JP4873838B2 - ガスケット、コインまたはボタン型の電気化学セル、及びガスケットの製造方法 - Google Patents

ガスケット、コインまたはボタン型の電気化学セル、及びガスケットの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ボタン型またはコイン型の電池及び電気二重層キャパシタ等の電気化学セルに関するものであり、特にリフロー法で表面実装を行うことが可能な電気化学セルに関する。
従来、コイン型(ボタン型)非水電解質二次電池または電気二重層キャパシタは、高エネルギー密度、軽量であるといった特徴により、機器のバックアップ用の電源としての用途が増加している。
該電池またはキャパシタは、主にメモリーバックアップ電源として用いる場合、該電池またはキャパシタにハンダ付用の端子を溶接した後、メモリー素子とともにプリント基板上にハンダ付け実装されることが多い。従来、プリント基板上へのハンダ付は、ハンダこてを用いて行なわれていたが、機器の小型化あるいは高機能化にともない、プリント基板の同一面積内に搭載される電子部品を多くする必要が生じハンダ付のためにハンダこてを挿入する隙間を確保することが困難となってきた。また、ハンダ付け作業もコストダウンのため自動化が求められていた。
そこであらかじめプリント基板上のハンダ付を行なう部分にハンダクリーム等を塗布しておきその部分に部品を載置するか、あるいは、部品を載置後、ハンダ小球をハンダ付部分に供給し、ハンダ付部分がハンダの融点以上、例えば、200〜260℃となるように設定された高温雰囲気の炉内に部品を搭載したプリント基板を通過させることにより、ハンダを溶融させてハンダ付を行なう方法が用いられている(以下リフローハンダ付という)。
リフローハンダ付けを行うためには、電池またはキャパシタ部材も耐熱性のものを用いなければならない。とりわけ、ガスケットは、ポリプロピレン(PP)から、耐熱性が高く硬質のエンジニアリングプラスチックが用いられるようになった。
リフロー法に対応可能な電池として、絶縁ガスケットに耐熱樹脂であるポリフェニレンサルファイドを用いた有機電解液二次電池が提案されており、高温環境下に晒されても形状を安定化させるために、ガラス繊維等のフィラーを添加してもよいことが開示されている。
また、ガスケットを耐熱樹脂と平均繊維長が10〜20μmの無機繊維とを含有する樹脂組成物によって構成することも開示されている。
特開2000−40525号公報 特開2002−75302号公報
ガスケットを耐熱樹脂と平均繊維長が10μm以上の無機繊維またはそれより繊維が大きく繊維長も長いガラス繊維を含有する樹脂組成物の原料である樹脂コンパウンドペレットを用い射出成形で作製すると粘性が高いため、射出成形時に射出成型機のノズルに繊維が詰まり形状がばらついたり、繊維や樹脂密度にばらついたり、ひどい場合には気泡のあるガスケットができてしまうことがあった。
それにより、ガスケット成形の歩留まりが低下したり、電気化学セルを作製してリフロー法で表面実装を行った場合においても、ガスケットの耐漏液性が低下して、液漏れが生じてしまうことがあった。
種々の検討の結果、耐熱樹脂と平均繊維長が3〜10μmの無機繊維とを含有する樹脂組成物の原料である樹脂コンパウンドペレットを用い射出成形を行うと、成形時に射出成型機のノズルに繊維が詰まり形状がばらついたり、繊維や樹脂密度にばらつきのあるガスケットができてしまうことがなくなった。それにより、ガスケット成形の歩留まりが向上し、電気化学セルを作製してリフロー法で表面実装を行った場合においても、ガスケットの耐漏液性が低下して、液漏れが生じることがなくなった。
ガスケットの樹脂組成物の原料となる樹脂コンパウンドペレットは、耐熱樹脂と平均繊維長が10〜40μm程度の無機繊維を一軸または二軸の連続式押出混練機または、ニーダ式のバッチ混練機により平均繊維長が3〜10μmになるまで混練して作製することが有効であることがわかった。繊維長は顕微鏡法(ルーゼックスによる測定)に容易に測定できる。
ガスケット樹脂組成物の原料の無機繊維は、ガスケット射出成形時に副産物として生成するスプールおよび/またはランナーを粉砕またはペレット化することによっても平均繊維長3〜10μmとすることができる。樹脂組成物の原料となる樹脂コンパウンドペレットの平均繊維長が10〜20μmであっても、生成したスプールおよび/またはランナーを粉砕またはペレット化することを数回繰り返せば平均繊維長3〜10μmとすることができる。
本発明のガスケットに用いる樹脂は、リフローはんだ付けに対応するため耐熱樹脂である必要があり、リフローはんだ付け温度においても十分な強度を保つ必要がある。さらに、無機繊維の平均繊維長が3〜10μmであっても必要かつ十分な強度を持つ必要がある。種々の樹脂を試した結果ポリフェニレンサルファイドとポリエーテルエーテルケトンがその条件を満たすことがわかった。耐熱樹脂でも液晶ポリマーやポリアミドイミド樹脂はリフローはんだ付け時の温度上昇で亀裂が入ってしまった。
無機繊維としては、チタン酸カリウム繊維と珪酸カルシウム繊維が特に効果的であった。これらの繊維はポリフェニレンサルファイドやポリエーテルエーテルケトンとの相性がよく、樹脂への分散が良好であった。
樹脂への無機繊維の添加量は5〜40質量%とした。5重量%以下の場合、樹脂組成物強度が低下する。40重量%以上の場合は射出成形が困難になってしまう。
本発明は、絶縁ガスケット中の無機繊維の繊維長を規制した点に大きな特徴を有する。このような本発明によると、成形時に射出成型機のノズルに繊維が詰まり形状がばらついたり、繊維や樹脂密度にばらつきのあるガスケットができてしまうことがなくなったり、ガスケット成形の歩留まりが向上し、電気化学セルを作製してリフロー法で表面実装を行った場合においても、ガスケットの耐漏液性が低下して、液漏れが生じることがなくなった。
メモリーバックアップ用途の電気化学セルは、搭載される機器の小型化に伴い、小型化の要求が強まっている。それに伴い、射出成型機、金型にも精密さが要求されており、射出成型機の射出ノズル、金型のスプール、ランナー、ゲートはどんどん細くなって来ている。
特に小型のコイン型(ボタン型)でリフローハンダ付け実装可能な非水電解質二次電池または電気二重層キャパシタ用のガスケットを、耐熱樹脂であるエンジニアリングプラスチックを用い、射出成形でつくる場合に問題が発生しやすい。直径がφ7mm以下となる電気化学セルの621(φ6.8mm、高さ2.1mm)、614(φ6.8mm、高さ1.4mm)、609(φ6.8mm、高さ0.9mm)、414(φ4.8mm、高さ1.4mm)、314(φ3.8mm、高さ1.4mm)といったサイズの小さくて、ガスケット自体の肉厚の薄いものにおいては、射出成型機の射出ノズル、金型のスプール、ランナー、ゲートはどんどん細くなって来ていることが顕著になっている。そのようは精密な射出成型機、金型において、無機繊維長の長い樹脂コンパウンドペレットを用いるとノズルや金型に繊維が詰まり形状がばらついたり、繊維や樹脂密度にばらつきのあるガスケットができてしまうことがある。ばらつきは、無機繊維が10μm以上となると徐々に発生し、30μm以上になると顕著になってくる。
耐熱樹脂と平均繊維長が3μm以下の無機繊維とを含有する樹脂組成物を用いた場合、ガスケットの強度が低下してしまい、リフローはんだ付けの加熱によりガスケットにクラックが入り漏液が発生してしまう。
樹脂組成物の平均繊維長を3〜10μmとする方法としては、混練機を用いる方法が有効である。
一般のスクリューを用いた一軸または二軸の連続式押出混練機を用いる場合は、連続式であるため大量の処理が可能であるが、混練時のせんだん力はかかりにくいため繊維長が希望の長さに達しない場合がある。その場合は、繰り返し押出混練を行い、平均繊維長を3〜10μmとすればよい。繊維長は顕微鏡法(ルーゼックスによる測定)に容易に測定できる。また、KCK社製の円盤ブレードを用いた一軸の連続式押出混練機を用いる場合は容易に平均繊維長を3〜10μmを達成でき、無機繊維の分散性も良好であった。
ニーダ式のバッチ混練機を用いる場合は、加圧型のものが有効であった。バッチ式のため一度の処理は限定されるが、加圧、ニーダの回転数、時間、温度等の条件を見つけることにより平均繊維長のコントロールが容易となる。
ガスケット樹脂組成物の原料の無機繊維は、ガスケット射出成形時に副産物として生成するスプールおよび/またはランナーを粉砕またはペレット化することによっても平均繊維長3〜10μmとすることができる。樹脂組成物の原料となる樹脂コンパウンドペレットの平均繊維長が10〜20μmであっても、生成したスプールおよび/またはランナーを粉砕またはペレット化することを数回繰り返せば平均繊維長3〜10μmとすることができる。この条件を確立することにより、廃材となってしまうスプールやランナーを再生できることなり、環境負荷を低減することができる。
生成した混練物、スプールやランナーを射出成形に使うには、粉末あるいはペレット状にする必要がある。一軸押出式のペレタイーザーや粉砕機を用いることができる。
本発明のガスケットに用いる樹脂は、リフローはんだ付けに対応するため耐熱樹脂である必要があり、リフローはんだ付け温度においても十分な強度を保つ必要がある。さらに、無機繊維の平均繊維長が3〜10μmであっても必要かつ十分な強度を持つ必要がある。
種々の樹脂を試した結果ポリフェニレンサルファイドとポリエーテルエーテルケトンがその条件を満たすことがわかった。耐熱樹脂でも液晶ポリマーやポリアミドイミド樹脂はリフローはんだ付け時の温度上昇で亀裂が入ってしまった。高温での曲げ強度や破断伸びの特性が十分な樹脂を選択する必要がある。
無機繊維としては、チタン酸カリウム繊維と珪酸カルシウム繊維が特に効果的であった。これらの繊維はポリフェニレンサルファイドやポリエーテルエーテルケトンとの相性がよく、樹脂への分散が良好であった。チタン酸カリウムは繊維径が0.3〜0.6μm、平均繊維長が10〜20μm、珪酸カルシウムは繊維径が1〜2μm、平均繊維長が20〜30μmのものが良好であった。
上記以外の無機繊維としては、アルミナ繊維、炭化ケイ素繊維、窒化ケイ素繊維、ジルコニア繊維等のセラミックス系繊維や、ガラス繊維、炭素繊維等があげられ、これらは単独であるいは2種以上併せて用いることができる。出発の無機繊維としては、繊維径が0.3〜2μm、平均繊維長が10〜40μmを用い、混練により平均繊維長を3〜10μmに落とすことが有効であった。また、混練により樹脂への無機繊維分散性もよくなった。
樹脂への無機繊維の添加量は5〜40質量%とした。5重量%以下の場合、樹脂組成物強度が低下する。40重量%以上の場合は射出成形が困難になってしまう上、スプールやランナーを再生することも困難になってしまう。
ボタン型またはコイン型の電池の電気化学セルとして、
正極は、マンガン酸化物またはリチウム含有マンガン酸化物、チタン酸化物、リチウム含有チタン酸化物、モリブデン酸化物、マンガン酸化物、バナジウム酸化物、ニオブ酸化物、リチウム含有マンガン酸化物、リチウム含有コバルト酸化物、リチウム含有ニッケル酸化物、リチウム含有マンガンコバルト酸化物、リチウム含有マンガンニッケル酸化物、リチウム含有コバルトニッケル酸化物、リチウム含有マンガンコバルトニッケル酸化物が正極活物質として用いられる。
負極としては、リチウム金属、リチウム−アルミニウム等のリチウム合金、リチウムをドーピングした炭素、リチウムをドーピングした金属酸化物(SiO、WO2、WO3等)、リチウム含有チタン酸化物(Li4Ti5O12等)、二酸化モリブデン、ニオブ酸化物等を用いることができる。
正負極の組み合わせにより電池電圧が決まるため、正極としても負極としても使える物質もある。
電解液としては、常圧での沸点が200℃以上の非水溶媒が安定である。リフロー温度は250℃程度に上がる場合があるが、その温度で電池内部の圧力が上がっているせいか常圧での沸点が204℃のγ−ブチロラクトン(γBL)を用いた場合でも電池の破裂はなかった。プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、γ−ブチロラクトン(γBL)から選ばれる単独または複合物で用いることが良好であった。
ボタン型またはコイン型の電気二重層キャパシタ等の電気化学セルにおいて、電気二重層キャパシタに使用する電極としては、おが屑、椰子殻、ピッチなどを賦活処理して得られる粉末状活性炭を、適当なバインダーと一緒にプレス成形または圧延ロールして用いることができる。また、フェノール系、レーヨン系、アクリル系、ピッチ系などの繊維を、不融化及び炭化賦活処理して活性炭または活性炭素繊維とし、これをフェルト状、繊維状、紙状または焼結体状にしても用いてもよい。また、電解重合して得られるポリアニリン(PAN)も利用できる。
正極負極に用いられる活物質は同一のものである必要はなく、これらの活物質を組み合わせて用いることも可能である。
電解質には、特に限定されることなく従来の電気二重層キャパシタや非水二次電池に用いられている非水溶媒が用いられる。非水溶媒中に存在する主な不純物としては、水分と、有機過酸化物(例えばグリコール類、アルコール類、カルボン酸類)などが挙げられる。前記各不純物は、電極の表面に絶縁性の被膜を形成し、電極の界面抵抗を増大させるものと考えられる。したがって、サイクル寿命や容量の低下に影響を与える恐れがある。また高温(60℃以上)貯蔵時の自己放電も増大する恐れがある。このようなことから、非水溶媒を含む電解質において前記不純物はできるだけ低減されることが好ましい。具体的には、水分は50ppm以下、有機過酸化物は1000ppm以下であることが好ましい。
支持塩としては(C2H5)4PBF4、(C3H7)4PBF4、(CH3)(C2H5)3NBF4、(C2H5)4NBF4、(C2H5)4PPF6、(C2H5)4PCF3SO4、(C2H5)4NPF6、過塩素酸リチウム(LiClO4 )、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6 )、ホウフッ化リチウム(LiBF4 )、六フッ化砒素リチウム(LiAsF6 )、トリフルオロメタスルホン酸リチウム(LiCF3 SO3 )、ビストリフルオロメチルスルホニルイミドリチウム[LiN(CF3 SO2 )2 ]、チオシアン塩、アルミニウムフッ化塩などのリチウム塩などの1種以上の塩を用いることができる。
また、ポリエチレンオキサイド誘導体か該誘導体を含むポリマ−、ポリプロピレンオキサイド誘導体か該誘導体を含むポリマ−、リン酸エステルポリマ−等も上記支持塩と併用し用いることもできる。
(実施例1)ビクトレックス社製ポリエーテルエーテルケトン樹脂(450G)を70部とチタン酸カリウム繊維(繊維径0.47μm、平均繊維長16.1μm)をベルストルフ社製の連続式、ニ軸押出混練機ZE40Aで混練した。一回目の混練後の繊維長を顕微鏡法(ルーゼックスによる測定)で測定したところ、平均繊維長は12.3μmであった。そのため二回目の混練を行った。その結果平均繊維長は8.7μmとなった。この混練物を一軸押出式のペレタイーザーを用いてペレット化した。このペレットを用い射出成形により直径約4.7mmのガスケット108を作製し、さらに電池を作製した。
(実施例2)ビクトレックス社製ポリエーテルエーテルケトン樹脂(450G)を70部とチタン酸カリウム繊維(繊維径0.47μm、平均繊維長16.1μm)を株式会社モリヤマ製の加圧型ニーダ混練機D1−5により混練した。混練は平均繊維長は8.0μmとなるまで行った。この混練物を一軸押出式のペレタイーザーを用いてペレット化した。このペレットを用い射出成形により直径約4.7mmのガスケット108を作製し、さらに電池を作製した。
(実施例3)ビクトレックス社製ポリエーテルエーテルケトン樹脂(450G)を70部とチタン酸カリウム繊維(繊維径0.47μm、平均繊維長16.1μm)をベルストルフ社製の連続式、ニ軸押出混練機ZE40Aで混練した。この混練物を一軸押出式のペレタイーザーを用いてペレット化した。このペレットを用い射出成形により直径約4.7mmのガスケット108を作製し、そのときできたスプールおよびランナーの繊維長を顕微鏡法(ルーゼックスによる測定)で測定したところ、平均繊維長は10.2μmであった。そこで、スプールおよびランナーを株式会社ニッスイ製のスカッターSA−22より粉砕し、もう一度射出成形し、出来上がったスプールおよびランナーの繊維長を顕微鏡法(ルーゼックスによる測定)で測定したところ、平均繊維長は7.7μmであった。このスプールおよびランナーを再び粉砕し、最初につくったペレットを10%混合し、射出成形により直径約4.7mmのガスケット108を作製した。ガスケット108の繊維長を顕微鏡法(ルーゼックスによる測定)で測定したところ、平均繊維長は7.6μmであった。このガスケット108を用い電池を作製した。
(比較例1)実施例1の一回目の混練物、平均繊維長は12.3μmの混練物を一軸押出式のペレタイーザーを用いてペレット化した。このペレットを用い射出成形により直径約4.7mmのガスケット108を作製し、さらに電池を作製した。
(比較例2)ビクトレックス社製ポリエーテルエーテルケトン樹脂(450G)を70部とチタン酸カリウム繊維(繊維径0.47μm、平均繊維長16.1μm)をベルストルフ社製の連続式、ニ軸押出混練機ZE40Aで混練した。五回目の混練後の繊維長を顕微鏡法(ルーゼックスによる測定)で測定したところ、平均繊維長は2.5μmであった。この混練物を一軸押出式のペレタイーザーを用いてペレット化した。このペレットを用い射出成形により直径約4.7mmのガスケット108を作製し、さらに電池を作製した。
本実施例および比較例の電池は、正極活物質としてMoO3、負極活物質としSiOを用いた場合である。下記のようにして作製した正極、負極及び電解液を用いた。また、電池の大きさは外径4.8mm、厚さ1.4mmとした。電池の断面図を図1に示した。
実施例1〜3および比較例1、2として、正極は次の様にして作製した。
市販のMoO3を粉砕したものに導電剤としてグラファイトを、結着剤としてポリアクリル酸を重量比MoO3:グラファイト:ポリアクリル酸=53:45:2の割合で混合して正極合剤とし、次にこの正極合剤5mgを2ton/cm2で直径2.4mmのペレットに加圧成形した。その後、この様にして得られた正極ペレット101を、炭素を含む導電性樹脂接着剤からなる電極集電体102を用いて正極ケース105に接着し一体化した(正極ユニット化)後、250℃で8時間減圧加熱乾燥した。
塗布する液体シール剤110は、市販のブチルゴム系接着剤(ブチルゴム30重量%、残りトルエン)とブローンアスファルトをトルエンに溶かしたものを正極缶103の内側に注射器により塗布し、ドライルーム内で120℃乾燥して用いた。
負極は、次の様にして作製した。市販のSiOを粉砕したものを作用極の活物質として用いた。この活物質に導電剤としてグラファイトを、結着剤としてポリアクリル酸をそれぞれ重量比45:40:15の割合で混合して負極合剤とした。合剤1.1mgを2ton/cm2で直径2.1mmのペレットに加圧成形したものを用いた。その後、この様にして得られた負極ペレット104を、炭素を導電性フィラーとする導電性樹脂接着剤からなる電極集電体102を用いて負極缶105に接着し一体化した(負極ユニット化)後、250℃で8時間減圧加熱乾燥した。さらに、ペレット上にリチウムフォイル106を直径2mm、厚さ0.2mmに打ち抜いたものを圧着し、リチウム−負極ペレット積層電極とした。厚さ0.2mmのガラス繊維からなる不織布を乾燥後φ3mmに打ち抜きセパレータ109とした。
負極缶105の外径は4.21mmのものを用いた。
ガスケット108は、実施例1〜3および比較例1、2の方法で作製したものを用いた。
塗布する液体シール剤110は、市販のブチルゴム系接着剤(ブチルゴム30重量%、残りトルエン)とブローンアスファルトをトルエンに溶かしたものをガスケット108の溝に注射器により塗布し、ドライルーム内で120℃乾燥して用いた。
電解液107は、エチレンカーボネート(EC):γ−ブチロラクトン(γBL)の体積比1:1混合溶媒にホウフッ化リチウム(LiBF4)を1モル/L溶解したもの6μL、電池缶内に入れた。正極ユニットと負極ユニットを重ねかしめ封口することにより電池を作製した。電池は実施例も比較例もそれぞれ500個作製した。
電池は、電池は、予備加熱200℃、3分、到達温度260℃のリフロー炉を通過させ、漏液とガスケット切れ等を評価した。
Figure 0004873838
結果を表1に示した。
表1で、ガスケットXY寸法差は、ガスケット108外側立ち上がり上部のX方向の径とY方向の径の差を示しており、大きいほど射出成形での変形つまり成形のばらつきが大きいことを示している。漏液、ガスケット切れは500個についてリフローした後、漏液またはガスケットが切れてしまった電池の数を示した。高温高湿保存後の容量維持率は、作製した電池10個をリフローした後、60℃、湿度90%で保存し、容量を測定し、保存前の容量と比較することにより容量維持率を測定した結果を示したものである。
実施例1〜3においては良好な試験結果を示している。
比較例1の無機繊維長の12.3μmのガスケットを用いた電池においては、漏液、ガスケット切れが発生している。漏液の発生した電池と切れの発生した電池はほぼ一致していた。比較例1のものはXY寸法差が他に比べ大きいため、封口の条件が合わなくなってしまい、切れが発生したものと考えられる。無機繊維長が長いためガスケットが切れやすくなったとは考えにくく、成形のばらつきの影響により切れやすくなったものと考えられる。
比較例2の無機繊維長の2.5μmのガスケットを用いた電池においても、漏液、ガスケット切れが発生している。これは、繊維長が短くなったことによりガスケットの強度が落ち封口性が悪化したものと考えられる。実施例1と比較例2の樹脂で試験片を作りの引張り強さを測定したところ実施例1は145MPa、比較例2は119MPaと強度が落ちていることがわかった。
また、実施例3において、平均繊維長は7.7μmであったスプールおよびランナーを再び粉砕し、最初につくったペレットを10%混合し、射出成形したところできあがったガスケット108の平均繊維長は7.6μmであったことから、再生材にある一定の新品ペレットを加えることにより、安定した平均繊維長のものが得られることを示している。これにより、通常廃棄物となってしまうスプールおよびランナーを安定して再生して使うことができるようになった。
本実施例では、ポリエーテルエーテルケトンとチタン酸カリウム繊維の結果について示したが、ポリフェニレンサルファイドや珪酸カルシウム繊維を用いたガスケットの電池でも漏液、ガスケット切れがなく良好な特性を示すことがわかった。
本実施例では、リフローはんだ付け実装可能な非水電解質二次電池についてのみ説明したが、実施例同様の正極缶、負極缶、ガスケットを用いた電気二重層キャパシタにおいても同様の効果が確認できた。
本発明の電気化学セルの断面図
符号の説明
101 正極ペレット
102 電極集電体
103 正極缶
104 負極ペレット
105 負極缶
106 リチウムホイル
107 電解液
108 ガスケット
109 セパレータ
110 液体シール剤

Claims (6)

  1. 耐熱樹脂と無機繊維とからなり、正極缶と負極缶をかしめ封口してなるコインまたはボタン型の電気化学セルに用いられるガスケットであって、
    前記耐熱樹脂は、ポリフェニレンサルファイドもしくはポリエーテルエーテルケトンのうち少なくとも一方からなり、
    前記無機繊維は、平均繊維長が3〜8.7μmであることを特徴とするガスケット。
  2. 直径が7mm以下であることを特徴とする請求項1記載のガスケット。
  3. 前記無機繊維が、チタン酸カリウム繊維および/または珪酸カルシウム繊維であることを特徴とする請求項1または2に記載のガスケット。
  4. 前記無機繊維の樹脂組成物全体中に占める割合が、5〜40質量%である、請求項1から3のいずれか一項に記載のガスケット。
  5. 前記ガスケットは断面形状がU字型であり、かつ前記ガスケットの内側壁部が負極缶平面部に接することを特徴とする請求項1から4いずれか一項に記載のガスケットを用いたコインまたはボタン型の電気化学セル。
  6. 耐熱樹脂と無機繊維を混練機を用いて混ぜ、前記無機繊維の平均繊維長を3〜8.7μmに調整する工程と、
    前記耐熱樹脂と前記無機繊維を、ペレタイザーを用いてペレット化する工程と、
    前記ペレット化する工程により得られたペレットを用い、射出成形によりガスケットを作製する工程と、を有することを特徴とするガスケットの製造方法。
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