JP2002129345A - 選択メッキ下地形成用感光性塗布液 - Google Patents

選択メッキ下地形成用感光性塗布液

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JP2002129345A
JP2002129345A JP2000319575A JP2000319575A JP2002129345A JP 2002129345 A JP2002129345 A JP 2002129345A JP 2000319575 A JP2000319575 A JP 2000319575A JP 2000319575 A JP2000319575 A JP 2000319575A JP 2002129345 A JP2002129345 A JP 2002129345A
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selective plating
tin
coating solution
forming
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Toshiharu Yoshikawa
逸治 吉川
Masaaki Ishikawa
真章 石川
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Sumitomo Osaka Cement Co Ltd
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Sumitomo Osaka Cement Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安定性に優れた感光性塗布液であって、非常
に繊細なパターン化された、機械的および化学的安定性
に優れた酸化錫系選択メッキ下地膜を形成することがで
きる感光性塗布液を提供する。 【解決手段】 錫(Sn)化合物に有機配位子が配位し
たキレート錯体と、紫外線硬化型または紫外線崩壊型の
感光性樹脂と、溶剤とを少なくとも含有することを特徴
とする選択メッキ下地形成用感光性塗布液。この塗布液
を基板上に塗布、乾燥し、該乾燥膜を露光、現像してパ
ターン化し、焼成することにより、繊細にパターン化さ
れた酸化錫系選択メッキ下地膜が形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基板上にパターン
化されたメッキ下地膜を形成可能な選択メッキ下地形成
用感光性塗布液に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、TFT−LCDのTFTアレイに
用いられるゲート電極などの金属配線は、真空蒸着法、
スパッタリング法などにより基板全面にAl、Mo、T
aなどの合金の皮膜を形成後、フォトレジストによりレ
ジストネガパターンを形成し、さらにエッチングする方
法により形成されている。しかしながら、この形成方法
は、真空蒸着装置、スパッタリング装置など高価で複雑
な成膜装置を用いるためコストと量産性に問題があり、
さらにフォトエッチング法は工程が煩雑で、エッチング
廃液の処理、材料利用率の低さに問題がある。
【0003】一方、上記のような真空、ドライプロセス
を用いない方法として、めっき法を用いた方法がある。
これは、基板上にPdのような貴金属のめっき触媒を付
与、担持し、例えばCuやNiの無電解めっき浴に浸漬
することにより、必要によってはその膜上に電解めっき
法により金属薄膜を形成し、その後上記と同様にフォト
エッチングする方法である。しかし、この方法は、高価
な真空成膜装置は必要としないものの、フォトエッチン
グ工程を含むことにより工程が煩雑になり、またエッチ
ング廃液の処理、材料利用率の低さという問題が残る。
【0004】最近、上記に示した材料利用率の低さを改
善するため選択的な金属層の成膜法が提案、検討されて
いる。例えば、ITO(錫ドープ酸化インジウム)のフ
ァインライン膜上での選択的無電解めっきにより金属配
線を形成する方法が知られている。この方法によれば、
無電解めっきの前処理として行う触媒付与工程におい
て、Pdなどの貴金属触媒が選択的にITO膜上に吸着
することを利用したもので、その後無電解めっき処理を
行うとITO膜上のみに金属皮膜が形成されるというも
のである。すなわち、ITO膜が選択メッキの下地膜と
して作用するというもので、この選択性はITO中のS
nに起因すると考えられている。しかしながら、この方
法にあっても、ITOの下地膜の形成はスパッタ法など
により形成しフォトエッチング法によりファインパター
ン化されているため、この下地膜の形成コストが高価
で、また工程も煩雑であるという問題を有している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
従来の技術が有する問題点を解決することにあり、より
具体的には、安価で安定性に優れた、パターン化された
選択メッキ下地膜を形成し、このパターン化された選択
メッキ下地膜上に、線幅および線間隔が微細な金属配線
を形成することができる、選択メッキ下地形成用感光性
塗布液を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
した結果、選択メッキ下地形成材料として特定の酸化錫
系の化合物を使用することにより、上記課題を解決し得
ることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわ
ち、本発明は、錫(Sn)化合物に有機配位子が配位し
たキレート錯体と、紫外線硬化型または紫外線崩壊型の
感光性樹脂と、溶剤とを少なくとも含有することを特徴
とする選択メッキ下地形成用感光性塗布液を提供する。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、実施の形態を挙げ、本発明
を詳細に説明する。なお、この実施の形態は発明の趣旨
をよりよく理解させるためのものであり、特に限定のな
い限り、本発明の内容を制限するものではない。
【0008】[選択メッキ下地形成用感光性塗布液]本
発明の選択メッキ下地形成用感光性塗布液は、錫(S
n)化合物に有機配位子が配位したキレート錯体と、
紫外線硬化型または紫外線崩壊型の感光性樹脂と、溶
剤とを少なくとも含有している。ここに、前記錫(S
n)化合物は、有機配位子が配位してキレート錯体を形
成し得るものであれば、特に限定されるものではない。
錫化合物の中でも、例えば酢酸錫(II)、ぎ酸錫(I
I)、蓚酸錫(II)、2−エチルヘキサン酸錫(II)、
テトラメチル錫(IV)、トリブチル酢酸錫(IV)、テト
ラn−プロポキシ錫(IV)などは、有機配位子との反応
性が良く、かつ得られるキレート錯体の溶解性が良好で
あるので好ましい。錫化合物は所望により2種以上を組
合せ用いることができる。
【0009】前記の有機配位子としては、β-ジケト
ン、アミノアルコール、多価アルコールが好適に使用で
きる。β-ジケトンの具体例としては、アセチルアセト
ン、アセト酢酸エチル、アセト酢酸メチルなどが挙げら
れ、アミノアルコールの具体例としては、ジエタノール
アミン、2−アミノエタノール、トリエタノールアミン
などが挙げられ、また、多価アルコールの具体例として
はエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチ
レングリコールなどが挙げられる。これらの有機配位子
の中でも、塗布液の安定性および錯体の熱分解性の点か
らアセチルアセトンが特に好ましい。有機配位子も所望
により2種以上を組合せて用いることができる。
【0010】選択メッキ下地形成用感光性塗布液中の錫
(Sn)化合物の含有量は、好ましくは、塗布液重量に
基づき酸化物(SnO2)換算の合量で1〜20重量
%、より好ましくは1〜5重量%である。1重量%未満
では得られる選択メッキ下地膜の膜厚が薄くなり過ぎ、
下地膜のマトリックスが十分に形成されず均一性が低下
する虞がある。また、20重量%を超えると塗布液中で
の溶解性が悪くなり、成膜時に均一な膜を得ることが困
難となり、また、得られる選択メッキ下地膜の膜が厚く
なり過ぎ、クラック、白化などが発生して均質な膜が得
られない。
【0011】前記の感光性樹脂は、特に限定されること
はなく、一般に用いられている紫外線硬化型のネガ型感
光性樹脂および紫外線崩壊型のポジ型感光性樹脂などを
使用することができる。紫外線硬化型のネガ型感光性樹
脂の具体例としては、光重合性アクリル系樹脂などが挙
げられ、また、紫外線崩壊型のポジ型感光性樹脂の具体
例としてはノボラック系樹脂などが挙げられる。
【0012】前記の感光性樹脂の含有量は、特に制限さ
れるものではないが、塗布液重量に基づき通常1〜20
重量%、好ましくは5〜15重量%、より好ましくは5
〜10重量%である。含有量が1重量%より少ないと紫
外線による膜の硬化または崩壊が十分行われず良好なパ
ターンが得られない虞がある。また、20重量%よりも
多いと焼成後の膜が多孔質となり緻密な膜が得られず強
度、密着性などが不良となる虞がある。また、選択メッ
キ下地形成用感光性塗布液には、感度を向上させるため
適宜重合開始剤、増感剤などを添加することができる。
【0013】前記の溶剤としては、前記キレート錯体お
よび前記の感光性樹脂を溶解できるものであれば特に限
定されないが、塗工性を考慮して、1−プロパノール、
2−プロパノール、ベンジルアルコールなどのアルコー
ル類、アセチルアセトン、メチルイソブチルケトン、ジ
イソブチルケトンなどのケトン類、酢酸3−メトキシブ
チル、酢酸イソブチル、エチレングリコールモノアセタ
ートなどのエステル類、プロピレングリコールモノメチ
ルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルなどのグ
リコールエーテル類などの中沸点または高沸点有機溶媒
を用いることが好ましい。使用される溶剤の中には、ア
セチルアセトンのように、錫化合物に配位してキレート
錯体を形成し得るものも含まれる。溶剤は単独でまたは
2種以上を組合せて用いることができる。
【0014】選択メッキ下地形成用感光性塗布液は、例
えば、次のようにして作製することができる。先ず、錫
(Sn)化合物と、前記の有機配位子と前記の溶剤とを
混合し、これらを例えば沸点下で1〜5時間還流して反
応させ、前記の錫(Sn)化合物に有機配位子が配位し
たキレート錯体を調製する。有機配位子の添加量は、錫
(Sn)原子1モルに対して0.2〜6モルが好まし
く、さらに前記の有機配位子が前記の溶剤を兼ねる場合
は、有機配位子の添加量は大過剰であってよい。有機配
位子の添加量が0.2モルより少ないと完全なキレート
錯体が合成できず、未反応物が残留する。また、合成は
溶液の沸点下で行うのが好ましく、常温で合成するとキ
レート化が不十分となる。
【0015】次いで、得られたキレート錯体を含む溶液
を冷却した後、この溶液を前記の感光性樹脂、および必
要に応じて前記の溶剤を添加、混合して選択メッキ下地
膜形成用感光性塗布液を得る。このようにして得られた
選択メッキ下地膜形成用感光性塗布液は安定性に優れ、
90日間放置しても分離、沈降することはない。また、
前記のキレート錯体の化学構造は必ずしも明確ではない
が、錫(Sn)化合物として酢酸錫(II)を、有機配位
子としてアセチルアセトン(ACACと略記)を用いた
場合は下記式(1)で表わされる化学構造を有するもの
と推定される。 Sn(CH3COO)x(ACAC)2-x (1) ただし、0.2 ≦ x ≦ 2.0である。
【0016】[パターン化された選択メッキ下地膜、お
よび微細金属配線の作製]前記の選択メッキ下地膜形成
用感光性塗布液を用いて、パターン化された選択メッキ
下地膜を形成する方法としては、例えば、前記選択メッ
キ下地形成用感光性塗布液を基板上に塗布、乾燥した
後、露光、現像してパターン化し、焼成する方法を例示
することができる。ここに、選択メッキ下地形成用感光
性塗布液を基板に塗布するには、公知の方法が採用で
き、例えばスピンコート法、ロールコート法、ディップ
コート法などが採用できる。塗布液の塗布量は、形成さ
れる焼成選択メッキ下地膜の膜厚が20nm〜500n
m、好ましくは40nm〜300nmとなるように適宜
調整して塗布する。選択メッキ下地膜の膜厚がこれより
薄いと膜としてのネットワークが十分形成されず、均一
な膜が得られない。逆に厚いと膜にクラックが発生し易
くなり緻密な膜が形成できなくなる。
【0017】次いで、塗布膜は、乾燥した後、露光、現
像してパターン化される。すなわち、塗布膜上に所定の
パターンを有するフォトマスクを設置して紫外線を照射
して露光し、次いで、テトラメチルアンモニウムハイド
ロキサイト、ジエタノールアミンなどの有機アルカリ、
または炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウムなどの無機アルカリの水溶液で現像してパターン化
する。次いで、パターン形成膜を400℃以上の温度で
30分〜1時間焼成することにより、選択メッキ下地膜
が形成される。焼成時の雰囲気は、通常大気中で行う。
上記の方法によれば、透明性および塗膜の機械的強度、
化学的安定性に優れ、しかもパターン加工性に優れたパ
ターン化された酸化錫系の選択メッキ下地膜付き基板
を、非常に簡易な工程および低コストで作製することが
できる。
【0018】次いで、前記の基板上に形成されたパター
ン化された選択メッキ下地膜に選択的にメッキ皮膜を形
成する。すなわち、例えば、センシタイジング−アクチ
ベーティング法またはキャタライジング−アクセレーテ
ィング法などの公知の方法によりPd、Au、Ag、P
tなどのメッキ触媒を付与し、その後該触媒化処理され
た選択メッキ下地膜が形成された基板を無電解メッキ浴
中に浸漬し、パターン化されたメッキ下地膜上のみに選
択的にメッキ皮膜を形成する。このようにして形成され
た金属配線は、ラインの線幅、およびラインとラインと
の線間隔が微細であって、解像度に優れている。
【0019】
【実施例】以下、実施例を掲げ、本発明をさらに具体的
に説明する。実施例1 [選択メッキ下地膜形成用感光性塗布液の調製]酢酸第
一錫(キシダ化学社製)39.7gと、アセチルアセト
ン(関東化学社製)60.3gとを混合し、混合物を沸
点下で3時間還流して反応させ、アセチルアセトンが酢
酸第一錫に配位したキレート錯体溶液を得た。次に、得
られたキレート錯体溶液を室温まで冷却後、50g分取
し、ネガ型感光性樹脂(富士フィルムオーリン社製;C
SP−S004)54.2gと、希釈溶剤となるアセチ
ルアセトン(関東化学社製)37.7gとを添加し、室
温で1時間良く攪拌混合して、選択メッキ下地形成用感
光性塗布液を得た。この塗布液中の感光性樹脂含有量は
12.0重量%、Sn化合物含有量はSnO2換算で8.
0重量%であった。なお、このようにして得られた選択
メッキ下地膜形成用感光性塗布液を90日間放置して
も、分離、沈降は生じなかった。
【0020】[選択メッキ下地膜の形成]上記の選択メ
ッキ下地膜形成用感光性塗布液を無アルカリガラス(コ
ーニング#1737)基板上にスピンコーターで塗布し
た後、オーブン中120℃で3分間乾燥を行った。その
後、所定のパターン加工精度評価用のフォトマスク(線
幅:0.5、1、1.5、2、3、4、5、6、7、……
15μm)を設置して、紫外線露光を行った。用いた紫
外線露光機の露光強度は4.2mW/cm2(i線)で、
照射した露光量は500mJ/cm2であった。次いで
26℃に保持した現像液(富士フィルムオーリン社製ア
ルカリ現像液:CD2000の50%水溶液)に4分間
ディップ現像、水洗を行い、所定のパターンを得た。こ
の基板を大気中500℃で1時間焼成して酸化錫を主成
分とするパターン形成された選択メッキ下地膜を得た。
得られた下地パターン膜の解像度を測定したところ、ラ
イン線幅Lと、ラインとラインとの線間隔Sの比(以
下、L/Sと略記)が5/5μmであり、膜厚は300
nmであった。(注:ここで、「解像度」とは、ライン
線幅Lと、ラインとラインとの線間隔Sに、いずれも欠
損が全くなく、完全なLとSがL/S=1で観察される
最小の長さ[μm]の比を指す。)また、セロテープ
(登録商標)によるピール試験の結果、膜は全く剥がれ
ず強固な密着性を示した。
【0021】[微細金属配線の形成」次に選択メッキ下
地膜付ガラス基板を、塩化第一錫(II)0.5重量%お
よび塩酸0.4重量%の混合水溶液に2分間浸漬、水洗
しセンシタイジングを行い、その後塩化パラジウムの
0.05重量%および塩酸0.4重量%の混合水溶液に2
分間浸漬、水洗しアクチベーティングを行いPd触媒を
付与した。続いて、奥野製薬工業社製無電解銅めっき液
(OPC−750)を標準建浴し、該浴(25℃)中に
Pd触媒が付与された選択メッキ下地膜付き基板を10
分間浸漬し、水洗して、選択メッキ下地膜上のみに選択
的にCu皮膜が析出した、Cuパターン膜を得た。その
解像度を測定したところ、解像度L/S=5/5μmで
あった。析出したCuの膜厚は0.25μm、膜の比抵
抗値は3×10-6Ω・cmであった。また、セロテープ
によるピール試験の結果、この膜は全く剥がれず強固な
密着性を示した。
【0022】実施例2 [選択メッキ下地膜形成用感光性塗布液の調製]実施例
1と同一のキレート錯体溶液50gに、ネガ型感光性樹
脂(富士フィルムオーリン社製;CSP−S004)8
5.9gと、希釈溶剤となるアセチルアセトン(関東化
学社製)217.7gとを添加し、さらに重合開始剤0.
9gと増感剤0.6gを添加し、室温で1時間良く攪拌
混合して選択メッキ下地形成用感光性塗布液を得た。こ
の塗布液中の感光性樹脂含有量は8重量%、Sn化合物
含有量はSnO2換算で3.2重量%であった。なお、こ
のようにして得られた選択メッキ下地膜形成用感光性塗
布液を90日間放置しても、分離、沈降は生じなかっ
た。
【0023】[選択メッキ下地膜の形成]上記の選択メ
ッキ下地膜形成用感光性塗布液を無アルカリガラス(コ
ーニング#1737)基板上にスピンコーターで塗布し
た後、オーブン中120℃で3分間乾燥を行った。その
後前記のフォトマスクを設置して、紫外線露光を行っ
た。用いた紫外線露光機の露光強度は4.2mW/cm2
(i線)で、照射した露光量は350mJ/cm3であ
った。次いで26℃に保持した現像液(富士フィルムオ
ーリン社製アルカリ現像液:CD−2000の35%水
溶液)に3.5分間ディップ現像、水洗を行い、所定の
パターンを得た。この基板を大気中500℃で1時間焼
成して酸化錫を主成分とするパターン形成された選択メ
ッキ下地膜を得た。得られたパターン膜の解像度を測定
したところ、図1(写真1)に示すとおり、解像度L/
S=4/4μmであった。また、膜厚は90nmであっ
た。セロテープによるピール試験の結果、膜は全く剥が
れず強固な密着性を示した。
【0024】[微細金属配線の形成]次に、実施例1に
準じて選択メッキ皮膜形成を行い、選択メッキ下地膜上
のみに選択的にCu皮膜が析出した、Cuパターン膜付
き基板を得た。このCu皮膜の解像度を測定したとこ
ろ、図2(写真2)に示すとおり、L/S=4/4μm
であった。析出したCuの膜厚は0.2μm、膜の比抵
抗は3×10-6Ω・cmであった。また、セロテープに
よるピール試験の結果、この膜は全く剥がれず強固な密
着性を示した。
【0025】実施例3 [選択メッキ下地膜形成用感光性塗布液の調製]2−エ
チルヘキサン酸錫(和光純薬社製)51.4gを、アセ
チルアセトン(関東化学社製)48.6gとを混合した
後、沸点下で3時間還流して反応させ、アセチルアセト
ンが2−エチルヘキサン酸錫に配位したキレート錯体を
得た。次に、得られたキレート錯体溶液を室温まで冷却
後、50g分取し、ネガ型感光性樹脂(富士フィルムオ
ーリン社製;CSP−S004)69.1gと、希釈溶
剤となるアセチルアセトン(関東化学社製)165.3
gを添加し、さらに重合開始剤0.7gと増感剤0.5g
を添加し、室温で1時間良く攪拌混合して選択メッキ下
地形成用感光性塗布液を得た。この塗布液中の感光性樹
脂含有量は8.0重量%であり、Sn化合物含有量はS
nO2換算で3.2重量%であった。なお、このようにし
て得られた選択メッキ下地膜形成用感光性塗布液を、9
0日間放置しても、分離、沈降は生じなかった。
【0026】[選択メッキ下地膜の形成]次いで、実施
例2に準じて選択メッキ下地膜のパターン形成を行っ
た。得られた下地パターン膜の解像度はL/S=4/4
μmであり、膜厚は100nmであった。また、セロテ
ープによるピール試験の結果、膜は全く剥がれず強固な
密着性を示した。
【0027】次に、実施例1に準じて選択メッキ皮膜形
成を行い、選択メッキ下地膜上のみに選択的にCu皮膜
が析出した、解像度L/S=4/4μmのCuパターン
膜付き基板を得た。析出したCuの膜厚は0.2μm、
膜の比抵抗値は3×10-6Ω・cmであった。また、セ
ロテープによるピール試験の結果、この膜は全く剥がれ
ず強固な密着性を示した。
【0028】実施例4 [選択メッキ下地膜形成用感光性塗布液の調製]テトラ
n−プロポキシ錫(和光純薬社製)47.0gと、アセ
チルアセトン(関東化学社製)53.0gとを混合した
後、沸点下で3時間還流して反応させ、アセチルアセト
ンがテトラn−プロポキシ錫に配位したキレート錯体を
得た。次に、得られたキレート錯体溶液を室温まで冷却
後、50g分取し、ネガ型感光性樹脂(富士フィルムオ
ーリン社製;CSP−S004)75.6gと、希釈溶
剤となるアセチルアセトン(関東化学社製)185.1
gを添加し、さらに重合開始剤0.7gと増感剤0.5g
を添加し、室温で1時間良く攪拌混合して選択メッキ下
地形成用感光性塗布液を得た。この塗布液中の感光性樹
脂含有量は8.0重量%、Sn化合物含有量はSnO2
算で3.2重量%であった。なお、このようにして得ら
れた選択メッキ下地膜形成用感光性塗布液を90日間放
置しても、分離、沈降は生じなかった。
【0029】[選択メッキ下地膜の形成」次いで実施例
2に準じて選択メッキ下地膜のパターン形成を行った。
得られた下地パターン膜の解像度はL/S=4/4μm
であり、膜厚は80nmであった。また、セロテープに
よるピール試験の結果、膜は全く剥がれず強固な密着性
を示した。
【0030】[微細金属配線の形成]次に、実施例1に
準じて選択メッキ皮膜形成を行い、選択メッキ下地膜上
のみに選択的にCu皮膜が析出した、解像度L/S=4
/4μmのCuパターン膜付き基板を得た。析出したC
uの膜厚は0.2μm、膜の比抵抗値は3×10-6Ω・c
mであった。また、セロテープによるピール試験の結
果、この膜は全く剥がれず強固な密着性を示した。
【0031】実施例5 [選択メッキ下地膜形成用感光性塗布液の調製]感光性
樹脂としてポジ型感光性樹脂AZ−RFP210K(ク
ラリアント社製)を91.8g、希釈溶剤としてアセチ
ルアセトン(関東化学社製)を2111.5gとした以
外は、実施例1に準じて、選択メッキ下地膜形成用感光
性塗布液を調製した。この塗布液中の感光性樹脂含有量
は8.0重量%、Sn化合物含有量はSnO2換算で3.
2重量%であった。なお、このようにして得られた選択
メッキ下地膜形成用感光性塗布液を90日間放置して
も、分離、沈降は生じなかった。
【0032】[選択メッキ下地膜の形成]次いで、実施
例1に準じて、選択メッキ下地膜のパターン形成を行っ
た。得られた下地パターン膜の解像度はL/S=4/4
μmであり、膜厚は100nmであった。また、セロテ
ープによるピール試験の結果、膜は全く剥がれず強固な
密着性を示した。
【0033】[微細金属配線の形成]また、実施例1に
準じて微細金属配線付き基板を得た。メッキ下地膜上の
みに選択的にCu被膜が析出し、解像度L/S=4/4
μmのCuパターン膜が得られた。析出したCuの膜厚
は0.2μmであり、膜の比抵抗値は3×10-6Ω・cm
であった。また、セロテープによるピール試験の結果、
この膜は全く剥がれず強固な密着性を示した。
【0034】実施例6 [選択メッキ下地膜形成用感光性塗布液の調製]酢酸第
一錫(和光純薬社製)40gと、アセチルアセトン(関
東化学社製)67.7gと、ベンゾイルアセトン(関東
化学社製)2.7gとを混合した後、沸点下で3時間還
流して反応させ、アセチルアセトンとベンゾイルアセト
ンとが酢酸第一錫に配位したキレート錯体を得た。次に
得られたキレート錯体溶液を室温まで冷却後、40g分
取し、ネガ型感光性樹脂(富士フィルムオーリン社製;
CSP−S004)71.2gと、希釈溶剤となるアセ
チルアセトン(関東化学社製)164.8gを添加し、さ
らに重合開始剤0.5gと増感剤0.2gを添加し、室温
で1時間良く攪拌混合してで選択メッキ下地形成用感光
性塗布液を得た。この塗布液中の感光性樹脂含有量は
7.0重量%であり、Sn化合物含有量はSnO2換算で
3.0重量%であった。なお、このようにして得られた
選択メッキ下地膜形成用感光性塗布液を90日間放置し
ても、分離、沈降は生じなかった。
【0035】[選択メッキ下地膜の形成]次いで、実施
例2に準じて選択メッキ下地膜のパターン形成を行っ
た。得られた下地パターン膜の解像度はL/S=4/4
μmであり、膜厚は100nmであった。また、セロテ
ープによるピール試験の結果、膜は全く剥がれず強固な
密着性を示した。
【0036】[微細金属配線の形成]次に、実施例1に
準じて選択メッキ皮膜形成を行い、選択メッキ下地膜上
のみに選択的にCu皮膜が析出した、解像度L/S=4
/4μmのCuパターン膜を得た。析出したCuの膜厚
は0.2μmであり、膜の比抵抗値は3×10-6Ω・cm
であった。また、セロテープによるピール試験の結果、
この膜は全く剥がれず強固な密着性を示した。
【0037】実施例7 [選択メッキ下地膜形成用感光性塗布液の調製]酢酸第
一錫(和光純薬社製)51.4gと、エチレングリコー
ル(関東化学社製)48.6gとを混合した後、沸点下
で3時間還流して反応させ、エチレングリコールが酢酸
第一錫に配位したキレート錯体を得た。次に得られたキ
レート錯体溶液を室温まで冷却後、50g分取し、ネガ
型感光性樹脂(富士フィルムオーリン社製;CSP−S
004)111.5gと、希釈溶剤となるアセチルアセ
トン(関東化学社製)327.7gとを添加し、さらに
重合開始剤1.1gと増感剤0.7gを添加し、室温で1
時間良く攪拌混合して選択メッキ下地形成用感光性塗布
液を得た。この塗布液中の感光性樹脂含有量は7.5重
量%であり、Sn化合物含有量はSnO2換算で3.0重
量%であった。なお、このようにして得られた選択メッ
キ下地膜形成用感光性塗布液を90日間放置しても、分
離、沈降は生じなかった。
【0038】[選択メッキ下地膜の形成]次いで、実施
例2に準じて選択メッキ下地膜のパターン形成を行っ
た。得られた下地パターン膜の解像度はL/S=4/4
μmであり、膜厚は150nmであった。また、セロテ
ープによるピール試験の結果、膜は全く剥がれず強固な
密着性を示した。
【0039】[微細金属配線の形成]次に、実施例1に
準じてに選択メッキ皮膜形成を行い、選択メッキ下地膜
上のみに選択的にCu皮膜が析出した、解像度L/S=
4/4μmのCuパターン膜を得た。析出したCuの膜
厚は0.2μmであり、膜の比抵抗値は3×10-6Ω・c
mであった。また、セロテープによるピール試験の結
果、この膜は全く剥がれず強固な密着性を示した。
【0040】
【発明の効果】本発明の選択メッキ下地形成用感光性塗
布液は、メッキ下地膜形成材料として錫(Sn)化合物
に有機配位子が配位したキレート錯体を含有し、さらに
感光性樹脂を含有するので、安定性に優れ、また、この
塗布液を基板上に塗布、乾燥し、該乾燥膜を露光、現像
してパターン化し、焼成することにより、非常に繊細な
パターン化された、機械的および化学的安定性に優れた
酸化錫系選択メッキ下地膜を形成することができる。こ
のパターン化された選択メッキ下地膜上に、線幅および
線間隔が微細な金属配線を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例2で得られた選択メッキ下地膜のパタ
ーン膜の解像度を示す写真である。
【図2】 実施例2で得られたCuパターン膜の解像度
を示す写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H096 AA00 BA06 BA11 BA20 EA02 GA08 HA01 HA27 JA04 4K022 AA03 BA08 BA35 CA06 CA07 CA20 CA21 CA26 DA01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 錫(Sn)化合物に有機配位子が配位し
    たキレート錯体と、紫外線硬化型または紫外線崩壊型の
    感光性樹脂と、溶剤とを少なくとも含有することを特徴
    とする選択メッキ下地形成用感光性塗布液。
  2. 【請求項2】 前記の錫(Sn)化合物は、酢酸錫(I
    I)、ぎ酸錫(II)、蓚酸錫(II)、2−エチルヘキサ
    ン酸錫(II)、テトラメチル錫(IV)、トリブチル酢酸
    錫(IV)、テトラn−プロポキシ錫(IV)からなる群か
    ら選ばれた少なくとも1種である請求項1記載の選択メ
    ッキ下地形成用感光性塗布液。
  3. 【請求項3】 前記の有機配位子は、β-ジケトン、ア
    ミノアルコール、多価アルコールからなる群から選ばれ
    た少なくとも1種である請求項1または請求項2に記載
    の選択メッキ下地形成用感光性塗布液。
  4. 【請求項4】 前記の錫(Sn)化合物の含有量は、塗
    布液重量に基づき酸化物(SnO2)換算で1〜20重
    量%である請求項1〜請求項3のいずれかに記載の選択
    メッキ下地形成用感光性塗布液。
  5. 【請求項5】 前記の紫外線硬化型または崩壊型の感光
    性樹脂の含有量は、該塗布液重量に基づき1〜20重量
    %である請求項1〜請求項4のいずれかに記載の選択メ
    ッキ下地形成用感光性塗布液。
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JP2010532429A (ja) * 2007-07-02 2010-10-07 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 基材のパターニング方法

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