JP2824188B2 - 感光性組成物及びパターンの製造方法 - Google Patents

感光性組成物及びパターンの製造方法

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JP2824188B2
JP2824188B2 JP5119234A JP11923493A JP2824188B2 JP 2824188 B2 JP2824188 B2 JP 2824188B2 JP 5119234 A JP5119234 A JP 5119234A JP 11923493 A JP11923493 A JP 11923493A JP 2824188 B2 JP2824188 B2 JP 2824188B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は感光性組成物及びそれを
用いた電子デバイスの回路形成、印刷用材料等に有用な
パターンの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、電子デバイス等の回路パターンの
形成にはポジ型フオトレジストが広く使用されている。
これらの用途に使用されるポジ型レジスト組成物として
は、多くの場合、アルカリ可溶性ノボラツク樹脂と感光
剤としてキノンジアジド化合物を組み合わせたものが使
用されている。
【0003】この組成物は紫外線の照射によりキノンジ
アジド基が光分解しケテンを経由してインデンカルボン
酸を形成する反応を利用している。
【0004】しかし、このキノンジアジド化合物を使用
したレジストは、非常に細密なパターンを形成する必要
がある場合、解像度が不足することがある。解像力を高
める方法としては、CEL(コントラスト エンハンス
ド レーヤー)の適用が行われているが、CELを適用
すると感光性が低下し、露光に長時間を要し、作業効率
が低下し好ましくない。
【0005】また、現像の原理は露光部と未露光部に生
じる溶解度の差を利用しているため、現像条件が微妙で
あり、良好な再現性を得るためには厳密な現像条件の制
御が必要であり、未露光部も現像液に対して完全には不
溶性で無いために、現像過程で未露光のレジスト膜も一
部溶解ないしは膨潤し、形成されたパターンのエツチン
グ液に対する耐性が低下したり、形成されるパターンの
精度が低下しやすい等の欠点がある。
【0006】一方、紫外線、電子線などの照射によりパ
ターン潜像部に酸を発生し、この酸を触媒としてポリマ
ーに脱離反応を連鎖的に生じさせることにより照射部
と、未照射部との現像液に対する溶解性を変化させてパ
ターンを形成させる材料及びそれを用いたパターン形成
方法が米国特許第3779778号明細書、特開昭59
−45439号公報、特開昭63−250642号公報
等に提案されている。
【0007】これらの組成物において光量子収率は、光
照射により発生した酸が触媒として連鎖的に加水分解反
応を引き起こすために、キノンジアジドを感光剤とした
ものに比して高く、感光性は向上するが、加水分解性が
高いために組成物の貯蔵安定性が劣り、また、現像の原
理はキノンジアジドを使用したものと同様であり、前記
と同様の問題点がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
した如き従来のポジ型感光性組成物の欠点を解決した、
新規な原理に基ずくポジ型フオトレジスト、印刷材料用
等として特に有用な感光性組成物、及びそれを用いたパ
ターンの製造法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ポジ型感
光性組成物がもつ前述の如き欠点を克服する方法につい
て鋭意研究した結果、今回、カルボキシル基又はカルボ
キシル基とヒドロキシフエニル基を含む重合体、モノビ
ニルエーテル化合物、及び活性エネルギー線照射により
分解して酸を発生する化合物からなる組成物は、それか
ら形成された塗膜を加熱すると、カルボキシル基又はヒ
ドロキシフエニル基とビニルエーテル基との付加反応に
よりカルボキシル基又はヒドロキシフエニル基が封鎖さ
れて、アルカリ水溶液に対して不溶性となり、さらに活
性エネルギー線を照射し且つ照射後加熱すると、発生し
た酸の触媒作用で封鎖構造が切断されて照射部分がアル
カリ水溶液に対して再び可溶性になるという全く新規な
メカニズムで機能する感光性組成物となることを見出
し、本発明を完成するに至つた。
【0010】かくして、本発明は、A)カルボキシル基
又はカルボキシル基とヒドロキシフエニル基を含有する
重合体、B)一分子中に1個のビニルエーテル基を含む
化合物、及びC)活性エネルギー線照射により酸を発生
する化合物を必須成分として含む感光性組成物、及びそ
れを用いたパターンの製造方法を提供するものである。
【0011】本発明の組成物によれば、従来の化学増幅
型感光性組成物と異なり、組成物中に加水分解され易い
t−ブチルエステルのような基を含んでいないので、組
成物は極めて安定であり、組成物を水溶液として用いる
場合は特に好ましい。
【0012】また、本発明の組成物は、キノンジアジド
を感光剤とするレジストのように吸光係数の高い官能基
を多量に使用する必要がないので、活性エネルギー線に
対する透明性を高くすることができ、また、照射部に発
生した酸は加熱時に触媒として作用し、封鎖構造を連鎖
的に切断するためにポジ型に作用する感光性組成物とし
ての感度を高くすることができる。
【0013】さらに、本発明の組成物により形成される
パターンは、コントラストが極めて大きく、従つて微細
パターン用のレジストとして非常に有用である。
【0014】以下、本発明についてさらに詳細に説明す
る。
【0015】A) カルボキシル基又はカルボキシル基
とヒドロキシフエニル基を含有する重合体 本重合体A)は、一分子中に少なくとも1つのカルボキ
シル基又は一分子中に少なくとも1つのカルボキシル基
と少なくとも1つのヒドロキシフエニル基を含む皮膜形
成性の重合体であり、例えば、カルボキシル基を含有す
る重合性不飽和単量体の単独重合体、該カルボキシ基含
有単量体とヒドロキシフエニル基を含有する重合性不飽
和単量体との共重合体、該カルボキシル基含有単量体又
は該カルボキシル基含有単量体及び該ヒドロキシフエニ
ル基含有単量体と他の共重合可能な単量体との共重合体
等が包含される。さらに、カルボキシル基含有重合体と
しては分子鎖中又は分子末端にカルボキシル基を有する
ポリエステル系、ポリウレタン系、ポリアミド系などの
樹脂を使用することもできる。
【0016】上記カルボキシル基を含有する重合性不飽
和単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル
酸、クロトン酸、イタコン酸等が挙げられ、また、ヒド
ロキシフエニル基を含有する重合性不飽和単量体として
は、例えば、p−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシ
スチレン、o−ヒドロキシスチレン、3−メトキシ−4
−ヒドロキシスチレン、3,5−ジブロモ−4−ヒドロ
キシスチレンなどのヒドロキシ基含有ビニル芳香族化合
物が挙げられる。一方、これらカルボキシル基含有単量
体及び/又はヒドロキシフエニル基含有単量体と共重合
可能な他の単量体としては、例えば、(メタ)アクリル
酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリ
ル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)ア
クリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メ
タ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル
酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル等の(メタ)アク
リル酸のC1〜C12アルキルエステル;(メタ)アクリ
ル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロ
キシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロ
ピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル等の(メ
タ)アクリル酸のC2〜C6ヒドロキシアルキルエステ
ル;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、
p−tert−ブチルスチレン等のビニル芳香族化合
物;酢酸ビニル、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)
アクリルアミド、ビニルピロリドン等が挙げられ、これ
ら単量体はそれぞれ単独で用いてもよく又は2種以上組
合わせて使用することができる。殊に、該他の単量体と
してスチレン、α−メチルスチレン、C1〜C6アルキル
置換されたスチレン(例えばp−tert−ブチルスチ
レン)などのビニル芳香族化合物を使用することが、形
成される画像パターンの精度、耐エツチング性等の点で
好適である。これらビニル芳香族化合物は重合体100
重量部あたり少なくとも20重量部、好ましくは30〜
70重量部を占めることが好ましい。
【0017】重合体A)は、一般に、約3000〜約1
00000、特に約5000〜約30000の範囲内の
数平均分子量を有していることが好ましく、カルボキシ
ル基の含有量は、重合体1kgあたり一般に0.5〜5
当量、特に0.5〜4当量の範囲内にあることが望まし
い。カルボキシル基の含有量が0.5当量/kgより少
ないと、活性光線照射前の加熱により形成される膜の架
橋度が十分でなく、また、アルカリ性現像液に対する露
光部の溶解性が低く現像性が低下する傾向があり、他
方、5当量/kgを越えると、組成物の貯蔵安定性が低
下する傾向がある。また、適宜存在しうるヒドロキシフ
エニル基の含有量は、重合体1kgあたり一般に1〜5
当量、特に1.5〜4当量の範囲内にあることが好まし
く、カルボキシル基とヒドロキシフエニル基の合計含有
量は、重合体1kgあたり1.5〜10当量、特に2〜
8当量の範囲内にあるのが好都合である。
【0018】また、重合体A)は、そのガラス転移温度
(Tg)が0℃以上、特に5〜70℃の範囲内にあるこ
とが好適である。Tgが0℃未満であると、塗膜が粘着
性を示し、ゴミやホコリなどがつきやすくなり、取り扱
い難くなる傾向がある。
【0019】B) 一分子中に1個のビニルエーテル基
を含む化合物 本化合物B)は、一分子中に、例えば、式 −R−O−
CH=CH2[ここで、Rはエチレン、プロピレン、ブ
チレンなどの炭素数1〜6のアルキレン基を表わす]で
示されるビニルエーテル基を1個含有する低分子量又は
高分子量の化合物であり、例えば、クロロエチルビニル
エーテルなどのハロゲン化アルキルビニルエーテルと、
フエノール、ナフトール、それらのアルキル化物、メタ
ノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノー
ル、ブタノール、ヘキサノール、オクタノールなどの炭
素数1〜12の脂肪族アルコール、ベンジルアルコール
などの芳香族基含有アルコール等との縮合物;ヒドロキ
シエチルビニルエーテルのようなヒドロキシアルキルビ
ニルエーテルと、ベンジルイソシアネートのようなモノ
イソシアネート化合物、トリレンジイソシアネート、キ
シリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシア
ネート、イソホロンジイソシアネートなどのジイソシア
ネート化合物のモノブロツク化物(ブロツク剤としては
例えば炭素数1〜12のアルコール類が挙げられる)と
の反応物等が挙げられる。特に芳香環を含む化合物が、
エツチング耐性、形成されるパターンの精度等の点から
好適である。
【0020】化合物B)は、常温で液状であるか又はそ
の融点もしくは軟化点が150℃以下、特に130℃以
下のものが、活性エネルギー線照射前の加熱時に、重合
体A)中に移行しやすく、重合体A)のカルボキシル基
及び/又はヒドロキシフエニル基と化合物B)のビニル
エーテル基との付加反応が起りやすく好ましい。
【0021】C) 活性エネルギー線照射により酸を発
生する化合物 本化合物C)は、後述する活性エネルギー線の照射によ
り分解して、前記重合体A)と化合物B)との間で形成
される架橋構造を切断するのに十分な強度の酸を発生す
る化合物であり、例えば、下記式で示されるものが包含
される。
【0022】
【化1】Ar2+・X- (I) [式中、Arはアリール基、例えばフエニル基を表し、
-はPF6 -、SbF6 -又はAsF6 -を表す]
【0023】
【化2】Ar3+・X- (II) [式中、Ar及びX-は上記と同じ意味を有する]
【0024】
【化3】
【0025】[式中、Rは炭素数1〜12のアルキル基
又は炭素数1〜12のアルコキシ基を表し、nは0〜3
を表し、X-は上記と同じ意味を有する]
【0026】
【化4】
【0027】[式中、X-は上記と同じ意味を有する]
【0028】
【化5】
【0029】[式中、X-は上記と同じ意味を有する]
【0030】
【化6】
【0031】[式中、X-は上記と同じ意味を有する]
【0032】
【化7】
【0033】[式中、X-は上記と同じ意味を有する]
【0034】
【化8】
【0035】[式中、R1及びR2はそれぞれ独立に炭素
数1〜12のアルキル基又は炭素数1〜12のアルコキ
シ基を表す]
【0036】
【化9】
【0037】[式中、R1及びR2は上記と同じ意味を有
する]
【0038】
【化10】
【0039】感光性組成物 本発明の感光性組成物は、以上に述べたカルボキシル基
又はカルボキシル基及びヒドロキシフエニル基含有重合
体A)、ビニルエーテル基含有化合物B)及び酸発生化
合物C)の3成分を必須成分として含有するものであ
り、その配合割合は、該組成物の用途等に応じて広い範
囲にわたつて変えることができるが、ビニルエーテル基
含有化合物B)は、重合体A)中のカルボキシル基又は
カルボキシル基とヒドロキシフエニル基の合計量に対し
て、一般に0.2〜1.5当量、特に0.5〜1当量の範
囲内で使用することが好しく、また、酸発生化合物C)
は、重合体A)とビニルエーテル基含有化合物B)の合
計量100重量部に対して一般に0.1〜40重量部、
特に0.2〜20重量部の範囲内で用いるのが適当であ
る。
【0040】本発明の感光性組成物には必要に応じて増
感色素を配合してもよく、使用しうる増感色素として
は、例えば、フエノチアジン系、アントラセン系、コロ
ネン系、ベンズアントラセン系、ペリレン系、ピレン
系、メロシアニン系、ケトクマリン系等の色素が挙げら
れる。
【0041】これら増感色素の配合量は、重合体A)1
00重量部に対して0.1〜10重量部、好ましくは0.
3〜5重量部の範囲内が適当である。
【0042】また、形成される膜に適当な可撓性、非粘
着性等を付与するために、本発明の組成物には、フタル
酸エステル等の可塑剤、ポリエステル樹脂、アクリル樹
脂等を添加してもよい。それらの添加量は通常、重合体
A)、ビニルエーテル基含有化合物B)及び酸発生化合
物C)の合計量100重量部に対して50重量部以下で
あることが好ましい。
【0043】さらに、本発明の組成物には必要に応じ
て、流動性調節剤、染料、顔料等の着色剤等を添加して
もよい。
【0044】本発明の感光性組成物は、以上に述べた各
成分をそのまま又は必要に応じて溶剤中で混合すること
により調製することができる。その際に使用しうる溶剤
は組成物の各成分を溶解できるものであれば特に制限は
なく、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチル
イソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソフオロン等
のケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等の
エステル類;メタノール、エタノール、プロパノール等
の炭素数1−10の脂肪族アルコール類;ベンジルアル
コール等の芳香族基含有アルコール類;エチレングリコ
ール、プロピレングリコール、又はそれらのジエーテル
のメタノール、エタノール、ブタノール、ヘキサノー
ル、オクタノール、ベンジルアルコール、フエノール等
のモノもしくはジエーテル又は当該モノエーテルのエス
テル類等のグリコールエーテル類;ジオキサン、テトラ
ヒドロフラン等の環状エーテル類;エチレンカーボネー
ト、プロピレンカーボネート等の環状カーボネート類;
脂肪族及び芳香族炭化水素類等を挙げることができる。
これらの溶剤は必要に応じて単独又は2種類以上を混合
して用いることができる。
【0045】パターンの形成 本発明の感光性組成物を使用するパターンの形成は、以
下に述べるようにして行なうことができる。
【0046】先ず、基板、例えば、PS版用アルミニウ
ム板、銅箔をラミネートしたプリント回路用基板、半導
体材料のシリコンウエハー等の基板上に、本発明の組成
物を例えばスピンコーテイング、スプレイコーテイン
グ、ロールコーテイング、カーテンフローコーテイン
グ、印刷法等のそれ自体既知のコーテイング法で塗布す
る。そのときの塗布膜厚は厳密に制限されるものではな
く、形成パターンの使用目的等に応じて変えることがで
きるが、通常、乾燥膜厚で約0.5〜約15ミクロンの
範囲内で適当である。
【0047】該組成物が塗布された基板を、重合体A)
とビニルエーテル基含有化合物B)との間で付加反応が
実質的に起る温度及び時間条件下、例えば、約40〜約
150℃の温度で約1〜約30分間加熱して、塗膜中の
カルボキシル基又はカルボキシル基とヒドロキシフエニ
ル基を封鎖する。
【0048】次いで、基板上の塗膜に対して、ポジ型フ
オトマスク、縮小投影露光機、直接描画機等を用いて活
性エネルギー線を画像選択的に照射する。ここで使用し
うる活性エネルギー線は、感光性組成物に配合されてい
る酸発生化合物C)の種類等に依存して選択されるが、
例えば、電子線、波長200〜600nmの単色光線又
はそれらの混合光線等が挙げられる。
【0049】活性エネルギー線が照射された基板は次い
で、該照射により発生した酸の存在下で前記塗膜の封鎖
構造の切断が生ずるような温度及び時間条件下、例え
ば、約60〜約150℃の温度で約1〜約30分間加熱
し、照射部分の塗膜の封鎖構造を実質的に切断する。
【0050】このように加熱−照射−加熱処理された基
板を現像液で処理することにより、基板上にパターンを
形成することができる。現像液としては、重合体A)を
溶解する能力のある液体、例えば、水溶性有機塩基、例
えばアルカノールアミン、テトラエチルアンモニウムハ
イドロキサイドなどのヒドロキシアンモニウム塩類;無
機アルカリ、例えば苛性ソーダ、炭酸ソーダ、メタ珪酸
ソーダ等の水溶液を用いることができる。
【0051】これらの塩基性物質は単独で又は2種類以
上混合して用いてもよい。それらの物質の濃度は通常
0.05−10重量%の範囲内であることが好ましい。
また、必要に応じて本発明の感光性組成物の製造の際に
使用可能な溶剤として述べた溶剤を該現像液と混合可能
な範囲内の濃度で添加してもよい。
【0052】現像は現像液に基板を浸漬したり、現像液
を基板に吹き付けるなどのそれ自体既知の方法により行
うことができる。パターン形成後必要に応じて基板を水
洗し及び/又は加熱乾燥することができる。
【0053】さらに、基板がエツチング可能な場合には
露出している基板部分を適当なエツチング剤で除去し、
更に必要なら残存する被膜を適切な剥離剤で除去するこ
とによりレリーフ画像を得ることができる。
【0054】また、本発明によれば、別の態様として、
感光性組成物中の重合体A)中のカルボキシル基の少な
くとも1部を塩基性化合物を中和することにより、水溶
性又は水分散性の形態の感光性組成物が提供される。
【0055】この水溶性化又は水分散化は、重合体
A)、ビニルエーテル基含有化合物B)及び酸発生化合
物C)からなる前述の感光性組成物を、そのまま又は必
要に応じて溶剤中で、塩基性化合物で処理することによ
り行なうことができる。
【0056】使用しうる溶剤としては、感光性組成物を
構成する各成分を実質的に溶解することができ、常温で
水に10重量%溶解する水混和性有機溶媒が好ましく、
例えば、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;
メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロ
パノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール等のア
ルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコー
ルなどのグリコール類又はこれらとメタノール、エタノ
ール、ブタノールなどのアルコール類とのモノエーテル
又はジエーテル類;ジオキサン、テトラヒドロフランな
どの環状エーテル類等が挙げられる。これら溶剤はそれ
ぞれ単独で又は2種以上混合して使用することができ
る。
【0057】これら溶剤は、重合体A)、ビニルエーテ
ル基含有化合物B)及び酸発生化合物C)の合計量10
0重量部あたり200重量部以下、特に150重量部以
下の量で使用するのが適当である。
【0058】また、該感光性組成物を電着塗装に使用す
る場合の印加電圧、造膜性の調整等のために、補助的に
常温における水に対する溶解度が10重量%未満の有機
溶剤を併用してもよい。そのような溶剤としては、例え
ば、メチレンイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イ
ソフオロン等のケトン類;ブタノール、ヘキサノール、
オクタノール、ベンジルアルコール等のアルコール類;
エチレングリコール、プロピレングリコールなどのグリ
コール類又はそれらとヘキサノール、オクタノール、フ
エノール等とのモノエーテル又はジエーテル類;トルエ
ン、キシレン、アルキルベンゼン等の芳香族炭化水素
類;沸点80℃以上の脂肪族炭化水素類などを挙げるこ
とができる。これらの溶剤は単独で又は2種類以上混合
して用いることができる。これらの溶剤は重合体A)、
ビニルエーテル基含有化合物B)及び酸発生化合物C)
の合計100重量部に対して通常25重量部以下で使用
することができる。
【0059】一方、中和に用いる塩基性化合物として
は、例えば、トリエチルアミン、ジエチルアミン、ジメ
チルエタノールアミン、ジエタノールアミン等のアミン
類;苛性ソーダ、苛性カリ等の無機アルカリ類等を挙げ
ることができる。これらの塩基性化合物は単独で又は2
種類以上を混合して用いることができる。これらの塩基
性化合物は重合体A)中のカルボキシル基又はカルボキ
シル基とヒドロキシフエニル基に対して通常0.1−1.
0当量の範囲内で使用することが好ましい。
【0060】感光性組成性を水中に溶解又は分散する方
法は、例えば、重合体A)、ビニルエーテル基含有化合
物B)、酸発生化合物C)及び前述したその他の成分
を、中和剤及び必要に応じて上記の溶剤と混合し、混合
物を攪拌しながら徐々に水を加えることにより行なうこ
とができる。
【0061】かくして得られる水性の感光性組成物にお
ける固形分濃度は特に制限されないが、一般に0.5〜
50重量%、特に5〜15重量%の範囲内で使用するこ
とができる。
【0062】以上の如くして製造される水性の感光性組
成物は、前記したと同様にしてパターン形成に使用する
こともできるが、以下に述べる電着塗装に用いるのが特
に好適である。
【0063】すなわち、当該感光性組成物を導電性表面
を有する基板上に電着法で乾燥膜厚0.5−15μm程
度になるように塗布する。電着法による塗布は水性の感
光性組成物を電着浴に入れ被塗布物を陽極とし、対極と
の間に直流電源を繋ぎ通電することにより行なうことが
できる。通電は一定電圧を印加する定電圧法でも、一定
電流密度を印加する定電流法でも又はそれらを組み合わ
せた様式の通電方式であつてもよい。また、通電初期に
徐々に電圧ないしは電流密度を上昇させて所定値にいた
らしめる方法を組み合わせてもよい。
【0064】定電圧法の場合は通常5〜250Vの電圧
を10秒ないし5分間印加することにより、そして定電
流法の場合は通常5〜100mA/dm2で5秒ないし
5分間印加することにより所定の膜厚を得ることができ
る。
【0065】このようにして形成される電着塗膜は、前
記したと同様に加熱−照射−加熱処理した後、現像処理
してパターンを形成せしめることができる。
【0066】このようにして形成されるパターンは、非
常に細密なパターンであり、コントラストも優れている
ため、微細画像を要求される印刷版、レリーフ、デイス
プレイ等や、プリント回路板の製造に有利に使用するこ
とができる。
【0067】特に本発明の感光性組成物は、レジスト膜
の未露光部が架橋構造をとるため、従来のポジ型フオト
レジストにくらべて、未露光部が現像液やエツチング液
に対する耐性に優れ、形成されるパターンの精度が優れ
ており、そのため、微細パターンのプリント回路板、L
SI等の半導体精密加工、金属微細加工等の分野におい
て広範な応用が期待される。
【0068】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明する。なお、「部」及び「%」は重量基準である。
【0069】 製造例1:カルボキシル基含有重合体A−1の合成 アクリル酸 216部 スチレン 500部 n−ブチルメタアクリレート 284部 アゾビスイソブチロニトリル(AIBN) 50部 よりなる混合物を、80℃に加熱し撹拌されているメチ
ルイソブチルケトン600部中に2時間を要して滴下し
た後、その温度に更に2時間保つた重合体A−1を得
た。固形分約62.5%、カルボキシル基3モル/k
g、芳香族環含有量34.6重量部/100重量部重合
体。
【0070】 製造例2:カルボキシル基含有重合体A−2の合成 アクリル酸 288部 スチレン 300部 n−ブチルアクリレート 255部 2−ヒドロキシエチルアクリレート 157部 t−ブチルパーオキシベンゾエート 100部 よりなる混合物を、110℃に加熱し撹拌されている2
−ブトキシエタノール1000部中に2時間を要して滴
下した後、その温度に更に2時間保つて重合体A−2を
得た。固形分約50%、カルボキシル基4モル/kg、
芳香族環含有量20.7重量部/100重量部重合体。
【0071】 製造例3:カルボキシル基含有重合体A−3の合成 アクリル酸 72部 スチレン 650部 エチルアクリレート 100部 n−ブチルアクリレート 178部 AIBN 75部 よりなる混合物を製造例1と全く同様にして重合して、
重合体A−3を得た。固形分約62.5%、カルボキシ
ル基含有量1モル/kg、芳香族環含有量45重量部/
100重量部重合体。
【0072】製造例4:カルボキシル基とヒドロキシフ
エニル基含有重合体A−4の合成 o−ヒドロキシ安息香酸600部、o−クレゾール90
0部、30%フオルマリン1145部、脱イオン水13
0部及び蓚酸6.5部をフラスコに入れ60分加熱還流
させた。次いで15%塩酸を13.5部を加え40分加
熱還流させた。次いで400部の約15℃の脱イオン水
を加え内容物を約50℃に保ち樹脂を沈殿させた。更に
400部の脱イオン水を加え50℃で樹脂を洗浄した後
水層を除去し、同様な洗浄操作を3度繰り返した後、減
圧下に約120℃で乾燥してノボラツクフエノール樹脂
(重合体A−4)を得た。分子量約650、カルボキシ
ル基含有量2.8モル/kg重合体、ヒドロキシフエニ
ル基含有量5.4モル/kg重合体。
【0073】製造例5:カルボキシル基とヒドロキシフ
エニル基含有重合体A−5の合成 テトラヒドロフラン200部、p−ヒドロキシスチレン
40.5部、n−ブチルアクリレート40部、アクリル
酸19.5部及びアゾビスイソブチロニトリル3部をフ
ラスコに入れ容器内を窒素置換後攪拌しつつ100℃で
2時間加熱した。生成物を1500mlのトリエン中に
注ぎ込み生成した沈殿を分離し、300mlのアセトン
に溶解した後、再び1500mlのトルエン中に注ぎ込
んだ。沈殿を60℃で減圧乾燥して重合体A−5を得
た。分子量約8500、アクリル酸/n−ブチルアクリ
レート/p−ヒドロキシスチレン=21.5/35/4
3.5(重量比)、カルボキシル基含有量3モル/kg
重合体、ヒドロキシフエニル基含有量3.6モル/kg
重合体。
【0074】製造例6:ビニルエーテル化合物B−1の
合成 p−ノニルフエノール44g、2−クロロエチルビニル
エーテル80ml及び、トルエン100mlを250m
lのフラスコに入れ、窒素置換後20gの水酸化ナトリ
ウムを投入し、80℃30分加熱した。その後4.56
gのテトラブチルアンモニウムブロマイドを20mlの
2−クロロエチルビニルエーテルに溶解した溶液を投入
し、95℃5時間加熱反応させた。反応物を3回脱イオ
ン水で洗浄した後、油層を分離した。油層を蒸留して未
反応2−クロロエチルビニルエーテル及びトルエンを除
去してビニルエーテル化合物B−1を得た。
【0075】製造例7:ビニルエーテル化合物B−2の
合成 p−ノニルフエノール44gの代わりにp−tert−ブチ
ルフエノール30gを使用する以外は製造例6と全く同
様にしてビニルエーテル化合物B−2を得た。 製造例8:ビニルエーテル化合物B−3の合成 2−ブトキシエタノール1モルとトリレンジイソシアネ
ート1モルとを反応させた1分子中に1個のイソシアネ
ート基を持つ化合物に2−ヒドロキシエチルビニルエー
テルとをジブチル錫ジアセテート100ppmの存在下
に35℃で3時間反応させてビニルエーテル化合物B−
3を得た。
【0076】実施例1 重合体A−4 100部 ビニルエーテル化合物B−1 70部 光酸発生剤C−1 注1) 10部 の混合物をジエチレングリコールジメチルエーテルに溶
解して20重量%の溶液とした。
【0077】シリコンウエハー上に乾燥膜厚で1μmに
なるようにスピンコターで塗装した後90℃で10分間
乾燥した。
【0078】この基板に波長356nmの紫外光を照射
量を段階的に変化させて照射し、120℃で20分加熱
した後、2.38%のテトラメチルアンモニウムヒドロ
オキサイド水溶液を用いて現像した。
【0079】紫外線照射量に対する現像後の膜の残存率
曲線から求めたγ値(注2)は8.1と、コントラスト
が極めて高い値を示し、未露光部分の膜の減少、膨潤は
全く見られなかつた。
【0080】同様にシリコンウエハー上に1μmの膜を
形成し、パターンマスクを用いて365nmの紫外光線
を露光量10mj/cm2で照射した後、上記したのと
全く同様に処理してライン/スペース=1/1μmの画
像を形成した。画像パターンの断面形状をウエハー表面
と画像パターン壁面とのなす角度で評価した。角度は8
5度であり極めて優れたパターン形状であつた。画像形
成最低露光量は8mj/cm2であつた。
【0081】注1) 光酸発生剤C−1:下記式のもの
を用いた。
【0082】
【化11】
【0083】注2) γ値:コントラストを表す指標で
あり、値が大きいほどコントラストは高い。測定は「フ
オトポリマー懇話会編、フオトポリマーハンドブツク、
101〜103頁、(1989)工業調査会」記載の方
法によつた。
【0084】実施例2 重合体A−5 100部 ビニルエーテル化合物B−1 40部 光酸発生剤C−2 注3) 7.5部 増感色素1 注4) 1部 の混合物を実施例1と同様にして溶解し、シリコンウエ
ハー上に乾燥膜厚3μmになるようにスピンコータで塗
装し、50℃で10分間乾燥した。
【0085】この基板を488nmの可視光線を用いる
以外は実施例1と全く同様にして、γ値を求めた。γ値
は8.4と、コントラストが極めて高い値を示し、未露
光部分の膜の減少、膨潤は全く認められなかつた。
【0086】次いで照射光線として488nmの可視光
を用い、露光量を5mj/cm2とし、露光後の加熱条
件を90℃、10分とする以外は実施例1と全く同様に
して画像パターンの形状を評価した。角度は87度であ
り極めて優れたパターン形状であつた。画像形成最低露
光量は8mj/cm2であつた。
【0087】注3) 光酸発生剤C−2:下記式のもの
を用いた。
【0088】
【化12】
【0089】注4) 増感色素1:下記式のものを用い
た。
【0090】
【化13】
【0091】実施例3(参考例) 重合体A−3(固形分62.5%) 160部 ビニルエーテル化合物B−3 15部 光酸発生剤C−3 注5) 5部 の混合物を実施例1と同様にして溶解し、ポリイミドフ
イルムに18μmの銅箔をラミネートした基板にロール
コーターで乾燥膜厚5μmとなるように塗装し、100
℃で15分間乾燥した。
【0092】この基板を実施例1と全く同様にしてγ値
を求めた。γ値は8.1と極めて高かつた。
【0093】次いで同様にして作成した基板上にライン
/スペース=50/50μmフオトマスクを介して超高
圧水銀灯で365nmでモニタした光量で12mj/c
2露光後100℃で15分加熱した。次いで3%炭酸
ソーダ水溶液で現像を行つた後、塩化銅を用いて露出し
た銅をエツチングし、次いで3%苛性ソーダ水溶液で基
板上の被膜を除去しすることにより優れたエツチングパ
ターンが基板上に形成された。
【0094】注5) 光酸発生剤C−3:下記式のもの
を用いた。
【0095】
【化14】
【0096】実施例4(参考例) 重合体A−1(固形分62.5%) 160部 ビニルエーテル化合物B−1 35部 光酸発生剤C−1 10部 トリエチルアミン 15部 の混合物をジエチレングリコールジメチルエーテル30
0部に溶解した溶液を、攪拌している脱イオン水930
部に徐々に加えて固形分約10%の水分散液を得た。
【0097】当該水分散液よりなる電着浴にインジユー
ム錫酸化物をガラス板上に蒸着した透明電導性基板を入
れ陽極として、対極との間に電流密度40mA/cm2
の直流を1分間印加した後、浴より引く出し水洗し、次
いで100℃で10分間乾燥した。膜厚は1.3μmで
あつた。
【0098】この基板に波長356nmの紫外光を照射
量を段階的に変化させて照射し、120℃で20分加熱
した後、2.38%のテトラメチルアンモニウムヒドロ
オキサイド水溶液を用いて現像した。
【0099】この基板を実施例1と全く同様にしてγ値
を求めた。γ値は9.5と、コントラストが極めて高
く、未露光部分の膜の減少、膨潤は全く見られなかつ
た。
【0100】同様にして作成した基板上にパターンマス
クを用いて365nmの紫外光線を露光量10mj/c
2で照射した後、上記したと全く同様に処理してライ
ン/スペース=1/1μmの画像を形成した。画像パタ
ーンの断面形状を基板表面と画像パターン壁面とのなす
角度で評価した。角度は88度であり極めて優れたパタ
ーン形状であつた。画像形成最低露光量は8mj/cm
2であつた。
【0101】実施例5(参考例) 重合体A−2(固形分50%) 200部 ビニルエーテル化合物B−2 45部 光酸発生剤C−2 8部 増感色素1 1部 トリエチルアミン 15部 の混合物を2−ブトキシエタノール200部及びベンジ
ルアルコール40部の混合物中に溶解し、実施例4と同
様にして518部の脱イオン水に加え、固形分約15%
の水分散液を得た。次いで実施例3と同様な基板を用
い、電流密度を30mA/cmとする以外は実施例4
と全く同様に電着塗装した後、60℃で15分間乾燥し
た。膜厚は2.1μmであつた。
【0102】この基板を蜂用488nmの可視光線を用
い、露光後の加熱条件を100℃10分間とする以外は
実施例1と全く同様にしてγ値を求めた。γ値は9.0
であり、コントラストは極めて高く、又未露光部の減
少、膨潤は全く認められなかつた。
【0103】次いで同様にして作製した基板に照射光線
として488nmの可視光を用い、露光量を3mj/c
2とし、露光後の加熱条件を100℃10分とする以
外は、実施例4と全く同様にして画像パターンの形状を
評価した。角度は86度であり極めて優れたパターン形
状であつた。画像最低露光量は2mj/cm2であつ
た。
【0104】実施例6(参考例) 重合体A−3(固形分62.5%) 160部 ビニルエーテル化合物B−1 50部 光酸発生剤C−3 5部 トリエチルアミン 10部 の混合物をジメトキシジエチレングリコール150部及
びベンジルアルコール25部の混合物中に溶解し、実施
例4と同様にして633部の脱イオン水中に分散して固
形分約15%の水分散液を得た。
【0105】次いで当該水分散液よりなる電着浴に厚さ
300μmの銅箔を入れ陽極とし、対極との間に65V
の直流を1分間印加した後、基板を取り出し水洗後、1
10℃で10分間乾燥した。膜厚は3.3μmであつ
た。
【0106】この基板を実施例1と全く同様にしてγ値
を求めた。γ値は9.5と、極めて高かった。
【0107】次いで厚さ1.6mmのガラス強化エポキ
シ樹脂板に内壁を銅メツキした直径0.3〜0.6mmの
スルーホールを有する両面銅張り基板(銅厚45μm)
に電圧印加時間を1.5分間とする以外は上記と全く同
様にして被膜を基板上に形成した。膜厚は4.9μmで
あつた。作製した基板上にスルーホール部に光を通さ
ず、非スルーホール部以外の部分にライン/スペース=
50/50μmのパターンを有するフオトマスクを介し
て超高圧水銀灯で365nmでモニタした光量で10m
j/cm2露光後130℃で5分加熱した。次いで3%
炭酸ソーダ水溶液で現像を行った後、塩化銅を用いて露
出した銅をエツチングし、3%苛性ソーダ水溶液で基板
上の被膜を除去することによりレリーフ像を得た。スル
ーホール部の銅メツキは完全に保護されており、優れた
形状のレリーフパターンが基板上に形成された。
【0108】実施例7(参考例):貯蔵安定性 実施例4〜6の分散液を容器に入れ密閉し、40℃で3
ケ月放置した。放置後の分散液には、沈降、分離は認め
られず良好であつた。貯蔵後の分散液を使用してそれぞ
れの実施例の試験を再び行った。特性には殆ど変化は無
く、良好な結果が得られた。
【0109】比較例1 カルボキシル基含有重合体1 アクリル酸 288部 スチレン 300部 n−ブチルアクリレート 300部 2−ヒドロキシエチルアクリレート 112部 t−ブチルパーオキシベンゾエート 100部 よりなる混合物を、110℃に加熱し撹拌されている2
−ブトキシエタノール1000部中に2時間を要して滴
下した後、その温度に更に2時間保つて重合体1を得
た。固形分約50%、カルボキシル基4モル/kg、芳
香族環含有量20.7重量部/100重量部重合体。
【0110】 重合体1(固形分50%) 200部 感光剤1 注6) 30部 をジエチレングリコールジメチルエーテルで20%溶液
としてシリコンウエハー上に乾燥膜厚1.3μmとなる
ようスピンコーターで塗装し、120℃で20分乾燥し
た後、実施例1と同様にして特性曲線を得た。γ値は
2.1であり、未露光部は露光部が完全に溶解した時点
で約30%溶解した。
【0111】現像液を0.5%炭酸ソーダ水溶液に変更
して同様にγ値を測定した。γ値は3.3であり、未露
光部は露光部が完全に溶解した時点で約3%溶解した。
【0112】露光量を80mj/cm2とし、現像液に
0.5%炭酸ソーダ水溶液を使用する以外は実施例1と
全く同様にして基板上にパターンを形成し、その断面を
観察した。基板とパターンのなす角度は79度であつ
た。本例では露光量60mj/cm2以下では画像を形
成できなかつた。
【0113】注6) 感光剤1:下記式のものを用い
た。
【0114】
【化15】
【0115】比較例2 重合体2 o−クレゾール1490部30%フオルマリン1145
部、脱イオン水130部及び蓚酸6.5部をフラスコに
入れ60分加熱還流させた。次いで15%塩酸を13.
5部を加え40分加熱還流させた。次いで400部の約
15℃の脱イオン水を加え、内容物を約75℃に保ち樹
脂を沈殿させた。次いで35%水酸化ナトリウム溶液を
加え中和後水層を除去し、更に400部の脱イオン水を
加え75℃で樹脂を洗浄した後水層を除去し、更に同様
な洗浄操作を2度繰り返した後、減圧下に約120℃で
乾燥してノボラツクフエノール樹脂(重合体2)を得
た。分子量約600であつた。
【0116】 重合体2 100部 感光剤1 20部 を比較例1と同様にして溶解しシリコンウエハー上に
1.3μmの被膜を形成した。実施例1と全く同様にし
てγ値を測定した。
【0117】γ値は4.6で、露光部が完全に溶解した
時点で未露光部が約15%溶解した。次いで、露光量を
80mj/cm2とする以外は実施例1と全く同様にし
てパターンを形成し、その断面を観察した。基板とパタ
ーンのなす角度は82度であつた。本例では55mj/
cm2以下ではパターンを形成することができなかつ
た。
【0118】比較例3 カルボキシル基含有重合体3 アクリル酸 288部 スチレン 300部 n−ブチルアクリレート 300部 2−ヒドロキシエチルアクリレート 112部 t−ブチルパーオキシベンゾエート 100部 よりなる混合物を110℃に加熱し、撹拌されている2
−ブトキシエタノール1000部中に2時間を要して滴
下した後、その温度に更に2時間保つて重合体3を得
た。固形分約50%、カルボキシル基4モル/kg、芳
香族環含有量20.7重量部/100重量部重合体。
【0119】 重合体3(固形分50%) 200部 感光剤1 30部 ベンジルアルコール 15部 メトキシプロパノール 75部 トリエチルアミン 12部 を混合溶解し、攪拌されている脱イオン水535部中に
徐々に添加して、固形分約15%の水分散液を得た。
【0120】電流密度を50mA/cm2とする以外は
実施例4と同様にしてγ値を測定した(膜厚2.5μ
m)。γ値は2.5であつた。未露光部は露光部が完全
に溶解した時点で約25%溶解した。現像液を0.5%
炭酸ソーダ水溶液に変えて現像した。γ値は3.4であ
り、未露光部は露光部が完全に溶解した時点で約2%溶
解した。
【0121】露光量を80mj/cm2とし、現像液に
0.5%炭酸ソーダ水溶液を使用する以外は実施例4と
全く同様にして基板上にパターンを形成し、その断面を
観察した。基板とパターンのなす角度は79度であつ
た。本例では露光量60mj/cm2以下では画像を形
成できなかつた。
【0122】比較例4 重合体4 o−ヒドロキシ安息香酸600部、0−クレゾール90
0部、30%フオルマリン1145部、脱イオン水13
0部が蓚酸6.5部をフラスコに入れ60分加熱還流さ
せた。次いで15%塩酸を13.5部を加え40分加熱
還流させた。次いで400部の約15℃の脱イオン水を
加え、内容物を約50℃に保ち樹脂を沈殿させた。更に
400部の脱イオン水を加え50℃で樹脂を洗浄した
後、水層を除去し、更に同様な洗浄操作を3度繰り返し
た後、減圧下に約120℃で乾燥してノボラツクフエノ
ール樹脂を得た。分子量約650、カルボキシル基2.
8モル/kg重合体。
【0123】 重合体4 100部 感光剤1 30部 ベンジルアルコール 100部 エチレングリコールモノエチルエーテル 100部 トリエチルアミン 15部 を混合溶解し、攪拌されている522部の脱イオン水中
に徐々に添加して固形分約15%の水分散液を得た。電
流密度を50mA/cm2する以外は実施例4と同様に
してγ値を測定した(膜厚1.8μm)。γ値は4.2で
あつた。未露光部が完全に溶解した時点で約6%溶解し
た。
【0124】同様にして作成した基板を用い、露光量を
80mj/cm2とする以外は実施例4と全く同様にし
て基板上にパターンを形成し、その断面を観察した。基
板とパターンのなす角度は82度であつた。本例では露
光量70mj/cm2以下では画像を形成できなかつ
た。
【0125】比較例5:貯蔵安定性 比較例3〜4の分散液を容器に入れ密閉して40℃で1
カ月貯蔵した後状態を観察した。いずれも多量の沈降物
及び液の分離が認められた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−100428(JP,A) 特開 平5−100429(JP,A) 特開 平6−161110(JP,A) 特開 平1−106038(JP,A) 特開 昭55−12995(JP,A) 特開 昭48−89003(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03F 7/00 - 7/18

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 A) 重合体1kgあたり0.5〜5当
    のカルボキシル基と重合体1kgあたり1〜5当量の
    ヒドロキシフエニル基を含有し且つ3000〜1000
    00の範囲内の数平均分子量及び0℃以上のガラス転移
    温度を有する重合体、 B) 一分子中に1個のビニルエーテル基を含有する化
    合物、及び C) 活性エネルギー線照射により酸を発生する化合物
    を含むことを特徴とする感光性組成物。
  2. 【請求項2】 重合体A)中のカルボキシル基の少なく
    とも1部が塩基性化合物で中和された、水溶性又は水分
    散性の形態の請求項1記載の感光性組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の感光性組成物を基
    板に塗布する工程、該基板を加熱する工程、活性エネル
    ギー線を選択的に照射する工程、照射後に基板を加熱す
    る工程、塩基性現像液で現像する工程を順次行うことを
    特徴とするパターンの製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の感光性組成物を導電性表
    面を有する基板に電着法により塗布する請求項3記載の
    方法。
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