シート付き表面被覆用粘着シートの離型シートを剥離し、露出した粘着剤層を介して表面被覆用粘着シートを、前記被着体に貼着された受像用粘着シート上に貼着する、ことを特徴とする。
(2)前記離型シート付き表面被覆用粘着シートのオレフィン系樹脂層が300MPa以上35
0MPa以下の弾性率を有する。
(3)前記離型シート付き受像用粘着シートの受像基材がオレフィン系樹脂で形成され、当該受像基材の弾性率が、前記離型シート付き表面被覆用粘着シートのオレフィン系樹脂層の弾性率よりも大きい。
(4)前記離型シート付き表面被覆用粘着シートのオレフィン系樹脂層が、結晶質オレフィン系樹脂からなるハードセグメントと、オレフィン系エラストマーからなるソフトセグメントとを混合してなる熱可塑性エラストマーである。
(5)前記離型シート付き表面被覆用粘着シートのオレフィン系樹脂層の前記粘着剤層側とは反対側の面に、保護層が設けられている。
(6)本発明に係る貼着シートの組合せ体は、上記本発明に係る使用方法で用いられ、屋外で使用される看板や車体等の被着体に貼着する貼着シートの組合せ体であって、
文字や絵柄が記録される受像層又は文字や絵柄が記録された受像層、受像基材、粘着剤層及び離型シートを少なくとも有し、当該各層がこの順に形成された離型シート付き受像用粘着シートと、300MPa以上600MPa以下の弾性率を有する透明なオレフィン系樹脂層、当該オレフィン系樹脂層の片面に形成された粘着剤層及び離型シートを少なくとも有し、前記受像用粘着シートを被覆するための離型シート付き表面被覆用粘着シートと、からなることを特徴とする。
この発明によれば、表面被覆用粘着シートのオレフィン系樹脂層が600MPa以下の弾性率を有するので、表面被覆用粘着シートが被着体に貼着された状態で太陽光に含まれる紫外線や赤外線が照射された場合に、そのオレフィン系樹脂層は、自由な収縮が妨げられることにより発生する面内方向の引張応力に対して弾性変形する。したがって、この発明によれば、本発明の表面被覆用粘着シートは、被着体に貼着された状態で屋外において長期間太陽光に曝露されても、オレフィン系樹脂層にひび割れが生じ難く、耐光性及び外観性に優れる。
この発明によれば、表面被覆用粘着シートのオレフィン系樹脂層が350MPa以下の弾性率を有するので、本発明の表面被覆用粘着シートは、被着体に貼着された状態で屋外において更に長期間太陽光に曝露されても、オレフィン系樹脂層にひび割れが生じ難く、より耐光性及び外観性に優れる。
本発明の表面被覆用粘着シート及び離型シート付き表面被覆用粘着シートによれば、オレフィン系樹脂層が600MPa以下の弾性率を有するので、屋外で長期間太陽光に曝露されてもオレフィン系樹脂層にひび割れが生じず、耐光性、外観性及び環境安全性が向上した表面被覆用粘着シート及び離型シート付き表面被覆用粘着シートを提供できる。したがって、本発明の表面被覆用粘着シート及び離型シート付き表面被覆用粘着シートは、屋外での長期間(約1年間以上)の宣伝や広告等に好ましく用いられる。
本発明の貼着シートの組合せ体によれば、表面被覆用粘着シートが屋外で長期間太陽光に曝露されてもひび割れが生じず、耐光性、外観性及び環境安全性に優れるので、屋外での宣伝や広告等に好ましく用いられる貼着シートの組合せ体を提供できる。
以下、本発明の表面被覆用粘着シート、本発明の離型シート付き表面被覆用粘着シート、本発明の貼着シートの組合せ体、及び、本発明の貼着シートの組合せ体を構成する受像用粘着シートについて、図面に基づき詳細に説明する。
(1)表面被覆用粘着シート:
図1は、本発明の表面被覆用粘着シート10の一例を示す断面図である。本発明の表面被覆用粘着シート10は、図1に示すように、透明なオレフィン系樹脂層1と、そのオレフィン系樹脂層1の片面に形成された粘着剤層2とを有する。
本発明の表面被覆用粘着シート10は、文字や絵柄が記録された受像用粘着シートを被覆することにより、その文字や絵柄を傷や汚染等から保護するものである。
(オレフィン系樹脂層)
本発明の表面被覆用粘着シート10において、オレフィン系樹脂層1は、600MPa以下の弾性率と、表面被覆用粘着シート10の被着体となる受像用粘着シートに記録された文字や絵柄を透視することができる程度の透明性とを有する。
弾性率が600MPa以下のオレフィン系樹脂層1を有する表面被覆用粘着シート10は、粘着剤層2を介して被着体に貼着された状態で、屋外において太陽光に約1年間曝露された場合(後述のように、屋外曝露を想定した温度条件の下で、波長295〜450nm帯域の紫外線が照度60mW/cmで約100時間照射された場合に相当する。)に、ひび割れが生じ難い。その理由は、紫外線や赤外線を含む太陽光が照射されてオレフィン系樹脂層1が収縮することにより面内方向の引張応力が発生しても、このオレフィン系樹脂層1が柔軟であるので、その引張応力に対して弾性変形して追従するからである。
特に、弾性率が350MPa以下のオレフィン系樹脂層1を有する表面被覆用粘着シート10は、粘着剤層2を介して被着体に貼着された状態で、屋外において太陽光に約2年間曝露された場合(後述のように、屋外曝露を想定した温度条件の下で、波長295〜450nm帯域の紫外線が照度60mW/cmで約200時間照射された場合に相当する。)であっても、ひび割れが生じ難い。
オレフィン系樹脂層1の弾性率の下限は、オレフィン系樹脂層1の作製時の取り扱い易さを考慮して決定され、材料となるオレフィン系樹脂の組成にもよるが、通常300MPa程度である。すなわち、弾性率が300MPa未満のオレフィン系樹脂層は、カレンダーロール機等を用いて分出し(シーティング)して作製される際に、切れたり変形したりしてしまうことがある。
なお、ここでの弾性率は、JIS−K7113のプラスチックの引張試験方法により測定される。具体的には、2号形試験片の形状に加工したオレフィン系樹脂層1について、25℃、引張速度50mm/min、つかみ具間距離80mmの条件の下で引張試験を行い、測定されたデータをもとに算出される値である。
オレフィン系樹脂層1の透明性は、表面被覆用粘着シート10の被着体となる受像用粘着シートに記録された文字や絵柄を透視することができる程度であればよい。例えば、オレフィン系樹脂層1の可視光透過率が、70%以上であることが好ましい。
オレフィン系樹脂層1は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、エチレン‐プロピレン共重合体、エチレン‐プロピレン‐ブテン共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体又はオレフィン系熱可塑性エラストマー等のオレフィン系樹脂で形成されている。これらのオレフィン系樹脂は、上記の弾性率を得ることができれば単独で用いられてもよく、またオレフィン系樹脂層1の弾性率を調整するために混合されて用いられてもよい。
オレフィン系樹脂層1は、オレフィン系熱可塑性エラストマーで形成されていることが好ましい。このようなオレフィン系樹脂を用いると、600MPa以下の弾性率を有するオレフィン系樹脂層1を形成し易い。オレフィン系熱可塑性エラストマーとしては、結晶質オレフィン系樹脂からなるハードセグメントと、非晶質オレフィン系樹脂からなるソフトセグメントとの混合物であるオレフィン系熱可塑性エラストマーを用いることができ、例えば、(A)特開平5−77371号公報に記載されているオレフィン系熱可塑性エラストマー、(B)特開平7−316358号公報に記載されているオレフィン系熱可塑性エラストマー、(C)特公平6−23278号公報に記載されているオレフィン系熱可塑性エラストマー、等が挙げられる。また、オレフィン系熱可塑性エラストマーとしては、(D)結晶質オレフィン系樹脂からなるハードセグメントと、部分的に架橋したオレフィン系エラストマー(ゴム)からなるソフトセグメントとの混合物であるオレフィン系熱可塑性エラストマーを用いることができ、例えば(D-1)特公昭53−21021号公報に記載されているオレフィン系熱可塑性エラストマー、(D-2)特公昭53−34210号公報に記載されているオレフィン系熱可塑性エラストマー、(D-3)特公昭56−15741号公報に記載されているオレフィン系熱可塑性エラストマー、等が挙げられる。
(A)のオレフィン系熱可塑性エラストマーは、ハードセグメントとしての結晶質ポリプロピレンと、プロピレン成分の重量比率が50重量%以上であるソフトセグメントとしての非晶質ポリオレフィンとを混合した樹脂である。結晶質ポリプロピレンとしては、プロピレン‐エチレンランダム共重合体又はプロピレン‐1ブテンランダム共重合体等が好ましく挙げられる。非晶質ポリオレフィンとしては、プロピレン‐1ブテン‐エチレン3元共重合体等が好ましく挙げられる。このオレフィン系熱可塑性エラストマーを用いると、柔軟性に富み、透明性及び機械的強度にも優れるオレフィン系樹脂層1を形成できる。
(B)のオレフィン系熱可塑性エラストマーは、ハードセグメントとしての結晶質ポリオレフィンと、プロピレン及び/又は1ブテンの含有率が50重量%以上であるソフトセグメントとしての低結晶質ポリオレフィンとを混合した組成物100重量部に対して、Nアシルアミノ酸アミン塩、Nアシルアミノ酸エステル等の油ゲル化剤が0.5重量部以上添加された樹脂である。このオレフィン系熱可塑性エラストマーを用いると、柔軟性に富み、表面の粘着性が抑制されたオレフィン系樹脂層1を形成できる。
(C)のオレフィン系熱可塑性エラストマーは、メルトインデックスが0.1〜4g/10分で沸騰ヘプタンに不溶なハードセグメントとしてのアイソタクチックポリプロピレンと、数平均分子量Mnが25000以上であり且つ重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比がMw/Mn≦7である沸騰ヘプタンに可溶なソフトセグメントとしてのアタクチックポリプロピレンとからなる軟質ポリプロピレン等である。このオレフィン系熱可塑性エラストマーを用いると、柔軟性に富み、力学的性質にも優れるオレフィン系樹脂層1を形成できる。
(D-1)のオレフィン系熱可塑性エラストマーは、ハードセグメントとしての結晶質オレフィン重合体と、ソフトセグメントとしての部分的に架橋されたモノオレフィン共重合体ゴムとを均一に配合し混合させて生成される樹脂である。ハードセグメントである結晶質オレフィン重合体としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン等が挙げられ、ソフトセグメントであるモノオレフィン共重合体ゴムとしては、エチレン−プロピレン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン−非共役三元共重合体ジエンゴム等が挙げられる。
(D-2)のオレフィン系熱可塑性エラストマーは、ハードセグメントとしてのオレフィン系重合体と、ソフトセグメントとしての未架橋のモノオレフィン共重合体ゴムとを、架橋剤を添加して混合し、溶融混練することによりソフトセグメントを部分的に架橋させて生成される樹脂である。
(D-3)のオレフィン系熱可塑性エラストマーは、ハードセグメントとしてのペルオキシド分解型オレフィン系重合体と、ソフトセグメントとしてのペルオキシド架橋型オレフィン系共重合体ゴム及びペルオキシド非架橋型炭化水素ゴムとを、パラフィン系又はナフテン系等の鉱物油系軟化剤を添加して混合し、有機ペルオキシドの存在下で溶融混練することによりソフトソセグメントを部分的に架橋させて生成される樹脂である。ハードセグメントとしてのペルオキシド分解型オレフィン系重合体は、ペルオキシドと混合され加熱されると分子量が減少して流動性が増加する性質を有し、このような重合体としては、例えば、アイソタクチックポリプロピレン、プロピレン‐エチレン共重合体、プロピレン‐ブテン‐1共重合体等が挙げられる。ソフトセグメントとしてのペルオキシド架橋型オレフィン系共重合体ゴムは、ペルオキシドと混合され加熱されると架橋して流動性が低下する性質を有し、このような共重合体ゴムとしては、例えば、エチレン−プロピレン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン−非共役三元共重合体ジエンゴム等が挙げられる。ソフトセグメントとしてのペルオキシド非架橋型炭化水素ゴムは、ペルオキシドと混合され加熱されても架橋せず流動性が変化しない性質を有し、このような炭化水素ゴムとしては、例えば、ポリイソブチレン、ブチルゴム等が挙げられる。
上記のオレフィン系熱可塑性エラストマー中のハードセグメントとソフトセグメントとの重量比(ハードセグメント:ソフトセグメント)は、通常10:90〜90:10であり、この範囲内でオレフィン系樹脂層1の弾性率が600MPa以下になるように調整される。例えば、この範囲内でソフトセグメントの配合割合を大きくすると、オレフィン系樹脂層1の弾性率を小さくすることができる。
オレフィン系樹脂層1には、必要に応じて無機充填剤等が含有されていてもよい。無機充填剤としては、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、クレー、タルク等の平均粒径0.1〜10μm程度の粉末が用いられる。無機充填剤の添加量は、オレフィン系樹脂層1の弾性率を確保する観点からは、0〜20重量%程度であることが好ましい。また、オレフィン系樹脂層1には、オレフィン系樹脂層1が上記の弾性率を有することができる範囲で、熱安定剤、難燃剤、紫外線吸収剤、ラジカル捕捉剤等が添加されてもよい。
オレフィン系樹脂層1には、上記の形成材料を溶融混練し、カレンダー法等によりシート状又はフィルム状に成形加工したものが用いられ、未延伸のものや、必要に応じて1軸延伸若しくは2軸延伸したものが用いられる。オレフィン系樹脂層1の厚さは、40〜100μmであることが好ましい。オレフィン系樹脂層1の厚さが100μmよりも大きいと、表面被覆用粘着シート10が厚くなりすぎて、表面被覆用粘着シート10を貼着し難くなる。また、オレフィン系樹脂層1の厚さが40μmよりも小さいと、表面被覆用粘着シート10が薄くなりすぎて、受像用粘着シートに記録された文字や絵柄を十分に保護できないことがある。
オレフィン系樹脂層1の片面又は両面には、易接着プライマー層の塗布、コロナ放電処理、プラズマ処理、オゾン処理等の易接着処理を施すことが好ましい。オレフィン系樹脂層1の表面に易接着処理を施すと、粘着剤層2や後述する保護層3との接着性が向上する。易接着プライマー層(アンカーコートともいう。)としては、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂又は塩素化ポリプロピレン等を使用することができる。
このようなオレフィン系樹脂層1は焼却される際にダイオキシン等の塩素化合物系のガスが発生しないので、表面被覆用粘着シート10の環境安全性が向上する。
(粘着剤層)
粘着剤層2は、オレフィン系樹脂層1と文字や絵柄が記録された受像用粘着シートとを接着することを目的として、オレフィン系樹脂層1の片面に形成されている。粘着剤層2は、通常、一様に形成された全面ベタ状の層である。
粘着剤層2は、表面被覆用粘着シート10の被着体となる受像用粘着シートに記録された文字や絵柄を透視することができる程度の透明性を有することが好ましい。具体的には、粘着剤層2の可視光透過率が、60%程度以上であることが好ましい。
粘着剤層2の形成に用いられる粘着剤としては、(メタ)アクリル酸エステルの単独重合体若しくは(メタ)アクリル酸エステルと他の単量体との共重合体等のアクリル系粘着剤、ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴム若しくはスチレン−ブタジエンゴム等の合成ゴム系粘着剤、又は、天然ゴム系粘着剤が挙げられる。なお、「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸又はメタクリル酸を意味する。粘着剤には、必要に応じて、粘着付与剤、架橋剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等が添加されてもよい。
粘着剤層2は、上記の粘着剤が溶剤に溶解・分散された塗工剤を離型シートに塗工し、この離型シートの塗工面をオレフィン系樹脂層1の片面に対向させて、オレフィン系樹脂層1に粘着剤層2を積層させる転写方式により形成される。塗工剤の離型シートへの塗工方法としては、コンマコート法、ロールコート法等を用いることができ、粘着剤層2の厚さは、5〜30μmであることが好ましい。なお、ここで使用される離型シートは、このまま粘着剤層2上に設けられて後述する離型シート4となる。
(保護層)
表面被覆用粘着シート10は、図1(B)に示すように、オレフィン系樹脂層1の粘着剤層2側とは反対側の面に保護層3が設けられてもよい。保護層3は、オレフィン系樹脂層1上に設けられて、オレフィン系樹脂層1を傷から保護する役割を有する。
保護層3は、表面被覆用粘着シート10の被着体となる受像用粘着シートに記録された文字や絵柄を透視することができる程度の透明性を有することが好ましい。具体的には、保護層3の可視光透過率が、70%以上であることが好ましい。
保護層3の材料としては、熱硬化性樹脂、電離放射線硬化性樹脂等を挙げることができる。ここで、電離放射線とは、分子を重合又は架橋できるエネルギーを有する電磁波又は荷電粒子を意味し、通常は、電子線(EB)又は紫外線(UV)が一般的である。保護層3を形成する樹脂中には、架橋剤、熱安定剤、難燃剤、紫外線吸収剤、ラジカル捕捉剤等が添加されてもよい。
保護層3は、上記の材料を必要に応じて溶剤に溶解・分散させた塗工剤をオレフィン系樹脂層1の上に塗工し、硬化させて形成される。保護層3の厚さは、1〜10μmであることが好ましい。
(表面被覆用粘着シート)
本発明の表面被覆用粘着シート10は、オレフィン系樹脂層1の弾性率が600MPa以下なので、屋外曝露を想定した温度条件の下、粘着剤層2を介して被着体に貼着された状態で、波長295〜450nm帯域の紫外線が照度60mW/cmで照射される耐光性試験において、100時間経過してもオレフィン系樹脂層1にひび割れが生じ難い。また、オレフィン系樹脂層の弾性率が600MPaより大きい表面被覆用粘着シートは、この耐光性試験において100時間経過する前に粘着剤層2が黄変してしまうことあるが、オレフィン系樹脂層1の弾性率が600MPa以下である表面被覆用粘着シート10は、粘着剤層2にこのような黄変が生じ難い。
更に、表面被覆用粘着シート10は、オレフィン系樹脂層1の弾性率が350MPa以下である場合に、上記の耐光性試験において、200時間経過してもオレフィン系樹脂層1にひび割れが生じ難い。また、オレフィン系樹脂層1の弾性率が350MPaより大きい表面被覆用粘着シートは、この耐光性試験おいて200時間経過する前に、オレフィン系樹脂層1にひび割れが生じてしまい、更に粘着剤層2が黄変し又は粘着剤層2の粘着力が低下してしまうことがあるが、オレフィン系樹脂層1の弾性率が350MPa以下である表面被覆用粘着シート10は、オレフィン系樹脂層1にひび割れが生じ難く、粘着剤層2に黄変や粘着力の低下は生じ難い。このような粘着剤層の粘着力の低下は、紫外線が照射されたオレフィン系樹脂層が収縮しようとして、隣接する粘着剤層2に面内方向の収縮応力が作用することにより生じる。一方、本発明の表面被覆用粘着シート10は、オレフィン系樹脂層1が柔軟であり、粘着剤層2に面内方向の収縮応力が生じ難いので、粘着剤層2の粘着力が低下し難い。
上記耐光性試験には、耐光性試験機としてアイスーパーUVテスター(岩崎電気株式会社製)を用いる。この耐光性試験機は、地表に到達する太陽光に含まれない波長295nm以下の紫外線と波長450nm以上の可視光線とを特殊フィルターにより除去して余分な波長による影響を排除し、屋外曝露に近い現実的な劣化促進を可能にした耐光性試験機である。上記耐光性試験における紫外線の照射条件は、照度が60mW/cm、光源からの距離が240mm、ブラックパネル温度が46℃であり、表面被覆用粘着シート10の被着体として、ステンレス鋼板を使用する。なお、「ブラックパネル温度」は、太陽光に含まれる赤外線が照射された際のシート表面の温度を想定して、耐光性試験機内の温度を制御するための温度である。
この耐光性試験における100時間の紫外線照射は、屋外で1年間太陽光に曝露することに相当し、200時間の紫外線照射は、屋外で2年間太陽光に曝露することに相当する。すなわち、オレフィン系樹脂層1の弾性率が600MPa以下である本発明の表面被覆用粘着シート10は、屋外で1年間曝露されても、オレフィン系樹脂層1にひび割れが生じ難く、被着体となる受像用粘着シートに記録された文字や絵柄の外観を損なわないので、屋外で長期間曝露される宣伝や広告等に好ましく用いられる。また、オレフィン系樹脂層1の弾性率を350MPa以下とした表面被覆用粘着シート10は、屋外で2年間曝露されてもオレフィン系樹脂層1にひび割れが生じ難いので、更に長期間屋外に曝露される宣伝や広告等に好ましく用いられる。
また、この表面被覆用粘着シート10は、上記したように焼却されても塩素化合物系のガスが発生しないオレフィン系樹脂層1を有するので、環境安全性にも優れる。
(2)離型シート付き表面被覆用粘着シート:
図2は、本発明の離型シート付き表面被覆用粘着シートの一例を示す断面図である。本発明の離型シート付き表面被覆用粘着シート100は、図2に示すように、本発明の表面被覆用粘着シート10の粘着剤層2上に離型シート4が設けられているものである。
離型シート4は、粘着剤層2が不用意に他の物体に接着したり、表面被覆用粘着シート10を巻き取ったときにブロッキングが生じたりすることを防止する目的で表面被覆用粘着シート10の粘着剤層2上に設けられ、表面被覆用粘着シート10の使用時まで粘着剤層2に仮接着される。
離型シート4としては、上質紙、リンター紙、硫酸紙、グラシン紙、クラフト紙等の紙、又は、ポリエステル系樹脂、オレフィン系樹脂等の樹脂シートの表面にシリコン樹脂等の離型剤を塗工したものが用いられる。離型シート4の厚さは、通常25〜75μmである。
(3)受像用粘着シート:
受像用粘着シートは、上記の表面被覆用粘着シートと共に本発明の貼着シートの組合せ体を構成し、宣伝や広告等のための文字や絵柄が印刷等により記録される記録媒体として使用される。
図3(A)は、受像用粘着シートの一例を示す断面図である。受像用粘着シート20は、図3(A)に示すように、受像基材21の一方の面に文字や絵柄が記録される受像層22が設けられ、受像基材21の他方の面に粘着剤層23が設けられている。また、図3(B)は、離型シート付き受像用粘着シート200の一例を示す断面図である。離型シート付き受像用粘着シート200は、受像用粘着シート20の粘着剤層23上に離型シート24が設けられている。
受像基材21は、環境安全性の観点から、上記したオレフィン系樹脂層1と同様のオレフィン系樹脂で形成されていることが好ましい。オレフィン系樹脂で形成されている受像基材21は、表面被覆用粘着シート10のオレフィン系樹脂層1の弾性率よりも大きい弾性率を有することが好ましい。受像基材21の弾性率がオレフィン系樹脂層1の弾性率よりも大きいと、このような受像基材21及びオレフィン系樹脂層1を有する受像用粘着シート20及び表面被覆用粘着シート10が組み合わされて貼着され、屋外で長期間曝露された場合に、表面被覆用粘着シート10のオレフィン系樹脂層1に更にひび割れが生じ難くなる。
受像基材21は、着色剤が含有されて、被着体の色や模様が透視されないように隠蔽性を有していることが好ましい。受像基材21の色は、所望の文字や絵柄を汎用的に記録できることができる白色が好ましく、また、用途によっては、黒色や有彩色であってもよい。着色剤としては、チタン白、アンチモン白、鉛白、カーボンブラック(墨)、黄鉛、チタンイエロー、朱、カドミウムレッド、群青、コバルトブルー等の無機顔料、イソインドリノンイエロー、キナクリドンレッド、フタロシアニンブルー等の有機顔料や染料、アルミニウム若しくは真鍮等の箔粉からなる金属顔料、又は、二酸化チタン被覆雲母若しくは塩基性炭酸亜鉛等の箔粉からなる真珠光沢顔料等が用いられる。なお、受像基材21の厚さは、通常20〜100μmである。
受像層22は、文字や絵柄を記録できる性質を有する。すなわち、文字や絵柄は通常インクにより記録されるので、受像層22の文字や絵柄が記録される面は、インクをはじかず且つインクと密着する性質(以下、インク受容性という。)を有する。
受像層22は、文字や絵柄の記録に用いられるインクに対するインク受容性を有する樹脂で形成される。このような樹脂としては、例えば、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、セルロース系樹脂、塩化ビニル‐酢酸ビニル共重合体等を単独で用いたり、これらの樹脂2種以上を混合して用いたりすることができる。なお、受像層22の厚さは、通常1〜10μmである。
受像層22には、体質顔料が添加されていることが好ましい。体質顔料が添加されていると受像層22の表面が粗面化又は多孔質化され、受像層22のインク受容性が向上する。体質顔料としては、炭酸カルシウム、シリカ、硫酸バリウム、多孔質セラミックス、カオリナイト、ゼオライト、白土、珪藻土等を用いることができる。また、受像層22のインク受容性を向上させるために、受像層22の表面にコロナ放電処理やオゾン処理等を施してもよい。
粘着剤層23は、受像基材21と被着体(看板や車体等)とを接着することを目的として、受像基材21の受像層22側とは反対側の面に設けられている。
粘着剤層23の形成に用いられる粘着剤としては、上記の表面被覆用粘着シート10に設けられた粘着剤層2と同様の粘着剤を用いることができる。この粘着剤には、受像基材21の隠蔽性を補うために、着色剤が添加されていてもよい。着色剤としては、受像基材21と同様の着色剤を用いることができる。
粘着剤層23は、上記表面被覆用粘着シート10の粘着剤層2の形成と同様に、離型シートを利用した転写方式により形成される。離型シートとしては、離型シート付き表面被覆用粘着シート100に設けられた離型シート4と同様のものを用いることができ、離型シート付き表面被覆用粘着シート100の場合と同様に、このまま粘着剤層23上に設けられて離型シート付き受像用粘着シート200の離型シート24となる。なお、粘着剤層23の厚さは、5〜30μmであることが好ましい。
(4)貼着シートの組合せ体:
本発明の貼着シートの組合せ体は、文字や絵柄が記録される受像層22又は文字や絵柄が記録された受像層22、受像基材21及び粘着剤層23とがこの順に形成された上記の受像用粘着シート20と、受像用粘着シート20を被覆するための本発明の表面被覆用粘着シート10との組合せ体である。
図4に、本発明の貼着シートの組合せ体の一例を示す。表面被覆用粘着シート10及び受像用粘着シート20は、図4に示すように、通常それぞれのシートの粘着剤層上に離型シート4又は離型シート24が設けられ、離型シート付き表面被覆用粘着シート100及び離型シート付き受像用粘着シート200として保管され、流通する。これらのシートの形態は、長尺体状のシートを巻き取った巻取りロールの形態でもよいし、シートを長方形等の所望の形状に加工した枚葉の形態でもよい。
本発明の貼着シートの組合せ体の使用方法を、図5〜9に基づいて説明する。まず、それぞれのシートの粘着剤層上に離型シートが設けられた貼着シートの組合せ体を準備し、離型シート付き受像用粘着シート200の受像層22上に、所望の文字や絵柄を所望の印刷方法等により記録する(図5)。ここで、符号25は文字や絵柄を記録するインクを示す。印刷方法としては、例えば、シルクスクリーン印刷法、インクジェット印刷法、昇華転写印刷法、電子写真印刷法、又は、感熱発色印刷法等が挙げられる。
次に、文字や絵柄が記録された離型シート付き受像用粘着シート200の離型シート24を剥離し、露出した粘着剤層23を介して受像用粘着シート20を看板や車体等の被着体26に貼着する(図6)。図7は、受像用粘着シート20が被着体26に貼着された状態を示す。
その後、離型シート付き表面被覆用粘着シート100の離型シート4を剥離し、露出した粘着剤層2を介して表面被覆用粘着シート10を、被着体26に貼着された受像用粘着シート20上に貼着する(図8)。図9は、表面被覆用粘着シート10と受像用粘着シート20が組み合わされて被着体26に貼着された状態を示す。広告表示期間等が終了した後は、表面被覆用粘着シート10及び受像用粘着シート20を、被着体26から剥離除去する。
このような本発明の貼着シート組合せ体は、表面被覆用粘着シート10が屋外で長期間太陽光に曝露されてもひび割れが生じず、耐光性、外観性及び環境安全性に優れるので、屋外での宣伝や広告等に好ましく用いられる。貼着シート組合せ体の具体的な被着体としては、建築物の窓、扉、外壁又は床等のほか、バス又は電車等の車体や自動販売機の外面等が挙げられる。
以下に、実施例と比較例を挙げて、本発明について更に詳しく説明する。以下において、部とは重量部のことである。
(実施例1)
オレフィン系樹脂層として、結晶質ポリプロピレンからなるハードセグメントとオレフィン系エラストマーからなるソフトセグメントとを混合して弾性率が600MPaとなるように調整されたポリプロピレン系のオレフィン系熱可塑性エラストマーシート(厚さ80μm)を用いた。まず、このオレフィン系樹脂層の両面にコロナ放電処理を施し、このオレフィン系樹脂層の片面に下記組成の保護層用塗工剤Aをグラビアロールコート法により塗工し、40℃の温度条件の下で3日間養生して硬化させ、アクリル系ウレタン樹脂からなる厚さ3μmの保護層を形成した。なお、オレフィン系樹脂層の弾性率は、オレフィン系樹脂層についての説明において前記したとおり、JIS−K7113のプラスチックの引張試験法により測定した。
保護層用塗工剤A;
・アクリルポリオール100部
・ヘキサメチレンジイソシアネート10部
・トルエンとメチルエチルケトンとの混合溶剤(重量比1:1)
次に、離型シートとして片面にシリコン樹脂からなる離型剤層が形成された厚さ25μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、離型剤層上に下記組成の粘着剤層用塗工剤Bをコンマコート法により塗工し乾燥させて、厚さ25μmの粘着剤層を形成した。
粘着剤層用塗工剤B;
・アクリル系樹脂100部
・ヘキサメチレンジイソシアネート0.5部
・トルエンとメチルエチルケトンとの混合溶剤(重量比1:1)
その後、離型シートの粘着剤塗工面とオレフィン系樹脂層の保護層側とは反対側の面とを対向させて圧着しラミネートして、その後40℃の温度条件の下で3日間養生して、実施例1の離型シート付き表面被覆用粘着シートを得た。
(実施例2)
実施例1の離型シート付き表面被覆用粘着シートの製造において、オレフィン系樹脂層として弾性率が500MPaとなるように調整されたポリプロピレン系のオレフィン系熱可塑性エラストマーシート(厚さ80μm)を用いた以外は実施例1と同様にして実施例2の離型シート付き表面被覆用粘着シートを得た。
(実施例3)
実施例1の離型シート付き表面被覆用粘着シートの製造において、オレフィン系樹脂層として弾性率が400MPaとなるように調整されたポリプロピレン系のオレフィン系熱可塑性エラストマーシート(厚さ80μm)を用いた以外は実施例1と同様にして実施例3の離型シート付き表面被覆用粘着シートを得た。
(実施例4)
実施例1の離型シート付き表面被覆用粘着シートの製造において、オレフィン系樹脂層として弾性率が350MPaとなるように調整されたポリプロピレン系のオレフィン系熱可塑性エラストマーシート(厚さ80μm)を用いた以外は実施例1と同様にして実施例4の離型シート付き表面被覆用粘着シートを得た。
(実施例5)
実施例1の離型シート付き表面被覆用粘着シートの製造において、オレフィン系樹脂層として弾性率が300MPaとなるように調整されたポリプロピレン系のオレフィン系熱可塑性エラストマーシート(厚さ80μm)を用いた以外は実施例1と同様にして実施例5の離型シート付き表面被覆用粘着シートを得た。
(実施例6)
次に離型シート付き受像用粘着シートを作製した。
まず、離型シートとして片面にシリコン樹脂からなる離型剤層が形成された厚さ25μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、下記組成の粘着剤層用塗工剤Cを離型剤層上にコンマコート法により塗工し乾燥させて、厚さ25μmの粘着剤層を形成した。
粘着剤層用塗工剤C;
・アクリル系樹脂100部
・ヘキサメチレンジイソシアネート0.5部
・トルエンとメチルエチルケトンとの混合溶剤(重量比1:1)
その後、受像基材として、弾性率が800MPaとなるように調整されたポリプロピレン系のオレフィン系熱可塑性エラストマーシート(厚さ80μm)を用い、両面にコロナ放電処理を施し、その片面にウレタン樹脂系の受像層を形成した。受像基材の受像層側とは反対側の面と離型シートの粘着剤層側の面とを対向させてラミネートし、その後40℃の温度条件の下で3日間養生して離型シート付き受像用粘着シートを得た。
(比較例1)
実施例1の離型シート付き表面被覆用粘着シートの製造において、オレフィン系樹脂層として弾性率が1000MPaとなるように調整されたポリプロピレン系のオレフィン系熱可塑性エラストマーシート(厚さ80μm)を用いた以外は実施例1と同様にして比較例1の離型シート付き表面被覆用粘着シートを得た。
(比較例2)
実施例1の離型シート付き表面被覆用粘着シートの製造において、オレフィン系樹脂層として弾性率が800MPaとなるように調整されたポリプロピレン系のオレフィン系熱可塑性エラストマーシート(厚さ80μm)を用いた以外は実施例1と同様にして比較例2の離型シート付き表面被覆用粘着シートを得た。
(耐光性試験)
得られた離型シート付き表面被覆用粘着シートについて、以下のようにして耐光性を評価した。
幅15mm×長さ25mmの短冊状に加工した表面被覆用粘着シートの離型シートを剥がし、粘着剤層が露出した表面被覆用粘着シートを厚さ2mmのステンレス鋼板に圧着した。次に、このステンレス鋼板を、耐光性試験機(岩崎電気株式会社製、商品名:アイスーパーUVテスター)内に載置し、照度60mW/cm、光源からの距離240mm、ブラックパネル温度46℃の条件の下、波長295〜450nm帯域の紫外線を照射した。
紫外線の照射時間を50〜200時間とし、25時間ごとに、表面被覆用粘着シートについて、ひび割れの有無、黄変の有無、及び、粘着力低下による自然剥離の有無を、目視により観察した。その結果を表1に示す。表面被覆用粘着シートにひび割れが認められなかった場合を○、ひび割れが認められた場合を×とし、表面被覆用粘着シートに黄変が認められなかった場合を○、黄変が認められた場合を×とし、また、表面被覆用粘着シートの自然剥離が認められなかった場合を○、自然剥離が認められた場合を×とした。なお、表中の−(ハイフン)は、評価を行わなかったことを示す。
実施例1〜5の表面被覆用粘着シートは、紫外線を100時間照射しても、オレフィン系樹脂層にひび割れが生じず、また、粘着剤層の黄変も生じなかった。一方、比較例1〜3の表面被覆用粘着シートは、紫外線の照射時間が100時間を経過する前に、オレフィン系樹脂層にひび割れが生じ、また、粘着剤層の黄変が生じた。なお、実施例5の表面被覆用粘着シートは、紫外線を200時間まで照射しても、オレフィン系樹脂層にひび割れが生じず、また、粘着剤層の黄変も生じなかった。
Figure 0004876370
図1(A)は本発明の表面被覆用粘着シートの一例を示す断面図であり、図1(B)は本発明の表面被覆用粘着シートの他の一例を示す断面図である。 本発明の離型シート付き表面被覆用粘着シートの一例を示す断面図である。 図3(A)は受像用粘着シートの一例を示す断面図であり、図3(B)は離型シート付き受像用粘着シートの一例を示す断面図である。 本発明の貼着シートの組合せ体の一例を示す断面図である。 本発明の貼着シートの組合せ体の使用方法を説明するための断面図である。 本発明の貼着シートの組合せ体の使用方法を説明するための断面図である。 本発明の貼着シートの組合せ体の使用方法を説明するための断面図である。 本発明の貼着シートの組合せ体の使用方法を説明するための断面図である。 本発明の貼着シートの組合せ体の使用方法を説明するための断面図である。
符号の説明
1 オレフィン系樹脂層
2 粘着剤層
3 保護層
4 離型シート
10 表面被覆用粘着シート
20 受像用粘着シート
21 受像基材
22 受像層
23 粘着剤層
24 離型シート
100 離型シート付き表面被覆用粘着シート
200 離型シート付き受像用粘着シート

Claims (5)

  1. 文字や絵柄が記録される受像層又は文字や絵柄が記録された受像層、受像基材、粘着剤層及び離型シートを少なくとも有し、当該各層がこの順に形成された離型シート付き受像用粘着シートと、300MPa以上350MPa以下の弾性率を有する透明なオレフィン系樹脂層、当該オレフィン系樹脂層の片面に形成された粘着剤層及び離型シートを少なくとも有し、前記受像用粘着シートを被覆するための離型シート付き表面被覆用粘着シートと、からなる貼着シートの組合せ体の使用方法であって、
    記離型シート付き表面被覆用粘着シート、及び前記離型シート付き受像用粘着シートを準備し、
    前記文字や絵柄が記録された前記離型シート付き受像用粘着シートの離型シートを剥離し、露出した前記粘着剤層を介して前記受像用粘着シートを、屋外で使用される看板や車体等の被着体に貼着し、
    前記離型シート付き表面被覆用粘着シートの離型シートを剥離し、露出した前記粘着剤層を介して前記表面被覆用粘着シートを、前記被着体に貼着された前記受像用粘着シート上に貼着する、
    ことを特徴とする貼着シートの組合せ体の使用方法。
  2. 前記離型シート付き受像用粘着シートの前記受像基材がオレフィン系樹脂で形成され、当該受像基材の弾性率が、前記離型シート付き表面被覆用粘着シートのオレフィン系樹脂層の弾性率よりも大きい、請求項1に記載の貼着シートの組合せ体の使用方法。
  3. 前記離型シート付き表面被覆用粘着シートの前記オレフィン系樹脂層が、結晶質オレフィン系樹脂からなるハードセグメントと、オレフィン系エラストマーからなるソフトセグメントとを混合してなる熱可塑性エラストマーである、請求項1又は2に記載の貼着シートの組合せ体の使用方法。
  4. 前記離型シート付き表面被覆用粘着シートの前記オレフィン系樹脂層の前記粘着剤層側とは反対側の面に、保護層が設けられている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の貼着シートの組合せ体の使用方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の使用方法で用いられ、屋外で使用される看板や車体等の被着体に貼着する貼着シートの組合せ体であって、
    文字や絵柄が記録される受像層又は文字や絵柄が記録された受像層、受像基材、粘着剤層及び離型シートを少なくとも有し、当該各層がこの順に形成された離型シート付き受像用粘着シートと、300MPa以上350MPa以下の弾性率を有する透明なオレフィン系樹脂層、当該オレフィン系樹脂層の片面に形成された粘着剤層及び離型シートを少なくとも有し、前記受像用粘着シートを被覆するための離型シート付き表面被覆用粘着シートと、からなることを特徴とする貼着シートの組合せ体。
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