JP4876274B2 - 微細金属配線付き基板の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板上にパターン化されたメッキ下地膜を形成し、該選択メッキ下地膜に無電解めっきを施して金属配線付き基板を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、TFT−LCDのTFTアレイに用いられるゲート電極などの金属配線は、真空蒸着法、スパッタリング法などにより基板全面にAl、Mo、Taなどの合金の皮膜を形成後、フォトレジストによりレジストネガパターンを形成し、さらにエッチングする方法により形成されている。
しかしながら、この形成方法は、真空蒸着装置、スパッタリング装置など高価で複雑な成膜装置を用いるためコストと量産性に問題があり、さらにフォトエッチング法は工程が煩雑で、エッチング廃液の処理、材料利用率の低さに問題がある。
【0003】
一方、上記のような真空、ドライプロセスを用いない方法として、めっき法を用いた方法がある。これは、基板上にPdのような貴金属のめっき触媒を付与、担持し、例えばCuやNiの無電解めっき浴に浸漬することにより、必要によってはその膜上に電解めっき法により金属薄膜を形成し、その後上記と同様にフォトエッチングする方法である。
しかし、この方法は、高価な真空成膜装置は必要としないものの、フォトエッチング工程を含むことにより工程が煩雑になり、またエッチング廃液の処理、材料利用率の低さという問題が残る。
【0004】
最近、上記に示した材料利用率の低さを改善するため選択的な金属層の成膜法が提案、検討されている。例えば、ITO(錫ドープ酸化インジウム)のファインライン膜上での選択的無電解めっきによる金属配線を形成する方法が知られている。
この方法によれば、無電解めっきの前処理として行う触媒付与工程において、Pdなどの貴金属触媒が選択的にITO膜上に吸着することを利用したもので、その後無電解めっき処理を行うとITO膜上のみに金属皮膜が形成されるというものである。すなわち、ITO膜が選択メッキの下地膜として作用するというもので、この選択性はITO中のSnに起因すると考えられている。
しかしながら、この方法にあっても、ITOの下地膜の形成はスパッタ法などにより形成しフォトエッチング法によりファインパターン化されているため、この下地膜の形成コストが高価で、また工程も煩雑であるという問題を有している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記従来の技術が有する問題点を解決することにあり、より具体的には、高価な製造設備を必要とせず、簡単なプロセスで、パターン化された選択メッキ下地膜を形成し、さらに、該パターン化された選択メッキ下地膜上のみに選択的に、アンカー効果を有するメッキ皮膜を形成して、密着性に優れた、線幅および線間隔が微細な金属配線を有する基板を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意検討した結果、選択メッキ下地形成材料として特定の酸化錫系の化合物を使用することにより、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
選択メッキ下地膜形成性金属化合物と、紫外線硬化型または紫外線崩壊型の感光性樹脂と、溶剤とを少なくとも含有する塗布液であって、該選択メッキ下地膜形成性金属化合物が錫(Sn)化合物に有機配位子が配位したキレート錯体のみからなり、該塗布液中の該キレート錯体の含有量は、塗布液重量に基づき錫酸化物(SnO2)換算で1〜5重量%であり、前記の紫外線硬化型または崩壊型の感光性樹脂の含有量は、該塗布液重量に基づき5〜10重量%である選択メッキ下地膜形成用感光性塗布液を、基板上に塗布、乾燥し、
該乾燥膜上にフォトマスクを設置し、
紫外線を照射して露光した後、
現像してパターン化し、
400℃以上の温度で焼成して、ポーラスな構造を有する、パターン化された選択メッキ下地膜を形成し、
該選択メッキ下地膜を形成した基板を触媒化処理浴中に浸漬してメッキ触媒を付与し、 次いで該触媒化処理された選択メッキ下地膜を形成した基板を無電解メッキ浴中で浸漬処理して、パターン化されたメッキ下地膜上のみに選択的に、アンカー効果を有するメッキ皮膜を形成する
ことを特徴とする微細金属配線付き基板の製造方法を提供する。
【0007】
前記のパターン化された選択メッキ下地膜の膜厚は20〜100nmであることが好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、実施の形態を挙げ、本発明を詳細に説明する。なお、この実施の形態は発明の趣旨をよりよく理解させるためのものであり、特に限定のない限り、本発明の内容を制限するものではない。
【0009】
[パターン化された選択メッキ下地膜の形成方法]
このパターン化された選択メッキ下地膜の形成方法に用いる選択メッキ下地膜形成用感光性塗布液は、▲1▼錫(Sn)化合物に有機配位子が配位したキレート錯体と、▲2▼紫外線硬化型または紫外線崩壊型の感光性樹脂と、▲3▼溶剤とを少なくとも含有したものであり、例えば、次のようにして作製されたものである。
先ず、錫(Sn)化合物と、以下に詳述する有機配位子と溶剤とを混合し、これらを例えば沸点下で1〜5時間還流して反応させ、前記の錫(Sn)化合物に前記の有機配位子が配位したキレート錯体を調製する。次いで、得られたキレート錯体を含む溶液を冷却した後、この溶液に、以下に詳述する紫外線硬化型または紫外線崩壊型の感光性樹脂、および必要に応じて前記の溶剤を添加し、混合する。
【0010】
ここに、前記錫(Sn)化合物は、有機配位子が配位してキレート錯体を形成し得るものであれば、特に限定されるものではない。錫化合物の中でも、例えば酢酸錫(II)、ぎ酸錫(II)、蓚酸錫(II)、2−エチルヘキサン酸錫(II)、テトラメチル錫(IV)、トリブチル酢酸錫(IV)、テトラn−プロポキシ錫(IV)などは有機配位子との反応性が良く、かつ得られるキレート錯体の溶解性が良好であるので好ましい。錫化合物は所望により2種以上を組合せて用いることができる。
【0011】
前記の有機配位子としては、β-ジケトン、アミノアルコール、多価アルコールが好適に使用できる。β-ジケトンの具体例としては、アセチルアセトン、アセト酢酸エチル、アセト酢酸メチルなどが挙げられ、アミノアルコールの具体例としては、ジエタノールアミン、2−アミノエタノール、トリエタノールアミンなどが挙げられ、また、多価アルコールの具体例としてはエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコールなどが挙げられる。これらの有機配位子の中でも、塗布液の安定性および錯体の熱分解性の点からアセチルアセトンが特に好ましい。有機配位子も所望により2種以上を組合せて用いることができる。
【0012】
選択メッキ下地形成用感光性塗布液中の錫(Sn)の含有量は、塗布液重量に基づき酸化物(SnO2)換算の合量で1〜5重量%であることが重要である。前記含有量が1重量%未満では、得られる選択メッキ下地膜の膜厚が薄くなり過ぎ、下地膜のマトリックスが十分に形成されず均一性が低下する。また、前記の含有量が5重量%を超え、感光性樹脂との含有量の比が重量比で1/2を越えると、紫外線による膜の硬化或いは崩壊などのパターン加工マージンが狭くなり、また、得られる選択メッキ下地膜の膜が厚くなり過ぎ、クラック、白化などが発生して、透明な均質な膜が得られない。
【0013】
前記の感光性樹脂は、特に限定されることはなく、一般に用いられている紫外線硬化型のネガ型感光性樹脂、および紫外線崩壊型のポジ型感光性樹脂などを使用することができる。紫外線硬化型のネガ型感光性樹脂の具体例としては、光重合性アクリル系樹脂などが挙げられ、また、紫外線崩壊型のポジ型感光性樹脂の具体例としてはノボラック系樹脂などが挙げられる。
【0014】
前記の感光性樹脂の含有量は、塗布液重量に基づき5〜10重量%であることが重要であり、好ましくは7〜10重量%である。
前記の含有量が5重量%より少ないと紫外線による膜の硬化或いは崩壊などの露光感度が不充分で、またパターン加工プロセスマージンが狭くなる。また、前記の含有量が10重量%よりも多いと焼成後の膜が多孔質となりすぎ、特に後の無電解メッキ処理工程での強度、密着性などが不良となる。
また、選択メッキ下地形成用感光性塗布液には、感度を向上させるため適宜重合開始剤、増感剤などを添加することができる。
【0015】
前記の溶剤としては、前記キレート錯体および前記の感光性樹脂を溶解できるものであれば特に限定されないが、塗工性を考慮して、1−プロパノール、2−プロパノール、ベンジルアルコールなどのアルコール類、アセチルアセトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトンなどのケトン類、酢酸3-メトキシブチル、酢酸イソブチル、エチレングリコールモノアセタートなどのエステル類、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルなどのグリコールエーテル類などの中沸点または高沸点有機溶媒を用いることが好ましい。使用される溶剤の中には、アセチルアセトンのように、錫化合物に配位してキレート錯体を形成し得るものも含まれる。溶剤は単独でまたは2種以上を組合せて用いることができる。
【0016】
パターン化された選択メッキ下地膜は、前記選択メッキ下地形成用感光性塗布液を基板上に塗布、乾燥した後、露光、現像してパターン化し、焼成することによって作製される。
選択メッキ下地形成用感光性塗布液を塗布するには、公知の方法が採用でき、例えばスピンコート法、ロールコート法、ディップコート法などが採用できる。塗布液の塗布量は、形成される焼成選択メッキ下地膜の膜厚が好ましくは20nm〜100nm、より好ましくは50nm〜100nmとなるように適宜調整して塗布する。選択メッキ下地膜の膜厚が20nmより薄いと膜としてのネットワークが十分形成されず、均一な膜が得られない。逆に100nmよりも厚いと後の無電解メッキ処理工程での膜強度、密着性などが不良となる。
【0017】
塗布膜は、乾燥した後、露光、現像してパターン化される。すなわち、塗布膜上に所定のパターンを有するフォトマスクを設置して紫外線を照射して露光し、次いで、テトラメチルアンモニウムハイドロキサイト、ジエタノールアミンなどの有機アルカリ、または炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの無機アルカリの水溶液で現像してパターン化する。次いで、パターン形成膜を400℃以上の温度で30分〜1時間焼成することにより、酸化錫を主成分とする選択メッキ下地膜が形成される。焼成時の雰囲気は、通常大気中で行う。
上記の方法によれば、パターン化された酸化錫系の選択メッキ下地膜を、非常に簡易な工程および低コストで作製することができる。
【0018】
[パターン化された選択メッキ下地膜]
このパターン化された選択メッキ下地膜は、前記の形成方法により形成され、酸化錫を主成分とし、膜厚が好ましくは20〜100nmである。
そして、このパターン化された選択メッキ下地膜は、均一であり、基板との密着性も良好であり、機械的強度に優れており、しかも、前記の形成方法はパターン加工性が優れているので得られた選択メッキ下地膜は透明性も良好である。また、酸化錫を主成分としているため、メッキ処理に対しても健丈であり、化学的安定性にも優れている。
このようにして得られたメッキ下地膜は、焼成プロセスにより感光性樹脂などの有機成分が分解され、酸化錫が基板上に膜として形成されるため、比較的ポーラスな構造を有している。そして、このポーラスな構造により、無電解メッキプロセスによる金属配線形成となる金属被膜のアンカー効果が発揮され、得られる金属配線の密着性が優れたものとなる。
【0019】
[微細金属配線]
前記の基板上に形成されたパターン化された酸化錫を主成分とする選択メッキ下地膜上に、微細金属配線が形成される。すなわち、前記選択メッキ下地膜上に、例えば、センシタイジング−アクチベーティング法或いはキャタライジング−アクセレーティング法などの公知の方法によりPd、Au、Ag、Ptなどのメッキ触媒を付与し、その後該触媒化処理された選択メッキ下地膜が形成された基板を無電解メッキ浴中に浸漬し、パターン化されたメッキ下地膜上のみに選択的にメッキ皮膜を形成することにより、微細金属配線付き基板が得られる。
【0020】
ここに、センシタイジング−アクチベーティング法とは、例えば錫(II)イオンを含有する酸性水溶液中にパターン化された酸化錫を主成分とする選択メッキ下地膜が形成された基板を浸漬し、水洗した後、さらに、例えばPdイオンを含有する酸性水溶液(メッキ触媒液)中に浸漬、水洗することにより、無電解メッキ時の金属皮膜析出の核となるPd触媒を付与する方法である。この際の反応は、下式によって説明されるが、
Sn2+ + Pd2+ → Sn4+ + Pd0 (1)
Sn(II)イオンは非常に還元性の強いイオンであるため、上記パターン化された選択メッキ下地膜を形成する酸化錫(SnO2)膜表面を還元し、2価のSnを生成し、その後の例えばPd(II)イオンを含有するメッキ触媒液で浸漬処理する際、パターン化された選択メッキ下地膜上のみ選択的に上記反応が起こり、Pd触媒が付与されると考えられる。
【0021】
また、キャタライジング−アクセレーティング法とは、例えば錫(II)イオンとPdイオンを共に含有する酸性水溶液(メッキ触媒液)中にパターン化された酸化錫を主成分とする選択メッキ下地膜を形成した基板を浸漬し、水洗した後、さらに硫酸などの酸性水溶液中に浸漬、水洗することにより、上記反応式(1)同様の反応により、選択的な下地膜上のみへのPd触媒の付与とPd触媒の活性化を行う方法である。
【0022】
無電解メッキの触媒としては、Pdの他に、Au、Ag、Ptなどの貴金属微粒子が挙げられるが、触媒活性が最も高いなどの理由によりPdが最も好ましい。
無電解メッキとしては、例えば、無電解Cu、Ni、Cr、Zn、Snおよびそれらの合金、Ag、Auおよびそれらの合金などが挙げられるが、中でも電気伝導性の点でCu、Cu合金、Ag、Ag合金、Au、Au合金、Ni、Ni合金メッキが好ましい。
【0023】
【実施例】
以下、実施例および比較例を掲げ、本発明をさらに具体的に説明する。
【0024】
実施例1
[選択メッキ下地膜形成用感光性塗布液の調製]
酢酸第一錫(キシダ化学社製)39.7gと、アセチルアセトン(関東化学社製)60.3gとを混合し、混合物を沸点下で3時間還流して反応させ、アセチルアセトンが酢酸第一錫に配位したキレート錯体を得た。
冷却後、この酢酸第一錫に有機配位子としてアセチルアセトンが配位したキレート錯体溶液50gに、ネガ型感光性樹脂(富士フィルムオーリン社製;CSP−S004)85.9gと、希釈溶剤となるアセチルアセトン(関東化学社製)217.7gを添加し、さらに重合開始剤0.9gと増感剤0.6gを添加し、室温で1時間良く攪拌混合することで選択メッキ下地形成用感光性塗布液を得た。この塗布液中の感光性樹脂含有量は8重量%、Sn化合物含有量はSnO2換算で3.2重量%であった。
【0025】
[選択メッキ下地膜の形成]
上記の選択メッキ下地形成用感光性塗布液を無アルカリガラス(コーニング#1737)基板上にスピンコーターで塗布した後、オーブン中120℃で3分間乾燥を行った。その後、所定のパターン加工精度評価用のフォトマスク(線幅:0.5、1、1.5、2、3、4、5、6、7……、15μm)のフォトマスクを設置して、紫外線露光を行った。用いた紫外線露光機の露光強度は4.2mW/cm2(i線)で、照射した露光量は350mJ/cm2であった。次いで26℃に保持した現像液(富士フィルムオーリン社製アルカリ現像液:CD−2000の35重量%水溶液)に3.5分間ディップ現像、水洗を行い、所定のパターンを得た。この基板を大気中500℃で1時間焼成して酸化錫を主成分とするパターン形成された選択メッキ下地膜付き基板を得た。
得られた下地パターン膜の解像度を測定したところ、添付図1(写真1)に示すとおり、ライン線幅Lと、ラインとラインとの線間隔Sの比(以下、L/Sと略記)が4/4μmであった。(注:ここで、「解像度」とは、ライン線幅Lと、ラインとラインとの線間隔Sに、いずれも欠損が全くなく、完全なLとSがL/S=1で観察される最小の長さ[μm]の比を指す。)膜厚は90nmであった。また、セロテープによるピール試験の結果、膜は全く剥がれず強固な密着性を示した。
【0026】
[微細金属配線の形成]
次に選択メッキ下地膜付ガラス基板を、塩化第一錫(II)を0.5重量%、および塩酸を0.4重量%含む混合水溶液に2分間浸漬、水洗しセンシタイジングを行い、その後塩化パラジウムを0.05重量%、および塩酸を0.4重量%含む混合水溶液に2分間浸漬、水洗しアクチベーティングを行いPd触媒を付与した。
続いて、奥野製薬工業社製無電解銅めっき液(OPC−750)を標準建浴し、該浴(25℃)中にPd触媒が付与された選択メッキ下地膜付き基板を10分間浸漬し、水洗して、選択メッキ下地膜上のみに選択的にCu皮膜が析出した、Cuパターン膜付き基板を得た。
Cuパターン膜の解像度を測定したところ、図2(写真2)に示すとおり、解像度L/S=4/4μmであった。析出したCuの膜厚は0.24μmであり、膜の比抵抗値は3×10-6Ω・cmであった。また、セロテープによるピール試験の結果、この膜は全く剥がれず強固な密着性を示した。
【0027】
実施例2
[選択メッキ下地膜形成用感光性塗布液の調製]
2−エチルヘキサン酸錫(和光純薬社製)51.4gと、アセチルアセトン(関東化学社製)48.6gとを混合し、混合物を沸点下で4時間還流して反応させ、アセチルアセトンが2−エチルヘキサン酸錫に配位したキレート錯体を得た。
冷却後、この2−エチルヘキサン酸錫に有機配位子としてアセチルアセトンが配位したキレート錯体溶液50gに、ネガ型感光性樹脂(富士フィルムオーリン社製;CSP−S004)69.1gと、希釈溶剤となるアセチルアセトン(関東化学社製)165.3gとを添加し、さらに重合開始剤0.7gと増感剤0.5gを添加し、室温で1時間良く攪拌混合して、選択メッキ下地形成用感光性塗布液を得た。
この塗布液中の感光性樹脂含有量は8重量%、Sn化合物含有量はSnO2換算で3.2重量%であった。
【0028】
[選択メッキ下地膜の形成]
次いで実施例1に準じて選択メッキ下地膜のパターン形成を行った。得られた下地パターン膜の解像度はL/S=4/4μmであり、膜厚は80nmであった。また、セロテープによるピール試験の結果、膜は全く剥がれず強固な密着性を示した。
【0029】
[微細金属配線の形成]
次に選択メッキ下地膜付ガラス基板を、塩化第一錫(II)を0.5重量%、塩化パラジウムを0.2重量%および塩酸を3.5重量%含む混合水溶液に2分間浸漬、水洗しキャタライジングを行い、その後および硫酸5重量%の混合水溶液に2分間浸漬、水洗しアクセレーティングを行いPd触媒を付与した。
続いて、奥野製薬工業社製無電解ニッケルめっき液(ICPニコロンGM)を標準建浴し、該浴(80℃)中に前記のPd触媒が付与された選択メッキ下地膜付き基板を5分間浸漬し、水洗して、選択メッキ下地膜上のみに選択的にNi皮膜が析出した、解像度L/S=4/4μmのNiパターン膜付き基板を得た。
析出したNiの膜厚は0.2μmであり、膜の比抵抗値は13×10-6Ω・cmであった。また、セロテープによるピール試験の結果、この膜は全く剥がれず強固な密着性を示した。
【0030】
実施例3
[選択メッキ下地膜形成用感光性塗布液の調製]
感光性樹脂としてポジ型感光性樹脂AZ−RFP210K(クラリアント社製)を91.8g、希釈溶剤としてアセチルアセトン(関東化学社製)を211.5gとした他は、実施例1に準じて選択メッキ下地膜形成用感光性塗布液を調製した。
この塗布液中の感光性樹脂含有量は8重量%、Sn化合物含有量はSnO2換算で3.2重量%であった。
【0031】
[選択メッキ下地膜の形成]
次いで、実施例1に準じて選択メッキ下地膜のパターン形成を行った。得られた下地パターン膜の解像度はL/S=4/4μmであり、膜厚は50nmであった。また、セロテープによるピール試験の結果、膜は全く剥がれず強固な密着性を示した。
【0032】
[微細金属配線の形成]
次いで、実施例1に準じて微細金属配線付き基板を得た。メッキ下地膜上のみに選択的にCu皮膜が析出し、解像度L/S=4/4μmのCuパターン膜が得られた。
析出したCuの膜厚は0.2μmであり、膜の比抵抗値は3×10-6Ω・cmであった。また、セロテープによるピール試験の結果、この膜は全く剥がれず強固な密着性を示した。
【0033】
実施例4
[選択メッキ下地膜形成用感光性塗布液の調製]
酸錫第一錫(和光純薬社製)51.4gと、エチレングリコール(関東化学社製)48.6gとを混合し、混合物を沸点下で3時間還流して反応させ、エチレングリコールが酢酸第一錫に配位したキレート錯体を得た。
冷却後、このエチレングリコールが酢酸第一錫に配位したキレート錯体溶液50gに、ネガ型感光性樹脂(富士フィルムオーリン社製;CSP−S004)111.5gと、希釈溶剤となるアセチルアセトン(関東化学社製)327.7gとを添加し、さらに重合開始剤1.1gと増感剤0.7gを添加し、室温で1時間良く攪拌混合して選択メッキ下地形成用感光性塗布液を得た。
この塗布液中の感光性樹脂含有量は7.5重量%、Sn化合物含有量はSnO2換算で3.0重量%であった。
【0034】
[選択メッキ下地膜の形成]
次いで、実施例1に準じて選択メッキ下地膜のパターン形成を行った。得られた下地パターン膜の解像度はL/S=4/4μmであり、膜厚は80nmであった。また、セロテープによるピール試験の結果、膜は全く剥がれず強固な密着性を示した。
【0035】
[微細金属配線の形成]
次いで、実施例1に準じて微細金属配線付き基板を得た。選択メッキ下地膜上のみに選択的にCu皮膜が析出し、解像度L/S=4/4μmのCuパターン膜が得られた。析出したCuの膜厚は0.2μmであり、膜の比抵抗値は3×10-6Ω・cmであった。また、セロテープによるピール試験の結果、この膜は全く剥がれず強固な密着性を示した。
【0036】
比較例1
ネガ型感光性樹脂(富士フィルムオーリン社製;CSP−S004)を356.8g、希釈溶剤であるアセチルアセトンを45.9gとした他は、実施例1に準じて、選択メッキ下地形成用感光性塗布液を得た。この塗布液中の感光性樹脂含有量は25重量%、Sn化合物含有量はSnO2換算で2.5重量%であった。
次いで、実施例1に準じて、選択メッキ下地パターン膜を形成した。得られた下地パターン膜の解像度はL/S=4/4μmであり、膜厚は120nmであった。しかしながら、セロテープによるピール試験の結果、膜の緻密性が悪く、全て剥離した。
引き続き、実施例1に準じて、Cuメッキ皮膜付き基板の形成を試みたが、選択メッキ下地膜の強度が弱いため、メッキ中に選択メッキ下地膜が剥離し、Cuパターン膜は得られなかった。
【0037】
比較例2
ネガ型感光性樹脂(富士フィルムオーリン社製;CSP−S004)を6.3g、希釈溶剤であるアセチルアセトンを321.9gとした他は、実施例1に準じて、選択メッキ下地形成用感光性塗布液を得た。この塗布液中の感光性樹脂含有量は0.6重量%、Sn化合物含有量はSnO2換算で3.0重量%であった。
次いで、実施例1に準じて、選択メッキ下地パターン膜の形成を試みたが、光硬化性が悪く、良好な選択メッキ下地パターン膜は得られなかった。
【0038】
【発明の効果】
本発明の方法によれば、選択メッキ下地膜形成性金属化合物と、紫外線硬化型または紫外線崩壊型の感光性樹脂と、溶剤とを少なくとも含有する塗布液であって、該選択メッキ下地膜形成性金属化合物が錫(Sn)化合物に有機配位子が配位したキレート錯体のみからなり、該塗布液中の該キレート錯体の含有量は、塗布液重量に基づき錫酸化物(SnO2)換算で1〜5重量%であり、前記の紫外線硬化型または崩壊型の感光性樹脂の含有量は、該塗布液重量に基づき5〜10重量%である選択メッキ下地膜形成用感光性塗布液を、基板上に塗布、乾燥し、該乾燥膜上にフォトマスクを設置し、紫外線を照射して露光した後、現像してパターン化し、400℃以上の温度で焼成することとしたので、ポーラスな構造を有する、砂繊細にパターン化された選択メッキ下地膜を、高価な製造設備を必要とせず、簡単なプロセスで形成することができる。
【0039】
また、上記の選択メッキ下地膜は、前記の形成方法により得られたものであるので、ポーラスな構造を有し、基板との密着性に優れ、メッキ処理に対しても健丈で、機械的および化学的安定性にも優れている。さらに、本発明の方法により得られる微細金属配線付き基板は、前記のパターン化された選択メッキ下地膜を形成した基板を触媒化処理浴中に浸漬してメッキ触媒を付与し、その後該触媒化処理された選択メッキ下地膜を形成した基板を無電解メッキ浴中に浸漬して、パターン化されたメッキ下地膜上のみに選択的に、アンカー効果を有するメッキ皮膜を形成してなるので、従来のような大掛りで高価なドライ成膜装置を必要とせず、フォトエッチング工程を含有しない、簡易な方法で、安価、かつ、密着性に優れたライン線幅およびラインとラインの線間隔が微細な金属配線が形成された基板となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例2で得られた選択メッキ下地膜のパターン膜の解像度を示す写真である。
【図2】 実施例2で得られたCuパターン膜の解像度を示す写真である。
Claims (2)
- 選択メッキ下地膜形成性金属化合物と、紫外線硬化型または紫外線崩壊型の感光性樹脂と、溶剤とを少なくとも含有する塗布液であって、該選択メッキ下地膜形成性金属化合物が錫(Sn)化合物に有機配位子が配位したキレート錯体のみからなり、該塗布液中の該キレート錯体の含有量は、塗布液重量に基づき錫酸化物(SnO2)換算で1〜5重量%であり、前記の紫外線硬化型または崩壊型の感光性樹脂の含有量は、該塗布液重量に基づき5〜10重量%である選択メッキ下地膜形成用感光性塗布液を、基板上に塗布、乾燥し、
該乾燥膜上にフォトマスクを設置し、
紫外線を照射して露光した後、
現像してパターン化し、
400℃以上の温度で焼成して、ポーラスな構造を有する、パターン化された選択メッキ下地膜を形成し、
該選択メッキ下地膜を形成した基板を触媒化処理浴中に浸漬してメッキ触媒を付与し、 次いで該触媒化処理された選択メッキ下地膜を形成した基板を無電解メッキ浴中で浸漬処理して、パターン化されたメッキ下地膜上のみに選択的に、アンカー効果を有するメッキ皮膜を形成する
ことを特徴とする微細金属配線付き基板の製造方法。 - パターン化された選択メッキ下地膜の膜厚が20〜100nmであることを特徴とする請求項1記載の微細金属配線付き基板の製造方法。
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