JP3921010B2 - ポジ型可視光感光性樹脂組成物及びそれを用いたレジストパターン形成方法 - Google Patents

ポジ型可視光感光性樹脂組成物及びそれを用いたレジストパターン形成方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規な4−(1−メチルエテニル) フェノール、アクリル酸エステル類及びアクリル酸類から成る感光用樹脂である共重合体(PIPE共重合体)とエーテル結合含有オレフィン性不飽和化合物、光酸発生剤及び光増感剤を含有してなるポジ型可視光感光性樹脂組成物及びそのレジストパターン形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、露光技術を利用したレジスト材料は、電子デバイスのパターン回路形成や印刷等のリソグラフィ技術として利用されている。
【0003】
該電子デバイスのパターン回路形成の応用例として、近年、液晶カラーテレビ等の各種液晶カラー表示装置を多色化するためのカラーフィルターの製造方法が考えられている。
このカラーフィルターを製造する方法としては、従来、スクリーン印刷による方法、電着を用いてカラーフィルターを形成する方法等が行われている。しかしながら近年のカラー表示装置の高解像度化に伴い、パターンの微細化が重要となり、フォトリソグラフィー法を利用する方法が種々検討されてきている。
【0004】
例えば、特開平8−94827号公報には、[1]透明基板上に透明導電層を形成する工程、[2]ポジ型感光性被膜層を形成する工程、[3]透明導電層の一部を露出する工程、[4]電着により着色部を形成する工程、及び[5][3]及び[4]の工程を必要回繰り返す工程、を有することを特徴とするカラーフィルターの製造方法が開示されている。これらの工程において、パターンの微細化を決定する工程(フォトリソグラフィー法を利用している工程)は[2]及び[3]の工程であり、特に透明導電層上に塗装されるポジ型感光性組成物に何を用いるかが重要な因子である。該発明では、ポジ型感光性組成物として、(a)一分子中にカルボキシル基とヒドロキシフェニル基を有する重合体、(b)一分子中に2個以上のビニルエーテル基を含有する化合物、及び(c)活性エネルギー照射により酸を発生する化合物、を必須成分として含有するポジ型感光性組成物を用いている。
【0005】
この感光性組成物を用いる現像の原理は、ポジ型感光性組成物を塗布して形成された膜を加熱すると、カルボキシル基及び/又はヒドロキシフェニル基とビニルエーテル基との付加反応により架橋して、架橋した部分は溶剤やアルカリ現像液に対して不溶性となる。更に活性エネルギーの照射、必要に応じて照射後加熱すると、照射部に発生した酸の触媒作用で架橋構造が切断されて照射部分が溶剤やアルカリ現像液に対して再び可溶性になるというものである。そして、このポジ型感光性組成物の重合体(ベースポリマー)である、一分子中にカルボキシル基とヒドロキシフェニル基を有する重合体は以下の5要件をできるだけ全て満たすものが解像度を更に向上させる上で好ましい。
【0006】
▲1▼架橋剤、酸発生剤等を溶解する溶剤への良好な溶解性(溶剤溶解性)、▲2▼露光後、架橋解離部分のアルカリ現像液へのある一定値の溶解速度(アルカリ現像液への溶解速度)、▲3▼活性エネルギーの照射により生成する酸の良好な拡散性(酸拡散性)、▲4▼露光波長での感光性皮膜の透明性(透明性)、及び▲5▼塗膜後、露光後における加熱工程に対する熱安定性(熱安定性)。
そして、これらの諸要件をある程度満たす重合体の一例として、p―ヒドロキシスチレン、アクリル酸n―ブチル及びアクリル酸から成る共重合体が例示されている(特開平8−94827号公報、特開平8−94829号公報など)。しかしながら、本発明者らがこの共重合体の性能を調べたところ、溶剤への溶解性が未だ充分なものではなく、また熱安定性も充分とは言い難いことが分かった。
【0007】
また、特開昭61−293249号公報には、制振性を有する樹脂組成物に用いられる共重合体の一例として、4−(1−メチルエテニル)フェノールとアクリル酸n−ブチルから成る2元共重合体が開示されている。しかしながらこの共重合体はアルカリ現像液への溶解速度が極めて低く、また、ビニルエーテル化合物との相溶性にも欠けるため、よってこのまま用いることはできない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、上記したフォトレジスト材料として有用なポジ型可視光感光性樹脂組成物及びその組成物を使用したレジストパターン形成方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決しようとする手段】
本発明者らは、ポジ型可視光感光性樹脂組成物の感光用樹脂成分として、4−(1−メチルエテニル)フェノールと各種モノマーとの共重合体(以下、単に「共重合体」と略すことがある。)を種々合成し、これらの基本物性と構造との相関を調べつつ詳細に検討したところ、驚くべきことに、4−(1−メチルエテニル)フェノール、アクリル酸エステル類及びアクリル酸類から成る共重合体であって、かつこれらの構成単位がある特定の組成比である共重合体を用いることにより、フォトレジスト材料に必要な前記5要件(▲1▼溶剤溶解性、▲2▼アルカリ現像液への溶解速度、▲3▼酸拡散性、▲4▼透明性、及び▲5▼熱安定性)を全て満たすことを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0010】
即ち本発明は、
1、感光用樹脂、エーテル結合含有オレフィン性不飽和化合物、光酸発生剤及び光増感剤を含有してなるポジ型可視光感光性樹脂組成物において、感光用樹脂として、
化学式(1)〔化9〕、
【0011】
【化9】
Figure 0003921010
【0012】
化学式(2)〔化10〕
【0013】
【化10】
Figure 0003921010
(式中、R は水素またはメチル基、R は炭素数1ないし6の直鎖もしくは分岐の無置換アルキル基または炭素数1ないし6の直鎖もしくは分岐の置換アルキル基)及び化学式(3)〔化11〕
【0014】
【化11】
Figure 0003921010
(式中、R は水素またはメチル基)で示される構成単位を有する共重合体であって、a=0.05ないし0.7、b=0.15ないし0.8及びc=0.01ないし0.5であり、かつa+b+c=1であり、
前記エーテル結合含有オレフィン性不飽和化合物が、化学式(I)で表されるビニルエーテル基:
−R ' −O−CH=CH (I)
(R ' は、直鎖または分岐鎖の炭素数1〜6のアルキレン基を表す)
または1〜4個の不飽和エーテル基を含有する化合物であることを特徴とするポジ型可視光感光性樹脂組成物、
【0015】
2、化学式(2)で示される構成単位のR が、炭素数1ないし6の直鎖もしくは分岐の無置換アルキル基または炭素数1ないし6の直鎖もしくは分岐のヒドロキシ置換アルキル基である上記1のポジ型可視光感光性樹脂組成物、
【0016】
3、化学式(2)で示される構成単位のR がメチル基、エチル基、n―プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基または2−ヒドロキシエチル基の上記1のポジ型可視光感光性樹脂組成物、
【0017】
4、化学式(2)で示される構成単位を構成する原料が、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n―ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸sec―ブチル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n―ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸sec―ブチルまたはメタクリル酸2−ヒドロキシエチルのいずれかのアクリル酸エステル類である上記1のポジ型可視光感光性樹脂組成物、
【0022】
5、化学式(1)、化学式(2)及び化学式(3)で示される構成単位を有する共重合体において、a=0.20ないし0.45、b=0.25ないし0.70及びc=0.15ないし0.40であり、かつa+b+c=1であることを特徴とする上記1のポジ型可視光感光性樹脂組成物、
【0023】
6、化学式(I)で表されるビニルエーテル基のR ' はエチレン、プロピレンまたはブチレンであり、前記不飽和エーテル基は1−プロペニルエーテル基または1−ブテニルエーテル基である上記1に記載のポジ型可視光感光性樹脂組成物、
【0024】
7、エーテル結合含有オレフィン性不飽和化合物は、ジビニルエーテル化合物である上記1に記載のポジ型可視光感光性樹脂組成物、
【0026】
、上記ポジ型可視光感光性樹脂組成物において、該組成物から形成される被膜が、可視光線照射部は有機溶剤又は水性現像液に溶解もしくは分散するが、未照射部は有機溶剤又は水性現像液に実質的に溶解もしくは分散しないことを特徴とする上記のポジ型可視光感光性樹脂組成物、
【0027】
、下記工程
(1)上記1のポジ型可視光感光性樹脂組成物を基材表面に塗布して可視光感光性被膜を形成する工程、
(2)基材上に形成された感光性被膜に所望のレジスト被膜(画像)が得られるように可視光線レーザー光で直接もしくは可視光線をマスクフィルムを通して露光させる工程、
(3)レジスト被膜を現像処理して基材上にレジストパターンを形成する工程、を必須工程とすることを特徴とするレジストパターン形成方法、
【0028】
10、下記工程
(1)上記のポジ型可視光感光性樹脂組成物を支持基材表面に塗装して得られる固体状のポジ型可視光感光性樹脂被膜層を有するポジ型可視光感光性ドライフィルムを、
(2)被着基材表面に、該被着基材表面と該ドライフィルムの該樹脂被膜層とが面接するように貼付け、
(3)必要に応じて該ドライフィルムの支持基材を剥離した後、
(4)所望のパターンが得られるように表面から可視光線レーザー光で直接もしくは可視光線をマスクフィルムを通して露光させる工程、
(5)レジスト被膜を現像処理して基材上にレジストパターンを形成する工程、
(6)次いで、(3)工程で支持基材を剥離していない場合は剥離した後、
(7)レジスト被膜を現像処理して基材上にレジストパターンを形成する工程、を必須工程とすることを特徴とするレジストパターン形成方法、
に係わる。
【0029】
【発明の実施の形態】
本発明組成物で使用する共重合体は化学式(1)、化学式(2)及び化学式(3)で示される構成単位を有する共重合体であって、a=0.05ないし0.7,b=0.15ないし0.8及びc=0.01ないし0.5であり、かつa+b+c=1である。
【0030】
化学式(2)におけるR は炭素数1ないし6の直鎖もしくは分岐の無置換アルキル基または炭素数1ないし6の直鎖もしくは分岐の置換アルキル基であり、具体的には、例えば、メチル基、エチル基、n―プロピル基、イソプロピル基、n―ブチル基、イソブチル基、sec―ブチル基、t−ブチル基、シクロヘキシル基またはシクロペンチル基等の無置換アルキル基、ヒドロキシメチル基、1−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシエチル基、1−ヒドロキシn―プロピル基、2−ヒドロキシn―プロピル基、3−ヒドロキシn―プロピル基、1−ヒドロキシイソプロピル基、2,3−ジヒドロキシn−プロピル、1−ヒドロキシn―ブチル基、2−ヒドロキシn―ブチル基、3−ヒドロキシn―ブチル基または4−ヒドロキシn―ブチル基等のヒドロキシ置換アルキル基、メトキシメチル基、エトキシメチル基、1−メトキシエチル基、2−メトキシエチル基、2−エトキシエチル基、1−メトキシn―プロピル基、2−メトキシn―プロピル基、4−メトキシn―ブチル基、2−(2−エトキシエトキシ)エチル基、グリシジル基、テトラヒドロフルフリル基または2−テトラヒドロフリル基等のアルコキシ置換アルキル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、ヘキサフルオロイソプロピル基、2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチル基、2−クロロエチル基、トリクロロエチル基、3−ブロモエチル基またはヘプタフルオロ−2−プロピル基等のハロゲン置換アルキル基、2−シアノエチル基等のシアノ置換アルキル基、または、2−(ジメチルアミノ)エチル基、3−(ジメチルアミノ)プロピル基または3−ジメチルアミノネオペンチル基等のジアルキルアミノ置換アルキル基である。
【0031】
好ましくは、炭素数1ないし6の直鎖または分岐の無置換またはヒドロキシ置換アルキル基であり、更に好ましくは、メチル基、エチル基、n―プロピル基、イソプロピル基、n―ブチル基、イソブチル基、sec―ブチル基または2−ヒドロキシエチル基である。これらは一種の構成単位のみならず二種以上の構成単位を有していても構わない。すなわち、化学式(1)、2種以上の化学式(2)及び化学式(3)で示される構成単位を有する共重合体のように、4種またはそれ以上の構成単位を有する共重合体も本発明組成物で使用することができる。
【0032】
化学式(3)におけるR は、水素またはメチル基である。これらも一方の構成単位のみならず、両方の構成単位を有する共重合体であっても構わない。
【0033】
また、本発明組成物で使用する共重合体においては、化学式(1)、化学式(2)及び化学式(3)で示される構成単位の組成比は極めて重要であり、組成比a,b,cがa+b+c=1となるようにした時、a=0.05ないし0.7、b=0.15ないし0.8及びc=0.01ないし0.5となる組成比である。好ましくは、a=0.1ないし0.5、b=0.20ないし0.75及びc=0.1ないし0.4であり、更に好ましくは、a=0.20ないし0.45、b=0.25ないし0.70及びc=0.15ないし0.40である。また、化学式(2)及び/または化学式(3)で示される構成単位が2種以上の場合、この時の組成比bまたはcはそれぞれの構成単位の組成比の合計である。なお組成比a,b,cは 1H−NMR、13C−NMRによって決定した。
【0034】
本発明組成物で使用する共重合体は、化学式(1)、化学式(2)及び化学式(3)で示される構成単位がランダムに共重合しているものでも、3構成単位が交互に共重合しているものでも、また、ブロック共重合しているものでも構わない。しかしながら、これらのうち、化学式(1)で示される構成単位と化学式(2)及び化学式(3)で示される構成単位とが、交互に共重合した部分が多い共重合体が好ましい。即ち、最も好ましい共重合体としては、化学式(4)〔化17〕
【0035】
【化17】
Figure 0003921010
(式中、R は水素またはメチル基、R は炭素数1ないし6の直鎖もしくは分岐の無置換アルキル基または炭素数1ないし6の直鎖もしくは分岐の置換アルキル基を示す。)及び化学式(5)〔化18〕
【0036】
【化18】
Figure 0003921010
(式中、R は水素またはメチル基を示す。)で示される構成単位を有する共重合体であって、これらの構成単位の合計含有率が50モル%以上、好ましくは60モル%以上の交互共重合体である。
【0037】
本発明組成物で使用する共重合体の重量平均分子量(Mw)は、当該共重合体の使用目的により異なり一様ではないが、例えば、感光性組成物のベースポリマーとして用いる場合、通常、3,000ないし100,000であり、好ましくは7,000ないし40,000であり、更に好ましくは5、000ないし50,000である。
さらに分子量分散度(Mw/Mn)は、通常、1.0ないし3.5であり、好ましくは1.0ないし3.0であり、更に好ましくは1.0ないし2.5の範囲である。なお、重量平均分子量及び分子量分散度はポリスチレン換算のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定した。
【0038】
本発明組成物で使用する共重合体のガラス転移点は、その組成や組成比によって異なるが、通常、0ないし200℃、好ましくは10ないし150℃、更に好ましくは30ないし120℃である。なお、ガラス転移点は示差走査型熱量計(DSC)によって測定した。
また、本発明組成物で使用する共重合体は透明性に優れており、通常、350nmにおける透過率は70%/μm以上であり、好ましくは90%/μm以上、より好ましくは95%/μm以上である。なお、透過率は石英板上にスピンコート法により1μmの膜を作成し、可視光可視分光光度計により350nmにおける透過率を測定し決定した。
【0039】
更には、本発明組成物で使用する共重合体は、アルカリ水溶液に対する溶解性能にも優れており、通常、2.38重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液への溶解速度は1μm/分以上、好ましくは5μm/分以上である。なお、溶解速度は、銅貼り基板上にバーコーターを用いて塗布し、80℃で30分間加熱し5μmの被膜を形成させ、これを2.38重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に浸漬し、1分後の被膜の膜厚を指針式膜厚計により測定して求めた。
【0040】
本発明組成物で使用する共重合体は、▲1▼4−(1−メチルエテニル)フェノール、▲2▼化学式(6)〔化19〕で示されるアクリル酸エステル類、▲3▼化学式(7)〔化20〕で示されるアクリル酸類、▲4▼ラジカル重合開始剤及び▲5▼溶媒を、▲1▼、▲2▼及び▲3▼を特定のモル比で混合し、加熱することによって得られる。
【0041】
【化19】
Figure 0003921010
(式中、R は水素またはメチル基、R は炭素数1ないし6の直鎖もしくは分岐の無置換アルキル基または炭素数1ないし6の直鎖もしくは分岐の置換アルキル基)
【0042】
【化20】
Figure 0003921010
(式中、R は水素またはメチル基)
上記原料である4−(1−メチルエテニル)フェノールは、ビスフェノールAの熱分解により容易に得られる(特公昭56−52886など)。
【0043】
もう一つの原料である化学式(6)で示されるアクリル酸エステル類としては、具体的には、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n―プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n―ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸sec―ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸シクロヘキシルまたはアクリル酸シクロペンチル等のアクリル酸無置換アルキルエステル、アクリル酸ヒドロキシメチル、アクリル酸1−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸1−ヒドロキシn―プロピル、アクリル酸2−ヒドロキシn―プロピル、アクリル酸3−ヒドロキシn―プロピル、アクリル酸1−ヒドロキシイソプロピル、アクリル酸2,3−ジヒドロキシプロピル、アクリル酸1−ヒドロキシn―ブチル、アクリル酸2−ヒドロキシn―ブチル、アクリル酸3−ヒドロキシn―ブチルまたはアクリル酸4−ヒドロキシn―ブチル等のアクリル酸ヒドロキシ置換アルキルエステル、アクリル酸メトキシメチル、アクリル酸エトキシメチル、アクリル酸1−メトキシエチル、アクリル酸2−メトキシエチル、アクリル酸2−エトキシエチル、アクリル酸1−メトキシn―プロピル、アクリル酸2−メトキシn―プロピル、アクリル酸4−メトキシn―ブチル、アクリル酸2−(2−エトキシエトキシ)エチル、アクリル酸グリシジル、アクリル酸テトラヒドロフルフリルまたはアクリル酸2−テトラヒドロフリル等のアクリル酸アルコキシ置換アルキルエステル、アクリル酸2,2,2−トリフルオロエチル、アクリル酸ヘキサフルオロイソプロピル、アクリル酸2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチル、アクリル酸2−クロロエチル、アクリル酸トリクロロエチル、アクリル酸3−ブロモエチルまたはアクリル酸ヘプタフルオロ−2−プロピル等のアクリル酸ハロゲン置換アルキルエステル、アクリル酸2−シアノエチル等のアクリル酸シアノ置換アルキルエステル、アクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル、アクリル酸3−(ジメチルアミノ)プロピルまたはアクリル酸3−ジメチルアミノネオペンチル等のアクリル酸ジアルキルアミノ置換アルキルエステル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n―プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n―ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸sec―ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸シクロヘキシルまたはメタクリル酸シクロペンチル等のメタクリル酸無置換アルキルエステル、メタクリル酸ヒドロキシメチル、メタクリル酸1−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸1−ヒドロキシn―プロピル、メタクリル酸2−ヒドロキシn―プロピル、メタクリル酸3−ヒドロキシn―プロピル、メタクリル酸1−ヒドロキシイソプロピル、メタクリル酸2,3−ジヒドロキシプロピル、メタクリル酸1−ヒドロキシn―ブチル、メタクリル酸2−ヒドロキシn―ブチル、メタクリル酸3−ヒドロキシn―ブチルまたはメタクリル酸4−ヒドロキシn―ブチル等のメタクリル酸ヒドロキシ置換アルキルエステル、メタクリル酸メトキシメチル、メタクリル酸エトキシメチル、メタクリル酸1−メトキシエチル、メタクリル酸2−メトキシエチル、メタクリル酸2−エトキシエチル、メタクリル酸1−メトキシn―プロピル、メタクリル酸2−メトキシn―プロピル、メタクリル酸4−メトキシn―ブチル、メタクリル酸2−(2−エトキシエトキシ)エチル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸テトラヒドロフルフリルまたはメタクリル酸2−テトラヒドロフリル等のメタクリル酸アルコキシ置換アルキルエステル、メタクリル酸2,2,2−トリフルオロエチル、メタクリル酸ヘキサフルオロイソプロピル、メタクリル酸2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチル、メタクリル酸2−クロロエチル、メタクリル酸トリクロロエチル、メタクリル酸3−ブロモエチルまたはメタクリル酸ヘプタフルオロ−2−プロピル等のメタクリル酸ハロゲン置換アルキルエステル、メタクリル酸2−シアノエチル等のメタクリル酸シアノ置換アルキルエステル、メタクリル酸2−(ジメチルアミノ)エチル、メタクリル酸3−(ジメチルアミノ)プロピルまたはメタクリル酸3−ジメチルアミノネオペンチル等のメタクリル酸ジアルキルアミノ置換アルキルエステル等のように、アクリル酸またはメタクリル酸の、炭素数1ないし6の直鎖もしくは分岐の無置換アルキルエステルまたは炭素数1ないし6の直鎖もしくは分岐の置換アルキルエステルが挙げられる。
【0044】
これらのうち、好ましくは、アクリル酸無置換アルキルエステル、アクリル酸ヒドロキシ置換アルキルエステル、メタクリル酸無置換アルキルエステルまたはメタクリル酸ヒドロキシ置換アルキルエステルであり、更に好ましくは、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n―ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸sec―ブチル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n―ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸sec―ブチルまたはメタクリル酸2−ヒドロキシエチルである。また、これらのアクリル酸エステル類は、1種または2種以上を同時にまたは混合して用いることができ、この場合は2種以上の化学式(2)で示される構成単位がランダムに共重合した構造の共重合体が得られる。この時の組成比bは2種以上の化学式(2)で示される構成単位の組成比の合計である。
【0045】
更にもう一つの原料である化学式(7)で示されるアクリル酸類とは、アクリル酸またはメタクリル酸であり、これらアクリル酸またはメタクリル酸は単独でも、同時にまたは混合して用いることもできる。
これらの4−(1−メチルエテニル)フェノール、アクリル酸エステル類及びアクリル酸類には、安定剤として水酸化カリウム等のアルカリ性化合物や重合禁止剤等が含有されている場合があり、これらは再結晶や蒸留等の通常の精製操作を行い安定化剤を除去した後使用することが好ましいが、特に精製操作を行わずに市販品をそのまま用いることもできる。
【0046】
これらの4−(1−メチルエテニル)フェノール、アクリル酸エステル類及びアクリル酸類の使用量は、所望する共重合体の組成比に合わせることが好ましく、4−(1−メチルエテニル)フェノール、アクリル酸エステル類及びアクリル酸類のモル比が、0.05ないし0.7:0.15ないし0.8:0.01ないし0.5であり、かつこのモル比の合計が1となる量である。好ましくは、0.1ないし0.5:0.20ないし0.75:0.1ないし0.4であり、更に好ましくは、0.20ないし0.45:0.25ないし0.70:0.15ないし0.40である。
【0047】
該共重合体の製造方法で使用するラジカル重合開始剤としては、通常のラジカル重合において用いられる開始剤はいずれも使用することができ、例えば、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル、アゾビス−2−アミジノプロパン塩酸塩、アゾビスイソ酪酸ジメチル、アゾビスイソブチルアミジン塩酸塩または4,4’−アゾビス−4−シアノ吉草酸等のアゾ系開始剤、過酸化ベンゾイル、2,4−ジクロル過酸化ベンゾイル、過酸化ジ−tert−ブチル、過酸化ラウロイル、過酸化アセチル、過酸化ジイソプロピルジカーボネート、クメンヒドロペルオキシド、tert−ブチルヒドロペルオキシド、、ジクミルペルオキシド、p−メンタンヒドロペルオキシド、ピナンヒドロペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、シクロヘキサノンペルオキシド、ジイソプロピルペルオキシジカルボナート、tert−ブチルペルオキシラウレート、ジ−tert−ブチルペルオキシフタレート、ジベンジルオキシドまたは2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジヒドロペルオキシド等の過酸化物系開始剤、または過酸化ベンゾイル−N,N−ジメチルアニリンまたはペルオキソ二硫酸−亜硫酸水素ナトリウム等のレドックス系開始剤等が挙げられる。
【0048】
これらのうち、アゾ系開始剤または過酸化物系開始剤が好ましく、更に好ましくは、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル、アゾビスイソ酪酸ジメチル、過酸化ベンゾイル、2,4−ジクロル過酸化ベンゾイル、過酸化ジ−tert−ブチル、過酸化ラウロイル、過酸化ジイソプロピルジカーボネートまたは過酸化アセチルである。これらのラジカル重合開始剤は、単独でもまたは2種以上を同時にまたは順次に使用することもできる。
【0049】
これらの使用量は、加熱開始時において、▲1▼4−(1−メチルエテニル)フェノール、▲2▼化学式(6)で示されるアクリル酸エステル類及び▲3▼化学式(7)で示されるアクリル酸エステル類の合計使用量に対して0.0001ないし0.1モル比となる量であり、好ましくは0.001ないし0.1モル比、更に好ましくは0.005ないし0.05モル比となる量である。本発明の方法においては、ラジカル重合開始剤の合計使用量がこの量であればよく、加熱開始時より全量仕込んでも、加熱開始後に全量または一部を追加使用しても構わない。
【0050】
使用できる溶媒としては、反応を阻害しないものであれば何れでも使用することができるが、具体的には、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノンまたはγ−ブチロラクトン等のケトン類、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、n−オクタノール、2−エチルヘキサノールまたはn−ドデシルアルコール等のアルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコールまたはジエチレングリコール等のグリコール類、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテルまたはテトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルまたはジエチレングリコールモノメチルエーテル等のアルコールエーテル類、ギ酸n−プロピル、ギ酸イソプロピル、ギ酸n−ブチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸n−アミル、酢酸n−ヘキシル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチルまたは酪酸メチル等のエステル類、2−オキシプロピオン酸メチル、2−オキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸n−プロピル、2−オキシプロピオン酸イソプロピル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸エチルまたは2−オキシ−3−メチル酪酸メチル等のモノオキシカルボン酸エステル類、メトキシ酢酸エチル、エトキシ酢酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチルまたは3−エトキシプロピオン酸メチル等のアルコキシカルボン酸エステル類、セロソルブアセテート、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテートまたはブチルセロソルブアセテート等のセロソルブエステル類、ベンゼン、トルエンまたはキシレン等の芳香族炭化水素類、トリクロロエチレン、クロロベンゼンまたはジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N−メチルピロリドンまたはN,N’−ジメチルイミダゾリジノン等のアミド類等が挙げられる。
【0051】
これらの溶媒は、単独でもまたは2種以上を混合して使用してもよい。また、これらの溶媒の使用によって、反応液が均一相となることが好ましいが、不均一な複数の相となっても構わない。溶媒の使用量は、使用する原料やラジカル重合開始剤の種類や量、及び所望する共重合体の分子量等により変化し、一様ではないが、通常、使用する全原料100重量部に対して5ないし10000重量部、好ましくは20ないし5000重量部、更に好ましくは50ないし1000重量部の範囲である。
【0052】
上記重合反応の実施方式は、特に限定されるものではなく、▲1▼4−(1−メチルエテニル)フェノール、▲2▼化学式(6)で示されるアクリル酸エステル類、▲3▼化学式(7)で示されるアクリル酸エステル類、▲4▼ラジカル重合開始剤、及び▲5▼溶媒等が効果的に混合され接触される方法であれば如何なる方法でもよく、回分式、半回分式または連続流通式の何れでも構わない。例えば、これらの原料を一括して反応容器に挿入し加熱を開始する方法や、原料、ラジカル重合開始剤及び溶媒を連続的または間欠的に、少なくとも一部の溶媒が挿入された反応器に挿入する方法等が通常採用される。
【0053】
これらの方法のうち、加熱開始時から終了時まで、反応系中に存在する4−(1−メチルエテニル)フェノール、当該アクリル酸エステル類、及び当該アクリル酸エステル類の合計濃度が常に20重量%以下なるよう調整しながら反応を行うことが好ましい。具体的には、4−(1−メチルエテニル)フェノール、当該アクリル酸エステル類及び当該アクリル酸エステル類が重合反応で消費されるに従い、その量に合わせて新たにこれらの原料を連続的または間欠的に反応系中に装入する方法である。より具体的には、例えば、反応器に溶媒のみを装入した後、これら原料とラジカル重合開始剤とを連続的または間欠的に反応系中に装入する方法、反応器に溶媒及びラジカル重合開始剤を装入した後これら原料を連続的または間欠的に反応系中に装入する方法、反応器に一部の溶媒及びラジカル重合開始剤を装入した後これら原料及び残りの溶媒及びラジカル重合開始剤を連続的または間欠的に反応系中に装入する方法、または反応器に一部の原料、ラジカル重合開始剤及び溶媒を装入した後残りの原料、ラジカル重合開始剤及び溶媒を連続的または間欠的に反応系中に装入する方法等が挙げられる。
【0054】
該製造方法では、加熱により重合反応を進行させる。加熱温度は重合反応が進行する温度であれば何れでも構わず、所望する重合体の重合度、組成及び組成比、及び使用するラジカル重合開始剤及び溶媒の種類や量によって一様ではないが、通常、50ないし250℃に加熱する。好ましくは50ないし180℃であり、更に好ましくは60ないし160℃である。
【0055】
重合反応時間も、所望する重合体の重合度、組成及び組成比、及び使用するラジカル重合開始剤及び溶媒の種類や量によって一様ではない。しかしながら、通常40時間以内であり、好ましくは0.01ないし20時間の範囲である。反応は場合によって減圧、常圧または加圧の何れでも実施できる。
上記重合反応は、窒素やアルゴン等の不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましいが、空気などの分子状酸素の存在下でも行うことができる。
また、上記製造方法では、共重合体の収量を向上させる目的や、共重合体の構成単位の配列を変化させる目的等で、フェノール化合物等の添加剤を使用することもできる。
重合反応終了後、反応混合液から、溶剤抽出法、分別沈殿法または薄膜蒸発法等の通常の方法により、生成した共重合体を単離することができる。また、場合によっては、目的物である共重合体を単離することなくそのままで用途に用いることもできる。
【0056】
本発明組成物で使用するエーテル結合含有オレフィン性不飽和化合物としては、1分子中にビニルエーテル基(式−R′−O−CH=CH2[ここで、R′はエチレン、プロピレン、ブチレンなどの炭素数1〜6の直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基を表わす])、1ープロペニルエーテル基、1ーブテニルエーテル基等の不飽和エーテル基を約1〜4個、好ましくは2〜4個含有する低分子量又は高分子量の化合物が使用できる。
【0057】
該エーテル結合含有オレフィン性不飽和化合物としては、例えば、ビスフエノールA、ビスフエノールF、ビスフエノールS、フエノール樹脂などのポリフエノール化合物や、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトールなどのポリオール類とクロロエチルビニルエーテルなどのハロゲン化アルキルビニルエーテルとの縮合物等が挙げられる。特に、上記ポリフエノール化合物とハロゲン化アルキルビニルエーテルとの縮合物が、エツチング耐性、形成されるパターンの精度等の観点から好適である。
【0058】
また、上記エーテル結合含有オレフィン性不飽和化合物において、上記した不飽和エーテル基を1分子中に約1〜4個、好ましくは2〜4個と1分子中に1個以上のウレタン結合を有するエーテル結合含有オレフィン性ポリウレタン系不飽和化合物も使用することができる。
【0059】
該ポリウレタン系不飽和化合物としては、例えば、下記ポリイソシアネート化合物、ヒドロキシエチルビニルエーテルのようなヒドロキシアルキルビニルエーテル及び必要に応じて上記1分子中に2個以上の水酸基含有化合物との反応物;ビスフエノールA、ビスフエノールF、ビスフエノールS、フエノール樹脂などのポリフエノール化合物、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトールなどのポリオール類及び下記ポリイソシアネート化合物及びクロロエチルビニルエーテルなどのハロゲン化アルキルビニルエーテルとの縮合物等が挙げられる。特に、ポリイソシアネート化合物とヒドロキシアルキルビニルエーテルとの反応物が、エツチング耐性、形成されるパターンの精度等の観点から好適である。
上記ポリイソシアネート化合物としては、例えば、脂肪族系ジイソシアネート化合物として、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、1,2−ブチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート等:脂環式系ジイソシアネート化合物として、例えば、イソホロンジイソシアネート、4,4′−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチルシクロヘキサン−2,4−(又は−2,6−)ジイソシアネート、1,3−(又は1,4−)ジ(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,2−シクロヘキサンジイソシアネート等:芳香族ジイソシアネート化合物として、例えばキシリレンジイソシアネート、メタキシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、1,4−ナフタレンジイソシアネート、4,4′−トルイジンジイソシアネ−ト、4,4′−ジフェニルエーテルジイソシアネート、(m−又はp−)フェニレンジイソシアネート、4,4′−ビフェニレンジイソシアネート、3,3′−ジメチル−4,4′−ビフェニレンジイソシアネート、ビス(4−イソシアナトフェニル)スルホン、イソプロピリデンビス(4−フェニルイソシアネート)等:その他のポリイソシアネート類として、例えば、トリフェニルメタン−4,4′,4″−トリイソシアネート、1,3,5−トリイソシアナトベンゼン、2,4,6−トリイソシアナトトルエン、4,4′−ジメチルジフェニルメタン−2,2′,5,5′−テトライソシアネートなどの3個以上のイソシアネ−ト基を有するポリイソシアネート化合物、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、ポリアルキレングリコール、トリメチロ−ルプロパン、ヘキサントリオ−ルなどのポリオールの水酸基に対してイソシアネート基が過剰量となる量のポリイソシアネート化合物を反応させてなる付加物、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4′−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)などのビューレットタイプ付加物、イソシアヌル環タイプ付加物等が挙げられる。
これらのうち、特にイソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等が好ましい。
【0060】
上記エーテル結合含有オレフィン性不飽和化合物は、常温で液状であるか又はその融点もしくは軟化点が150℃以下、特に130℃以下のものが、可視光線照射前の加熱時に、該共重合体中のカルボキシル基と該不飽和化合物中のエーテル基との付加反応が起りやすいのでこの範囲を有していることが好ましい。
上記した共重合体とエーテル結合含有オレフィン性不飽和化合物との配合比は、両者の総合計重量%換算で共重合体/エーテル結合含有オレフィン性不飽和化合物が0.5〜50/99.5〜50重量%、好ましくは1〜30/99〜70重量%、更に好ましくは1〜15/99〜85重量%の範囲内がよい。共重合体の重量%が0.5未満(エーテル結合含有オレフィン性不飽和化合物が99.5を超える量)になると非照射部の耐現像液性が低下する傾向があり、一方共重合体の重量%が50を超える(エーテル結合含有オレフィン性不飽和化合物が50を下回る)と感度及び貯蔵安定性が低下する傾向があるので好ましくない。
本発明組成物で使用する光酸発生剤は、露光により酸を発生する化合物及び混合物であり、この発生した酸を触媒として、上記共重合体と上記オレフィン性不飽和化合物との反応により架橋したレジスト被膜を分解させるものであり、従来から公知のものを使用することができる。
【0061】
該光酸発生剤として用いられる化合物及び混合物の例には、アンモニウム塩、ホスホニウム塩、スルホニウム塩、ホスホニウム塩、セレニウム塩及びヨードニウム塩等のオニウム塩:ジアゾニウム:ハロゲン系化合物:有機金属/有機ハロゲンの組み合わせ:強酸、例えば、トルエンスルホン酸のベンゾイン及びo−ニトロベンジルエステル:並びに米国特許番号4371605に記載されるN−ヒドロキシアミド及びN−ヒドロキシイミドスルホネート類が含まれる。アリ−ルナフトキノンジアジド−4−スルホネート類も含まれる。好適な光可溶化剤は、ジアリ−ルヨ−ドニウムまたはトリアリ−ルスルホニウム塩である。これらは一般に、複合金金属ハロゲン化物イオンの塩、例えば、テトラフルオロポロエート、ヘキサフルオロアンチモネート、ヘキサフルオロアルセネートおよびへキサフルオロホスフ−トなどの形態で存在している。
【0062】
光酸発生剤の他の有効な群には、正対イオンとして芳香族オニウム酸発生剤を有するアニオン基が付加しているオリゴマ−類およびポリマー類が含まれる。上記ポリマ−類の例には、米国特許番号4,661,429のコラム9、1‐68行およびコラム10、1‐14行(ここでは参照にいれられる)に記述されているポリマー額が含まれる。
【0063】
また、他の好適な光酸発生剤は、ATASS、即ちへキサフルオロアンチモン酸3‐(9‐アントラセニル)プロビルジフエニルスルホニウムである。この化合物では、アントラセンとスルホニウム塩とが、3個の炭素から成る鎖で結合している。ここで用いられてもよい酸発生剤の追加的例は、ジフエニルヨードニウムトシレート、ベンゾイントシレート、およびへキサフルオロアンチモン酸トリアリールスルホニウムである。
【0064】
また、上記した光酸発生剤として以外にも、例えば、鉄−アレン錯体類、ルテニウムアレン錯体類、シラノ−ル−金属キレート錯体類、トリアジン化合物類、ジアジドナフトキノン化合物類、スルホン酸エステル類、スルホン酸イミドエステル類等を使用することができる。更に特開平7-146552号公報、特願平9-289218号に記載の光酸発生剤も使用することができる。
【0065】
光酸発生剤の配合割合は、上記共重合体と上記オレフィン性不飽和化合物の合計量100重量部に対して約0.1〜40重量部、特に約0.2〜20重量部の範囲で配合することが好ましい。
【0066】
本発明組成物で使用する光増感剤は、可視光領域(400nm〜520nm)の光を吸収することにより励起され、共重合体や光酸発生剤と相互作用を有する化合物である。この相互作用は励起された光増感剤から共重合体又は光酸発生剤へのエネルギー移動や電子移動が包含される。該光増感剤は上記したものであれば、従来から公知のものを使用することができる。
【0067】
光増感剤としては、従来から公知の光増感色素を使用することができる。このものとしては、例えば、チオキサンテン系、キサンテン系、ケトン系、チオピリリウム塩系、ベーススチリル系、メロシアニン系、3ー置換クマリン系、3.4ー置換クマリン系、シアニン系、アクリジン系、チアジン系、フェノチアジン系、アントラセン系、コロネン系、ベンズアントラセン系、ペリレン系、メロシアニン系、ケトクマリン系、フマリン系、ボレート系等の色素が挙げられる。これらのものは1種もしくは2種以上組み合わせて使用することができる。ボレート系光増感色素としては、例えば、特開平5-241338号公報、特開平7-5685号公報、特開平7-225474号公報、特開平8-6245号、特開平7-219223号、特開平11-116612号、特開平11-100408号、特開平10-273504号等が挙げられる。
【0068】
本発明組成物から形成された被膜は、加熱により、共重合体のカルボキシル基と不飽和エーテル基との付加反応により架橋して、溶剤やアルカリ水溶液に対して不溶性となり、次いで可視光線を照射し、更に照射後加熱すると、発生した酸の触媒作用で架橋構造が切断されて照射部が溶剤やアルカリ水溶液に対して再び可溶性となる。
【0069】
該組成物においては、形成される膜を露光する際に発生する酸によって酸加水分解反応が露光部分で生じるが、この酸加水分解反応をスムーズに進行させるには水分が存在することが望ましい。このため本発明の組成物中に、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、メチルセルロース、エチルセルロース等の親水性樹脂を含有させておくことによって、形成される塗膜中に上記反応に必要な水分を容易に取り込ませるようにすることができる。かかる親水性樹脂の添加量は、通常、樹脂成分100重量部に対して一般に20重量部以下、好ましくは0.1〜10重量部の範囲内とすることができる。
【0070】
本発明組成物においては、有機溶剤や水性現像液での溶解性を良くしたり、また、逆に悪くしたりすることができる、水もしくは有機溶剤に不溶性もしくは溶解(又は分散)を示す上記したその他の樹脂を必要に応じて配合することができる。具体的には、例えば、フェノール系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ビニル系樹脂、酢酸ビニル樹脂、エポキシ系樹脂、シリコン系樹脂、フッ素系樹脂及びこれらの2種以上の混合物もしくは変性物等が挙げられる。
また、本発明組成物を用いて形成される膜に適当な可撓性、非粘着性等を付与するために、本発明組成物には、フタル酸エステル等の可塑剤、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂等を添加することができる。
さらに、本発明組成物には、必要に応じて、流動性調節剤、可塑剤、染料、顔料等の着色剤等を添加してもよい。
【0071】
本発明組成物は、有機溶剤型可視光感光性樹脂組成物、水性可視光感光性樹脂組成物として使用することができる。
上記した有機溶剤型可視光感光性樹脂組成物は、上記ポジ型可視光感光性樹脂組成物を有機溶剤(ケトン類、エステル類、エーテル類、セロソルブ類、芳香族炭化水素類、アルコール類、ハロゲン化炭化水素類など)に溶解もしくは分散して得られる有機溶剤型可視光感光性樹脂組成物である。該組成物は支持体(例えば、アルミニウム、マグネシウム、銅、亜鉛、クロム、ニッケル、鉄などの金属またはそれらを成分とした合金のシート又はこれらの金属で表面処理したプリント基板、プラスチック、ガラス又はシリコーンウエハー、カーボンなど)にローラー、ロールコーター、スピンコーター、カーテンロールコーター、スプレー、静電塗装、浸漬塗装、シルク印刷等の手段により塗布し、必要に応じてセッテングした後、乾燥することにより感光材料(被膜)を得ることができる。
【0072】
上記した水性可視光感光性樹脂組成物は、上記ポジ型可視光感光性樹脂組成物を水に溶解もしくは分散することによって得られる。このものは通常の電着塗装用感光性材料と同様に取り扱うことができ、電着塗装用の塗料として用いることができる。水性可視光感光性樹脂組成物の水溶化又は水分散化は、ポジ型可視光感光性樹脂組成物中のカルボキシル基等のアニオン性基をアルカリ(中和剤)で中和することによって行われる。
【0073】
上記したアルカリ中和剤としては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルアミノエタノール、シクロヘキシルアミン、アンモニアなどが使用できる。中和剤の使用量は感光性樹脂組成物に含まれるイオン性基1当量当たり、一般に、0.2〜1.0当量、特に0.3〜0.8当量が好ましい。
【0074】
上記したイオン性基含有樹脂として、カルボキシル基は樹脂の酸価で約30〜700mgKOH/g、特に約40〜600mgKOH/gの範囲のものが好ましい。酸価が約30を下回ると現像液の処理による未硬化被膜の脱膜性が劣るため次のエッチング行程で銅が充分に除去できないといった欠点があり、一方酸価が約700を上回るとレジスト被膜部(硬化被膜部)が脱膜し易くなるために満足できる銅回路が形成されないといった欠点があるので好ましくない。
【0075】
電着塗料は、例えば浴濃度(固形分濃度)3〜25重量%、特に5〜15重量%の範囲に調整した、PH7〜9の範囲のアニオン電着塗料を使用することができる。
電着塗料は、例えば、次のようにして被塗物である導体表面に塗装することができる。即ち、まず、浴のPHと浴濃度を上記の範囲に調整し、浴温度を15℃〜40℃、好ましくは15℃〜30℃に管理する。次いで、このように管理された電着塗装浴に、塗装される基材(導体)を陽極とし、浸漬、5〜200Vの直流電流を通電する。通電時間は10秒〜5分が適当である。得られる膜厚は乾燥膜厚で、一般に0.5〜50μm、特に1〜15μmの範囲が好ましい。
【0076】
電着塗装後、電着浴から被塗物を引き上げ、水洗した後、電着塗膜中に含まれる水分等を熱風等で乾燥、除去する。導体としては、金属、カーボン、酸化錫等の導電性材料またはこれらを積層、メッキ等によりプラスチック、ガラス表面に固着させたものが使用できる。
【0077】
本発明組成物は、上記した以外に、例えば、ベースフィルム層となるポリエチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル樹脂等の透明樹脂フィルム上に、本発明の組成物をロールコ−タ、ブレ−ドコ−タ、カーテンフロ−コータ等を使用して塗布し、乾燥してレジスト被膜(乾燥膜厚約2〜15μm)を形成した後、該被膜表面に保護フィルムを貼り付けたドライフィルムレジストとして使用することができる。
このようなドライフィルムレジストは、保護フィルムを剥離した後、レジスト被膜が面接するように上記と同様の支持体に熱圧着させる等の方法で接着してレジスト被膜を形成することができる。得られたレジスト被膜は、ベースフィルム層を剥離するかもしくは剥離を行わないで、次いで上記した電着塗膜と同様の方法で、画像に応じて、可視光で露光し、感光させ、ベースフィルム層がある場合にはこのものを剥離しない場合にはこの上から現像処理することにより画像を形成することができる。
【0078】
本発明組成物は、一般に用いられている公知の露光によるリソグラフィ技術を利用した、例えば、電子デバイスのレジスト材、刷版材(平板や凸版用製版材、オフセット印刷用PS板等)、情報記録材料、レリーフ像作製材料等幅広い用途への使用が可能である。
【0079】
具体的には、例えば、印刷、ブラックマトリックス絶縁パターン、カラーフィルター用絶縁パターン、電子部品被覆用パターン(ソルダー用被膜)、セラミックや蛍光体の絶縁パターン、表示パネルの隔壁パターン等の如き基材表面に形成する絶縁性パターンや配線用プラスチック基板、ビルドアップ用プラスチック基板等の如き絶縁性基材のパターン形成:例えば、ブラックマトリックス用導電性パターン、カラーフィルター用導電性パターン、各種表示パネルの導電性パターン、プラスチック基板やビルドアップ用プラスチック基板に設けられる導電性パターンの形成に利用することができる。
【0080】
次に、本発明組成物を用いた液状レジスト及びドライフィルムレジストのパターン形成方法の代表例について以下に述べる。
【0081】
液状レジストによるパターン形成方法:
該形成方法は、下記工程
(1)上記の液状ポジ型可視光感光性樹脂組成物を基材表面に塗布して可視光感光性被膜を形成する工程、
(2)基材上に形成された感光性被膜に所望のレジスト被膜(画像)が得られるように可視光線レーザー光で直接もしくは可視光線をマスクフィルムを通して露光させる工程、
(3)レジスト被膜を現像処理して基材上にレジストパターンを形成する工程、
を必須工程とする工程により形成することができる。
該工程について、例えば、非貫通穴及び/又は貫通穴を有するプリント回路用銅張積層板の基材に適用した例示について以下に説明する。
工程(1)において、液状ポジ型可視光感光性樹脂組成物を基材に塗装しレジスト膜を形成する方法としては、例えば、ローラー、ロールコーター、スピンコーター、カーテンロールコーター、スプレー、静電塗装、浸漬塗装、シルク印刷、電着塗装等の塗装手段により塗布し、必要に応じてセッテングした後、加熱処理することによりレジスト膜を得ることができる。
【0082】
上記した加熱処理は、共重合体とエーテル結合含有不飽和化合物との架橋反応が実質的に起こる温度条件、例えば、約60℃〜約150℃の温度で約1分〜約30分間加熱が行なわれる。
【0083】
工程(2)の可視光線を照射する方法としては、例えば、フォトマスクを介して可視光線を照射する方法、レーザー走査により可視光線を直接描画法などにより行うことができる。
可視光線の照射量は、通常0.5〜2000mJ/cm2、好ましくは1〜1000mJ/cm2の範囲内が好ましい。
【0084】
また、可視光線の照射源としては、従来から使用されているもの、例えば、超高圧、高圧、中圧、低圧の水銀灯、ケミカルランプ、カーボンアーク灯、キセノン灯、メタルハライド灯、蛍光灯、タングステン灯、太陽光等の各光源により得られる光源のうち、紫外線を紫外カットフィルターによりカットした可視光領域の光線や400nm〜700nmの可視領域に発振線を持つ各種レーザー等が使用できる。特にこれらの中でも高出力で安定なレーザー光線としてアルゴンレーザー(発振線488nm、514.5nm)、YAGレーザーの第二高調波(532nm)が好ましい。
可視光線が照射したレジスト被膜は、該照射により発生した酸の存在下で前記硬化塗膜の架橋構造を切断が生じるような温度条件、例えば、約60℃〜約150℃の温度で約1分〜約30分間加熱を行なうことが好ましい。
【0085】
工程(3)において、現像処理としてはアルカリ性現像液や有機溶剤現像液を使用することができる。
アルカリ性現像液としては、例えば、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、モノブチルアミン、ジブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、ジエチルアミノエタノール、アンモニア、苛性ソーダー、苛性カリ、メタ珪酸ソーダー、メタ珪酸カリ、炭酸ソーダー、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド等の水性液が挙げられる。
上記アルカリ物質の濃度は、通常0.05〜10重量%の範囲が好ましい。
【0086】
有機溶剤としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、トルエン、キシレン、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、トリクロロエチレンなどの炭化水素系、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール系、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、エチルビニルエーテル、ジオキサン、プロピレンオキシド、テトラヒドロフラン、セロソルブ、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルカルビトール、ジエチレングルコールモノエチルエーテル等のエーテル系、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、イソホロン、シクロヘキサノン等のケトン系、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等のエステル系、ピリジン、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等のその他の溶剤等が挙げられる。
【0087】
該現像処理条件は、使用するレジスト膜の種類に応じて現像液温度10〜80℃程度、好ましくは15〜50℃程度で現像時間10秒〜60分程度、好ましくは15秒〜20分程度吹き付けや浸漬するにより行なうことができる。
現像した後のレジスト膜は、水洗後、熱風等により乾燥され、基材上に目的とする画像が形成される。また、必要に応じて、エッチングを施し、露出した導体部を除去した後、レジスト膜を除去し、プリント回路板の製造を行うこともできる。エッチングは、例えば、プリント回路基板の導電性皮膜が銅である場合には、塩化第二銅などの酸性エッチング液、アンモニアエッチング液により露出した部分の導電性皮膜を除去することができる。
上記エッチング工程後、必要に応じて残存するレジスト膜が除去される。残存レジスト膜の除去は、例えば、アルカリ又は酸の水溶液や各種有機溶剤を使用することができる。
【0088】
ドライフィルムレジストによるパターン形成方法:
該形成方法は、下記工程
(1)上記のポジ型可視光感光性樹脂組成物を支持基材表面に塗装して得られる固体状のポジ型可視光感光性樹脂被膜層を有する上記したポジ型可視光感光性ドライフィルムを、
(2)被着基材表面に、該被着基材表面と該ドライフィルムの該樹脂被膜層とが面接するように貼付け、
(3)必要に応じて該ドライフィルムの支持基材を剥離した後、
(4)所望のパターンが得られるように表面から可視光線レーザー光で直接もしくは可視光線をマスクフィルムを通して露光させる工程、
(5)レジスト被膜を現像処理して基材上にレジストパターンを形成する工程、
(6)次いで、(3)工程で支持基材を剥離していない場合は剥離した後、
(7)レジスト被膜を現像処理して基材上にレジストパターンを形成する工程、
を必須工程とすることにより形成できる。
該工程について、例えば、非貫通穴及び/又は貫通穴を有するプリント回路用銅張積層板の基材に適用した例示について以下に説明する。
【0089】
貼付けは、ドライフィルムのポジ型可視光感光性樹脂被膜層面と被着体(例えば、非貫通及び/又は貫通のホールを有する導電性基板面等)とが面接するように重ね合わせ、次いで該ドライフィルムの支持基材面上から加圧しながら熱ラミネートして被着体面と樹脂被膜層面とを接合させることができる。熱ラミネートは、例えば、被着体面を加熱及び/又はドライフィルムの支持基材面上から加熱することにより行うことができる。上記加熱は通常60〜150℃、特に80〜120℃の温度範囲が好ましい。
【0090】
該被着体表面と該ドライフィルムを貼付ける際に、液体、例えばJonesの米国特許番号3,645,772に記載されている如き接着剤促進溶液、或いはFickesに記載されている如きレジスト層用溶媒、もしくは膨潤剤を用いて基質表面を処理することにより該被着材表面と該ドライフィルムとの接着性を改善することができる。この液体はJsaacsonの米国特許番号3,629,036に開示されているフォトレジスト溶液のように光感光性を有していてもよい。また、真空積層装置を使用して貼付けてもよい。
【0091】
上記した加熱処理は、共重合体とエーテル結合含有不飽和化合物との架橋反応が実質的に起こる温度条件、例えば、約60℃〜約150℃の温度で約1分〜約30分間加熱が行なわれる。
可視光線の種類は前記と同様のものを挙げることができる。また、照射量、照射方法等は前記と同様の条件で行なうことができる。
また、ドライフィルムの支持基材層はポジ型可視光感光性樹脂被膜層から剥離する。この操作は次の可視光線照射のあとに行ってもよい。
可視光線が照射された基板は、該照射により発生した酸の存在下で前記硬化塗膜の架橋構造を切断が生じるような温度条件、例えば、約60℃〜約150℃の温度で約1分〜約30分間加熱を行なうことが好ましい。
【0092】
該工程において、現像処理は上記と同様の処理液を使用して上記と同じ条件で行なうことができる。
また、上記液レジストのパターン形成方法に記載と同様に必要に応じて、上記の工程後、エッチングを施し、露出した導体部を除去した後、レジスト膜を除去し、プリント回路板の製造を行うこともできる。
上記エッチング工程後、必要に応じて残存するレジスト膜が除去される。
【0093】
本発明方法において、基材としてスルーホール部及び/又は非貫通穴部を有するプリント回路用銅張積層基板を使用し、このものに本発明方法を適用して得られるプリント回路基板は、良好な細線回路パターンが形成できるとともに、スルーホール部を有するものにおいてもスルーホール内部の銅が溶解することがなく断線を起こすことがない。また、プリント回路基板のスルーホール部、非貫通穴及び細線回路パターン部に対するレジスト膜の被覆が十分行われるため、電気絶縁性、耐薬品性などに対する信頼性の極めて高いソルダーレジストの絶縁膜を形成することができる。
【0094】
【実施例】
次に実施例により本発明を更に詳しく説明するが、これらは限定的でなく、単に説明のためと解されるべきである。
実施例1
攪拌機、温度計、冷却管及び内容積500ミリリットルの滴下漏斗を装着した、内容積1,000ミリリットルの4ッ口フラスコに、テトラヒドロフラン200ミリリットルを装入し、攪拌しながらウォーターバスにより外温を80℃に上げ還流させた。別に、1,000ミリリットルの三角フラスコに、2−エチルヘキサノール溶液より結晶化させて精製した4−(1−メチルエテニル)フェノール(以降、PIPEと略称する)134.2グラム(1.00モル)、蒸留精製したアクリル酸メチル143.8グラム(1.67モル)及びアクリル酸48.3グラム(0.67モル)、ラジカル重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリルグラム16.4グラム(0.10モル)、および溶媒としてテトラヒドロフラン200ミリリットルを装入した。
【0095】
この溶液を攪拌して溶解させた後、全量を2回に分けて滴下漏斗に移し、上記4ッ口フラスコに還流状態が続く程度の速度で滴下した。反応初期の内温は72℃であったが、重合途中で内温は上昇し、8時間後は80℃であった。攪拌を続けながらウォーターバスを外し、2時間かけて室温(25℃)まで冷却した後、重合反応液を5リットルのビーカー中、n−ヘキサン2リットルに装入し、生成したポリマーを沈殿させた。沈殿したポリマーを濾過・分離した後、再度テトラヒドロフラン400ミリリットルに溶かし、n―ヘキサン2リットル中に装入し、固体を析出させた。この濾過・分離・析出操作を更に2回繰り返した。最後の濾過・分離後、100mmHg、100℃で2時間減圧乾燥し、320.4グラムの白色重合体を得た。
【0096】
得られた白色重合体は、1H−NMR分析、13C−NMR分析、および元素分析の結果より、目的とする共重合体であった。d6 −ジメチルスルホキシド中の 1H−NMRを図1に、13C−NMRを図2に示す。これらのNMR結果より、得られたポリマー中の化学式(1)で示される構成単位の組成比はa=0.34,b=0.48及びc=0.18であって、原料の仕込み比とほぼ同じ組成比であった。また、ポリスチレンを標準とするGPC分析の結果、重量平均分子量(Mw)は10,000であり、そして分子量分散度(Mw/Mn)は1.94であった。GPC分析を図3に示す。
得られた共重合体をジエチレングリコールジメチルエーテル,2-ヘプタノンの各溶剤に溶解したところこの共重合体はいずれの溶媒にも50重量%に溶解した。
【0097】
得られた共重合体をジエチレングリコールジメチルエーテルに溶解後、乾燥膜厚が1μmになるように石英板上にスピンコーターを用いて塗布し、120℃で10分間加熱し皮膜を形成させた。これを可視光可視分光光度計により350nmにおける透過率を測定したところ、透過率は98%以上であった。可視光光度分析を図4に示す。
また、示差走査型熱量計によりガラス転移点を測定したところ、125℃であった。更には、示差熱天秤計により熱安定性を測定したところ、200℃以上まで安定だった。熱重量分析を図5に示す。
【0098】
得られた共重合体(固形分)100グラム、ジビニルエーテル化合物(ビスフェノール化合物1モルと2ークロロエチルビニルエーテル2モルとの縮合物)60グラム、下記(化21)の光酸発生剤A
【0099】
【化21】
Figure 0003921010
【0100】
10グラム、下記(化22)光増感色素A
【0101】
【化22】
Figure 0003921010
【0102】
1.5グラムをジエチレングリコールジメチルエーテル溶剤に溶解して50重量%の実施例1の有機溶剤系感光液を得た。
次いで、得られた有機溶剤系感光液を乾燥膜厚が6μmになるように銅張積層板上にローラー塗装し、120℃で8分間加熱硬化させてレジスト被膜を形成した。この基板にアルゴンレーザーをライン/スペース=50/100μmになるように5mj/cm2の強度でライン/スペース=50/100μmになるように照射した。次いで120℃で10分間焼き付けた。
次いでアルカリ現像液a(2.38重量%テトラヒドロアンモニウムヒドロキシド水溶液)に25℃で60秒間浸漬して露光部のレジスト被膜を現像処理し除去した。その結果、ライン/スペース=50/100μmで良好であった。
次に、約40℃の塩化第二銅水溶液にてエッチングを行い、3%苛性ソーダー水溶液でレジスト被膜の剥離を行い、プリント配線板を得た。該プリント配線のライン/スペースは50μm/100μmで良好であった。
【0103】
実施例2〜4
実施例1において用いたPIPE、アクリル酸メチル及びアクリル酸の仕込みモル比を表1に示すように変え、但し合計仕込みモル量は実施例1と同一の3.34モルとし、他の条件は全て実施例1と同様にして反応、後処理、配合、レジスト膜形成を行った。
実施例1と同様にして、得られた共重合体の組成比、収量、重量平均分子量及び分子量分散度を測定した。また、実施例1と同様に溶剤溶解性、透明性、熱安定性及びレジスト膜性能(ライン/スペース)を評価した。これらの分析結果及び評価結果を、実施例1の結果と共に表1に示す。プリント配線板の製造方法は実施例1と同様の方法で行なった。
【0104】
比較例1
実施例1において用いたPIPEの仕込量を223.8グラム(1.67モル)に、アクリル酸メチルの仕込量を143.8グラム(1.67モル)に変え、アクリル酸を用いなかった以外は全て実施例1と同様にして反応、後処理、分析、配合、レジスト膜形成及び評価を行った。仕込みモル比、及び得られた共重合体の分析結果及び評価結果を、実施例1〜4の結果と共に表1に示す。プリント配線板の製造方法は実施例1と同様の方法で行なった。
【0105】
比較例2
実施例1において用いたPIPEの仕込量を223.8グラム(1.67モル)に、アクリル酸の仕込量を120.4グラム(1.67モル)に変え、アクリル酸メチルを用いなかった以外は全て実施例1と同様にして反応、後処理、分析、配合、レジスト膜形成及び評価を行った。仕込みモル比、及び得られた共重合体の分析結果及び評価結果を、実施例1〜4及び比較例1の結果と共に表1に示す。プリント配線板の製造方法は実施例1と同様の方法で行なった。
【0106】
比較例3
実施例1において用いたアクリル酸メチルの仕込量を143.8グラム(1.67モル)に、アクリル酸の仕込量を120.4グラム(1.67モル)に変え、PIPEを用いなかった以外は全て実施例1と同様にして反応、後処理、分析、配合、レジスト膜形成及び評価を行った。仕込みモル比、及び得られた共重合体の分析結果及び評価結果を、実施例1〜4及び比較例1及び2の結果と共に表1に示す。プリント配線板の製造方法は実施例1と同様の方法で行なった。
【0107】
【表1】
Figure 0003921010
【0108】
実施例5〜8
実施例1において用いたアクリル酸メチルの代わりに表2に示すアクリル酸エステル類を表2に示すモル比で用いた以外は全て実施例1と同様にして反応、後処理、分析、配合、レジスト膜形成及び評価を行った。得られた共重合体の分析結果及び評価結果を実施例1の結果と共に表2に示す。プリント配線板の製造方法は実施例1と同様の方法で行なった。
【0109】
比較例4
実施例1において用いたPIPEの仕込量を223.8グラム(1.67モル)に変え、アクリル酸メチルの代わりにアクリル酸t−ブチルを213.8グラム(1.67モル)用い、かつアクリル酸を用いなかった以外は全て実施例1と同様にして反応、後処理、分析、レジスト膜形成及び評価を行った。得られた共重合体の分析結果及び評価結果を実施例1及び5〜8の結果と共に表2に示す。プリント配線板の製造方法は実施例1と同様の方法で行なった。
【0110】
【表2】
Figure 0003921010
【0111】
実施例9
攪拌機、温度計および冷却管を装着した、内容積1,000ミリリットルの4ッ口フラスコに、PIPE134.2グラム(1.00モル)、アクリル酸メチル143.8グラム(1.67モル)及びメタクリル酸58.3グラム(0.67モル)、アゾビスイソブチロニトリル16.4グラム(0.10モル)、およびテトラヒドロフラン400ミリリットルを一括装入した。この仕込み液を攪拌しながらウォーターバスにより外温を80℃に上げ、そのまま8時間反応させた。得られた反応液から実施例1と同様に後処理を行い、目的とする共重合体を得た後、実施例1と同様にして分析、レジスト膜形成及び評価を行った。得られた共重合体の分析結果及び評価結果を実施例1の結果と共に表3に示す。プリント配線板の製造方法は実施例1と同様の方法で行なった。
【0112】
【表3】
Figure 0003921010
【0113】
実施例10〜13
実施例1において用いたテトラヒドロフランの代わりに表4に示す溶媒を表4に示す量を用い、反応温度及び反応時間を表4に示すように変えた以外は全て実施例1と同様にして反応、後処理、分析及び評価を行った。得られた共重合体の組成比、収量、重量平均分子量及び分子量分散度を実施例1の結果と共に表4に示す。なお、溶剤溶解性、透明性、熱安定性、レジスト膜形成、プリント配線板の製造は実施例1と同様の方法で行なった。
【0114】
【表4】
Figure 0003921010
実施例14〜18
実施例1において用いたアゾビスイソブチロニトリルの代わりに表5に示すラジカル重合開始剤を表5に示す量を用い、反応温度及び反応時間を表5に示すように変えた以外は全て実施例1と同様にして反応、後処理、分析、配合、レジスト膜形成及び評価を行った。得られた共重合体の組成比、収量、重量平均分子量及び分子量分散度を実施例1の結果と共に表5に示す。なお、溶剤溶解性、透明性、レジスト膜形成、熱安定性、プリント配線板の製造方法は実施例1と同様の方法で行なった。
【0115】
【表5】
Figure 0003921010
実施例19〜37
上記実施例1〜18において、実施例1〜18で得られた夫々の粉末の共重合体をジエチレングリコールジメチルエーテル溶剤で50重量%になるように溶解し、得られた溶液の固形分100グラムに対して、夫々ジビニルエーテル化合物(ビスフェノール化合物1モルと2ークロロエチルビニルエーテル2モルとの縮合物)60グラム、上記光酸発生剤A10グラム、上記光増感色素A1.5グラム、トリエチルアミン(共重合体のカルボキシル基1個当たり0.8モル)を配合し、次いでこのものを水に分散して固形分20重量%にして実施例19〜37の水性感光液を得た。なお、該実施例1は実施例19に、実施例2は実施例20の如く実施例1〜18は夫々実施例19〜37に順次相当する。
次いで、実施例1において、有機溶剤系感光液を乾燥膜厚が6μmになるように銅張積層板上にローラー塗装し、120℃で8分間加熱硬化させてレジスト被膜を形成する方法に代えて、実施例19〜37の夫々の水性感光液を電着塗装浴として、基材の銅張積層板を陽極とし、乾燥膜厚が5μmとなるようにアニオン電着塗装を行った後、水洗し、120℃で8分間加熱硬化させて得たレジスト被膜を用いた以外は実施例1と同様にしてパターン形成及び性能(ライン/スペース)評価を行なった。この結果ライン/スペースはいずれも50μm/100μmで良好であった。
【0116】
実施例38〜56
上記実施例1〜18で得られた夫々の有機溶剤感光液を、ポリエチレンテレフタレートのフィルムに、乾燥塗膜が10μmになるよう、バーコーターで塗布し、120℃で10分間加熱して、ドライフィルムを作成した。
このドライフィルムを銅張積層板上に、ドライフィルムラミネーターを用いて貼り付け、ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥離し、レジスト被膜付き基板を得た。次いでこの基板を用いて実施例1と同様にして照射、現像、エッチング、脱膜してプリント配線板を製造した。実施例1と同様にしてパターン形成及び性能(ライン/スペース)評価を行なった。この結果ライン/スペースはいずれも50μm/100μmで良好であった。
【0117】
【発明の効果】
本発明によれば、4−(1−メチルエテニル)フェノール(a)、アクリル酸エステル類(b)及びアクリル酸類(c)からなる感光用樹脂の共重合体、エーテル結合含有オレフィン性不飽和化合物、光酸発生剤及び光り増感色素を含有してなるポジ型可視光感光性樹脂組成物を使用していることから、該組成物から形成されるレジスト被膜が、特に、加熱により現像液に対して溶解しない強靭な架橋被膜が形成されるとともに、該架橋被膜に可視光線照射した露光部分は該被膜が分解され現像液により溶解性のある被膜となるので、微細でシャープなレジストパターン被膜を形成することができるといった顕著な効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1において合成した4−(1−メチルエテニル)フェノール、アクリル酸メチル、及びアクリル酸から成る共重合体のd6 ―ジメチルスルホキシド中の 1H−NMRスペクトルを示す。
【図2】実施例1において合成した4−(1−メチルエテニル)フェノール、アクリル酸メチル、及びアクリル酸から成る共重合体のd6 ―ジメチルスルホキシド中の13C−NMRスペクトルを示す。
【図3】実施例1において合成した4−(1−メチルエテニル)フェノール、アクリル酸メチル、及びアクリル酸から成る共重合体のGPC溶出曲線を示す。
【図4】実施例1において合成した4−(1−メチルエテニル)フェノール、アクリル酸メチル、及びアクリル酸から成る共重合体の可視光可視光光度分析を示す。
【図5】実施例1において合成した4−(1−メチルエテニル)フェノール、アクリル酸メチル、及びアクリル酸から成る共重合体の熱重量分析を示す。

Claims (10)

  1. 感光用樹脂、エーテル結合含有オレフィン性不飽和化合物、光酸発生剤及び光増感剤を含有してなるポジ型可視光感光性樹脂組成物において、感光用樹脂として、化学式(1)〔化1〕、
    Figure 0003921010
    化学式(2)〔化2〕
    Figure 0003921010
    (式中、R は水素またはメチル基、R は炭素数1ないし6の直鎖もしくは分岐の無置換アルキル基または炭素数1ないし6の直鎖もしくは分岐の置換アルキル基)及び化学式(3)〔化3〕
    Figure 0003921010
    (式中、R は水素またはメチル基)で示される構成単位を有する共重合体であって、a=0.05ないし0.7、b=0.15ないし0.8及びc=0.01ないし0.5であり、かつa+b+c=1であり、
    前記エーテル結合含有オレフィン性不飽和化合物が、化学式(I)で表されるビニルエーテル基:
    −R ' −O−CH=CH (I)
    (R ' は、直鎖または分岐鎖の炭素数1〜6のアルキレン基を表す)
    または1〜4個の不飽和エーテル基を含有する化合物であることを特徴とするポジ型可視光感光性樹脂組成物。
  2. 化学式(2)で示される構成単位のR が、炭素数1ないし6の直鎖もしくは分岐の無置換アルキル基または炭素数1ないし6の直鎖もしくは分岐のヒドロキシ置換アルキル基である請求項1に記載のポジ型可視光感光性樹脂組成物。
  3. 化学式(2)で示される構成単位のR がメチル基、エチル基、n―プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基または2−ヒドロキシエチル基のいずれかである請求項1に記載のポジ型可視光感光性樹脂組成物。
  4. 化学式(2)で示される構成単位を構成する原料が、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n―ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸sec―ブチル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n―ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸sec―ブチルまたはメタクリル酸2−ヒドロキシエチルのいずれかのアクリル酸エステル類である請求項1に記載のポジ型可視光感光性樹脂組成物。
  5. 前記化学式(1)、化学式(2)及び化学式(3)で示される構成単位を有する共重合体において、a=0.20ないし0.45、b=0.25ないし0.70及びc=0.15ないし0.40であり、かつa+b+c=1であることを特徴とする請求項1に記載のポジ型可視光感光性樹脂組成物。
  6. 前記化学式(I)で表されるビニルエーテル基のR ' はエチレン、プロピレンまたはブチレンであり、前記不飽和エーテル基は1−プロペニルエーテル基または1−ブテニルエーテル基である請求項1に記載のポジ型可視光感光性樹脂組成物。
  7. 前記エーテル結合含有オレフィン性不飽和化合物は、ジビニルエーテル化合物である請求項1に記載のポジ型可視光感光性樹脂組成物
  8. 上記ポジ型可視光感光性樹脂組成物において、該組成物から形成される被膜が、可視光線照射部は有機溶剤又は水性現像液に溶解もしくは分散するが、未照射部は有機溶剤又は水性現像液に実質的に溶解もしくは分散しないことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載のポジ型可視光感光性樹脂組成物。
  9. 下記工程
    (1)請求項1に記載のポジ型可視光感光性樹脂組成物を基材表面に塗布して可視光感光性被膜を形成する工程、
    (2)基材上に形成された感光性被膜に所望のレジスト被膜(画像)が得られるように可視光線レーザー光で直接もしくは可視光線をマスクフィルムを通して露光させる工程、
    (3)レジスト被膜を現像処理して基材上にレジストパターンを形成する工程、
    を必須工程とすることを特徴とするレジストパターン形成方法。
  10. 下記工程
    (1)請求項1に記載のポジ型可視光感光性樹脂組成物を支持基材表面に塗装して得られる固体状のポジ型可視光感光性樹脂被膜層を有するポジ型可視光感光性ドライフィルムを、
    (2)被着基材表面に、該被着基材表面と該ドライフィルムの該樹脂被膜層とが面接するように貼付け、
    (3)必要に応じて該ドライフィルムの支持基材を剥離した後、
    (4)所望のパターンが得られるように表面から可視光線レーザー光で直接もしくは可視光線をマスクフィルムを通して露光させる工程、
    (5)レジスト被膜を現像処理して基材上にレジストパターンを形成する工程、
    (6)次いで、(3)工程で支持基材を剥離していない場合は剥離した後、
    (7)レジスト被膜を現像処理して基材上にレジストパターンを形成する工程、
    を必須工程とすることを特徴とするレジストパターン形成方法。
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