JP4873900B2 - 表面性状に優れた熱延鋼板 - Google Patents

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本発明は、赤スケールの発生が抑制され、酸洗後の表面模様が少ない表面性状に優れたSi含有熱延鋼板、殊に高強度熱延鋼板に関するものである。
熱延鋼板では、例えば熱間圧延前の加熱中に生成するSi含有酸化物が原因となって、赤スケールが発生し得る。この赤スケールは、外観を悪くして熱延鋼板の製品価値を低下させると共に、赤スケールの発生箇所と未発生箇所との間で段差を生じさせて、酸洗後の鋼板表面に表面模様を発生させるなどの問題を引き起こす。
そこで従来技術において、赤スケール発生を抑制した表面性状に優れた鋼板を製造する方法が提案されている。例えば特許文献1は、Pを添加した鋼材を、圧延開始前に高圧水でデスケーリングし、所定の条件(圧延終了温度)で圧延を行うことによって赤スケールの発生を防止する、熱延鋼板の製造方法を記載している。
また特許文献2は、鋼材成分においてSi(質量%)/P(質量%)比を15以下に抑えることにより、低融点共晶物質(FeO−Fe2SiO4)の地鉄への進入を抑制して、スケールによる表面模様を低減した熱延鋼板の製造方法を提案している。
特開平8−206723号公報 特開平9−291309号公報
しかし近年では、鋼板の表面品質に対する要求が厳しくなっており、赤スケールのさらなる抑制が求められている。従って本発明の目的は、赤スケールの発生が抑制され、酸洗後の表面模様が少ない表面性状に優れた熱延鋼板を提供することにある。
上記目的を達成し得た本発明とは、Siを0.2%以上(質量%の意味、以下同じ)含有する熱延鋼板であって、前記鋼板全体のSi濃度の、2倍以上のSi濃度を有するSi含有酸化物層が、鋼板の地鉄/スケール界面から鋼板の表面方向に存在し、該Si含有酸化物層の厚みが、スケール全体厚の50%以上であり、赤スケールの厚みが4.5μm未満であることを特徴とする。
本発明の熱延鋼板は、好ましくはSi:0.2〜2.0%、C:0.02〜0.6%、Mn:0.2〜3.0%、P:0.005〜0.1%、S:0.005%以下(0%を含まない)を、より好ましくは、さらにAl:0.05%以下(0%を含まない)、Cr:0.3%以下(0%を含まない)、Ca:0.003%以下(0%を含まない)を含有する。本発明の熱延鋼板は、赤スケールの発生を抑制するという目的を阻害されない限り、上記元素以外も含有することができるが、通常、その残部はFeおよび不可避的不純物である。
本発明の熱延鋼板では、上記のような所定のスケール構造を有することによって、赤スケールの発生が抑制され(好ましくは、その表面に目視で赤味が認められないほど赤スケールの厚みが薄くなり)、酸洗後の表面模様(表面粗さ)が少なくなる。
発明を実施するための形態
本発明者らが、Si含有鋼板における赤スケールについて鋭意検討を行った結果、この赤スケールの実態は、外層スケール最表面に形成されるヘマタイト(α−Fe23)であり、該ヘマタイトの層が厚いほど鋼板表面上に生ずる赤味が強くなることを見出した。このSi含有鋼板におけるヘマタイト生成メカニズムは、以下のように考えられる:
Si含有鋼板では、地鉄/スケール界面にSi含有酸化物層が形成され、その中でSiは、安定なファイヤライト(Fe2SiO4)の形態で存在すると考えられる。このファイヤライトは融点が低いために、熱間圧延前の加熱(均熱保持)中に地鉄粒界に浸透し、粗圧延前の高圧水(工業的には通常50〜150kgf/cm2程度)のデスケーリングでは除去することができず、サブスケールとして残る。そのためファイヤライトの層が、熱間圧延前の加熱中に地鉄/スケール界面全体を覆うように形成すると、熱間圧延中において地鉄から表面へのFe拡散を阻害すると考えられる。そして熱間圧延中において、Fe拡散が阻害される結果、スケール表面では酸素供給が過剰になるため、高次酸化物であるヘマタイト(α−Fe23)が形成すると考えられる。
このような地鉄/スケール界面にファイヤライトの層が形成され、外層スケール最表面に厚いヘマタイトの層が形成されるSi含有鋼板では、熱間圧延過程でファイヤライト層および厚いヘマタイト層が地鉄に埋め込まれることにより、酸洗後に表面模様が形成される(鋼板表面が粗くなる)。
このような知見の下で本発明者らは、Si含有熱延鋼板において赤スケール発生を抑制するために鋭意検討を行った結果、Si含有熱延鋼板中において、前記鋼板全体のSi濃度の2倍以上のSi濃度を有するSi含有酸化物層(以下、「Si倍化層」と省略する)が、鋼板の地鉄/スケール界面から鋼板の表面方向に存在し、前記Si倍化層の厚みが、スケール全体厚の50%以上であることに要旨を有する本発明に想到するに至った。このSi倍化層のスケール全体厚に対する比率は、好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上であり、最も好ましくは100%である(スケール全体がSi倍化層である)。
本発明の熱延鋼板で、赤スケール発生が抑制されるメカニズムは以下のように考えることができる:
本発明の熱延鋼板のように、Si倍化層が(スケール全体厚の50%以上に)厚くなるほど、Si倍化層中ではSiが分散されることになり、Fe拡散を遮蔽するようなファイヤライト(Fe2SiO4)の層が地鉄/スケール界面の一面に形成するのが抑制されると考えられる。そのため、一面にファイヤライト層が形成された場合と比べて本発明の熱延鋼板では、スケール外層の最表面が酸素過剰にならず、高次酸化物であるヘマタイト(α−Fe23)の形成が抑制される。その結果、本発明の熱延鋼板は、赤スケール(ヘマタイト)層が薄くなり、好ましくは赤味が目視で確認できないほど鋼板の外観が良好となる。さらに厚い赤スケール層、およびファイヤライト層の形成が抑制される結果、酸洗後の鋼板表面の段差(表面模様)も少なくなる。
以上のように本発明の要旨は、赤スケールの発生を抑制すると考えられるスケール構造であり、このような効果を阻害しない限り、あらゆる元素を含有することができる。しかし以下において、本発明の熱延鋼板における好ましい成分およびその割合について説明する。
[Si:0.2〜2.0%]
Siは、強度を確保することができる重要な元素である。本発明ではSF鋼板に最低限必要なSi量から下限を0.2%と定めた。しかし過剰添加は延性が劣化するおそれがあるため、2.0%以下に抑えることが好ましい。
[C:0.02〜0.6%]
Cは、強度上昇に必要な元素であり、0.02%以上添加することが好ましい。しかし0.6%を超えると冷間加工性が低下するため、好ましくは0.6%以下に抑える。
[Mn:0.2〜3.0%]
Mnは、強度および靱性を確保するために有用な元素であるため、好ましくは0.2%以上含有させる。しかし過剰添加は、冷間加工性に悪影響を及ぼし得るため、好ましくは3.0%以下に抑える。
[P:0.005〜0.1%]
Pは、赤スケール発生防止のために有用な元素であるため、0.005%以上添加することが好ましい。しかし過剰添加は、靱性および溶接性を阻害するため、好ましくは0.1%以下に抑える。
[S:0.005%以下(0%を含まない)]
SはMnSの硫化物系介在物を形成し、これが熱間加工時に粒界に偏析することにより、鋼材を脆化させ得る。よって割れを低減させるために鋼材中のS量を、好ましくは0.005%以下に抑える。しかしS量が零である鋼材は工業的に安定生産が困難である。
[Al:0.05%以下(0%を含まない)]
Alは、脱酸のため、および焼ならし加熱の際にオーステナイト結晶粒の粗大化を防止するために、好ましくは鋼材に添加する。一方、過剰添加は効果が飽和することに加えて、結晶粒が不安定になるため、好ましくは0.05%以下に抑える。
[Cr:0.3%以下(0%を含まない)]
Crは、鋼材および冷間鍛造部品に強度を付与するために、必要に応じて鋼材に添加することができる。しかし鋼材がこれら元素を過剰に含有すると、延性がなくなるため、好ましくは0.3%以下に抑える。
[Ca:0.003%以下(0%を含まない)]
Caは、鋼板表面の腐食に伴う界面雰囲気の水素イオン濃度の上昇を抑制して鋼板の耐食性を高めるのに有効な元素である。一方、過剰に含まれていると加工性が劣化するため、Caは0.003%以下に抑えることが好ましい。
上記のような所定のスケール構造を有する本発明の熱延鋼板は、熱間圧延前の加熱(均熱保持)条件(温度やその雰囲気)を調整することにより製造することができる。具体的には以下の実施例で示されるように、熱間圧延前の加熱(均熱保持)温度を1300℃に高め(通常の加熱温度:1000℃)、また加熱(均熱保持)雰囲気中の水蒸気量を302g/m3まで増加させること(通常の水蒸気濃度:68g/m3)により所定のスケール構造を形成させることができる。
(実施例1)
Siを1.5%(質量%の意味、以下同じ)含有する鋼材(Si:1.5%、C:0.11%、Mn:1.1%、P:0.01%、S:0.001%、Al:0.035%、Cr:0.1%、Ca:0.0015%、残部:Feおよび不可避的不純物)を加熱炉に装入し、熱間圧延前の加熱(均熱保持)を行った(1300℃×3時間)。この加熱炉のガス雰囲気(大気圧下1300℃)を、N2−CO2−O2混合気(N2:89体積%、CO2:10体積%、O2:1体積%、50℃)と飽和水蒸気(50℃)とを、流量比100:0〜60:40(加熱炉のガス雰囲気中の水蒸気量:302g/m3)で混合したものを、水蒸気が結露しないように加熱配管を通して加熱炉に導入することにより(全流量:20kg/m3・分)、調節した。この均熱保持後に鋼材を加熱炉から抽出し、粗圧延開始前に高圧水(150kgf/cm2)により1次スケールをデスケーリングし、粗圧延、仕上げ圧延を行った後、冷却巻取りを行い、熱延鋼板を作製した。
このようにして作製した圧延鋼板の一部の鋼板表面には、目視で赤味(赤スケール)が認められた。この表面赤スケールの部分をラマン分光法にて分析した結果、ヘマタイト(α−Fe23)に起因するスペクトルが検出された。そこで熱間圧延前の加熱(均熱保持)を行う加熱炉へ導入する水蒸気の流量比を変化させて作製した熱延鋼板について、表面赤スケールの厚みを測定した。その測定は、ヘマタイト(α−Fe23)のラマンスペクトルにおいて強い散乱ピークを示す410cm-1の波数強度を、顕微ラマン分光器で検出して行った。そして顕微ラマン分光器のピントを鋼板表面から深さ方向にずらしながら、該波数強度の深さ方向分布を測定した。410cm-1の波数強度のデプスプロファイルの一例を図1に示す。図1で示されるように、鋼板表面から深くなるほど410cm-1の波数強度は低下していき、強度は飽和する。そこで以下の実施例において、このような「鋼板表面から410cm-1の波数強度が飽和するまでの深さ」を「表面赤スケール厚み」とみなした。
加熱炉への水蒸気流量比を変化させて作製した熱延鋼板(Si:1.5%)における、水蒸気流量比と表面赤スケールの厚みとの関係を表1および図2に示す。表1および図2は、加熱炉雰囲気への水蒸気流量比が多いほど、表面赤スケール厚みが減少する傾向を示す。この表1および図2にデータを示す実験では、表面赤スケール厚みが厚いほど赤味が強くなり、表面赤スケール厚みが4.5μm以上の試料で、目視により赤味が認められた。
Figure 0004873900
次に水蒸気流量比を変化させて作製した熱延鋼板(Si:1.5%)を、小片に切断して樹脂に埋込み、これを研磨して熱延鋼板の断面研磨試料を作製した。この試料に対して、スケール断面のEPMAによるカラーマッピングを行った。空間分解能1.0μmの電子ビームで点分析を行い、Si濃度(Si/Fe比)が3%に相当するSi Level 15以上の検出感度を示す領域の厚みを3点測定し、その平均値をSi倍化層厚とした。これらの熱延鋼板について、表面赤スケールの厚みと、Si倍化層厚のスケール全体厚に対する比率(以下、「Si倍化層比率」と省略する。)との関係を表2および図3に示す。スケール全体厚は、上記のような熱延鋼板の断面研磨試料を作製し、断面研磨試料のSEM写真を撮影し、SEM写真においてメジャーで測定した。ここでスケール全体厚は、局所的にはバラツキがあるが、低倍率(1000倍程度)ではほぼ均一であることから、SEM写真(1000倍)中で3点の厚みをメジャーで測定し、その平均値をスケール全体厚とした。
Figure 0004873900
表2および図3から、Si倍化層厚比率が大きいほど、表面赤スケール厚みが小さいことが示される。Si倍化層厚比率が50%以上の試料では、表面赤スケール厚みが4.5μm未満であり、目視で赤味(赤スケール)が認められない。
(比較例1)
Siを0〜1.5%含有する鋼材(Si:0〜1.5%、C:0.06〜0.11%、Mn:1.1〜1.5%、P:0.01%、S:0.001〜0.003%、Al:0.035%、Nb:0〜0.03%、Cr:0〜0.2%、Ca:0.0015%、残部:Feおよび不可避的不純物)を加熱炉に装入し、熱間圧延前の加熱(均熱保持)を行った(1050℃×3時間)。この加熱炉は、N2−CO2−O2混合気(N2:89体積%、CO2:10体積%、O2:1体積%)のみのガス雰囲気(大気圧下1050℃)にした。この均熱保持後に鋼材を加熱炉から抽出し、粗圧延開始前に高圧水(150kgf/cm2)により1次スケールをデスケーリングし、粗圧延、仕上げ圧延を行った後、冷却巻取りを行い、熱延鋼板を作製した。
このようにして作製したSi含有量の異なる熱延鋼板について、実施例1と同様の方法により、表面赤スケール厚みを測定した。Si含有量と表面赤スケールの厚みの関係を、表3および4並びに図4に示す。
Figure 0004873900
Figure 0004873900
表3および4並びに図4で示されるように、1050℃の温度および水蒸気未添加の条件での熱間圧延前の加熱(均熱保持)を行った熱延鋼板では、Si含有量が0.5%以上のものでは、目視で赤味(赤スケール)が認められた。またSi含有量が増加するにつれ、表面赤スケール厚みは増加する傾向を示した。
次にSi含有量0.5〜1.5%の熱延鋼板の断面研磨試料を作製し、この試料に対して、スケール断面のEPMAによるカラーマッピングを行った。空間分解能1.0μmの電子ビームで点分析を行い、Si濃度(Si/Fe比)が1〜3%に相当するSi Level 9〜15以上の検出感度を示す領域の厚みを3点測定し、その平均値をSi倍化層厚とした。1050℃の温度および水蒸気未添加の条件での熱間圧延前の加熱(均熱保持)を行った熱延鋼板(Si:0.5〜1.5%)について、表面赤スケールの厚みとSi倍化層厚比率とのデータを表5に示す。
Figure 0004873900
表5で示されるように、Si:0.5〜1.5%の熱延鋼板では、1050℃の温度および水蒸気未添加の条件での熱間圧延前の加熱(均熱保持)を行うと、いずれの鋼板でも、Si倍化層厚比率は50%を超えず、一方、赤スケール厚みは4.5μmを超えていた。
(実施例2)
Siを1.0%含有する鋼材(Si:1.0%、C:0.07%、Mn:1.1%、P:0.01%、S:0.003%、Al:0.035%、Cr:0.2%、Ca:0.0015%、残部:Feおよび不可避的不純物)から、実施例1と同様にして、熱延鋼板を作製した。加熱炉への水蒸気流量比を変化させて作製した熱延鋼板(Si:1.0%)における、水蒸気流量比と表面赤スケールの厚みとの関係を表6に示す。
Figure 0004873900
表6は、加熱炉雰囲気への水蒸気流量比が多いほど、表面赤スケール厚みが減少する傾向を示す。
次に水蒸気流量比を変化させて作製した熱延鋼板(Si:1.0%)を、小片に切断して樹脂に埋込み、これを研磨して熱延鋼板の断面研磨試料を作製した。この試料に対して、スケール断面のEPMAによるカラーマッピングを行った。空間分解能1.0μmの電子ビームで点分析を行い、Si濃度(Si/Fe比)が2%に相当するSi Level 12以上の検出感度を示す領域の平均厚みを測定した。これらの熱延鋼板について、表面赤スケールの厚みと、Si倍化層比率との関係を表7に示す。
Figure 0004873900
表7から、Si倍化層厚比率が大きいほど、表面赤スケール厚みが小さいことが示される。Si倍化層厚比率が50%以上の試料では、表面赤スケール厚みが4.5μm未満であり、目視で赤味(赤スケール)が認められない。
(実施例3)
Siを1.5%含有する鋼材(Si:1.5%、C:0.11%、Mn:1.1%、P:0.01%、S:0.001%、Al:0.035%、Cr:0.1%、Ca:0.0015%、残部:Feおよび不可避的不純物)から、実施例1と同様にして、熱延鋼板を作製した。
次に水蒸気流量比を変化させて作製した熱延鋼板(Si:1.5%)を小片に切断し、表面スケールをウェットエッチングで除去した。このウェットエッチングは、15%のHCl水溶液にヒビロン(スギムラ化学工業株式会社製のインヒビター)を0.3%添加してエッチャントを調製し、80℃に加熱した該エッチャント中に鋼板を所定時間(表面スケールが除去され、地鉄があらわれるまでの時間、数十秒程度)浸漬することにより行った。そしてエッチング後の地鉄表面粗さ(Rmax、単位:μm)を原子間力顕微鏡にて測定した。これらの熱延鋼板について、表面赤スケールの厚みと、地鉄表面粗さとの関係を表8に示す。表8に示されるように、表面赤スケール厚みが大きいほど、地鉄表面粗さが大きくなる。
Figure 0004873900
ラマン分光測定した熱延鋼板表面の、410cm-1の波数強度のデプスプロファイルを示すグラフである。 熱間圧延前の加熱を行う加熱炉への水蒸気流量比と、熱延鋼板(Si:1.5%)表面における赤スケール厚みとの関係を示すグラフである。 熱延鋼板(Si:1.5%)表面における赤スケール厚みと、Si倍化層厚のスケール全体厚に対する比率との関係を示すグラフである。 熱間圧延前の加熱を水蒸気未添加の条件で行った熱延鋼板における、Si含有量と赤スケール厚みとの関係を示すグラフである。

Claims (4)

  1. Siを0.2%以上(質量%の意味、以下同じ)含有する熱延鋼板であって、
    前記鋼板全体のSi濃度の、2倍以上のSi濃度を有するSi含有酸化物層が、鋼板の地鉄/スケール界面から鋼板の表面方向に存在し、
    前記Si含有酸化物層の厚みが、スケール全体厚の50%以上であり、
    赤スケールの厚みが4.5μm未満であることを特徴とする熱延鋼板。
  2. Si:0.2〜2.0%、C:0.02〜0.6%、Mn:0.2〜3.0%、P:0.005〜0.1%、S:0.005%以下(0%を含まない)を含有する請求項1に記載の熱延鋼板。
  3. さらにAl:0.05%以下(0%を含まない)、Cr:0.3%以下(0%を含まない)、Ca:0.003%以下(0%を含まない)を含有する請求項2に記載の熱延鋼板。
  4. 残部がFeおよび不可避的不純物である請求項2または3に記載の熱延鋼板。
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